- 幼かったあの日の後悔の話し
293 :七之助 ◆EKc1x5gUsU []:2011/10/10(月) 19:19:08.67 ID:mFQBsDCu0 - 俺は他にも知ってる奴がいるんじゃないかと名簿を探したんだが、地元の高校という事もあり、小学校が同じ奴は何人かいたが、仲がよかったやつはいなかった。
入学式の後、そのまま健康診断の流れだった。 俺は桜井と桜井の中学の友達(おぎやはぎの矢作似、以降矢作)と3人で回った。
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294 :七之助 ◆EKc1x5gUsU []:2011/10/10(月) 19:27:37.74 ID:mFQBsDCu0 - 廊下を歩いている時なんだが、前の方から女子の4.5人のグループがこっちに向かって来た。
矢作が「あの一番左の子可愛くね?」と言い出した。 桜井はそうでもないだろ、と言った。 俺はその場で固まった。
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295 :七之助 ◆EKc1x5gUsU []:2011/10/10(月) 19:29:59.67 ID:mFQBsDCu0 - そこにはゆきえがいたのだ。
いやそんなはずない。 さっき名簿を見た時に、ゆきえの名前があれば気付いてたはずだ。 そのまますれ違ったが、相手は気付いていない様子だった。 本当にゆきえのだったのだろうか? 見間違えたんじゃないのか? と焦る気持ちを抑えながら、教室に戻ると真っ先に名簿を確認した。 しかしゆきえと同姓同名の人はいなかった。
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296 :七之助 ◆EKc1x5gUsU []:2011/10/10(月) 19:33:51.99 ID:mFQBsDCu0 - すまん、飯だ
ちょっといってくる
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302 :七之助 ◆EKc1x5gUsU []:2011/10/10(月) 20:15:06.02 ID:mFQBsDCu0 - お待たせ
ちなみにご飯はコロッケとポテサラです。 放課後。 俺はさっきの女の子を探し回った。 しかし見つけ出す事は出来なかった。 諦めて荷物を取り、駐輪場へと向かうとそこにさっきみたあの子を見つけた。 とゆうかもう一度みてもやっぱりあれはゆきえだった。 俺はすぐに駆け寄って声をかけた。
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306 :七之助 ◆EKc1x5gUsU []:2011/10/10(月) 20:25:00.46 ID:mFQBsDCu0 - 結果から言えば、やっぱりゆきえだった。
誰かが予想していたが、中学の頃に親同士が離婚していて、ゆきえが高校に上がるタイミングで名前を母親の旧姓に戻したそうだ。 高校からの帰り道はうちと学校の間にゆきえのうちがある感じで、ゆきえのうちまで一緒にいるのは帰ることができた。
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307 :七之助 ◆EKc1x5gUsU []:2011/10/10(月) 20:41:20.85 ID:mFQBsDCu0 - 帰り道で、いろいろな話しができた。
近況やら新しい学校のことなんかを。 こうやってゆきえと話すのはかなり久々だった。 相変わらず、ゆきえはよく笑った。 あの頃、ゆきえのことを好きになった理由が分かった気がした。
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310 :七之助 ◆EKc1x5gUsU []:2011/10/10(月) 20:52:36.60 ID:mFQBsDCu0 - 高校編以外と何もないな
あっとゆう間に終わるかもしれん 俺は小学校の頃から続けている野球部に入った。 桜井はサッカー部でゆきえはテニス部だった。 特に野球部は忙しく、年間360日は練習をしている感じだった。 ゆきえとは会えば話すがそれ以上はなく、月日は流れていった。
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312 :七之助 ◆EKc1x5gUsU []:2011/10/10(月) 21:02:54.69 ID:mFQBsDCu0 - 次にことが進むのは
高校1年生の冬。 奇しくもあの苦い思いをしたバレンタインデーのちょうど1年後であった。 前日13日の夜に知らないアドレスから 「明日の放課後、時間いいかな?」 とメールが来た。 アドレスですぐにゆきえだと分かった気がした。 そう言えば勢いでアドレス消してからメールしてなかったんだなぁ。 生憎部活だったので 「ごめん、部活だから無理だわ。終わってからならいいけど。」 と返信した。 その日はそれから帰って来なかったのでそのまま寝た。
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316 :七之助 ◆EKc1x5gUsU []:2011/10/10(月) 21:19:32.52 ID:mFQBsDCu0 - 次の日学校へ向かう途中でゆきえからメールが来た。
「昨日は寝ちゃった(>_<)じゃあ部活終わったら連絡して」 と来てた。 「了解」とだけ返信しといた。 ワクワクもしたが、期待して裏切られる悲しみを味わいたくないからか、嫌な気分にもなっていた。
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317 :七之助 ◆EKc1x5gUsU []:2011/10/10(月) 21:30:27.75 ID:mFQBsDCu0 - その日はそれからあまりそのことは考えない様にしていた。
そして放課後、部活が終わるなり早速メールを送った。 ゆきえは帰り道の途中にある公園にいるとのことだった。 俺は髪水道で洗ったり、汗拭きシートで必死に体を拭いたりして身だしなみを整えてから向かった。
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319 :七之助 ◆EKc1x5gUsU []:2011/10/10(月) 21:40:30.18 ID:mFQBsDCu0 - 公園に着くと、ゆきえはすでに公園で待っていた。
私服だった。 前にみた服とはイメージがガラリと変わっていて、大人っぽくなっていた。 二人でブランコに座りながらただありきたりな話しをし続けた。 2時間くらい話したと思う。 寒くて長い間話していたのだが、不思議と居心地が良くいつまででも話していられそうだった。
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324 :七之助 ◆EKc1x5gUsU []:2011/10/10(月) 21:54:13.78 ID:mFQBsDCu0 - 雨が振り出した。
そこで慌てて解散することにした。 帰り際、慌てて紙袋を渡されて手紙が入っているから家についたら読んでねと言われた。 俺はゆきえを家に送って急いで帰った。 帰って手紙を読むとゆきえの思いが綴られていた。
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325 :七之助 ◆EKc1x5gUsU []:2011/10/10(月) 22:03:06.47 ID:mFQBsDCu0 - 要約するとこうだった。
七之助くんのことがずっと好きだった。 去年のバレンタインデーにも実は俺へのチョコを用意していた。 しかしゴリの勢いに負けて協力した。 でもやっぱり好きだから 今年こそチョコをあげたかった。 とゆうことだった。
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330 :七之助 ◆EKc1x5gUsU []:2011/10/10(月) 22:07:05.48 ID:mFQBsDCu0 - ちょっと休憩。
11時ごろ再開します
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341 :七之助 ◆EKc1x5gUsU []:2011/10/10(月) 23:00:31.18 ID:mFQBsDCu0 - ただいま
なんかたくさん人がいて嬉しいな 手紙を読んで真っ先にメールをした。 俺の中学校からの思い。 合唱コンクールのことや、夢の国でのこと、バレンタインデーのことや。 直接じゃ絶対言えないことをメールだとすんなり言えた。 そして最後に明日、同じ時間に同じ場所で待ってると書いた。 あの日のリベンジを必ず成し遂げるんだ。
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345 :七之助 ◆EKc1x5gUsU []:2011/10/10(月) 23:16:23.88 ID:mFQBsDCu0 - 次の日、授業も部活も全く集中出来なかった。
どんな言葉で伝えようか。 とっておきの言葉を考え続けた。 部活が終わり、真っ先に公園へと向かった。 ゆきえはもう待っていた。 お待たせ、寒いねなんて言葉を交わしてからは、なんて切り出したらいいのかわからなくて、沈黙が続いてしまった。 ゆきえはニコニコしながら待っていてくれた。
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346 :七之助 ◆EKc1x5gUsU []:2011/10/10(月) 23:21:11.12 ID:mFQBsDCu0 - ゆきえが寒いねぇなんて言葉を発した後、意を決して声を出した。
俺「あのさ、昨日のことなんだけどさ…」 ゆ「うん。」 相変わらず穏やかな表情でゆっくり待ってくれる。 俺「あのさ、なんてゆうか…その…」 ゆ「うん。」 自分でも悲しくなるくらいヘタレてだと思う。
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347 :七之助 ◆EKc1x5gUsU []:2011/10/10(月) 23:28:41.64 ID:mFQBsDCu0 - 俺「そ、その…俺、うん…その…ゆ、ゆきえのこと好きだよ。うん、好きだよ。」
ゆきえは黙って泣き出した。 それまで恥ずかしくて全然ゆきえの顔見れなかったんだが、泣き出したのに慌ててゆきえの方を見た。 ゆきえもこちらを見ていて、目が合うと泣きながら大きく頷いてくれた。 ゆ「私も七之助くんのこと好きだよ。これってカレカノになるってことだよね。えへへ。」 俺「う、うん。よろしくね」 ゆ「こちらこそよろしくね。なんか変な感じだね」 ゆきえが泣き止むのを待って、またしばらく話してからその日は解散した。
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348 :七之助 ◆EKc1x5gUsU []:2011/10/10(月) 23:32:43.24 ID:mFQBsDCu0 - 家に帰るとゆきえからメールが来ていた。
「今日は本当にありがとう。泣いちゃってごめんね。これからよろしくね」 「こちらこそよろしくね。」 そう返信して置いた。 ついに叶ったんだ。 めちゃくちゃ考えて、メモ用紙に書いてポケットに忍ばせて置いたセリフなんて言えなかったが、やっと二人の思いが届きあったんだ。
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352 :七之助 ◆EKc1x5gUsU []:2011/10/10(月) 23:36:44.70 ID:mFQBsDCu0 - それから俺は桜井や、すっかり仲良くなった矢作にもメールで自慢した。
2人からおめでとうと祝福され、とても幸せな気分になったし、やっと実感が湧いて来た。 だけど板倉にはメールを送るとこは出来なかった…。
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354 :七之助 ◆EKc1x5gUsU []:2011/10/10(月) 23:42:04.79 ID:mFQBsDCu0 - それから俺とゆきえは付き合い始めるのだが、前にも話したが俺は野球部で、休みなんて年間に一週間あるかないかだったし、帰りも8時9時なんてのがざらだった。
それでも少しでも会いたいとゆうゆきえの提案で、俺の部活帰りにあわせて、ゆきえが飼っている犬を連れて学校のそばで待ち、犬の散歩をしながらゆきえを家に送るという日々が続いた。
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355 :七之助 ◆EKc1x5gUsU []:2011/10/10(月) 23:48:17.76 ID:mFQBsDCu0 - しかし問題があった。
俺が奥手すぎたのだ。 数少ない部活の休みは全部ゆきえのために使ったし、花火大会や、映画、初詣などいろいろなところに行ったが、手を繋ぐところまでしか進むことは出来なかった。 始めてのことなので、どうしたらいいのかわからなかったのもあるが、こんなことしたらゆきえに嫌われるかな?なんて考えていたら、結局何も出来なかったのである。
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359 :七之助 ◆EKc1x5gUsU []:2011/10/10(月) 23:55:21.14 ID:mFQBsDCu0 - そんなヘタレな俺を、全然遊びにいけもしない俺をゆきえはずっと好きでいてくれて、ずっとそばにいてくれた。
高校2年生の11月。 ゆきえの誕生日の日。 たまたま部活が終わりオフの休日なので、珍しく遠出をしようということになり、水族館へと出かけた。
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