- 胡桃「そーゆーのいーから愛の告白!」洋榎「あ……好きです……」
13 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2012/11/28(水) 00:00:52.69 ID:7/+yefPw0 -
洋榎「しっかし、さっきの授業見たでー!」 洋榎「めっちゃ言うやん」 洋榎「あいっかわらず注意とかしとるんやなー」 ケラケラ 胡桃「……」 洋榎「あれ?」 胡桃「……」 洋榎「も、もしかして、あんま言われんでほしかった?」 胡桃「……まあ、いい気分ではないかな」 胡桃「ていうか、茶化されていい気分になる人なんていないよね」 洋榎「す、すまん……そんなつもりじゃ……」 アセアセ 洋榎「ま、真面目で偉いやん思ったし……」 アセアセ 洋榎「ええと、だから……」 アセアセ 胡桃「……」 洋榎「……ごめん」 胡桃「……ん」
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- 胡桃「そーゆーのいーから愛の告白!」洋榎「あ……好きです……」
18 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2012/11/28(水) 00:14:37.35 ID:7/+yefPw0 - 洋榎「あ、そ、そや!」
洋榎「折角再開したし、お詫びっちゅーことで、飯奢るで!」 胡桃「えっ」 胡桃「いいよそこまでしなくても」 胡桃「もうパン買っちゃったし」 洋榎「明日の朝にでも食べたらええやん」 洋榎「ほら、こっちこっち」 胡桃「ちょ、ちょっと!」 胡桃(ああ、もう、なんでこう、大阪の人って強引なんだろう) 胡桃(ちょっと苦手かも!)
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- 胡桃「そーゆーのいーから愛の告白!」洋榎「あ……好きです……」
19 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2012/11/28(水) 00:17:32.81 ID:7/+yefPw0 -
洋榎「おーい」 洋榎「おっまたせー」 ヒラヒラ セーラ「おーう」 胡桃「あれ、この人って……」 セーラ「あれ? 会ったことあったっけ?」 胡桃「ううん、でも知ってる!」 胡桃「千里山で大活躍だった中堅の!」 胡桃「いつか当たるかも、と思ってチェックしてたんだよ!」 セーラ「お、てことは同期か!」 洋榎「え、待って、なんで直接対決したウチよりセーラの方を覚えとるん」
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- 胡桃「そーゆーのいーから愛の告白!」洋榎「あ……好きです……」
20 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2012/11/28(水) 00:21:52.36 ID:7/+yefPw0 -
セーラ「成績の差やでー」 ケラケラ 洋榎「なんでや! 学校単位でも個人でもあんま変わらんやろ!!」 胡桃「……単純に記憶から消したいプレイスタイルだったからかも」 洋榎「酷!!」 セーラ「はっはっは、自分おもろいなー」 セーラ「洋榎がおもろい知り合い見つけたっちゅーてたけど、ホンマやな!」 洋榎「せやろーさすがやろー」 胡桃(気持ち悪い!!)
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- 胡桃「そーゆーのいーから愛の告白!」洋榎「あ……好きです……」
29 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2012/11/28(水) 00:34:50.97 ID:7/+yefPw0 -
セーラ「そーいや自分、学部なんなん?」 胡桃「え?」 セーラ「いや、授業で見かけたことないし、違う学部なんかなって」 胡桃「法学部だけど……」 洋榎「おお、法の番人!」 セーラ「ルールの守護者!」 洋榎「秩序の調律者!」 セーラ「法曹界のファンタジスタ!」 洋榎「愛と平和と勇気の支配者!」 胡桃「意味よくわからずに言ってるでしょ」 洋榎「まあなー。でもかっこいいわー」 セーラ「ようわからんけどかっこいいわー」
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- 胡桃「そーゆーのいーから愛の告白!」洋榎「あ……好きです……」
31 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2012/11/28(水) 00:41:09.30 ID:7/+yefPw0 -
セーラ「げ、もうこんな時間やん」 洋榎「ああ、次授業?」 セーラ「あのおっさんの授業春も取っとったけど、毎回始業直後に出席取るからなあ」 胡桃「ふうん」 ジュース ズズー 洋榎「はっはっは、ウチはこの時間は空きやー」 洋榎「自分は?」 胡桃「私?」 胡桃「私も空きだけど……」 ズズー・・・ベコッ 洋榎「おお、ナイス!」 洋榎「ちょうど暇やってん。これで時間潰せるわ」 胡桃「まだ付き合うとは言ってないのに!」 洋榎「まあまあ、お菓子奢ったるから」 胡桃「……まあ、そこまで言うなら……」 胡桃(どうせ人の少ないベンチで音楽聞く予定しかなかったし、いっか)
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- 胡桃「そーゆーのいーから愛の告白!」洋榎「あ……好きです……」
33 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2012/11/28(水) 00:47:58.58 ID:7/+yefPw0 - 洋榎「んで、振り返ったら恭子がマンホールで犬神家になっとってな」 ゲラゲラ
胡桃「……よくもまあ、そんなに爆笑する話ばっかりで1時間近く潰せるね」 洋榎「大阪人やからな!」 洋榎「それに、まだ爆笑させられとらんし、ウチもまだまだやで」 胡桃「まあ、そこまで気分が乗ってないし……」 洋榎「うーん、あん時みたいに生き生きして喋ってほしいんやけどなあ」 洋榎「やっぱり岩手の仲良しさんがおらんのがあかんのやろうか」 胡桃「……まあ、否定はしないけど」 洋榎「ウチじゃ代わりになろうにも、身長とか足りへんしなー」 胡桃「胸も全然足りてないけどね」 洋榎「アンタには言われたない」
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- 胡桃「そーゆーのいーから愛の告白!」洋榎「あ……好きです……」
37 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2012/11/28(水) 00:57:35.61 ID:7/+yefPw0 -
洋榎「……そーいや、今晩開いてる?」 胡桃「へ?」 洋榎「いやん、デートのお・さ・そ・い」 はぁと 胡桃「気持ち悪い」 洋榎「躊躇0であっさりバッサリ!」 ガーン 洋榎「まあ冗談やけど」 胡桃「だと思った」 洋榎「あ、でも、今晩開いてたら遊んでほしいのはマジやで」 胡桃「へ?」 洋榎「再会を祝って、さっきのセーラと一緒にサンマでもしようや〜」
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- 胡桃「そーゆーのいーから愛の告白!」洋榎「あ……好きです……」
38 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2012/11/28(水) 01:00:50.04 ID:7/+yefPw0 -
胡桃「悪いけど、今日は先約があるから」 洋榎「ありゃ、そら残念」 洋榎「その約束相手入れて四人打ちとか」 胡桃「無理無理」 胡桃「御飯食べる約束だけだし、お互い明日1限だから長々夜を過ごすわけにもいかないし」 洋榎「あ、そいつもしかして同じ大学なん?」 洋榎「今呼んで紹介してや、友達増やしたいねん」 胡桃「うーん、今呼ぶのは無理かなあ」 胡桃「同じ大学だけど、別のキャンパスだし」 洋榎「あー……あの隔離キャンパス……てことは理系か……」 胡桃「うん。覚えてるか知らないけど、インターハイでウチの副将やってた塞って娘」 洋榎「ああ、あの怪盗キッドみたいなメガネの」 胡桃「他に何か言い方はなかったの……」 洋榎「アレ、なんて言うか知らんねん……」
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- 胡桃「そーゆーのいーから愛の告白!」洋榎「あ……好きです……」
42 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2012/11/28(水) 01:10:46.00 ID:7/+yefPw0 - 洋榎「あー授業の時間迫っとるー行きたくないー!」
胡桃「もう、まじめに出ないと!」 胡桃「学費がもったいないでしょ!」 洋榎「ふっふっふ」 洋榎「ウチ、麻雀特待で入ったから、入学金かかっとらんねん!」 胡桃「えっ」 洋榎「オカンもいきなりプロ行って失敗するよか大学行って経験詰めばって言うとったしな!」 洋榎「セーラと二人で殴りこみに来てん」 洋榎「どや、すごいやろ!!」 フフン 胡桃「ああ、それで、(そんなに頭悪そうなのに)この大学にも入れたんだ」 洋榎「あ、あっれー!? 思ってたんと違う感じの目線向けられてる!?」
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- 「咲-Saki-」総合スレ
871 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage]:2012/11/28(水) 01:14:23.37 ID:7/+yefPw0 - 麻雀はなあ
ルール覚えたあとでまた上手くなるのに壁があるから難しい 闘牌SSとか出来る気しねえわ
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- 胡桃「そーゆーのいーから愛の告白!」洋榎「あ……好きです……」
46 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2012/11/28(水) 01:18:08.23 ID:7/+yefPw0 -
胡桃「あれ、でも麻雀部なら、別に私とこんなところにいなくてもいいんじゃない?」 洋榎「へ?」 胡桃「部室行けばいいじゃん」 胡桃「メンツもすぐ集まるでしょ」 洋榎「……」 胡桃「……」 洋榎「……」 胡桃「……あ、あれ? 何か悪いこと言った?」
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- 胡桃「そーゆーのいーから愛の告白!」洋榎「あ……好きです……」
48 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2012/11/28(水) 01:21:56.97 ID:7/+yefPw0 -
洋榎「……いや、まあ、ハードルが上がりすぎてたっちゅーかなんちゅーか」 洋榎「姫松の大学版を求めたんが失敗だったっちゅーか」 洋榎「いやな、あんだけ変なのもおるとは思わへんやん」 洋榎「無駄に上下関係厳しい体育会系ノリで、イッキ強要とか定例コンパとかあるし」 洋榎「まあ、だから、その、なんや、ウチの肌には合わんなーって……」 胡桃「……え、もしかして辞めたの?」 洋榎「……夏の合宿にはちょろっと出たで!」 胡桃「ちょろっと?」 洋榎「色々アレな感じになったから抜けだして帰った」 胡桃「うわあ」
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- 胡桃「そーゆーのいーから愛の告白!」洋榎「あ……好きです……」
50 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2012/11/28(水) 01:27:44.16 ID:7/+yefPw0 -
胡桃「まあ、でもわかるかも」 胡桃「私も新歓で入るの辞めたクチだし」 洋榎「え、マジで?」 洋榎「自分どこおったん?」 洋榎「全ッ然気付かんかったわ」 胡桃「入り口近くのお座敷だったよーな」 洋榎「えー、わっからへんなあ」 洋榎「どんな先輩おったかとか覚えとるー?」 胡桃「覚えてないよさすがに」 洋榎「何でもええから覚えとらんの?」 洋榎「ほら、フランケンみたいな先輩がいたとか、顎の尖った先輩がいたとか……」 胡桃「そんな人いたら忘れたくても忘れられないよっ!」
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- 胡桃「そーゆーのいーから愛の告白!」洋榎「あ……好きです……」
55 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2012/11/28(水) 01:35:26.27 ID:7/+yefPw0 - 洋榎「まーじゃあわかるやろ、ウチらもその内フェードアウトやわ」
洋榎「何か色目がどーだの贔屓がどーだので面倒やしなあ」 胡桃「それは鬱陶しいねえ」 洋榎「文化部やったらサークル作り放題らしいけど、麻雀は色々難しいって聞いたから、どーしたもんかと」 胡桃「あ、聞いたんだ」 洋榎「まあな」 洋榎「セーラと新しい麻雀サークル作ろうしたけど、国民的競技のサークルがあんま好き勝手分裂するのはよくないんだと」 胡桃「あー」 洋榎「せやから、今ウチが麻雀打つには、自力で集まるしかないねん」 洋榎「恭子は頭ええから違う大学普通に行ってもうたし、由子は西を捨てて関東行ってもうたしなあ」 胡桃「……麻雀するのも楽じゃない、ねえ」 洋榎「ネット麻雀も楽しいけど、やっぱりウチはダベりながら生の牌を触りたいんや」 胡桃「トラッシュトークはごめんだけどね」 洋榎「まあそう言わんと」
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- 胡桃「そーゆーのいーから愛の告白!」洋榎「あ……好きです……」
59 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2012/11/28(水) 01:41:25.72 ID:7/+yefPw0 -
胡桃「あ、もう授業始まってる!!」 洋榎「うわ、話し込んでて気付かんかったな」 胡桃「ごめん、もう行くね!」 洋榎「おう、がんばってー」 ヒラヒラ 胡桃「いやそっちも授業でしょ!?」 洋榎「ウチはトイレいってからいくわ〜」 胡桃「のんき!」 洋榎「まあまあ」 胡桃「もう、知らないからね!」 胡桃「それじゃ! ごちそうさま!」 ドヒューン! 洋榎「がんばってや〜」 ヒラヒラ
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- 胡桃「そーゆーのいーから愛の告白!」洋榎「あ……好きです……」
61 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2012/11/28(水) 01:48:02.74 ID:7/+yefPw0 -
セーラ「あれ、入れ違い?」 洋榎「おかえりー」 セーラ「5限あるけど4限ないから暇やねんけど、二人共授業かあ」 洋榎「うーん、しゃあない、自主休講したるわ!」 セーラ「さすがに最初の授業は出といた方がええで」 セーラ「ケッコー課題出すかとか言ってくれるみたいやし」 洋榎「分かっちゃいるねんけどなあ」 セーラ「特に洋榎はサークル辞めるかもしれへんのやろー」 セーラ「過去問もらえなキツい言うでー」 洋榎「あーせやな……しゃーない、出るかあ」
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- 胡桃「そーゆーのいーから愛の告白!」洋榎「あ……好きです……」
62 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2012/11/28(水) 01:55:00.72 ID:7/+yefPw0 - 洋榎「しっかし世知辛い世の中やなあ、サークル入っとらんと人脈作るんも一苦労とは」
セーラ「有名人すぎて声かけてもらえへんパターンの奴やしなあ。しかも洋榎のノリはドン引かれたらおしまいやし」 ケラケラ 洋榎「めげるわーマジめげまくるわー」 セーラ「大学は人脈作るもんやからしっかりって船Qも言うとったんやけどねぇ」 洋榎「まあ、麻雀野郎以外との人脈広がるかもって思うと、これもありっちゃありかもしれんやん?」 セーラ「そんな人脈出来てへんけどな!」 洋榎「ま、とりあえず久々会ったアイツとはこっから仲良うなりたいところやな」 セーラ「はは、そうやな」 セーラ「……ところでさっきのあの娘、名前何て言うん?」 洋榎「え?」 セーラ「え?」 洋榎「……」 セーラ「……まさか……」 洋榎「な、なんやったっけなあ」 セーラ「おぅふ……」
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- 胡桃「そーゆーのいーから愛の告白!」洋榎「あ……好きです……」
65 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2012/11/28(水) 02:05:17.36 ID:7/+yefPw0 -
その晩、塞と食事をとりながら、再会したことを話した。 それで、暗かった大学生活に、色が付き始める。 塞「へえ、いいじゃん。あの愛宕さんと打てるなら、私も打ちたい」 胡桃「あ、興味示すんだ」 塞「まあね」 塞「理系キャンパスなのもあって、皆デジタル一辺倒だし」 塞「たまには勢いとか流れとか、そーいう非科学的な麻雀に溺れたいわ」 胡桃「麻雀出来てるだけ幸せじゃないかなあ」 塞「まーね」 塞「ちょっと遠いけど、私もそっち遊びに行こうかなあ」 胡桃「え?」 塞「私木曜日授業1限だけだし、午後からなら行けるかも」 胡桃「うーん……」 胡桃「ただ私メアドとか聞いてないから、また次いつ会うかわからないよ?」 胡桃(見つけても声かけるかわからないし、声かけられるかもわからないし)
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- 胡桃「そーゆーのいーから愛の告白!」洋榎「あ……好きです……」
72 :>>68 大学系ってわかるスレタイが浮かばなかったんや、悪いな[]:2012/11/28(水) 02:17:06.59 ID:7/+yefPw0 - そんなことを思って、一週間。
今日もパンを買おうかと思って購買に行くと、貴女は居た。 洋榎「おーい、いいんちょ」 胡桃「……誰?」 洋榎「それはいいんちょって呼称についてであって、ウチに対する言葉じゃないよな!?」 セーラ「いやー、自分の名前思い出されへんかってん」 セーラ「せやから、とりあえず委員長っぽいからそう呼んどくかーってこの前なってな!」 洋榎「五月蝿いクラスメートを一喝するトコなんてまさにいいんちょって感じやったで!」 セーラ「見た目的に小学校の学級委員長やな!」 胡桃「うるさいそこ!!」 洋榎「きゃーいいんちょが怒ったー!」 セーラ「帰りの会で怒られてまうー!」 胡桃「もう! 公衆の面前ではしゃがないの!」 洋榎「はーい」
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- 胡桃「そーゆーのいーから愛の告白!」洋榎「あ……好きです……」
74 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2012/11/28(水) 02:29:20.94 ID:7/+yefPw0 -
胡桃「……結局このメンツで御飯なんだ」 洋榎「まあええやん、互いに一人は寂しいやろ」 胡桃「セーラさん?がいるじゃん」 セーラ「セーラでええよ」 洋榎「ウチは洋榎でええで!」 洋榎「もしくは気さくに浪速の美少女とでも呼んでや」 胡桃「んじゃあ改めてよろしく、セーラ、埴輪の微症状」 洋榎「なんでや!」
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- 胡桃「そーゆーのいーから愛の告白!」洋榎「あ……好きです……」
75 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2012/11/28(水) 02:32:58.68 ID:7/+yefPw0 -
胡桃「とにかく……セーラいるなら、ぼっちじゃないじゃん」 洋榎「ああ、いや、セーラはそろそろサークルにも顔出さなアカンやろうし」 胡桃「あ、セーラは普通に麻雀サークル入ってるんだ?」 セーラ「ま、体育会ノリが嫌いってわけじゃないしな!」 洋榎「ちゅーわけで、この時間は、ウチに付き合ってもらうでー!」 胡桃「あー、もうっ」 胡桃「そのかわり、ジュースくらいおごってよねっ」 洋榎「任せとけー」 洋榎「実家ぐらし特待生の裕福さを見せたるわ!」 胡桃(気持ち悪い!!)
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- 胡桃「そーゆーのいーから愛の告白!」洋榎「あ……好きです……」
78 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2012/11/28(水) 02:39:55.39 ID:7/+yefPw0 -
そんなこんなで、なぁなぁの内に、週に一度は一緒にお昼をするようになった。 別に断る理由はないし、それに――今だから認められるけど、すごく嬉しかったから。 毎週の楽しみになってきて、距離はどんどん縮まっていった。 もっとも、私にとっての貴女ほど、貴女にとっての私は大きな存在ではなかったのだろうと思うけど。 実際、貴女が私やセーラ以外の知らない人と談笑するのを何度か目撃している。 きっと貴女にとって、私は『大勢の仲間』の一人なのだろう。 それでも貴女と一緒にいるのは楽しくて。 明確に約束したわけでもないのに、毎週馬鹿みたいに律儀に会って。 そして、その短い時間だけの関係が終わりを迎える。 洋榎「なあ、来月、時間あわせて皆で麻雀でもせぇへん?」 貴女の言葉で、ただの昼休み一緒に食べる程度の仲から、プライベートで遊ぶ仲にまで発展した。 断る理由も見つからなくて、結局二つ返事でオーケーし、そして貴女のメールアドレスを手に入れた。
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- 胡桃「そーゆーのいーから愛の告白!」洋榎「あ……好きです……」
88 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2012/11/28(水) 02:55:54.72 ID:7/+yefPw0 - 洋榎「どーもー」
塞「どうも、臼沢塞です」 セーラ「セーラやでー!」 洋榎「ウチのことは、いいんちょと全国でやっとるとこ見て知ってくれとるよな?」 洋榎「大阪の女神こと愛宕洋榎とはうちのことやで!」 胡桃「ごめんねこの人ちょっと頭おかしくて」 洋榎「ツッコミに1ミリも愛がないッ!」 塞「ていうか、委員長って?」 セーラ「あだ名みたいなもんやなー」 洋榎「ウチとセーラの間じゃそれが定着してもうてなあ」 塞「何でまた……」 胡桃「気にしないで、この人も1日に5分くらいはまともな時間があるんだけど」 洋榎「そこまで頭おかしないからね!?」
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- 胡桃「そーゆーのいーから愛の告白!」洋榎「あ……好きです……」
95 :【悲報】眠い。寝落ちたらすまんな。[]:2012/11/28(水) 03:09:53.01 ID:7/+yefPw0 -
塞「それで、今日はどこで打つんです?」 洋榎「え?」 セーラ「ん?」 塞「え?」 洋榎「……」 セーラ「……」 塞「え、まさか決まってないんじゃ……」 洋榎「そんなん決まってるわけないやん」 セーラ「テキトーテキトー」 胡桃「うわあ、無計画でダメな大人だ!」 洋榎「あ、じゃあ、いいんちょの家とかええんちゃう」 胡桃「!?」
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- 胡桃「そーゆーのいーから愛の告白!」洋榎「あ……好きです……」
102 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2012/11/28(水) 03:24:56.18 ID:7/+yefPw0 -
胡桃「掃除してないし!」 セーラ「気にせん気にせん」 洋榎「そうそう。茶だけ出してくれたらそれでええもん」 セーラ「お茶菓子は買ってくでー!」 胡桃「……まあ、メルティキッス買ってくれるなら」 洋榎「よっしゃ、こうたるわ!」 塞「……雀荘じゃダメなの?」 洋榎「……実は入ったことないからようわからんねん」 セーラ「部室でいつでも打てただけになあ」 洋榎「雀荘って未成年入れるん?」 塞「ああ、うん、確かに無知な人間ばかりで入るのはちょっと怖いかもね」 洋榎「自分らも、岩手に雀荘なんてないやろうし、ようわからんのと違う?」 塞「メルティキッスで鼻の穴塞いでやろうかしら」
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- 胡桃「そーゆーのいーから愛の告白!」洋榎「あ……好きです……」
104 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2012/11/28(水) 03:27:22.50 ID:7/+yefPw0 -
胡桃「……勢いで我が家の前まで来たけど……」 セーラ「おー、なかなかの学生マンションっぷりやな」 洋榎「廊下長いなーミニ四駆走らせたなるわ」 胡桃「ホントに連れてきてよかったのかな……」 塞「ま、まあ、暴れそうなら止めるの手伝うわよ」 胡桃「あ、ちょっと片付けてくるから、ここで待ってて!」 洋榎「そんなん気にせんのに」 胡桃「いいから!!!」 セーラ「はーい」 塞「ちゃんと突撃しないようにこの人見とくから安心して」 胡桃「任せたよっ」 洋榎「えっウチだけピンポイント指名で見張られるん!?」
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- 胡桃「そーゆーのいーから愛の告白!」洋榎「あ……好きです……」
105 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2012/11/28(水) 03:29:43.86 ID:7/+yefPw0 -
胡桃「どうぞー」 セーラ「ダチガクルデー」 タッタカター 洋榎「ヒャッハー一人暮らしのお部屋拝見や!」 タッタカター 胡桃「全力疾走!?」 塞「おお、相変わらず片付いてる」 胡桃「そんなことないよ」 胡桃「昨日のやりかけの勉強道具が出しっぱなしだったし」 洋榎「うへえ……」 洋榎「何か暴れるのが申し訳なくなるレベルの真面目っぷりやな」 胡桃「いや暴れないでってば」
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- 胡桃「そーゆーのいーから愛の告白!」洋榎「あ……好きです……」
108 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2012/11/28(水) 03:31:49.01 ID:7/+yefPw0 - 洋榎「とりあえずやっとくか!」
セーラ「おう!」 胡桃「?」 洋榎「エロ本ないかなー」 胡桃「ないから! 引き出しあけないで!!」 塞「それは男同士でやるイベントなんじゃ……」 洋榎「買ってきたろうか?」 セーラ「せやなあ、いいんちょのナリじゃ売ってもらえへんやろうしなあ」 胡桃「し、失礼な!!」 胡桃「年齢確認書類を出せば売ってもらえるよ!」 洋榎「……」 セーラ「……」 塞「……」 洋榎「何で知って……」 胡桃「…………っ///!」 カオボンッ
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- 胡桃「そーゆーのいーから愛の告白!」洋榎「あ……好きです……」
111 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2012/11/28(水) 03:37:11.03 ID:7/+yefPw0 -
セーラ「がーっ、2着かー!」 洋榎「敗北を知りたいわー!」 ケラケラ 胡桃「これに負けたってのが屈辱っ!」 塞「結局このメンツでもあんまりオカルトいないんだなあ……」 洋榎「そういえば……自分ら、金は賭けるん?」 セーラ「サークルじゃ、結構賭けとる先輩おるけど」 塞「一応私たちのは競技麻雀だし、賭けは遠慮したいかなあ」 胡桃「私も」 洋榎「おっけ」 洋榎「ほな、賭けるのは衣服の脱衣麻雀やな」 胡桃「!?」 塞「!?」
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- 胡桃「そーゆーのいーから愛の告白!」洋榎「あ……好きです……」
117 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2012/11/28(水) 03:43:08.93 ID:7/+yefPw0 -
そして、明け方。 塞「何……やってんだろうね、私達……」 気付けば全員素っ裸で、途中から深夜テンションに任せて何もかもが有耶無耶なまま決まった追加ルールで一発芸などもし、 クタクタな身体で眠気と戦っていた。 洋榎「やめよか、セーラ寝とるし」 否。もう一人不戦敗していた。 いびきかいて寝てやがる。 胡桃「全裸で寝ないで服は着てよ……」 洋榎「お布団イエーーーーイ!」 胡桃「だから全裸はやめ……生股間を掛け布団に押し付けないでえええええ!!!」
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- 胡桃「そーゆーのいーから愛の告白!」洋榎「あ……好きです……」
125 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2012/11/28(水) 03:48:50.62 ID:7/+yefPw0 -
気付けば、隔週くらいで集まって麻雀を打つようになっていて。 基本的に当日いきなり言われる、ということが多かった。 バイトをしておらず、国への借金でカツカツな生活をしている身としては、不定期な食料品の差し入れという名の場所代がありがたくて、 ついつい部屋にあげてしまうのであった。 胡桃「とまあ、こんな感じかなあ」 豊音「ちょー楽しそうだよー!」 1回生の頃の年末。 実家に帰省し、のんびりと過ごした。 主に、豊根と過ごしたように思う。 塞もよく遊んだが、塞は大阪でもちょくちょくと会ってるし。 相変わらずシロはだるそうであまり会えず、エイちゃんにいたっては、年末年始をニュージーランドの実家で過ごすようだった。
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- 胡桃「そーゆーのいーから愛の告白!」洋榎「あ……好きです……」
131 :誤字も出てきたし、キリいい所で一旦睡眠休憩入れるわ[]:2012/11/28(水) 03:58:15.07 ID:7/+yefPw0 - 帰省が終わると、試験が来る。
さすがの貴女も、試験期間中には強引な自宅麻雀を勧めてこなかった。 洋榎「へえ、そんなに実家帰ってたん?」 それでも、食堂で共に勉強している合間に、雑談くらいはしていた。 例えば、年末年始に何してたかという話題。 そこから岩手の話になり、宮守の話になることもあった。 逆に、姫松や千里山の人の話になることもある。 知らない相手ではないけど、知っていると言うほどではない。 そんな不思議な人達の話を聞くのは、正直嫌いではなかった。 だけど、そういう話をしていると、皆頑張っているんだなと思わされて。 焦りが生まれ、もっと大学生として色々せねばと思わされた。
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- 胡桃「そーゆーのいーから愛の告白!」洋榎「あ……好きです……」
134 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2012/11/28(水) 04:03:29.52 ID:7/+yefPw0 -
洋榎「ウチな、思ってん。人生麻雀だけやないって」 胡桃「悪いものでも食べた?」 洋榎「正気や!」 貴女が突然そんなことを言い出したのも、そういった焦りが原因だったのかもしれない。 兎にも角にも、麻雀バカであった貴女が、そんなことを言い始めた。 洋榎「そらウチは麻雀が大好きやし、上手い。将来プロ間違いなしや」 塞「躊躇0でそれを自ら言えるってすごいわ…・・尊敬はしないけど」 洋榎「でも、それだけじゃないと思うねん。ほら、プロ野球選手だって、野球が好きなのは当然として、他にも趣味持ってたりするやん」 塞「ああ、ラジコンとか釣りとか?」 洋榎「そうそう、そんなんや」 洋榎「そういう“他の趣味”もある方が、メリハリで来ていい気がするしな!」 洋榎「そんなわけで、折角の大学生活、いろんなことにチャレンジしてくでー!」 貴女は、そんなことを言っていた。 本気で何でもかんでも始めるだなんて、この時はまだ、信じてなかったはずである。
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- 胡桃「そーゆーのいーから愛の告白!」洋榎「あ……好きです……」
137 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2012/11/28(水) 04:13:39.02 ID:7/+yefPw0 - それは、なんだかんだ実現可能性を度外視してやりたいことを適当に挙げた後のことだった。
洋榎「そーいや長々実家帰っとったっちゅーけど、自分、バイトはせーへんの?」 唐突な話題変更。貴女にはよくあることなので、普通に答えた。 胡桃「そうだねー。岩手に帰ってもあんまりやることなかったし、今年はやるよ」 塞「私も。さすがに奨学金だけじゃ厳しくなってきたし」 それから、また、無茶なボケが飛び交うバイトトークになった。 『○○をしてみたい、楽しみたい』 冗談の中においても、その気持だけは冗談でない本気のものだ。 大分遅れて始まった“楽しい大学生活”の一部として、 まだ見ぬ世界を満喫したいと思っていた。 それこそが、大学生活なのだろうと思っていたので。
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141 :すまんな、1回生編終わりで一旦寝る。こっから巻予定だから、保守してくれるとありがたい[]:2012/11/28(水) 04:21:40.09 ID:7/+yefPw0 - 胡桃「でも、何でもいいかな。経験って大事だし」
塞「だね。それに、楽しそうだしね、どの仕事も」 セーラ「せやなあ。あとはコネがあればなあ。仕事したいけど探すのだるいわー」 洋榎「ああ、それやったら……」 ふと、思い出したように貴女が言った。 洋榎「いいバイト、あるで。時給いいし、色々楽しそうだし、しかも未知の仕事やで!」 胡桃「……詳しく聞いていいかな」 そして、生まれて初めてのバイト先が決まりそうになり、 学内でも学外でも、固定メンバーになりつつあるとはいえ遊ぶことに慣れてきた頃、 私達は、2回生へと進級した。
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178 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2012/11/28(水) 12:02:47.33 ID:7/+yefPw0 - 再開します
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183 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2012/11/28(水) 12:07:15.25 ID:7/+yefPw0 - 胡桃「それで、バイトの話は?」
2回生になって。 集まる頻度は、ちょっとだけ増えていた。 相変わらず学部が違うから授業は一人だったけど、 “空きの時間”を合わせることで、 短い時間ながら、よく一緒にいるようになった。 洋榎「あー、それな」 貴女が挙げた住所。 ちょっとだけ、この学校からも、そして私の下宿先からも遠かった。 洋榎「通えそうか?」 胡桃「うーん、私はなんとかいけそう」 胡桃「でも塞はちょっと遠すぎるかも」 洋榎「まあ、それでもええねん。どうせ一人募集するだけの予定やったし」
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- 胡桃「そーゆーのいーから愛の告白!」洋榎「あ……好きです……」
187 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2012/11/28(水) 12:12:48.84 ID:7/+yefPw0 -
胡桃「それで、仕事の内容は?」 洋榎「カテキョーや。どや、大学生らしいやろ」 胡桃「あー……まあ、確かにそうだけど……」 洋榎「いいんちょ、頭いいしウチやセーラとちごうてちゃんとやれそうやん」 胡桃「うーん、でも、家庭教師って生徒との相性っていうよ?」 洋榎「それなら大丈夫やろ」 洋榎「恭子にどやされなれた漫はきっとドMやし、いいんちょとも相性良さそうや」 胡桃「ドMって……」 胡桃「ていうか、その名前、確か……」 洋榎「そ、ウチと同じ姫松代表でインハイ出てた奴や」 胡桃「あれ、でも、一個下じゃなかったっけ?」 洋榎「そうそう」 洋榎「いやー、この前見事に浪人決まったらしくてなー」 ケラケラ 洋榎「めっさ凹んでるし、教えたってや」 胡桃「思った以上にハードな生徒押し付けられた!!」
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188 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2012/11/28(水) 12:15:34.30 ID:7/+yefPw0 -
洋榎「いやー、漫ちゃんいい点数のときとそれ以外でめっさ差があるし」 洋榎「なんとかしたってや〜」 胡桃「そりゃ、なんとかはしたいけど……」 胡桃「そこまで切羽詰まってるなら、プロの家庭教師に頼んだ方がいいんじゃ……」 洋榎「ええねん、どうせどこ頼んでもバイトの大学生が来るんやし」 洋榎「ウチらに直に頼めばマージンない分いいんちょの懐にたくさん入るし漫は安い支払いで済むしWIN−WINやろ」 胡桃「まあ、そうだけど」 洋榎「頼むって、アイツこの大学とかその周辺のレベルのとこ目指しとるし」 洋榎「一般入試でキッチリ志望学部に入ったいいんちょが適任やねん」 胡桃「しょうがないなあ……」 胡桃「でも絶対受からせられるって保証はないからねっ」 洋榎「おお、おおきにー!」
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- 胡桃「そーゆーのいーから愛の告白!」洋榎「あ……好きです……」
190 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2012/11/28(水) 12:18:47.16 ID:7/+yefPw0 -
胡桃「でも浪人かあ」 胡桃「大変だよね、浪人すると」 洋榎「まーなぁ」 洋榎「1年間実質無職やからなぁ」 洋榎「ウチなら絶対無理やわ」 洋榎「予備校とかガッツリ通うと金めっさかかるらしいし」 洋榎「予備校通わないと集中力持たない奴も多いやろうし」 洋榎「浪人して成績落ちる奴までおる言うしなぁ」 洋榎「イバラの道やと思うで」 洋榎「それに多分就職だって――」 哩「…………」 胡桃「後輩を心配していっぱい言ってるんだろうけどそこまで!」 胡桃「哩ちゃんがすごい気落ちした顔してるから!」
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- 胡桃「そーゆーのいーから愛の告白!」洋榎「あ……好きです……」
195 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2012/11/28(水) 12:25:38.89 ID:7/+yefPw0 -
セーラがサークルにも頻繁に顔を出すようになって、二人で駄弁ることが増えた。 最初は学校で駄弁ってたけど、だんだんと場所の確保が困難になり、 たまり場を探すようになった。 そこで、塞に聞いたのだ。 私の家に遊びに来るついでに、よくよるいい雰囲気の喫茶店はないか、と。 もしくはご飯の食べられる店。 塞は大学生になって、『大学生らしい趣味』としていい雰囲気の喫茶店で読書するようになったらしい。 確かに、ちょっとだけ絵になる。 あのメガネをかけてる姿を想像すると、限りなく老紳士な気もするけど。 ……兎にも角にも、塞からこの店を紹介された。 お洒落で落ち着いた店ではないけど、大きな声で騒いでもいい雰囲気で、 ご飯が美味しくて、何より雀卓が置いてあるということで。
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- 胡桃「そーゆーのいーから愛の告白!」洋榎「あ……好きです……」
197 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2012/11/28(水) 12:32:06.97 ID:7/+yefPw0 -
洋榎「ああ、そっか、バイトは浪人しながらここで働いとったんやっけ」 哩ちゃんは、そこで働いていた。 新道寺で活躍していたのもあって、すぐに分かった。 どうやら塞は常連としてよく話をしていたらしく、 塞の紹介と言った所、色々サービスをしてくれた。 見習いということもあって、よく深夜に無理を言って開けてもらい、 哩ちゃんの実験作を食べさせてもらったりもしている。 それを許してくれる気のいい店長さんにも感謝しっぱなしだ。 哩「……気にしとらん。別に」 哩ちゃんは、浪人をしている。 西の最高学府でなんとか細胞の研究を後輩と一緒にしたいとかで、 滑り止めで受かった大学(ちなみに私の通う大学より偏差値の高い所だ)を蹴って、 浪人する道を選んだ。
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- 胡桃「そーゆーのいーから愛の告白!」洋榎「あ……好きです……」
199 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2012/11/28(水) 12:38:28.03 ID:7/+yefPw0 -
洋榎「まあでもこれで、愛しの後輩と4年間一緒やん」 哩ちゃんは、割りとカッコつけしいだった。 試験の手応えがあったために後輩に余裕を見せつけていた結果、 落ちたことを言うタイミングを逃し、結局浪人してるとカミングアウト出来ぬまま関西に来たんだとか。 そしてここで働いた金で食いつなぎながら勉強し、 合格した後輩相手に「実は一緒の学年で入りたくて浪人していたんだ!」とサプライズすることにしたのだ。 馬鹿みたい! だけど、今は、そーいう馬鹿さは嫌いではなくなっている。 胡桃「その、後輩ちゃんは受かったの?」 哩「ああ。後輩は、しっかり受かっちょった」 洋榎「へえ、よかったやん。おめでとう!」 胡桃「……ちょっと待って」 胡桃「後輩“は”!?」 哩「…………」 ズーン
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204 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2012/11/28(水) 12:43:33.56 ID:7/+yefPw0 - 哩「……やはり……センター試験を8割で縛ったのがアカンかったんか……」
哩「いや、でも、あんなミスさえしなければ……」 よくわからないけど、哩ちゃんはジンクスを持っているらしい。 2次の点数の半分換算にされるし、ちょうどいいとか何とか言って、 『○○点以上センターで取れたら二次もそのくらい取れる』 みたいな想いで挑んでいたのだとか。 洋榎「え? 二浪? マジ? 二浪なん?w」 哩「笑いこらえきれとらんで」 どうやら、哩ちゃんは、またも大学生になれなかったらしい。 すっかり似非関西弁に染まりつつあるけど、 本格的な関西弁使いになる前に、大学生になれるといいね……
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208 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2012/11/28(水) 12:53:21.22 ID:7/+yefPw0 -
洋榎「もう料理人でもなったらええんちゃう?w」 哩「料理人はそないに簡単じゃないばい」 胡桃「でも哩ちゃんの作ってくれる料理どれも美味しいよー」 哩「どれもこれもレシピがあれば素人でも簡単に作れるものばかりばい、その程度じゃ……」 哩「アイツの好きなスイーツも、まだ全然作れんし」 哩ちゃんが料理の勉強に熱心なのは、 後輩とルームシェアする予定だったからだとか。 料理くらい出来ないとな、と真面目に勉強していたのを思い出す。 ……料理本じゃなくて参考書読むべきだったんじゃないかなあ、とはさすがに言えない。 胡桃「でも、すっごく上手になったよね」 洋榎「最初の頃は、フッツーって感じの味やったしなあ」 哩「まあ、出してないものには、えげつないものもあったが」 胡桃「え、そうなんだ」 洋榎「むしろちょっとそれが気になるわ」
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210 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2012/11/28(水) 12:56:33.59 ID:7/+yefPw0 - 洋榎「そーいや、カミングアウトはすませたん?」
哩「な、なんのだ?」 哩「私はどこにでもいる普通のストレーt」 洋榎「いやそういう性癖のことでなくて」 胡桃「実は浪人でしたってこと!」 胡桃「同棲はもう始めてるんだよね?」 哩「まあな……」 哩「ところで……そのコーヒー、私の奢りでいい豆を使ったんだが……」 胡桃「!?」 洋榎「おま……まさか……」 哩「一緒に、何て言えばいいか、考えてもらおうかなと」 洋榎「マジかお前」
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- 胡桃「そーゆーのいーから愛の告白!」洋榎「あ……好きです……」
212 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2012/11/28(水) 13:07:31.54 ID:7/+yefPw0 -
結局、一人一案考えさせられることになった。 胡桃「どうしようね」 洋榎「何が?」 胡桃「哩ちゃんの」 洋榎「まあなんとかなるやろ」 洋榎「それより今は、目の前に集中や!」 胡桃「あ、うん……」 セーラ「バスガクルデー!」 2回生になると、サークルから声をかけられる側ではなくなる。 そのほとんどが、声をかける側に回る。 麻雀サークルに属するセーラは勿論、何故か私達も、チラシを手に中庭付近に陣取っていた。
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- 胡桃「そーゆーのいーから愛の告白!」洋榎「あ……好きです……」
214 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2012/11/28(水) 13:10:20.92 ID:7/+yefPw0 -
洋榎「サークルがないなら作ればええねん」 以前そんなことを抜かしていたが、まさか本気だったとは。 洋榎「麻雀以外で何するのか未定やけど、まあ、何とかなるやろ!」 胡桃「サークル名は?」 洋榎「今度考える!!」 胡桃「それでよく集るなんて思えたね!」 洋榎「しゃあないやろ、予定じゃスズ入れて5人ーはい人数集まりましたイエーイするつもりやってん」 洋榎「なんもかんも浪人が悪い」 胡桃(ひどい) 洋榎「とにかく勧誘や!」 胡桃「ええー……」
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- 胡桃「そーゆーのいーから愛の告白!」洋榎「あ……好きです……」
215 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2012/11/28(水) 13:16:46.06 ID:7/+yefPw0 -
塞「で、宗教か何かと勘違いされて警告されたと」 胡桃「ばっかじゃないの!」 洋榎「はい、すんません……」 塞「人がわざわざ電車使って様子見に来てあげたってーのに……」 洋榎「猛省しております……」 セーラ「でもこうなったら知り合い入れるしかないなー」 アハハ 洋榎「なあ、セーラのダチで、兼部してくれそうなんおらんの?」 セーラ「おらんなあ。そんな先輩に目え付けられかねへん真似、普通はせんで」 洋榎「ウチも、最近連絡とってない奴ばっかやしなあ」 塞「いきなりサークル入れなんて電話してもそれこそ宗教疑惑ね」 洋榎「うーん、知り合い、知り合い……」 洋榎「ん?」 胡桃「どうかしたの?」 洋榎「今の――――」 ダッ 胡桃「え、ちょ、どこ行くの!」
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