- 出木杉「スタンド使い?」
1 :名も無き被検体774号+[]:2011/12/27(火) 18:45:51.56 ID:ywBMHldL0 - 出木杉が活躍する話 第二弾。
誰か読んであげて
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3 :名も無き被検体774号+[]:2011/12/27(火) 18:48:33.33 ID:ywBMHldL0 - これは、誇り高き血統を受け継ぐ仲間とともに、黄金の風を巻き起こした聡明な少年の物語。
高校生になった出木杉は、長期休暇を利用してかねてより計画していたイタリア旅行へ出発することにした。 幼馴染で友人のスネ夫やのび太を誘わなかったのは、別に高校が違って疎遠になったからではない。 たんに一人旅がしたかったからだ。旅費はバイトで稼いでいるし、イタリア語だって完璧だ。きっと素敵な旅になる。 その思いに胸をときめかせ、出木杉はイタリアへ降り立った。 いくつかの観光地をめぐって2泊目の夜、出木杉は好奇心にかられ、ホテルを出て夜の街を散歩することにした。 街は昼と夜では違う顔をもつ、それが外国ならなおさらである。 方向感覚に優れる出木杉だ、たとえ異国の街といえど道に迷うことなどありえない。そのおかげで、いや、そのせいで。彼は入り組んだ道へ入り込んでしまった。 十分に散策も楽しんだ。そろそろ帰ろう。そう思った出木杉は角を曲がった先から、人の声がするのに気づいた。 ?「頼む…殺さないでくれ。そうだ。金ならやる。いくらでもやる。どうせ組織からはたいした報酬もらってないんだろ? な? それなら な?」 ?「身も蓋もない、っていう言葉があるよなあ? オマエあれ納得いくか? おれはいかねぇ! ようするになんもないってことがいいたいんだろ!? だったら身も皿もない、っていうほうがいいじゃねぇかよ。フタがついてない食い物なんていくらでもあるだろ! 皿がついてないメシのほうがどう考えてもすくねぇだろおおよおお!! それ納得いくか! ええ!? この野郎!! バカにしやがって! バカにしやがって!!」 尋常ならざる雰囲気を感じ取る出木杉。おびえきっている男と激高している男。 このまま気づかぬふうに立ち去るのが懸命に思えた。
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5 :名も無き被検体774号+[]:2011/12/27(火) 18:51:00.26 ID:ywBMHldL0 - >>2
ありがとう。DBのときとは少し雰囲気かえていく予定 だが、このような事態を無視するには、出木杉は誠実すぎた。 彼はすみやかに地元の警察へ電話をかけようと試みたが、圏外である。 やむなく出木杉は、路地裏を覗き込んでみた。 仮にこの犯人が、銃などをもっていれば別だが、 そうでなければ、自分ひとりで制圧できる自信があった。 高校生になった出木杉は、ベンチプレス130キロ、100メートル走11秒フラット、フルマラソン3時間フラット、垂直飛び95センチという身体能力をもっている。 しかしそうした出木杉の自信は予想外の形で砕かれることになった。 角から少し顔を出して除いた路地裏には、まったく理解不能な光景があった。 腰を抜かしている男、それを追い詰めている男。 追い詰めている男のほうはなにやら奇妙なスーツのようなものを着ており、スケート靴を履いている。 それだけでも奇妙だったが、なによりも、スケート靴の男を中心として、路面が凍りついてることが異様だった。 ある程度距離がある出木杉にも、まるで冷蔵庫の中にいるかのような冷気を感じる。 さらに、腰を抜かしている男の半身は氷ついている。すでに意識を失っているようだ。 生きているのか死んでいるのかすらわからない。
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6 :名も無き被検体774号+[]:2011/12/27(火) 18:53:33.44 ID:ywBMHldL0 - いい忘れたけど、
この出木杉は前のドラゴンボール世界にいた人とは違います。 原作の彼が、そのまま日本で成長した設定です。 なんだ、これは? 幼少時から天才、神童ともされた出木杉の頭脳をもってしても、状況が把握できなかった。 ただわかることは、スケート靴をはいたほうの男からは冷気が発せられており、それを用いて殺人を行う現場に出くわしてしまった、 ということだけだった。 さらに悪いことが起こった。一瞬愕然としてしまった出木杉に、スケート靴の男が気づいたのだ。 (ってゆーか、ギアッチョなんだけどさ、もうギアッチョでいいよね) ギ「なんだぁてめーは? みたのか? おいみたのか? 仕方ねぇなぁ。 殺さなきゃいけねぇじゃねぇかよお〜」 ギアッチョが出木杉のほうに体を向きなおした。同時に駆け出す出木杉。 あれは、ヤバイものだ。それくらいは、のび太にでもわかる。 超高校級の陸上記録をもつ出木杉だ。全力で駆け出せば逃げ切れるはずだった。 だがまたしても予想は裏切られる。 レンガ造りのはずの路面をスケート靴で滑るギアッチョのスピードは出木杉を超えていた。みるとギアッチョの前進にあわせて路面が凍りついているようだ。
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7 :名も無き被検体774号+[]:2011/12/27(火) 18:56:33.92 ID:ywBMHldL0 - あと、まぁ、なんだ。
ジョジョ知ってる前提で書くんだけど。 いいでしょうか…? 前よりは少しマイナーですが。。
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9 :名も無き被検体774号+[]:2011/12/27(火) 19:00:33.99 ID:ywBMHldL0 - あっというまに追い詰められる出木杉。足元が凍りつき、動けない。
たちはだかるギアッチョ。 ギ「ほんとによぉ〜ムカつくよな〜。なんで身も蓋もない、なんだよ! バカにしやがって!!くそっ、オマエも絶対零度にしてやる」 このまま氷付けにされてしまうわけにはいかない。この出木杉英才には夢がある。出木杉はとりあえずギアッチョの気をそらすことにした。 はんばやけくそだった。 出「簡単なことだよ。大漢和を引いてみるといい。ここでいう身っていうのは、中身という意味じゃないんだ。 身は容器という意味さ。そして蓋は文字通り蓋、そうだなタッパーとタッパーの蓋のようなものをイメージするといい。 タッパーに野菜が入っている」 ギ「ああん!?」 出「いいかい? そもそも身も蓋もない、っていう慣用句は「なにもない」って意味じゃない。 表現が露骨っで粗野って意味さ。わかるかい? 容器も蓋もない、つまり?」 ギ「野菜が…まるだし」 出「そう! それで露骨って意味になる。だからこの場合、皿では駄目だ。 ここでいう「身」っていうのは皿も意味的に内包しているからね」 ギ「オマエ…。あたまいいな。じゃあこなんで、 ベネツィアは「ベニスの商人」とか、ベニスって英語で言うのに、パリはパリスって英語でいわねぇんだよ。 なめてんのか!? ああ?」
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10 :名も無き被検体774号+[]:2011/12/27(火) 19:05:04.71 ID:ywBMHldL0 - 出「なるほど。いいかい? そもそもベニスの商人っていうのはシェイクスピアの戯曲だね。
それは一旦英語圏文化を通して日本に入ってきた。だからベニスっていうのが定着した。 それだけのことさ。 事実最近では水の都ベネツィアとか旅行パンフレットに書いてあるだろ? そもそも、現地の都市名は現地の発音で呼ぶのが世界的にみて普通だ。 日本の教育でも最近改定されたよ。 たとえばバルカン山脈はいまではスターラ山脈と教科書にかいてある。 だからパリの例のほうが普通さ。 ベニスだけは地理的、社会的な認知よりも文学的、文化的認知のほうがさきで、ベニスという呼び名が定着した。わかったかい?」 ギ「え? ちょっとまって」 ここでふと、出木杉は冷気が少し弱まったことに気づいた。 理由はわからないが、この男の集中力が乱れると、この冷気は弱くなるらしい。 氷付けにされた足元が開放され、出木杉は駆け出した。 ギ「てめぇ!」 すぐに追いかけてくるギアッチョ。 出木杉はやみくもに石を拾って投げつけたが、ギアッチョの体に触れる前に冷気のため、停止してしまうようだ。 ギ「超低温はすべてをとめる!」 このままではいずれにしろ殺される。
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11 :名も無き被検体774号+[]:2011/12/27(火) 19:08:23.48 ID:ywBMHldL0 - 誰か読んでくれてるかしら…。
全力疾走しながらも、天才の頭脳は事態を切り抜けるべく、 高速で稼動した。わかっていることは4つ。いずれも物理学を否定していることだが、目の前にある事実は受け入れるしかない @こちらの攻撃は冷気によって停止させられてしまう A追いかけてくるところをみると射程距離があるらしい B本人の集中力によって強さが左右される C本人の弁では絶対零度まで温度を下げられる 総合的に判断した結果が出た。逃げ切るのは不可能だ。 ならば、打倒するしかない。 普段は温厚な出木杉だが、このような危機的状態での判断は早かった。
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13 :名も無き被検体774号+[]:2011/12/27(火) 19:16:19.98 ID:ywBMHldL0 - >>12
ちょうありがとう。 なんとか、目標とする場所まで逃げ切れた。 そう、さっき見かけた、電柱の下だ。ここで急に足を止める、 ちょうどギリギリ背後まで迫ってきたギアッチョを横っ飛びでよける出木杉。 急速なストップ&ゴー。彼の身体能力だからこそ可能だったが、 そうなんども通じはしない。一回こっきりが限界だろう。 ギアッチョはそのまま電柱に突っ込み、凍りついた電柱は折れた。 そして大事なものが切れて垂れ下がる。そう、電線だ。 ギアッチョが出木杉に体を向けなおす と同時に、すばやく電線をキャッチする出木杉。 ギ「…なんのつもりだてめぇ」 不適な笑みを浮かべてみせる。いったいなにがなんだかわからないが ここで、この男を打倒しなくては殺されてしまう。 ならば、自分のもてる知識と体力でここを乗り切るしかない。 命のやりとり、はじめての緊張感だった。 思えば、出木杉はこれほど自身の頭脳を回転させたのはひさしぶりだった。 策は単純。もんだいはいかに、『それらしく』やるか、ということだ。 出「氷は電気を通す。○か×か? どっちだと思う?」
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14 :名も無き被検体774号+[]:2011/12/27(火) 19:21:10.16 ID:ywBMHldL0 - 質問に質問で返す出木杉。
ギアッチョはやや遅れて、出木杉の言わんとしていることに気づき、あせった。 正直、氷が電気を通すかどうか、ギアッチョにはわからなかった。たしか、水で感電する、というのはみたことがある気がする。 じゃあ氷もそうなのだろうか。 超低音はすべてを止めるっ! と日ごろから言ってはいるが、電気については未知数だった。 この電線によって感電してしまうのだろうか? 出「時間切れだよ。正解は×。氷は電気を通さない。 そもそも純粋な水も絶縁体だ。水が電気を通すというイメージは不純物が含まれているからさ。 そして水は氷になるときに不純物が取り除かれる性質があるから、氷は電気を通さない」 ギアッチョにはわけがわからなかった。 氷が電気を通さないというなら、感電しないというわけで、電線を用いた攻撃は無駄だとういうことになる。 なのになぜそれをわざわざ教えるのか? ギ「いったいてめぇは何がしたいんだああ!?」 出「ところで、君は低温物理学って知ってるかい?」 さらに質問で返す出木杉
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17 :名も無き被検体774号+[]:2011/12/27(火) 19:34:49.30 ID:ywBMHldL0 - >>15
>>16 ありがとう。 ギ「「知るかよそんなもん」 出「教えてあげるよ。物体は超低温下では特殊な性質をもつようになる。 これを研究するのが低温物理学さ。 その特殊な性質のひとつに、『超伝導』という現象がある」 ギ「はあ!?」 出「温度を下げると電気伝導性があがる。 これは温度が下がると伝導電子の錯乱が抑えられるためだ。 ある種の物体は絶対零度に近づけば近づくほど、物体の電気抵抗はゼロに近づく。 意味がわかるかな? 要するに、冷たければ冷たいほど、電気はより伝わるってことさ」 ギ「…それが、どうした」 出「わからないかい? 君は冷気をまとっている。鎧のようにね。僕は違う。 君のせいで少し寒いけど、靴はゴム底だ。 つまり、この電線を氷と水でいっぱいになっているこの路面に落とせば、 僕は大丈夫だけど 君は死ぬ。 そういうことさ」
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18 :名も無き被検体774号+[]:2011/12/27(火) 19:40:39.73 ID:ywBMHldL0 - この冷気をどうやって発生させているのかはわからない。
未知のテクノロジーによるものか、それともこの男のもつ特殊能力なのか。 いずれにしても不可思議だ。 しかし、そうした存在に出会うのははじめてではない。 子供のころ、幼馴染の家に居候のロボットがいた。 彼は不思議な力をもっていた。 表にこそ出さなかったが、出木杉はその力に魅せられていた。 道具を使って欲望をかなえたい、ということではない。 その力、そのものを理解したかったのだ。 こうした背景が、異常な事態にある出木杉を冷静にさせていた。 世界には不思議なことがあるのを知っている。 そして今、その不思議な力を暴力に使う人間がいることもわかった。 ならば、やることはひとつ、生きるために。
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19 :名も無き被検体774号+[]:2011/12/27(火) 19:46:07.19 ID:ywBMHldL0 - ギ「!?」
出「さよなら」 出木杉が電線を放り投げるのと、ギアッチョがスタンド能力を解除するのは同時だった。 出木杉がさっきポケットに入れておいた氷のつぶてをギアッチョに投げつけたのは、その一瞬あとだった。 少年時代にジャイアンズですこしだけしかプレイしたことはないが、出木杉はスピードガンで計れば、140キロ台の直球を投げられるほどの肩を持っている。 ギ「!?」 距離にしてわずか8メートの距離から放たれた初速145km、300グラムの氷のつぶては スタンド能力による防御を解除したギアッチョの顔面に直撃した。 メメタァ!! もちろんコントロールだって出来過ぎなのが、出木杉だ。 ゆっくりとくずれおちるギアッチョを見下ろし、悠然と言葉をかける 出「超伝導の話は本当さ。だけど、ある『種の物質』に君の氷が含まれるかどうかはわからないけどね。 僕なら冷気をまとったまま、逃げるよ」 ギ「おまえ…スタンド使い…か?」 ギアッチョはそういって意識を失った。 彼には最後までわからなかった。自分を倒したこの東洋人の少年がはなつ 凄みの理由が、言葉に真実味を持たせ、能力を解除に追い込んだ説得力は どこからくるのか。ギアッチョにとっては、自分がスタンド使い以外の 人間に遅れととるなど、考えたことすらなかったのだ。 出「スタンド使い?」 意図せずに、巨大ギャング組織「パッショーネ」暗殺チームのスタンド使いによる殺人現場を目撃し、 ギアッチョを病院送りにした出木杉。 彼はこれをきっかけに、戦いに巻き込まれていくことになるのだった。 ギアッチョ:再起不能 to be continued
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20 :名も無き被検体774号+[]:2011/12/27(火) 19:49:11.70 ID:ywBMHldL0 - ギアッチョを倒した出木杉はパッショーネに追われる身となってしまった。警察を含むあらゆる組織が出木杉の敵にまわり、口封じとメンツのために出木杉を追い詰めた。
持ち前の機転と運動能力で危険を回避しつづけたが、イタリアを脱出することもできず、パスポートさえ奪われた。 そんな出木杉にとって転機となったのは、刺客としてあらわれたブチャラティとの出会いだった。 ブチャラティはスタンド能力がないにもかかわらず、ギアッチョを倒し、 自分ともわたりあった出木杉の才覚をみとめ、パッショーネへの入団を薦めた。 入ってしまえば、追われることもなくなる。とりなしは自分と上司のポルポが行う。 ということでだ。ブチャラティは、この聡明な少年が虫けらのように殺されるのを よしとしなかったのだ。 出木杉はギャングになることを迷った。 だが、ブチャラティの人柄。そして自分を守るためにほかに選択肢がないこと 、そして、同時期に同じような経歴としてブチャラティに紹介された ジョルノという少年の「町を変えるため、ギャングスターになって現在のボスを倒す」という高潔な夢にふれ、入団を決意したのだった。
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21 :名も無き被検体774号+[]:2011/12/27(火) 19:51:09.12 ID:ywBMHldL0 - ポルポのもとへもジョルノと一緒に面接へいった。
そして与えられる入団試験。二人でひとつのライターの火を守ることが命じられた。 そして、原作同様、ライターは清掃のおじさんの手で再点火されてしまう。 ジョ「…そんな、再点火なんて、できるわけがないんだ…試験に意味がなくなる」 出「おちつくんだジョルノ。なにか理由があるはずだよ」 おじさん「よかったよかった」 ブラックサパス「おまえ、再点火したな?」 ふいに清掃のおじさんの動きがとまった おじさん「あれ? わし…なんか体が動かないよ。医者かな、医者よんでくれる?」 ブラックサパス「進むべく二つの道を」ずしゃっ「これは選ばれた者では、なかった」 口から矢を放つブラックサパスによって、清掃のおじさんは死んでしまった。 さされれば、素質のあるもののみスタンド使いに、素質なきものは死んでしまうという「矢」である。 無論、スタンド使いではない出木杉にはブラックサパスをみることはできない(ギアッチョのホワイトアルバムは効果である氷だけがみえた)。不意に、おじさんが死んでしまっただけにみえる。
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- 出木杉「スタンド使い?」
24 :名も無き被検体774号+[]:2011/12/27(火) 19:57:48.57 ID:ywBMHldL0 - 無論、スタンド使いではない出木杉にはブラックサパスをみることはできない(ギアッチョのホワイトアルバムは効果である氷だけがみえた)。不意に、おじさんが死んでしまっただけにみえる。
ブラックサパス「おまえも再点火したな?」 ジョルノ「まずい。再点火をみたものを無差別に攻撃するつもりだ! 逃げろ! デキスギ!!」 ジョルノからあらかた「スタンド」というものの説明は受けている。自分には見えないが、なんらかの脅威が迫っているらしい。それは「再点火」をみたものに訪れるということだ。 ジョルノならスタンド能力で身を守ることもできるかもしれないが、出木杉は違う 逃げようとしたが、すでに体が動かなかった。何かにがっしりと押さえつけられているようだった。 ジョルノ「無駄無駄無駄ーー!!」 ジョルノの雄たけびとともに、体に自由が戻る。見えないが、おそらくジョルノのスタンド能力によって、助けられたりしたらしい。 間一髪だったようだ。頬に浅いが刺し傷のようなものができている。すこし遅れれば、この傷は致命傷になるほど深いものになったに違いない。 ジョルノ「デキスギ…? 矢がかすったみたいですけど、平気ですか?」 ゴゴゴゴゴ…
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25 :名も無き被検体774号+[]:2011/12/27(火) 20:02:51.16 ID:ywBMHldL0 -
出「あぶなかったよ。ジョルノ。ありがとう」 ジョ「まだ、敵はいる。脅威は去ってはいない。君の後ろだ。デキスギ!」 出「!」 見えないことはわかっているが、反射的に振り返る出木杉。否、見える。 黒いシルエットの怪物のごとき姿が。 これが、スタンド? なぜ不意に見えるようになったのかはわからない。だが見えた。見えるならば、なんとかかわせる。ジョルノと出木杉はブラックサパスから距離をとった。 ジョルノ「見えたんですか? 出「ああ。よくわからないけどね」 ブラックサパスは距離をつめて攻撃を続けてこない。 出「どうみる?」 ジョ「射程距離、ではなさそうですね。おそらく本体はポルポなはず。ならさっきの場所もここも、変わらないはず」 出「あの位置から動かない理由があるんだ。それをつきとめないとやられる。さっき君は攻撃をしたんだよね? まるで効いてないみたいだ」 黄金の血統のジョルノ、出来過ぎの天才出木杉は同時に気づいた。 「影か」 ブラックサパスは影になっているところしか移動できないらしい。 そうすると次の危機に気づく。今は夕方、もうすぐ日が沈む。そうなったら終わりだ。 こちらの攻撃をいっさい受け付けない敵に襲われて勝てるはずがない。
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- 出木杉「スタンド使い?」
26 :名も無き被検体774号+[]:2011/12/27(火) 20:05:22.61 ID:ywBMHldL0 - 出「! まずいジョルノっ、飛ぶ鳥の影を使って移動してくる。かわすんだ!」
とっさに回避する二人。鳥の影をつかっての攻撃はかわした。ブラックサパスは校舎の影から移動し、樹木の陰にうつっていた。 出「すこしためしてみるか」 出木杉はケータイを取り出した。日向にいるうちは安全なので、ある程度落ち着いて動くことができる。 ケータイのカメラを起動させる。フラッシュを設定。ブラックサパスを撮影してみる。 フラッシュがたかれた一瞬、たしかにブラックサパスは消えた。 つまり、太陽の光を避けているというわけではない。人工の光であっても影を消せればいいわけだ。なら話は簡単だ 出「ジョルノ。僕は少し学生寮に戻るよ。2分で戻る」 ジョルノ「あれをとってくるんですね?」 出「そのとおりさ」
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27 :名も無き被検体774号+[]:2011/12/27(火) 20:09:50.56 ID:ywBMHldL0 - それから2分後、樹木の影に入ったままのブラックサパスを前後からはさむかたちでジョルノと出木杉は向かい合った。手に持っているのはただの懐中電灯だ。
出「てれれれん。かいちゅうでんとう〜!」 ジョルノ「デキスギ…?」 出「昔の知り合いのまねさ」 そして双方向から照射される光、影をなくしたブラックサパスは光に焙られるように消滅した。 こうしてジョルノと出木杉は見事試験に合格。ポルポを原作とおり死亡した。
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- 出木杉「スタンド使い?」
28 :名も無き被検体774号+[]:2011/12/27(火) 20:10:45.00 ID:ywBMHldL0 - ブチャラティ「おい! 新入りを紹介するぜ!」
(全員スタンド使いだ…) ブチャ「このブチャラティがつれてきたんだ。愛想よくしろよ」 アバッキオ「いいですとも…。さぁすわんなよ。ジョルノと出木杉だっけ。お茶でものみなよ」 ジョボジョボ…。かの有名な「アバ茶」ことアバッキオの尿であった。 ジョルノ「うっ」 アバ「なんだ? 俺の入れた茶がのめねぇのか?」 ナランチャ・フーゴ・ミスタ「ぶぶっ」 ブチャ「俺にもいっぱいついでくれ」 アバ「悪いがほかに注文してくれ」 で、ジョルノは原作とおり歯をくらげに変えてすわせる。 これ、いつも思うけど、根本的な解決になってないよね。だってアバッキオの尿が歯に吸収されちゃうんだぜ。 しかも唇とかにどう考えてもつくでしょ。尿が。
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29 :名も無き被検体774号+[]:2011/12/27(火) 20:13:03.70 ID:ywBMHldL0 - アバ「おめぇも飲めよ。デキスギ」
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31 :名も無き被検体774号+[]:2011/12/27(火) 20:22:35.12 ID:ywBMHldL0 - 出「ホントにいいんですか…? だってこれ…アバッキオさんの。
うふふ。うほっ。もっとなみなみとついでくださいよ。ほらもっと。あれ? ビタミンが不足してるみたいですねアバッキオさん。 チョコラBB飲んだほうがいいですよウフフ。 ほら、もっとついでついで。あぁ、ドキドキするなー。 あっ−。ビンビンになっちゃいますよ。これから毎日飲ませてくれるんですか? 楽しみだなー」 ミスタ「…、おい、こいつ」 ナランチャ「やべぇぜ」 フーゴ「このっ、ど変態めっ」 アバ「ちょっ、おま。やめろ。飲まなくていい」 出「いやですよ。飲みます。飲ませてください。ありがとうございますデュフフ」 アバ「飲むなー!!」 出「わかりました飲みません」 一同「ナ、ナンダッテー!?」 アバ「オマエ…芝居…だったのか…? 本当に?」 出「さぁね。君たちだって自分の性癖を秘密にしているんだろ?」 こうして、ジョルノと出木杉はブチャラティチームの一員となったのだった。
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32 :名も無き被検体774号+[]:2011/12/27(火) 20:26:25.58 ID:ywBMHldL0 - すこし時間がすぎる。
ブチャラティチームは死んだポルポの遺産を獲得すべき、動き始めた。 船の途中では遺産を横取りしようとするスタンド使いの一人に襲われるも撃退。 続いて港に待ち受ける別のスタンド使いがいることがわかり、ジョルノ、出木杉、ミスタ 一足早く上陸した。 原作とおりの過程を経て、戦闘がはじまる。 ただ違うのは、無線小屋で敵がくるのを待ち伏せたのが、ミスタではなく、出木杉だということだ。 これには理由がある。船の上での闘ったスタンド使いは身を隠すタイプの敵だったが、 出木杉はそうそうにこのトリックを見抜いて仲間につたえ、早々に倒してしまった。 結果到着が早くなり、セックスピストルズの昼食時間とかち合ってしまったため、 出木杉がミスタの代理をおこなったのだ。 ジョルノが無線で敵の仲間からと見せかけた無線をいれ、 無線に応答するために小屋にきた敵を小屋近くで待機していた出木杉が射殺する。 そういう予定だった。
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- 出木杉「スタンド使い?」
33 :名も無き被検体774号+[]:2011/12/27(火) 20:31:59.85 ID:ywBMHldL0 - 志願したのは出木杉自身だ。ギャングになることを決めたが、非情になりきれていない自分を変えるためだ。
戦いの場に身をおくことは好きではないが、ジョルノやブチャラティとともに上り詰め、 組織のボスを倒し、安全に日本にかえり、夢をかなえる。そのためには犠牲を払わなければならない。 覚悟を決めなくては。 待ちぶせ前に、無線小屋をよく確認すると裏口があることがわかった。 そのため、出木杉は小屋の中で待機することにした。拳銃はオートマチックのベレッタ。 安全存置をはずしておく。 小屋の裏口のドアノブが動いたのを確認。出木杉は相手の姿を確認することもせずドアに向けて容赦なく発砲した。 敵は超常の力を持つスタンド使いだ。スキを与えてはいけない。 身長180センチ程度の敵を想定し、胸、腹、足元、頭と4発を連射する。 弾丸はドアを貫通した。うめき声が聞こえたことから、弾丸はヒットしたらしい。 射撃は少しの訓練でだいぶうまくなったようだった。
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- 出木杉「スタンド使い?」
34 :名も無き被検体774号+[]:2011/12/27(火) 20:36:21.41 ID:ywBMHldL0 - 出木杉は裏口ではなく、表の出入り口か小屋を出て、裏口側へ向かった。
血痕はあるが、死体がない。 出木杉は少しほっとした。確信はあったが、 万が一無関係の他人だったら取り返しがつかないという気持ちが払拭されたからだ。 銃弾は間違いなく命中した。だが死体はない。これはつまりなんらかの能力を使って、身を守ったということだ。 こんなことが出来るのは敵であるスタンド使いだけだ。 出木杉は血痕をたどって敵を追跡した。 小屋近くに停車中のトラックへと血痕は続いている。 出「あの中か。まだこちらは顔をみていない。逃がすわけにはいかないな」 出木杉はトラックに近づき、はずさない位置からトラックのタイヤを打ち抜いた。 相手の出方をみる。 しばらくすると、トラックから人がおりてきた。さっきヒットした銃弾による傷がある。敵であるらしかった。 まぁ、クラフトワーク(固定するスタンドな)のサーレーってやつなんだけどね。
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- 出木杉「スタンド使い?」
35 :名も無き被検体774号+[]:2011/12/27(火) 20:39:53.27 ID:ywBMHldL0 - サ「てめぇ、なにしやがるんだ。すげぇ痛ぇじゃねぇかよぉ」
出「生きてる証拠さ」 切り替えしつつも不安がよぎる。傷を見るに、たしかに致命傷になる部位に着弾している。にもかかわらず、平然と歩み寄ってくる。どういう能力なのか? サ「タイヤがいかれたせいで、もうてめぇを殺してから逃げるしかなくなったじゃねぇかよ」」 出木杉は無言で発砲した。がサーレーの繰り出したスタンド「クラフト・ワーク」は近距離パワー型だ、銃弾を簡単にはじいた。 サ「さっきは面食らっちまったが、俺のスタンドは気ぃはれば。銃をはじくくれぇ、そう難しいことじゃねぇ」 出「そうかい」 サ「おら、てめぇのスタンドを見せてみろ」 出「見せてほしければ、さっさとこっちにきなよ。死ぬ直前に一瞬だけなら見れるかもしれないよ」 出木杉は、ブラックサパス戦からなぜか、スタンドを見ることだけは出来るようになったのだが、依然として自身のスタンド能力をもたない。 近距離パワー型のスタンド使いと正面からやって勝てるはずがない。 出木杉は、さも自分にスタンド能力があるかのように偽装した。それも近距離型であるかのようにだ。
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- 出木杉「スタンド使い?」
36 :名も無き被検体774号+[]:2011/12/27(火) 20:44:10.77 ID:ywBMHldL0 - サーレーも近距離パワー型のスタンド使いだ。接近戦には自信があるだろう。が、相手の能力が未知数である以上、不用意に近づきたくはない、というのが普通だ。
サ「近づく必要はねぇな。ここからでも十分にお前を殺れる」 サーレーは空中にいくつかの鉛弾をばら撒いた。鉛球は空中で停止したまま、落下しない。 それをみて能力を推測する出木杉。 出「なるほど、さしづめ、物体を固定する能力、というわけかい? それでさっきの銃弾も皮膚の浅いところで固定したから致命傷にならなかったというわけか」 サーレーは驚いたような表情を見せる。所見で能力を見抜かれたことへの反応だろうか。 サ「そうだよ。別に俺の能力はばれたところで、どうでもいいんだよぉおお!!」 そういって、空中に固定された鉛球を人差し指で小さくたたき続ける。 サ「こうやって、押してやっても弾はうごかねぇ。でもこの力はたまっていくんだぜ。つま」 出「解除したら飛んでいくってわけだね」 サーレーの言葉をさえぎって続ける出木杉。 出「悪いけど、多分あたらないと思うよ」 サ「ぬかせ! 解除だ!!」
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- 出木杉「スタンド使い?」
38 :名も無き被検体774号+[]:2011/12/27(火) 20:47:15.41 ID:ywBMHldL0 - ドラゴンボールよりはるかにジョジョのほうが難しい…
スタンド能力無しでスタンド使い倒すのは、戦闘力無しでフリーザ倒すより 難しいです。なかなかスムーズで面白い展開にできず、もうしわけない。 しかし弾丸はわずかに動いただけで、すべて出木杉の体に触れず、あらぬ方向へ飛んでいく サ「なぜだ!?」 出「それって、本来は動けない相手に使うもんでしょ? 指の動きを観察してれば、軌道をよむのは簡単さ。 小細工しないでかかってきなよ。君のその貧弱なスタンドを一瞬でボロボロにしてあげるよ」 出木杉の観察力をもってすれば、指で弾丸に与えられた力のベクトルを予測 するなど、造作もないことだった。 さらに挑発する出木杉。 これに激昂したサーレーは出木杉へと駆け出し、距離をつめてきた。接近してからの 直接攻撃を仕掛けるつもりらしい。 出木杉の期待どおりに。 計算どおりだ。現在3メートル。この距離なら、確実にかわせない、いや、かわさない。あの近距離パワーがたのスタンドではじこうとするはずだ。
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- 出木杉「スタンド使い?」
39 :名も無き被検体774号+[]:2011/12/27(火) 20:51:37.84 ID:ywBMHldL0 - >>37
だってデキスギ君だもの。 出「くらえ!!」 小さなモーションで何かを投げつける出木杉。 スタンドというものはいかに早かろうが、操るのは人間。 人間の反射神経で銃弾をはじいたりできるのは、 あらかじめ、飛び道具を弾け、という命令を与えているからで、 そうした意味では半自動的なものらしい。これは同じ近距離パワー型の ジョルノやブチャラティに確認すみだ。 まれに自身の反射神経で銃弾 をはじく猛者もいるそうだが、それなら最初の銃撃もかわしたはずだ。 サーレーには銃弾をあらかじめぶち込んであるし、今も銃をおろしていない。 彼の意識は飛び道具への警戒に傾いているはずだ。 出木杉がなにか飛び道具をつかえば、弾こうとするはずだ。 サーレー「弾け、クラフトワーク!!」 案の定、サーレーは出木杉が投げたものがなにかということを確認もせず、 と、いうかこの距離の一瞬でできるはずもなく、思いっきりスタンドの拳で払いのけた。 小さな小さな、かわいいハムスターを。 次の瞬間、サーレーの背中は自身のスタンドの拳の面積分、凹んだ。 サ「ごへはっ…」 そう、このハムスターはジョルノが生み出した生命。この生命を攻撃すると、そのエネルギーは攻撃したものにそのまま反射される。 この場合、銃弾をも弾くスタンドの拳が、生身の人間の背中に、直撃したということだ。 サーレーは脊椎を損傷し、その場で倒れこんだ。 出「動物は大事にしなきゃだめだよ」 サーレー:再起不能 To Be Conti(略
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- 出木杉「スタンド使い?」
40 :名も無き被検体774号+[]:2011/12/27(火) 20:56:27.71 ID:ywBMHldL0 - さらに少し時間が流れる。無事ポルポの隠し財産を獲得したブチャラティは幹部へと昇進。
同時にボスの娘、トリッシュの護衛任務を負かされた。 ブドウ畑近くの民家に身を隠す一行。 必要物資の入手のため、ナランチャが買出しにいくことになった。 フーゴ「覚えましたね? 尾行されないためにどうしたらいいのか!?」 ナラ「えーっと、ブドウ畑をぐるぐるまわってー」 フーゴ「ブチャラティ! やっぱりこんなバカに任せるのは不安です!」 たしかにナランチャは注意力に欠けるところがある、が、ナランチャが指名されたのは、彼の スタンド能力が尾行への対応に向いているからだ。だが不安なのも事実。 出「ブチャラディ、よければ僕も同行しようか? どうせスタンド能力もない僕がここにいても護衛の戦力にはならない。それよりナランチャに付き添ってドライバーをやったほうがいいんじゃないかな?」 浅くではあるが、矢が刺さった出木杉はスタンドをみることはできるが、 スタンド能力を『まだ』発言させていないイレギュラーな存在だ。 しかし、その身でありながら、すでに3人のスタンド使いを破っている切れ者でもある。 ナランチャと同行させるにはうってつけの存在といえた。
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- 出木杉「スタンド使い?」
42 :名も無き被検体774号+[]:2011/12/27(火) 21:01:26.58 ID:ywBMHldL0 - >>41
でしょ? いつの間にか消えた能力。 だからこのスレでもいつの間にか消えてしまって、二度と使わないの。
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- 出木杉「スタンド使い?」
43 :名も無き被検体774号+[]:2011/12/27(火) 21:17:03.73 ID:ywBMHldL0 - ブチャ「よし、ではデキスギ。ナランチャに同行してくれ」
出「了解」 ナラ「俺一人でだいじょーぶだってー」 出「まあまぁ、実際ぼくは闘えないんだし、いざとなったら君任せだよ」 ナランチャをなだめすかし、二人で買出しへ出かけた。 途中の車内では出木杉がイタリア統一の歴史をわかりやすくナランチャに話すなどの場面もあり、予想外に楽しいドライブになった。ナランチャはけして馬鹿ではない。ただ教育を受けていないだけだ。 しかし敵は現れた。 「なんで、幹部の葬式に顔ださねーんだよお前らはー!?
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- 出木杉「スタンド使い?」
44 :名も無き被検体774号+[]:2011/12/27(火) 21:20:04.00 ID:ywBMHldL0 - さて、とりあえずこの辺にしときます。
一応最後まで考えてますが。 需要があって、残ってたらつづけますね。
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