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ゲンドウ「シンジ、ガンダムに乗れ」シンジ「そんなの無理だよ!?」

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ゲンドウ「シンジ、ガンダムに乗れ」シンジ「そんなの無理だよ!?」
1 :以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします[]:2024/12/17(火) 22:08:13.790 ID:mCS//l9x0
「しばらく連絡つかないと思ったら何やってんのさ父さん!? またこんなロボット作って!」
「ロボットではなく、モビルスーツだ」
「そんなの関係ないでしょ!?」

碇シンジです。ご無沙汰しています。
エヴァの存在しない世界へ来て早数年。
消息が途絶えていた父さんに呼ばれて来てみれば、見上げるほど大きなモビルスーツとやらにいきなり乗れと言われ、子供の頃のように怒鳴ってしまいました。

「聞け、シンジ。私はこのエヴァの存在しない世界でしばらくの間、ユイと共に世界を見て周った。ユイも人類補完計画という目的を失った私に、新しい生き甲斐を見つけて欲しかったのだろう。そして私は悟ったのだ。エヴァの存在しないこの世界では、セカンドインパクトも発生せず、人類は増え続けている。故に地球連邦政府は増えすぎた人類を宇宙に投棄し始めた」
「えっと……それって、スペースコロニーのこと?」

人類が宇宙へと本格的に進出を果たしたこの世界では西暦の由来となった古き神がその役目を終え、新世紀である宇宙世紀へと進歩していた。
ゲンドウ「シンジ、ガンダムに乗れ」シンジ「そんなの無理だよ!?」
2 :以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします[]:2024/12/17(火) 22:09:52.978 ID:mCS//l9x0
「そうだ。月と地球との引力が比較的安定しているラグランジュポイントに建設されたスペースコロニーに住まうスペースノイドたちは、自分たちが宇宙に捨てられたことを悟り、それでいて地球に住まうアースノイドたちがいつまでも彼らの自治権を認めずに統治しようと干渉してくることに嫌気が差している。そんな現状をこの目で見た私は、このガンダムの開発に着手したのだ」
「結論が意味不明だよ、父さん」

たしかに反連邦主義を掲げるスペースノイドたちの独立の機運が高まっていることは、ニュースで見た。
しかし、それがこの機械人形と何の関わりがあるのだろう。父さんはいつもそうだ。僕には理解出来ない。

「人と人とが誤解なく分かり合える未来は遠くない」
「父さん……何を言ってるんだ」
「ニュータイプという存在が近い将来現れて、他者との心の壁、つまりATフィールドを破壊するだろう」
「父さん! もうエヴァは存在しないんだ!!」

ATフィールドなんてこの世界には存在しないのに。
ゲンドウ「シンジ、ガンダムに乗れ」シンジ「そんなの無理だよ!?」
6 :以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします[]:2024/12/17(火) 22:12:32.364 ID:mCS//l9x0
「シンジ。私はお前に伝えたいことがある。しかしお前にはそれが伝わらない。それが私はもどかしい。この気持ちは、お前にもわかる筈だ」
「わからないよ……父さんの言ってることは何も」
「スペースノイドたちは、重力に囚われ限られた空間の地球ではなく、無重力の限りない広大な宇宙で、コミュニケーション能力が進化する。鋭い直感と洞察力によって正確に他者を認識し、相手にも自分のありのままが伝わる。この世界はそれが可能な世界なのだ」
「そんなの嘘だ……」

もしそれが本当なら、音信不通のアスカや、部屋に引きこもって出てこない綾波と気まずい関係になんかなったりしない。僕が仲良しなのは、マリさんだけだ。

「ガンダムに乗れ、シンジ。もしもお前がニュータイプならば、その機体の真価を発揮出来るだろう」
「真価って、何さ」
「ただの撃墜王ではなく、正しい意味での……」

ズズンッ!と、施設が揺れた。鳴り響くアラート。
この施設に入る際に目隠しをされてここがどこかは不明だけど、エレベーターで降下する感覚があったから、きっとターミナルドグマのように地中深くであると僕は直感していた。直感。そうだ。直感的にわかる。

「アスカ……?」
「やはり感じるようだな」

アスカの感覚がした。断続的に施設が揺れている。
間違いない。近づいている。ここにアスカが来る。
どういうことだろう。父さんが全て仕組んだのか?
ゲンドウ「シンジ、ガンダムに乗れ」シンジ「そんなの無理だよ!?」
8 :以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします[]:2024/12/17(火) 22:16:21.111 ID:mCS//l9x0
「私は何もしていない。向こうがお前を探して、ここまでやってきたのだろう。その理由もすぐにわかる」
「アスカが僕に会いに……?」

ずっと連絡をよこさなかった癖に、今更。だけど。

「父さん……ガンダムに乗るよ」
「そうか」

まるで最初からわかっていたように頷くと、機械人形の胸元のハッチが開いた。ロープがスルスル降りてきて、先端の輪っかにつま先を通した。上昇していく。

「父さん!」
「なんだ」
「父さんは何故、ガンダムを作ったの!?」

結局、答えを貰えなかった問いを再び投げかけると。

「乗ればわかる」

ハッチが閉じる前に父さんは意味深に笑った。

「LCLはやめたんだ……なるほど、そういうことか」

ガンダムのコクピットは極めて普通だった。
エントリープラグのように近未来感はない。
LCLで満たされることなく、空気があった。
ゲンドウ「シンジ、ガンダムに乗れ」シンジ「そんなの無理だよ!?」
9 :以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします[]:2024/12/17(火) 22:17:44.652 ID:mCS//l9x0
「父さん、気にしてたんだ……馬鹿だな」

エントリープラグでは、LCLが空気の代わりに肺に直接酸素を送ってくれた。最初は近未来感にワクワクしていたが、致命的な欠陥があったのだ。喋れない。
父さんはきっとその欠陥をずっと直したかったんだ。
父さんらしいと思いつつ、そこでふと僕は気づいた。

「エヴァの世界でも、分かり合えてたのかな……」

酸素は取り込めるけど、喉から出るのは液体なのだ。
LCLの中では喋れないのに。それでも僕らはミサトさんや父さんたちと会話をしていた。ニュータイプか。

「アスカ……君もそうなんだね?」
「久しぶりね! バカシンジ!」

目の前の壁が崩壊して真っ赤な機械人形が出現した。
ゲンドウ「シンジ、ガンダムに乗れ」シンジ「そんなの無理だよ!?」
10 :以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします[]:2024/12/17(火) 22:20:19.083 ID:mCS//l9x0
「何しにここへ来たの?」
「決まってるでしょ? アンタを殴りに来たのよ!」

まるで本当の手足のように、踏み込んで放たれる綺麗な正拳突き。それが来るのが、何故か僕にはわかる。
キュピーンと、脳内で音がして身体が勝手に動いた。
反射的に機械の手のひらで受け止めて、高揚する。

「動く……こいつ、動くぞ」
「ふん! 当然でしょ? 連邦の新型なんだから!」

これが機械人形。いや、モビルスーツか。すごい。
エヴァとは全然違う。操縦桿から仕様が伝わる。
一歩踏み出そうとすれば、ほら、簡単に歩ける。

「歩いた!」
「チッ……初めて乗った癖に、このアタシのパンチを受け止めるなんて。生意気なのよ、バカシンジ!」

初めて乗った感覚ではなかった。ずっと前から、このモビルスーツの製作に携わっていたような。これは父さんの感覚だろうか。熱中して作ったのが伝わった。

「アスカの機体は赤いんだね」
「そうよ! バカシンジは知らないでしょうけど、赤いと3倍速いんだから! まあ、前哨戦はひとまずおしまい……ほら、さっさと引きこもりの依怙贔屓を回収して行くわよ、シンジ!」
「行くって、どこに?」
「アンタばかぁ? モビルスーツの決闘競技……《クランバトル》の会場に決まってんでしょ!」
「うんっ……行こう!」

古い神がその役目を終えたエヴァの存在しないこの宇宙世紀の世界で、エスパーでも宗教でもなく、撃墜王でもない本来の意味で、ニュータイプに僕はなろう。


【宇宙世紀 シン・ガンダム】


FIN
ゲンドウ「シンジ、ガンダムに乗れ」シンジ「そんなの無理だよ!?」
11 :以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします[sage]:2024/12/17(火) 22:38:45.951 ID:mCS//l9x0
おまけ

「実はエルフはパンツを穿かないんだよ」
「マジで!?」
「シュタルク様。実は私も……」
「フリーレン! 詳しく聞かせてくれ!!」
「ふふん。気になる?」

勇者ヒンメルの死から29年。
歴史上もっとも多くの魔族を屠り、ついには魔王討伐をも果たした勇者パーティーのメンバーであるエルフの魔法使いは、その偉業と畏怖を込めて『葬送のフリーレン』と呼ばれている。そんな英雄である彼女がよもやノーパンだったとは。まさかそんな。戦士シュタルクは震える手をぐっと握りしめ詳細を求めてきた。

「私たちエルフは生殖本能に乏しい。だから、パンツを穿かないことでフェロモンを高めるんだ」
「ふむふむ!」
「シュタルク様、私も……」
「フェロモン、じゃなくてフェルンは黙っててくれ」

フリーレンの与太話に夢中になっている戦士シュタルクはフェルンの機嫌を損ねていることに気づかない。
シュタルクはまだ若い。だから仕方ないことだった。
ゲンドウ「シンジ、ガンダムに乗れ」シンジ「そんなの無理だよ!?」
12 :以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします[sage]:2024/12/17(火) 22:39:17.305 ID:mCS//l9x0
「ゼーリエっていただろう?」
「ああ、いたな。まさかあいつも……?」
「あいつはパンツを穿かないだけでなく、伝説級の魔法によって胸も大きくしているんだ。まあ、そんな涙ぐましい努力をしたところで独り身なんだけどね」
「シュタルク様、私も胸には自信が……」
「俺はフェルンを傷つけたくないんだ」

戦士シュタルクは優しい男だ。この状況でも、フェルンは「ただ肉付きが良くて太ましいだけ」だなんて言わなかった。しかし、悲しい哉、彼のそんな本音は正確にフェルンに伝わってしまった。フェルンもまだ若い乙女なのだ。それもまた仕方ないことであった。

「フリーレン、ひとつ質問してもいいか?」
「なんだい?」
「タイツは下着ではないのか?」
「……最低です」

ジト目のフェルンの好感度が急降下することも厭わず、というか気づかず、気にせずに、戦士シュタルクは好奇心の赴くまま、フリーレンへと質問をした。

「良い着眼点だね、シュタルク。そうだね……たとえば君は下着のまま、公衆の面前に出られるかい?」
「衛兵に捕まるから無理だな」
「うん。でも私はタイツを見せびらかしても衛兵には捕まらない。つまり、タイツは下着ではないんだよ」
「なるほど」
「何を仰ってるんですか、フリーレン様……」
「でもタイツの下はノーパンなんだろ?」
「そうだね。夏場は蒸れて大変だし、冬場はスースーして大変だ。それでも色気があると思わないかい?」
「思う!」
「バカなんですかこの人たち……」

呆れつつもフェルンは律儀にツッコミを入れる。
そうしないと会話に入れないからだ。鼻息を荒くしているシュタルクの二の腕に胸についた脂肪の塊を押し付けてみたが無駄だった。脂肪だから仕方がない。
ゲンドウ「シンジ、ガンダムに乗れ」シンジ「そんなの無理だよ!?」
13 :以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします[sage]:2024/12/17(火) 22:40:11.916 ID:mCS//l9x0
「ほーら。こうやって足を組み替えるだけで、私のフェロモンがムンムン漂ってくるだろう?」
「言われてみれば!」
「はしたないですよ、フリーレン様」
「人間の想像力は逞しいね。この技を魔族が覚えたらと思うとゾッとする。ヒンメルだって、瞬殺されていたかも知れない。色気は世界の命運を左右するんだ」
「恐ろしい話だな……」
「滅べば良かったのに……」

魔王を打ち倒して英雄となった勇者ヒンメル。
彼の冒険は紙一重の攻防だったのかも知れない。
思わず息を呑んだ戦士シュタルクはすっかりびびってしまって膝が震えていた。決して、跪いたらフリーレンのタイツの向こう側が見えるかもなんて思ったわけではない。ただ彼は戦士だ。師であるアイゼンから決して倒れてはならないと教え込まれている。師と似て臆病なシュタルクは、それでも立ち向かわなくてはならない。彼は勇者ではない。故に勇気ではなく、覚悟を決めて、世界の滅亡に立ち向かうのだ。頑張れ。
ゲンドウ「シンジ、ガンダムに乗れ」シンジ「そんなの無理だよ!?」
14 :以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします[sage]:2024/12/17(火) 22:41:05.168 ID:mCS//l9x0
「フリーレン、俺に……肩車をさせてくれ」
「ほう」
「シュタルク様!?」

フリーレンの試すような眼差し。フェルンの失望の眼差し。ここで退けばきっとシュタルクは戦士として大事な何かを失う。得るものは何もないかも知れない。

「それでも俺は……世界を救いたい」
「よく言った、シュタルク」
「シュタルク様、もう嫌いです」

シュタルクの覚悟はフリーレンの眼鏡には適ったが、フェルンからは嫌われてしまった。何かを望むのならば、代償はつきものである。それでも前に進もう。

「さあ、早く乗ってくれ」
「タイツは脱いだほうがいい?」
「フリーレン様!?」

究極の選択だった。さすがは歴戦の魔法使い。
彼女はただ無条件に勝利を与える女神ではない。
シュタルクが本当の戦士かどうか試しているのだ。
ゲンドウ「シンジ、ガンダムに乗れ」シンジ「そんなの無理だよ!?」
15 :以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします[sage]:2024/12/17(火) 22:42:11.411 ID:mCS//l9x0
「フリーレン……俺は臆病者だ」
「そうだね。シュタルクは臆病だ」
「ついでに変態です」
「顔を生足で挟まれるだけでも恐ろしいのに、ましてやノーパンなんて、俺は確実に死んじまうだろう」
「君は死を恐れているのかい?」
「死ぬのは怖い……けど、何も出来ずに生き残るのはもっと怖い! 生まれた意味を、見失うからだ!!」

何もせず。何も成し遂げられず。爪痕を残すことなく。ただのうのうと生きて。そして、死んでいく。
そんな無意味な生涯に、何の意味があるのだろう。
少なくとも今この瞬間、生きた証を残したかった。

「フリーレン! 股のとこだけタイツを破って……」
「えいっ」

ゴンッ!と、フェルンが杖頭で仕留めた。
油断こそが冒険者の死因の第1位なのだ。
フリーレンは弟子の不意打ちを称賛した。

「良い不意打ちだ。さすがは私の弟子だね」
「褒められても全然、嬉しくありません……」

すっかり拗ねたフェルンをくすりと笑いながら。

「早く神話級の魔法を覚えられるといいね」
「神話級の魔法、ですか……?」
「うん。恋の魔法と……そして愛の魔法。私やゼーリエが未だに習得出来ていない、最古の大魔法だよ」
「……頑張って習得します」
「うん。期待してるよ」

シュタルクとの絶縁期間は長くはなさそうだった。


【ノーパンのフリーレン】


FIN


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