- 俺の半生を見てもらいたい。
739 :剛 ◆foByf/ctVw []:2011/08/02(火) 18:34:04.84 ID:piNnP89N0 - こんにちは。剛と申します。
仕事が終わり、帰ってくると... この流れには驚きです。どうしましょうorz
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744 :剛 ◆foByf/ctVw []:2011/08/02(火) 18:50:00.74 ID:piNnP89N0 - >>725
一度目は中1の真が絡まれた時、過剰防衛で不起訴処分。 二度目は高1の時真の仲間が捕まり、家屋侵入補助で不起訴処分。 三度目は再び高1の時、窃盗2件、強盗1件で鑑別所送致です。 鑑別所のシステムが少し複雑ですが、立件が一つで鑑定、判断が早い場合は10日くらいで出て行くケースもあります。 俺は3つの立件、共犯者が複数いたので鑑定、判断に時間を要し6ヵ月もかかったのだと思います。(確証は有りませが...)
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745 :剛 ◆foByf/ctVw []:2011/08/02(火) 18:53:55.73 ID:piNnP89N0 - >>740〜>>743
そうですね。ゆっくり投下していきます。 以降、マターリお願いしますm(_ _)m
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746 :剛 ◆foByf/ctVw []:2011/08/02(火) 18:58:05.26 ID:piNnP89N0 - 夕飯までキリの良いところまで投下します。
葬儀が終わり帰宅したのは夕方。俺も香もその日だけは無口だった。 「こんな時間に2人で居るのは久しぶりだね」 突然、香から背中越しに言われ、俺は微かに動揺した。香は続けた。 「仕事には慣れた?まだ忙しいのかな?」 2人の時間が無いのは俺のせいだという自覚はあった。だけど、それも後少しの我慢だ。予定より早く指輪を購入出来そうなので来月には香を喜ばせることが出来ると思った。 「仕事にはだいぶ慣れたよ。忙しいのは夏休み時期までだから、そのあとは昼勤務も増えるよ」 香を安心させようと思った。
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747 :剛 ◆foByf/ctVw []:2011/08/02(火) 19:01:07.54 ID:piNnP89N0 - 「私、剛が私の為に頑張ってるのは知ってる。引き出しの指輪のパンフレット見ちゃった。ごめんなさい」
香にはバレていた。わかりやすい所にそんなものを置いていた俺のミスだ。 親父さんとの守れなかった約束、奥さんとの別れ際の会話で、俺は早くプロポーズをしないと、と焦っていた。 香にバレているのなら尚更だ。
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748 :剛 ◆foByf/ctVw []:2011/08/02(火) 19:02:37.80 ID:piNnP89N0 - 俺は勢いに任せて言った。
「来月には、9月には指輪を買える。仕事も一人前に出来る様に頑張る。 香とずっと一緒に居る為になんでも努力する。 だから、俺と結婚してください」
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- 俺の半生を見てもらいたい。
749 :剛 ◆foByf/ctVw []:2011/08/02(火) 19:04:07.27 ID:piNnP89N0 - 香からの返事待ちなのだが、なかなか返事が無い。
「香?」 俺は香の顔を覗き込んだ。泣いてはいないが悲しそうな顔をしていた。 そして、予想していなかった言葉を聞いた。 「ありがとう。剛の気持ち嬉しいです。でも...私たち別れよう」
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- 俺の半生を見てもらいたい。
752 :剛 ◆foByf/ctVw []:2011/08/02(火) 19:06:10.78 ID:piNnP89N0 - 俺は自分の耳を疑った。聞き間違いだと思いたかった。
「今、何て言った?」 しかし、答えは一緒だった。 「なんで?」 それしか言葉が出なかった。
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754 :剛 ◆foByf/ctVw []:2011/08/02(火) 19:07:24.27 ID:piNnP89N0 - 香は俺の手をそっと持ち上げて言った。
「剛の手、ボロボロ...」 当たり前だ。野菜の仕込みはゴム手袋を着けて行う。かなり蒸れて手は荒れる。 洗い場では素手だ。洗剤で更に手は荒れる。熱いままのフライパンや鍋も急いで洗わなければいけない。 火傷や切り傷、擦り傷だらけでボロボロだ。
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758 :剛 ◆foByf/ctVw []:2011/08/02(火) 19:08:52.45 ID:piNnP89N0 - 香は俺の腰に手を回して腰を撫でる。
「腰も辛いでしょ?」 野菜の仕入れは週に二度、野菜単品が100キロ単位で届く。全部で4トンくらいは当たり前で、全て手作業で保温庫へと運ぶ。俺は2ヶ月で腰をやってしまい、休日は整体に行ったり、コルセットをつけて仕事をしていた。
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760 :剛 ◆foByf/ctVw []:2011/08/02(火) 19:11:30.57 ID:piNnP89N0 - 俺の頬に手を当てる。
「就職してからだいぶやつれたね」 確かに定時制時代に5キロ増えた体重は倍以上減っていた。睡眠時間を削り、食事すらとらない日もあったり、結構不規則な生活をしていたからだ。
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761 :剛 ◆foByf/ctVw []:2011/08/02(火) 19:14:02.61 ID:piNnP89N0 - >>759
おつとめって...刑務所みたいだ。゚(゚´Д`゚)゚。 「剛が私の為に頑張ってくれてるのは嬉しいよ?少し会えないくらいは我慢出来るよ。 だけど、剛が自分を犠牲にしてるのが辛い。そんな幸せじゃ私は潰されちゃう」
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762 :剛 ◆foByf/ctVw []:2011/08/02(火) 19:15:57.91 ID:piNnP89N0 - 確かに自己犠牲は自己満足だ。
でも、自分がどうなろうと愛する女が幸せならばそれで構わない。それが男だろ? そんな俺の気持ちは拒絶された。 働かないと大事な人は守れない。働き過ぎても守れない。 なんという悪循環だ。
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- 俺の半生を見てもらいたい。
764 :剛 ◆foByf/ctVw []:2011/08/02(火) 19:20:54.11 ID:piNnP89N0 - 夕飯を食べてきます。
また、のちほどm(_ _)m
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- 俺の半生を見てもらいたい。
777 :剛 ◆foByf/ctVw []:2011/08/02(火) 21:22:09.09 ID:piNnP89N0 - 今夜はキリの良いところまで投下のみしていきます。
好ましくない流れになりそうなので今後俺からのレスに対する返答は差し控えさせていただきます。ご了承下さい。 続き 香はホントに頑固だ。 いくら話しても話は平行線で、その時ばかりは俺も声を荒げた。 「もう勝手にしろ!」 俺は荷物をまとめ父のアパートへ戻った。今回ばかりは俺は折れる気は無かった。
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- 俺の半生を見てもらいたい。
779 :剛 ◆foByf/ctVw []:2011/08/02(火) 21:25:00.40 ID:piNnP89N0 - それから1週間、香からの連絡は無い。心配になりアパートへと向かう。
ドアを開けると香の私物は全て無くなっていた。 電話に出ない。メールも返ってこない。急いで香の職場へと向かう。 「香さんなら急に辞めましたよ」 どういうことだ? 香の実家に連絡をしても、 「連絡は来たから大丈夫だと思うけど、居場所はわからない。わかったら連絡する」 とのこと。 その日初めて仕事を無断欠勤した。
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- 俺の半生を見てもらいたい。
780 :剛 ◆foByf/ctVw []:2011/08/02(火) 21:27:41.66 ID:piNnP89N0 - 2人で暮らしたアパートに1人きり、香を待った。仕事には行ったがそれ以外はずっと香を待った。1週間、2週間、...1ヵ月すぎた頃、俺は職を失った。
物価の上昇に煽りを受け、経営状況の悪化による人件費削減のため、俺はリストラされた。 その頃は心此処に在らずで、仕事もまともにこなせなかったから当たり前である。
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781 :剛 ◆foByf/ctVw []:2011/08/02(火) 21:29:14.95 ID:piNnP89N0 - 悪いことは続くものだ。
それまでが幸せならば尚更、その落差の激しさに絶望する。 ラーメン屋の親父さんは亡くなり、香を失い、職も失った。 失意のどん底だったが父が居てくれた。俺の人生ではいつでもそうだ。最後には父が助けてくれる。俺はまた甘えてしまった。
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782 :剛 ◆foByf/ctVw []:2011/08/02(火) 21:30:34.16 ID:piNnP89N0 - もしかしたら、香が戻って来るかもしれない。
そんな淡い期待を胸にアパートに住み続けた。 いつの日か香が玄関のドアを開けることを祈った。 しかし、玄関のドアを開けるのはいつも父だった。
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- 俺の半生を見てもらいたい。
783 :剛 ◆foByf/ctVw []:2011/08/02(火) 21:31:52.07 ID:piNnP89N0 - 俺は23才をむかえ、現実から目を背けて、引きこもりになった。
地元ケーブルテレビで放送されるアニメが現実を忘れさせてくれた。 ドラゴ○ボール、幽○白書、聖○星矢...懐かしいアニメばかり観た。 アニメがあってない時は、香との思い出や愛の思い出が俺を癒やしてくれた。 ホントにただのイタい人だった。
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- 俺の半生を見てもらいたい。
784 :剛 ◆foByf/ctVw []:2011/08/02(火) 21:33:58.99 ID:piNnP89N0 - 香の指輪購入の為の貯金も使い果たし、父の支援を受けながら引きこもり、あっという間に1年が過ぎた。
その間、父が香の実家に足を運び香との連絡を取ろうと試みたが、 実家にもまともな連絡は一切無く、所在不明だった。 警察への捜索依頼をしなかったのは、実家の家電話に月に一度、 元気に仕事をしているので心配するな、と留守番電話を残していたからだそうです。 香の両親は、 子供たちを信じましょう と、父を励ましていた。
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785 :剛 ◆foByf/ctVw []:2011/08/02(火) 21:36:06.37 ID:piNnP89N0 - 24才をむかえた俺は精神疾患があるのではないか、という程病的に引きこもった。
そんなある日、とうとう幻覚が見えた。 玄関のドアを開けて香が現れたのだ。 (あぁ、俺もここまできたか、終わったな...) 本気で思った。
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786 :剛 ◆foByf/ctVw []:2011/08/02(火) 21:37:40.10 ID:piNnP89N0 - その幻覚を抱きしめた。
(夢でも幻覚でも良い。また香に会えた。もう死んでも良い) 抱きしめて体温を感じた。 (あれ?温かい。あぁ!夢か。夢なら何しても良いよな...) 俺は理性を手放し本能の赴くまま身体を求めた。
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787 :剛 ◆foByf/ctVw []:2011/08/02(火) 21:38:42.52 ID:piNnP89N0 - 気が付くとベッドで寝ていた。
(やっぱり夢か) ちゃんと服も着ていた。 恥ずかしさと寂しさで発狂しそうだった。
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788 :剛 ◆foByf/ctVw []:2011/08/02(火) 21:40:14.95 ID:piNnP89N0 - ちょっと中断して家事って来ます。
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803 :剛 ◆foByf/ctVw []:2011/08/02(火) 22:52:02.70 ID:piNnP89N0 - 戻りました。すいませんm(_ _)m
わざと>>787で止めました。 「襲ってきたと思ったら寝ちゃったからびっくりしたよ?」 振り向くと香が居ました。 夢だけど、夢じゃなかった。 敢えて自分で言います。 sneg?
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- 俺の半生を見てもらいたい。
804 :剛 ◆foByf/ctVw []:2011/08/02(火) 22:54:30.17 ID:piNnP89N0 - 俺は嬉しい気持ちと不安を感じた。
もちろん帰ってきたことは嬉しい。 しかし、俺と香は別れたことになっているのだろう。 何をしに帰ってきたのか、今までどこに居たのか、1年も連絡無しに急に帰ってきたことが分からない。 疑問しか出てこない。 ふと気付く。今、部屋は荒れている。今の俺の状況をどう説明しよう。
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- 俺の半生を見てもらいたい。
807 :剛 ◆foByf/ctVw []:2011/08/02(火) 22:58:23.56 ID:piNnP89N0 - 俺は焦って部屋を片付けようとすると、それを制止して香が話し出す。
「剛、ごめんなさい。勝手に出て行ってごめん。連絡もしないでごめん。支えてあげられなくてごめん。プロポーズ断ってごめん...」 色んなことに謝り始めた。 これは決別の挨拶だな、と覚悟した。もう終わりなんだ、と涙が溢れた。
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- 俺の半生を見てもらいたい。
808 :剛 ◆foByf/ctVw []:2011/08/02(火) 23:00:53.12 ID:piNnP89N0 - そして、香は今日までの経緯を語り出した。
俺が部屋を出て行き、香ももう終わりなんだ、と思ったそうだ。 アパートを出て実家に帰っても、今までと変わることは出来ない、俺と別れることは出来ないと思い、当時の職場にはその日のウチに退職願を出したという。 次の日には派遣会社に面接の連絡をして他県の工場の派遣社員として就職したそうだ。
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- 俺の半生を見てもらいたい。
809 :剛 ◆foByf/ctVw []:2011/08/02(火) 23:07:54.40 ID:piNnP89N0 - 実家には心配するな、と連絡しておき誰にも所在は分からないようにそのまま県外へと逃げてしまったのだという。
俺には連絡はしないでおいたことは自分から別れを告げたことの罪悪感から。 一年間の1人暮らし中は俺のことは気になっていた。 派遣の期間更新はせずに帰ってきた。 もし俺が引っ越しや携帯の解約等していた時は俺との連絡も実家に帰ることも諦めるつもりでいた。 と、言ったが俺が聞きたい理由はそこには無かった気がする。
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- 俺の半生を見てもらいたい。
811 :剛 ◆foByf/ctVw []:2011/08/02(火) 23:09:32.29 ID:piNnP89N0 - まずは実家の両親に急に居なくなってしまったことを謝りに行ったそうだ。
すると、俺はリストラに遭って引きこもりになっていると知り、急いで駆け付けてくれたという。 こちらに向かう途中で父に電話をして俺の所へ向かっていることを伝え、経緯を詳しく聞いたらしい。 そしてアパートに着いて今に至る、と。
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- 俺の半生を見てもらいたい。
812 :剛 ◆foByf/ctVw []:2011/08/02(火) 23:11:09.59 ID:piNnP89N0 - 俺は香を責めたりする気にはなれなかった。責める勇気が無かった。
今の俺を見て香はどう思っているのか不安だった。 「来てくれてありがとう。俺がこんなになってるの気持ち悪いよね。もう良いから」 髪はボサボサで髭も伸びっ放し、部屋の片付けすらもせず荒れている。こんな状況ではさすがに望みも無い。 俺は香に帰る様促した。
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- 俺の半生を見てもらいたい。
813 :剛 ◆foByf/ctVw []:2011/08/02(火) 23:13:27.93 ID:piNnP89N0 - すると、香は姿勢を正し、俺を正面に見据えて続けた。
「ごめんなさい。私が我が儘だった。剛は私にプロポーズしてくれたのに、その気持ちを私の我が儘で台無しにした。だから、ごめんなさい」 土下座する香に罪悪感が込み上げる。「止めろよ。仕方ないよ。俺が勝手に香を幸せに出来るって自惚れてただけだから...」
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- 俺の半生を見てもらいたい。
814 :剛 ◆foByf/ctVw []:2011/08/02(火) 23:15:39.46 ID:piNnP89N0 - 香は静かに顔を上げて言った。
「私にもう一度チャンスをくれない?」 チャンス? 「私も今無職だよ。だから、一緒に就職活動しない?...ダメかな?」 俺が香と? 「また一緒にいてくれるの?」 香がうなづいた。 「もし、剛が良ければ...あのプロポーズの続きをしたい。今更都合が良いと思うけどやっぱり剛が良い」
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- 俺の半生を見てもらいたい。
818 :剛 ◆foByf/ctVw []:2011/08/02(火) 23:20:06.71 ID:piNnP89N0 - もう、居なくなった時の理由なんてどうでも良かった。死にそうだった。ただ嬉しくて泣いた。香が無事に帰ってきてくれた。それだけで良かった。
香は俺を抱きしめて言った。 「不束者ですが、よろしくお願いします。」 この日香は俺の婚約者になった。
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- 俺の半生を見てもらいたい。
821 :剛 ◆foByf/ctVw []:2011/08/02(火) 23:25:32.59 ID:piNnP89N0 - 俺は、どこでどんな生活をしていたか、なぜ何も言わずに出て行ったのか、そこら辺は何も聞かないことにした。
聞くことは責めていることと同じように思ったからだ。 香が戻ってきた。それだけの事実だけで俺は満足だった。
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- 俺の半生を見てもらいたい。
826 :剛 ◆foByf/ctVw []:2011/08/02(火) 23:33:03.62 ID:piNnP89N0 - 残念なことに指輪を買うための貯金など残ってないので、
指輪は就職が決まってから ということになった。 香は両親にめちゃくちゃに叱られていた。子供みたいに泣く香を初めて見た。 父は香にひたすら頭を下げていた。その父に俺も頭を下げる。 香の両親は申し訳なそうに俺と父に頭を下げる。 お互いに頭の下げ合いをしているのを見て香が笑う。そしてまた香は叱られていた。
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- 俺の半生を見てもらいたい。
827 :剛 ◆foByf/ctVw []:2011/08/02(火) 23:37:28.47 ID:piNnP89N0 - これで今日書きためた分は終わりました。
皆さんは納得してくれないのは承知の上ですm(_ _)m
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