- 似顔絵女「こんにちはー」
118 :1[]:2011/12/27(火) 19:29:26.25 ID:ozdr842D0 -
男 「あはは、そっか」 婆 (ニコリ 漬物石女 「な 何かおかしいか?」(アセアセ 男 「はは、いや。おまえが不安そうなのがおかしくて」 漬物石女 「っ〜!?やっぱり男は意地悪だ!」 男 「お前がつけた糠漬けが、おいしくないわけないだろ」 漬物石女 「へ?」 男 「俺たちはうまいから毎日食ってんだ。だよなばーちゃん」 婆 「ふふふ、そうだねぇ。」 漬物石女 「・・・」 漬物石女 「・・・糠床たちに」 漬物石女 「よい、報告ができます」 婆 「・・・そうかい」 男 (ニコリ 漬物石女 「本当に感謝の言葉もない。」
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- 似顔絵女「こんにちはー」
119 :1[]:2011/12/27(火) 20:25:28.40 ID:ozdr842D0 -
━・・・ 翌日 朝 男 「」 男 「ぬか臭い」 漬物石女 「・・・」 男 「・・・」 漬物石女 「いや、あのな?」 漬物石女 「昨日は様々な出来事が大変心に残ったんだ」 漬物石女 「だから、それを独り占めするのはもったいない気がして・・・」 男 「それで、漬物石の姿になって」 男 「糠床の上で一晩中語り合っていた、と」
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- 似顔絵女「こんにちはー」
121 :1[]:2011/12/27(火) 21:04:57.55 ID:ozdr842D0 -
漬物石女 「う・・・ん」 男 「・・・」 漬物石女 「そんなにか?そんなに臭うか?」 男 「臭う。めちゃめちゃ腹減る。」 漬物石女 「そうか・・・すまない」(シュン 男 「・・・お前が仲間と話すことに文句なんかない」 男 「・・・ただ、シャワーくらい浴びてくれ」 漬物石女 「しゃわー・・・ああ、あれだな!風呂場の。」 男 「それそれ。とりあえずいって来い」 漬物石女 「わかった。・・・しかし、そんなにか・・・?」(クンクン 男 「はあ、腹減った・・・飯だ飯」
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- 似顔絵女「こんにちはー」
123 :1[]:2011/12/27(火) 21:08:17.04 ID:ozdr842D0 - >>120こんばんはーいらっしゃいw
ありがとう頑張る! 居間 食卓 男 「ばーちゃんおはよう〜」 婆 「おはよう。今朝は漬物石女ちゃんが朝ごはんを作ってくれたんだよ」 婆 「お礼にって言ってね。あの子はいい子だねぇ」 男 「あいつ・・・気を使うなって言ったのに・・・」 婆 「手際がまたいいんだよ。ありゃいいお嫁さんになるね」 男 「嫁って・・・あいつ漬物石だぞ」 婆 「今はもう違うよ。」 男 「・・・」 漬物石女 トテトテ)「しゃわーを浴びてきた。いいお湯でした。臭いはどうだろうか」 男 「そうだな・・・もう大丈夫みたいだ」
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- 似顔絵女「こんにちはー」
124 :1[]:2011/12/27(火) 21:12:11.01 ID:ozdr842D0 - >>122目からりんごジュース出そうwwwwありがとう!
ここからは書き溜め尽きるまで ノンストップアクションでお送りしますw 男 (というか、石鹸のいい香りがががが) 漬物石女 「よかった。私は人の姿になれるし・・・郷に入っては郷に従え、と言うしな」 漬物石女 「人の世の常識にも慣れていかなければ。」 男 「そだな」 婆 「じゃあ、ご飯にしようかね」 漬物石女 「はいっ。お茶を入れてきますね。」 婆 「おや、ありがとう」 男 「・・・」
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- 似顔絵女「こんにちはー」
125 :1[]:2011/12/27(火) 21:15:16.61 ID:ozdr842D0 -
━・・・ 漬物石女 「うむ。とても面白い!」 男 「これで大体案内し終えたかな」 漬物石女 「現在の住宅とは大変に便利なのだなぁ」 漬物石女 「昔は真冬でも素手で水仕事をしなければならなかったというのに・・・」 漬物石女 「そういった場面はほとんど改善されているといっていい。」 漬物石女 「世の女性たちはずいぶんと楽になったことだろう」(シミジミ 男 「昔は知らないけど、今は男も当たり前に家事するぞ?」 漬物石女 「なんと!」 漬物石女 「昔は男は外から、女は内から家を守るのが世の常だったが・・・」 漬物石女 「時勢とはやはり移ろうものなのだな・・・」
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- 似顔絵女「こんにちはー」
126 :1[]:2011/12/27(火) 21:19:42.20 ID:ozdr842D0 -
男 「でも協力し合ったほうがいいだろ?」 漬物石女 「それはそうだが・・・んう、どうやら私は学ばなければ ならない事がたくさんあるようだ。」 男 「少しずつ慣れてけばいいよ。焦る必要はないしな」 漬物石女 「そうだな・・・」 男 「しばらく家の中でヒトに馴染んでいけばいい」 男 「慣れたら次は外だな。」 漬物石女 「! 外かっ」 漬物石女 「すっかり忘れていたが、今の私には足があるのだ。」 漬物石女 「外界に出られるではないか!」 男 「やけにテンション上げてきたな」
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- 似顔絵女「こんにちはー」
127 :1[]:2011/12/27(火) 21:22:13.41 ID:ozdr842D0 -
漬物石女 「それはてんしょん(?)上げもする!今まで想像でしか見たことのない世界だ」 漬物石女 「さぞ様変わりしていることだろう!」 男 「どれだけの変化かなんて、実際に見てきたわけではないからわからないが」 男 「100年近く昔と比べたらかなり違うんじゃないか?」 漬物石女 「家の中でさえこの変わりようだろう」 漬物石女 「それはすごいことになっているに違いない。楽しみだなぁ!」 男 「楽しみは後に取っとこうぜ。今は慣れることだ。」 漬物石女 「うんっ。がんばって慣れるぞ!」 男 「ははは、がんばるのかよ。」 漬物石女 「楽しみだなぁっ」
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- 似顔絵女「こんにちはー」
128 :1[]:2011/12/27(火) 21:26:59.46 ID:ozdr842D0 - ━・・・
一週間後 男 「あのさぁ・・・」 漬物石女 「?」 男 「毎朝起きるとぬか臭くなってるのは・・・」 漬物石女 「うっ・・・」 男 「何とかならんのか」 漬物石女 「し、仕方ないだろう!私は漬物石だ。私の重みが多少なり漬物の味を作用するのだ」 漬物石女 「というか、そこまで臭うのか・・・?」 男 「臭う。臭い立つ」 男 「うーむ」 漬物石女 「と、とにかく!」
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- 似顔絵女「こんにちはー」
129 :1[]:2011/12/27(火) 21:30:03.52 ID:ozdr842D0 - 漬物石女 「その仕事をおろそかにしてはならない!」
男 「それって他の重しを乗っけるんじゃだめなの?」 漬物石女 「!? い いけない!これは私の仕事だ!誰にも譲る気はない!!」 男 「あー・・・えっと」 漬物石女 「私の仕事なんだ!」 男 (そんな涙目にならんでも・・・) 男 「その、すまん」 漬物石女 「いや、わかってくれたならばそれでいいんだ。」 男 「・・・」 男 「じゃあさ」 漬物石女 「まだ言うか!」
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- 似顔絵女「こんにちはー」
130 :1[]:2011/12/27(火) 21:37:59.01 ID:ozdr842D0 -
男 「いや・・・後進を育てる・・・てか」 男 「弟子をとる気とかないのかなと・・・」 漬物石女 「弟子・・・?」 男 「100年の経験を次世代に引き継ぐ」 男 「それってお前にしかできないと思わないか?」 漬物石女 「そのために新しい漬物石を、と?」 男 「うーん・・・まあ、そうかな」 漬物石女 「・・・」 男 (あれ?なんかすげー真剣な顔を・・・) 漬物石女 「・・・わかった。少々時間をくれ。考えてみたい。」 男 「そ そうか。」
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- 似顔絵女「こんにちはー」
131 :1[]:2011/12/27(火) 21:39:46.04 ID:ozdr842D0 -
男 (弾みで出た言葉だったんだが・・・) 男 (まあ、ぬか臭さがなくなる可能性が出てきたし、いっか) 男 「んじゃま、シャワー浴びてこい」 漬物石女 「うむ。では行ってくる」 男 「ほいほい〜」 男 「・・・」 男 (「私の仕事なんだ!」か・・・)
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- 似顔絵女「こんにちはー」
132 :1[]:2011/12/27(火) 21:42:12.15 ID:ozdr842D0 -
━・・・ 後日、男宅 居間にて 女 「で、この和服美人は何者なの」 漬物石女 「これは申し遅れました。私、男殿の家にて漬物石として仕えさせていただいております、漬物石女と申します。以後お見知りおきのほど・・・」 女 「・・・え?」 男 「漬物石女、頼む」 漬物石女 「承知。っ解!」(ポンッ 漬物石女 (ドヤァ 女 「はあぁ!?」 男 「このとおり、正真正銘の漬物石だ」 女 「ふぇ・・・?」 漬物石女 「どうかあまり驚かれぬよう・・・」 女 「い 石がしゃべってる!???!」 男 「まあ、これが普通の反応だよなぁ・・・」 漬物石女 「・・・我が家のお二人の異質さが際立つなぁ」
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- 似顔絵女「こんにちはー」
133 :1[]:2011/12/27(火) 21:47:46.25 ID:ozdr842D0 -
━・・・ 女 「へー漬物石女ちゃん付喪神なんだ」 男 「・・・慣れるの早くない?」 女 「だって話してみたら普通にいい子なんだもん」 漬物石女 「ふふ、はい。私は世間一般で言うところのツクモガミというもののようです。」 男 「ほかで聞いたこと無いけどな・・・」 女 「私は女。男の幼馴染よ。よろしくね。」 漬物石女 「はい、よろしくお願いします。」(スッ 女 「うわっ お お願いしますっ」(ワタワタ
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- 似顔絵女「こんにちはー」
134 :1[]:2011/12/27(火) 21:51:53.82 ID:ozdr842D0 -
男 「何やってんだ・・・漬物石女も、女にかしこまる必要ないぞ」 女 「そりゃそうだけど、何であんたが言うのっ」 漬物石女 「ふふふ、お二人は仲がよろしいのですね」 男 「腐れ縁だよ。」 女 「・・・で?今日は何なの?あんたから連絡してくるってことは何かあるんでしょ?」 男 「あー・・・漬物石女を紹介するって言うのもあったんだが・・・ すまんが、こいつが服買うのに付き合ってやってくれないか?」 女 「そりゃかまわないけど・・・」 漬物石女 「すみません。和服なら何とかなるのですが、現代の服装は詳しくないので・・・」 男 「いつも和服ってのも、不便だろうから・・・せっかくの休みにすまないな」 女 「・・・じゃあ交換条件ならいいよ。」
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- 似顔絵女「こんにちはー」
135 :1[]:2011/12/27(火) 21:56:25.96 ID:ozdr842D0 - 漬物石女 「交換条件とは・・・?」
女 「私は今の服の着こなしを教えてあげるから、 漬物石女ちゃんは着物の着付けおしえて?」 漬物石女 「着付け、ですか。」 女 「うん。私和服なんて成人式で着たきりだから・・・ そのときもおばあちゃんにほとんどやってもらったし、 日本人ならそれくらい知っておきたいって前から思ってたんだよね」 男 「着物の着付けか・・・俺もちょっと興味あるな」 女 「この条件でだめかな?」 漬物石女 「よろしくお願いします」(ニコリ 女 「よっし!張り切って選んじゃうよ!」
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- 似顔絵女「こんにちはー」
136 :1[]:2011/12/27(火) 22:01:29.61 ID:ozdr842D0 -
市街地 デパート内部 漬物石女 「大きな建物だなぁ」(ワクワク 男 「まぁ、ここら辺じゃあ一番でかい店だからなあ」 女 「女性服コーナーは4階だよ。じゃ、いこっか」 漬物石女 「はい。お願いします」(ドキドキ 男 (・・・) 男 (やっぱこうなるよな) 男 (来る途中から思っていたが・・・) 男 (和服を着こなし、かつこの美人っぷり) 男 (・・・注目の的過ぎる・・・) 女 ヒソヒソ)「これは早く服買ったほうがいいね」 男 ヒソヒソ)「そうだな・・・こっちの精神力が持たん」
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- 似顔絵女「こんにちはー」
137 :1[]:2011/12/27(火) 22:11:04.71 ID:ozdr842D0 -
女 「・・・あんた、まだその引きこもり体質治んないの?」 男 「・・・うるさい」 漬物石女 「いかがした?」 男女 (当の本人、気にも留めてないし・・・) 男 「なんでもないよ。ささっと服選ぼうぜ」 漬物石女 「なんだかわくわくしてきたっ」 女性服コーナー 女 「こんなのどうよ!?」(ジャーン 漬物石女 「実際着てみると、ひらひらとして落ち着かないものだな・・・」
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- 似顔絵女「こんにちはー」
138 :1[]:2011/12/27(火) 22:15:03.20 ID:ozdr842D0 - 男 「・・・いいんじゃね?」
女 「あんたさぁ、さっきからそればっかじゃん。ほかにないわけ?」 男 「いや・・・」 男 (どれもこれも) 男 (似合いすぎている・・・ッ・・・・!!!) 男 (なんでも着こなすとか、そんなのありか!?) 男 (・・・ここは正直に) 男 「・・・どれも似合ってるよ。好きなものにしたらいい。」 漬物石女 「そ そうだろうか」(テレテレ 女 「悔しいけれど、男に同意するわ。これは私の手には余るかも・・・」 漬物石女 「お、女殿!そんな事言わないでくれっ。 女殿が頼りなんだ! この私に、現代の服装についてご教授下さい!」(ペコリッ 女 「か、顔を上げてよ漬物石女ちゃん!」(アセアセ 男 (こいつら見てたら面白いけど、余計目立ってんな・・・)
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- 似顔絵女「こんにちはー」
139 :1[]:2011/12/27(火) 22:19:43.07 ID:ozdr842D0 -
男 「そろそろ再開しよう。漬物石女は何か気に入った服はなかったのか?」 漬物石女 「・・・どれも美しいとは思う。和服に比べて着脱が容易であるし・・・」 漬物石女 「しかし、どれかひとつ選べといわれると・・・」 女 「うーん・・・ほんとにどれも似合うから困っちゃうよね。贅沢な悩みだ。」 漬物石女 「・・・男に」 男 「ん?」 漬物石女 「男に、決めてほしい」 男 「えっ俺?」 漬物石女 「もちろんっ 私の服なのだ。私が決めるべきだと思う。 しかし、ここ1、2週間ほどヒトについて学んだけれど、 服装に関しては抜けていた。知識としてまったくないに等しいんだ。 女殿に決めていただくのも申し訳ない。 でも、か、家族である男にならっ」 漬物石女 「どんな服にでも、決めてもらってかまわない!」
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- 似顔絵女「こんにちはー」
140 :1[]:2011/12/27(火) 22:24:21.94 ID:ozdr842D0 -
女 「・・・」 男 (家族、か) 男 「・・・このワンピースなんかどうだ?」 女 「そうね・・・漬物石女ちゃんは黒髪が長くてきれいだし、 白を基調にしたこのワンピースは映えそう」 女 「男にしてはまともなチョイスね」 男 「だ だろ?」 漬物石女 「わんぴーす・・・」 漬物石女 「では、これにするとしよう!」 男 「い いいのか?」 漬物石女「言っただろう。男の決めてくれたものならばかまわない。 女殿に太鼓判も頂いたしな!」 女 「漬物石女ちゃん、その「女殿」っていう呼び方やめてよ。それに、敬語もだめ!」 漬物石女 「しかし、」 男 「女がそう言ってんだ。俺に接するときみたいに、気楽にしてやれ」 漬物石女 「そ そうか・・・その、すまなかった、お 女・・・」
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- 似顔絵女「こんにちはー」
141 :1[]:2011/12/27(火) 22:29:21.03 ID:ozdr842D0 -
女 「ふふっ、男の言うことなら素直に聞くんだね」(クスリ 男 「・・・おまえなぁ」 漬物石女 「男は家族だ。家族とは、互いに支えあい助け合うもの。 納得できないことならまだしも、その言葉に耳を傾けるのは当然だ」 女 「そっか」(ニコリ 男 「・・・」 男 「・・・じゃあ会計に」 女 「何言ってんの」 男 「え」 女 「ワンピース一着じゃ着回しもできないでしょ。」 男 「」
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- 似顔絵女「こんにちはー」
143 :1[]:2011/12/27(火) 22:34:02.21 ID:ozdr842D0 - >>142
読んでくれる人がいることにっ!感動を禁じえないっ! 女 「あと最低でも一週間のローテーション組めるだけはほしいわ。 ・・・お金ちゃんと持ってきた?」 男 「カードはあるが・・・」 女 「ん。じゃ大丈夫ね。ここ見終えたら次行くわよ」 漬物石女 「女、次とは・・・?」 女 「下着、靴、小物、etc・・・」 男 「」 女 「買うものはまだたくさんあるんだから。男!気抜いてんじゃないわよ!!」 男 「」 女 「じゃ、どんどん行きましょうか。漬物石女ちゃん!」 漬物石女 「わわっ」 男 「」 女 「私も服買ってもらおー」 男 「おい」
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- 似顔絵女「こんにちはー」
144 :1[]:2011/12/27(火) 22:45:04.84 ID:ozdr842D0 -
━・・・ 数時間後 男 「や やっと家にたどり着いた・・・」 漬物石女 「すまなかった・・・荷物もすべて持たせてしまって・・・」 男 「いや、元から荷物持ちくらいしかできなかったし、それはいいんだ。」 男 「ただ、女の買い物に付き合うと毎度恐ろしく疲れる・・・」 漬物石女 「あはは・・・」 漬物石女 「女はたくましくはきはきとした、気持ちのよいお人だな。 ・・・私のことも最後には“友達”と・・・」 男 「あいつはまあ、あんなやつだ。」 男 「というか、漬物石女は平気なのか・・・?」 漬物石女 「んー最初こそ戸惑ったが、だんだんと慣れてしまって、 途中からは楽しくさえあったな」 男 (所詮は同属・・・ということか・・・っ!)
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- 似顔絵女「こんにちはー」
145 :1[]:2011/12/27(火) 23:00:38.93 ID:ozdr842D0 -
男 「とにかく疲れた・・・今日は飯食って風呂入って、さっさと寝よう…」 スタスタ 漬物石女 (・・・) 漬物石女 「お 男・・・」 男 「んーなんだ?」 漬物石女 「その、服を選んでくれてありがとう・・・」 男 「・・・ああ。気にすんな。ほんとにお前なんでも似合ってたから、 選ぶほうとしてはある意味気楽だったよ。」 漬物石女 「このワンピース・・・」(ギュッ 漬物石女 「一生大切にするから・・・」 男 「・・・お おう」 漬物石女 「・・・」 男 「・・・」
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- 似顔絵女「こんにちはー」
146 :1[]:2011/12/27(火) 23:04:31.19 ID:ozdr842D0 -
漬物石女 「あ あのな・・・」 男 「?」 漬物石女 「行きたいところがあるんだ。」 男 「・・・行きたいところ?」 漬物石女 「・・・私を拾っていただいた河原・・・」 男 「! ああ・・・」 漬物石女 「その、な」 漬物石女 「一緒に言ってくれないか・・・?」 男 (・・・今の漬物石女の始まりの場所・・・) 男 (・・・) 男 「・・・わかった。一緒に行くよ。」 漬物石女 (フワリ 漬物石女 「・・・ありがとう」
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- 似顔絵女「こんにちはー」
147 :1[]:2011/12/27(火) 23:09:13.42 ID:ozdr842D0 -
━・・・ 男 (あいつにとってすべてが始まった場所・・・) 男 「よく考えたら、すごい確立だよなあ。曾々ばーちゃんが 何千何万とあるかわらの石ころからあいつを選ばなければ」 男 「今漬物石女はここにいないわけで・・・」 男 「・・・曾々ばーちゃんとあいつに感謝だなぁ」 ━・・・ 漬物石女 (あの場所に帰るのは本当に久しぶりだ・・・) 漬物石女 (遠くの山々や、川の流れは健在だろうか・・・) 漬物石女 (どうして今私がここに、こうしていることができるか、) 漬物石女 (あの方に問うことはもう叶わないけれど・・・) 漬物石女 (あそこへ行けば何かわかるかもしれない。) 漬物石女 (楽しみであるけれど、ひどく恐ろしい・・・) 漬物石女 (・・・) 漬物石女 「奥方様・・・男・・・ありがとうございます。」
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- 似顔絵女「こんにちはー」
148 :1[]:2011/12/27(火) 23:15:34.90 ID:ozdr842D0 -
数日後 男 「忘れ物ないか?」 漬物石女 「お弁当も持った、帽子もかぶった!」 男 「ん。俺も財布はちゃんと持ってる。」 婆 「それじゃあ行っといで」 漬物石女 「はい、おばあさま。行ってまいります」(ペコリ 男 「じゃあ、行ってきまーす」 自転車 シャアアア 漬物石女 「このじてんしゃというのは風を切って気持ちいいなっ」 男 「俺も久々に乗ったけど、やっぱ悪くないな。」 男 「河原まで2,30分ってとこか。」 漬物石女 「結構かかるのだな」 男 「そうだなー」
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- 似顔絵女「こんにちはー」
149 :1[]:2011/12/27(火) 23:19:32.59 ID:ozdr842D0 -
自転車 シャアアア 漬物石女 「・・・あ」 男 「ん?どした?」 漬物石女 「いや・・・あの山の形に見覚えが・・・」 男 「そうか、前見てみろ。見えてきたぞ!」 漬物石女 「・・・!」 ━・・・
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- 似顔絵女「こんにちはー」
150 :1[]:2011/12/27(火) 23:23:29.99 ID:ozdr842D0 -
河原 男 「ここが・・・」 漬物石女 「・・・」 漬物石女 「整備されて、様変わりしているが・・・川の形は変わっていない。」 漬物石女 「間違いない。ここだ。」 男 「石ころだらけだな・・・」 漬物石女 「私もここの石のひとつだった。それを奥方様に拾っていただいて・・・」 男 「奥方様ってのは、曾々ばーちゃんのことか?」 漬物石女 「そうだな。男から見れば・・・」 漬物石女 「しかし、私にとって奥方様は、初めてお仕えしたお方・・・ 尊敬する恩人」 漬物石女 「唯一無二の方なのだ」
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- 似顔絵女「こんにちはー」
151 :1[]:2011/12/27(火) 23:29:43.26 ID:ozdr842D0 - 男 「そういえば、前も曾々ばーちゃんのこといってたな。
俺もさすがに知らないから・・・」 男 「よかったら聞かせてくれないか?」 漬物石女 「・・・ふふ」 漬物石女 「あの方についてこの口で語れる日が来ようとは・・・思いもしなかった」 ━・・・ 漬物石女 「あの方・・・奥方様は、言うなれば完全無欠の完璧超 容姿端麗、文武ともに優れ、女性にしておくのは もったいないと評判の娘だった。旦那様と出会いになられたのは 20のころだったか・・・結納を済ませ、嫁入りの時分、品々とともに ご実家から糠床をひとつ持ってこられた。」
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- 似顔絵女「こんにちはー」
152 :1[]:2011/12/27(火) 23:39:00.23 ID:ozdr842D0 - >>151見づらい上にwwwwミスってるwwww
完璧超人。ですw 男 「それって今家にあるやつか?」 漬物石女 「いや・・・そもそもが古いものであったしな、 もう大分前に寿命を迎えてしまったよ。」 漬物石女 「昔かたぎの堅苦しいやつだったが、腕は確かな職人だった・・・ ・・・まあ、そのとき漬物石を持ってきていなくてな。」 漬物石女 「この河原に探しにこられた、というわけだ。」 漬物石女 「何事も全力で、駆け抜けるような御仁であった。 この河原でふさわしい石、・・・まあ私だな、私を探しておられたときも、」 漬物石女 「それは真剣で・・・私は最初、砂金でも探しておられるのかと思っていた。」 漬物石女 「そして・・・何日かこの河原に通われ、ついに私たちは出会った。」 男 「・・・」
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- 似顔絵女「こんにちはー」
153 :1[]:2011/12/27(火) 23:43:14.60 ID:ozdr842D0 - 漬物石女 「最初に拾い上げられたときは何事かと思ったなぁ。」
漬物石女 「人に触れられるのは初めての経験であった故、 そのやわらかさにとても驚いたのを覚えている。」 漬物石女 「よく見るといつもの女性であったので、「何だ、自分の番か」と 無感動にそんなことを思ったな。」 漬物石女 「その女性は石を持ち上げては一部始終眺め、形を確かめたりしながら 元の場所に戻す、というのを繰り返していたので、私もそうなのだろうと。」 漬物石女 「ところがその女性は川で私を簡単に洗った後、 風呂敷に包んで私を自宅まで連れ帰ったのだ。」 漬物石女 「もう何がなんだかわからなかった・・・井戸水で徹底的に洗われた後 手ぬぐいできれいに拭かれ・・・」 漬物石女 「気づけば私は、“河原の石ころ”から、“漬物石”になっていた。」
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- 似顔絵女「こんにちはー」
154 :1[]:2011/12/27(火) 23:46:04.69 ID:ozdr842D0 - 漬物石女 「あの方が初めて旦那様の家で漬けた野菜はキュウリだったなぁ・・・
私の最初の仕事・・・もっとも、そのときはわけも分からずだったが。 糠床に手取り足取り教えてもらいながら、私は段々と仕事を覚えた。」 漬物石女 「それからは今思えばあっという間だった・・・社会の変革・・・戦争。 もっとも、私が実際にそれらを目にすることはなかったが。 奥方様も亡くなられ・・・ おばあさまが嫁いでこられ・・・男が生まれ・・・」 漬物石女 「ああそうだ・・・男が生まれたときは春なのに雪が降っていたなぁ。 我ら水屋連中はこっそりと祝杯を挙げたものだ。まぁ、実際に酒は飲んでいないが」(クスリ
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- 似顔絵女「こんにちはー」
155 :1[]:2011/12/27(火) 23:50:21.97 ID:ozdr842D0 -
漬物石女 「そして男に落書きされた」(ニコリ 男 「いや、だから・・・」 漬物石女 「私はうれしい。前にも言ったが、これは消えることのない、 私が私である証。 そして、私が確かに男と出会えたという証なんだ。 これはもう手放せないし、手放したくない。 それがうれしいんだ。」 男 「・・・漬物石女」 漬物石女 「・・・途中から私の話になってしまっていたな」 男 「・・・いろいろあったんだろうな。」 漬物石女 「そうだな・・・かけがえのない思い出ばかりだ。」
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- 似顔絵女「こんにちはー」
156 :1[]:2011/12/27(火) 23:56:16.99 ID:ozdr842D0 -
男 「・・・漬物石女は・・・」 漬物石女 「?」 男 「ウチに来てよかったか・・・?」 漬物石女 「・・・」 ぽかっ 男 「ってぇ・・・」 漬物石女 「男は何を聞いてたんだ」(プンスカ 漬物石女 「そんなの・・・」 漬物石女 「・・・よかったに決まっているではないか!」
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