- 今年最後のIDと!ninja確認してけ
234 : 忍法帖【Lv=5,xxxP】 [sage]:2011/12/31(土) 01:56:26.15 ID:Bk581gjE0 - てす
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- 荒牧陽子ってなんでおっぱい見せてんの
1 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2011/12/31(土) 13:37:00.63 ID:Bk581gjE0 - 犯されたいの?
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- よう俺
1 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2011/12/31(土) 13:58:37.66 ID:Bk581gjE0 - はあ?あんたなんかと一緒にしないでくださらない?
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- 目をつむって「我輩コロ助なりー」と打ってみるすれ
77 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2011/12/31(土) 17:01:36.55 ID:Bk581gjE0 - 吾輩ころ介なり
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- おちんちんの冒険
15 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2011/12/31(土) 17:25:20.25 ID:Bk581gjE0 - 珍スレ
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- 恭介「君の父さんの遺志を継ぐ」杏子「ふざけるな」
1 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2011/12/31(土) 19:20:35.08 ID:Bk581gjE0 - ――2023年 冬
杏子「はぁ…はぁ…」 杏子が地面に突き立てた槍に掴まっている 杏子「ちくしょう…こんなことになるんだったら……」 マミ「佐倉さん…大丈夫…?」 杏子は鼻血を流しながら雪の上に倒れた マミ「!」 杏子「くそ…!」 マミ「喋らないで…今ソウルジェムを浄化するから…!」 マミが浄化素材をかき集めて杏子の胸に押し当てた マミ「大丈夫、大丈夫よ…しっかりして…!」 杏子「……」 マミが涙目になり始めた マミ「…お願い、止まって……!」
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- 恭介「君の父さんの遺志を継ぐ」杏子「ふざけるな」
2 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2011/12/31(土) 19:21:01.32 ID:Bk581gjE0 - 杏子「…マミ」
マミ「…?」 杏子「手をどけな…。こんな量じゃとても間に合わない… …ここにあるサイコロは、全部あんたが使え…」 マミ「…! 駄目よ…そんなこと言わないで…!」 杏子「…あんたにお願いがある」 マミ「佐倉さん…?」 杏子が髪留めの十字架を引き抜いた 杏子「…もし、奴が最後の情けで『あたしだけ』を連れ去ったらさ…」 マミ「……?」 杏子「…この子を頼む…」 マミ「……。『この子』って…?」 杏子は泣きながら笑った
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- 恭介「君の父さんの遺志を継ぐ」杏子「ふざけるな」
3 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2011/12/31(土) 19:21:22.29 ID:Bk581gjE0 - 杏子「…あたしが馬鹿だった…」
体が蒸発していく マミ「佐倉さん…!? 嫌だよ! 待って!」 杏子「……」 杏子は力尽きて消滅した マミ「…うぅ…! うぅ…!!」 泣き崩れるマミ 地面についた手に何か温かいものが触れた マミ「…え…?」 杏子の腹の中にいた胎児だった マミ「…! うっ…嘘ーーっ!!」
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- 恭介「君の父さんの遺志を継ぐ」杏子「ふざけるな」
4 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2011/12/31(土) 19:21:46.93 ID:Bk581gjE0 - ―――――――
――2029年 恭介の個人オフィス 恭介がデスクでネクタイを緩めてウォッカを飲んでいる 恭介(――世界を救う為には、それでも前向きに生きなければならないのか… こんな生き地獄が奇跡の代償だというのなら、あの時死んだほうがマシだった…) 恭介「……」 (杏子『世界を救うってのはそれくらい途方もなく難しいことなんだよ』) 恭介(…あの言葉を信じるべきだった。佐倉神父の苦悩も想像に堪えない… バイオリンでできることは所詮たかが知れているということか…) ノックの音がした 仁美「入ってもいいですか?」 恭介「…志筑か」 真っ赤な口紅の仁美が外から扉を開けた 仁美「商談のほうはどうでした?」
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- 恭介「君の父さんの遺志を継ぐ」杏子「ふざけるな」
5 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2011/12/31(土) 19:22:05.40 ID:Bk581gjE0 - 恭介(…見る影もなくなったな。ビジネスごっこを始める前は本当に高貴だった)
恭介「…無事成立だ。一滴の血を流すこともなく、な…」 仁美「よかった」 仁美が恭介の肩を揉み始めた 仁美「さて…お約束でしたわね。上条さん」 恭介は鼻で笑った 恭介「…顔色一つ変えないとは、全く大した女だ。それとも金のことで頭が一杯なだけか?」 仁美「はい?」 恭介「腹の底では『誓約書でも書かせるべきだった』と思ってるんじゃないか? 結婚の話は白紙だ。それから、お前はクビだ。志筑」 仁美「まあ。ご冗談でしょう?」
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- 恭介「君の父さんの遺志を継ぐ」杏子「ふざけるな」
6 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2011/12/31(土) 19:22:27.86 ID:Bk581gjE0 - 恭介「とぼけなくていい。斜太の連中にヤクザが絡んでいた…
お前は知っていたんだろう? 初めから私をはめるつもりだった そうでないなら一体どこの世界に血の流れる商談があるって言うんだ? 言ってみろ」 仁美「さぁ? 何をおっしゃってるのかわかり兼ねますわね」 恭介(小馬鹿にしたような猫撫で声を…。大方また何か企んでいるんだろうが…) 恭介「…顔に銃を向けられたんだ。今日ばかりは私の情けに期待しないほうが身の為だぞ」 仁美「そう」 仁美が肩を掴んだまま耳打ちした 仁美「あなたを強姦罪で訴えることだってできるのよ?」 恭介(…策士気取りか。薬を盛ったのもお前だろうな) 恭介「…お前とセックスをした覚えはない」 仁美「あら。私は覚えてますわ。あなたはひどく酔ってましたけれど、ね」 恭介は震える手でグラスを口に近付けた
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- 恭介「君の父さんの遺志を継ぐ」杏子「ふざけるな」
8 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2011/12/31(土) 19:22:45.46 ID:Bk581gjE0 - 仁美「…赤ちゃんがいますの」
腹をさする仁美 恭介「……」 仁美「父親が誰なのか。ちょっと調べればわかることですわ」 恭介「…ほう」 恭介がグラスを置いて立ち上がる 恭介「なら、こうしよう」 仁美のみぞおちをえぐり込むように殴った 仁美「ううっ!?」 体が背中から浮き上がる 恭介「職業病でな…、私は人の心が読めるんだ。お前のような愚鈍な女の心は特に、なっ!」 渾身の2発目 仁美「はあっ…! あっ…!」 崩れ落ちた仁美の髪を掴み上げる
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- 恭介「君の父さんの遺志を継ぐ」杏子「ふざけるな」
9 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2011/12/31(土) 19:23:15.26 ID:Bk581gjE0 - 恭介「斜太の入れ知恵か? だが私を出し抜こうとしても無駄だ」
仁美「うっ、うぅあ…!」 恭介「レイプが望みならすぐにでも引き受けるぞ。お前の子供とやらも喜んでいることだろう…!」 仁美「…あ…」 恭介「?」 仁美「…悪魔…!」 恭介「……」 恭介がデスクの引き出しからハサミを取り出し、片方の刃を仁美の口に突っ込んだ 仁美「ひっ!!」 恭介「それがどうした、醜い雌豚! 『真人間を相手にしてると思うな』とあれほど言っただろう!」 刃先が仁美の頬を内側から押し上げている 仁美「…!」
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- 恭介「君の父さんの遺志を継ぐ」杏子「ふざけるな」
10 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2011/12/31(土) 19:23:35.83 ID:Bk581gjE0 - 恭介「私の佐倉神父との違いは、第1に『神を信じていない』こと、
第2に『生まれながらのサディスト』であるということだ 有名な話だと思っていたが、知らなかったか? …悪魔で結構!」 仁美「かっ…あっ…!」 恭介「お前は自分を『口の堅い女』だと思うか! なら私がこの口を文字通り耳まで裂いてやる! それが嫌なら本当のことを言え! 今すぐに!」 仁美は口を開けたまま泣き出した 仁美「あ…、…はっ…」 恭介がハサミを抜いた 仁美「うっ…うっ…。お……お金が…欲しかったの…」 恭介「ふん…。お前の親父は金の使い方も教えてくれなかったのか 借金はいくら作ったんだ? 2億か。3億か」
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- 恭介「君の父さんの遺志を継ぐ」杏子「ふざけるな」
11 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2011/12/31(土) 19:23:56.94 ID:Bk581gjE0 - 仁美「たった5千万よ…!」
恭介「『たった』? 失敗もする訳だ。5千万という金額は、お前には一生かかっても作れない いつまでも空から金が降って来ると思ったら大間違いだ …挙句に色仕掛けとは笑わせる。縁でも切られないうちに親に泣き付くがいい」 仁美「うぅ…」 涙でアイラインが流れた 恭介「それ以上私の前で泣くな。見苦しい」 仁美「……。ここまで心から憎いと思った人は、あなたが初めてですわ…」 恭介「私も愛する人以外を傷つけたのはお前が初めてだ」 仁美がよろめきながら立ち上がり、ハイヒールを履き直した 恭介「…妊娠しているというのは本当か?」 仁美「…そうだと言ったら?」 恭介「私の子じゃない」
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- 恭介「君の父さんの遺志を継ぐ」杏子「ふざけるな」
12 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2011/12/31(土) 19:24:13.42 ID:Bk581gjE0 - 仁美「……。さすがですね。ええ、図星ですわ…全て私の考えたでっち上げ…」
恭介「そうだろうとも。馬鹿馬鹿しい…」 恭介がデスクに戻った 仁美はベッドに腰掛けて目を塞いだ 仁美「…斜太さんは何て…?」 恭介「……。杏子の名を商談のダシに使われた。生きてるかどうかさえわからないのに…」 恭介はウォッカをグラスに注いでため息をついた 恭介(もう空か…) 仁美「…上条さんらしくないですわね」 恭介「…私がここまでのし上がって来られたのは、杏子の存在があったからだ」 仁美「…まだ、愛してらっしゃるの…?」 恭介「薄汚い口を閉じろ、ゴキブリめ。お前が欲しいのは金だろうが」
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- 恭介「君の父さんの遺志を継ぐ」杏子「ふざけるな」
13 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2011/12/31(土) 19:24:31.41 ID:Bk581gjE0 - 仁美「…子供だったとはいえ、一度は好きになった男性ですもの」
恭介「執念だけは人一倍だな」 仁美「…必要なものがありましたら、お持ちしますわ…」 恭介「……酒が欲しい。野生の象を2頭殺せるほどの、大量の酒が…」 仁美「……」 恭介「…今度こそ睡眠薬の入っていないやつをな」 仁美「…! …すみません」 扉を開ける仁美 恭介「志筑」 仁美「…はい?」 恭介「口紅を落とせ。お前に赤は似合わない」
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- アナルトな俺
5 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2011/12/31(土) 19:24:32.20 ID:Bk581gjE0 - おれっちはアナルト…早乙女アナルトです
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- 恭介「君の父さんの遺志を継ぐ」杏子「ふざけるな」
14 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2011/12/31(土) 19:24:52.51 ID:Bk581gjE0 - 仁美「…ありがとうございます」
恭介「…悪運の強い女だ。全く、虫唾が走る……。神父の戒めは年内に暗記しろ そうすれば日曜学校の教師として死ぬまでコーデリアで働かせてやる」 仁美「……」 仁美が部屋を出ていった 恭介(さやか…) 写真の入った引き出しを開ける恭介 恭介(杏子……) 額縁の真ん中で、赤いドレスを着た杏子がピアノを弾いている 恭介(…どこに行ってしまったんだ…)
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- 山田ってベタベタしすぎじゃね
20 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2011/12/31(土) 19:26:49.10 ID:Bk581gjE0 - 山田にまかせてください!
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- 恭介「君の父さんの遺志を継ぐ」杏子「ふざけるな」
18 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2011/12/31(土) 19:30:22.65 ID:Bk581gjE0 - ――――――――
――2011年 春 マミの家 QB「――それと引き換えに出来上がるのがソウルジェムという訳 これを手にした者は、戦いで力尽きるとこの世界から消えてしまう運命を背負うんだ」 さやか「え…!?」 マミ「そう。契約で願いを叶えた魔法少女は、希望によって世界に歪みを引き起こす その歪みが解放される時、希望の分だけ、呪いが生まれてしまうの それが人の世に災いをもたらす前に、私達は『円環の理』に導かれて去っていく…」 さやか「そんな…じゃあ、いつかはマミさんも…?」 マミ「うん…そうよ」 さやか「……」 杏子「何ビビってんのさ? 戦いに明け暮れてでも叶えたい願いがあるんじゃなかったのかよ」 さやか「あたしは…」 杏子「……まぁ、あんたの望みなんて所詮その程度のもんだったってことだよ 契約しちゃう前にそれがわかってよかったじゃん」
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- 恭介「君の父さんの遺志を継ぐ」杏子「ふざけるな」
19 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2011/12/31(土) 19:30:42.60 ID:Bk581gjE0 - さやか「うぅ…」
マミ「……。まぁ、仕方ないよね。人手は惜しいけれど、無理強いはできないもの」 さやか「…ごめん、マミさん…」 マミ「いいのよ。あなたが安易に契約してしまわなくてよかったわ」 杏子「さ、一般人は帰った帰った」 さやか(そうなんだ…。この人達がやってることって、 傍から見るとかっこよくて楽しそうに見えるけど、実はそんな簡単なことじゃなくて… 願い事を叶えたのにも、それなりの代償を払ってるんだ…) さやか「うん…あたしの考えが甘かったよ。軽い気持ちで首突っ込んじゃって、ごめん」 立ち上がるさやか マミ「あら、帰っちゃうの? せっかく来たんだし、契約の話は置いといて、 もっとゆっくりして行かない?」
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- 恭介「君の父さんの遺志を継ぐ」杏子「ふざけるな」
20 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2011/12/31(土) 19:31:03.27 ID:Bk581gjE0 - さやか「ううん、まだ時間早いけど、あたしちょっと用事があってさ
ちょうど話ついちゃったし、キリいいかなって」 マミ「そう…」 さやか「んじゃね」 さやかは帰っていった 杏子「…馬鹿だよね。『戦い』はよくて『消える』のは駄目って、一体どういう基準だよ」 杏子がケーキをかじる マミ「仕方ないわよ。実際に魔獣の姿を見たこともない、普通の女の子だもの 普通に暮らしていく中で本物の殺し合いを想像できる子なんて、そういるものじゃないわ」 杏子「あいつは魔法少女には向いてないだろうね」
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- 恭介「君の父さんの遺志を継ぐ」杏子「ふざけるな」
21 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2011/12/31(土) 19:31:23.63 ID:Bk581gjE0 - マミ「どうして?」
杏子「んー、勘…っていうのかな。あいつが考えてた願い事、男絡みなんじゃないかって気がする 単に『あの人と上手く行きますように』なのか何なのか知らないけど 何ていうかさ、恋なんてその時だけの幻みたいなもんじゃん? そこんとこ無視して『それでも戦う』だなんて、間抜け通り越して危険思想だ」 マミ「いいじゃない、幻だって。恋に生き、恋に死ぬ… 円環の理は夢から覚めようとしている女の子に永遠を与えるの そうして魔法少女はそれぞれの安らぎの中、穏やかに旅立っていく… ロマンチックじゃない?」 杏子「…消えちまったら何の意味もねーよ」 マミ「そうかもね」 マミは紅茶を飲んだ
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- 恭介「君の父さんの遺志を継ぐ」杏子「ふざけるな」
22 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2011/12/31(土) 19:31:39.14 ID:Bk581gjE0 - ――――――――
――恭介の病室 恭介がさやかから顔を背けてCDを聴いている さやか「何を聴いてるの?」 恭介「…『亜麻色の髪の乙女』」 さやか「あぁ、ドビュッシー? 素敵な曲だよね」 恭介「……」 さやか「…あ、あたしってほら、こんなだからさ。クラシックなんて聴く柄じゃないだろって みんなが思うみたいでさ。たまに曲名とか言い当てたら、すごい驚かれるんだよね 意外すぎて尊敬されたりしてさ…」 恭介「……」 さやか「…恭介が教えてくれたから…。でなきゃあたし、 こういう音楽ちゃんと聴こうと思うきっかけなんて、多分一生なかっただろうし…」
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- 恭介「君の父さんの遺志を継ぐ」杏子「ふざけるな」
23 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2011/12/31(土) 19:32:01.61 ID:Bk581gjE0 - 恭介「…さやかはさ」
さやか「ん…何?」 恭介「…さやかは、僕をいじめてるのかい…?」 さやか「…!?」 恭介がイヤホンを外した 恭介「なんで今でもまだ、僕に音楽なんか聴かせるんだ…? 嫌がらせのつもりなのか」 さやか「…だって恭介、音楽好きだから――」 恭介「もう聴きたくなんかないんだよ! 自分で弾けもしない曲、 ただ聴いてるだけなんて…! 僕は…僕は…!」 恭介が素手でCDを叩き割った ベッドに血が飛び散る さやか「!!」
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- 恭介「君の父さんの遺志を継ぐ」杏子「ふざけるな」
24 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2011/12/31(土) 19:37:15.19 ID:Bk581gjE0 - ――――――――
――病院前 さやか「! あんたは…」 杏子がポテトチップを食べている 杏子「よう」 さやか「……」 杏子「何しょぼくれてんのさ?」 さやか「な、何でもないよ…」 杏子「ふーん」 さやか「…そっちは何しに来たの? 病院なんかに…」 杏子「あんたの様子を見に来たのさ。どうせ吹っ切れちゃいないだろうと思ってね」 さやか「! ……」 杏子「…本当は迷ってんだろ?」 さやか「……うん」
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- 恭介「君の父さんの遺志を継ぐ」杏子「ふざけるな」
25 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2011/12/31(土) 19:37:37.00 ID:Bk581gjE0 - 杏子「ここに誰か入院でもしてるのか。男かい?」
さやか「…あんたには関係ないでしょ」 杏子「あるんだよね、それが」 ポテトチップを差し出す杏子 杏子「ほらよ」 さやか「……。ありがと。でもあたし今食欲ないから…」 杏子は出した分を自分で食べた 杏子「そいつ、病気なのかい?」 さやか「……」 杏子「…なるほどね。『治してやりたいのはやまやまだけど、消えちまうのは怖い』って訳か」 さやか「…あんたに何がわかるのよ」 杏子「『このまま勢いに任せて突っ走ったらあんたが後悔する』ってことだよ」 さやか「後悔しない為に、慎重に考えてるんじゃんか…」
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- 恭介「君の父さんの遺志を継ぐ」杏子「ふざけるな」
26 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2011/12/31(土) 19:37:55.39 ID:Bk581gjE0 - 杏子「駄目駄目。一度っきりの願い事を他人の為に使っちまうなんて馬鹿のやることだ
自分自身の望みが何も思い付かないってんなら、あんたは契約のことなんて 初めから聞かなかったことにして、早いとこキュゥべえの前から消えな」 さやか「恭介は…あいつは病気なんかじゃなくて…」 杏子「病気じゃない。じゃあ怪我か?」 うなずくさやか さやか「ちょっと前に事故に遭っちゃってさ。それ以来、左手が使えなくなっちゃって… 『今の医学じゃもうどうにもならない』って、医者に言われたんだって…」 杏子「……。単なる怪我ならあたしやマミの魔力一つで治せるが、 完全に動かないとなると、元に戻すのは難しいかもしれないな」
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- 恭介「君の父さんの遺志を継ぐ」杏子「ふざけるな」
27 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2011/12/31(土) 19:38:14.00 ID:Bk581gjE0 - さやか「…だから、あたしが…」
杏子「んー。五体満足のあたしに言われてもウザいだけかもしれないけど、 人間、腕の1本や2本なくたって生きていけるんだよ」 さやか「…普通の人ならね。あたしも『自分だったらよかったのに』って何回も思ったし… でも恭介はそうじゃないんだ。あいつには特別な才能があって、 それは手がどうしても必要なもので…」 杏子「ふーん…」 さやか「……」 杏子「…とにかく、お前はそいつの為に危険を冒してまで契約なんてするな 怪我のほうはあたしが一応見てやる」 さやか「…!」 杏子「でも期待するなよ。魔法だって万能じゃないんだ」 さやか「…変なことしないでよね」 杏子「変なことって何さ?」 さやか「変なことは変なこと! …例えばキツい言葉かけたりとか…」 杏子「心配すんなって。あたしも人の子だ。悪いようにはしないさ」
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- 恭介「君の父さんの遺志を継ぐ」杏子「ふざけるな」
29 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2011/12/31(土) 19:38:35.70 ID:Bk581gjE0 - ―――――――
――恭介の病室 恭介が横になったまま背中を向けている 杏子(この坊やか) 恭介「…さっきは、ごめん」 杏子「?」 恭介「…でも、もう音楽も気休めも聞きたくないんだ…」 杏子(あいつ、喧嘩してたのか…?) 杏子「よう。あたしはさやかじゃないよ」 恭介が振り返った 恭介「…だ、誰?」 杏子「佐倉杏子だ。さやかの知り合いさ」 恭介「……」 杏子が椅子に腰掛ける
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- 恭介「君の父さんの遺志を継ぐ」杏子「ふざけるな」
30 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2011/12/31(土) 19:39:03.80 ID:Bk581gjE0 - 杏子「『いきなり何だ』って思ったよね。ちょっとさやかに頼み事されて来たんだ」
恭介「……。さやかを傷つけたこと、叱りに来たんでしょう…? さやかに謝っておいてください…今は何も考えられないし、聞く耳持つ余裕もないから…」 杏子「そうじゃない」 恭介「…慰めに来たのなら、尚更結構です」 杏子は恭介の左腕を掴んだ 恭介「…?」 杏子(…サイコロ1個分だけな…。どうせあいつが仲間に加わったら、 足引っ張られて仕事は増えるし、あたしの取り分は減るし、ロクなことになりゃしない ここで治しちゃったほうが魔力の節約になる…) さりげなく魔力で治療を試みる
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- 恭介「君の父さんの遺志を継ぐ」杏子「ふざけるな」
31 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2011/12/31(土) 19:39:23.95 ID:Bk581gjE0 - 杏子(…でもなー…やっぱマミにでも頼むんだったかな…)
恭介「…何ですか」 杏子「…動かないか?」 恭介「……」 杏子(無駄だったか…) 恭介「…すみません。もう帰ってもらっていいですか…」 杏子「ああ、悪かったよ」 恭介「いえ…」 杏子「…ところでさやかとはどういう関係だい?」 恭介「え?」 杏子「死ぬほど心配してるぞ、あいつ」
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- 今のRPGはキャラクターが喋りすぎなんだよ
24 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2011/12/31(土) 19:39:33.26 ID:Bk581gjE0 - マリオはペラペラになろうがいつも通り叫んでるだけだぞ
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- 恭介「君の父さんの遺志を継ぐ」杏子「ふざけるな」
32 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2011/12/31(土) 19:39:48.65 ID:Bk581gjE0 - 恭介「…子供の時からの、友達です…」
杏子(友達ねぇ…) 杏子「…ま、あいつがヤケ起こさないうちにその手が治るように祈っといてやるよ。神様にさ」 恭介「…神様なんているもんか…」 杏子「……。あたしは信じてるよ。神様って奴は気まぐれで意地悪な役立たずだけどね」 杏子が去っていく 恭介は左手を見つめた 恭介「え…?」 CDを割った時に切った傷が治っている 恭介「…何だって…!?」
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- 恭介「君の父さんの遺志を継ぐ」杏子「ふざけるな」
37 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2011/12/31(土) 19:45:09.56 ID:Bk581gjE0 - ――病院の前
杏子が出て来た さやか「ど、どうだった?」 杏子は首を振った さやか「…そっか」 杏子「あんたに謝りたがってたぞ。行ってやりなよ」 さやか「…ううん。いい…」 歩き出すさやか 杏子「おい、契約はするなよ?」 さやか「…やれるだけのことはやったんでしょう? それで駄目だったのなら、他にどうしろって言うのよ…」
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- 恭介「君の父さんの遺志を継ぐ」杏子「ふざけるな」
38 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2011/12/31(土) 19:45:27.26 ID:Bk581gjE0 - 杏子「だからってあんたが魔法少女になる必要なんてどこにあるんだよ
あの坊やの手とあんたの命は何の関係もない 一度契約しちまったら、いつくたばったっておかしくないんだぞ それに仲間が増えればその分サイコロの分け前も減らさなきゃならねーし、 急に足りなくなったら1人で集める羽目になるんだぞ。あんたにはそれができるのかよ?」 さやか「そりゃ、最初は迷惑かけると思うけど… あんた達だって、初めから強かった訳じゃないんでしょ?」 杏子「わかんねー奴だな…。契約の願い事で坊やの腕を治したとしても、 それがきっかけになって、巡り巡って坊や自身を傷つけることになるかもしれないんだぞ」
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- お前らスタイル良すぎ まるで雲の上で天使が踊ってるようだ
1 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2011/12/31(土) 19:45:38.39 ID:Bk581gjE0 - 嫉妬?いいや違うね、自慢さ
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- 恭介「君の父さんの遺志を継ぐ」杏子「ふざけるな」
39 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2011/12/31(土) 19:46:27.49 ID:Bk581gjE0 - さやか「なっ……意味わかんない…なんでそうなるのよ!」
杏子「あたしがそうだったんだよ」 さやか「……」 杏子「契約した時はあんなことになるなんて思いもしなかった あの人だって嬉しそうだったし、しばらくの間は、1人で大変だったけど幸せだったよ …まぁ、最終的に引き金になったのは、あたしのちょっとした失敗だったんだけどね」 さやか「…『大切な人の怪我を治したい』。それって間違ってる? あたしは見返りが欲しい訳じゃない。恭介に真相を教えるつもりもない だったら恭介が傷つくことなんてある訳――」
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- 恭介「君の父さんの遺志を継ぐ」杏子「ふざけるな」
41 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2011/12/31(土) 19:47:29.89 ID:Bk581gjE0 - 杏子「その失敗ってのはさ、妹の怪我を治したことだったんだよね」
さやか「…?」 杏子「そう、あんたと一緒さ。妹に見返りなんか求めちゃいなかったよ だけどあたしの家族は、その日からすっかり壊れちまった」 さやか「……」 杏子「…魔法ってのはそういうもんさ。人の為になんか使っちゃいけなかったんだよ あたしはそれ以来、この力は自分の為だけに使い切るって心に誓ったんだ」 さやか「…だったらなんで、さっき…」 杏子「……。だから言ってんじゃん。あんたが入って来ると迷惑なんだよ 今の3人で手に入れたサイコロを、どうせ足手まといのあんたにも配ることになる それを今のうちに防げるんなら安いもんだと思ったんだ …結果的には魔力と時間の無駄だったけどね」 さやかは下を向いて泣き出した
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- 恭介「君の父さんの遺志を継ぐ」杏子「ふざけるな」
42 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2011/12/31(土) 19:47:52.31 ID:Bk581gjE0 - 杏子(泣きたいのはこっちだ、馬鹿…魔力だってタダじゃないのに)
さやか「…あんな恭介、もう見たくない…」 杏子「…だったら会わなきゃいい」 さやか「そういう問題じゃなくて…!」 杏子はため息をついた 杏子「わかったからもう拗ねるな…。魔力に余分ができたらまた何回か試してやるから」 さやか「……」 さやかが顔を上げる 杏子「…だからちょっと待てっての。時間はかかるし、上手く行く保証もないけどね」 杏子(まぁ、坊やの手は治らないけど、何もそれだけが人生じゃない しばらく経てば、坊やだって現実を受け入れられるようになるさ あんたが契約を考えるのはその後でも遅くない。ちっと頭冷やせっての) さやか「…ありがとう。…でも、あたしも心の準備はしておくから これは、あたしの問題なんだ。いつまでもあんたに迷惑はかけない」 杏子「ったく…」
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- お前らスタイル良すぎ まるで雲の上で天使が踊ってるようだ
2 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2011/12/31(土) 19:47:56.36 ID:Bk581gjE0 - もう終わりじゃあああああああああああああああああああああああああああああああ
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- お前らスタイル良すぎ まるで雲の上で天使が踊ってるようだ
3 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2011/12/31(土) 19:48:55.53 ID:Bk581gjE0 - 俺すなわち天使
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- お前らスタイル良すぎ まるで雲の上で天使が踊ってるようだ
4 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2011/12/31(土) 19:49:32.42 ID:Bk581gjE0 - >>10まで全て俺
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- お前らスタイル良すぎ まるで雲の上で天使が踊ってるようだ
5 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2011/12/31(土) 19:49:45.77 ID:Bk581gjE0 - がんばるぞい!
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- 恭介「君の父さんの遺志を継ぐ」杏子「ふざけるな」
43 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2011/12/31(土) 19:49:48.38 ID:Bk581gjE0 - ――――――――
――2005年 杏子の通う教会 佐倉神父が声を張り上げている 神父「――世界の堕落を食い止めるのは、海の上を歩き、石をパンに変える聖人ではありません 今こうしてここにいる、私やあなた方であり、その家族や友人達なのです 聞いてください。誰かに愛されることを全く苦痛に感じる人がいるでしょうか? 照れ臭いかもしれません。時には不安かもしれません。しかし誰もが望んでいるでしょう」 杏子(かっこいいよ)
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- お前らスタイル良すぎ まるで雲の上で天使が踊ってるようだ
6 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2011/12/31(土) 19:49:59.86 ID:Bk581gjE0 - . ,,,,,,,,,,,,,,
/ `.、 / ヽ . | ,z=ェl ,r=.、| | `''~ .l、,  ̄ .| | 、,_, _,!、 | . |:;:;:;:;/:;:;:.ij:;:;:;゙i.;:;| . |:;:;:〈:;:;-===-:;:〉| k `ー-ー―=´/
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- お前らスタイル良すぎ まるで雲の上で天使が踊ってるようだ
8 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2011/12/31(土) 19:50:23.45 ID:Bk581gjE0 - 容易いものだ
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- 恭介「君の父さんの遺志を継ぐ」杏子「ふざけるな」
45 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2011/12/31(土) 19:51:16.72 ID:Bk581gjE0 - 神父「人に愛される人は、気付かないうちにその人を救っています
貧しい人に与える為にあなたの財産を売り払う必要はないのです あなた方は誰一人、手のひらから金貨を出すことはできません 一度与えてしまった物は、取り戻すまで返って来ないことを忘れないでください」 神父が1円玉を取り出す 神父「しかしながら、ここにいる全員が、少なくともこのコインより 価値のあるものを無限に生み出すことができます 一時の癒し、過ぎ去っていく幸福、無意識下の愛…… これらは小さなものであるが故、誰にでも配ることができ、しかも決して尽き果てません」
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9 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2011/12/31(土) 19:51:20.09 ID:Bk581gjE0 - 阻止してみるキリッ
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