- 兄貴の彼女を好きになった話
84 :1[]:2013/03/21(木) 13:01:41.54 ID:QTO2yDQ00 - 遅くてすまないが飯食って来る。ついでに書き溜めて来る。
支援ありがとう。
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94 :1[]:2013/03/21(木) 14:42:24.35 ID:QTO2yDQ00 - 書くのが遅くてすまない。実はこれから急遽出かけなければ行けなくなった。
夜中出来れば書くが、落ちないように良ければ支援頼んだ。
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114 :1[]:2013/03/21(木) 23:18:54.67 ID:QTO2yDQ00 - 遅くなって済まない。携帯から書いてるからWi-Fi繋げなきゃ書けないんだ。出先で書けなくて悪かった。
少しずつだがまた書いていく。
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116 :1[]:2013/03/21(木) 23:20:33.48 ID:QTO2yDQ00 - そんな願いを歩美が知るわけもなく、無情にも俺の誕生日がやって来た。
朝起きると最初に来ていたメールはサッカー部の奴で、後は奈津からも来ていた。他にも先輩である康平くんから来ていたりと、嬉しかったのを覚えている。 しかし、連絡先を交換していない歩美からメールが来ているわけがなかった。 当たり前だが、絶望的な気持ちになった。明日は兄貴の誕生日で、歩美はきっと可愛いデコレーションメールを送る。その差はなんなんだろうと朝から憂鬱になったのだ。
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117 :1[]:2013/03/21(木) 23:21:33.59 ID:QTO2yDQ00 - でもそんな素振りを見せるわけにもいかず、俺は部活に行き、その後急いで帰って夏祭りへ行くためにサッカー部の奴らとの待ち合わせ場所に向かった。
家では歩美が母親に着付けをしてもらっていたが、俺は黙って自室で着替えを済ませて出て行った。 理由は分かると思うが、歩美に会いたくなかった。 兄貴のために可愛くなった歩美。俺の誕生日を知らずにいつも通りの他愛もない会話をすると考えるだけで嫌だった。だからそれを避けるために逃げたのだ。 友達「おい、涼太!」 俺「おう!遅れてごめん。皆揃ってる?」 友達「大丈夫。じゃあ、行くか」
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118 :1[]:2013/03/21(木) 23:27:31.59 ID:QTO2yDQ00 - 地元の神社で行われる夏祭りは意外と規模が大きかった。俺は小さい頃から行っていたが、何度行っても飽きない。
この夏祭りに歩美が参加するのは初めてだったと思う。地元の奴らが結構来るので、花火が上がる頃になると神社の境内に集合するのが決まりみたいになっていた。 だから今回も俺達サッカー部のメンバーはある程度屋台の料理を食べて満足すると、境内に向かった。 やはりそこには中学の友達が集まっていて、まるで学年集会だった。それくらい集まっていたのだ。 俺達サッカー部はお賽銭箱の前に座って買ってきた焼きそばやじゃがバタを食べながら花火を待った。 するとそこに、同じ学年の水口って女子がやって来た。
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119 :1[]:2013/03/21(木) 23:30:06.62 ID:QTO2yDQ00 - 夏祭りで騒ぐためにやって来た俺らと違い、水口はきちんと浴衣を着ていた。
水口ってのは当時吹奏楽部だったと思う。おしとやかで女の子らしく、奈津とは真逆のタイプだった。 そのために、よく男子の間で話題に上がっていた。そんな水口がサッカー部の集まる輪の中にやって来たので、一瞬全員が動きを止めて水口の行動を気にしていた。 すると水口は唯一視界に入れることなく焼きそばを食っていた俺の横に座って来た。それを俺はミシッて鳴った社の木の音で気づいたくらいだ。 水口など眼中になかった。
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120 :1[]:2013/03/21(木) 23:30:59.77 ID:QTO2yDQ00 - 水口「隣良いかな?」
俺「えっ?あっ、まあ…いいけど」 この時珍しく冷やかすことをしなかったサッカー部連中は本当に役立たずだった。というか、水口の堂々とした行動に、皆が冷やかしにくくて黙ってしまったのだ。 こうなると水口の思うツボだった。彼女は夏祭りの雰囲気も手伝ってか、めちゃくちゃ至近距離に来やがった。 もし歩美に出会う前の俺だったら惚れていたと思う。中学生のくせに、浴衣姿に色気があったのだ。 水口「涼太くんって、奈津ちゃんと付き合ってるの?」 隣に来た水口を無視して奢ってもらった料理をひたすら食べる俺だったが、その言葉に思わず食べてた焼きそばを吹きそうになった。
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121 :1[]:2013/03/21(木) 23:31:30.39 ID:QTO2yDQ00 - 書き溜めがなくなったのでまたゆっくりになるが許してくれ。
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123 :1[]:2013/03/21(木) 23:42:44.61 ID:QTO2yDQ00 - 俺「はっ?何それ、なんでそう思った?」
水口「だって、奈津ちゃんと小学校一緒だったんでしょ。仲良かったって聞いたよ」 女の情報というものはどこから仕入れて来るのか分からないが、それについて俺は全力で否定した。 俺「確かに小学校一緒だし幼馴染みたいなものだけど、別にあいつとは付き合ってないよ」 水口 「そうなんだ」 納得していない様子の水口だが、これ以上説明してあげるだけの仲でもない。話したのも多分これが初めてだった。 水口に奈津が好きなのは俺の兄貴だよと言ったところでどうなるわけでもない。だからまた黙ることにした。しかし、それを水口は許さない。 水口「あのね、実は私涼太くんが好きだったんだ」 周りには同級生…しかもサッカー部の奴らがいるのに、構わず爆弾を投下するこいつの口を、俺は塞いでやりたくなった。
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124 :1[]:2013/03/21(木) 23:48:59.60 ID:QTO2yDQ00 - 俺「冗談だよな?」
水口「冗談でこんなこと言うと思う?奈津ちゃんと涼太くんが仲いいって知って、ずっと焦ってたんだ」 俺と水口は一年の頃同じクラスになったわけでも、体育の授業が一緒なわけでもない。つまり、全く接点がなかった。 しかし、水口が俺を好きになった理由は簡単だった。吹奏楽部の練習する音楽室から、サッカー部の練習するグラウンドが見えるのだ。 彼女はそれを見て俺が気になり、廊下ですれ違ったりサッカー部の奴に会いに水口のクラスに遊びに行く俺を意識していた。 水口の存在は男子の話しを聞いて知っていたが、さすがに直ぐ返事をすることは出来なかった。
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126 :1[]:2013/03/21(木) 23:54:30.25 ID:QTO2yDQ00 - とりあえず夏祭りのその日は、水口と連絡先を交換して早めに帰宅することにした。サッカー部の奴らには色々言われたが、これ以上花火を見たりする気分にはならない。
だらだらと歩いて、夜の9時前には自宅に着いた。 どうせ親は明日も仕事だから寝室だろうと思い、黙って家に入る。しかしリビングには明かりが着いていて、玄関には歩美が履いて行ったであろう下駄が置いてあった。 意味が分からずに急いでリビングのドアを開ける。すると次の瞬間、大きな音が俺に向かって鳴った。
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