- オレとばあちゃんと不思議なお地蔵様の話
75 :名も無き被検体774号+[]:2013/03/21(木) 00:37:41.81 ID:QTO2yDQ00 - まとめさん。これまでもこの先も色指定する人みんな茶色でお願いします☆
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- 忍法帳lv確認
641 : 忍法帖【Lv=13,xxxPT】(1+0:8) []:2013/03/21(木) 01:39:39.90 ID:QTO2yDQ00 - てすとん
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- 兄貴の彼女を好きになった話
1 :名も無き被検体774号+[]:2013/03/21(木) 02:07:09.59 ID:QTO2yDQ00 - 書き溜めてないからゆっくりだけど良ければ聞いて欲しい。
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- 兄貴の彼女を好きになった話
4 :1[]:2013/03/21(木) 02:09:07.66 ID:QTO2yDQ00 - すぺっく
俺 当時中学2年生 名前 涼太 兄貴 当時高校2年生 名前 健太 兄貴の彼女 当時高校2年生 名前 歩美 パンツは履いてていいぞ!
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- 兄貴の彼女を好きになった話
9 :1[]:2013/03/21(木) 02:12:33.49 ID:QTO2yDQ00 - 俺が最初に歩美と出会ったのは、中学2年生になってすぐの4月だった。
その日は休日だったけどサッカー部の練習もなく、家の中で何をするでもなく下はジャージに上はTシャツっていう部屋着姿でいたんだ。 両親は共働きだし、兄貴の健太は朝からどっかに出掛けてて俺は一人でテレビ見ながらご飯食ってた。
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- 兄貴の彼女を好きになった話
10 :1[]:2013/03/21(木) 02:13:24.70 ID:QTO2yDQ00 - >>7
名前はスマン。ABCだとわけわかんなくなるから同級生の名前借りたわ。
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- 兄貴の彼女を好きになった話
13 :1[]:2013/03/21(木) 02:16:44.78 ID:QTO2yDQ00 - ご飯食べ終わってソファに座りながら携帯をいじってたら、いきなりピンポーンってインターホンが鳴ったんだ。
普段居留守使う俺だったが、その日は母親が宅急便来るから居留守使うなってメモを置いていた。 しょうがなく印鑑持って玄関の扉を開けると、そこには段ボールの代わりにコージーコーナーの箱を持った女が立っていた。
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- 兄貴の彼女を好きになった話
14 :1[]:2013/03/21(木) 02:22:23.12 ID:QTO2yDQ00 - 当然俺は意味が分からないし、誰?不審者?とか思った。そこで戸惑っている俺を見て、満面の笑みを浮かべた女は口を開いた。
女「はじめまして!健太から聞いてるかな?」 俺「えっ?」 女「あれ?聞いてない?今日、健太の家に遊びに行くって言ってあったんだけど…涼太くんだよね?」 この時、俺は直ぐに目の前の女が兄貴の彼女だと気づいた。高校生になっても俺と同じサッカーをやっていた兄貴から、彼女なんて浮ついた話を聞いたことはなかったので驚いた。
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- 兄貴の彼女を好きになった話
15 :1[]:2013/03/21(木) 02:26:29.80 ID:QTO2yDQ00 - 俺「あっ、聞いてないですけど兄貴今いないですよ?」
女「えー!ちゃんとメールしてあったんだけどな。どうしたんだろう?とりあえず、健太とお付き合いさせていただいてます。歩美です。」 見るからに年下だし、部屋着姿の俺へ深々と頭を下げた歩美。頭を上げた際に笑顔で手渡してきたコージーコーナーのケーキ。 俺はそれを「ありがとうございます」とか余裕ぶって貰ったけど、実際はその笑顔に見惚れてしまった。
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- 兄貴の彼女を好きになった話
16 :1[]:2013/03/21(木) 02:31:22.37 ID:QTO2yDQ00 - 歩美は高校生ってだけあって、私服姿だったんだけどめちゃくちゃ可愛かった。髪が長かった頃のガッキーを想像してくれれば間違いない。
そんな歩美と俺は玄関で二人どうすればいいのか分からず、無言になってしまった。 兄貴がいないのに家に入れられないし、かといってケーキだけ貰って帰すのも悪い。 俺「あのー。兄貴に電話かメールしてみたらどうですか?」 歩美「あっ、そうだね!」 同じように気まずそうにしていた歩美が鞄から携帯を取り出そうとあたふたしていると、その背後から兄貴が走ってくるのが見えた。
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- 兄貴の彼女を好きになった話
17 :1[]:2013/03/21(木) 02:37:50.47 ID:QTO2yDQ00 - 兄貴「歩美、ごめんな!来るって言ってたのに!」
歩美「よかったー。メールだったから伝わってないのかと思った」 一瞬にして歩美の顔が変わったのを、俺は見逃さなかった。なんていうか、俺と話してるときには見せなかった女らしさっていうの?それが兄貴の前だと出てたんだ。 ぶりっ子とか甘えてるわけじゃないんだけど、その時の二人は見るからに高校生カップルだったな。 兄貴「おっ、涼太もありがとうな。ちょっと康平のところにノート届けに行ってたんだ」 康平ってのは兄貴と同じサッカー部の同級生で、俺にとっては中学時代の先輩だった。 そのまま歩美を兄貴は家に入れ、俺も流れ的に兄貴達とリビングに向かった。
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- 兄貴の彼女を好きになった話
18 :1[]:2013/03/21(木) 02:45:03.12 ID:QTO2yDQ00 - リビングに三人で座って、俺は貰ったケーキと冷蔵庫にいつもある炭酸を用意してテーブルに持って行った。貰ったケーキの中身は家族の人数分である四つ入ってたんだが、その中に兄貴が好きなモンブランが入っていた。
俺はそれを見たときに、付き合ってるんだから自分の彼氏の好きなもの知ってて当たり前だよな。って、思ったのと同時に羨ましく感じた。 歩美「家族の人数分しかないから、私はいらないよ!」 健太「大丈夫、父親出張で明後日帰ってくるから食べちゃえよ」 歩美「じゃあ、私もいただくね」 それだけの会話だったが、兄貴が俺の知ってる兄貴じゃなかった。なんていうか男らしいんだよ。大切にしてるってのが凄い伝わってきた。 健太「改めて、こいつが俺の弟の涼太。中学二年生でサッカーやってるんだ」 歩美「さっきも言ったけど、歩美です。宜しくね」 俺「あっ、宜しくお願いします」
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- 兄貴の彼女を好きになった話
20 :1[]:2013/03/21(木) 02:53:54.17 ID:QTO2yDQ00 - 中学二年生って年頃も関係してるのかは分からないが、とにかく俺は余裕ぶって歩美にかっこよく見せたかった。
本当は目の前の歩美を可愛いとか思ってるくせに、それがバレないようになんとかポーカーフェイスを決めていた。 兄貴「ケーキくれたのが歩美で、俺の彼女。一応1年の頃から付き合ってるんだ」 別に兄貴の恋愛をすべて知ってるわけじゃないが、中学時代から兄貴はモテた。同級生の女子も、「涼太くんのお兄さんかっこいいよね」とか言ってきたし。 兄貴は告白してきた子が可愛ければ付き合うような、女関係が適当な印象があった。だからこそ、今回連れてきた歩美を大事にしているのも本気なのも分かった。
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- 兄貴の彼女を好きになった話
21 :1[]:2013/03/21(木) 02:58:10.38 ID:QTO2yDQ00 - まだガキの俺は、すっかり歩美のその見た目に惚れてしまった。でも、そんなこと言えるわけもないし素ぶりも見せられない。
その日は俺が二階の自室に篭り、兄貴達はずっとリビングにいた。夕方帰ったらしいが、俺は部屋で寝ていて知らなかった。 これが、俺と歩美の出会い。なんの捻りもないしただ兄貴が彼女連れてきて弟に紹介しただけっていうものだった。 それでもこの一回で、俺は歩美の無邪気な笑顔を好きになってしまった。
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- 兄貴の彼女を好きになった話
22 :1[]:2013/03/21(木) 03:05:16.67 ID:QTO2yDQ00 - 歩美を家に連れてきて親に紹介して以来、兄貴は今まで隠してきたのがなんだったのか分からないくらい歩美のことをオープンに話すようになった。
他の兄弟は知らないが、俺と兄貴は二人ともサッカーやってたこともあってか仲が良い。 それに本人には絶対言わないが、同じポジションでサッカーが上手い兄貴を尊敬していた。また、同時に劣等感というか兄貴がコンプレックスでもあった。 勉強も運動も出来て、顔も良ければ愛想も良い。そんな兄貴を持ったせいで、中学の先生にはよく兄貴の話を聞かされていた。 比べられるたびにムカついて、それでも心のどこかで兄貴には勝てないからしょうがないと諦めていた。 その時連れてきたのが歩美。俺は、どうしても完璧な兄貴から何か一つ奪ってやりたいと思ってしまったのだ。
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- 兄貴の彼女を好きになった話
25 :1[]:2013/03/21(木) 03:12:21.33 ID:QTO2yDQ00 - それから二ヶ月間、俺は歩美に会うことは出来なかった。と言うか、兄貴が家に連れてこなかったのだ。
兄貴は自転車通学だが、どうやら歩美は電車通学らしい。だからあまり家に呼ぶと帰宅時間が遅くなるのが理由だった。 俺は是非また歩美に来て欲しかったが、そんなこと口が裂けても言えない。 だから遠回しに「別に俺がいても気にしないでいいからな」とか兄貴に言っていた。 兄貴と歩美がとっくにそういう関係なのは空いたゴムの箱を部屋で見つけて知っていた。でも俺の家でヤらないから、多分歩美の家でヤってたんだと思う。 乱れた歩美の姿を想像して、俺は何度か抜いたこともある。でも、妄想の中の歩美だけで現実では二ヶ月も会えてなかった。
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- 兄貴の彼女を好きになった話
26 :1[]:2013/03/21(木) 03:12:52.16 ID:QTO2yDQ00 - 書くの遅くてスマン。見てくれてる奴はありがとう。
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- 兄貴の彼女を好きになった話
28 :1[]:2013/03/21(木) 03:21:28.16 ID:QTO2yDQ00 - そんなとき、俺が隠していた中間の壊滅的なテスト結果が見つかってしまった。
期末の二週間前だったんだが、あまりにも酷かったので俺は親に結果を見せろと言われてもはぐらかし続けていたのだ。 丸つけしてあるテストの答案用紙を捨てるのはダメだと思って、ベッドの下に置いたのがまずかった。兄貴からくすねたエロ本(ベッド下に隠した)と一緒に、母親が答案用紙を机の上に置きやがったんだ。 俺はキレたね。なぜ年頃の男の部屋に入るんだと、夕飯作ってる母親に怒鳴りつけた。どうやら俺が空の弁当を出し忘れたのを部屋に取りに行き、汚いからついでに軽く掃除をしようとして見つけたらしい。 その時、俺は遊びに行っていた。自業自得だと思ったが、なんかもうエロ本の恥ずかしさとテスト結果見られてやばいって感情が爆発して顔真っ赤だった。
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- 兄貴の彼女を好きになった話
29 :1[]:2013/03/21(木) 03:27:37.83 ID:QTO2yDQ00 - 夕飯はカレーだったが、半狂乱になりながら母親に怒っている間に完成してしまった。
こういうとき男の子供持つ母親って凄いと思うんだが、俺がキレて怒鳴っても怖がることもなければ完全にシカト。 「はいはい。涼太が悪いんでしょー」って見事に俺の厨二病っぽい言い訳と屁理屈は流された。 母親「分かったから、この話は後で。お皿五枚持ってきて!」 俺「はっ?うちっていつから五人家族になったんだよ」 母親「あれ?今日は歩美ちゃん来るんだけど、ホワイトボード見てないの?」 そう言われて急いでリビングのテレビ横に置かれたホワイトボードを見る。そこには、「歩美ちゃん夕飯」と母親の字で書かれていた。
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- 兄貴の彼女を好きになった話
30 :1[]:2013/03/21(木) 03:33:48.12 ID:QTO2yDQ00 - 俺の家は母親が100均で買ってきた小さいホワイトボードをテレビ横に置いてるんだが、そこに予定や連絡を書くことになっている。
俺は中学生だし別に用もないので見ないし使ってないが、兄貴は部活の遠征だったり弁当の有無だったりを律儀に母親のために書き込んでいる。 この時ほどホワイトボードを見なかったことを後悔したことはないね。朝から知ってたら、一日のテンションとやる気は倍くらい変わっていた。 母親にバレない程度に急いで洗面所行くと、顔洗って髪の毛を軽くセットした。俺なりに最初の部屋着にボサボサヘアーの印象を良くしたかったのだ。
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- 兄貴の彼女を好きになった話
32 :1[]:2013/03/21(木) 03:38:36.48 ID:QTO2yDQ00 - ついさっきまでエロ本やらテスト結果やらでキレてたくせに、珍しくカレーを盛る作業を手伝った。
母親はそんな俺を見て、怒られるのを回避するためのポイント稼ぎだと思ったみたい。それならそれで、勘違いしたままで良かった。 兄貴の彼女に会うのが楽しみだなんて誰が考える?普通なら罪悪感を感じるところだが、まだ若かった俺はそんな罪悪感なんて少しも感じずに歩美が来るのを待っていた。 そして7時を過ぎた頃。なぜか父親と兄貴達が三人仲良く帰ってきたのだ。
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- 兄貴の彼女を好きになった話
33 :1[]:2013/03/21(木) 03:45:36.02 ID:QTO2yDQ00 - どうやら帰り道に偶然会ったらしく、兄貴と歩美はニケツしていたがわざわざ自転車引いて父親と話しながら帰ってきたらしい。
その数十分の間に父親は歩美を気に入ったらしく、普段気難しくて無口なくせに歩美をめちゃくちゃ可愛がっていた。 息子二人はむさ苦しいだの、娘が欲しかっただの、食事のときに言いたい放題された。 テーブルはよく人が来るので六人用の大きいテーブルなんだが、なぜか歩美を真ん中にして両隣に俺と兄貴は座った。 歩美「この前はごめんね。気を使って部屋にいてくれたみたいで」 俺「えっ?」 歩美「あっ、この前じゃなくて二ヶ月も前になるのか。初めて来たとき、涼太くんジャージだったけど今日はちゃんと私服だね」
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- 兄貴の彼女を好きになった話
34 :1[]:2013/03/21(木) 03:54:55.13 ID:QTO2yDQ00 - たったそれだけの会話だったが、歩美が服装まで覚えていてくれたことが嬉しくて泣きそうだった。
俺「いや、あっ…はい」 何か上手いこと返したいし、会話を繋げたいのにテンパって言葉が出ない。するとなぜか母親が「私服」という歩美の言葉に反応した。 母親「そうなの、歩美ちゃん。聞いてよ、この子ったら私服で遊びに行くかジャージでサッカーするかで、勉強しないのよ!」 歩美「えっ、そうなんですか?」 俺「おい、ふざけんな。やめろ!」 母親「中間テストの結果、ベッドの下に隠してたの見つけたの!もうね、健太を見習って勉強してほしい」 最悪だった。本当に。なんでここでその話を出すんだよ!って、思いっきり母親を睨みつけた。 しかもちゃっかり自分の息子1人を生贄にしてもう1人の息子の株を上げやがった。すでに歩美は兄貴のものであるが、俺だって歩美に少しでも見てもらいたい。 それを台無しにして涼太くんはバカって印象を植え付けようとする母親を俺は一生許さない。と、心に誓った時だった。
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- 兄貴の彼女を好きになった話
35 :1[]:2013/03/21(木) 04:04:01.03 ID:QTO2yDQ00 - 歩美「じゃあ、私が勉強見ますか?」
最初、その言葉の意味が全く理解できなかった。しかしそれを聞いた兄貴も賛成し出した。 兄貴「ああ、確かにそれいいな。涼太、歩美に勉強教えてもらえよ。期末いつ?」 俺「二週間後」 兄貴「じゃあ尚更いいじゃん、俺らテスト明後日で終わるから歩美に教われよ」 言ってなかったが、兄貴と歩美の通う高校は県内でもトップの進学校である。その中でも歩美は学年順位50番以内に毎回入る頭の良さを持っているらしい。 歩美「家庭教師ってわけじゃないけど、どうかな?私じゃ嫌だ?」 俺「嫌じゃないですけど、でも…」 この時すぐ返事をしなかったのは、マジで俺が頭が悪いからバレるのが恥ずかしかったから。 それともう一つ、歩美が純粋に俺を教えるために提案しているわけじゃないと分かっていたからだ。
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- 兄貴の彼女を好きになった話
36 :1[]:2013/03/21(木) 04:11:15.63 ID:QTO2yDQ00 - 俺を教えるために家にくれば、兄貴がいる。俺を口実に家に入れるのは、そりゃあ彼女からしたら美味しい話に決まっている。家族と仲良くして損はないしな。
そんな捻くれた考えを一瞬で頭に浮かべた俺も性格悪いけど、素直に喜んでお願い出来ない自分がいた。 だが、そんな心の葛藤など関係ない。母親は俺に向けて意味深に笑って小さく頷いて来た。 あの威圧感は多分あの場所にいなきゃ分からなかったと思う。頷きながら浮かべた笑顔の中には、 「エロ本の話は健太にもお父さんにも言わないであげるから、家庭教師してもらって勉強しなさい」 という無言の圧力が含まれていた。その恐ろしさにやられ、俺は気がつけば冷や汗をかきながら歩美に「お願いします」と頭を下げていた。
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- 兄貴の彼女を好きになった話
37 :1[]:2013/03/21(木) 04:22:28.30 ID:QTO2yDQ00 - その二日後、歩美は期末テストを終えてそのまま俺の家に来た。部活動停止はテスト一週間前からなので、俺は放課後部活があった。
部活で疲れて夕方家に帰ると、リビングから「お帰りなさい」と顔を覗かせたのは歩美。 歩美が家庭教師することを忘れていた俺は、まさか兄貴達のテストが終わって直ぐにとは思わなかったので一気に疲れが吹き飛んでしまった。 歩美「じゃあ、早速涼太くんの部屋でいいかな?先にご飯食べる?」 俺「あっ、30分くらいなら多分ご飯食わないでまだ平気です」 歩美「なら、勝手にテスト見せてもらったけど苦手みたいだから英語からやろうか」 俺「えっ、じゃあ先にご飯食べます!」 歩美「ダメだよ。そこのコンビニで買い食いしたでしょ?コロッケ。口に衣ついてるよ」 そう。俺は学校でも部活でも禁止されているが、たまに買い食いをして帰っている。不覚にも口に衣をつけたままでいたらしい。
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- 兄貴の彼女を好きになった話
38 :1[]:2013/03/21(木) 04:23:08.65 ID:QTO2yDQ00 - 見てる人いるかな?書き溜めも兼ねて一回消えます。
まだ残ってたら続き書かせてもらいますね。
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- 兄貴の彼女を好きになった話
48 :1[]:2013/03/21(木) 10:55:26.37 ID:QTO2yDQ00 - 保守ありがとう。書き溜め少ないが、今書いてある分だけ投下する。少しだけど許してくれ。
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- 兄貴の彼女を好きになった話
49 :1[]:2013/03/21(木) 10:56:53.93 ID:QTO2yDQ00 - 観念して二人で部屋に向かったが、俺の自室に入ってすぐの歩美の吐息交じりの感想は「健太と違うね」だった。
確かにシンプルな兄貴の部屋に比べたら、まだ中学生の俺は特に部屋にこだわりがあるわけでもなく使っていた。 兄貴の部屋を出入りする歩美からしたらそれは当たり前の感想なのかもしれないが、彼女に対して好意を抱く俺からしたら複雑な気持ちになる一言だ。 歩美「じゃあ、英語からやるよ。私が中学生のときに使ってた教科書とテキスト、問題集持ってきたからね」 俺「ありがとうございます」
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- 兄貴の彼女を好きになった話
50 :1[]:2013/03/21(木) 10:58:28.24 ID:QTO2yDQ00 - 俺の勉強机を使って勉強しようと思ったが、狭いしやりにくいので却下。代わりにフローリングの上にカーペットと小さい折りたたみのテーブルを置いて勉強をした。
制服姿の歩美は俺の横に正座を崩して座ると、直ぐに期末テストの範囲表を見て勉強計画表を書き出した。 待つこと10分。その間俺は何を話すわけでもなくA4サイズの紙に書かれた歩美の可愛い字と鬼畜な計画表を眺めていた。 歩美「はい。これを効率よくきちんとやれば、中間テストの点数をカバーできると思う」 俺「ありがとうございます」 歩美「別に涼太くんそこまで勉強苦手ってわけじゃないみたいだし、ダメなのは英語と国語でしょ?理系科目はやっぱり健太と一緒で得意なんだね」
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- 兄貴の彼女を好きになった話
51 :1[]:2013/03/21(木) 11:00:49.46 ID:QTO2yDQ00 - 兄貴は高校で理系コースを選んで選択授業を受けている。そして俺も真似するように数学や理科が得意だった。
兄貴を追いかけているうちに、理系科目が自然と出来るようになったのだ。 歩美「これならそこまで数学や理科を勉強しなくても苦手教科をやれば大丈夫だね」 俺「あっ、はい」 歩美「じゃあ、勉強しようか」 こうして、俺と歩美の期末テストまでの勉強会が始まった。 隣に好きな女がいて、しかも良い匂いがする。歩美はナチュラルメイクで香水をつけているわけではない。だが、甘い匂いがして不覚にも反応してしまいそうだった。 きっちり着た中学生の制服姿など比べものにならないくらい、第二ボタンまで空いたワイシャツは品があるのに色っぽい。 そこから見える綺麗な鎖骨。そして、兄貴とお揃いのネックレス。 俺はそれを盗み見て、一気に気持ちが沈んでいった。
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- 兄貴の彼女を好きになった話
52 :1[]:2013/03/21(木) 11:03:23.44 ID:QTO2yDQ00 - どんなに歩美に近づいても、兄貴みたいな距離までは迫れない。どれだけ心を許してもらっても、兄貴を好きだという気持ちを奪えるわけじゃない。
彼女自らが名乗り出た家庭教師という仕事も、その優しさも。結局最後に繋がるのは兄貴だった。 俺はそれを分かっていたからこそ、バカみたいに手放しで近くにいる歩美の存在に浮かれていられなかった。 このまま押し倒してキスをしてやりたい。でも、そんなこと出来るわけがない。夕飯までの30分という勉強時間はあっという間に終わった。
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- 兄貴の彼女を好きになった話
53 :1[]:2013/03/21(木) 11:06:12.63 ID:QTO2yDQ00 - この蛇の生殺しみたいなものがこれから二週間も続くと思うと嬉しい反面、いつ反応した下半身がバレるかと冷や冷やした。
リビングに歩美と向かうが、どうやら兄貴は帰っていたらしい。歩美は駆け足で兄貴の元へ行くと、ソファに座る兄貴の胸へダイブしたのだ。それをしっかり受け止めた兄貴は、歩美を膝の間に座らせていた。 歩美「お帰りなさい」 健太「ただいま。涼太の勉強見てくれてありがとうな」 歩美「ううん。涼太くん頑張ってくれるからやりがいある。涼太くん、絶対に良い点取ろうね!」 そう言ってこっちを見て笑う歩美。その良い点数は、一体誰のために取るのだろうか。俺はまた捻くれた考えが浮かんでいた。 成績を心配する母親のため?優秀な兄貴に負けないため?俺自身のため? どれも違う気がした。結局俺のテストの点数はそのまま歩美の家庭教師としての評価に繋がるのだ。なら、俺は好きな女のために頑張るという選択しかない。
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- 兄貴の彼女を好きになった話
54 :1[]:2013/03/21(木) 11:07:00.15 ID:QTO2yDQ00 - 目の前で仲良くし合う兄貴と歩美の姿を見ても別になんとも思わないというように余裕ぶって、本当はこの日以降ほぼ毎日来る歩美の姿に泣きそうだった。
勉強してる間は俺だけを見てくれている。そんな勘違いをしてしまいそうだったが、実際は兄貴のことしか歩美の心の中にはいない。 何がダメなんだろう。年齢?性格?身長?頭もサッカーも愛想も顔も、たしかに兄貴より劣っている。それでも好きなものはしょうがなかった。
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- 兄貴の彼女を好きになった話
55 :1[]:2013/03/21(木) 11:08:45.41 ID:QTO2yDQ00 - 歩美との勉強会については、特に何かあったわけじゃないので割愛する。だが、一つだけこの勉強会で変わったことがあった。
それは歩美と敬語で話していたのが、呼び捨てタメ語になったこと。もう一つは、歩美も俺を呼び捨てするようになったのだ。 勉強会をする中でだんだんと他愛もない会話をして仲良くなり、流れでそうなっていた。まだ声変わりしたばかりの俺の声は、自分でも兄貴に似ていると思った。その声で歩美の名前を呼ぶと、たまに顔を赤くしていた。 胸元のネックレスを見なければ。また、兄貴と二人でいるときの歩美の甘い雰囲気から目をそらせば。俺はあまり辛いと思わないでいられた。
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- 兄貴の彼女を好きになった話
56 :1[]:2013/03/21(木) 11:09:46.24 ID:QTO2yDQ00 - そして、約束の二週間後。俺は期末テストで今までにない高得点を取ることが出来た。
担任にも褒められ、兄貴を知る部活の顧問には当時の兄貴より良い点数だと言われ、俺の気分は最高だった。始めて兄貴より優位に立てた。それだけで満足だった。 嬉しさを隠せず顔が緩んでしまっていたが、とにかく早く帰ってテスト結果を報告したかった。 嬉しいことに部活は運動部のグラウンド交換制により休みだ。俺は急いで帰り支度を済ませると、教室を出ようとした。 が、そこで「涼太!」と名前を呼ばれて教室へ振り返った。
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- 兄貴の彼女を好きになった話
59 :1[]:2013/03/21(木) 11:22:16.02 ID:QTO2yDQ00 - 書き溜めがなくなったので、また少しずつ投下する。見てくれる人はありがとうな。
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- 兄貴の彼女を好きになった話
61 :1[]:2013/03/21(木) 11:28:22.52 ID:QTO2yDQ00 - 振り返った先にいたのは、幼稚園の頃から一緒の奈津という女だった。気が強くサバサバした性格のため、学年でも男子から人気のある女だ。
しかし俺からしたら男勝りで恋愛対象外の幼馴染みたいな存在だった。 奈津「同じクラスだけど、話すの久しぶりだね」 俺「ああ、そうだな」 奈津とは小学生時代まで二人で遊んだりする仲だったが、中学生になってからは妙に意識してしまいお互いに避けるようになっていた。別に嫌いになったわけじゃないし、またしばらくしたら普通になるだろうと放っておいた。 奈津「実は、涼太に相談があるんだけど。もし大丈夫ならこれから空いてない?」 俺「えっ?」 奈津「ダメならいいんだけど…」
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- 兄貴の彼女を好きになった話
63 :1[]:2013/03/21(木) 11:34:11.61 ID:QTO2yDQ00 - 俺は困った。早く帰って歩美にテスト結果を報告したいが、珍しく話しかけてきた奈津に、また昔みたいな関係に戻れるかもという期待もしていた。
数分黙り込んで考えた俺は、良いことを思いついた。それは、奈津を家に連れて行くというものだった。 奈津なら家族全員知ってるし、昔はよく家に来ていた。それに、この時俺はバカなことを考えていたのだ。 もし奈津を連れて帰ったら、歩美は俺の彼女だと勘違いする。そしたら少しくらいは妬いてくれるかも…というものだった。今になって思えばあり得ないことなのに、俺は奈津を利用するために家に招いた。 そして結果的に、これは俺を苦しめることになる。
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- 兄貴の彼女を好きになった話
64 :1[]:2013/03/21(木) 11:45:05.85 ID:QTO2yDQ00 - 家につくと、誰もいなかった。別に付き合ってるわけじゃないので、奈津は無防備なまま家の中へ「おじゃましまーす」と入って行く。
言わなくても俺の部屋が分かるので、勝手に部屋に向かう奈津。それを見送ると俺はキッチンに飲み物とお菓子を取りに行き、おぼんに乗せて持って行った。 部屋に入ると、奈津は歩美との勉強会で使っていたテーブルの前に座っていた。昔来たときは勝手に部屋を漁っていたくせに、よく見ると前髪を直したりスカートの裾を引っ張ったりと女らしくなっていて吃驚した。 奈津「なんか、涼太の部屋って全然変わってないね」 俺「そう?」 奈津「うん。ベッドの上の目覚まし時計も、本棚に置いてあるサッカーボールも、あと壁の国旗も変わってない。どこの国だっけ?」 俺「ブラジル」 奈津「あっ、そうだ。ブラジル。なんでブラジル?」 俺「知らない。兄貴がいらないって部屋に持って来たやつだから」 兄貴という単語を吐いた瞬間、鈍感な俺でも分かるくらいに奈津は反応した。思わず「えっ?」と聞いてしまうくらいだった。
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- 兄貴の彼女を好きになった話
66 :1[]:2013/03/21(木) 11:54:09.30 ID:QTO2yDQ00 - 俺「えっ?何、なんでそんな反応した?」
ここで気づかない振りをするのが当たり前の状況だったが、俺は空気が読めなかった。兄貴という単語に反応したことには触れず、じわじわと奈津を責めていった。 奈津「いや、別に…」 俺「なんだよ、言えよ。俺に相談があるんだろ?」 約1年ぶりにまともな会話をしたくせに、そんな期間がなかったかのようにすぐ元通りの俺達に戻る。 俺はこの時すでに嫌な予感がしていた。珍しく相談があると言った時点で、少なからず俺の周りの男へ恋してるんだろうとは思っていた。その協力要請だと。 しかし、現実はそううまくいかない。奈津はうつむいてもじもじし出すと、ゆっくりだが言葉を吐いた。 奈津「実は、ね。その…」 俺「なんだよ。お前らしくないからハッキリ言っちゃえ」 奈津「私、涼太のお兄さんの、健太くんが…えっと、その…あれなんだ」 俺「はっ?」 奈津「だから、健太くんのことが好きなの!」 ようやく顔を上げた奈津は泣きそうで、ちょっといじめ過ぎたかな?と思った。だけどそれよりも、兄貴を好きという事実に驚きを隠せなかった。
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- 兄貴の彼女を好きになった話
67 :1[]:2013/03/21(木) 12:02:53.86 ID:QTO2yDQ00 - 俺「冗談?ガチ?」
奈津「なんでそんなこと言うの?」 俺「だって、お前今までそんな素振りも見せなかっただろ」 奈津がなぜこのタイミングで俺に兄貴が好きなことを話したのか訳があった。どうやら奈津は駅前にある塾の帰りなどに、兄貴を見かけていたらしい。 奈津「健太くん、たしか自転車通学だよね?だから頻繁に駅にいるのおかしいと思ってたんだ」 運が良いのか悪いのか、奈津は歩美の存在を知らなかった。ふと時計に目をやると、夕方の5時を過ぎていた。そろそろ、部活がない兄貴達が帰ってくる時間だ。 このまま帰せば、奈津は歩美の存在を知らないままでいられる。でも、それでいいのか?俺はどうするのが最善なのか考えても分からなかった。 そんな風に悩んでいると、外から女の笑い声が聞こえて来た。窓から見なくても分かる。歩美だ。
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70 :1[]:2013/03/21(木) 12:08:21.69 ID:QTO2yDQ00 - その笑い声が聞こえたのか、奈津の表情が固まって行く。さっきまでの笑顔は消え、絶望的な顔だった。縋るように俺を見つめ、この部屋の空気だけが一気に冷えた。
「ただいまー」と言うふざけた歩美の笑い声が聞こえたかと思うと、奈津の靴に気づいたらしく「健太!可愛いローファーがある!」と玄関で叫んでいた。 俺らは何もしなくてよかった。ただ、待っているだけで残酷な現実はやって来る。 歩美「涼太!彼女連れてきたでしょ!」 ノックもせずに勢いよく部屋のドアを開けたのは、暑くなってきたのでセーターを腰に巻いた歩美だった。
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72 :1[]:2013/03/21(木) 12:16:16.22 ID:QTO2yDQ00 - もう、ね。この時ほど奈津に対して悪いと思ったことはなかった。頼むから、言わないでくれ。俺は、そう願っていたと思う。
歩美「はじめまして。涼太の彼女さん!健太って涼太の兄と付き合ってます、歩美です」 でも、そんな願いは叶わず、歩美は笑顔で名乗ってしまった。その笑顔には、見覚えがあった。初めて歩美にあったときと同じ無邪気な笑顔だった。 遅かれ早かれ、兄貴に歩美という彼女がいることは奈津にも伝わる。でも、別にそれが今日じゃなくてもよかったはずだ。 兄貴「あれ?なっちゃん?久しぶりだね!」 遅れて登場した兄貴が、身長の低い歩美の頭の上に自分の顎を乗せて俺の部屋を覗き込む。 昔よく連れてきた奈津を、兄貴は覚えていた。
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73 :1[]:2013/03/21(木) 12:17:01.68 ID:QTO2yDQ00 - 先に言うがエロ展開は期待しないで欲しい。
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75 :1[]:2013/03/21(木) 12:36:15.75 ID:QTO2yDQ00 - 歩美「えっ?知ってるの?」
健太「知ってるよ。涼太と同級生の可愛い俺の妹。久しぶりだね、元気だった?」 奈津「あっ、はい。お久しぶりです…」 健太「敬語じゃなくていいのに!昔は普通にタメ語使ってたじゃん」 奈津「そんな、先輩ですから!」 そんなどうでもいいやり取りを、俺は無理やり止める。 俺「兄貴!ちょっと出てって!あと歩美、別に彼女じゃなくてこいつとは委員会が一緒だから今から仕事するんだよ!」 歩美「えっ?そうなの?ごめんね、邪魔して。じゃあね、なっちゃん!」 嵐のように過ぎ去って行った兄貴と歩美。もちろん、委員会なんて嘘だ。 2人がいなくなった部屋のドアからゆっくりと視線を奈津に移す。そこには、まだ呆然とドアを見つめている無表情の奈津がいた。
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76 :1[]:2013/03/21(木) 12:37:30.81 ID:QTO2yDQ00 - 俺「あの、もう分かったと思うけど。今の、歩美ってやつが兄貴の彼女」
奈津「…うん、綺麗な人だね」 俺「あのさ、奈津」 奈津「なに?」 俺「…ごめん」 次の瞬間には、もう。奈津は隣の部屋にいる兄貴達に聞こえないように声を押し殺して泣いていた。 俺がわざと奈津を利用して歩美に妬くかわからないヤキモチを妬かせたいと思わなければ、こんなことにはならなかった。 そして俺自身も、何回も聞かなくていい「健太の彼女です」という自己紹介を聞かずに済んだはずだ。 泣いている奈津を見て、俺も泣いてしまいたかった。
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77 :1[]:2013/03/21(木) 12:42:54.30 ID:QTO2yDQ00 - その後奈津とは何も話さないままだった。奈津は泣き止んですぐに帰って行った。
最後に玄関前で謝ったが、彼女は目を赤くしたまま笑うだけだった。 それからというもの、俺は歩美が家に来てもあまり話さなくなった。歩美の家庭教師はテストが終わったからもうなくなったし、兄貴の弟ってだけでそれ以上は別に何もない。 奈津の一件で気まずいってのもあったけど、それ以上にこれ以上好きになって傷つくのが嫌だった。 学校ではまた奈津と話さない日々が戻ってしまい、複雑な気持ちだった。本当はもう一度謝りたかったが、きっと何度も謝罪される方が奈津も辛いだろう。それに俺がごめんと言ったところで状況は変わらない。 そしてそのまま俺と兄貴の誕生日がある夏休みに突入した。
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80 :1[]:2013/03/21(木) 12:51:43.92 ID:QTO2yDQ00 - 俺と兄貴は三歳差だが、誕生日が八月で一日違いだ。誕生日は俺の方が一日だけ早い。
夏祭りって大体やる日と時期は毎年変わらないが、中2の夏休みは俺の誕生日が夏祭りと被っていた。 毎日の部活で疲れていたので、サッカー部の奴らと息抜きも兼ねて大人数で行くことになっていた。 正直人混みが苦手な俺はあまり楽しみではなかったが、サッカー部のノリの良さは校内の部活で1番と言われている。誕生日だから奢ってやるという皆の言葉に甘えて行くことにした。 夏祭り前日でもあり、俺の誕生日前日でもあるその日。歩美は家に遊びに来ていた。どうやら次の日の夏祭りに兄貴と行くらしく、母親が浴衣を着せてあげるから選んでもらうために呼んだらしい。 母親は三人姉妹の末っ子で、姉2人もうち同様に男の子しか生まなかった。そのためにいっぱいある浴衣の使い道がなくなり、なぜか俺の家に置いてあったのだ。
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83 :1[]:2013/03/21(木) 13:00:33.33 ID:QTO2yDQ00 - 浴衣のことはよく分からないし値段も知らない。でも家にある浴衣は高かったと思う。浴衣の数え方も知らないが、五着か六着はあった。
下駄とか巾着とか色々揃っていて、俺も兄貴もそんなものがあるとは知らなかったから歩美と一緒に珍しくて見ていた。 歩美「涼太も夏祭り行くの?」 俺「部活の奴らと」 歩美「何着てくの?」 俺「私服」 歩美「そっか。明日会ったら、声かけてね!私も声かけるから」 本当は家に男用の浴衣も甚平もあった。でも、別に俺は彼女と出かけるわけじゃないから着る必要はない。兄貴が明日着ることになっている。 それよりも、俺の誕生日が明日ということを歩美が知らない方が辛かった。素っ気ない返事しかしなかったのは、多分このときいじけていたんだと思う。 俺も歩美が好きなのに、歩美は兄貴のことしか興味がない。兄貴が彼氏なのだから、当たり前だと自分に言い聞かせて納得させようとするが無理だ。 せめて誕生日くらいは、歩美に一言で良いから祝って欲しい。
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