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◆gzM5cp9IaQ
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
>>427 タクのセリフの回想、わかりづらくてスマン
忍法帖【Lv=40,xxxPT】(1+0:15)
岡部「ギガロマニアックス?」
今、告白してきた
絆 創 膏 を 持 ち 歩 い て い る ブ ス
コンビニに入ったら無意識に見てしまうもの
MH3G雑談
フリーターはどんな車を買ってればいいの?
映画レオンは名作なの?
明日ダイの大冒険ブックオフ行って全巻買ってくる
粉末に「っ!」を付けると元気で可愛く見える
日本人ってもし戦争になって徴兵されたらなんだかんだ言って

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岡部「ギガロマニアックス?」
264 : ◆gzM5cp9IaQ []:2012/11/05(月) 00:01:29.31 ID:Y2G2ggV60
Chapter 6 『禁書目録内のフェニックス』



岡部「日記のような形式になっているようだな……」


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2009年 6月

野呂瀬玄一という男が接触してきた。
どうやら俺はギガロマニアックスとかいう能力者らしい。
長年不思議に思っていたが、妄想を現実にする能力を持っているだとか。
人の心を読めるのも、そのおかげらしい。

剣の名前もディソードだと判明。
ネーミングセンス?である。
鳳凰院凶真の持つ魔剣の名は、ミストルティンと決まっているのだから。

話はずれたが、野呂瀬はギガロマニアックスのコードサンプルとやらを集めているらしい。
協力してやっても良かったが、丁重にお断りした。

プロジェクトノア?
人々の思考を支配だと?

笑わせるな。
世界の支配構造を塗り替えるのはこの狂気のマッドサイエンティスト、鳳凰院凶真の役目である。

故に、奴の野望を打ち砕く崇高なる記録をここに記していく。
岡部「ギガロマニアックス?」
266 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2012/11/05(月) 00:06:12.43 ID:Y2G2ggV60
ネーミングセンス?である。



ネーミングセンス×である。


っす、さーせん
岡部「ギガロマニアックス?」
268 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2012/11/05(月) 00:09:58.97 ID:Y2G2ggV60
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2009年 7月

野呂瀬がしつこい。

というか脅された。
どうしてもギガロマニアックスのコードサンプルを集める必要があるという。
話によると、素質がある者を拷問し、覚醒させてサンプルを取る手法も行なっているらしい。
ファンタズムのボーカル、FESも野呂瀬に拷問されて覚醒したようだ。
もしその話が本当だとしたら非常にまずい。
俺は覚醒済みだからいいが……。

あいつは……。

俺は仕方なく奴に協力を申し出た。
今、告白してきた
9 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2012/11/05(月) 00:12:17.35 ID:Y2G2ggV60
ロマンティックが
絆 創 膏 を 持 ち 歩 い て い る ブ ス
10 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2012/11/05(月) 00:13:49.81 ID:Y2G2ggV60
いいやつ
岡部「ギガロマニアックス?」
270 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2012/11/05(月) 00:14:21.05 ID:Y2G2ggV60
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2009年 8月

野呂瀬に計画の概要を聞く。

プロジェクトノア……ノアUという人工のギガロマニアックスの装置を使い人々の思考を支配する計画。
それにより人々は攻撃性を失い、争うこともなくなるという。
だがそれは所詮作られた平和。まやかしだ。
俺は奴の野望を黙って見過ごす訳にはいかない。

なぜなら!
世界の支配構造の変革はこの鳳凰院凶真こそが担うべきだからだ。

だが正直奴の力は強大である。
畏怖を覚えざるを得ない。
正直、俺など足元にも及ばないほどのギガロマニアックスのようだ。

奴の計画を打ち砕くには慎重に事を運ばなくてはならない。
故に、ダルと共に、奴の会社である希テクノロジーを調べることから始める。

決して逃げてるわけではない。
別のアプローチから攻めるのも、立派な作戦である。

俺をナメたことを後悔するのだな野呂瀬玄一!
岡部「ギガロマニアックス?」
272 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2012/11/05(月) 00:17:56.51 ID:Y2G2ggV60
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2009年 9月

どうやら希テクノロジーには色々と黒いつながりがあるようだ。
正直、自分がとんでもないことに足を突っ込んでいるような気がしてならない。

天成神光会の教主。
明和党の議員。
大企業の名前もある。

さすが希グループのトップ。

ダルに頼んで、強固なセキュリティを組んでもらおう。
岡部「ギガロマニアックス?」
273 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2012/11/05(月) 00:20:25.13 ID:Y2G2ggV60
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2009年 10月

世間ではニュージェネ事件がお茶の間を賑わせている。
ダルの調べによると、一連の事件は、とあるギガロマニアックスを覚醒させるために起こしているらしい。
そいつのコードサンプルが手に入ればノアUは完璧に近い形になるという話だ。

たったそれだけのために猟奇殺人を何件も起こしてまわるとは。
プロジェクトノア……恐ろしい計画だ。
岡部「ギガロマニアックス?」
279 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2012/11/05(月) 00:24:22.61 ID:Y2G2ggV60
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2009年 11月1日

まゆりと一緒にゲロカエルんを買いに渋谷へ。
正直渋谷には行きたくなかったのだが、無理やり付き合わされた。
一人で行かれて、野呂瀬に捕まっても困るしな。
途中スニーキングフェードアウトが発動し、まゆりを見失う。

探していると、ディソードを振り回している女がいた。
非常に危なっかしい。
名を蒼井セナという。

奴らのエージェントかと思ったがどうやら違うらしい。
だが油断は禁物なので、俺がギガロマニアックスだということは伏せておく。
ごまかしたら、膝の裏に蹴りを食らって股間を踏んづけられた。
あのクソアマ……。
岡部「ギガロマニアックス?」
283 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2012/11/05(月) 00:28:23.77 ID:Y2G2ggV60
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2009年 11月3日


雷ネットの大会に出たら、決勝で思わぬ苦戦を強いられた。
どうやら俺の心理を読んでいたようだが……。
もしかしてあの女もギガロマニアックスか?

が、そんな気配はなかったように思える。
結局奴がギガロマニアックスなのかはわからずじまいだった。
訳の分からない設定ではぐらかされまくった。

にしてもフェイリスという女……。
どこか俺と似た波動を感じる。

だが俺と奴との決定的な違いは──

俺が話すことは常に真実であり──
奴のは自分を悟らせないための嘘だということだ、フハハハ。
岡部「ギガロマニアックス?」
288 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2012/11/05(月) 00:32:14.65 ID:Y2G2ggV60
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2009年 11月7日

信じられない。
渋谷が崩壊してしまった。

だがノアUは破壊され、野呂瀬も死んだようだ。
その他の首謀者もほとんど死亡。

これで俺の長き戦いは終わった。
ギガロマニアックスとして覚醒させられるためにまゆりが苦しむことも、もうないだろう。



野呂瀬よ、この鳳凰院凶真をナメたことを地獄で後悔するのだな!

岡部「ギガロマニアックス?」
290 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2012/11/05(月) 00:36:50.06 ID:Y2G2ggV60
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2010年 7月28日

@ちゃんでジョン・タイターという未来人が降臨して祭りになっている。
どうやら未来ではSERN──300人委員会がノアVを使ってディストピアを構築しているらしい。
馬鹿馬鹿しい。

希社員のいたずらか?

野呂瀬は委員会とは独立して動いていたはず。
いや、むしろ出し抜こうとすらしていた。

気になったので、再びダルにハッキングを頼み、SERNを探る。
岡部「ギガロマニアックス?」
292 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2012/11/05(月) 00:40:20.03 ID:Y2G2ggV60
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2010年 8月1日

まずいことになった。

──委員会の連中はプロジェクトノアを蘇らせようとしている。

どうしてだ?

野呂瀬は死んだし、天成神光会の教祖も明和党の議員も死んだはず。
希テクノロジーも野呂瀬という舵取りがいなくなったせいで株価は下落。

となると残るは……?

……しかもSERNはノアVに加えて、タイムトラベル研究すら行なっている。
もっとも、そちらはあまり上手くいっていないようだが……。

SERNのデータベースにはダルですら解析できないデータもあった。

何にせよヤバすぎる。
遊びじゃすまないぞコレ。

ジョン・タイター……本当に未来人だったのか?
岡部「ギガロマニアックス?」
296 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2012/11/05(月) 00:44:06.64 ID:Y2G2ggV60
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2010年 8月3日

過去へメールを送れる機械、電話レンジ(仮)。
ロト6を当てることはできなかったが、これは対SERNの絶大な武器になる。

さらなる実験で事象のコントロールを確実なものとしたいところである。
しかし実験となると、助手が相変わらずキャンキャンとうるさい。

少しは指圧師やルカ子を見習え。
岡部「ギガロマニアックス?」
299 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2012/11/05(月) 00:48:28.63 ID:Y2G2ggV60
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2010年 8月4日

ヤバい、ヤバすぎる。
ダルが新しく仕入れた情報によると、SERNはギガロマニアックスの連中の誘拐を企ているようだ。
コードサンプルが目的か?
それとも邪魔者は消すということか?

野呂瀬に一度コードサンプルを取られている俺は、狙われる対象に入っているはずだ。
このままだとまゆりにも危害が及ぶ可能性がある。

まずい……。
このままでは……。
岡部「ギガロマニアックス?」
302 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2012/11/05(月) 00:52:40.37 ID:Y2G2ggV60
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2010年 8月5日

まゆりを遠ざけるべきだろうか?
だがあいつが素直に言うことを聞いてくれるだろうか?
昔からあいつは強情なところがあるからな。

止むを得ないが……。
一時的に俺とまゆりの関係をなかったことにする方がいいかも知れない。
まゆりを守るためだ。

まゆりだけではない。
ラボを引き払い、ダルや紅莉栖、フェイリス、指圧師、ルカ子、フェイリス、バイト戦士、ミスターブラウン、天王寺綯。
ラボが出来たことで構築された記憶を改竄させてもらう。
俺の記憶も同様だ。

ラボメンはこれよりラボメンではなくなる。

だが許して欲しい。
これで彼らに危害が加わる可能性も低くなる。
電話レンジは紅莉栖に預かってもらおう。

リフターに代替する物の正体はまだ分かっていない。
──が、もし俺の身に何かあったとしても、紅莉栖ならばきっと……。
岡部「ギガロマニアックス?」
303 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2012/11/05(月) 00:55:15.75 ID:Y2G2ggV60
俺の記憶も同様だ。



俺に関する記憶も同様だ。


に変換してくれ、ミススマン
岡部「ギガロマニアックス?」
305 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2012/11/05(月) 00:57:10.03 ID:Y2G2ggV60
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2010年8月6日

さらにまずいことになった。
フェイリスが秋葉の大地主の娘だった……だと?
確か……希とつながっていた大企業の中に、秋葉幸高が社長をしている会社も……。

信じられない。
いや、信じたくない。

まさか彼女が人の心を読めるというのもノアVのおかげ?
いや、そんなはずはない。
端末を持っていないし……。
それとも、小型化された?

心を読もうにも、迂闊なことを聞いたらまずい……。
俺はすでに狙われていたのか?
岡部「ギガロマニアックス?」
306 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2012/11/05(月) 01:01:17.02 ID:Y2G2ggV60
────────────────────────

2010年8月8日

全てなかったことにした。
一時的とはいえ、思い出を消してしまったこと、許して欲しい。

これから俺は、SERNにプロジェクトノアを持ちかけたであろう人物を探らなくては。
そして電話レンジを使い過去を変える。

SERNがノアVを完璧なものとするために、まゆりに手を掛ける可能性はまだ十分ある。
敵はあまりにも強大だ。



フェイリス……信じて……いいんだよな?

彼女自身が無関係だとしても、彼女の父親が無関係だとは思えない……。
希と秋葉幸高の会社がつながったのが、2004年……。
プロジェクトノア開始の年。

────────────────────────
岡部「ギガロマニアックス?」
309 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2012/11/05(月) 01:05:15.28 ID:Y2G2ggV60
岡部「…………」

岡部(そうか……そういうことだったのか)


鳳凰院凶真という名前。
感じていた違和感の正体。

今、分かった。

──そうだ。
──鳳凰院凶真は。
──まゆりを連れて行かせないために生まれた俺のペルソナ。

この世界線でも鳳凰院凶真は、生まれていたんだ。
まゆりを守るために。



Chapter 6 『禁書目録内のフェニックス』END
岡部「ギガロマニアックス?」
311 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2012/11/05(月) 01:07:34.02 ID:Y2G2ggV60
Chapter 7 『不可解のアリヴェ』



〜岡部宅〜



岡部「この文書を見て、どう思う……」

拓巳「すごく……厨二病です……」

岡部「ウホッ、ってやかましいわっ!」

拓巳「でも、仲間を守ろうとするあんたの心意気……き、嫌いじゃないぜ……」

岡部「……」

岡部(だが結果的に、俺はラボメンの思い出を自ら消してしまっていたのか)

岡部(そしてそのわずか数日後に跳躍してきた。なんという運命のいたずら……)

岡部「にしても、こんなことが可能なのか? 記憶の改竄、などと……」

拓巳「できると思うよ、君が望めば」

拓巳「ぼ、僕と、僕の友達もやられたことあるし。き、記憶の改竄と洗脳」

拓巳「っつっても、妄想力の、つ、強すぎる人には、あんまり効かないみたいだけどね、ふひひ」
岡部「ギガロマニアックス?」
313 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2012/11/05(月) 01:11:56.91 ID:Y2G2ggV60
岡部「ふむ……」

拓巳「つ、つか自分でやったことなんでしょ?」

岡部「前に言っただろう。俺は8月14日に別の世界線から来たせいでそれまでの記憶がなかったのだ、と」

拓巳「あ、あぁ、そっか。リーディングシュタイナーだっけ、ふ、不便な力だね」

岡部「……秋葉幸高と野呂瀬の関係については、どう思う」

拓巳「じ、実際に僕が調べてた訳じゃないからなんとも」

拓巳「で、でも、彼が協力者だったとして……野呂瀬が死んで、どうしようもなくなって、計画を引き継ぎSERNにノア計画を持ちかけた……い、一応辻褄は合うんじゃね」

岡部「ふむ……」

岡部(フェイリスパパと野呂瀬が繋がっていて、計画を引き継いだ……?)

岡部(しかし、α世界線ではノアVではなく、タイムマシンによるディストピア構築だったはず)

岡部(それはパパさんが生きていようといまいと変わらなかった……ならばプロジェクトノアの再計画はなかった……?)

岡部(いや、それを確かめる術はない……あったかもしれないし、なかったかもしれないのだ)
岡部「ギガロマニアックス?」
315 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2012/11/05(月) 01:15:12.64 ID:Y2G2ggV60
岡部(なんにせよ……)

岡部(パパさんが生きていたことと、IBN5100を売らなかったこと──)

岡部(この二つが、この世界線での未来を変える要因──ノアVによるディストピアを構築する要因になった可能性は高い……)

岡部(α世界線からこの世界線への移動はその二つのDメールが要因なのだから……)

拓巳「で、でも良かった。レンジ、も、戻ってきたんでしょ? 七海たちがさらわれないように過去にメールを送れば……」

岡部「いや、Dメールはまだ送らない」

拓巳「え!? ど、どうして!」

岡部「Dメールによって改変される過去には不確定要素が多すぎる」

岡部「日本語で18文字しか送れないのだ」

拓巳「た、たった18文字……」

岡部「それに……プロジェクトノアという元を断たねば、収束によって捕まる可能性が高い」

拓巳「そんなぁ……」

岡部「やはり……接近してみる他に、ないか……」

岡部(フェイリスも一枚噛んでいるのか? いやだが、とてもそんな風には見えない……)

岡部(だがパパさんは……)
コンビニに入ったら無意識に見てしまうもの
19 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2012/11/05(月) 01:21:12.48 ID:Y2G2ggV60
これは卑怯だ
MH3G雑談
360 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2012/11/05(月) 01:21:48.81 ID:Y2G2ggV60

フリーターはどんな車を買ってればいいの?
22 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2012/11/05(月) 01:22:51.48 ID:Y2G2ggV60
軽で
映画レオンは名作なの?
13 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2012/11/05(月) 01:25:02.52 ID:Y2G2ggV60
最後がなんかいい
説明できないけどなんかいい、曲も相成って
岡部「ギガロマニアックス?」
325 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2012/11/05(月) 01:54:04.30 ID:Y2G2ggV60
岡部(……パパさんはいつ帰ってくるんだ? もうあまり時間はない。早くフェイリスに……)

拓巳「に、にしても……この紅莉栖って人のこと、随分信頼してたみたいだね……」

拓巳「過去を変えることが出来る機械を、あ、預けちゃうなんて……」

岡部(恐らく……あいつが未来でSERNの研究に従事した理由は……)

岡部(過去の俺に電話レンジを返すため。そして俺たちにタイムマシンの研究データを渡すため……)


          『全部のDメールを取り消すなんて……』

          『あぁ、結構重労働だな……だがやるしかない』

          『……気をつけて』


岡部「……紅莉栖」

岡部(俺はお前の言うことを聞かず、賭けに出て……)

岡部(未知の世界線にきてしまったのにも関わらず……再び俺を窮地から救ってくれた……)

岡部「……」

岡部「奴は……最高の助手であり、大切な仲間だ」

拓巳「は、恥ずかしいセリフ乙」
岡部「ギガロマニアックス?」
328 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2012/11/05(月) 01:57:49.18 ID:Y2G2ggV60
岡部「……」

 プルルルル

 ピッ

フェイリス『ニャニャ、フェイリスニャ! どうしたのニャン? 珍しいニャ、凶真からかけてくるなんて』

岡部「……」

フェイリス『凶真?』

岡部「いや、その、だな……」

岡部「なぁ……フェイリス。お前のパパさんは、いつ帰ってくるんだ?」

フェイリス『パパ? それなら今日の夜ニャ』

岡部「……そうか」

フェイリス『この前といい、パパに何か用事があるのかニャ?』
岡部「ギガロマニアックス?」
330 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2012/11/05(月) 02:01:57.18 ID:Y2G2ggV60
岡部「あぁ……ちょっとな」

フェイリス『……ふ〜ん、珍しいのニャ』

岡部「パパさんが帰宅したら、連絡くれないか」

フェイリス『分かったニャ』

 ピッ

岡部(まゆりが連れて行かれるのは明日……)

岡部(それまでになんとかしないと……)
岡部「ギガロマニアックス?」
332 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2012/11/05(月) 02:05:43.60 ID:Y2G2ggV60
その夜 8月24日

〜フェイリス宅〜



拓巳「す、すげー……こっこっ、高級マンションの最上階とかどんだけセレブなんだよう!! つかリアル執事キタコレ! メ、メイド、メイドはどこ!?」

フェイリス「ニャフフ、それならここにいるのニャ」



幸高「やあ岡部くん、久しぶりだね」

岡部「……お久しぶりです」

幸高「それと……君は?」

拓巳「あ、えっと、に、西條拓巳です。よ、よ、よろしくおながいします……」

幸高「私は秋葉幸高、岡部くんの友人かな?」

拓巳「あ、はい、そ、そうです……」

幸高「それでは私は調べたいことがあるから失礼するよ」

岡部「ま、待ってください! 今日は、あなたに用事があってきたんです」

幸高「私に?」
岡部「ギガロマニアックス?」
334 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2012/11/05(月) 02:09:52.30 ID:Y2G2ggV60
岡部「単刀直入にお尋ねします、あなたは……ノア……プロジェクトノアについて、ご存知ですね?」

幸高「……」

幸高「留美穂、しばらく部屋に行ってなさい。私は彼らと話がある」

フェイリス「嫌ニャ……」

幸高「留美穂」

フェイリス「パパと凶真が何をお話するのか検討もつかニャいけど……」

フェイリス「それでも凶真が何かしようとしてることだけは分かるのニャ!」

フェイリス「だったらフェイリスも……フェイリスも聞きたいのニャ!」

岡部「フェイリス……」

幸高「……分かった」


彼は渋々といった様子だったが、納得したようだった。
フェイリスがここまで食い下がるのは意外だったが、娘がいる前で強引な手段には出まい。

一瞬でもそう思った自分に反吐が出そうだった。
岡部「ギガロマニアックス?」
337 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2012/11/05(月) 02:14:25.30 ID:Y2G2ggV60
────
───
──



幸高「君は……どこまで知っている?」

岡部「……」

岡部「あなたと野呂瀬が繋がりを持っていたことは、すでに知っています」

幸高「なるほど……」

岡部「あ、あなたなんですか!? SERNにノアの技術を提供したのはっ!!」

幸高「ん?」

幸高「はは、ははは」

拓巳「な、なにがおかしいんだよぅ……」

幸高「いや、そう来たか、と思ってね。失礼」

岡部「……?」

幸高「結論から言おう」

幸高「私はSERNと通じてはいないよ」
岡部「ギガロマニアックス?」
344 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2012/11/05(月) 02:18:09.96 ID:Y2G2ggV60
岡部「え……?」

幸高「確かに、私と野呂瀬はお互い協力関係にあったと言っていい」

幸高「だがそれは表向き」

拓巳「ど、ど、ど、どういうこと?」

幸高「さて、どこから話したものか」

幸高「……2000年4月、留美穂が誘拐されたとの知らせが入ってね」

フェイリス「……」

幸高「身代金は1億円、とても払える金額じゃあなかった」

幸高「と、その当時、渡りに船と言わんばかりに、IBN5100を高額で買い取りたいという人物が現れていてね」

幸高「フランスの実業家……だったかな」

岡部(……またフランスの実業家)

幸高「しかし、結局売ることはなかったんだよ。私にIBN5100を預けた橋田教授にも悪いと思ったしね」
岡部「ギガロマニアックス?」
347 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2012/11/05(月) 02:22:29.77 ID:Y2G2ggV60
幸高「それで、後々誘拐はいたずらだと分かったんだが……」

幸高「しばらくして、再びIBN5100を高額で買い取りたいという人物が現れた」

岡部「え……」

幸高「その人物こそ希テクノロジーの社長、野呂瀬玄一」

拓巳「へ……」

幸高「当時、すでに橋田教授の言いつけ通り柳林神社にIBN5100を預けていたし、彼に売ることもなかったんだが……」

幸高「誘拐のいたずらと関連して”IBN5100を高額で買い取りたい”」

幸高「これはどうも都合がよすぎる──そう思った私は彼を探るために近づいたんだ」

幸高「一度だったら不思議には思わなかっただろうね」

フェイリス「パパ……」

幸高「そして私は彼と表では協力関係を築き、裏では彼を調べていたんだ」
岡部「ギガロマニアックス?」
349 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2012/11/05(月) 02:27:01.05 ID:Y2G2ggV60
幸高「もっとも、彼は私のことを露程にも気にしていなかったようだが……」

幸高「いざとなればギガロマニアックスの力を使えばいい、とでも思っていたんだろう」

岡部「あなたは……計画をご存知だったんですか?」

幸高「あぁ……彼はとんでもない計画を立てていたようだね」

拓巳「プロジェクトノア……」

幸高「そう。去年11月、渋谷が崩壊──野呂瀬も死に、他の首謀者たちも死亡」

幸高「私は安心しきっていたんだが……」

幸高「プロジェクトノアが再び始動しようとしている……」

岡部「な、なぜそれを!」

幸高「……ジョン・タイター」

拓巳「あ……」

幸高「彼が未来人なのか確かめる術はない」

幸高「しかし私には、SERNがノアを使ってディストピアを構築するという情報──これが嘘だと思えなかった……」

幸高「だから海外へ飛び、SERNに精通している海外の友人を尋ねて色々と調べてたというわけだ」
岡部「ギガロマニアックス?」
350 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2012/11/05(月) 02:31:18.13 ID:Y2G2ggV60
幸高「プロジェクトノアを知りながら何もできなかった。今回こそはなんとかしたい、そう思ってね」

拓巳「じゃ、じゃあニュージェネ事件とかも……」

幸高「……何も力になってやれなくてすまなかった」

拓巳「し、知ってたのかよぅうぅ……」

幸高「岡部くんも君なりに調べていたようだね」

岡部「ええ……」

フェイリス「……」

幸高「友人の話ではノアVの開発も直に始まるらしい……」

岡部「くっ……」

幸高「しかしわからない点が一つある」

岡部「何がです?」

幸高「野呂瀬をはじめとした首謀者たちは死亡。ノアの構築プログラム、コードサンプルのデータ共々私が抹消したはずなんだが……」

拓巳「え……」

幸高「どういうわけか、それをSERNが引き継ごうとしている」
岡部「ギガロマニアックス?」
351 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2012/11/05(月) 02:35:48.08 ID:Y2G2ggV60
幸高「いや、正確には300人委員会か……しかし、これは一体……」

フェイリス「その、野呂瀬って人が300委員会ってのと繋がっていたとかは考えられないのかニャ?」

幸高「いや、彼は委員会を出し抜くためにノアを完成させようとしていた。それは考えにくいんだ」

岡部「他に……協力者がいた、と?」

幸高「……」

岡部(どうする、Dメールを使うか? だがどう送ればいい?)

岡部(もしα世界線に戻ってしまったら……今の俺はSERNの施設に拉致されているはず……)

岡部「くそ、IBN5100さえ手に入れてれば!」

幸高「IBN5100か……私も柳林神社には行ってみたんだが……」

岡部「あなたも行かれたんですね……」

幸高「去年の12月まではあった、そうおっしゃっていたが、なかったようだね」

岡部「……はい」

拓巳「…………」
岡部「ギガロマニアックス?」
352 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2012/11/05(月) 02:39:41.34 ID:Y2G2ggV60
拓巳「でも……ど、どうして野呂瀬はIBN5100を買い取ろうとしたんだろう……」

岡部「そういえばそうだな……。パパさん、あなたは何かご存知ですか?」

幸高「それについては分かっていない……」

幸高「だが彼はIBN5100を手に入れていたようだ」

岡部「そうなんですか?」

幸高「あぁ、私に話してくれたよ”もう手に入った”と」

拓巳「……

岡部「ふむ……」

拓巳「そ、それだ……」

岡部「え?」

拓巳「の、野呂瀬は強力なギガロマニアックスだ。ひ、人の思考を読むなんてたやすい……」
岡部「ギガロマニアックス?」
355 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2012/11/05(月) 02:44:08.26 ID:Y2G2ggV60
拓巳「IBN5100が無いことを告げられた野呂瀬は……」

幸高「私の思考を読み、柳林神社へ向かった、と?」

拓巳「そ、そうに違いないよ! そ、そこで野呂瀬は手にしたんだ、IBN5100を……」

岡部「だ、だが! それだと去年の12月まであった、という証言と噛み合わない」

岡部「いや待て、それこそ野呂瀬がルカ子たちの思考を操作したのか……?」

岡部「IBN5100があると思い込ませていた……?」

拓巳「そ、それはありえない……だ、だって野呂瀬は2009年の11月に死んでるんだもん」

拓巳「力を使っても2009年の12月まであると思い込ませるなんて、ふ、不可能だ……」

岡部「となると……IBN5100は確かに12月まで柳林神社にあった……」

岡部「……そして野呂瀬は柳林神社にIBN5100があることを知っており、かつIBN5100を手に入れた」

拓巳「だ、だとすると──」



────
───
──
岡部「ギガロマニアックス?」
357 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2012/11/05(月) 02:48:16.54 ID:Y2G2ggV60
翌日 8月25日

〜柳林神社〜



栄輔「おや、これはこれは、また参拝ですか? ご苦労様です」

岡部「一つお尋ねしたいことが……あります」

栄輔「なんでしょう?」

岡部「あなたは……野呂瀬玄一という男をご存知ですか?」

栄輔「野呂瀬……? いえ、初めて聞きましたが」

岡部「……」

フェイリス「この味は……嘘をついてる味ニャ!」

岡部「……っ」

フェイリス「フェイリスの目はごまかせないのニャ!」

栄輔「……」
岡部「ギガロマニアックス?」
358 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2012/11/05(月) 02:52:12.35 ID:Y2G2ggV60
栄輔「……もしかして、そのお嬢さんはギガロマニアックスなんですか? そんな気配は感じませんが……」

岡部「や、やはり、あなたがっ──」

栄輔「るかの記憶から君のことが抜け落ちてるので奇妙だとは思っていたんですが……」

岡部「SERNとノアをつないだ──」

栄輔「気づかれたからには放っておくわけにはいかなくなりましたよ、鳳凰院くん」

岡部「協力者か──!」



Chapter 7 『不可解のアリヴェ』END
岡部「ギガロマニアックス?」
363 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2012/11/05(月) 02:56:29.57 ID:Y2G2ggV60
Chapter 8 『次元跳躍のメガロマニア』



〜昨晩〜



岡部「ルカ子の父上……漆原栄輔が協力者だとでも……?」

拓巳「す、少なくとも野呂瀬が神社でIBN5100を手に入れたのは、ま、間違い無いと思うよ」

拓巳「野呂瀬ほどの強力なギガロマニアックスなら、洗脳してそれでおしまい」

拓巳「で、でも、それだとその、漆原って人の証言と、あ、合わない」

岡部「……」

拓巳「だ、だとしたらその人が野呂瀬と繋がってた可能性も、考えるべき、だよ」

幸高「そのような人には、見えなかったが……」

岡部「俺も同感だ」

拓巳「こ、今回、プロジェクトノアを再始動させた人物は、の、野呂瀬より用心深いと、思う……」

拓巳「野呂瀬はさ、覚醒したギガロマニアックスを用済みと言わんばかりに、解放してたんだ」
岡部「ギガロマニアックス?」
369 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2012/11/05(月) 03:00:51.51 ID:Y2G2ggV60
拓巳「で、でも今回は違う……僕に姿を見せなかったり、ギガロマニアックスを解放しなかったり……かなり用心深いよ……」

拓巳「SERNが関わってるし、一度失敗してるってのも、あ、あるんだろうけど……」

岡部「……彼が協力者だと仮定して、IBN5100は……まだあるだろうか?」

拓巳「ど、どうかな……そればっかりはちょっと……」

岡部「鈴羽の情報によれば、まゆりが連れて行かれるのは明日……」

フェイリス「マユシィが……?」

岡部「このままでは……」

拓巳「に、逃したほうがいいんじゃないかな……」

岡部(しかし収束によって捕まる可能性が高い……)

岡部(そしてSERNに……奴らに心を壊されるんだ……コードサンプルのためにっ!)

岡部「こうなったら……俺が直接彼に話を聞きに行く」

拓巳「あ、危ないよ……。きっと君もつっ、捕まっちゃうよ……」

岡部「だがIBN5100を手に入れる可能性はそこしかっ!」

岡部(いや、もはやIBN5100などと言ってられる場合でもないかもしれない……)

岡部(IBN5100を使ってSERNサーバー内のデータを消しても、西條の妹たちが捕まってるという事実がなくなるわけではない……)
岡部「ギガロマニアックス?」
372 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2012/11/05(月) 03:04:10.32 ID:Y2G2ggV60
拓巳「でも、協力者だったとしたら、す、素直に渡すとは、と、とても思えない、よ……」

岡部「もしそうだった場合は……Dメールを使って世界線を変える」

幸高「Dメール? 世界線? なんだねそれは」

岡部「あぁ……それは……」


俺はパパさんに世界線理論やアトラクターフィールド理論、Dメールの作用について話した。
大の大人、それも大企業の社長である彼に、信じてもらえるか自信はなかった──
が、彼の知識は豊富で、意外にもタイムトラベルに関しても肯定的であり──


幸高「そうか……未来を変えるためには、世界線というのを大きく変えなくてはいけないのか……」

フェイリス「……」

岡部「ええ、そのためにIBN5100が必要だったんです……」

幸高「それにしても……なんだか相対性理論超越委員会を思い出すよ、はは」

岡部「……なんです? それは」

幸高「いや、昔の話だ。すまない、気にしないでくれ」
岡部「ギガロマニアックス?」
374 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2012/11/05(月) 03:09:05.01 ID:Y2G2ggV60
幸高「それでは私たちはそのギガロマニアックスの素質のある少女を逃がすために尽くそう」

フェイリス「マユシィを連れて行こうとするニャんて、絶対に許せないのニャ!」

岡部「俺はルカ子の父上にあたってみます。もし彼がSERNとつながってたら……」

拓巳「……で、できるだけ時間稼ぎ、だね」

岡部(いや、時間を稼いでも、収束によりまゆりが捕まる可能性は高い……)

岡部(その場合はDメールで過去を変えるためのヒントを探る……)

フェイリス「ならフェイリスは凶真についていくのニャ」

幸高「留美穂、お前は私と一緒に来なさい」

フェイリス「こればっかりはパパの言うことでも聞けないのニャ!」

幸高「しかし……」

フェイリス「それに、その人がもし嘘をついたりしたら、凶真に見破る方法はないんじゃないのかニャ?」

岡部「確かに、そうだが……」

フェイリス「フェイリスなら大丈夫ニャ! もし危なくなったらすぐに逃げるのニャ!」

幸高「全く……漆原さんが無関係であることを祈るばかりだ。……岡部くん、娘を頼むよ」

岡部「……はい」
岡部「ギガロマニアックス?」
375 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2012/11/05(月) 03:13:15.03 ID:Y2G2ggV60
────
───
──



気づけば、漆原栄輔の手に一本の剣が握られていた。

それは剣と呼ぶには、あまりに長く。
一振りすれば折れてしまいそうなほど細い。
極々なめらかな曲線を描いていて。
見る者を釘付けにするかのような気品と。
純粋な殺意を形にしたかのような美麗さを持ち合わせ。

まるで体の一部のような──

──剣。

いや、刀と呼ぶべきか。

その野太刀のようなディソードと宮司の格好が妙に釣り合ってる。
などと的はずれなことを考えていたら──
普段の物腰穏やかな彼からは想像もできない冷厳な声で──


栄輔「SERNの協力者というのは少々語弊があります」

岡部「はっ……!」

岡部(ルカ子の父上も……ギガロマニアックスだった!?)
岡部「ギガロマニアックス?」
377 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2012/11/05(月) 03:17:06.98 ID:Y2G2ggV60
栄輔「私は野呂瀬くんの遺志を引き継ぎプロジェクトノアを完遂させたい」

栄輔「そして争いがなくなる世の中を創りあげたい、ただそれだけなのですよ」

岡部(どうする、逃げるか……?)

栄輔「境内は目立ちますので、こちらへ……」

 キィィィン

岡部(ディソード……リアルブート……)

フェイリス「きょ、凶真ぁ……」

岡部「フェイリスは……逃げるのだっ」

フェイリス「で、でも……」

栄輔「逃げられると思いますか?」

岡部「くっ……」
岡部「ギガロマニアックス?」
378 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2012/11/05(月) 03:21:16.12 ID:Y2G2ggV60
────
───
──



岡部(落ち着け……今俺がすべきことは……)

岡部「IBN5100は……まだこちらにあるんですか?」

栄輔「すでにノアプログラムのバックアップと共に、SERNへ送り届けてあります」

岡部(やはりもう、Dメールを送って過去を変えるしか……)

岡部「野呂瀬とは、やはりIBN5100を探しに来た時に接触を……?」

栄輔「Dメールとやらを送って過去を変えるつもりですか?」

岡部(!? 心を読まれた!?)

栄輔「じきにノアの開発が始まります。それまで、大人しくしていてもらえませんか?」

岡部「なぜあなたがプロジェクトノアを引き継ごうなどと!」

栄輔「……」

岡部(話さないつもりか……!)
岡部「ギガロマニアックス?」
380 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2012/11/05(月) 03:25:30.91 ID:Y2G2ggV60
 ピリリリリ

栄輔「……」

 ピッ

栄輔「はい……はい、分かりました。そのギガロマニアックスの素質を持った少女はくれぐれも丁重に扱うようお願いします」

栄輔「連れの方も、同様に」

岡部「まさか……まゆりがっ……捕まっ……た?」

フェイリス「そんな……パパ……マユシィ……」

栄輔「安心してください、コードサンプルを採取すればすぐにでも解放しますので……」

岡部(だが覚醒させるために心を壊されるんだろ!?)

栄輔「それに、今では比較的苦しまずに覚醒させるマニュアルも確立されてます」

岡部(そして用済みとなったら殺される……そんなの、あんまりだ……)

栄輔「ギガロマニアックスの少女たちも、ノアVの開発が終わり次第、解放することを約束します」

岡部「だが! 未来では俺以外全員殺されている!!」

栄輔「そんなこと、私がさせません」

岡部(……この人も結局、SERNに利用されているのだ……)
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