- ◆◆!ninjaだってばよ!◆◆
122 : 忍法帖【Lv=5,xxxP】 [sage]:2012/06/24(日) 11:38:05.02 ID:t31BzHYS0 - tes
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- ほむら「まどか…あなた男の子なの…?」まどか「暁美さん?」
111 :名も無き被検体774号+[sage]:2012/06/24(日) 15:17:37.59 ID:t31BzHYS0 - お久しぶりです
お待たせしてすみませんでした。保守に大感謝です ---暁美ほむら--- 恥ずかしながら取り乱してしまった 昔、弱かった頃の自分の何かを思い出したからだろうか? 巴マミが今までのように普通に魔法少女として生きる決意をしてくれたのが 嬉しかったのだろうか? だから泣いてしまったのだろうか… 違う、建前だ。まどかが救える可能性が増えたからだ ほむら(…私って最悪ね) 自己嫌悪に陥りそうになるが、ぐっとこらえる ほむら(マミに…ワルプルギスの夜の襲来と…まどかのことを伝えなくては…) そう、それが目的なのだ。巴マミを危険を犯してまで止めた理由 最大の、大切な理由 他人から見れば気持ちの悪いほどの、まどかへの執着 私にとってはまどかの幸せ=私の命をかけて守ることなのだ その為には、誰が苦しんでも、絶対まどかを生きながらえさせて 普通の生活をおくらせる ほむら「…マミ、この町にとんでもない魔女がやってくるわ…」 大きく息を吸い、マミにワルプルギスの夜について話す
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- ほむら「まどか…あなた男の子なの…?」まどか「暁美さん?」
112 :名も無き被検体774号+[sage]:2012/06/24(日) 15:18:43.54 ID:t31BzHYS0 - マミ「なんですって…?」
マミは目を見開く。マミもうすうす噂は聞いていたらしいが、 まさか自分の街へ来るなんて思ってもなかったことだろう ほむら「作戦を考えましょう。今日の放課後に家にいくわ」 マミ「ええ、待ってるわ…大変な事になったわね…」 ほむら「…ええ。では次の時間体育なのでこれで失礼するわ」 長い、うっとうしい髪の毛をおもいっきり跳ね上げる そのまま屋上を後にした
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- ほむら「まどか…あなた男の子なの…?」まどか「暁美さん?」
113 :名も無き被検体774号+[sage]:2012/06/24(日) 15:20:19.06 ID:t31BzHYS0 - 一日の分かりきった授業を終えて、自分の家にいったん帰宅する
そこでワルプルギスの夜の出現の統計についてまとめた紙を持つ それからマミの家へ急いで歩く マミ「待ってたわ。入って頂戴」 昨日に比べると心なしか随分生活感が出て、明るくなっている気がする。 マミ「ごめんなさい。急だったからお茶しかないの。」 マミ「本当ならケーキとか出したかったのだけど」 申し訳なさそうにマミは紅茶を出す。 仕方もない、昨日まであんなに錯乱していたのだから、 手作りケーキや美味しい紅茶なんて気分ではなかったはずだ 寧ろ紅茶があることに感動を覚えた ほむら「いいえ、気にしないで頂戴」 ほむら「これが、ワルプルギスの夜の資料よ」 統計の紙をマミにみせる ほむら「正確な場所はまちまちだけれど…だいたいのポイントは○で囲んでいる所よ」 ほむら「出現日時は私が転校してから100%1ヶ月よ」 マミ「…一体どうやって…そんなことを…」 絶句するマミを無視して話を続ける ほむら「それより、貴方本当に鹿目まどかという少女を知らないの?」 マミ「…そういえば、暁美さんは前もそんなことを言ってたわね」 ほむら「そうよ。私は彼女が契約しないようにこの町へ来たの」
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114 :名も無き被検体774号+[sage]:2012/06/24(日) 15:21:32.78 ID:t31BzHYS0 - マミ「…どういうこと?」
うたがるように眉をひそめる巴マミ。 ほむら「彼女はワルプルギスの夜を一撃で倒すほどの…強力な、いえ、 最強の…魔法少女になるわ」 マミの目は疑念の色から恐怖の色に変わった 心なしか、肩も震えている マミ「…それって…ま、まさか…」 ほむら「そうよ…世界を一瞬にして滅ぼしてしまうくらいの…魔女になるわ」 マミ「…とんでもないわね」 ほむら「だから、私は彼女を探しているの。契約を阻止するために」 時間逆行の能力や、まどかが初めての友人だったことは伏せて説明した 万が一、キュウべえにこの情報が漏れたら面倒になるに違いない 知らない魔法少女をけしかけ私を消しにかかる可能性もある 過去に実際そんなことがあった 特に私の能力に関しては、ばれてしまえば対策を簡単に考えられる そうしたら私はまどかを救うことは愚か、戦えない ほむら(こんなことは隠しておかないと…) ほむら「マミ、鹿目まどかという少女の容貌を今から説明するわ」 ほむら「彼女は非常に小柄よ。正直中学2年生ぽくはないわ」 ほむら「ピンクの髪を赤いリボンで二つ結びにしているわ。」 ほむら「名前が違ってもいいわ。思い当たる子はいないかしら?」
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- ほむら「まどか…あなた男の子なの…?」まどか「暁美さん?」
115 :名も無き被検体774号+[sage]:2012/06/24(日) 15:22:47.40 ID:t31BzHYS0 - マミはウンウンと唸りながら一生懸命考えている、が…
マミ「…ダメだわ。思い当たらないわ…」 ほむら「そう…」 肩ががっくりを落ちていく感覚がする パンと手をたたく音がして、思わずビクッとして顔をあげた マミ「そういえば、鹿目まどか君の親戚とかは?」 ほむら「…?」 マミ「あ、ごめんなさい。この学校でピンクの髪って彼しか思いたらないから」 そうなのか、彼はまどかと同じ髪の色… どんな感じなのだろう。想像がつかない。ピンクの髪の少年… マミ「…暁美さんは鹿目くん知らないの?」 どうやら顔にはてなマークがいっぱいついていたらしい マミ「えっと…写真か…テレビのCM…は…」 マミはそこらに転がる雑誌をあさりながら、テレビをつけた マミ「あ!運が良いわ!!この人よ」 テレビ画面の、ピンク髪の物腰柔らかそうな少年を指差した 化粧水のCMなのだろうか、よくわからないがさわやかな笑顔を振りまいている カッコいい…と言えばそうかもしれないが 今まで興味がなかったのでいまいちよく分からない
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- ほむら「まどか…あなた男の子なの…?」まどか「暁美さん?」
116 :名も無き被検体774号+[sage]:2012/06/24(日) 15:23:43.20 ID:t31BzHYS0 - ほむら(…凄く微妙ね…確かに似ていると言われれば…そうかもしれないわ)
マミ「どうかしら?」 不安げに私の顔を覗き込むマミ ほむら「少し、似ている気もするわ。確かに親戚の線は十分あるわ 明日会って話してみようかしら」 するとマミは非常に言いだしずらそうに手をこねくり回し始める マミ「えっと…明日は可能かは分からないわ」 ほむら「?」 マミ「彼は売れっ子だから週に2、3回しか学校に来ないわ」 マミ「でも来た時はファンの子が駆け付けるから大騒ぎになって分かるわよ」 ううむ…スターとは大変なものである まどかの近況を一刻も早く知りたいが、ここは我慢する所である 彼女を知りえそうな人物を言えば、鹿目まどか 同名の彼ただ一人なのだから ほむら「分かったわ、ありがとう」 ほむら「じゃあワルプルギスの夜についてだけど…」
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- ほむら「まどか…あなた男の子なの…?」まどか「暁美さん?」
117 :名も無き被検体774号+[sage]:2012/06/24(日) 15:25:00.36 ID:t31BzHYS0 - あれからマミとどれほどの攻撃を加えるべきか、
グリーフシードのストックをどれほど集めるべきかを相談した 後、佐倉杏子…彼女の協力も求めたいことも告げた マミ「…そうね、彼女もベテランだし味方は多い方が良いものね」 マミは非常に言いだしづらそうに、渋い顔をしていたが了承してくれた まあ、佐倉杏子の説得はマミ程大変ではないし、 この2人によくない過去があったとしても少なくとも今までの時間では 直接衝突することはなかった 美樹さやかとはよく衝突をしていたが、彼女ほど気の強くない、 大人な考えを持つマミなら心配もない 一人で何人かをあたるのは無益なのでそれぞれ担当を決める ほむら「佐倉杏子の方は…私がいって、マミがまどかを…」 マミ「いいえ、私が行くわ。彼女にいうことがあるの」 驚いた。正直私がまどか探しに行きたかったのだが、 気を使って杏子との接触をしようと決めていたのだ ほむら「…佐倉杏子の居場所を知っているのかしら?」 マミ「ええ。彼女は私に任せて頂戴」 …少し不安があるが、そういうのならマミに任せよう 私自身、そっちの方が良いし ほむら「分かったわ。じゃあ明日はそれぞれ動きましょう」 マミ「そうね。じゃあまた明日、学校で」 コクリとうなずいて、マミの部屋のドアを押し、外に出た
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- ほむら「まどか…あなた男の子なの…?」まどか「暁美さん?」
118 :名も無き被検体774号+[sage]:2012/06/24(日) 15:25:55.06 ID:t31BzHYS0 - 今日はとりあえず、見滝沢中学と逆の中学の通学路に朝から張り込む
一番人通りの多そうな通路を2、3日かけてじっくり通り過ぎる人を観察する それらしき人はいないか、あるいは美樹さやか達でもよい しかし、今のところそれらしき人物は誰もいないのだ (誰だろう、あの子) (凄い美人だなぁ。お前声かけてこいよ) (え、無理無理!) (見滝沢中学…の制服?逆方向じゃない?) ザワザワとうるさい大通り。 まあ、普段いない見滝沢中学の生徒がいるのだから、皆珍しがっているのだろうか なんだかじろじろと見られているような気もする 自意識過剰なだけかもしれない。 そうこうしているうちにいよいよ時間が切羽詰まってきた ほむら(今日も収穫なし…ね…) カチリ 停止した世界で全力で走りだした。 正直今日は間に合わない気がしてならない
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119 :名も無き被検体774号+[sage]:2012/06/24(日) 15:26:46.81 ID:t31BzHYS0 - 学校に嵐のように到着し、大慌てで靴箱の扉をあける
バサバサッ 紙束が落ちてきたが、今はそんなものに気をとられている場合ではない とりあえず、全部適当に引っ掴んで教室へ急いで向かう 一度、遅刻したことがあったが、やたら長い反省文を書かされた そんなことをしたら休み時間や放課後がつぶれる 途中、女子の軍団に遭遇し、舌打ちをする すると、舌打ちのお陰か、道がサッと分かれた ありがたいのか、もしくは新手の嫌がらせなのか、何なのか分からない とりあえず、早歩きで開けてもらった道を歩く 通り過ぎるクラスで一つ、尋常では無い人数の女子がいる教室があった どうやらこの女子軍団の元凶のようだ。 何が起こっているかは興味は少しはあるが。 ああ、とにかく早く教室へいかないとならない なんだかあまりに静かな廊下に少しおののきながら教室へ急いだ
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- ほむら「まどか…あなた男の子なの…?」まどか「暁美さん?」
120 :名も無き被検体774号+[sage]:2012/06/24(日) 15:27:40.97 ID:t31BzHYS0 - ぎりぎりセーフで教室へ駆け込みなんとか反省文を逃れた
一体この紙きれは何なのだろう… そういえば昔、ドラマで見た一場面を思い出した ほむら(…死ねとか書いてあるのかしら…) いじめの対象の子に悪口をかいて送りつけるのだ まさかこの時間では私はその対象なのか… 三つ編みの頃はこれが怖くて怖くて仕方の無かったのに、今は至って冷静である ほむら(ああ…無視に限るわ…一体何なのよ、この時間は…) いつまでも手に持っておくわけにはいかないので、バックに詰め込んでおいた
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- ほむら「まどか…あなた男の子なの…?」まどか「暁美さん?」
121 :名も無き被検体774号+[sage]:2012/06/24(日) 15:28:41.95 ID:t31BzHYS0 - 「わ、わわ私、ついに鹿目君と握手した!!」
「きゃー!凄いじゃない!!」 「よくあの熱血ファンクラブと先輩を押しのけて…」 「あのね、運が良かったの…あのね、」 HRの終わった少し長い休憩時間 朝早くに出たのでうとうとしていた所、大きな悲鳴と鹿目… そのワードで飛び起きる 鹿目まどかが来ている…!? マミの一節をぼんやりと思いだした 『大騒ぎになって、分かるわよ』 ほむら(ああ…だからあんなに人が…) 流石はアイドルと言ったところである。あの人数もうなずける まあ丁度良い。握手したといっている彼女に彼の居場所をきこう ほむら「あの、少し良いかしら」 「え…!?暁美さん、ど、どうしたの」 私があまり話さないせいか、彼女の声は激しく動揺しているように思えた ほむら(…もう少し社交性を身につけた方が良かったかしら…) ふと気がつくと、クラス中がシーンとしている ほむら「鹿目まどかさん…いえ、まどか君に話があるの」 ほむら「案内してもらえないかしら?」 少女の目は三倍にも見開かれた
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- ほむら「まどか…あなた男の子なの…?」まどか「暁美さん?」
122 :名も無き被検体774号+[sage]:2012/06/24(日) 15:29:40.27 ID:t31BzHYS0 - 「え、うっうん」
ガタガタと椅子から立ちあがり、私の前に立つ クラス中にザワザワと、あまり大きくないが確かにどよめいた感じがした ほむら(…そんなに珍しい事かしら…それとも私は嫌われてるのかしら) ほむら(…案外慣れないのもね。嫌われるのに慣れたと思ったのに) またぼんやりとまどか達の声がフラッシュバックする ほむら(まただわ…気持ちが悪くなりそう) 四方からこだまする声、声、声 色々な、ごちゃまぜになる記憶と感情 思わずふらつき、倒れそうになるのを両足でしっかり支える 「暁美さん…大丈夫?」 心配しれくれているのか、はたまた私を快く思っていないからかは分からないが 顔を曇らせていってくれた ほむら「大丈夫。心配しないで」 とりあず、前者と信じて笑顔を向けてみる 最後に笑顔を作ったのは、一体いつだったのだろうか… 「何かあったら、声かけてね。さ、行こう」 彼女は大きな目をさらに大きくして、なんだか顔を伏せながら早口でいった ほむら(…あまり好かれてはないようね…) ほむら(いけない。私はまどかを救うためだけにここにいるんだわ) ほむら(好かれる必要なんて、少しもないんだわ) ハッと当初の目的を思い出し、気を奮い立たせる 鹿目まどか…彼がまどかに関する情報を持っていることを祈りながら教室を後にする
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- ほむら「まどか…あなた男の子なの…?」まどか「暁美さん?」
123 :名も無き被検体774号+[sage]:2012/06/24(日) 15:30:26.14 ID:t31BzHYS0 - ---鹿目まどか---
さやと「まどか!!一大事だぞおおお!!!」 朝のホームルームを終えた後のまだ騒がしいときに、奴はやってきた まどか「うるさいなぁ。なんだよ」 さやと「おい、俺がどれほどの早さで駆け付けたと思ってる!」 まどか「分かったから早く言えよ」 さやと「おお、そうだった。あのな、いうぞ」 さやとはスーっと深呼吸する。無駄な動きが多いといつも思うのだ さやと「暁美ほむらが、転校生がお前に会いにくるぞおおお!!!」 あまりに大声をあげるので耳をふさいでしまったが、話しの内容は聴こえた ---暁美ほむら---今朝見かけた、黒髪の美しい少女 どうして俺なんかに?
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- ほむら「まどか…あなた男の子なの…?」まどか「暁美さん?」
124 :名も無き被検体774号+[sage]:2012/06/24(日) 15:31:14.66 ID:t31BzHYS0 - まどか「なんで?」
さやと「さあ?もしか」 さやとのいいかけた言葉怒号によってかき消された 「くっそおおおおお」 「いっつもだよなあ、まどか!」 「くそお!!顔が良ければ!!顔が!!!」 「お前ー!!俺と代われー!!」 あまりの男子の気迫に恐れおののく 一方… 「どうしよう…まどか君とられちゃうの?」 「でも無理ないよ…あの暁美さんだよ」 「私ちらっとしか見てないけど、綺麗だったよ…」 「嫌だよお、私泣いちゃいそう…」 女子の思っている以上にブルーな雰囲気にかなりツッコミたくなった まどか「ちょ、皆何でそんな思考に…」 ガラッ ほむら「…」 噂の人とはどうしてこんなにタイミング?よく登場するのだろう… 彼女の突然の登場に皆一斉に口を閉じた ほむら「…鹿目くん、どこかしら」
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- ほむら「まどか…あなた男の子なの…?」まどか「暁美さん?」
125 :名も無き被検体774号+[sage]:2012/06/24(日) 15:32:01.00 ID:t31BzHYS0 - …何だと!?今なんて…
「あ、あの、あああの人ですぅ!!ではこれで!!!」 ほむら「…あ」 付き添いの少女は自分に向かって指を指してすぐにバタバタと出て行ってしまった まどか(まさか…自分がどこにいるか分かんない人がいるなんて…) いつも俺の席は人だかり そしていつも無駄に目立つから、どこにいるなんて今までいわれた事はない 彼女、暁美ほむらはゆっくり歩いてくる まっすぐで漆黒の瞳から今すぐにでも逃げたい衝動に駆られる ほむら「貴方が…鹿目まどか君…?」 少しの間をおいて、彼女が問掛ける クラスの静寂が気味悪い まどか「う、うん…俺…だけど…」 ほむら「少し質問していいかしら」 まどか「…ど、どうぞ」 ほむら「ありがとう。じゃあ1つ目」
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- ほむら「まどか…あなた男の子なの…?」まどか「暁美さん?」
126 :名も無き被検体774号+[sage]:2012/06/24(日) 15:33:05.62 ID:t31BzHYS0 - どんな質問か身構えてしまう。どうしてこんなに恐れているのだろう、
目の前の少女があまりにも美しいからだろうか?それとも… ほむら「妹さんか、お姉さんかいる?とにかく女兄弟」 あまりに普通…いや、普通ではないのかもしれない質問に拍子抜けする まどか「いや、まだ3歳の弟一人だけど…」 一瞬にして彼女の顔がひどく悲しげになった気がした 気のせいかもしれないが ほむら「そう…いとこか親戚には?」 まどか「それはいるとも」 少しだけ目が輝いた。そして気がついた。 彼女、いつも自分が一番魅力的でない表情をしていることを。 だって少し目を輝かせただけで、さらに綺麗にみえるのだから 隣のさやとも目を見開いて驚いている ほむら「その中に、ピンクの髪を赤いリボンで2つ結びをした小柄な女の子…」 ほむら「だいたい150もないくらいで…同い年くらいの子、いない?」 うーン…自分の記憶をたどる限り、そんな子はいない 第一、髪がピンクってのは家の家系しかいないのだ。親戚は皆髪の色が違う まどか「残念ながら、いないよ」 ほむら「…そう、ありがとう」 思いっきり顔が暗くなった暁美さん。今にも泣きだしそうに見える まどか「あの、あのさ、誰か探しているの?」 ほむら「ええ…」 彼女の機嫌が少しでも良くなるように話す まどか「きっと見つかるさ、えーっと、名前何だっけ?暁美さんの」 うそだ。まるっきりの嘘。彼女の名前なんて知っている
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- ほむら「まどか…あなた男の子なの…?」まどか「暁美さん?」
127 :名も無き被検体774号+[sage]:2012/06/24(日) 15:34:01.15 ID:t31BzHYS0 - ほむら「…ほむらよ、暁美ほむら…名前負けしているでしょう…」
伏し目がちに彼女はそういった。全く名前負けどころか、 ほむらという名はある意味彼女にぴったりな気もする まどか「いや、そんなことないと思うよ。 ほむらってカッコいいじゃん。燃えあがれーって感じでさ」 ほむら「…今、なんて…?」 彼女は一瞬非常に驚いた顔をした。彼女が初めて年相応の表情をした まどか「…へ?」 ほむら「いいえ、何でもないわ。ありがとう、そう言ってくれて」 この瞬間には、いつもの冷めた…氷のように近づきたがい少女に戻った まどか「あ、いやいや…とにかく、そんな感じの子に会ったら話しておくよ」 ほむら「感謝するわ」 彼女はクルリと背を向けて、 もう、俺には興味を失くしたかのように出ていってしまった
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- ほむら「まどか…あなた男の子なの…?」まどか「暁美さん?」
128 :名も無き被検体774号+[sage]:2012/06/24(日) 15:35:11.92 ID:t31BzHYS0 - ---暁美ほむら---
今自分は果たしてまっすぐ歩けているのだろうか 最悪の事態になってしまった… 多分、鹿目まどかは、まどかだ。まどかが男の子になってしまった… 今までの自分の成していたことが音を立ててガラガラを崩れていく もう自分の知っているまどかはどこにもいないのだ 涙が溢れそうになるのをぐっとこらえて前を見る 家族に…まどかは確かに弟がいた… 名前は…タツヤで年も…3歳だった… 容姿はいやでもまどかを彷彿とさせる。あの笑顔や気の弱そうな表情 そして一番はじめにかけてくれた、言葉 まどか『燃えあがれーって感じでさ』 全く同じセリフが飛び出した、彼の口から ほむら(嘘でしょう…) 立っていることが出来ずに座り込み、そのまま地面に倒れ込んだ ほむら(…私はまどかの存在すら抹消したのね) 四方、いいえ全ての方向からまどかの声が聞こえる 目を閉じる。暗い世界で今までのまどかの顔が浮かんでくるが、 皆一様に私を睨みつける ほむら(…もう、どうにでも…なって…) 涙があの時のように溢れてくれたら良かった 私のソウルジェムが転がった
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129 :名も無き被検体774号+[sage]:2012/06/24(日) 15:36:38.44 ID:t31BzHYS0 - ----鹿目まどか----
暁美さんが出ていった後の教室はてんわやんわの大騒ぎとなった 特にこのクラスの人はあんなに近くで彼女を見たことのない人ばかりであった 「やばいな、あんな美人がどうして…」 「鹿目〜。まじいいな〜」 「でもあの発言にはほっとしたよな」 「だよな〜」 まどか(なんだか…凄く悔しい気分になったぞ…) 若干のいらつきと拍子抜け感…いや、別に告白とか、 そんなんを期待していたわけでは…まあ、少しは… そんなもやもやとしたことを考えていると、突然自分にとある声が聞こえた 『早く外に出て!!』 まどか(え…?誰だ!?) 『ほむらちゃんが…マミさんを…』 まどか(君は…誰?マミさん?暁美さんがどうしたの?) 『もう!!早くでて!!』 優しげだった声が一変して、強いものに変わった その言葉に弾かれたように教室を飛び出し走りだした。
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- ほむら「まどか…あなた男の子なの…?」まどか「暁美さん?」
130 :名も無き被検体774号+[sage]:2012/06/24(日) 15:37:24.20 ID:t31BzHYS0 - ---巴マミ---
マミ(…次は移動教室よね…) ザワザワと皆が動く中、自分も移動を開始する こういうとき、一人でいる事が身にしみるのだ。しかし… マミ(…暁美さんの教室は確か、こっちかしら) 友達とはいえない存在だが、一人の自分にとっては十分すぎるほどの相手だった マミ(学校で…っていったから、会っても大丈夫…かしら) 不安を抱きながら2年生の校舎にいった ドンっ!!! もうダッシュしてきた少年に思いっきりぶつかった 手に持っていた教科書が辺りに散り、尻もちをつく 「す、すいません!」 声がするほうに顔をあげる マミ(この人は…鹿目まどか…) テレビの中のスターがめの前に立っている こんなに近くで見るのは初めてなので、少なからず焦ってしまう まどか「すいません、手伝います」 ありがたい事にサッとちった教科書類をひろいあげてくれた マミ「い、いえ、おきになさらず」 自分もあわてて教科書類を拾い上げて立ちあがろうとする
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- ほむら「まどか…あなた男の子なの…?」まどか「暁美さん?」
131 :名も無き被検体774号+[sage]:2012/06/24(日) 15:38:32.63 ID:t31BzHYS0 - まどか「…」
マミ「どうかしました…?」 動きが不自然なくらい停止している鹿目君に思わず問掛けてしまう まどか「い、いえ…何でもないです」 マミ「そうですか。」 まどか「では失礼しました」 そのまま普通に別れようとお互い一歩を踏み出した。 まどか「あ、あの、すいません!」 数歩いったとことだろうか、突然大きな声が聞こえたため振り向いた まどか「暁美さんの知り合いですか!?」 マミ「…まあ、少し話したことはありますが…」 暁美さん…彼女はもう鹿目君との接触を済ませたのだろうか? そうでなくても彼女の噂はひどく大きなものであるようだから 興味を持ったのかもしれない 自分は休んでいたため知らなかったが、 大変な美少女が来たと毎日教室が大盛り上がりなのだ マミ「…暁美さんがどうかしたんですか?」 まどか「いや…どうかしたかは分からないのですけど…」 まどか「ついてきてくれませんか!?」 いまいち意味は分からないが、彼の瞳はなんだか切羽詰まっているようだ だんだん嫌な予感が…してき始めた マミ「いいですよ、よくわかりませんが、急ぎましょう」 2人で廊下を全力で走り始めた
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- ほむら「まどか…あなた男の子なの…?」まどか「暁美さん?」
132 :名も無き被検体774号+[sage]:2012/06/24(日) 15:40:05.19 ID:t31BzHYS0 - ---鹿目まどか---
今、隣には金髪の先輩…巴マミという名の少女と走っている さっきの謎の声がいってた名前が彼女の教科書に書かれていた そしてよくは分からないが、嫌な予感のする方へ。 ひたすら全力で走った。 すると、人だかりを発見した まどか(まさか…) さやとの言葉が頭によぎった マミと共に人ごみを無理やりかき分け中心部へ向かう 長い黒髪の少女…暁美ほむらが廊下で倒れていた ただですら白い頬はいっそう白く、全てを諦めたかの様な表情で倒れている マミ「暁美さん、しっかりして!!」 マミが大慌てで駆け寄り、手を握る その手の中に何か光るものは一瞬見えた。 まどか(…何だろう?) 気になって近寄よろうとした刹那 養護教諭「どきなさい!運び出すから!!」 担架が運ばれ彼女は乗せられた。マミもどかされそうになるが必死に抵抗する 養護教諭「邪魔なのよ!手を放しなさい…」 むりやりつないでいる手を引き離そうとする先生 見ている側をあまりにも不快な気分にさせる光景だった そして剥がした手の中を見て…動きがとまった 養護教諭「…良いわよ。付き添いなさい」 さっきの強硬な姿勢が一変し、巴マミにつき添いの許可が下りる マミは担架に乗せられたほむらと共に去って行ってしまった…
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- ほむら「まどか…あなた男の子なの…?」まどか「暁美さん?」
133 :名も無き被検体774号+[sage]:2012/06/24(日) 15:41:26.77 ID:t31BzHYS0 - いつもより多めに投下です。
次の投下は木曜日くらいになると思います 引き続き間が空きますが、よろしくお願いいたします
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- 森見登美彦が好きなんだけど、オススメの小説教えろください
21 :名も無き被検体774号+[sage]:2012/06/24(日) 17:12:27.59 ID:t31BzHYS0 - 伊坂幸太郎の砂漠は自分的にかなり好きです
あと前ドラマであった鹿男あをによしとか読みやすくてお勧めです
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