- 御坂「……?(誰よアイツ……見ない顔ね……)」スペシャル再放送
73 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2012/08/20(月) 20:40:37.80 ID:lWk/kn2T0 - 彼の能力「ベクトル変換」が発動する。落下物は水平に弾き飛ばされ、橋の欄干を通り越し、水柱を上げながら水面に叩きつけられた。
打止「ひゃあっ!!とミサカはミサカは驚きを隠せないでいたり・・・」 一方「なンだ……?」 詠矢「(あれ、俺まだ意識あるな)」 詠矢「(なんかものすごい衝撃を感じたんだが)」 詠矢「(感じたってことは生きてるんだよな?)」 詠矢「(そうだ、確か水に落ちたんだ)」 詠矢「(えーっと、つまり今水中にいるわけで)」 詠矢「(…取り合えず浮上しないと死ぬ!)」 詠矢「ぶわっ!」 詠矢「あぶねえ、せっかく命拾いしたのにまた死ぬとこだった!」
|
- 御坂「……?(誰よアイツ……見ない顔ね……)」スペシャル再放送
75 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2012/08/20(月) 20:41:01.50 ID:lWk/kn2T0 - 一方「なンだテメェは!!自殺ならヨソでヤレやァ!!!!」
詠矢「えー、なんと言うか。事故なんですよ」 一方「ンだぁ?…事故だと?」 詠矢「事情を説明すと簡単なようなややこしいような…」 詠矢「とにかく、助かったよ。あんたも何かの能力者なのかな?」 詠矢「確か俺は橋の上に落下するはずだった」 詠矢「だが気づいたら川に落ちてた」 詠矢「突風が吹いたとかそんなチャチなレベルじゃなく、俺の体は弾き飛ばされてる」 詠矢「なら、やっぱり何かの能力によって助けられたと考えるべきだよな」 詠矢「というわけで、ありがとう。助かったよ」 一方「……なンかゴチャゴチャ回りくどい奴だな」 打止「…(ジー)」 一方「どしたぁ?」 打止「…(オカイモノ)」 一方「アア、そうだったな…」
|
- 御坂「……?(誰よアイツ……見ない顔ね……)」スペシャル再放送
76 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2012/08/20(月) 20:41:26.17 ID:lWk/kn2T0 - 詠矢「あー、なんか用があるなら行ってくれ。後は自力でなんとかするから」
一方「言われ無くてもそうすらァ…。じゃあな飛び降り野郎…おら、行くぞガキ…(スタスタ)」 打止「…(ペコリ)…(スタスタ)」
|
- 御坂「……?(誰よアイツ……見ない顔ね……)」スペシャル再放送
78 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2012/08/20(月) 20:41:45.16 ID:lWk/kn2T0 - 詠矢「行っちまったか…」
詠矢「ていうかあの顔どっかで見たことあるような…」 詠矢「…まあいいか、そのうち思い出すだろう」 詠矢「さあて、これからどうするかな」 詠矢「取り合えず位置検索か(ポチポチ)」 詠矢「あ…」 詠矢「完全水没、だよな…。携帯が…電源も入らねえ…」 詠矢「水没じゃ保障対象外だよなあ…。か…金が…」 詠矢「しょうがねえ、適当に地図見ながら歩くか」 詠矢「取り合えず置いてきた荷物を回収しねえとな」 詠矢「さっきのソバ屋どこかな」 詠矢「フロ屋も探さねえとな…(トボトボ)」
|
- 御坂「……?(誰よアイツ……見ない顔ね……)」スペシャル再放送
80 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2012/08/20(月) 20:42:08.76 ID:lWk/kn2T0 - 詠矢「あ、そうだ、俺は連行される所だったんだよな」
詠矢「嫌疑がかけられてるんなら、ちゃんと出頭しとかないとな…」 詠矢「これ以上ジャッジメントと事を構えるつもりもないし」 詠矢「とはいえ、何処に行ったもんだか…」 詠矢「その辺の人に聞いてわかるかな?」 詠矢「…不審者扱いされるのがオチか」 詠矢「あのツインテールの娘、名前ぐらい聞いとけばよかったな」 詠矢「さあて、どうするかな…」 嘆いたって始まらない。取り合えず俺は歩きながら考えることにした。 都市の案内板を頼りに、どうにか元の場所に戻った俺は荷物を回収することに成功した。 フロでも入りたかったがあいにく銭湯は見つからず、ネットカフェのコインシャワーで体を流すと、 万が一にと持ってきた私服に着替える。 水に落ちたときの打ち身で体のあちこちが軋む。まったく落ち着ける状況ではなかったが、考える 時間だけは十分に確保出来た。 俺は思考に結論を出し、一番近くにある図書館へ向かった。
|
- 御坂「……?(誰よアイツ……見ない顔ね……)」スペシャル再放送
81 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2012/08/20(月) 20:42:35.81 ID:lWk/kn2T0 - 第七学区 図書館)
白井「探しましたわよ…詠矢さん」 詠矢「お、いいタイミングだねえ。ちょうど一冊読み終わったとこだ」 白井「まるで見つかるのを待ってたかのような口ぶりですわね」 詠矢「そう、その通り。自分で出頭しようと思ったんだけど…」 詠矢「何処に行ったらいいかも分からなくてね」 詠矢「今日最初に会ったときも」 詠矢「俺をピンポイントで見つけてたろ?」 詠矢「だから、そちらさんには何らかの位置検索の方法があると考えた」 白井「変な所には頭が回りますわね…」 白井「確かに、監視カメラの記録であなたの姿を追跡しましたわ」 詠矢「やっぱそうか。ならここで待ってて正解だったな」 詠矢「図書館の中なら監視体制はバッチリだろうし」 詠矢「ついでにいろいろと情報を仕入れられるしな」 白井「ま、ご無事で何より…」
|
- 御坂「……?(誰よアイツ……見ない顔ね……)」スペシャル再放送
82 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2012/08/20(月) 20:43:02.26 ID:lWk/kn2T0 -
白井「そのご様子ですと、特に危険な場所に転移したわけでもなさそうですわね」 詠矢「それがそうでもなくてさ。気づいたら空中だっんだよ」 詠矢「これがまた結構な高さでさ。マジで死ぬかと思ったぜ」
|
- 御坂「……?(誰よアイツ……見ない顔ね……)」スペシャル再放送
83 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2012/08/20(月) 20:43:27.68 ID:lWk/kn2T0 - 白井「え…?ではそこからどうやって…」
詠矢「いや、なんか能力者の人が偶然通りかかってさ」 詠矢「多分念動系か何かだと思うんだけど」 詠矢「弾き飛ばして川に落としてくれたんだわ」 白井「たまたま?能力者に助けられたと…?」 詠矢「たまたま。運が良かったってことになるのかな」 詠矢「まあ、どっちかっていうと悪運になるんだろけどね」 白井「そうでしたの…。でも、わたくしもその悪運に感謝しないといけませんわね」 白井「危うく殺人犯になるところでしたわ」 詠矢「まー、基本俺が余計なこと言ったからだからな…以後自重するよ」 白井「そうしていただけると助かります」 白井「では、早速ご同行いただきましょうか?」 詠矢「はいはい、じゃあ読んだ本は元の位置に…」 詠矢「お待たせ。んじゃ行きましょうか」
|
- 御坂「……?(誰よアイツ……見ない顔ね……)」スペシャル再放送
84 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2012/08/20(月) 20:43:54.00 ID:lWk/kn2T0 - 白井「はい。では向こうの出口から行きますわ」
詠矢「あ、あれ…?」 白井「なんですの?」 詠矢「テレポートで移動しねえの?」 白井「…ここからでは距離がありすぎます。徒歩で向かいますの」 詠矢「なるほど距離、か。ってーことは転移にも射程があるってことだ…」 白井「…(ジロッ)」 詠矢「あ…いやいやいや、もう余計なこと言わないって…!(アセ)」 白井「…参りますわよ…」 詠矢「うーい…(なんかやりずれーな…)」
|
- 御坂「……?(誰よアイツ……見ない顔ね……)」スペシャル再放送
85 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2012/08/20(月) 20:44:15.86 ID:lWk/kn2T0 - (ジャッジメント177支部)
白井「こちらですわ…(ガチャ)」 詠矢「まいどどーも」 御坂「あ…!」 詠矢「あ……」 御坂「アンタ……さっきはよくもやってくれたわね!!(バチッ)」 詠矢「や、やめろって…!だから怒らせたのは謝るからさ…」 御坂「…謝ってすむ問題かしら?…(ビリバチッ)」 白井「お、お姉さま。支部で電撃はちょっと…」 初春「や、やめてください!パソコンが!!」 詠矢「……」 詠矢「……わかった…確かにそうだ。謝ってすむ問題じゃないかもな」 詠矢「俺も腹は括った。御坂サンの気の済むようにしてくれ」 御坂「…え?」 詠矢「まあ、正直俺も、副作用まで誘発出来るとは思わなかった」
|
- 御坂「……?(誰よアイツ……見ない顔ね……)」スペシャル再放送
86 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2012/08/20(月) 20:44:37.40 ID:lWk/kn2T0 - 詠矢「だが、御坂サンを危険な状態にしたことは事実だ」
詠矢「だから、煮るなり焼くなり、好きにしてくれ」 御坂「…アンタ、いきなり居直るなんてどうゆうつもりよ!」 白井「そんな勝手な言い分が通ると思ってらっしゃいますの!?」 詠矢「どうもこうもねえさ。俺はただ謝りたいだけだ」 詠矢「それでも許されねえってんなら」 詠矢「そっちの気の済むようにしてもらうのが一番いい」 詠矢「俺は一切の抵抗はしない。もちろん『論証』もだ」 御坂「…」
|
- 御坂「……?(誰よアイツ……見ない顔ね……)」スペシャル再放送
87 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2012/08/20(月) 20:44:59.62 ID:lWk/kn2T0 - 詠矢「…さあ。いいぜ」
御坂「…」 初春「…(ハラハラ)」 白井「…あ、あの…まさか、お姉さま?」 御坂「…」 白井「お姉さま!!」 御坂「…(ガシッ)」 詠矢「(腕を…?)」 御坂「…!(バチッ!!)」 詠矢「ぎゃうぁ(ビクンッ)!!!…ッつつ…」 白井「…!」 初春「…!」 御坂「フン…いいわ、このくらいで許してあげる」 詠矢「このくらいって十分痛いんですけど…(ビクビク)」 御坂「気絶しない程度に抑えといたわよ。アンタには聞きたいことがあるし」
|
- 御坂「……?(誰よアイツ……見ない顔ね……)」スペシャル再放送
89 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2012/08/20(月) 20:45:23.24 ID:lWk/kn2T0 -
詠矢「それは…ご配慮の程痛み入ります…(ビク)」 詠矢「まあ、これで済ましてもらえるなら安いもんだわな」 詠矢「でもなあ御坂サン」 御坂「……何よ」 詠矢「窃盗はよくねえよな?刑法的に」 御坂「…」
|
- 御坂「……?(誰よアイツ……見ない顔ね……)」スペシャル再放送
90 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2012/08/20(月) 20:45:45.18 ID:lWk/kn2T0 - 詠矢「一応反省しといたほうがいいんじゃねの?」
白井「窃盗?…なんの話ですの?」 御坂「え?…あ…えっと…」 白井「お姉さま…まさかまた…」 詠矢「また…って…常習犯だったのか?」 御坂「…え…って……、た、たまたま小銭が無くて、ちょっと面倒になったから……つい…」 白井「……」 詠矢「……」 御坂「…悪かったわよ…、もう二度とやらない…」 白井「本当ですの?」 御坂「本当だってば…」 白井「そうおっしゃるなら大目に見ますけど…、常盤台のエースともあろうお方が…浅ましい真似は謹んで下さいまし!」 御坂「だから、やらないって言ってるじゃない!もう…」 詠矢「えーっと…、まあ、ジャッジメントの人が大目に見るってんだから、俺がこれ以上何も言うことはねえな」 詠矢「じゃあ、この話は終わりってことで…」
|
- 御坂「……?(誰よアイツ……見ない顔ね……)」スペシャル再放送
91 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2012/08/20(月) 20:46:07.47 ID:lWk/kn2T0 -
白井「そうですわね…では、本題に移りましょうか」 白井「改めて自己紹介ですわ。わたくしはジャッジメントの白井黒子と申します。詠矢さん、あなたにいくつかお聞きしたいことがあります」 詠矢「なんなりと…。答えられることは答えるぜ」
|
- 御坂「……?(誰よアイツ……見ない顔ね……)」スペシャル再放送
92 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2012/08/20(月) 20:46:28.71 ID:lWk/kn2T0 - 白井「では、まずあなたの能力について…」
詠矢「名前は絶対反論(マジレス)…。能力者に対して、論証を立てることによってその能力を変質させる…」 詠矢「さっき説明した通りだね」 白井「もう少し詳しくお願いします」 詠矢「っても…。俺にもよくわかってない部分も多いんだけどな」 詠矢「お二人さんと手合わせしたことで、かなり理解出来た」 御坂「…ていうと?」 詠矢「論証が完全じゃなくても、変質は発生する」 詠矢「ハッタリでも何でも構わない。相手が俺の言うことをある程度認めた時点で、能力が発動するみたいだな」 御坂「でも私の場合、電撃が撃てないって認めた訳じゃないわよ?」 詠矢「まあ、その辺は度合いの問題でさ」 詠矢「完全に認めなくても、対象の心の中『あれ、そうだっけ?』ってレベルのわずかな引っかかりでも作れれば」 詠矢「変質は一定の効果を生む」 白井「…確かに、わたくしもあなたの言葉を聞いてから転移の精度が落ちましたわ」 詠矢「どっかで俺の言葉が引っかかって、能力の精度が落ちたんだろう」 白井「…厄介な能力ですわね…。やはり、パーソナルリアリティに干渉する力…」
|
- 御坂「……?(誰よアイツ……見ない顔ね……)」スペシャル再放送
93 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2012/08/20(月) 20:46:49.99 ID:lWk/kn2T0 - 詠矢「いや、それはどうかな?」
詠矢「さっき図書館で一通りのことは調べたんだけど」 詠矢「能力者ってのは、パーソナルリアリティ…『自分だけの現実』を観測して」 詠矢「物理的には起こり得ない超常現象を引き起こす…だっけか?」 白井「そうですわ。学園の能力者は全て個別の現実を持っています」 白井「その現実は能力者によって千差万別…」 詠矢「俺はついさっきまでそんなことは知りもしなかった」 詠矢「そんな状態で、いきなり干渉する力を得るってのもねえ…」 詠矢「ただ言葉による暗示によって、能力を出させないようにしてるのかもしれないし」 詠矢「解釈としてはどうとでも取れるわな」 御坂「何よあんた。人の能力についてはどうのこうの文句付けるくせに」 御坂「自分の能力は全然適当じゃない」 詠矢「いいんだよ、俺は適当で」 詠矢「同じ能力を持った奴が表れない限り、俺の能力が『論証』される事は無いわけだからな」 白井「なんて自分勝手な…」
|
- 御坂「……?(誰よアイツ……見ない顔ね……)」スペシャル再放送
95 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2012/08/20(月) 20:47:07.73 ID:lWk/kn2T0 -
詠矢「パーソナルリアリティなんてそもそも自分勝手なもんだ」 詠矢「自分の思いだけで、物理法則だって簡単に捻じ曲げちまうんだからな」 御坂「そういっちゃえばそうだけどさ…なんか釈然としないわね…」 詠矢「ま、能力についてはこれぐらいだな。俺だって知らないことは話せない」
|
- 御坂「……?(誰よアイツ……見ない顔ね……)」スペシャル再放送
96 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2012/08/20(月) 20:47:21.79 ID:lWk/kn2T0 - 詠矢「他に何か質問あるかい?」
白井「一通り能力に関しては理解できましたわ。ではお言葉に甘えて、もう一つ…」 詠矢「どうぞ」 白井「学園都市に来られた目的は?」 詠矢「まず第一に、自分の能力をちゃんと確かめる為」 詠矢「さっき説明した通り、俺の能力は能力者がいないと確かめようが無いんでね」 詠矢「んで次に、この能力で出来る事を探すため」 詠矢「以上二点です」 白井「意外と真っ当な理由ですわね…」 詠矢「そんなもんだよ。別に野心とか野望とかねえし…」 御坂「その割には、いきなり突っかかって来たわね…」 詠矢「いや、だからアレはゴメンって。『マジレス』を試すには、能力者と戦うしかなかったもんで…」 詠矢「その辺は白井サンも改めて謝るよ」 白井「その話はもうよろしいですわ。こちらも少し強引過ぎましたし…」 御坂「でもさあ、あんたどうやって自分の能力に気づいたの?」
|
- 御坂「……?(誰よアイツ……見ない顔ね……)」スペシャル再放送
97 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2012/08/20(月) 20:47:42.54 ID:lWk/kn2T0 -
御坂「能力者に会わないと解りようが無いじゃない」 詠矢「あ、それ説明してなかったな。なかなか鋭いね御坂サン」 詠矢「実は俺、能力者に会ったのは御坂さんが初めてじゃないんだ」 詠矢「俺の近所に、学園都市で能力開発してた奴がいてね」 白井「まあ、どちら様ですの?」 詠矢「白井サンも知らないような低レベル能力者らしいんだけどね」 詠矢「で、そいつが帰省で家に帰って来た時に、なんかつまんないことで言い合いになってさ」 詠矢「話の流れで、相手の能力を変質させちまったんだよ…」
|
- 御坂「……?(誰よアイツ……見ない顔ね……)」スペシャル再放送
99 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2012/08/20(月) 20:47:54.72 ID:lWk/kn2T0 - 御坂「それで自分の能力に気づいたわけね」
詠矢「そうなんだ。変質はすぐに収まったんだけど、もしかしたらって思ってね」 詠矢「で、ここに来た目的、につながる訳ですよ」 白井「一応、話の筋は通ってますわね」 詠矢「信じるか信じないかはそちらさんの自由だけどね。嘘は言ってねえよ」 詠矢「さて、尋問は以上かな?終わりなら…帰らせてもらっていいかい?」 白井「そうですわね…事情聴取はこれぐらいですわね…」 白井「初春、調書の方はよろしいですの?」 初春「はい、バッチリです…(カタカタ)」 詠矢「へえ、そっちの娘、初春サンっていうのか」 詠矢「俺は詠矢空希ってもんだ。よろしくなー」 初春「あ、はい…どもです…(ペコリ)」 白井「では、今日はこれでお引取り頂いて結構です。但し!」 白井「次に出頭をお願いすることがあったら、素直に従うように」 詠矢「へいへい」
|
- 御坂「……?(誰よアイツ……見ない顔ね……)」スペシャル再放送
100 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2012/08/20(月) 20:48:13.73 ID:lWk/kn2T0 -
詠矢「じゃ、部屋に荷物が届くころなんで」 詠矢「そろそろ帰らせてもらうわ。んじゃ…あっと、白井サン」 白井「なんですの?」 詠矢「俺にも一つだけ聞きたいことがあるんだけどさ、いいかな?」
|
- 御坂「……?(誰よアイツ……見ない顔ね……)」スペシャル再放送
101 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2012/08/20(月) 20:48:28.32 ID:lWk/kn2T0 - 白井「答えられることなら答えますわ」
詠矢「白井サンの能力。射程はどれくらいなんだい?」 白井「…お答えするのは少し躊躇しますわね」 詠矢「俺のことを信用出来ないのも無理は無いと思うが…」 詠矢「どうしても確認したいことがあってね。頼むよ」 白井「ま、よろしいですわ。わたくしの空間移動の射程は最大81.5m…」 詠矢「当然、直線距離だよな…。なるほど…81.5mか…」 白井「なんですの?」 詠矢「いや、まだアレだな…。話すにはまだ立証が足りないかな…」 白井「…」 詠矢「んじゃ、皆さんまたなー」 御坂「またって…もう会いたくないんだけど…」 詠矢「まあ、そう言いなさんな。縁があればまた会うさ」 詠矢「そんじゃまた」 佐天「(ガチャ)やっほー、こんにちわー。遊びに来たよー!」
|
- 御坂「……?(誰よアイツ……見ない顔ね……)」スペシャル再放送
102 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2012/08/20(月) 20:48:48.88 ID:lWk/kn2T0 -
詠矢「…」 御坂「…」 白井「…」 初春「…」 佐天「…」 佐天「(え…何この空気…)」
|
- 御坂「……?(誰よアイツ……見ない顔ね……)」スペシャル再放送
103 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2012/08/20(月) 20:49:02.00 ID:lWk/kn2T0 - 初春「…あ…佐天さん…こんにちわ…」
佐天「うん…こんちわ…初春」 詠矢「…んじゃ、入れ違いで失礼するわ」 佐天「えっと…あなた…は…?」 詠矢「容疑者だよ…(ニヤリ)」 佐天「…へ?」 詠矢「…」 佐天「…?(行っちゃった)」 佐天「初春、今の人は?」 初春「ちょっと、事情を聞いていた人…ですね。なんか特殊な能力者みたいで…」 佐天「へえ…能力者…なんだ」 初春「レベルは0みたいなんですけど」 佐天「…ふーん…」 白井「……」 白井「本当レベル0なのかどうかは、本格的な検査を待つ必要がありますけど…」
|
- 御坂「……?(誰よアイツ……見ない顔ね……)」スペシャル再放送
104 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2012/08/20(月) 20:49:21.56 ID:lWk/kn2T0 -
御坂「どうしたの黒子?さっきからなんか考えてるけど・・・」 白井「あの方がわたくしに聞いたこと、少し気がかりですわね」 御坂「黒子の能力の射程の話?」 白井「ええ、なぜあの情報が必要だったのか…。何も裏が無ければよろしいのですが」 御坂「さあ…何考えてるわかんないヤツだし。確かに気にはなるわね」 白井「…本当に、何も無ければいいのですが…」
|
- 御坂「……?(誰よアイツ……見ない顔ね……)」スペシャル再放送
105 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2012/08/20(月) 20:49:34.89 ID:lWk/kn2T0 - (学生寮 自室)
詠矢「ふう、荷解きはこんなもんかな」 詠矢「やっぱ荷物は少なめにして正解だな」 詠矢「しかし学生寮って言うから、もっとみすぼらしい部屋を覚悟してたんだが」 詠矢「なかなかどうして、立派なモンじゃねえの」 詠矢「ベットもでかいしな…よっと(ゴロン)」 詠矢「(しかし、初日からいろいろあったなあ…)」 詠矢「(流石にちょっと疲れたかな…)」 詠矢「(考えることも増えたしな)」 詠矢「……」 詠矢「(白井サンの転移の射程は81.5m…)」 詠矢「(俺が飛ばされた橋の上は、それよりはるかに離れた場所だった)」 詠矢「(このことが何を意味するのか…)」 詠矢「(俺が、絶対反論の定義を)」 詠矢「(能力の『変質』だとあえて言った理由)」 詠矢「(ある一点の可能性を考えて、だったが・・・)」
|
- 御坂「……?(誰よアイツ……見ない顔ね……)」スペシャル再放送
106 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2012/08/20(月) 20:49:54.96 ID:lWk/kn2T0 -
詠矢「(まだ立証する根拠が足りないな)」 詠矢「(だが、もしかすると、もしかするかも知れんねえ…)」 詠矢「(まあ、いいや。また今度考えよう)」 詠矢「(ねむ…)」 詠矢「……」
|
- 御坂「……?(誰よアイツ……見ない顔ね……)」スペシャル再放送
107 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2012/08/20(月) 20:50:08.40 ID:lWk/kn2T0 - 以上となります。
続きはかなり先になると思います。 それではまた。
|
- 御坂「……?(誰よアイツ……見ない顔ね……)」スペシャル再放送
109 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2012/08/20(月) 20:50:27.98 ID:lWk/kn2T0 - >>8
前作を書いた当人です。
|
- 御坂「……?(誰よアイツ……見ない顔ね……)」スペシャル再放送
110 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2012/08/20(月) 20:50:49.85 ID:lWk/kn2T0 - こんばんわ
遅くなりましたが続きを投下します。
|
- 御坂「……?(誰よアイツ……見ない顔ね……)」スペシャル再放送
112 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2012/08/20(月) 20:51:03.12 ID:lWk/kn2T0 - 詠矢「……」
詠矢「ん…」 詠矢「あれ…?寝ちまったのか?」 詠矢「うわ、もうこんな時間じゃねえか…」 詠矢「今日中に携帯を変え行くつもりだったのに」 詠矢「まあ、いいか。明日にすれば…」 詠矢「しかし…腹減ったな…」 詠矢「時間も時間だし当然か」 詠矢「今からなんか作るのも面倒だな…」 詠矢「コンビニでも行くか…」
|
- 御坂「……?(誰よアイツ……見ない顔ね……)」スペシャル再放送
113 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2012/08/20(月) 20:51:20.91 ID:lWk/kn2T0 - 店員「ありがとうございましたー」
詠矢「やっぱコンビニ来ると高く付くなあ」 詠矢「安いスーパー探して、ちゃんと自炊しねえとな」 詠矢「あー腹減った…先に唐翌揚げ食っちまうか(ムグ)」 詠矢「(モグモグ)…」 詠矢「(モグ)…あれ?」 詠矢「寮はどっちだっけか?」 詠矢「えーっと…」 詠矢「うわ…完全に迷っちまったな…」 詠矢「携帯無いといろいろ面倒だなー」 ??「ハァ…ハァ…くそっ!!」 詠矢「…?なんか人の声が…?誰かいるのか?」 ??「うわっ!…(ドサッ)」 詠矢「?(路地から人か…)。おい、アンタ大丈夫か!?」
|
- 御坂「……?(誰よアイツ……見ない顔ね……)」スペシャル再放送
115 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2012/08/20(月) 20:51:37.72 ID:lWk/kn2T0 - ??「来るな!!巻き込まれるぞ!!」
詠矢「巻き込むって何の話だよ…ってなんだ、あちこち怪我してるし」 詠矢「これは…火傷か?…まあとりあえず病院行こう。肩貸すぜ…よいしょっと」 ??「マズイ追いつかれたか!?。とにかく逃げないと!」 詠矢「へ?なんかヤバイの?…あれ…なんか…熱い?」 ??「伏せろ!!」 詠矢「…!!!」 路地の奥から、空間を嘗め尽くすように赤い波が近づいてくる。それは猛烈な熱を伴った炎だ。 詠矢「…!お、おい。なんだありゃ!」 ??「くそっ!!(キュイーン!!)」 詠矢「なっ!炎が…消えた!?」 ??「……」 詠矢「…こりゃあんたの言うとおり、逃げるのが正解かね」 詠矢「とりあえず…そうだな、あっちのビルの影にでも隠れよう」 詠矢「上手くいけばやり過ごせるかも知れねえ」
|
- 御坂「……?(誰よアイツ……見ない顔ね……)」スペシャル再放送
117 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2012/08/20(月) 20:51:52.47 ID:lWk/kn2T0 -
??「いや、あいつらの狙いは俺なんだ。通りすがりの人を巻き込むわけにはいかない」 詠矢「…面白いじゃねえの。そんな台詞、リアルで聞けるとは思わなかったぜ」 詠矢「というわけで、ちょいと関わらせてもらうぜ?」 ??「え?って…あんた、何考えてんだって…おい!!」 詠矢「はいそうと決まったらとっとと走る!!」
|
- 御坂「……?(誰よアイツ……見ない顔ね……)」スペシャル再放送
118 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2012/08/20(月) 20:52:09.06 ID:lWk/kn2T0 - 詠矢「…ふう…少し落ち着いたか…」
詠矢「ここは路地からも死角になってる。そうそうは見つからないだろう」 ??「…あんた…どうゆうつもりだ…」 詠矢「面白そうだから関わらせてくれって、さっき言わなかったか?」 ??「面白くなんかねえよ!これは冗談で踏み込んでいい世界じゃない」 ??「相手はこっちの命なんかなんとも思ってないんだ」 詠矢「生きるか死ぬかってんなら、アンタも同じだろ?それを解った上で、俺だけを逃がそうとした」 ??「……」 詠矢「そんな人を、見捨てて逃げたくはねえな」 ??「…あんた…」 詠矢「そういうこった。ま、数が多い方が生存確率も上がるぜ」 詠矢「とりあえず、情報を整理しようか」 詠矢「まずは自己紹介からだな。俺は詠矢、詠矢空希ってもんだ…よろしくな」 ??「…俺は上条…当麻…だ。よろしく」 詠矢「上条サンねえ…了解」
|
- 御坂「……?(誰よアイツ……見ない顔ね……)」スペシャル再放送
119 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2012/08/20(月) 20:52:25.51 ID:lWk/kn2T0 -
詠矢「で、順番に行こう。まずはさっきの炎だが…」 詠矢「火炎放射器って訳でも…なさそうだな…」 上条「ああ、そうだ。あれはそんなもんじゃない」 詠矢「じゃあ、やっぱ発火系の能力者かな?」 上条「いや、それも違うんだ。あれは『魔術』だ」 詠矢「…『魔術』!?…って要するに『魔法』のことなのか?」
|
- 御坂「……?(誰よアイツ……見ない顔ね……)」スペシャル再放送
122 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2012/08/20(月) 20:52:43.84 ID:lWk/kn2T0 - 詠矢「そんなもん実在するのかよ」
上条「ああ、実在する。科学とはまったく概念の違う力だ」 詠矢「はー…またいきなりな話だな。流石の俺も思考が止まるわ…」 詠矢「まあいい。今そこに突っ込むのは時間の無駄だ。丸呑みにするとしよう」 上条「俺も魔術に関してはあんまり詳しい訳じゃ無いんだ。そうしてくれると助かる」 詠矢「お互い、話が早くていいな。それともう一つ、気になることがな…」 上条「言いたいことは大体わかる。やっぱ説明しといたほうがいいか…」 詠矢「じゃあ、あの消えた炎、やっぱりあんたの『力』なのか?」 上条「俺はレベル0の無能力者だ。ただ…」 上条「この右手には、あらゆる異能を打ち消す力が宿ってるんだ」 詠矢「打ち消すって…能力者の能力もか?」 上条「そうだ。『あらゆる異能』ってのは、魔術も能力も含んでる」 上条「この右手で触れさえすれば、全て打ち消すことが出来ちまうんだ」 詠矢「はー、そりゃまた…。なんとも問答無用な能力だな」 詠矢「ま、おかげで命拾いしたわけなんだが…」
|
- 御坂「……?(誰よアイツ……見ない顔ね……)」スペシャル再放送
123 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2012/08/20(月) 20:52:58.90 ID:lWk/kn2T0 -
詠矢「(右手がどうやって異能の力を見分けてるのか)」 詠矢「(触れる、とは言っても、厳密な効果範囲は何処から何処までなのか)」 詠矢「(なんとも『論証』しがいのありそうな能力だねえ…)」 上条「じゃあ、俺も聞いていいか、えっと…」 詠矢「俺のことは詠矢でいい」 上条「そっか。じゃあ詠矢、お前こそ何者なんだ?」 上条「この状況で、まるで緊張感もねえ。それどころか楽しんでるように見える」 上条「まだわかってねえんじゃないのか?相手は本気なんだぞ…」
|
- 御坂「……?(誰よアイツ……見ない顔ね……)」スペシャル再放送
124 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2012/08/20(月) 20:53:15.64 ID:lWk/kn2T0 - 詠矢「こんなことは初体験でね。まだ臨場感が足りないのは事実。だが、状況は理解してるつもりだ」
詠矢「それとな、俺にとって知識と経験はそのまま力になる」 詠矢「誰だって、成長を実感してるときは楽しいもんだろ?」 上条「…どういうことだ…全然わかんねえよ」 詠矢「そらそうか。俺の能力説明してねえもんな」 詠矢「俺も能力者だ。が、上条サンと同じレベル0。能力の名は絶対反論(マジレス)」 詠矢「能力に対して論証を…」 詠矢の言葉をさえぎるように、空中に次々と火の玉が浮かぶ。その数は、あっと言う間に目で追える限界を超えた。 上条「くそっ!もう見つかったか!」 詠矢「なんだ、これ…これが敵の攻撃か?」 上条「そうだ、コイツがヤバイんだ…逃げるぞ!!」 詠矢「いかにも襲ってきそうだしねえ…おうさ!」 火の玉は躊躇無く彼らに襲い掛かり、次々と炸裂する。 詠矢「うおっ!!爆発とかシャレになってねえぞ!」 上条「だからヤベエつったろ!!」
|
- 御坂「……?(誰よアイツ……見ない顔ね……)」スペシャル再放送
125 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2012/08/20(月) 20:53:32.06 ID:lWk/kn2T0 -
詠矢「(今のところ逃げ回ってれば何とかなるが、この手数、いずれ追い詰められるな)」 詠矢「なあ上条サン、敵の数は何人かわかるか?」 上条「多分、四〜五人、そのうち一人がこの魔術を使ってる魔術師だ」 詠矢「よし、大した数じゃねえな。ならこっちから攻めに出よう」 上条「そりゃ俺だってそうしたいけど…。逃げるので精一杯だろ!!」 詠矢「確かにまあ…うおっ!!(ドドドドドッ)」 上条「詠矢!俺の後ろに!!」
|
- 御坂「……?(誰よアイツ……見ない顔ね……)」スペシャル再放送
127 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2012/08/20(月) 20:53:50.26 ID:lWk/kn2T0 - 詠矢「たのむ!!」
上条「こなくそっ!!(キュイーン)大丈夫か!」 詠矢「…いや、助かったぜ。ありがとさん」 詠矢「しかし…このままじゃジリ貧だ。どうしたもんか…」 上条「なんか手があるのか?詠矢」 詠矢「…上条サン。敵の人数が解ってるってことは、一旦相手と接触したんだよな?」 上条「ああ、攻撃が始まってからしばらくして、何人かに囲まれたんだ」 上条「その中の一人が、炎の魔術を撃ってきて…」 詠矢「なるほど…つまり。奴らには接触する必要があったってことか…」 詠矢「さっきからのこの火球の攻撃、散発的過ぎると思ってたんだ」 上条「この攻撃は奴らの決め手にはならないってことか」 上条「実際、逃げ回ってればなんとかなるわけだからな」 詠矢「そう、その通り。これは敵を追い詰める手段に過ぎない」 詠矢「逆に言えば、こっちが消耗する前に、やっぱり打って出る必要があるな」 詠矢「…」
|
- 御坂「……?(誰よアイツ……見ない顔ね……)」スペシャル再放送
128 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2012/08/20(月) 20:54:09.27 ID:lWk/kn2T0 -
上条「なんだよ、急に黙って」 詠矢「…上条サン、酷いこと言っていいか?」 上条「なんだ…?」 詠矢「囮になってくれ」 上条「…はい?」
|
- 御坂「……?(誰よアイツ……見ない顔ね……)」スペシャル再放送
129 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2012/08/20(月) 20:54:22.83 ID:lWk/kn2T0 - (空き地)
路地を抜けた奥にある少し開けた場所。鉄骨が組み上がっただけの建設中のビルと、その資材が並べられている。 その中央に一人立つ青年、上条当麻である。 上条「…さあて」 上条「さあ、魔術師、もう弾切れか!?。俺はここにいるぞ!!」 ??「……」 影からにじみ出るように現れる5体の人影。それは、ちょうど星形になるように上条の周囲を取り囲む。 魔術師「ついに観念したか。上条当麻」 上条「あきらめてなんかいねえよ。ちょっと追いかけっこに飽きただけだ!」 魔術師「逃げるのをやめたのなら同じこと…。生きて帰れると思うなよ」 上条「やっぱりそうか…」 魔術師「…ん?」 上条「俺を殺したいのなら、さっきの魔術でやればいい」 上条「わざわざ姿を見せたってのは、そうする理由があるからだ」 魔術師「ハッ、何を言うかと思えばその程度の事か。それがわかったとろで何になる」 魔術師「どの道お前の命が尽きることには変わりはないわ!」
|
- 御坂「……?(誰よアイツ……見ない顔ね……)」スペシャル再放送
130 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2012/08/20(月) 20:54:45.36 ID:lWk/kn2T0 -
上条「どうかな…お前に俺が倒せるか?」 上条「その炎じゃじゃあステイルの足元にも及ばないぜ!」 魔術師「あのイギリスの魔術師か…。結構、私が劣るというのなら…逃げおおせてみることだな!」 魔術師「……」 魔術師が詠唱を始めると、周囲の兵らしき者が、懐から得物を取り出す。 兵A「…(シャキン)」 兵B「…(シャキン)」 兵C「…(シャキン)」 兵D「…(シャキン)」 上条「(なんだ、武器が変形して伸びた?3mぐらいないか?どうするつもりだ…)」 魔術師「[ピーーー]っ!!」 上条「うわっ!!」
|
- 御坂「……?(誰よアイツ……見ない顔ね……)」スペシャル再放送
131 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2012/08/20(月) 20:55:05.51 ID:lWk/kn2T0 - 魔術師の両手から放たれる一条の炎。それは扇状に広がり、あっという間に上条を包み込む。
上条「…!!(キュイーン)…」 上条「(くそっ!。この炎!!。確かに威力はステイル程じゃないが…」 上条「(効果範囲が広すぎる…。右手じゃ消しきれねえ!!)」 兵A「…(ザッ)」 兵B「…(ザッ)」 兵C「…(ザッ)」 兵D「…(ザッ)」 上条「(距離を…詰めてきやがる…。ダメだ、身動き取れねえ!!)」 詠矢「(ザッザッザッザッ)うりゃあ!!中段蹴りぃ!!」 兵B「…なっ!!」 何処からとも無く走ってきた詠矢の蹴りが、振り返ろうとした兵の脇腹に見事に命中した。 兵B「…ぐあっ!!…ゲフッ…(ガクッ)」 詠矢「よし、一人無力化…」 魔術師「なんだと!!伏兵か!」
|
- 御坂「……?(誰よアイツ……見ない顔ね……)」スペシャル再放送
133 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2012/08/20(月) 20:55:20.22 ID:lWk/kn2T0 -
上条「(…魔術が弱まった…集中が途切れたか?今なら抜けられる!)」 上条「…っ!!(ゴロゴロ)」 魔術師「しまっ…た!!」 詠矢「上条サン、大丈夫か!」 上条「ああ、おかげさんでなんとか…」 上条「あと、解ったぜ、奴らの狙いが…」 詠矢「狙い…ってーと?」 上条「魔術の攻撃は、俺を押さえ込むための手段でしかない」 上条「火球や炎で動きを封じて、あの長い武器で範囲外から攻撃するつもりだ」 詠矢「なるほど…魔術では上条サンを倒せないと初めから解ってたんだな…」 詠矢「あの武器…ハルバードってヤツかな…。しかしセコイ作戦だなあ」 魔術師「……」
|
- 御坂「……?(誰よアイツ……見ない顔ね……)」スペシャル再放送
134 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2012/08/20(月) 20:55:36.79 ID:lWk/kn2T0 - 詠矢「そこまで解れば話は早い。要するにだ」
詠矢「周りのザコを倒せば、その作戦は成立しなくなる!」 詠矢「上条サン、あの偉そうなヤツは後回しだ。あと一人引き受けるから、残りは頼むぜ!(ザッ)」 上条「勝手にノルマ決めるなよ!まったく…(ザッ)」 上条「さあて…悪いが、しばらく眠っててもらうぜ」 兵D「…(ガシャン)」 上条「…(武器を放した…まさか!)」 兵D「…!(ヒュッ)」 上条「とっ…とととっ!!(ザザッ)」 兵D「なにっ!!避けた、だと!?」 上条「懐から短刀か…あっぶねえ。もうちょっと気づくのが遅かったらヤバかったな」 兵D「貴様、いったい…!」 上条「黙ってろ!(ドカッ)」 兵D「…!!(ゴロゴロゴロ)…(ガクッ)」 詠矢「(うわ、吹っ飛んだよ。すげえパンチ力だな…)」
|
- 御坂「……?(誰よアイツ……見ない顔ね……)」スペシャル再放送
135 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2012/08/20(月) 20:55:53.30 ID:lWk/kn2T0 -
詠矢「さあて、こっちも負けてられねえな」 魔術師「やらせんぞ…」 魔術師「やらそんぞーーーーー!!!(ゴオッ)」 上条「うわっ!!!」 詠矢「また炎か!。上条サン!!」 上条「…!!!(キュイーン)…」 詠矢「(ダメだ、炎の効果範囲が広すぎて消しきれてねえ)」 詠矢「(あれが有る限り、まだ相手の有利は覆らない…)」 詠矢「(イチかバチか、やってみるか…)」
|
- 御坂「……?(誰よアイツ……見ない顔ね……)」スペシャル再放送
136 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2012/08/20(月) 20:56:10.26 ID:lWk/kn2T0 - 詠矢「おい、そこの魔法使い!!」
魔術師「…私は魔術師だ!」 詠矢「この際どっちでもいい!」 詠矢「魔術だか何だか知らないが、炎を起こしてることには変わりないな」 詠矢「それだけ膨大な火を起こすには、それ相応の可燃物が必要だ」 詠矢「しかもこれだけの範囲に広がるということは」 詠矢「可燃物は気体か液体のはず」 詠矢「見たところ、あんたはボンベもタンクも持ってるようには見えない」 詠矢「そんな大量の可燃物、どっから調達してるだ?」 魔術師「…ハハッ…」 魔術師「ハーッハハハハ!!愚か者め!!」 詠矢「…なんだ?」 魔術師「これは魔術!可燃物など必要ないわ!!」 魔術師「独自の原理によって生み出される力だ。科学側の前提など関係あるものか!!」 詠矢「な…なんだと!そんなインチキがあるか!」
|