- 俺「重課金疲れたお……」 ギルメン「俺さんすごい! 次のイベントもお願いします!」
96 :以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします[]:2019/10/29(火) 21:22:33.841 ID:gi9SQg0OpNIKU - ゴーレム「フゴッ!フゴーッ!」
俺「右から行け!」 女騎士「わかった!」スッ 俺「双剣舞!」女騎士「双剣舞!」 シャンシャンシャンッ ゴーレム「フゴッ!?」ドサッ 俺「連続ヒット技で防御型のゴーレムを鎮められるのか……」 女騎士「これで一通りの技は試したが、どうする? ……戻るのか?」 俺「すげぇ……このスキルさえ極めれば、中堅ギルド程度なら俺達二人で沈められるんじゃないのか!」 俺「熟練度! 熟練度を上げよう! タイミングも覚えておかないとな! 対人での定石も作っておきたい! 後で男獣戦士あたりで実験させてもらおう!」 女騎士「え?」 俺「どうした? 乗り気じゃないのかよ! 今の見ただろ!」 女騎士「想像以上の威力だ。しかし……その……」 俺「だよな! 俺達二人が、ギルドを勝利に導くんだ!」 女騎士「あ、ああ! 我々の特訓不足で負けるわけにはいかんからな!」グッ
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97 :以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします[]:2019/10/29(火) 21:27:07.192 ID:gi9SQg0OpNIKU - 俺「……ふ、ふふ、経験値効率も段違いだな」
女騎士「しかし、MPの消費量も多いな」ゼェゼェ 俺「まあそれはアイテムで補えばいいさ。今日は……さすがにそろそろ戻るべきか」 俺「HPも……ちょっと厳しいな。さっき覚えた、二重詠唱の回復呪文でも使ってみようぜ」 女騎士「……その、訊いておきたいことがあるのだが、いいか?」 俺「ん? なんだよ?」 女騎士「女とお前は、ただのオンゲー仲間、そうなのだな?」 俺「ああ、そうだが……。剣盾オンラインから一緒だったんだ」 女騎士「会ったことは?」 俺「ないが?」 女騎士「我々のギルドはオフ会厳禁だが……別に、密告するような真似はしない。正直に教えてほしい」 俺「いや、本当にないけど」
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99 :以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします[]:2019/10/29(火) 21:30:35.135 ID:gi9SQg0OpNIKU - 女騎士「なら、どうしてあの子はああもお前に執着しているんだ?」
女『あははは、いいんっすよ。ウチ、もうリアルは捨てましたっすから!』グッ 女『俺さんも、ウチと一緒っすよね?』 俺「い、いや知らねぇよ……なんでそんなこと訊くんだよ」 俺「弱いから、強い奴にたかりたいんだろ」 女騎士「嘘だな。そんなふうに思っているのなら、とっくに彼女を切っているはずだ」 俺「う……」 女騎士「お前にも何か、後ろめたいことがあるんじゃあないのか。私には、そうとしか思えない」 俺「…………」 女騎士「……答えたくないのなら、それでいい。くだらないことを訊いたな、私らしくない」
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100 :以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします[]:2019/10/29(火) 21:30:51.471 ID:gi9SQg0OpNIKU - 女「…………」
男商人「な、なあ、あいつ五時間くらいずっと固まってへんか?」 男弓使い「途中で用事も思い出したんじゃねーの?」 俺「ただいまー」 男商人「お、戻って来たんやな新婚夫婦!」 女「あ、俺さん、戻ってきたんっすね! もう……ずっと待ってたんっすよ!」ガタッ 男商人「ひいっ!」 俺「いや、悪い悪い。それより女、聞いてくれよ! 双剣舞の総ダメージ数が……」 女「そんなことどうでもいいんっすよ! さ、ささ、早くいっしょに行きましょう? ね?」 俺「そんなことってなんだよ! 大事なギルド戦の雌雄を決するかもしれねぇんだぞ!」 俺「ああ、後、市場の購入履歴……あの純白の布を買ったのがどこのギルドか、調べなくちゃいけない。女モンクに相談して……」 女騎士「わ、私が頼んでおく! 俺はゆっくり、ダンジョンにでも潜っておいてくれ!」 俺「え? あ、ああ助かる……」 商人(あいつ……ずっとあそこにおったんか?) 俺(なんで商人の奴……あんなにビビってるんだ?)
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102 :以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします[]:2019/10/29(火) 21:34:47.394 ID:gi9SQg0OpNIKU - 俺「また時計塔かよ……ここ、敵強くて経験値低い上に、俺も全然潜ってないんだぞ」
女「だからっすよ!」 俺「は?」 女「俺さんもまだ全然潜ってないから……新鮮で、楽しいんっす! ほらほら、先行くっすよ!」 俺「おいおい、モンスターも無視してどうするんだって!」 女「誰も見たことのないところまで、俺さんと行きたいんっす!」 俺「最上階も運営のおっさんは吐くほど見てると思うぞ」 女「むぅ……なんでそう、水を差すこと言うんっすかね」
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107 :以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします[]:2019/10/29(火) 21:56:07.257 ID:gi9SQg0OpNIKU - 女「あのお化け……全然出ないっすね」
俺「そりゃレアモンスターだしな」 女「……むぅ」 俺「ひょっとして、また都合よくあの布が手に入らないかって思ってたのか?」 女「…………」 俺「そう簡単に手に入ったら、市場があの布で溢れかえってるぞ」 女「そりゃそうっすけど……あ! 外! 外みたいっすよ! ここが最上階……」 俺「中間地点だよ。反対回ったところに扉あるから、そこからまた階段を登るんだ」 女「景色! 景色を見てください! めっちゃ綺麗っすよ!」 俺「いや、俺、前も一回来たし……」 女「もっと! もっと上に行きましょう!」 俺「この先敵の攻撃力上がるから、下手したら即死だぞ……。ちょっと休んでから行こうぜ」
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108 :以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします[]:2019/10/29(火) 21:56:28.336 ID:gi9SQg0OpNIKU - 俺(女は……リアルを捨てたと言った。そしてそれを、俺にも強要するようなことも口にしていた)
俺(でも女は、こっちの世界でだって周囲からはコネで入ったクレクレちゃん扱いだ) 俺(バイトもかなり入れてるから、イン率だって他の人に比べて低い……。レベルキャップが解放される度に置いていかれ、装備やイベント情報にも疎い。純白の布を知ってたことが驚きだったくらいだ) 俺(だったら、こいつの言う世界ってなんなんだ?) 俺「すまないな……女、お前に謝らなくちゃいけないことが、いっぱいあるな……俺」 俺「俺……すげぇ情けないな」 女「そんな、気にしなくていいんっすよ俺さん!」 女「ウチは俺さんが傍にいてくれたら、それだけで満足っすから!」 俺「…………」 女「でも……気にしてくれているのなら、我が儘……言ってもいいっすか?」 俺「なんだ? なんでも言ってくれ」 女「……女騎士と離婚して、一緒にこのギルドをやめてほしいんっす」
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109 :以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします[]:2019/10/29(火) 21:56:40.967 ID:gi9SQg0OpNIKU - 俺「それ、は……」
GM『でも、重課金は麻薬だぜ? 現実に思い入れのないお前は、またいつか、同じことを繰り返す』 GM『人に囲まれたい……ちやほやされたい……機嫌を窺われたい……。いずれ気付くさ、もう俺にはこれしかないんだって、な』 俺(あのときは否定したのに……結局、俺はあんたの言う通りなんだな……) 俺「それは、できない……。これ以上男のような敵を作りたくないし、なにより……もう、皆を裏切りたくない」 女「じゃあ、じゃあ……女騎士と離婚してくれるだけでもいいんっす!」 女「あんな奴! 俺さんが課金してから、掌返したクズじゃないっすか! 俺さんも、むかつかないんっすか!」 俺「…………」 女「どうして……黙ってるんっすか?」 女「なんでもいってくれって言ったのに、何も聞いてくれないんっすね……」 俺「…………」 女「嫌なんっすよ! 俺さんは、ウチしか信じないって言ってくれたはずなのに!」 女「あいつが……女騎士が、デレデレと顔を赤くして横に突っ立ってるのが、嫌なんっす!」 女「結婚してるっていうのが! 二人だけのスキルがあるっていうのが! それがずっとステータスに表示されてるのが! 嫌で嫌で仕方ないんっす!」ガシガシ 俺「お、おい! 落ち着けよ!」 女「落ち着けるわけっ! ないじゃないっすか!」
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110 :以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします[]:2019/10/29(火) 21:58:28.243 ID:gi9SQg0OpNIKU - 女「離婚してくれないなら……全部、全部ばらします!」
俺「な、何を言ってるんだよおい!」 女「ウチが、ウチが課金分振り込んでたってばらします!」 女「知ってるんっすよ! 俺さんが、前回分の金額、誤魔化してウチに伝えてたの!」 俺「な!」 女「気付かない振りしてあげてたのに……ぞれなのに……こんな仕打ち、あんまりっす……」ガシガシ 俺「や、やめろって! それにほら、お前が言ったって誰も信じないかもしれないぞ? いや、白切るってつもりじゃないけど……そうなるかもしれないって……」 女「……通帳の履歴見たら、きっと皆、信じてくれるはずっす」 俺「…………」 女「えへ、えへへへ……どうするっすか? 女騎士と、別れてくれますよね? ね?」
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