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1 ◆Vwu55VjHc4Yj
名も無き被検体774号+
勇者「拒否権の無い選択などあるものか!」
半陰陽だけど質問ある?

書き込みレス一覧

勇者「拒否権の無い選択などあるものか!」
423 :1 ◆Vwu55VjHc4Yj []:2013/09/04(水) 09:29:14.03 ID:/1lNz7AVP
おはよう!
おむかえまでー
勇者「拒否権の無い選択などあるものか!」
424 :1 ◆Vwu55VjHc4Yj []:2013/09/04(水) 09:59:08.54 ID:/1lNz7AVP
戦士「……何がある、んだろうな」
僧侶「わかりません……でも」
僧侶「私が、エルフの娘であると知っていて」
僧侶「……私を、名指しして」
魔法使い「どこにあるのよ、その北の塔、とやらは……」
勇者「始まりの国と魔導国の戦争さえ、なければ……」
勇者「……船を手に入れて、行ってみよう、って言いたいところなんだけどな」
魔法使い「…… ……」ハァ
僧侶「魔法使いさん、横になって下さい……辛そうです」
魔法使い「大丈夫だって……それに、そろそろ魔石が……」
戦士「無理をするな」
魔法使い「……でも、多分もうすぐ消えちゃうわ」
僧侶「すぐ近くが森ですから……木の枝を拾ってきます」
戦士「俺が行く」
勇者「あ、じゃあ俺も……」
僧侶「勇者様は駄目ですよ……何かあったらどうするんです」
僧侶「戦士さんが一緒だったら、安心ですから」
勇者「……そうだな。解った。気をつけろよ?」
戦士「皮肉だな……その、魔寄せの石とやらに守られてる、なんてな」
魔法使い「今更ね……」
戦士「…… ……」スッ スタスタ
僧侶「じゃあ、お願いします、ね」

パタン

魔法使い「……ご免なさい」
勇者「何で謝るんだよ」
魔法使い「だって……こんな時に」
勇者「拒否権の無い選択などあるものか!」
425 :1 ◆Vwu55VjHc4Yj []:2013/09/04(水) 10:20:40.60 ID:/1lNz7AVP
勇者「……いくら魔除けの……ああ、魔寄せ、か」
勇者「その石があったからって、危険が無いとは言い切れない」
勇者「……フラフラになってまで、俺達を……仲間を守ってくれてるんだ」
勇者「……ありがとう、魔法使い」
勇者「ごめんな、頼りない勇者で」
魔法使い「勇者……」
勇者「……皆を、さ。導いて行かないと行けないのに」
勇者「俺は……もしかしたら、母さんがって……」
勇者「…… ……」
魔法使い「仲間、でしょ?」
勇者「……ああ」
魔法使い「頼って良いの……良いんでしょ?私も。そうして……」
勇者「…… ……そうだな」
魔法使い「勇者、始まりの国に帰って、話を聞いて」
魔法使い「……魔導国に行きましょう」
勇者「……しかし」
魔法使い「……魔王を倒すだけが、勇者、じゃ無いんでしょ?」
勇者「…… ……」
魔法使い「あれからずっと……考え込んでる顔、してる」
勇者「魔王だってずっと待ってはくれない」
魔法使い「……ええ」
勇者「確かに、魔王を倒すのが近道になるのかもしれないけど」
勇者「それでも……俺の産まれた国だ。俺の育った国だ」
勇者「……放って置けない」
魔法使い「…… ……」
勇者「始まりの国だけじゃ無い。鍛冶師の村だって……」
魔法使い「……うん」
勇者「これから行く北の街にも、何かがあるかもしれない」
魔法使い「……魔導国は、私の故郷」
魔法使い「私も、放っては置けない……!」
勇者「拒否権の無い選択などあるものか!」
426 :1 ◆Vwu55VjHc4Yj []:2013/09/04(水) 10:35:18.50 ID:/1lNz7AVP
魔法使い「……もし、お爺様達が、本当に……」
魔法使い「剣士を連れて、魔王に与しようって考えてるなら」
魔法使い「何としてでも止めないと……!」
勇者「……良いのか?」
魔法使い「大事だからよ。大事な……家族だから……」
勇者「…… ……辛いぞ、多分」
魔法使い「……私は、何?」
勇者「え?」
魔法使い「『勇者』の仲間よ。『勇者の直感』に、選ばれた……仲間、よ」
勇者「…… ……」
魔法使い「勇者の役目は何?」
勇者「……魔王を、倒す事」
魔法使い「それだけ、じゃ無いんでしょ?」
勇者「…… ……『世界』を平和にする事……ッ」
魔法使い「…… ……うん」ニコ
勇者(……ッ)ドキ
勇者(暗くて、はっきりと顔が見えないけど)
勇者(…… ……何となく、解る。魔法使い、笑ってくれてる)
勇者「……壁にもたれてたら、しんどいだろう?」
魔法使い「え……まあ、でも……」
勇者「……おいで」グイッ
魔法使い「きゃッ …… ……ちょ、ちょっと、勇者!?」
勇者「これで、頭痛くないだろ」ドキドキ
魔法使い(こ、これって……膝枕……ッ)ドキドキ
魔法使い(……な、何だろう…… ……恥ずかしい、けど)
魔法使い(…… ……落ち着く)ハァ
勇者「あ、ご、御免!」
魔法使い「……ら、楽だわ!だから……! い、良い、のよ」
魔法使い「……もう、少し……この……まま、で……」
勇者「…… ……不思議、だな」
勇者「拒否権の無い選択などあるものか!」
427 :1 ◆Vwu55VjHc4Yj []:2013/09/04(水) 10:43:50.37 ID:/1lNz7AVP
魔法使い「…… ……」
勇者「何か……前にも……違うな」
勇者「……初めて、の筈なのに。何回も……何て言うか……」
魔法使い「そう? ……私、逆だわ」
勇者「え?」
魔法使い「何度もやってる事なのに……まるで、はじ……め、て」
魔法使い「…… ……」スゥ
勇者「魔法使い?」
魔法使い(すぅすぅ)
勇者(寝ちゃった、か……疲れた、んだよな)
勇者(俺だけじゃ無い。魔法使いだけでもない)
勇者(……僧侶も、戦士も……)
勇者(肉体的な疲労より、精神的な方が……疲れるよな、何倍も)
勇者(…… ……魔法使い)チュッ
勇者「…… ……」
勇者(……ッ な、なななな、なにやってんだ、俺は!?)
勇者(……おでこ。おでこだ。大丈夫だ!)
魔法使い「…… ……ん」モゾ
勇者「!? …… ……」
勇者(起きて、ない…… ……大丈夫、だ)ホッ
勇者(……なんだろうな。しっくりくる)
勇者(魔法使い……)ナデ

……
………
…………
勇者「拒否権の無い選択などあるものか!」
428 :1 ◆Vwu55VjHc4Yj []:2013/09/04(水) 10:45:14.69 ID:/1lNz7AVP
お迎え行ってお昼ご飯!
勇者「拒否権の無い選択などあるものか!」
431 :1 ◆Vwu55VjHc4Yj []:2013/09/04(水) 13:53:16.07 ID:/1lNz7AVP
僧侶「……間に合いました、ね」フゥ
戦士「ぎりぎりな…… これで、どうにか……朝まで炎は持つだろう」
僧侶「交替で見張っていれば、炎も耐えません……大丈夫です」フゥ
戦士「俺が見てるから、お前も中で休め、僧侶」
戦士「……辛くなったら、勇者を呼びに行くから」ストン
僧侶「……もう少し、ここに居ても良いですか」
戦士「…… ……大丈夫か?」
僧侶「はい…… ……もう、朽ちて……しまいましたけど」
僧侶「ここに居れば……神父様が、見えます、から」
戦士「……あの小山、か」
僧侶「…… ……」
僧侶「きっと……もう、土に還っています。神の御許へ……」
僧侶「……何時か、戻って来るつもりでした」
戦士「此処へ、か?」
僧侶「はい。小さいし、何も無いけど……」
僧侶「私の『家』ですから」
戦士「…… ……」
僧侶「もし、勇者様の旅のお供が出来て、魔王を倒して……」
僧侶「そうしたら、最後は……この家で、と」
僧侶「……思っていたんです。不思議と……本当に、そうなる様な気がして」
戦士「『願えば叶う』と言うのは、そういう……気持ちなのかもしれないな」
僧侶「え?」
戦士「こうなって欲しいと思う事を、実現させる為に働かせる力」
戦士「……魔法、等では無く、様は……努力、とか」
僧侶「……そうですね。一生懸命実現させる為に、頑張るって……事」
僧侶「困難に立ち向かっていく力、くじけない気持ち……」
僧侶「そうすれば……叶う。自分の力で、叶えてみせる」
戦士「…… ……」
勇者「拒否権の無い選択などあるものか!」
432 :1 ◆Vwu55VjHc4Yj []:2013/09/04(水) 14:57:16.96 ID:/1lNz7AVP
僧侶「……戦士さんは、どう思いますか」
戦士「俺は、そもそも魔法の事等……良く解らん」
戦士「この小屋に着いたとき、勇者も言っていただろう」
戦士「……何を信じて良いか解らないときは、自分を信じれば良い」
僧侶「……はい」
戦士「今が正にそうだ。真実の一文字も解らん」
戦士「だが、俺達は……進まなければならん」
戦士「……何を。どれを信じれば良いのか」
戦士「真実は何処にあるのか……」
僧侶「そう……ですね。願いを叶えるにしたって」
僧侶「自分を、信じないことには……」
戦士「……エルフの話、だな」
僧侶「…… ……はい」
僧侶「私に、人の子の血が入っていることは解って居ます」
僧侶「回復魔法を使えるのは……人間だけの特権」
僧侶「……世の中の摂理は、変えられません」
戦士「『エルフは嘘を吐けない』か」
僧侶「……御伽噺、ですよね?司書さんに見せて貰った、あの本……」
僧侶「なのに……魔導将軍さんは、言い切った」
戦士「それは信じるに値するのか?」
僧侶「解りません……ですけど」
僧侶「……まさか、あの本を魔導将軍さんが読んだ事があるとは……思えません」
戦士「……そう、だな」
勇者「拒否権の無い選択などあるものか!」
433 :1 ◆Vwu55VjHc4Yj []:2013/09/04(水) 15:20:17.42 ID:/1lNz7AVP
僧侶「『世界』は……謎だらけ、ですね」
僧侶「こんなにも……何も、知らない私が」
僧侶「……『世界』を知りたい、等と思うのは」
僧侶「烏滸がましかった……のかも、知れません」
戦士「知らないから故に、欲するのだろう?」
僧侶「……戦士さん」
戦士「全てを知ってしまえば、探求心など生まれないと……俺は思う」
戦士「興味が無いとは言わんだろう?」
僧侶「え?」
戦士「……『北の塔』だ」
僧侶「そ、れは…… ……はい」
戦士「何処にあるかも解らん。何があるのかも」
戦士「……だが、お前は」
僧侶「…… ……」
戦士「何か解るかも知れないから、行ってみたいと思っている、のだろう?」
僧侶「…… ……はい」
戦士「それは少なからず、魔導将軍を信じていると言う事になる」
戦士「……だが、俺もそれで良いと思う」
戦士「良く解らない。良く解らない……が」
戦士「何だろうな。酷く懐かしい気がする」
戦士「……こういうのは、なんて言う……んだろうな」
僧侶「デジャヴュ、ですか?」
戦士「で……何?」
僧侶「……初めて見る場所や、人なのに、会ったことがある様な……」
戦士「……否。違う……」
僧侶「え?」
戦士「寧ろ、逆だ」
僧侶「??」
勇者「拒否権の無い選択などあるものか!」
434 :1 ◆Vwu55VjHc4Yj []:2013/09/04(水) 15:30:55.72 ID:/1lNz7AVP
戦士「……何度も、会っているはずなのに……まるで初めて会う様な」
戦士「そんな……否、錯覚だろうと、解っては居るんだが」
僧侶「……錯覚……なんでしょうか」
戦士「ん?」
僧侶「私も何度も感じてます」
僧侶「……凄く……懐かしい感じがするんです」
僧侶「でも、知らない。確かに知らないのに……」
僧侶「……悲しくて、寂しくて……苦しくて」
戦士「嬉しい?」
僧侶「…… ……」
僧侶「……ジャメヴュ、って言うんだそうです」
戦士「…… ……発音も出来ん」
僧侶「……」クスクス
戦士「さっきの、デ、何とかと言い、それと良い……何なんだ」
僧侶「既視感と未視感です……私達は確かに」
僧侶「始まりの国で初めて会った筈……否」
僧侶「私と魔法使いさんは、港街で、戦士さんと彼女は始まりの国で」
僧侶「もう少し前に、会ってます、けど」
僧侶「……こうして、勇者様と一緒に」
僧侶「何度も……旅をしていた様な気も、するんです」
戦士「それがその、でじゃぶ、か」
僧侶「……はい。でも……言われる迄気がつきませんでしたけど」
僧侶「確かに、逆なんですよね」
僧侶「……知っている筈なのに、まるで……初めてみたい」
戦士「それが、じゃ……じゃめ…… ……まあ良い」
僧侶「……」クス
戦士「笑うな、と行っただろうが……」ムス
勇者「拒否権の無い選択などあるものか!」
435 :1 ◆Vwu55VjHc4Yj []:2013/09/04(水) 15:44:10.74 ID:/1lNz7AVP
僧侶「ご免なさい……可愛くて、つい」クスクス
戦士「……俺の何処が可愛いんだか」フゥ
僧侶「明日……北の街に……行くんですね」
戦士「……船を手に入れれば……始まりの国へ戻るのだろう」
僧侶「……それから、魔導国、でしょうか」
戦士「勇者の事だ……そう、なるだろうな」
僧侶(魔法使いさん……)
戦士「……僧侶、信じろ」
僧侶「え?」
戦士「俺達は『仲間』だ ……大丈夫だ」
僧侶「……はい!」
戦士「何時か……」
僧侶「はい?」
戦士「……否、良い」
戦士(何時か……なんだ?僧侶と共に、北の塔に行きたい?)
戦士(……行かねば、ならん気がする。だが……何故だ?)
戦士(魔王を倒し……世界が平和になったら)
戦士(…… ……そうなったら、僧侶は此処に帰ってくるんだ)
戦士(……何だ。胸が、締め付けられる様だ)
僧侶「あの……戦士さん?」
戦士「…… ……」ジッ
僧侶「…… ……」ドキッ
戦士(懐かしい。悲しい。苦しい、切ない……嬉しい)
戦士(……初めてなのに、そうで無い様……でじゃぶ、違う)
戦士(じゃめ、ぶ?だったか……)
戦士「何度も会っているのに……」
僧侶「……戦士、さん」
勇者「拒否権の無い選択などあるものか!」
436 :1 ◆Vwu55VjHc4Yj []:2013/09/04(水) 16:06:37.23 ID:/1lNz7AVP
戦士「……もう、中に入れ。風邪を引く季節では無いにしても」
戦士「夜風は……身体に良くは無いだろう」
僧侶「あ……あの……?」
戦士「勇者に伝えておいてくれ……適当に変わってくれ、と」
僧侶「は……はい」スッ

スタスタ、パタン

戦士(……何を考えて居るんだ、俺は)
戦士(あいつは……エルフ後を引いてる)
戦士(ただの人間の……俺とは、違う)

カチャ

戦士「ああ、勇者、まだもう少……し……」
僧侶「…… ……」
戦士「……僧侶?」
僧侶「勇者様と……魔法使いさん……が……」
戦士「! ……どうした!?」
僧侶「…… ……あのッ 抱き合って……その……」
僧侶「ね、寝てる、んです……ッ」カァ
僧侶「ど、どうしましょう、戦士さん……!?」
戦士「ど……どうしましょう、ってお前……」
戦士「…… ……どう、しよう、か」

……
………
…………
勇者「拒否権の無い選択などあるものか!」
437 :1 ◆Vwu55VjHc4Yj []:2013/09/04(水) 16:31:49.36 ID:/1lNz7AVP
后「……お帰り、魔導将軍」

カチャ

魔導将軍「ノックする前に気がつくとか……」ハァ
后「だって、解っちゃったんだもん」
后「……おかえりなさい、魔導将軍」
魔導将軍「ただいま……間に合った、かな」
后「あんまり……話してる時間は、無いね」
魔導将軍「そうだね。使用人に聞いた」
魔導将軍「……側近、寂しがってるだろうし。もう行くね」
后「……元気そう、だった?」
魔導将軍「うん。随分……逞しくなってたよ」
后「……そっか」
魔導将軍「もうすぐだね」
后「うん……ありがとう、魔導将軍」
魔導将軍「……伝えといたよ」
后「え?」
魔導将軍「『北の塔』」
后「貴女も、お節介だね」
魔導将軍「見て、感じて……知るよ。あの子は」
魔導将軍「じゃあ……行くね」
后「うん……後で」

パタン

后「……もう、少し」
后「ごめんね……」
后「……すぐに、行くから」

……
………
…………
勇者「拒否権の無い選択などあるものか!」
438 :1 ◆Vwu55VjHc4Yj []:2013/09/04(水) 17:10:43.40 ID:/1lNz7AVP
魔王「……ゥ、ウ」
側近「なあ、魔王さぁ」
魔王「…… ……」
側近「俺、前から思ってたんだけど……何で、そんな苦しんでんだ?」
魔王「…… ……ァ」
側近(表情は変わらない……だけど)
魔王「……ゥ ……」
側近(声は…… ……苦しそう、なんだよな。ずっと)
魔王「…… ……ァ」
側近(これも……絶え間なくなってきた。こうやって……)
側近(……魔力を注いで、こいつの力を押しとどめるのって)
側近(本当に……正しい、のか?)
魔王「…… ……」
側近「……使用人は、魔王の身体の中に残ってる光の所為じゃないかとか」
側近「言ってた、けども、さ」ハァ
魔王「……ア……ゥ」
側近(身が、完全に闇になっていくのに……その光の残照が)
側近(……お前を、苦しめてるのか?魔王……)

コンコン、カチャ

側近「……ん?」
魔導将軍「はぁい、ダァリン」
側近「魔導将軍か……」
魔導将軍「何よぅ。もうちょっと嬉しそうな顔、してよね」
勇者「拒否権の無い選択などあるものか!」
439 :1 ◆Vwu55VjHc4Yj []:2013/09/04(水) 17:17:47.80 ID:/1lNz7AVP
側近「これ以上無い位、嬉しいんだぜ、俺は」
魔導将軍「……今にも泣きそうな顔して、何言ってんのよ」スタスタ、ギュ
側近「……喜ばないと行けないだろ」ギュ、チュ
魔導将軍「……ん」チュ
側近「もう……良いのか」
魔導将軍「うん。僧侶ちゃんに、北の塔の事も伝えたしね」
側近「……お節介め」
魔導将軍「それ、后にも言われたな」
側近「…… ……随分、苦しそうなんだ」
魔導将軍「大丈夫だよ、魔王。私も……もう、側近と一緒に」
魔導将軍「ここに居るからね……よ、っと」
側近「……もう一回、お前を抱きたかったなぁ」
魔導将軍「まだ……やる事、残ってるでしょ」
魔導将軍「お楽しみは一番後よ、側近」
魔導将軍「…… ……」
側近「……どうした?」
魔導将軍「今更だけど、さ」
側近「ん?」
魔導将軍「魔導部隊作る迄は行かなくても、欲しかったなぁ……赤ちゃん」
側近「……御免な」
魔導将軍「責めてないわよ。お馬鹿さん。でっかい独り言よ」
側近「全くだな……」
魔導将軍「……出来ない気は、してたんだ」
側近「奇遇だな」
魔導将軍「え?」
勇者「拒否権の無い選択などあるものか!」
440 :1 ◆Vwu55VjHc4Yj []:2013/09/04(水) 17:22:48.96 ID:/1lNz7AVP
側近「……俺もだ。何時だったか忘れたけど」
側近「そんな事、考えた事があった」
魔導将軍「…… ……」
側近「そういう……運命なんだろうなって、な」
魔導将軍「側近って、本当にロマンチストよね」
側近「……なんだよ」
魔導将軍「まだ、さ。まだ……アタシが『魔法使い』で」
魔導将軍「アンタが、『戦士』だった頃」
魔導将軍「……にも、さ。『運命』だとか言ってなかった?」
側近「仕方ネェだろ。本当にそう思ったんだから」
魔王「……ゥ、ウ」
魔導将軍「クサイよねぇ?魔王」
側近「おい……」
魔導将軍「でもね、アタシもよ、側近」
魔導将軍「何だろうな。初めて会った気が……ううん」
魔導将軍「何回も会ってるのに、初めて会った様な変な感じだったよ」
側近「……お前も充分、ロマンチストだよ」
魔導将軍「お似合いね、アタシ達……」フフ
側近「……これ、何時まで続くんだ?」
魔導将軍「……わかんないわよ」
側近「だよな」
魔導将軍「大丈夫……『今回』は」
側近「特異点、か?」
魔導将軍「……どうなるかはわかんないけど」
側近「そうか。じゃあ、『今まで』より……」
魔導将軍「そうね……きっと、近づける」
側近「断ち切れるか?」
魔導将軍「どうかしらね。でも…… ……」
勇者「拒否権の無い選択などあるものか!」
441 :1 ◆Vwu55VjHc4Yj []:2013/09/04(水) 17:30:27.32 ID:/1lNz7AVP
魔導将軍「まだ『やる事が残ってる』わよ、側近」
魔導将軍「まだ……ぎりぎりまで……ッ」
魔王「……ウ」
側近「ああ……泣くなよ、魔導将軍」
魔王「……ゥウ」
魔導将軍「アンタもよ、ダーリン」
側近「阿呆……俺たちは……」
魔導将軍「そう……喜ばないといけない」

魔王「ゥウ、アアアアッ」

ビリ……ッ

側近「……魔王! ……糞、后は……ッ まだ、駄目だ……ッ」
魔導将軍「何の為に、アタシが此処に居ると思ってんのよ! ……ッ」

ビリビリ……ッ

魔王「あ。ァ……ッ 『だ……め、だ……ッ 待て、待ってくれ……ッ』」

ビリビリ……ッ

側近「!?」
魔導将軍「魔王!?」

ビリビリビリ……ッ

魔王「『……俺は、まだ何も知らない!俺は……ッ』」

ビリビリビリ……ッ

側近「な……ッ 喋った!? ……ま、魔導将軍、后か、使用人……!!」
魔導将軍「む……ッ 無茶言わないで、無理よ……!!」

ビリビリビリ……ッ

魔王「『知らなければならない……ッその義務と権利が、あるんだ……!』」

ビリ……ッ

側近「しっかり、しろ……魔王!!」
魔導将軍「……知る…… ……義務と、権利……ッ ウゥッ」
勇者「拒否権の無い選択などあるものか!」
442 :1 ◆Vwu55VjHc4Yj []:2013/09/04(水) 17:38:44.72 ID:/1lNz7AVP
……ビリ…… ……

側近「…… ……な、んだ……?」
魔導将軍「……止、まった…… ……?」
側近「大丈夫か、魔導将軍……」
魔導将軍「……え、ええ……魔王?」

魔王「…… ……」

バタバタバタ……ッ

后「側近!魔導将軍!」
側近「! ……大丈夫だ。大丈夫だから、入るな!」
后「……何が、あったの」
魔導将軍「ちょっと、待って…… ……ちゃんと、話す、から……」
側近「そこに居ろよ、后……糞、勇者……ッ 早く、来いよ……ッ」
側近「……間に合ってくれよ……ッ」
魔導将軍(魔王…… ……貴方は、何を……?)

……
………
…………

僧侶「朝、ですね……」
戦士「……朝だな」フワァ
勇者「えっと、その……御免」
魔法使い(すぅすぅ)
僧侶「余程……疲れたのですね、魔法使いさん」
勇者「や、その、な? ……壁は固いし、しんどいだろうと思ってな!?」
戦士「別に何も言ってないだろうが」
勇者「さ、さっき、僧侶に聞いたから!悪かった!戦士……ッ」
勇者「拒否権の無い選択などあるものか!」
443 :1 ◆Vwu55VjHc4Yj []:2013/09/04(水) 17:48:58.22 ID:/1lNz7AVP
戦士「まあ……仕方無いだろう。動けなかったんだろうしな」
戦士「そりゃ構わん……が」
僧侶「がっちり抱き合ってましたね……さっきまで」
勇者「あ、暖かかったから、つい……」
魔法使い(すぅすぅ)
僧侶「……見てるこっちが恥ずかしいです」ハァ
戦士「起きるまでそうしておいてやれ……起きたら、出発しよう」
勇者「…… ……ご免なさい」
僧侶「別に勇者様が謝る事じゃないでしょう」クス
僧侶「……ぐっすり眠れた様で、安心しました」
勇者「御免……僧侶は、ちゃんと……寝れた、か?」
僧侶「大丈夫です。戦士さんが膝を貸してくれましたから」
勇者「え」
戦士「…… ……」フィッ
僧侶「ちょっと、神父様の所に行ってきますね」タタタ
勇者「……お前、随分寛大だと思ったら」
戦士「の、野宿でも無いのに、放っておく訳にいかんだろうがッ」
戦士「……そ、それにお前みたいにやましいことはしてない!」
勇者「お、俺も、な、なな、何もしてネェよ!」
魔法使い「……う、ぅん……?」モゾ
勇者「わあッ」
戦士「……何動揺してるんだ」
勇者「ち、ちが……ッ」
魔法使い「……もう、朝…… …… ……きゃあ!?勇者!?」
魔法使い「あ……ッ」カァッ
勇者「お、おはよう!魔法使い!」
魔法使い「あ、私、あのまま……!? ご、ご免なさい!」
勇者「……い、いや、大丈夫。大丈夫だから!」
勇者「そ、その……身体は……大丈夫、か?」
魔法使い「あ……え、ええ……あ、あり、がとう……」
勇者「いや……大丈夫なら、良いんだ。うん」
戦士「…… ……俺も居るんだがな」
勇者「拒否権の無い選択などあるものか!」
444 :1 ◆Vwu55VjHc4Yj []:2013/09/04(水) 17:50:27.44 ID:/1lNz7AVP
お風呂とご飯!
また明日ー!
半陰陽だけど質問ある?
42 :名も無き被検体774号+[sage]:2013/09/04(水) 20:57:14.27 ID:/1lNz7AVP
昔の知り合いにいたなぁ
会うたびに見た目の性別が違った
女装趣味ありでバイの、厄介だけど面白い奴だった
イケメンで美人だったなぁ
半陰陽だけど質問ある?
47 :名も無き被検体774号+[]:2013/09/04(水) 21:07:23.35 ID:/1lNz7AVP
>>45
10年以上昔の話だからなー
飲み友達だったんだけど、半陰陽(そんな言葉を知ったのはもっと後だけど)
だって知ったのは、そう言うのを超えちゃった後だから何とも言えないけど
彼自身の事は好きだったよ
彼は彼だしね

けど、多分基本は男だったと思う
自分で女装、て言ってたし


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