- 女勇者「逆賊にされたので魔王と復讐するのです」
45 :名も無き被検体774号+[sage]:2010/12/20(月) 00:00:49.18 ID:lkJ2tnB00 - ー作戦本部ー
ホワン 魔法部隊「誰だ!?」 賢者「さあ、市民を放してもらおうか」 魔法部隊A「貴様は、賢者!どういうことだ!」 賢者「気づくのが遅すぎる。結界ごと吹き飛ばされたいか?」 魔法部隊B「エルフから膝の擦り傷を治す術を教わったからって、背伸びしすぎですわね」 賢者「背伸び・・・これでもか?」 ゴゴゴゴゴ・・・ 魔法部隊A「それは・・・」 賢者「そう、異次元へ通ずる穴だ。もう少し手を加えれば小さなブラックホールと化す。全てを飲み込むぞ?」 賢者「お前達は平気でも、下級魔族なんぞ皆引きずられるだろうな」 魔法部隊B「・・・(困ったわね)」 魔法部隊A「魔王様・・・」
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- 女勇者「逆賊にされたので魔王と復讐するのです」
47 :名も無き被検体774号+[sage]:2010/12/20(月) 00:03:16.37 ID:lkJ2tnB00 - ー作戦本部ー
賢者「魔王の力を借りるにも、魔王城までどれだけの距離があると思う?」 賢者「さあ、民を返してもらおうか。もっと力を付けたいのでね」 魔法部隊A「ふふ・・・ははははは!!!」 賢者「そうだ、最期ぐらい笑って死にたいものな」 魔法部隊B「あなた、魔王様が来ていないとでも?」ウククク 賢者「・・・どういうことだ?」 魔法部隊A「魔王様は今頃、城内で大暴れしている頃だろうよ」 賢者「なんだと!」 魔法部隊B「そう焦らず・・・私達の魔法に勝てるかしら?」 魔法部隊A「まかり違ってもこの部隊は魔王軍の誇る魔法部隊だ。やってみるか?」 賢者「なんということだ・・・!」ホワン 魔法部隊B「どこに行ったのかしら?」 魔法部隊A「まあ国王の下だろうな」 民「・・・俺たち、見捨てられたな」
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- 女勇者「逆賊にされたので魔王と復讐するのです」
48 :名も無き被検体774号+[sage]:2010/12/20(月) 00:04:39.70 ID:lkJ2tnB00 - ー城下町 国王の城へ続く道ー
タッタッタッタッタ 側近「きゃあ!」ズザーッ 女勇者「側近!どじっ娘アピールはいらないから!」 側近「どじっ娘じゃないから!」 女勇者「立って!あいつらに囲まれたらひとたまりもない!精鋭中の精鋭だ!」 側近「あ、足が・・・」 女勇者「ほらっ!しっかり捕まって!」 近衛兵「待てー!」ワーワー 側近「女勇者様、おろして!」 女勇者「ふざけないで!ここで下ろせば側近がどうなるかくらい想像つくわよ!どこか、どこか隠れる場所・・・!」 側近「私は魔王様の側近よ?魔法もナイフも使えるわ」 近衛兵「よし、追いついたぞ!さあ観念しろ!」ワラワラ 女勇者「追いつかれたわ!城はもう目の前だというのに!このっこのっ!」カンッカンッ 側近「私が突破口を作ります。勇者様は城を目指してただ走って下さい!」 女勇者「ばかっ!とりあえず下ろすよ?」 側近「よいしょっ。魔王様ももうすぐ帰ってきます。大丈夫ですから!!てぇっ!」ゴゴゴゴ 女勇者「そう・・・か。絶対に、死んじゃダメ!生きて戻るのよ!?」タタタタタ・・・ 側近「誰よりも早く戻って見せますわ」
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- 女勇者「逆賊にされたので魔王と復讐するのです」
49 :名も無き被検体774号+[sage]:2010/12/20(月) 00:05:21.76 ID:lkJ2tnB00 - ー地下牢獄ー
女戦士「誰がむっちりだって?」 看守「いえ、その・・・」 女戦士「最近ジャポンの習字にこっていてな。お前の首が文鎮にならない為には、何をすればいいのか教えてくれないか?」ススッ 看守「ヒィッ!はい・・・鍵はこれです」 女戦士「よろしい。開けなさい」 キィィィイイ・・・ 遊び人「寝てろ!この薄らハゲ!」ボカッ 看守「フギャアッ!」クラクラ バタリ 女戦士「賢者に一杯食わされたなー」 遊び人「まあ、無意味ではなかったね。陣地に戻ろうか」 女戦士「いや、私は女勇者を探して加勢するよ」 遊び人「そうか。またね」
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- 女勇者「逆賊にされたので魔王と復讐するのです」
50 :名も無き被検体774号+[sage]:2010/12/20(月) 00:06:37.04 ID:lkJ2tnB00 - ー国王の城 城内ー
タタタタタタタ 女勇者「(早く決着をつけないと・・・側近が・・・)」 近衛兵「な!?勇者め!」 女勇者「邪魔よ!」スパッ 近衛兵「な・・なんという太刀筋・・」 ズシャア・・・ 女勇者「(側近!死んじゃだめだよ!)」 女戦士「おー!勇者!」 女勇者「女戦士じゃん!賢者はいた!?」 女戦士「それがさぁ・・・」 女勇者「なんだって?」
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- 女勇者「逆賊にされたので魔王と復讐するのです」
51 :名も無き被検体774号+[sage]:2010/12/20(月) 00:07:19.69 ID:lkJ2tnB00 - ー城下町ー
側近「てあっ!ぬぬぬ・・・!」 近衛兵「てこずらせやがって!おとなしくしやがれ!」 側近「きゃあっ!」ガシッ 近衛兵「お前はなんなんだ?ナイフも使い、魔物を召喚し・・・」 側近「は、離しなさい!」ジタバタ 近衛兵「悪いが、これは戦争なんだ。しんでもら」 ゴゥンッ!! 近衛兵「あちあち!あちちち!!」 側近「?」 ふわり 側近「きゃっ!」 遊び人「きゃあだなんて、可愛い一面もあるじゃないの」 側近「遊び人!」 遊び人「言ったろ?火遊びが大好きなんだ、俺は」 近衛兵「貴様!勇者の一味だな!?捕らえよ!」 遊び人「俺を甘く見るな!勝てない喧嘩はしない主義なんだ!!」タタタタタタタタ・・・
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- 女勇者「逆賊にされたので魔王と復讐するのです」
52 :名も無き被検体774号+[sage]:2010/12/20(月) 00:10:29.87 ID:lkJ2tnB00 - ー国王の間 門前ー
女戦士「ここが王の間だな・・・」 女勇者「国王、会うのは初めてだけど、きっと今回の黒幕なんでしょうね」 女戦士「きっとそうだな。こんな形で帰ってくる思っても居なかったろ」 女勇者「よし。行くわよ!」 ギィィィイ 国王「とうとう年貢の納め時・・・じゃな」ガックシ 女勇者「台詞を減らしてくれて有難う。もろもろのお礼にきたわよ」チャキッ
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- 女勇者「逆賊にされたので魔王と復讐するのです」
53 :名も無き被検体774号+[sage]:2010/12/20(月) 00:12:08.20 ID:lkJ2tnB00 - ー城下町ー
ドドドドドドドドド! 側近「ちょっと!下ろしなさい!」ジタバタ 遊び人「やなこった!」エッホッエッホ 近衛兵「まてぇー!」ズドドドドド 側近「足手まといなんて、私のプライドが許しません!下ろせ!この!変態!死ね!女垂らし!」ビシッバシッポカッポカッ 遊び人「いたたっ!こら!おとなしくしてろ!だいたいその足でどうすんだ!」 側近「・・・だから足手まといなんt」 遊び人「プライドなら重んじてやるわい!でもな!惚れた女を戦場に捨てていくなんてのは、俺のプライドがゆるさねえんだ!」 側近「!!!」ビクッ 遊び人「俺にだってプライドはある!魔法を教わっていたエルフにちょっかいだしたせいで魔法も中途半端のまま破門にされて賢者にもなれず、フラフラしてばっかの俺だけどな!」 遊び人「お前だけなんだよ!振り向いてくれなかったのは!それでも諦めきれない女は!」 側近「・・・」グスッ 遊び人「頼むから生きてくれ!俺にいくらかのチャンスをくれよ!」 側近「ヒック・・・」ギュウッ 遊び人「ぐ、ぐるぢい!」 側近「うるさい!早く走って!私のことが好きなんでしょ!?だったら走って!」グスグス
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- 女勇者「逆賊にされたので魔王と復讐するのです」
54 :名も無き被検体774号+[sage]:2010/12/20(月) 00:13:02.79 ID:lkJ2tnB00 - ー国王の間ー
女勇者「あっけない最期になりそうね?国王」 国王「何も言わん。わしの国はこのままドラゴンの巣窟にでもなってしまえば良いんだ」 女勇者「なに開き直ってんのよ」 女戦士「勇者。早く刺しちゃえよ。両親の仇だろ?」 女勇者「そう!忘れかけてたわ!国王覚悟!」 賢者「待て!」ホアン 女戦士「!?」 女戦士「ははっそうだったな。お前はなにかと旅を脱け出して帰城していたもんな・・・」カチャ 女戦士「この・・・裏切り者がぁあ!」 ガキィィン! 女戦士「うぐっ!結界だなんて・・・」ジワンジワン 賢者「残念ですね、もうドラゴンは片付けました」 賢者「城下街は壊滅しましたが、女勇者様」 女勇者「・・・なによ」 賢者「許してやってくれませんか?国王が生きていないと私が忙しくなるのでね」
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- 女勇者「逆賊にされたので魔王と復讐するのです」
55 :名も無き被検体774号+[sage]:2010/12/20(月) 00:14:36.19 ID:lkJ2tnB00 - 賢者「選択肢を与えます」
賢者「女戦士がこの異次元にたった一人で投げ出されて帰ってこれなくなる」ブゥゥゥン・・・ 賢者「これはあなたがそのまま国王の首を切り落とした場合です」 賢者「あなたが王を殺さず魔王と共に軍を引き上げた場合には」 賢者「この無様な女戦士は帰してあげましょう」 女戦士「はっ!やってみろってんだ!おい女勇者!今すぐn」 ヴウウン・・ミシミシ!ボキボキボキボキッ!! 女戦士「な・・・きゃぁぁああ!指が!手が!!」 賢者「この異次元では、体が押しつぶされれる程の重力を味わうそうです」 賢者「痛覚に響くでしょう?もう少し力を入れれば、体半分は飲み込まれてしまうでしょう」 女戦士「あがっ・・・女勇者!さっさと殺すんだ!」 女勇者「この・・・外道・・・!!」 賢者「今の私には、褒め言葉ですね」 女戦士「がぁぁああああ!!!!」ミシミシ 賢者「重力だけで腕の骨が粉々になってしまうなんて・・・恐ろしい空間です」 女勇者「や、やめなさい!!」
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- 女勇者「逆賊にされたので魔王と復讐するのです」
56 :名も無き被検体774号+[sage]:2010/12/20(月) 00:15:34.35 ID:lkJ2tnB00 - 女戦士「ふ、ふざけるな!こんな不本意な選択で助かったとしても!勇者!お前を一生恨んでやる!」
賢者「黙れ!」 女勇者「うぅ・・・」 ホワン ストッ 魔王「よっと。国王よ、初めましてじゃな。そしてさよならじゃ」 ふわり ひょいっ 国王「え?ちょ、ちょっとま・・・!ぎゃああああ!!!!」 ミシミシッガキッボキッグシャッ 賢者「な・・・」 女戦士「うぅ・・・腕が・・・!」ズルリ 女勇者「大丈夫!?捕まって!!」 魔王「賢者よ・・・どこまでも卑劣な奴よのう」 賢者「・・・死のエネルギーでホールを中和するとは」 魔王「久しぶりじゃの、賢者」 賢者「お久しぶりです。早速ですが、国王も死にました。もう手を引いていただけないでしょうか?」 女勇者「なによ!女戦士をこんな目に合わせておいて!あなたはあたしの知ってる賢者じゃない!」 賢者「良いんですよ?魔王様にこの空間へ入っていただいても」 魔王「ふん。わしは身動き一つせん。やってみろ」
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- 女勇者「逆賊にされたので魔王と復讐するのです」
57 :名も無き被検体774号+[sage]:2010/12/20(月) 00:17:40.81 ID:lkJ2tnB00 - ブォンブォン・・・
賢者「さあ!奴を飲み込め!」 シュルルル 魔王「この大きさは・・・なっ!?」 ズボンッ ・・・・・・・ 女勇者「ま・・・魔王ちゃん・・・」 賢者「あっけない。あれで魔王ですか?しかし死んでしまうのは予想外でした」 賢者「それならばついでです。あなた達も殺してしまいましょう!」 女勇者「魔王ちゃん・・・」ワナワナ 女勇者「や・・・」 女勇者「やってみなさい!」チャキッ
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- 女勇者「逆賊にされたので魔王と復讐するのです」
58 :名も無き被検体774号+[sage]:2010/12/20(月) 00:20:01.67 ID:lkJ2tnB00 - 女勇者「でぁあーー!!」スパッ
賢者「結界が!くそうっ!こしゃくな!いかずちでも食らうが良い!」 ゴゴゴゴゴゴ ピシャッ!! 女勇者「!?いやぁああ!!」 女勇者「」プスプス 女勇者「か・・・勝てるわけが・・・」 賢者「そう、あなたの両親も果敢に私のいかずちを避けていましたが、叶うはずがなかったのです」 女勇者「け、賢者が殺したのね!?」 賢者「そうですよ。そしてこの魔法を褒美としていただきました」 賢者「聞くところによると、魔王の城も居心地が良いそうですね?」 賢者「私もこの力と共に、魔王を名乗ろうかと考えているところです」
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- 女勇者「逆賊にされたので魔王と復讐するのです」
59 :名も無き被検体774号+[sage]:2010/12/20(月) 00:20:52.54 ID:lkJ2tnB00 - 賢者「おしゃべりがすぎましたね」
賢者「不老不死は私のもの。魔王としての初仕事は勇者をこの世から消すこと・・・なんという響きでしょう」 賢者「さあ、私の名誉のために、死んで下さい!」 女勇者「(怖い・・・動けない・・・側近、みんな・・・ごめんなさい)」 魔王「あー、あー」 賢者「?」 魔王「聞こえるかの?女勇者よ」 女勇者「魔王ちゃん!?どこ!?」
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- 女勇者「逆賊にされたので魔王と復讐するのです」
60 :名も無き被検体774号+[sage]:2010/12/20(月) 00:21:53.65 ID:lkJ2tnB00 - 魔王「異次元のなかじゃ。懐かしい」
賢者「す、姿をみせなさい!」 ストン 魔王「ほれ。わしならここに」 女勇者「魔王ちゃん!」 賢者「何故・・・無事で居られるのです?」ワナワナ 魔王「悪いが、異次元からわしは来たのでな」 魔王「貴様も異次元や地底に行けば、封印された魔法を手にすることが出来るぞ?」 魔王「しかし封印されているのは深淵の深淵。貴様は辿り着く前にぺったんこのグシャグシャじゃ。さっきの国王の様にな」 魔王「勇者よ、大丈夫か?」 賢者「ふざけるな!」 魔王「基礎中の基礎じゃ。ほれ」 ズーーーン 賢者「か・・・体が・・・」 魔王「重力に耐えられるかの?辛いじゃろう。古より封印された魔力を使えるのはわしだけじゃ」 賢者「う・・・うう・・・」
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- 女勇者「逆賊にされたので魔王と復讐するのです」
61 :名も無き被検体774号+[sage]:2010/12/20(月) 00:24:07.53 ID:lkJ2tnB00 - 魔王「ほれ女勇者。早く仇を取ってくれ。隕石とは戦いとうない」
賢者「!?」 女勇者「でえい!」 ザクっ 賢者「うぅぅ・・・そんな・・・なぜ・・・」 ズズズ・・・ズルル・・・ 賢者「!?」 賢者「や、やめっ!」ジタバタ 魔王「そら、ターゲットはお主のようじゃ。自らが招いた異次元と戯れて来い。女勇者、目を伏せろ」 賢者「ゆ・・・許してくれぇえ!こんな!こんなのはぁああ!!!」 グシャグシャ ボキ バキ メキメキ グシュッ 賢者「がぁあああああああ!!!!」
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- 女勇者「逆賊にされたので魔王と復讐するのです」
63 :名も無き被検体774号+[sage]:2010/12/20(月) 00:28:25.26 ID:lkJ2tnB00 - 魔王「女勇者よ、遅くなったの」
女勇者「魔王ちゃん・・・」 魔王「女戦士はすぐ治る。わしが運んで行こう」 ウォーーーー! 魔王「?」 ズドドドドドドド・・・ ガチャ! 遊び人「やばい、すっげぇやばい!って、あれ?魔王さんに女勇者?」キョトン 近衛兵「ばかめ!もう逃げらr!・・・ままま、魔王!」 〉〉62 ありがとう。 なんか、批判とかバシバシ来ると思ってたら、無反応過ぎてさ。 ちゃんと最後までやりますね。 もうすぐ終わりますからね。
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- 女勇者「逆賊にされたので魔王と復讐するのです」
64 :名も無き被検体774号+[sage]:2010/12/20(月) 00:29:21.53 ID:lkJ2tnB00 - 近衛兵「」キュウ
遊び人「助かったぜ・・・こんなに走ったのは初めてだよ」 女勇者「そ、側近!」 側近「あら?」 魔王「いつまでしがみついておるのじゃ?」 側近「いや、あわわ!ちょっと!離れなさい!変態!」ジタバタ 遊び人「わかったから!こら!いたい!」 女勇者「側近〜!!」ギュッ 側近「女勇者様ー!おめでとうございます!」ギュウッ 魔王「(お姫様抱っこで逃避行か・・・男装した女勇者に・・・ウシシ・・・いかん鼻血が)」
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- 女勇者「逆賊にされたので魔王と復讐するのです」
65 :名も無き被検体774号+[sage]:2010/12/20(月) 00:33:33.25 ID:lkJ2tnB00 - 魔王「さて、帰ろう。隕石が落ちてくるぞ」
女勇者「そうね。しかし女戦士・・・酷い・・・」 魔王「これは本人にも見せん方がいいな」 側近「ほっ」パァァッ 魔王「まあ、こんなもんじゃな。あとはエルフに任せれば大丈夫じゃ」 魔王「帰りは堂々と空から帰るとしよう。ひとっとびじゃ」
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- 女勇者「逆賊にされたので魔王と復讐するのです」
66 :名も無き被検体774号+[sage]:2010/12/20(月) 00:34:21.74 ID:lkJ2tnB00 - ーお空にてー
女勇者「わあー空って広いんだねー!」 魔王「そうじゃな」 遊び人「側近、苦しいよ。ただでさえワイバーンを操るのには慣れてないのに」 側近「うるさい」 遊び人「もしかしてあれか?またお姫様抱っこがいいのか?」 側近「ンググ・・・///」カァァ 側近「遊び人がトチ狂ってワイバーンを口説いたりしないか心配なだけです、残念でした」 遊び人「ブフッハハハハ!そりゃあいい!」 側近「あー嫌い!もー嫌い!おっこちて首の骨折って馬の餌になって消化されながら死ね!」 魔王「仲が良いのう」 女勇者「遊び人、なんか凄い充実した顔してる」 魔王「そりゃそうじゃ。男一匹、意中の女を手に入れたのだからな」 魔王「お、始まったか」
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- 女勇者「逆賊にされたので魔王と復讐するのです」
67 :名も無き被検体774号+[sage]:2010/12/20(月) 00:36:11.57 ID:lkJ2tnB00 - ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ
ズズズズ ズーン・・・ 女勇者「あれが・・・」 魔王「隕石じゃ。呼び寄せるのに時間がかかる」 魔王「あの国にはもう誰も住めん。これでよいのじゃ」 女勇者「ここまでする必要あったのかな・・・」 魔王「ある」 魔王「女勇者に、今回のことを思い出させたくない」 魔王「わしなりに気を使ったつもりじゃ。うまく伝えたいのじゃガ・・・」モニョモニョ 女勇者「ありがとう・・・魔王ちゃん」ギュッ 魔王「(と・・・吐血)」ブハッ 魔王「さ、その調子でしっかり捕まっておれ」 女戦士「うーんうーん」
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- 女勇者「逆賊にされたので魔王と復讐するのです」
68 :名も無き被検体774号+[sage]:2010/12/20(月) 00:37:50.35 ID:lkJ2tnB00 - ー魔王城 城門ー
下級魔族「戻られたあ!!」 上級魔族「無事でなによりです、魔王様」 魔王「うむっ!」 魔王「して、今回捕らえた人間共はどこにおる?」 魔法部隊B「庭園に集めております、魔王様」 魔王「故郷のあるものは解放し、無き物は希望を聞いてそれぞれの村へ連れて行け」 魔法部隊A「はっ」 女勇者「村って・・・あの人たちは奴隷になるの?」 魔王「まずあやつらは、家を建てねばならん」 魔王「魔族と共に生活し、文化を教授しあい、発展するのじゃ」 魔王「途中温泉のある村へ寄ったな。料理も布団も環境も、そんなに悪くなかったじゃろう?」 女勇者「うん。好きだよ、あの村」 魔王「ああいった村で働き、家庭を持ち、子供を作り・・・その子供に尻尾も角も生えてなければ、城に迎えよう」
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- 女勇者「逆賊にされたので魔王と復讐するのです」
69 :名も無き被検体774号+[sage]:2010/12/20(月) 00:38:35.73 ID:lkJ2tnB00 - 女勇者「ほんと・・・魔王なんだね」
魔王「そうじゃ。わしは魔王じゃ。苦手なものなどないし、万物において常に最善の選択をする自信がある」 女勇者「苦手なものもないの?」 魔王「そうじゃ(お主の涙は苦手じゃがの)」 女勇者「うらやましいなあー・・・」 魔王「どれ、もうわしらはすることがない。一休みする前に女戦士の様子でも見に行くか」 女勇者「へへっ!そうだね!」
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- 女勇者「逆賊にされたので魔王と復讐するのです」
70 :名も無き被検体774号+[sage]:2010/12/20(月) 00:39:26.04 ID:lkJ2tnB00 - ー医務室ー
女戦士「・・・」ムスッ 上級魔族A「女戦士様、リンゴですよ。リンゴ、リンゴ。甘美な響きでございますよ」ショリショリ 女戦士「いらない」ムスッ 上級魔族B「私の編んだマフラーです。お首にお巻きしましょう」 女戦士「いらん」プイッ 上級魔族C「女戦士様、お体をお拭きしまs」 女戦士「たたっ斬るぞ」 ・・・ ・・・ ・・・ 上級魔族Z「女戦士さm・・・」 女戦士「いっぺん死n・・・」 魔王「これ、なんじゃこの有様は。エルフ以外出てゆけ」 女勇者「女戦士・・・腕、大丈夫?」 女戦士「いや、指先が動かないだけで痛みはないんだ。ただ上級魔族はやはり好きになれん」 魔王「みんなそなたを崇めておるのだ」 女勇者「そーよ」 女戦士「しかし、腕をつぶされて気絶するなんてなあ・・・情けないよ・・・」 魔王「良い良い。体力が回復した頃にでも、皆で宴を開こう」 女戦士「そうだな!あと二日もありゃあ完治だそうだ。楽しみだな!」
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- 女勇者「逆賊にされたので魔王と復讐するのです」
71 :名も無き被検体774号+[sage]:2010/12/20(月) 00:40:20.87 ID:lkJ2tnB00 - ー医務室ー
女戦士「・・・」ムスッ 上級魔族A「女戦士様、リンゴですよ。リンゴ、リンゴ。甘美な響きでございますよ」ショリショリ 女戦士「いらない」ムスッ 上級魔族B「私の編んだマフラーです。お首にお巻きしましょう」 女戦士「いらん」プイッ 上級魔族C「女戦士様、お体をお拭きしまs」 女戦士「たたっ斬るぞ」 ・・・ ・・・ ・・・ 上級魔族Z「女戦士さm・・・」 女戦士「いっぺん死n・・・」 魔王「これ、なんじゃこの有様は。エルフ以外出てゆけ」 女勇者「女戦士・・・腕、大丈夫?」 女戦士「いや、指先が動かないだけで痛みはないんだ。ただ上級魔族はやはり好きになれん」 魔王「みんなそなたを崇めておるのだ」 女勇者「そーよ」 女戦士「しかし、腕をつぶされて気絶するなんてなあ・・・情けないよ・・・」 魔王「良い良い。体力が回復した頃にでも、皆で宴を開こう」 女戦士「そうだな!あと二日もありゃあ完治だそうだ。楽しみだな!」
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- 女勇者「逆賊にされたので魔王と復讐するのです」
72 :名も無き被検体774号+[sage]:2010/12/20(月) 00:42:16.87 ID:lkJ2tnB00 -
ー浴場ー カポーン 魔王「(あっという間じゃった)」ブクブク 魔王「(しかし戦場での女勇者・・・素敵じゃったのう・・・)」ブクブク 魔王「(・・・)」 魔王「(この気持ち、早く整理せねば)」 魔王「まあ、まずは女勇者がこれからどうするかを聞いてみようかの」 魔王「(この城に残ってくれれば良いのだが・・・)」
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- 女勇者「逆賊にされたので魔王と復讐するのです」
73 :名も無き被検体774号+[sage]:2010/12/20(月) 00:43:48.22 ID:lkJ2tnB00 - ー寝室ー
女勇者「・・・」 バタン 魔王「なんじゃ明かりもつけんと。おったのか?」 女勇者「うん・・・」 魔王「(様子が変じゃな・・・)」 魔王「どうかしたのか?」 女勇者「今日のことなんだけど・・・」 魔王「?」
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74 :名も無き被検体774号+[sage]:2010/12/20(月) 00:44:46.47 ID:lkJ2tnB00 - 女勇者「やっぱり、故郷が隕石に押しつぶされていくのは見てて辛かったな、って」
魔王「・・・」 女勇者「ご、ごめんね!あたしの為でもあったんだよね!」 女勇者「で、でも、今日の魔王ちゃんは少し恐かったな・・・」 魔王「!?」 女勇者「そりゃ魔王だもん、時には威圧感も必要だし、無慈悲だったりするのは当然だよね」 女勇者「あたしは・・・」 魔王「やめ、て・・・くれんか」フルフル 女勇者「え、ま、魔王ちゃん?」 魔王「やめてくれ・・・」ポロポロ
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- 女勇者「逆賊にされたので魔王と復讐するのです」
75 :名も無き被検体774号+[sage]:2010/12/20(月) 00:48:41.34 ID:lkJ2tnB00 -
魔王「わしは、お主の為であればなんでもする」 魔王「お主を傷つけるだけの存在なんぞ、みな消えてしまえばよいのじゃ!」 魔王「お主を裏切った故郷じゃ!根絶やしにしてなにが悪い!」 魔王「わしは人間ではない!魔王じゃ!何をすればお主が笑ってくれるのか、検討もつかん!」 女勇者「・・・」ウルウル 魔王「わし、わしはただ・・・お主の笑顔が・・・」ボロボロ 女勇者「・・・」
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- 女勇者「逆賊にされたので魔王と復讐するのです」
76 :名も無き被検体774号+[sage]:2010/12/20(月) 00:49:26.83 ID:lkJ2tnB00 - 魔王「わしは遊び人が憎いぞ!美しいものを美しいと言い、惚れた女にそのことを平気で打ち明ける!」
魔王「わしにはそのような真似はできん!」 魔王「女勇者よ・・・頼むからの、嫌いにならんでくれ」ボロボロ 魔王「わしは魔族じゃ・・・この愛しさをどのように伝えればよいのか全くわからん!」 魔王「愛しておるのじゃ!」 魔王「わしは強欲かもしれん!無い物ねだりかもしれん!」 魔王「わしは何も失いとうない!下級魔族でさえな!」 魔王「わしはお主が愛しいのじゃ!」ポロポロ 女勇者「・・・」ボロボロ 魔王「おぬしの心の中に、わしは、少しでも・・・」
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77 :名も無き被検体774号+[sage]:2010/12/20(月) 00:50:49.60 ID:lkJ2tnB00 - 魔王「頼む・・!頼むからぁあ・・・」ガクッ
女勇者「・・・」 女勇者「」スッ 女勇者「・・・魔王ちゃん」ギュッ 魔王「!?」ビクッ 女勇者「恐がらないで!」 魔王「・・・」グスグス 女勇者「あたしがね」 女勇者「嫌いになんてなるわけ無いでしょ」 魔王「!」
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- 女勇者「逆賊にされたので魔王と復讐するのです」
78 :名も無き被検体774号+[sage]:2010/12/20(月) 00:53:07.87 ID:lkJ2tnB00 -
女勇者「そのままでいいから聞いて」 女勇者「あたしは果物を食べてるときの魔王が大好き」 女勇者「眠っているときの横顔も、帰りの空で見た夕日に照らされた魔王も、大好き」 女勇者「すごく綺麗だったんだから・・・」 魔王「・・・」ヒンヒン 女勇者「魔王の整った体も、綺麗な顔立ちも、あたしを起こしてくれた冷たい唇も、みんな大好き」 女勇者「初めあたしを怒った顔だって、不謹慎だけど素敵だった」 魔王「あの時はすまんかった・・・許してくれ・・・」グスグス 女勇者「許すもなにも、あたしの事で怒ってるなんて、嬉しかったよ」 女勇者「今日の魔王は確かに恐かったし、賢者のときは凄く残酷だった」 魔王「うぅぅ・・!すまぬ!すまぬ!あ、ああぁ・・・!」 女勇者「じっとして!」 女勇者「でもね、もうそんな魔王を見たくないの」 女勇者「あたしがもう・・・魔王にそんなことさせないから・・・」
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- 女勇者「逆賊にされたので魔王と復讐するのです」
79 :名も無き被検体774号+[sage]:2010/12/20(月) 00:54:23.48 ID:lkJ2tnB00 - 魔王「もうあんな姿、お主の前では二度と見せん!」
魔王「わしは・・・おぬしと離れとうない!」 魔王「じゃから・・・に、二度とわしのことを嫌いになr」 女勇者「ちゃんと聞いて!嫌いになんかなってない!」 魔王「!」ビクッ 女勇者「・・・」 女勇者「魔王ちゃん・・・」 魔王「・・・」グスグス 女勇者「」・・・ギュッ 魔王「!?」 女勇者「ほら、お主は強い」 魔王「うぅ・・・」 女勇者「もっと、ぎゅってしてもいいよ」ヨシヨシ
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80 :名も無き被検体774号+[sage]:2010/12/20(月) 00:55:07.40 ID:lkJ2tnB00 - ー一方 ドアの外ー
遊び人「まあ・・・めでたしめでたし・・・かな?」 側近「魔王様ぁあ・・・」ガジガジ 遊び人「なんだよ。俺とはいやなのかよ」 側近「あの人はまた別なの!」 遊び人「へいへい」 側近「信じてないでしょ!」 遊び人「案外心配性なのな」 側近「・・・///」 側近「ほら、私達ももう寝ましょう?」 遊び人「そうだな。あんだけ走って、しかも帰ってきたと思ったらあんなに激しい」 側近「激しい言うな!」
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81 :名も無き被検体774号+[sage]:2010/12/20(月) 00:57:06.84 ID:lkJ2tnB00 - ー治療室ー
女戦士「もういいからさ」 上級魔族「なんでしょう?」 女戦士「一人にさせてくれよ・・・」 上級魔族「一人にしたら脱走するでしょう?」 女戦士「うむむ・・・」 上級魔族「ところで女戦士様?」 女戦士「なんだ?」 上級魔族「故郷に帰られるのですか?」 女戦士「いや、両親は早い内に亡くなったんだ。だから、帰っても肩身の狭い思いをするだけだ。未婚のタフな母だったよ」 女戦士「私は・・・あの温泉のある村に住みたいな。木こりが居ないらしく、鉱山も人手不足だと聞いたよ」 上級魔族「それは良いアイデアです」 上級魔族「私達の様な気品溢れる耽美な暮らしも良いですが」 上級魔族「あの村での生活もきっといいものになるでしょう」 女戦士「そうだな。力仕事をして、酒場で飲んで、温泉に浸かって、寝る」 女戦士「とても魅力的だ」
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82 :名も無き被検体774号+[sage]:2010/12/20(月) 00:58:28.57 ID:lkJ2tnB00 - 上級魔族「それに、女戦士様があの村に行けば、人気も出るでしょう」
女戦士「・・・一応聞いておこう」 上級魔族「私達は怠惰の中に生きています」 女戦士「詳しくはわからんが、それがいいんだろ?」 上級魔族「はい・・・限りない時を過ごすには、時の流れに身を任せるのが一番です」 上級魔族「でも大人気の女戦士様が行けば、おのずとあの村も私達の中で娯楽として迎えられるでしょう」 女戦士「まあ、楽しみにしてるよ」 上級魔族「私も伺いますから♪」 女戦士「あれ、お前はあーいう原始的な村は苦手そうなのにな」 上級魔族「これを機会に、好きになっても良いでしょう?」 女戦士「・・・そうだな」 女戦士「それも含めて、楽しみにしてるよ」 〜fin むかついたから続編、というより本当に載せたかった本命いくわ もう知らん
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84 :名も無き被検体774号+[sage]:2010/12/20(月) 01:04:36.93 ID:lkJ2tnB00 - 〉〉83まかしといて。
次のは最後の最後に百合要素ばりばりだけど、こうしてみると今回の規制法案は難しいね。 近親相姦ものでも、セックスの描写がないと悲しみにも救いにも、装飾を加えられない。 書けと言われたら、オペラのないバレエになりそうで逃げるさ。
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85 :名も無き被検体774号+[sage]:2010/12/20(月) 01:05:42.57 ID:lkJ2tnB00 - 上級魔族「私はあなたから逃げられない」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー ー下級魔族の温泉街 酒場裏の掘っ立て小屋ー チュンチュンッ チュンッ 女戦士「ん・・・むむっ」モゾモゾ 女戦士「(朝か・・・)」ウツラウツラ 女戦士「んんーーー・・・!」ノビーッ! チュンチュンッ 女戦士「・・・」ボーッ 女戦士「よっと・・・」ズリズリ シャッ サンサン 女戦士「(・・・良い天気だな)」 女戦士「(服・・・)」 女戦士「(これでいいか・・・)」 モゾモゾ
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87 :名も無き被検体774号+[sage]:2010/12/20(月) 01:07:57.72 ID:lkJ2tnB00 - ね。一応賛成派ではあるんだけど、怒られるからこの話おしまい!
ー酒場ー カランコロン 女戦士「おはよう」 マスター「おすっ」 女戦士「(ここでの生活にも慣れてきたなぁ)」 女戦士「ふわぁぁあ・・・あーあっと。眠い」 マスター「俺も眠たいのなんのって。こう、いい天気ばかり続くとよ」 コトン コトッ 女戦士「(トーストとグリーンサラダね・・・)いただきます」パリパリモシャモシャ マスター「ポタージュ?コーヒーか?」 女戦士「ポタージュと・・・牛乳もくれるかな」 女戦士「」モグモグ パリパリ マスター「パンは?」 女戦士「もう一枚」 マスター「あいよ」
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88 :名も無き被検体774号+[sage]:2010/12/20(月) 01:08:37.46 ID:lkJ2tnB00 - マスター「さてと、俺も食おうかしらね」
カチャッ コトコトン 女戦士「ふわぁぁあ・・・・・・あぅ」グスッ マスター「おいおい、そんな長いあくびされたらこっちまで移るよ」 女戦士「おっと、すまんすまん。生のキャベツも甘くてうまいな」パリパリ マスター「だろ?バターを塗ったパンに付け合せると、余計に甘くておいしいんだよな」 女戦士「そうだな・・・はわわぁぁぁああ・・・・・・あぅいー」ノビノビ マスター「たはは・・・」 マスター「なぁ、女戦士。疲れてるんじゃないのか?」 女戦士「なんでよう」グシグシ マスター「あくびばっかしてるじゃないか。ドラゴンみたいだぞ」 女戦士「疲れてなんかないよ。あーわわぁぁああー・・・っういー。いかん、まただよ」 マスター「だっはっはっは!!」
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89 :名も無き被検体774号+[sage]:2010/12/20(月) 01:09:32.43 ID:lkJ2tnB00 - マスター「今日はどこにいくんだい?」
女戦士「今日は・・・そうだ、小麦粉の収穫を手伝いにいく日だ」 マスター「おお、あの小麦農園か。あそこのじいさんも、もう歳だからな」 マスター「あとで差し入れにでも行くとするかな」 女戦士「やはり下級魔族でも歳を取って衰えていくのな」 マスター「そりゃそうだろ。魔王城が出来た頃からずっと城に小麦を届けてるんだぞ」 女戦士「ほぇー」 マスター「しかもあのじいさんは、酒を飲むといつも魔王様がやってきた頃のことを話すんだ」 マスター「いつか聞けるかもな」 女戦士「まぁ、楽しみにしてるよ。ふわぁぁあーー・・・あーあっと」
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90 :名も無き被検体774号+[sage]:2010/12/20(月) 01:10:41.22 ID:lkJ2tnB00 -
ー小麦農園へ続く道ー 女戦士「(村が高い場所にあると、いちいち景色がいいんだよなぁ・・・)」 下級魔族「あら、おはよう御座います、女戦士様」 女戦士「おはよ。どうしたんだ、今日はやけにおめかししてるじゃないの」 下級魔族「魔王城で遊び人っていう人がダンス教室を開くみたいで、母のドレスを借りてきちゃいました」 下級魔族「似合ってますか?」 女戦士「(遊び人、うまくやってるんだな)」 女戦士「似合ってる。やるじゃんか」 下級魔族「えへへ!」 女戦士「気をつけて行くんだよ」 下級魔族「はぁーいっ!」 タタタタタタタタ 女戦士「(平和だ)」 女戦士「はわわああぁぁーーーー・・・っあう」
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91 :名も無き被検体774号+[sage]:2010/12/20(月) 01:11:48.49 ID:lkJ2tnB00 -
ーその道中にてー テクテク 女戦士「(女勇者も遊び人も、まだ魔王城か)」 女戦士「(あれ以来顔出してないなー)」 女戦士「(女勇者も、うまくやってるだろ。なつっこい奴だからな)」 女戦士「(良い天気だなー)」 サンサン 女戦士「(日焼けしないといいけれど)」 女戦士「(さてさて、そろそろ見えてくるな)」キョロキョロ 女戦士「あ、みっけ」
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92 :名も無き被検体774号+[sage]:2010/12/20(月) 01:12:53.66 ID:lkJ2tnB00 - ー小麦農園 入り口ー
女戦士「おーい、じいさーん」 小麦爺さん「おー、これはこれは女戦士様。来てくれてありがとう」 女戦士「いいってこと。もう収穫は終わってるのね」 小麦爺さん「昨日のうちに刈っておいたんで、いま束ねとるところじゃよ」 小麦爺さん「これを運ぶのも、もう辛くてな」 小麦爺さん「歳を取るといかんのう」 女戦士「手伝いならいくらでもするから、長生きしてくれよな」 女戦士「荷台はこれを使っていいか?」 小麦爺さん「うんうん、構わんよ。坂道じゃから、気をつけるんじゃぞ」 女戦士「よしきた。じゃあ爺さんは日陰で弁当でも食べてなよ」 女戦士「こっちも、二往復すれば十分だろ」ガラガラ 小麦爺さん「頼もしいことだね」
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93 :名も無き被検体774号+[sage]:2010/12/20(月) 01:14:02.21 ID:lkJ2tnB00 - ー温泉街へ戻る道ー
ガラガラ ゴトゴト 女戦士「よいしょ、よいしょ」 女戦士「(しかし、人生どこでどうなるかわからないな)」 女戦士「(魔族の村で世話になってるんだものな)」 ガラガラ 女戦士「女勇者や遊び人に至っては魔王や側近と意気投合して、魔王城で生活してるんだもんな」ポツリ ガラガラ ゴトゴトン 女戦士「(ここでの生活も、予想通り悪くないし)」
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94 :名も無き被検体774号+[sage]:2010/12/20(月) 01:15:09.37 ID:lkJ2tnB00 - ー下級魔族の温泉街ー
ガラガラ 女戦士「(ほい、到着っと)」 女戦士「お尋ねするが、小麦爺さんの小屋はどちらだろうか?」 下級魔族「あら女戦士様!荷台なら私が引きますのに!」 女戦士「いや、こんなのへっちゃらさ。ありがとう」 下級魔族「無理は禁物ですからね?小屋はこのまま真っ直ぐ、風車がありますからすぐわかるはずですよ」 女戦士「(あぁ、あの小屋な)助かる。また酒場で会おう」バイバイ 下級魔族「はーい」バイバイ 女戦士「お世辞でも、気を使ってもらえると嬉しいな」 女戦士「(これが魔王城の上級魔族達だったら)」 〜〜女戦士の想像〜〜 上級魔族「あら商人、ご機嫌麗しゅう。荷台に乗っているのは小麦かしら?」 商人「そうで御座います。今年の小麦はおいしいですよ」 上級魔族「楽しみですわ。死なない程度に頑張って下さいませ」 商人「ありがとう御座います」 〜〜想像終了〜〜 女戦士「(こんなとこだろうな。偏見だけれども)」
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95 :名も無き被検体774号+[sage]:2010/12/20(月) 01:17:55.10 ID:lkJ2tnB00 - ー小麦爺さんの小屋ー
バサンッボスッ 女戦士「ふうっこれでよし」 女戦士「よし、戻ろう」 カラカラ 下級魔族「わー女戦士さんだー!」 「遊んで遊んでー!!」 「人間だー初めて見るー」 女戦士「みんな元気一杯だなー」 下級魔族「どこ行くのー?」 女戦士「小麦農園だよ。君たちも行くかい?」 下級魔族「行く!絶対いく!」 女戦士「よーし、乗った乗った!」 下級魔族「わーい!すごーい!」キャッキャッ 女戦士「(子供たちも元気で何より歪んでない。羽が生えてるみたいにピョンピョン飛び跳ねては、イタズラをして叱られて・・・)」 女戦士「(私の故郷も・・・)」 ガラガラ 下級魔族「なんでそんなに力持ちなのー?本当に女の人なのー?」 「なのー?」 「のー?」 女戦士「(むっ)ちゃんとごはんを残さず食べたら、力持ちになれるんだよ」 下級魔族「へー、すごーい!」
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96 :名も無き被検体774号+[sage]:2010/12/20(月) 01:18:44.42 ID:lkJ2tnB00 - ー小麦農園ー
小麦爺さん「おやおや、子供たちまで付いてきたのかい」 女戦士「社会見学だよ、爺さん」 下級魔族「そうだよ、社会なんたらだよー」 「だよねー?」 「ねー」 女戦士「よし、じゃあ君たちはこれを背負って、さっきのせた場所まで競争!!」 下級魔族「わーい!」 「私が一番だもん!」 「僕だよ!」 ドドドドドドドドドドドドド・・・ 女戦士「さ、これでお終い。爺さん、小麦は小屋の隅に寄せてあるからね」 小麦爺さん「うんうん、助かったよ。酒場にも届けに行くからね」 女戦士「ああ、こうやっておいしいパンが作れるわけだな。嬉しいよ、ありがとう」 女戦士「また酒場で会ったら、魔王の話でも聞かせてくれ」 小麦爺さん「はっはっは・・・酔うとその話しかしないからか、いかんせん煙たがられるんだよ」 女戦士「はははっらしいな」
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97 :名も無き被検体774号+[sage]:2010/12/20(月) 01:19:29.75 ID:lkJ2tnB00 - ー村への帰り道ー
テクテク サンサン 女戦士「(気持ちい日差し・・・帰ったらもう一眠りしようかな)」ノビノビ 上級魔族「女戦士様!」 女戦士「」 上級魔族「なぜお城へお越しになられないのです?皆、また会えるのを楽しみにしております・・・」ウルウル 女戦士「その服装は・・・看病してくれたエルフか。あの時はありがとう。じゃっ」バイバイ エルフ「お待ち下さいってば!」ハシッ 女戦士「(・・・てば?)」 エルフ「一日千秋の思いで・・・」ウルウル 女戦士「(たいして離れてないじゃないか)・・・」ボリボリ 女戦士「まぁ、昼食でも食べようか。女勇者達の近況も聞きたいし」 エルフ「はいっ!」
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98 :名も無き被検体774号+[sage]:2010/12/20(月) 01:21:34.81 ID:lkJ2tnB00 - ー酒場ー
女勇者「そいで、女勇者や遊び人は元気にしてるのか?」モグモグ エルフ「モグモグ・・・ゴクンッ!はい、相変わらずといいますか、お二方とも」 女戦士「そうか・・・」グビグビ エルフ「♪」ニコニコニコニコ 女戦士「(うっ!)」 女戦士「(話が終わってしまったじゃないか)」 女戦士「お、女勇者はどうなんだ?魔王と仲良くしているのか?」 エルフ「はい♪」ニコニコキラキラ 女戦士「・・・」ガックシ 女戦士「そ、そこはな、どういう風に元気なのかとか話してくれると会話が途切れなくて済むんだけどな」 エルフ「そうなんですか?私は女戦士様のお姿が見れるだけで構いませんので・・・」 女戦士「(でたよ、自分さえよければ構わない攻撃。やはり上級魔族は好きになれんな・・・)」グビッ
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