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名も無き被検体774号+
似顔絵女「こんにちはー」

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似顔絵女「こんにちはー」
1 :名も無き被検体774号+[]:2011/12/26(月) 05:12:51.18 ID:pRrXb2tK0
短編SSです
異国設定ですが、わかりやすく通貨は円としています
ご了承ください

ではいきマース
似顔絵女「こんにちはー」
2 :名も無き被検体774号+[]:2011/12/26(月) 05:16:31.77 ID:pRrXb2tK0
似顔絵女 「顔絵描かせてもらえませんか?」

爺1 「なんじゃ?」

爺2 「突然じゃのう」

爺3 「Zzz…」

似顔絵女 「いやいや、皆さんお暇そうだったので」

爺1 「なんと。わしらが暇に見えると。」

爺2 「酒を飲むのに大忙しじゃよ。」

似顔絵女 「じゃあお酌しますんで、似顔絵でもおひとつ」
似顔絵女「こんにちはー」
3 :名も無き被検体774号+[]:2011/12/26(月) 05:19:58.81 ID:pRrXb2tK0
爺2 「若い娘の酌なんぞいつ以来かのぉ」

爺1 「こらこら、のせられとるぞ爺2」

似顔絵女 「じゃあ決まり!お一人様1000円になりまーす!!」

爺12 「金とるんかい!!!」

5分後

爺3 「ふごっ… Zzz」

爺1 「結局流されとるし…若い子にはかてんわ」

爺2 「いや爺1よ、この娘なかなか絵が上手いぞ。」


似顔絵女「こんにちはー」
4 :名も無き被検体774号+[]:2011/12/26(月) 05:24:07.24 ID:pRrXb2tK0
似顔絵女 「酔っ払いに褒められてもうれしくないなあ(///)

爺2 (めっちゃ照れとるがな)

爺1 「しかし娘よ、こんな辺鄙なところでなぜ似顔絵なんかを?」

似顔絵女 「いやー実は私、今一人旅をしておりまして。」

似顔絵女 「似顔絵で路銀を稼ぎながらぷらぷらとですね、」

爺2 「女一人旅とな!?なかなか豪快な娘っこじゃな!」

爺1 「いやいや、素直に受け取るな。…大変じゃろうに。泊るとこはあるんかい?」


似顔絵女「こんにちはー」
5 :名も無き被検体774号+[]:2011/12/26(月) 05:27:59.79 ID:pRrXb2tK0
似顔絵女 「いえ、この町から今日出てくつもりなんでご心配なく〜。」

似顔絵女 「昨日はそこの公園で野宿してました (エヘヘ)

爺2 「なんと!最近の若いもんは貧弱でいかんが、まだまだ捨てたもんじゃないのう!」

爺1 「いやいやいや、若い娘さんが野宿て。そこらへんの野獣共がほっとかんぞ!!」

爺2 「あっはっは、若いうちはなんでもやってみるもんじゃて。」

爺1 「悪酔いしだしとるの…。しかしいかんぞ。何かあってからでは遅い。」

似顔絵女 「たぶん大丈夫ですよー。空手とか柔道とかやってたんで。」

爺1 「カラテ…」

爺2 「ジュードー…それやっとると大丈夫なんか。」

似顔絵女 「あ、そか…えーと、護身術みたいなものです。」

似顔絵女「こんにちはー」
6 :名も無き被検体774号+[]:2011/12/26(月) 05:31:58.61 ID:pRrXb2tK0
爺2 「ほう、なるほど。その護身術を武器に悪の組織と戦うんじゃな!?」

爺1 ダンッ)「異国より渡りし、伝説のカラ…ジュドー(?)使い!」

似顔絵女 ダンッ)「似顔絵描きの衣を羽織り、呼ぶ声あれば、西へ東へ!」

爺2 ダンッ)「ばっさばっさと敵を倒す、天下無敵の勧善懲悪!」

爺1 ダダンッ)「手に入れるは、ただ名誉のみ!」

似顔絵女 ドーン)「その名は「似顔絵女」ぁ!!」

爺12似顔絵女 「わはは」

似顔絵女 「できましたー」

爺12 「!?」

爺3 「酒…Zzz」

似顔絵女「こんにちはー」
7 :名も無き被検体774号+[]:2011/12/26(月) 05:35:04.82 ID:pRrXb2tK0
爺1 「やっぱりわしのほうがかっこいいのぉ」

爺2 「なにを、わしのほうがじゃなぁ」

似顔絵女 「じゃあお一人様1000円ということで、」

似顔絵女 「合計3000円確かにいただきました(ニコリ」

爺2 「爺3もちゃっかりカウントされとるし…」

爺1 「まあたまにはいいじゃないか。若い娘とも話せたしの。」

似顔絵女 「計画通り…!」

爺12 「なん…じゃと…」

似顔絵女 「ところで、この町から一番近い町ってどこですか?ちなみに西方面で。」

爺1 「西…お前さん、東の町からきたんかい?あそこがここから一番近いが。」

似顔絵女「こんにちはー」
8 :名も無き被検体774号+[]:2011/12/26(月) 05:38:58.77 ID:pRrXb2tK0
似顔絵女 「はいっ。シルクロードをたどって旅してるんです。昔からあこがれてて。」

爺2 「古き街道を一人行く、か。浪漫じゃのう。」

爺1 「西じゃとだいぶ距離があるが…どれくらいだったか…」

爺2 「わしは西の方には滅多に行かんからわからん!」

爺1 「ふむ…」

爺3 「よんきろ………」

爺12似顔絵女 「?」

爺3 「よんきろなんじゃ…」

似顔絵女「こんにちはー」
9 :名も無き被検体774号+[]:2011/12/26(月) 05:41:59.45 ID:pRrXb2tK0
爺1 「今までずっと寝ていた爺3がなんかいっとるぞ。」

爺2 「よんきろ… 4キロと聞こえるな。」

似顔絵女 「今までの流れから考えて、西の街まで4キロってことかな?」

爺1 「はて、そんなものじゃったか?わしもしばらく」

爺1 「行ってないからのう。30年くらい…」

爺2 「わしはわからん!」

爺3 「よんきろなんじゃよ…」

似顔絵女 「うーん。この街道を西に行けば街はあるんですよね?」

爺1 「そりゃあるにはあるが…結構距離があったような…」

似顔絵女 「それさえわかれば大丈夫です!じゃ、そろそろ行こうかなっ。」

似顔絵女「こんにちはー」
10 :名も無き被検体774号+[]:2011/12/26(月) 05:44:58.39 ID:pRrXb2tK0
爺2 「また突然じゃのう。よくせっかちといわれるじゃろ。」

似顔絵女 「私はノンストップアクションムービーですよ!?」

爺12 (なるほどわからん…)

似顔絵女 「それじゃあ、さようならーっ!」

爺2 「行ってしもうたのう…」

爺1 「なかなかさっぱりしたいい娘っこじゃったなぁ」

爺1 (しかし、西の街までの距離、4キロだったか…)

爺1 (相当遠かった記憶があるが…酔いで頭がはっきりせんなぁ)

爺1 「うーん…」

似顔絵女「こんにちはー」
11 :名も無き被検体774号+[]:2011/12/26(月) 05:47:57.84 ID:pRrXb2tK0
さすがにこの時間じゃ人いないか…



二日後

似顔絵女 「はあ…はあ…」

似顔絵女 「あのあと食料が無かったから買出しに行って、」

似顔絵女 「次の街まで4キロって聞いたけど、念のために一日分…」

似顔絵女 「酔っ払いの言うことを真に受けた私が馬鹿だった。」

似顔絵女 「二日間歩きっぱなしだけど」

似顔絵女 「街なんかどこにも無いじゃない…!」

似顔絵女 「食料もほとんどないし、結構やばいかも…。」

似顔絵女 「もう泣きそう…」

似顔絵女「こんにちはー」
13 :名も無き被検体774号+[]:2011/12/26(月) 05:50:58.05 ID:pRrXb2tK0
似顔絵女 「車も一台も通んないし…ってこの音は!」

車 ブロロロ…

似顔絵女 「車だ!おーい!!」

車内にて

男 「…」

女 「…」

男 「なぁ」

女 「…」
 
男 「話を聞いてくれ…謝るから…」


似顔絵女「こんにちはー」
14 :名も無き被検体774号+[]:2011/12/26(月) 05:53:58.91 ID:pRrXb2tK0
>>12うわーん!!ありがとー!



女 「…あなた、何かやましい事でもしたの?」

男 「いや、多分して無いと思うが…」

女 「じゃあ謝る必要なんて無いじゃない。」

男 「えーと」

女 「そもそもあなたは何で私が怒ってるかわかってるの!?」

男 「やっぱり怒ってたのか…」

女 「その言い分じゃ何にもわかってないみたいね?」

女 「こんな郊外まで私を連れ出して、何をするのか知らないけれど、」

女 「私も暇じゃないんだから、用があるなら早くして!」

似顔絵女「こんにちはー」
15 :名も無き被検体774号+[]:2011/12/26(月) 05:57:02.83 ID:pRrXb2tK0
女 「…」

女 (…ついにイライラを男にぶつけてしまった)

女 (男のやさしさに甘えて…)

女 (最低…)

男 「あ…」

男 (こんなはずじゃなかったんだけどな)

男 「…少し話を って うわっ!!!」

女 「きゃああ!!」

車 キキィィイ!!

似顔絵女「こんにちはー」
16 :名も無き被検体774号+[]:2011/12/26(月) 06:00:59.97 ID:pRrXb2tK0
男 「なんだ今女の子が突然道に飛び出しt」

似顔絵女 コンコン)「すいませーん」

男 「……!?」

女 ウイーン)「え、えっと…」

似顔絵女 「あ、私、似顔絵女というものでして、」

男 「は、はあ…」

似顔絵女 「今少々道に迷っておりまして、」

女 (ここは街から車で1時間はかかる、ほぼ直線の一本道なのだけれど…)

似顔絵女 「車に乗せていただけないでしょうか」(ニコリ

似顔絵女「こんにちはー」
18 :名も無き被検体774号+[]:2011/12/26(月) 06:04:03.73 ID:pRrXb2tK0
男女 「…」

女 (なにこの状況)

似顔絵女 「いやぁ〜すいません。デート中に突然。」

女 「い、いえ、いいのよ。でもなぜあんなところに?」

似顔絵女 カクカクシカジカ

男 マルマルウマウマ 「あはは。それは難儀だったねえ。」

女 「笑い事じゃないわ!女の子が一人で、それも地図も持たずになんて、正気なの!?」

似顔絵女 「身の危険は今までも何とかなったので、多分大丈夫です。」(キリッ

似顔絵女 「一人旅に地図は要りません。人に聞きながら道を探す、」

似顔絵女 「それが私のぽりしーです!」(キリッ 

似顔絵女「こんにちはー」
19 :名も無き被検体774号+[]:2011/12/26(月) 06:08:28.46 ID:pRrXb2tK0
>>17一応全部書き終えてます
あとは張ってくだけだから最後までお付き合いください!




男 「あっはっは、かっこいいな!」

女 「やっぱり危険だわ!旅行するにしてもきちんと計画を立ててから…」

男 「似顔絵女ちゃんは、どのくらい旅をしてるんだい?」

似顔絵女 「合計すると一年ちょっとですかね。お金を貯めながら少しずつ進めてます。」

男 「言葉は現地で?」

似顔絵女 「はいっ。似顔絵を描かせてもらいながら、最初は身振り手振りで。」

男 「すごいなぁ。今はペラペラだよな。習得までどのくらいかかった?」

似顔絵女 「んー2,3ヶ月くらいですかね。でも読み書きとか全然で。」

男 「そっか。字はあんまり書く機会ないもんな。」

似顔絵女「こんにちはー」
20 :名も無き被検体774号+[]:2011/12/26(月) 06:12:06.41 ID:pRrXb2tK0
男 「しかし、母国語以外の言語を理解できれば世界が広がるだろうなぁ。」

似顔絵女 「そうですね!。道に迷ったときも車に乗せてもらえますしっ。」

男 「だはは。まったくだ。」

女 「…」

女 (男が楽しそうにしてるの久しぶりに見るなぁ)

女 (最近、私といるときはどこか落ち着かなくて)

女 (私が話しかけてもあんまり目を合わせてくれないし)

女 (でも、いつも通りとっても優しくて)

女 (だからこそ余計に距離を感じてしまう)

女 (ついこの間まではそんなこともなかったのに…)

似顔絵女「こんにちはー」
22 :名も無き被検体774号+[]:2011/12/26(月) 06:18:04.91 ID:pRrXb2tK0
女 ボソ)「楽しそうね…」

男 「へっ?」

似顔絵女 (あっ、やば)

女 「私といるときは楽しくない?」

男 「え?そんなことn」

女 「私といるときはいつも困った顔してるくせに!」

男 「いや、えーとそれはだな」

女 「私なんかより若いこの方がいいんだ」

男 「!?」

似顔絵女「こんにちはー」
24 :名も無き被検体774号+[]:2011/12/26(月) 06:25:16.90 ID:pRrXb2tK0
>>21そう言われればw




女 「私なんかより…ひっく えぐっ」

男 「え…な、泣いて…?」

女 「もういいわ!私降りる!!」

男 「うぇ!?」

似顔絵女 「ちょ、ちょっと女さん!まだ車走ってますよ!?」

女 「おーりーるー!!」

男 「うわぁぁぁぁっ!ごめん俺が悪かっただから早まるな!」

ギャーギャー

似顔絵女「こんにちはー」
25 :名も無き被検体774号+[]:2011/12/26(月) 06:30:50.88 ID:pRrXb2tK0
やや後 路肩にて

女 「…」

似顔絵女 「コーヒーどうですか?」

女 「ありがとう。いただいてるわ。おいしい。」

女 「…その、ごめんなさい。」

似顔絵女 「っ謝らないでください!デート中にお邪魔した私が悪いんです!」

女 「ふふっ。私、あなたと彼が話しているのをみて嫉妬しちゃった。」

女 「いい年して、友達をとられちゃった子どもみたい…恥ずかしいわ。」

似顔絵女 「…」

似顔絵女 「…会って間もないのに不躾ですけど、何かあったんですか?」

似顔絵女「こんにちはー」
28 :名も無き被検体774号+[]:2011/12/26(月) 06:36:09.76 ID:pRrXb2tK0
女 「彼とってこと?…ないわ。なーんにも。」

似顔絵女 「…」

女 「ただ彼が最近なんだか…」

似顔絵女 「あのう」

似顔絵女 「私でよかったら話聞きますよ?」

女 「え?」

女 「…」

女 (不思議な子ね…さっき始めてあったのに…)

女 「…」

女 「…ありがとう。じゃあ、お言葉に甘えようかな」(ニコリ

似顔絵女「こんにちはー」
30 :名も無き被検体774号+[]:2011/12/26(月) 06:40:57.67 ID:pRrXb2tK0
>>27ありがとう!泣きそうw
これは深夜の変なテンションのせいなんだからね!
いや、もう朝か…



━…

女 「彼の態度が気になりだしたのは、ちょうど一月ほど前からだった。」

女 「私を見ながらどこかよそよそしい。何か隠している。そんな態度。」

女 「私も何度か尋ねようとしたの。「どうしたの」って。」

女 「でもできないの。恐くて。」

似顔絵女 「もしかして、う 浮気…とか…?」

女 「ふふ、違うわ。彼は浮気するような人じゃない。それに…」

女 「もしそうだったらすぐにわかるわ。彼、嘘はうまくないから」(クスリ 

似顔絵女 「…」(ニコリ

似顔絵女「こんにちはー」
31 :名も無き被検体774号+[]:2011/12/26(月) 06:46:05.55 ID:pRrXb2tK0
>>29
似顔絵「私はノンストップムービー!」




女 「でも、彼が私に愛想つかしてしまったとしたら。」

女 「彼にとって私に足りない部分があって、言いだせなくて…」

女 「別れたいって思ってるとしたら…」(メソメソ

似顔絵女 「あわわっ」

似顔絵女 (なんていうか…かわいいひとだなぁ)

似顔絵女 「えと、女さんと男さんは付き合ってどのくらいに?」

女 「…私が今26だから…どれくらいかしら…20年くらい?」

似顔絵女 「え!?」

似顔絵女「こんにちはー」
33 :名も無き被検体774号+[]:2011/12/26(月) 06:51:33.97 ID:pRrXb2tK0
女 「私たち幼馴染なの。だから、いつから正式に付き合うことになったかは…」

似顔絵女 「わからないくらいずっといっしょだと。」

女 「こくり」

似顔絵女 (なんてこった。筋金入りの幼馴染カップル…ッ!)

似顔絵女 (うらやま…じゃなくて!)

似顔絵女 (これは…)

似顔絵女 「少し男さんの話を聞いてきます。」

女 「えっ?」

似顔絵女 「ご心配なさらず。女さんのお話の内容は伏せますから。」

似顔絵女「こんにちはー」
35 :名も無き被検体774号+[]:2011/12/26(月) 06:56:07.35 ID:pRrXb2tK0
>>32メンヘラ「メルヘン!」




似顔絵女 「ご心配なさらず。女さんのお話の内容は伏せますから。」

女 「あ あのね…?」

似顔絵女 「任せてください!」(ダッ

女 「…行っちゃった。」

女 「なんだか、やっぱり不思議な子ね」(クスッ

似顔絵女「こんにちはー」
36 :名も無き被検体774号+[]:2011/12/26(月) 07:01:02.19 ID:pRrXb2tK0
>>34連投ってどの程度大丈夫なの?




女がコーヒーを飲み終わったころ…



似顔絵女 「というわけで!」

女 「これは…?」

男 「…」

似顔絵女 「お二人の似顔絵を描きたいと思いますっ」

女 「似顔絵…?」

似顔絵女 「はい。これでも私、似顔絵を描くことに関しては自信がありまして。」

似顔絵女 「なので、記念に一筆いかがかと!」

女 「??」

男 「…せっかくだし描いてもらわないか?」

女 「えと… ん…」

似顔絵女「こんにちはー」
37 :名も無き被検体774号+[]:2011/12/26(月) 07:06:50.22 ID:pRrXb2tK0
似顔絵女 「じゃあ描きますよー。あーっと、その丸太に腰掛けてください。」

似顔絵女 「15分くらいで出来上がりますんで、少し顔をこちらに向けておいてください。」

似顔絵女 「じゃ、いきまーす。」

似顔絵女 カキカキ

似顔絵女似顔絵制作中…

似顔絵女「こんにちはー」
39 :名も無き被検体774号+[]:2011/12/26(月) 07:10:43.25 ID:pRrXb2tK0
男 (おぉ…)

女 (クスリ

女 「すごく楽しそうに描くのね。真剣な顔になるのかと思った。」

似顔絵女 「んー、真剣な顔したほうがいいですかね」(エヘヘ

女 「いえ…今のほうがいいわ。こっちまで笑顔になれるもの。」

男 「うん、描くのが大好きなんだって判る。とってもいいよ。」

似顔絵女 「うわー…そんなに顔に出てますか?さすがに恥ずかしい…」(テレテレ

女 (にっこり)

男 「はははっ」。

似顔絵女「こんにちはー」
42 :名も無き被検体774号+[]:2011/12/26(月) 07:18:55.34 ID:pRrXb2tK0
似顔絵女 「えと、私、ある日ふと思ったんです」

似顔絵女 「何にも知らないし、何にもわかんないなぁって」

似顔絵女 「ここじゃないどこかなら…」

似顔絵女 「たとえば、自分の知らない場所で知らない人に会って、」

似顔絵女 「そうすれば、もっと色々わかるんじゃないかって思って」

似顔絵女 「旅をし始めたんです」

女 「うん。」


似顔絵女「こんにちはー」
44 :名も無き被検体774号+[]:2011/12/26(月) 07:23:41.89 ID:pRrXb2tK0
似顔絵女 「似顔絵を描いたり、人に道を尋ねたりする中で、」

似顔絵女 「私の中で…わかりかけたことがあって、」

男 「…」

似顔絵女 「それは楽しむって事です。」

男 「楽しむ?」

似顔絵女 「はいっ。私は似顔絵を描かせてもらうとき、」

似顔絵女 「なるべくなら、笑顔を描きたいと思っています。」

似顔絵女 「記念になるものだから。きっと笑ってるほうがいいです。」

似顔絵女 「そのためにどうしたらいいかなって考えて、気付いたんです。」

似顔絵女 「描かせてもらうその人が笑顔になるには、私が笑わなきゃいけないって。」


似顔絵女「こんにちはー」
45 :名も無き被検体774号+[]:2011/12/26(月) 07:27:29.20 ID:pRrXb2tK0
似顔絵女 「ううう、子どもっぽいですかね?」

女 「ううん、素晴らしいと思うわ。」

男 「うん。みんないつの間にか忘れていて、なかなかできないことだから。」

女 「…そうね……」

似顔絵女 カキカキ

似顔絵女 ヌリヌリ

女 「…」

似顔絵女「こんにちはー」
47 :名も無き被検体774号+[]:2011/12/26(月) 07:33:18.56 ID:pRrXb2tK0
うわwミスったww

>>45の一番最初
女 「そのために「楽しむ」と?」




女 (私は)

女 (私は男と一緒にいて、純粋に楽しめていたかな)

女 (ずっといっしょにいて…)

女 (男といるのに慣れてしまって、)

女 (忘れてしまっていたのかな)

女 (男と過ごす今を大切にすること…)

女 (…楽しむこと…)

女 (…)

女 (男…)

似顔絵女「こんにちはー」
49 :名も無き被検体774号+[]:2011/12/26(月) 07:38:23.78 ID:pRrXb2tK0
女 「おとこ…」

男 「?」

女 「あの」

女 「あのね?」 

女 「その、」

女 「…ごめんなさいっ」

男 「女…?」

女 「…」

女 「私、恐くて…」

女 「あなたを失うことばかり恐れて、疑心暗鬼になっていたの。」

女 「もっとあなたと向き合って、一緒の時間を大切にすればよかった。」

似顔絵女「こんにちはー」
51 :名も無き被検体774号+[]:2011/12/26(月) 07:43:03.20 ID:pRrXb2tK0
女 「ううん、大切にする!」

女 「このさきずっと!」

女 「もう、遅いかもしれないけれど…」

女 「あなたと一緒にいさせて…?」

女 「うっ…ひぐ」

男 「…女」

似顔絵女「こんにちはー」
53 :名も無き被検体774号+[]:2011/12/26(月) 07:48:56.59 ID:pRrXb2tK0
似顔絵女 (ヤキモキ

似顔絵女 (何やってんですか男さん。今!ここしかないですよ!?)

男 (うう わかった…!)

男 「すー、はー。」

男 「…」

男 「女。」

女 「…」

男 「それはこっちの台詞だ。」

女 「え…」

似顔絵女「こんにちはー」
55 :名も無き被検体774号+[]:2011/12/26(月) 07:52:56.79 ID:pRrXb2tK0
男 スッ)(カパッ)

男 「結婚してくれ!」

女 「えっ」

女 「えっ!?」

似顔絵女 (キャ〜!!)///

似顔絵女「こんにちはー」
57 :名も無き被検体774号+[]:2011/12/26(月) 07:57:17.73 ID:pRrXb2tK0

男 「前々からずっと言おうと思っていたんだ。」

女 (!?)

男 「一月ほど前に思い切って指輪を買ったんだが」、

女 (!!?)

男 「いざ言うとなると勇気が出なくてな…」

女 (!!??)

男 「どうやらそのせいで女を不安にさせていたみたいだ。」

女 (!!!??)

男 「本当にすまない。」

女 (!!!???)

男 「この指輪も、誰しもに誇れるほどのものではないけれど、」

女 (!!!!!!!)

似顔絵女「こんにちはー」
59 :名も無き被検体774号+[]:2011/12/26(月) 08:02:30.33 ID:pRrXb2tK0

男 「どうか受け取ってほしい。」

女 …あっ

女 (…………………ひっぐ)

女 「…ひっく ぐす えぐ」

男 「あ あれ!?ええとごめん!女ごめん!!」

女 「ぐす ふふふ、すぐ謝るところは直さなきゃだめよ?」

男 「うあ ごめn じゃなかったっ。直すよ。直すから!」

女 「今までどおり」

男 「…!」 

女 「大切にしてね?」

似顔絵女「こんにちはー」
61 :名も無き被検体774号+[]:2011/12/26(月) 08:10:07.33 ID:pRrXb2tK0

似顔絵女 (似顔絵女ですが、完全に空気です。)

似顔絵女 「ええと、大変申し上げにくいのですが、描きあがりました…」

男女 (ハッ)

女 「ああありがとう。とっても素敵な絵ね!」(ゴシゴシ

男 「そそそそそうだね!一生の宝物にするよ!!」(ゴシゴシ

似顔絵女 「アハハ…」

似顔絵女「こんにちはー」
64 :名も無き被検体774号+[]:2011/12/26(月) 08:14:58.30 ID:pRrXb2tK0

━…

女 「そうなの。似顔絵女ちゃんが…」

男 「ああ。相談に乗ってくれたんだ。」

似顔絵女 「すいません。勢いで…」

男 「今日はそもそもプロポーズしようと女を連れ出したんだよ。」

女 「そうだったんだ。なのにわたしったら…本当にごめんなさい。」

男 「いや、それはこっちの…なんだ、堂々巡りだな。」

女 「うふふっ」

似顔絵女 「お二人が幸せそうで、なんだかわたしもうれしいですっ。」

似顔絵女「こんにちはー」
66 :名も無き被検体774号+[]:2011/12/26(月) 08:18:12.89 ID:pRrXb2tK0
またミス!www
>>61の最後から
男 (パアァァ

男 「も、もちろん!」

男 (うわぁ…)

男 「うわあぁ」(ポロポロ

女 「男…泣かないで?」

男 「女ぁ…!」(ポロポロ




ごめんなさいw


似顔絵女「こんにちはー」
68 :名も無き被検体774号+[]:2011/12/26(月) 08:22:56.46 ID:pRrXb2tK0

男 「それもこれも、似顔絵女ちゃんのおかげだよ!」

女 「本当にそうね。あなたは私たちにとってキューピッドだわ!」

似顔絵女 「いやぁ」(テレテレ

車 ブブブブブ…

似顔絵女 「それじゃあお元気で!」

男 「本当にありがとう!」

女 「結婚式の招待状、必ず送るから!」

男 「似顔絵もみんなに自慢するよ!」

似顔絵女 「あはははっ。似顔絵描き冥利につきます。」

似顔絵女 「おめでとうございます!さよならーっ。」

車 ブロロロロロロ…

似顔絵女「こんにちはー」
69 :名も無き被検体774号+[]:2011/12/26(月) 08:27:16.39 ID:pRrXb2tK0
>>67ありがとうwもうちょっとだからがんばる!




似顔絵女 「行っちゃった。幸せそうだったなー…」

似顔絵女 「結婚かぁ…。想像できないな。」

似顔絵女 「でもいいなぁ…」(ニヘー

似顔絵女 「ま、ともかく行きますか!」

似顔絵女 「まだ見ぬ婿殿、じゃないっ」(フルフル

似顔絵女 「次の街目指して!」

似顔絵女 「おーっ!!」

似顔絵女「こんにちはー」
70 :名も無き被検体774号+[]:2011/12/26(月) 08:28:19.17 ID:pRrXb2tK0
似顔絵女 「って!!」

似顔絵女 「そういえば食料がないんだった…」

似顔絵女 「だからヒッチハイクしたのに…」

似顔絵女 「どうしよう…」(グッタリ

似顔絵女「こんにちはー」
71 :名も無き被検体774号+[]:2011/12/26(月) 08:33:45.77 ID:pRrXb2tK0
ブロロロロ…おーい

似顔絵女 「ん?」

爺1 「いやいやこんなところまできとったんかい。探したぞ。」

爺2 「お譲ちゃん乗りな。むかえに来たぞ。」

爺3 「Zzz」

似顔絵女 「あーっ!うそつき爺さんズ!!」

爺1 「たいそうな言われようじゃのー。」

似顔絵女「こんにちはー」
73 :名も無き被検体774号+[]:2011/12/26(月) 08:38:29.93 ID:pRrXb2tK0

爺2 「わしゃあ嘘はついとらんぞ?元はといえばこの」

爺3 「っふご すー Zzz…」

爺2 「爺3が悪いんじゃ!4キロなんて適当なことを抜かしおって。」

爺1 「でも4キロってなんじゃ?本当に西の街までの距離のことだったんかのぉ。」

爺3 「ふが まごがの…」

似顔絵女 「え?何か言ってる?」

爺3 「孫が4kgになったんじゃ。」

似顔絵女爺12 「…」

似顔絵女「こんにちはー」
75 :名も無き被検体774号+[]:2011/12/26(月) 08:43:07.86 ID:pRrXb2tK0

爺3 「かわいいんじゃ…」

似顔絵女 「孫…」

爺1 「…なんと言うか、すまんかったの。」

爺2 「むかえに来たんじゃから、ちゃらにしてくれ。」

似顔絵女 「むー。もういいよ。…おかげで素敵なこともあったし。」

爺3 「素敵なこと!?」

爺2 「!?」

似顔絵女「こんにちはー」
77 :名も無き被検体774号+[]:2011/12/26(月) 08:48:29.58 ID:pRrXb2tK0
爺1「えらい元気じゃな。」

爺2 「…してその素敵なこととは?」

似顔絵女 「内緒です!」(ニコリ

爺3 「え〜!?」

爺1 「ここぞとばかりにトバしとるな爺3。」

爺2 「これ、爺3。娘っこに謝らんかい。」

爺3 「ごめんなさい。」

爺1 「素直じゃなー。」

似顔絵女「こんにちはー」
78 :名も無き被検体774号+[]:2011/12/26(月) 08:53:19.97 ID:pRrXb2tK0

似顔絵女 「あはは、もういいよ。」

似顔絵女 「でもいつ気付いたの?」

爺1 「いや、今日になってお前さんのことをばーさんに話したらえらく怒られてな。」

似顔絵女 「あー」

爺2 「人生とは、地図なき道を行くが如し。たまにはこういうのもありじゃろ。」

似顔絵女 「あはは。」

似顔絵女 「そうだねっ!」



おわり

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