- 男「俺の師匠が可愛い」
155 : ◆b5E8Z05uGA []:2013/05/20(月) 18:31:16.22 ID:HJN5HFIJP - とりあえず母なのか姉なのか(まだ疑っている)わからん女性が俺たちに合流し4人でお屋敷の庭の中を歩いて行く
俺は緊張のあまり小動物のように3人について行った 剣「ま・・・まだか?」 和「まだだ」 剣「お、おい・・・もう帰ろうぜ」 悟「ここまで来たんだからお父さんに挨拶して行かなくちゃね」 剣「・・・・」ガクブルガクブル 遠くからドカドカドカ!!って感じの音が聞こえる 剣「何だ・・・?」 和「稽古の音だ」 剣「稽古・・・?」 音は次第に大きくなって行く
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156 : ◆b5E8Z05uGA []:2013/05/20(月) 18:35:41.30 ID:HJN5HFIJP - しばらく進むと・・・
剣「でっけぇ・・・」 大きな和風の建物があった 少し離れたここからでも凄まじい爆音が響いている 悟「さ、はいろ」 剣「入って良いんですか?」 和「お前はもう平和流喧嘩術の門弟だからな」 知らぬ間に物凄い肩書き?がついている ガラガラ 引き戸を開けると爆音はより一層凄まじくなった ドガガガガッ!!! 剣「うわっ!?」 「やめーいっ!!!」 音が一斉に止んだ
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157 : ◆b5E8Z05uGA []:2013/05/20(月) 18:43:21.85 ID:HJN5HFIJP - 「10分休憩!休憩の後1対1の実戦形式稽古!」
「「「はいっ!!!」」」 すっげー迫力だ・・・ 「ん?なんだ?」 ごっついおっさんがこっちに気がついて歩いて来た 和「私の弟子を連れて来ました」 「ほぅ・・・」 おっさんは岩石魔人というか・・・ゴリラというか・・・とにかくそんな感じのおっさんだった 和父「和の父だ」 剣「あ・・・諸刃・・・剣です」 物凄い威圧で顔を直視できない 和父「おい!岩石!!」 岩石「はいっ!」 これまたごっついおっさんが呼ばれて近寄ってくる
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158 : ◆b5E8Z05uGA []:2013/05/20(月) 18:47:28.82 ID:HJN5HFIJP - 和父「こやつを少し試してやれ」
剣「え・・・!?」 和「待ってください!」 和が割り込んできた 和「剣にはまだ殆ど戦闘術を教えて居ません!今岩石さんの相手をさせたら・・・」 和父「だから試すのだ・・・」 和「しかし!」 悟「お父さん・・・流石に無理があります!」 なんだか俺は物凄い擁護されているみたいだ 岩石「どうなさいますか?」 和父「構わん。」 和「お父様っ!!」
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159 : ◆b5E8Z05uGA []:2013/05/20(月) 18:51:09.44 ID:HJN5HFIJP - 岩石「御嬢大丈夫です。殺しはしません」
和「ぐっ・・・!」 これ以上和もかばえないらしい 俺は覚悟を決めなければならなくなった ・・・・・・ おそらくここの門下生達が見守る中、俺の初稽古が始まった 岩石「10分だ・・・」 剣「え・・・?」 岩石「10分耐えたらお前の勝ちにしてやる」 そのくらいのハンデもらわないとやってらんない 剣「お・・・お願いします!」
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160 : ◆b5E8Z05uGA []:2013/05/20(月) 18:55:50.16 ID:HJN5HFIJP - 一か八か・・・特攻あるのみ!!
俺は勢い良く床を蹴り岩石に組みかかった 剣「おおおおりゃぁぁぁ!!」 岩石「ふんっ!!」 次の瞬間には視界が上下逆転しそのまま俺は投げ飛ばされた ドガッ!! 道場の壁に背中から激突し呼吸がつまる 剣「がはっ・・・!!」 「「「ああ〜っ!!」」」 周りからよく分からない声が上がる 岩石「勝負あり・・・だな」 くっそ・・・この程度でダウンしたら・・・和に合わせる顔がない! まだ何も教えてもらってないけど! 身体だけは頑丈だってことを証明してやる!! 俺は再び立ち上がった
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161 : ◆b5E8Z05uGA []:2013/05/20(月) 18:59:37.18 ID:HJN5HFIJP - 背中と左腕に痛みが走る
岩石「立つか・・・」 岩石がゆっくり近づいてくる 俺はウルトラなんとかのファイティングポーズをとる 一瞬のうちに近づいた岩石に腕を取られ頭上に軽々持ち上げられる 剣「う・・・うそっ!!」 そのまま床に叩きつけるつもりだろうか・・・? 流石にそれを食らったら死ぬ 和「剣っ!!」 和の叫びが聞こえた その時・・・ 俺の中で何かが吹っ切れた 剣「おぉぉぉぉぉぉっ!!!」
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162 : ◆b5E8Z05uGA []:2013/05/20(月) 19:06:25.68 ID:HJN5HFIJP - 空いていた左手で岩石が着ていた道着の襟をつかんで床に叩きつけられる寸前に昆虫のごとくしがみついた
おんぶの前後逆の状態で岩石にしがみつく 岩石「なんだっ!こいつ!?」 必死に引き剥がそうとするが俺は四肢をフルに使って岩石の顔面にへばりついた ・・・・・ 剣の奇想天外な粘りに私たちは度肝を抜かれた 悟「なんて奴だ・・・」 和父「だが・・・アリだ」 和「お父様・・・」 父が笑っている 和「しかしあのままでは埒が明かないぞ・・・」 すると・・・岩石さんの動きがなんだか慌て出した 「どうしたんだ?」 「岩石さんなんか苦しそうだぞ!」 悟「そうか!」 和「兄さん?」 悟「剣くんは岩石さんの呼吸を封じている!!」 和「あっ・・・!」
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163 : ◆b5E8Z05uGA []:2013/05/20(月) 19:16:39.20 ID:HJN5HFIJP - 鼻も口も剣が塞いでいるので呼吸が出来ずに岩石さんは苦しんでいるのだ
悟「なんて外道な・・・」 ザッ 父が立ち上がった 和「お父様・・・どこへ?」 和父「家に戻る・・・。奴は合格だ」 和「・・・はい!」 程なくして岩石さんはギブアップした ・・・・・ 剣「だ〜っ・・・死ぬかと思った!」 「まさかあんな外道な技を使うなんて・・・」 「なんて新入りだ・・・」 「センスのかけらもない」 門下生達に散々な言われようだ すると呼吸を整えた岩石がドスドスと足音を立てながら近づいてくる 絶対に怒ってるだろうな・・・ あんな外道技つかったんだし・・・
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164 : ◆b5E8Z05uGA []:2013/05/20(月) 19:24:11.45 ID:HJN5HFIJP - 岩石のは手を差し出した
それは拳でも平手うちでもなく握手だった 岩石「お前さんの使った手段。確かに外道だが・・・この世界、喧嘩を極める世界ならアリな手段だ」 剣「あ・・・えっと・・・」 とりあえず怒ってるなさそうだ・・・ 俺は岩石のごっつい手を握り返した 岩石「ようこそ・・・。お前さん名前は?」 剣「剣です。諸刃 剣」 岩石「剣か・・・よろしくな!」 なんだかんだで俺の初稽古はうまく行った はずだった 「剣は悟さんの弟子なんだろ?」 剣「いや・・・和・・・師匠の」 「え・・・?」 「え・・・?」 剣「え・・・?」 どうやら和に入門を志願する者は沢山居たようだが全て断られていたらしい 志願した理由はわからないがともかく人気なのだ その和に唯一弟子入りできた俺は一時避難のラッシュを浴び続けた
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