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257 :5 ◆UZlMbTFLBs []:2012/12/19(水) 00:11:33.97 ID:++chqLRB0 - 2つ目が図書室のベランダ。
何故か図書室のベランダだけ無駄に広くて 走ったり寝転んだりしても十分なくらいの広さがあった でもここは人目にもつきやすくて 雨が降った日限定だった 雨が降った日に行くと独特の空気感があって凄い良かった
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259 :5 ◆UZlMbTFLBs []:2012/12/19(水) 00:15:11.60 ID:++chqLRB0 - そして何と言っても一番なのが屋上な
ベタかもしれないけどww 当然立入禁止なんだけど、屋上の入り口に窓があって その窓が中から鍵を普通に開けられるんだよなw 生徒を信用してのことなんだろうけどさ もちろん俺たちは、これを知ってから足繁く屋上に通ったよw
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261 :5 ◆UZlMbTFLBs []:2012/12/19(水) 00:22:08.91 ID:++chqLRB0 - 初めて屋上に言った時の俺たちのテンションは異常だったなw
どっかいいとこねえか?ってなって 若林が「とりあえず上いこーぜw」って言って授業中に校舎をフラフラしててさ 屋上に通じる窓が普通に開くのに気づいてなw 若林「お前ら見ろこれwwwあくわwwww」 礼二「これは行くしか無いってことだよなww」 俺「すげえ!ww」 3人ともめちゃくちゃテンション上がっちゃったよ
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262 :5 ◆UZlMbTFLBs []:2012/12/19(水) 00:27:16.10 ID:++chqLRB0 - 凄くよく晴れた日だったんだけど、真冬だから寒い寒い
もちろんコートは教室に置いてきてるからノーマル制服の状態で 風がびゅんびゅん吹いてて「うわわわわ」ってガクガク震えた 実は中学の時にはどうやっても屋上に行けなかった俺は それが人生初の学校の屋上だった もうその開放感は半端無かった 周りに視界を遮るものが、なんもない それがもう本当に爽快で仕方なかったんだ
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265 :5 ◆UZlMbTFLBs []:2012/12/19(水) 00:33:41.64 ID:++chqLRB0 - 俺「すげえなおい!俺実は学校の屋上とかに来るの初めてなんだよねww」
礼二「俺もwwなんかすげえ得した気分だwww」 若林「お前らマジかよぉ?w俺は中学の時はよく屋上行ってたぞw」 そうすると若林がケラケラ笑い出した 若林「お前らだせーなw」 俺「お前の中学がおかしいんだろww」 礼二「そうだよお前がおかしんだよww」 三人とも意味も分からず笑いがこぼれてきて、完全にハイになってたw
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266 :5 ◆UZlMbTFLBs []:2012/12/19(水) 00:40:25.80 ID:++chqLRB0 - ここからさらによく分からないテンションタイムが発生する
礼二がいきなり「せいやぁぁぁ!」と言って でんぐり返しのような前回り受け身のようなよく分からない動きを始めた 普通の人より体格が大きいので、よりコミカルに見えた 俺「なんだよそれwwww」 礼二「お前もやってみwww」 普通ならつっこむ所であるが、俺もわけも分からず 「いやぁぁぁ!!」とか言いながらぐるぐる回り始める
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267 :5 ◆UZlMbTFLBs []:2012/12/19(水) 00:47:39.99 ID:++chqLRB0 - そうすると見ていた若林がツボにはまったらしく、大笑いしていた
若林「wwwwwなんだよそれwwwふざけんなwww」 俺と礼二ももう楽しくなっちゃって奇声を出しながら派手な動きを続ける 若林「ムービー撮ってやるよww」 と言われて俺と礼二が狂ったように「よいしょぉぉぉ!」 とか言いながら前転を続ける様子を動画におさめられた
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268 :5 ◆UZlMbTFLBs []:2012/12/19(水) 00:51:10.44 ID:++chqLRB0 - 見直すとその姿がなんとも滑稽で
3人で「なんだこれwwww最高www」 って言ってアホみたいに笑った 本当にこーんなくだらない事で本気で笑えてたんだよな それ以来屋上は俺らの中で「何故か楽しくなっちゃう魔法の場所」として定着した サボりスポットの中でもダントツで好きだったし 滅多なことでは誰にも見つからない 本当に解放されてる気がする最高の場所だった
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271 :5 ◆UZlMbTFLBs []:2012/12/19(水) 01:23:05.53 ID:++chqLRB0 - めんどくさい授業になると
礼二と二人で隣の教室に行ってドアから若林を呼ぶんだ そうすると若林はニヤッと笑って 口パクで「行くか?」って言うんだよ それが可笑しくて仕方なくて いっつもこの瞬間がワクワクした 俺たちには逃げ出せる場所がある、そんな風に思えた
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273 :5 ◆UZlMbTFLBs []:2012/12/19(水) 01:42:49.88 ID:++chqLRB0 - 晴れた日に屋上に行かない手はない
日常の中の非日常って感じで、俺らは大好きだった いつもやってた礼二の漫画談義がめっちゃ面白かった 礼二がノートとペンをもってきてて どんなストーリーやキャラクタが面白いか聞いてきた それに対して俺たちはああでもないこうでもないって議論して 三人でフェンスに寄りかかって 「こんな奴がいたら面白い」「こんな学校があったら楽しいんじゃないか」 とか言い合ってた
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274 :5 ◆UZlMbTFLBs []:2012/12/19(水) 01:48:35.58 ID:++chqLRB0 - そんなこんなで俺らの楽しくて快適なサボりライフは続いていたんだけど
一年の終業式を直前に迎えたある日、とうとうそれはほころんだ いつものように授業をサボって屋上でダラダラしていた いつものように時間が過ぎて、いつものように教室に戻れると思っていた 「お前ら何してんだ?」 遠くの方で声が聞こえた 俺は驚いて思わず「うおっ」って声を上げてしまった
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277 :5 ◆UZlMbTFLBs []:2012/12/19(水) 01:54:30.92 ID:++chqLRB0 - それはうちの高校でも特に厄介な生徒指導のKだった
K「最近授業をサボる奴がいるからと見に来れば… おめえらだったのか」 チッ、と若林が舌を鳴らした 俺たちは思わず睨んでしまった、Kはまだ何も言っていない 俺たちもガキだったんだ K「こんなとこでコソコソやってたんか、どうしようもねえ奴らだな」 そう言うとKは黙って振り向いてドアと窓を閉めていった
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278 :5 ◆UZlMbTFLBs []:2012/12/19(水) 01:58:48.20 ID:++chqLRB0 - 礼二「おい、中から鍵閉められたらまずいんじゃねえの?」
思えばそうだった 中から鍵をかけられるとこの屋上に閉じ込められる形になってしまう しかも授業は午前最後の時間だった 弁当も教室に置いてきていたので、午後まで閉じ込められるのは非常にきつかった
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280 :5 ◆UZlMbTFLBs []:2012/12/19(水) 02:00:43.62 ID:++chqLRB0 - 俺がとっさにドア付近の窓に近づいて
俺「先生!ちょっと待って下さいよ!」 と言ってみたが K「しばらくそこにいろよ」 と言ってKは階段を降りていった
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281 :5 ◆UZlMbTFLBs []:2012/12/19(水) 02:03:18.37 ID:++chqLRB0 - 礼二「行っちゃった?」
俺「うん…あれいつ戻ってくるんだよ…」 若林「わり、俺が舌打ちなんてしたからだわ」 その場は一気にお通夜ムードになってしまった… かと思いきや 案外のんきなもので 「屋上に閉じ込められるとかウケるなwww」 「トイレだけ我慢大会だなwww」 とか言って案外状況を楽しんでいた さすが落ちこぼれの俺達だ
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283 :5 ◆UZlMbTFLBs []:2012/12/19(水) 02:09:01.36 ID:++chqLRB0 - でもこれで屋上は使えなくなるかなぁとか
いやいやまだ使えるっしょ、とか気楽に話してた 午後の最初の授業が終わった辺りで、Kは戻ってきた さすがの俺たちも空腹が限界に達していてやばかった 授業には戻ることになるけどそれでもいいや、って思った K「おうお前ら生きてたか」 俺「ええまあ…」 若林「すいませんした」 とっとと謝って戻ってしまおうと思った
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284 :5 ◆UZlMbTFLBs []:2012/12/19(水) 02:12:27.79 ID:++chqLRB0 - Kにはこっぴどく叱られると思っていたが
俺たちが予想したのはまったく違うものだった K「あのよ、お前らが授業受けないとかそんなのは本当にどうでもいいんだけど。 屋上には来るんじゃねえよ。これは規則だから、破られたら困るの」 俺「はい…」 K「分かったら出てけ。いいな。」 三人「はい…」 K「あ、それと。別に授業には戻らんでもいいから。勝手にしろよ。 ただ屋上には来るな」
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291 :5 ◆UZlMbTFLBs []:2012/12/19(水) 02:16:33.65 ID:++chqLRB0 - 俺「え?…とそれは…」
K「どうせ授業出たってやることないんだろ?まあいいや好きにしろ」 Kは半笑いで俺たちに向かって言った 若林「は?」 K「いいから。さっさと降りろ。俺も忙しいんだよ」 促されるままに俺たちは屋上から続く階段を降りていった そしてKはそのまま俺たちなんてなかったかのように 何も言わずに階段を駆け下りていった
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293 :5 ◆UZlMbTFLBs []:2012/12/19(水) 02:21:27.40 ID:++chqLRB0 - Kのこの態度は俺の心に深く突き刺さった
礼二と若林がどうだったかは知らないが 俺は正直、心のどこかで怒られることを期待していたのかもしれない 先生からの当てつけ、そんなもの今に始まったわけではないが この日のKの俺たちに対する仕打ちを、俺は忘れることができない 階段の踊り場で呆然と立ち尽くす俺達は 本当に惨め以外のなんでもなかった
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299 :5 ◆UZlMbTFLBs []:2012/12/19(水) 02:30:49.68 ID:++chqLRB0 - 悪いのは俺たちだ
「ほら急げ!授業に戻れ!」という注意すらされない 落ちこぼれだって言って、でも本当はどこかで間違ってるってことも分かってたんだと思う 全部諦めたふりをして、諦めきれていないものがあるんじゃないかって 俺たちはこの日そのまま帰った 授業中の教室から荷物だけむしり取って 三人で自転車に乗って帰った 礼二と若林は話していたけど、俺だけがずっと黙っていた
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303 :5 ◆UZlMbTFLBs []:2012/12/19(水) 02:43:08.38 ID:++chqLRB0 - その後終業式を終えて
俺たちの高校1年ライフは幕を閉じる 今思えばけっこう濃い一年だったな、色々あったわ でも、高校2年の一年はもっと濃いんだよな 春休みには、何故か補習がない これは俺らにとっては大助かりだった 礼二の家か俺の家に集まって頻繁に遊んだ 若林は遠いのもあったが、頑なに自分の家に人を呼ぼうとはしなかった
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309 :5 ◆UZlMbTFLBs []:2012/12/19(水) 02:47:35.46 ID:++chqLRB0 - とにかく俺たちはゲームの趣味が合った
元々若林と俺もゲーム好きだったし、礼二もそういうことに詳しい 三人で集まって狂ったようにドカポンとスマブラをやってた この春休みを利用して「クソゲー探訪」なるものも企画して 各々クソだと思うゲームを持ち寄って クリアするまでやめられないというドMな耐久大会もやったりしたw 馬鹿そのものだったけど、本当に楽しかったなぁ
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311 :5 ◆UZlMbTFLBs []:2012/12/19(水) 02:52:05.22 ID:++chqLRB0 - そして新年度が訪れる、4月だ
2年になるとクラス替えがあり、文系と理系も分けられる 俺と礼二は当然のごとく文系、そして文系のドンケツのクラスだった まあまあ予想通り、といったところだった 若林だけは何故か理系を選択していた 理系なんて色々大変なのになんで?と聞いても 「まあどうせケツクラだし、理系でもいっかなと思ってw」 とてきとうな事を抜かしていた
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313 :5 ◆UZlMbTFLBs []:2012/12/19(水) 02:56:28.32 ID:++chqLRB0 - そして初々しい新入生たちを見て、去年の自分を思い出した
一年の春は必死だったなぁ…この中から俺のような落ちこぼれが出るんだろうか ともあれ、一番上のクラスから脱出して晴れて「ケツクラ」になれた その開放感は凄まじいものだった 始業式当日から礼二と教室でハイタッチしたしなw 「いえーい!念願のケツクラだぞ!」って まあ本当に嬉しかったんだけどな
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315 :5 ◆UZlMbTFLBs []:2012/12/19(水) 03:03:04.06 ID:++chqLRB0 - こうして落ちこぼれトリオは三人ともケツクラになって
真の落ちこぼれになってしまったわけだけど そっちの方が気が楽で俺たちには好都合だった 現に、ケツクラの雰囲気は今までのクラスとはかなり違っていた、と思う なんというか張り詰めたいやらしい緊張感というか、そういうのが無かった そして始業式から数日たった日、俺は律儀にも掃除に参加していた 学校の掃除に参加するのなんて、ものすごく久しぶりなことだった
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316 :5 ◆UZlMbTFLBs []:2012/12/19(水) 03:06:53.32 ID:++chqLRB0 - 場所は保健室
保健室ってのはいいよな、学校でも異質な空間だと思う うちの高校の保健室は広くて、2つの組で保健室の掃除を行う 片方がベッドや床など、もう一方が器具や水槽、外のベランダなど 俺も久々の掃除ってこともあって揚々と作業に励んでたんだ 「先輩?先輩じゃないですか?」 と、俺を呼ぶ声が聞こえた だいぶ聞き覚えのある声だった
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321 :5 ◆UZlMbTFLBs []:2012/12/19(水) 03:13:31.40 ID:++chqLRB0 - 振り向くと、小さな女の子が驚いた顔で俺を見ていた
同じ中学の後輩のTだった 部活が一緒だった(運動部なので男女違うが)こともあって 割と仲の良い後輩だったんだ 俺は凄く驚いた 「T?Tじゃんか!」 と一気にテンションが上がった
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324 :5 ◆UZlMbTFLBs []:2012/12/19(水) 03:17:58.55 ID:++chqLRB0 - まさか、うちの中学からこの高校に来る奴がいるとは思わなかった
いるにはいるが、毎年は来ない それも見知った後輩のTだ、これは純粋に嬉しかった T「先輩がいるのは知ってたんですがwwまさかこんな所で会いますか?ww」 俺「本当だよな!ってかTがここ来るなんて思ってなかったwwすごいなww」 T「それは先輩もじゃないですかww先輩中学の時からすっごく頭良かったし!w」 Tに自分が落ちこぼれであることなんて、絶対に言えない
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326 :5 ◆UZlMbTFLBs []:2012/12/19(水) 03:22:36.30 ID:++chqLRB0 - 俺「いやいや…それは…w」
後輩「私準クラ?になっちゃったんですよー…ついていけるか怖いです。」 俺「凄いじゃんかぁ、頑張りな」 どうしても見栄が出る、ここで「俺今年からケツクラwww」 とはどうしても言えなかった 後輩「あ、先輩!どうせならアドレス交換しときませんか?」 Tがニコニコして携帯を取り出す 俺「お、いいね!…あれ…携帯がねえぞ…」 この時、俺はガチで携帯を教室のカバンに忘れていた
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329 :5 ◆UZlMbTFLBs []:2012/12/19(水) 03:25:24.91 ID:++chqLRB0 - と、申し訳ない今日はここで一旦落ちさせてくれ…
明日早くて、もう眠気が限界なんだ 続きはまた今日の夜にでも書くよ! 今日も遅くまで見てくれた人はありがとう
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