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以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
まどか「がんばれ、泣き虫ほむらちゃん」

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まどか「がんばれ、泣き虫ほむらちゃん」
95 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2011/12/18(日) 02:32:09.70 ID:Pv+IlQptP
ほむら「この肉体は死んだも同然なの。中身のからっぽになった肉体を、このソウルジェムが動かしているに過ぎない。だから、心臓の病気だった私も普通以上に動くことができる。戦うことができる」

まどか「酷い……酷すぎるよ……」ウルウル

さやか「それじゃあんた、ゾンビにされたようなもんじゃん!」

ほむら「その通りよ」

さやか「っ。何で……何でそんな平気でしゃべれるのさ……っ!」

ほむら「平気じゃなかったわ。だから、私はあなた達が魔法少女になるのを阻止したかった」

まどか「ほむらちゃん……」ポロポロ

さやか「マミさんは? その後……」

ほむら「巴マミは私とまどかも殺そうとしたわ。だから、まどかが巴マミのソウルジェムを撃ち抜いた」

まどか「っ」ポロポロ

ほむら「私達は2人でワルプルギスの夜に立ち向かって、2人がかりで倒したけれど、2人ともソウルジェムは限界だった」

ほむら「でも、まどかが最後のグリーフシードを私に使って、私を過去に送り出してくれたの」ウルウル

ほむら「キュゥべえに騙される前の私を助けて欲しい、と……」ポロポロ

まどか(ほむらちゃん……私のために、ずっとずっと傷ついていたんだね……)ポロポロ
まどか「がんばれ、泣き虫ほむらちゃん」
98 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2011/12/18(日) 02:35:05.02 ID:Pv+IlQptP
ほむら「これが私があなた達を魔法少女にしたくない理由よ……信じられるかしら?」

まどか「私は信じるよ! だってほむらちゃんが嘘を吐いてるように見えないもん!」

さやか「私も信じるよ。あんたは話したくないことまで話してくれた。それはわかるから」

ほむら「!! ほ、本当?」フルフル

さやか「約束する。私は魔法少女にならない!」

まどか「私も! ほむらちゃんを悲しませるようなことはしないよ!」

ほむら「〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜っ!!」ポロポロ

ほむら「ありがとう……ありがとう……っ!」ポロポロ

まどか(ほむらちゃん……)ジワッ

さやか(まさか、こんな壮絶な話だったなんて。そりゃあんなにうなされるのも当然だよ……)
まどか「がんばれ、泣き虫ほむらちゃん」
99 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2011/12/18(日) 02:38:09.06 ID:Pv+IlQptP
―まどかのベッドの中―

まどか(ほむらちゃん……私のためにずっと戦ってくれてたんだ)

まどか(あんな美人な子が……私なんかのために……///)

まどか(ほむらちゃん……)

まどか(しかも……あんなに傷ついてまで……)

まどか(ほむらちゃん……体が弱かった、って言ってた)

まどか(きっと、あの泣き虫なほむらちゃんが本当のほむらちゃんなんだ)

まどか(泣き虫なのに……私のためにずっと頑張ってくれてたんだね……)

まどか(なのに私は気づいてあげられなくて、私が傷つけたことだっていっぱいあったんだ)

まどか(私は、ほむらちゃんにどうしたら恩返しができるんだろう?)

まどか(ほむらちゃん……)
まどか「がんばれ、泣き虫ほむらちゃん」
102 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2011/12/18(日) 02:41:05.03 ID:Pv+IlQptP
―朝の通学路―

さやか「おはよう、ほむら!」

ほむら「!」

まどか「ほむらちゃん、おはよう」

ほむら「あなた達……」

まどか「ティヒヒ、一緒に学校行こう?」

ほむら「昨夜は正直、あまり眠れなかったの」

さやか「ああ、私も。色々考えちゃってさ」

まどか「う、うん、私も」

ほむら「でも私、未来を変えられたのね」ジーン

さやか「今まで本当にすまなかったね」

ほむら「いいえ、今となっては些細なことだから」

まどか「これで私達、お友達だね!」

ほむら「! ええ」
まどか「がんばれ、泣き虫ほむらちゃん」
104 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2011/12/18(日) 02:44:01.44 ID:Pv+IlQptP
さやか「でも問題がないわけじゃないんだよね。ワルプルギスの夜はどうするの?」

ほむら「佐倉杏子を仲間にするつもりよ」

まどか「昨日言ってた子だね。どんな子?」

ほむら「そうね、グリーフシードを目的に魔女を狩ってる典型的な魔法少女だから、美樹さんとは反目し合ってたわ」

ほむら「でも彼女の街も無事ではすまないのだから、一緒に戦ってくれると思う」

まどか「マミさんは?」

ほむら「巴さんはキュゥべえのことで敵対してしまったけれど、ワルプルギスの夜に関しては共闘できると思う。彼女が見滝原を見捨てるわけないもの」

さやか「そのマミさんだけどさ、昨夜ずっと考えてたんだけど、ほむらの味方になってもらうのは難しそうだよね」

ほむら「そうね。巴さんはキュゥべえに依存しているところもあるから……」

まどか「さやかちゃん、そんなこと考えてたんだ」

さやか「まあね。もう他人事じゃないんだしさ」

まどか(私なんて、ほむらちゃんのことばっかり考えてたよ///)

ほむら「無理に味方になってもらえなくても、ワルプルギスの夜と戦うときだけ協力してもらえれば十分だと思う」
まどか「がんばれ、泣き虫ほむらちゃん」
109 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2011/12/18(日) 02:47:06.47 ID:Pv+IlQptP
まどか「」ジー

ほむら「? 何?」

まどか「な、なんでもないよ(やっぱりほむらちゃん、綺麗だな)///」

さやか「でもさ、やっぱりマミさんはあたしの憧れなんだ。だからやっぱり、ほむらとマミさんには仲良くなって欲しいよ」

まどか「う、うん」

ほむら「そうね……キュゥべえを襲っているところを見られたのは失態だったわ」

さやか「あっ、仁美が来たよ。この話は後にしよう」

ほむら「ええ」

仁美「おはようございます。あら、暁美さんと本当にお友達になったんですのね」

さやか「だからメールで送ったじゃん。嘘ついてどうすんのさ」

仁美「私ともよろしくお願いしますわ、暁美さん」

ほむら「ええ。よろしく、志築さん」

まどか「ティヒヒ」ニコニコ
まどか「がんばれ、泣き虫ほむらちゃん」
113 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2011/12/18(日) 02:50:04.02 ID:Pv+IlQptP
―休み時間、屋上―

マミ「3人とも、こんにちは」

さやか「あ、マミさん」

まどか「!」キョロキョロ

ほむら「……」

マミ「3人とも、仲良しになったのね」

さやか「あ〜、あははは、話してみたら案外いい奴でして」

まどか(キュゥべえはいないみたい)ホッ

マミ「……」

マミ「暁美さん、お礼を言う前に消えちゃうなんて酷いわ」

ほむら「いいえ、あなたが助かっただけで、私は十分だから」

マミ「えっ?///」ドキン

まどか「」ムッ

ほむら「それに私こそお礼を言わなくちゃいけないわね。怪我を治してくれてありがとう」

マミ「そんな……元はと言えば私のせいだもの」
まどか「がんばれ、泣き虫ほむらちゃん」
117 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2011/12/18(日) 02:53:03.62 ID:Pv+IlQptP
ほむら「もう、平気?」

マミ「え、ええ。……って、そうじゃなくて!」

ほむら「?」

マミ「暁美さん、助けてくれてありがとう。あなたがいてくれなかったら、私はやられていたところだったわ」ペコリ

さやか「マミさん……」

マミ「あなたの話も聞かずに、挑発的なことを言ってばかりだったことも、とても反省してるの」

ほむら「もう気にしてないわ」

マミ「……ありがとう。これからは少しは仲良くなれるといいわね」

ほむら「ええ」

マミ「良かった。これで私の胸のつかえも取れたわ」

ほむら「巴さん」

マミ「何かな?」

ほむら「あなたに私の目的を話しておきたいの」

マミ「あなたの目的?」

ほむら「そう。ひとつはこの2人を契約させないこと。もうひとつはワルプルギスの夜を倒すことよ」
まどか「がんばれ、泣き虫ほむらちゃん」
118 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2011/12/18(日) 02:56:05.99 ID:Pv+IlQptP
マミ「ワルプルギスの夜ですって!?」

ほむら「ええ。私が別の時間軸から来たことは、キュゥべえに聞いているのでしょう?」

マミ「え、ええ。そうね」

ほむら「3週間後に見滝原に現れるの。巴さん、一緒に戦ってもらえませんか?」

マミ「……当たり前よ。私はこの見滝原を守るために魔法少女をやっているのだから」

まどか「やったね、ほむらちゃん!」

さやか「やったぁ、やっぱりマミさんは正義の味方だ!」

ほむら「ありがとう!(こんな……こんなに上手くいくなんて……夢みたい)」
まどか「がんばれ、泣き虫ほむらちゃん」
121 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2011/12/18(日) 02:59:02.98 ID:Pv+IlQptP
マミ(暁美さん……まだ隠してることがあるみたいね……)

マミ(でもあの2人には教えたんだわ……。だから、こんな急に仲良くなった)

マミ(あの2人に慕われてたのが遠い昔みたい……)

マミ(……鹿目さんの様子……キュゥべえを探してたのよね。そしてキュゥべえがいないとわかって露骨にほっとしてた)

マミ(どういうことなの……2人とも、キュゥべえを襲っていた暁美さんに不信感を持っていたんじゃなかったの?)

マミ(……キュゥべえに何か秘密があるの? 私の知らない秘密が……)

マミ(……)

マミ(……時間軸ってカッコイイ言葉ね)

マミ(今度使ってみよう)



ほむら(巴さん……私がキュゥべえを狙っていたことについてはスルーしてくれたんだ……やっぱり大人ね。かなわないわ)
まどか「がんばれ、泣き虫ほむらちゃん」
129 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2011/12/18(日) 03:02:03.54 ID:Pv+IlQptP
―放課後の教室―

さやか「せっかくほむらと仲良くなったんだし、放課後はみんなで遊びたかったけど……」

仁美「本当に申し訳ありません。今日もお稽古ですの」

ほむら「大変なのね」

さやか「それに今日はさやかちゃんも駄目なのだ」

まどか「上条君のとこだね」

さやか「ま、まあね」

仁美「……」

ほむら「それじゃ、私だけで悪いけど、一緒に帰りましょう、まどか」

まどか「う、うん(どうしよう……ほむらちゃんと2人きりなんて緊張しちゃう……)///」
まどか「がんばれ、泣き虫ほむらちゃん」
134 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2011/12/18(日) 03:05:13.82 ID:Pv+IlQptP
―帰り道―

ほむら「……」

まどか(ほむらちゃんの毛先……2つに分かれたまま……ずっと入院してた、って言ってたし、ずっと三つ編みしてたのかな……)

まどか(三つ編みしたほむらちゃんも見てみたかったな……)

まどか「ほむらちゃんは、未来から来たんだよね」

ほむら「……ええ」

まどか「席替えとかって、近々あったりしないのかな?」

ほむら「えっ?(席替え?)そ、そうね。なかったわ」

まどか「そっかー(一緒の班になれたら、掃除もHRの話し合いも一緒なのにな)」

ほむら「……」

ほむら「まどか」

まどか「なっ、何?」

ほむら「今日はずっと様子がおかしかったけど、やっぱり昨日の話を気にしているの?」

まどか「え?」

ほむら「ごめんなさい、本当はあそこまで話すつもりはなかったのだけど、美樹さんは鋭いから、彼女の信頼を得るには全部話すしかないと思って……」
まどか「がんばれ、泣き虫ほむらちゃん」
136 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2011/12/18(日) 03:08:12.40 ID:Pv+IlQptP
まどか「わ、私は別に気にしてないよ」

ほむら「本当?」

まどか「え?」

ほむら「私があなたを守るために過去に戻ったことについて、負い目は感じないで欲しいの」

まどか「あ、うん……(どうしよう……喜んでちゃ駄目だったかな……)」

ほむら「全部、私が勝手にやったことよ。あなたが気に病むことはないわ」

まどか「!!」

まどか(そうだよ……ほむらちゃんが約束したのは、今の私じゃなくて別の私なんだ。何を浮かれてたんだろ)

まどか(最低だよ……私)

ほむら「いきなりあなたを守るとか言われてもわけわかんないよね。気持ち悪いよね」ジワ

まどか「そんなこと……」

ほむら「繰り返せば繰り返すほど、あなたとの時間がズレて、気持ちもズレて言葉も通じなくなって行った。私はもうとっくに迷子になっちゃってたんだと思う」

まどか「ほむらちゃん……」

ほむら「『まどかを救う』それが最初の私の気持ち。今となってはたったひとつの道しるべなの」

ほむら「わからなくてもいい。何も伝わらなくてもいい。それでもどうか、お願い……私にあなたを守らせて欲しいの」ポロポロ
まどか「がんばれ、泣き虫ほむらちゃん」
138 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2011/12/18(日) 03:11:16.52 ID:Pv+IlQptP
まどか「ほむらちゃん……」

ほむら「まどか……」ポロポロ

まどか「わ、私は嬉しかったよ」

ほむら「え?」

まどか「ほむらちゃんが私のためにずっと頑張ってくれたこと。だから私、ほむらちゃんとの約束を守るよ。絶対、魔法少女にはならない!」

ほむら「まどかぁ」ポロポロ

まどか「ほむらちゃん」ギュ

ほむら「こんな日が……こんな日が来るなんて……ありがとう、ありがとう」ポロポロ

まどか(どうしよう、やっぱり嬉しいって思っちゃう……)

まどか(だってこうやってほむらちゃんの隣にいるのは、ほむらちゃんと抱き合っているのは、別の私じゃなくて今の私だもん)

まどか(私……嫌な子だ……)
まどか「がんばれ、泣き虫ほむらちゃん」
139 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2011/12/18(日) 03:14:08.51 ID:Pv+IlQptP
―病院―

恭介「さやかはさぁ、僕をいじめてるのかい?」

さやか「え?」

恭介「もう聴きたくないんだよ! 自分で弾けない曲なんて!」ガチャーン

さやか「やめて! やめてよ!」

さやか「大丈夫だよ、諦めなければきっといつか」

恭介「諦めろ、って言われたのさ」

さやか「!?」

恭介「今の医学ではどうしようもないって。奇跡か魔法でもない限り、もう動かないんだってさ」

さやか「……っ!」

恭介「もうバイオリンなんて!」

さやか「あるよ」

恭介「……え?」

さやか「奇跡も魔法も、あるんだよ」
まどか「がんばれ、泣き虫ほむらちゃん」
145 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2011/12/18(日) 03:17:03.66 ID:Pv+IlQptP
―朝の鹿目家―

まどか「〜♪」

詢子「どうしたい、今日は鏡の前でずいぶん念入りにお洒落してるじゃないか?」

まどか「えっ、そうかな? そんなことないと思うな///」

詢子「ふーん?」

―ダイニング―

知久「はい、ジャム」

詢子「ありがと」

まどか(ほむらちゃん、早いから待たせちゃわないようにしないと)パクパク

詢子「……」

まどか(ほむらちゃん……)ニヘラ

タツヤ「ねーちゃん、わらってるー」

詢子「ずいぶん機嫌がいいじゃないか」

まどか「えっ!? そ、そうかな。あの、この前言ってた転校生の子と仲良くなれたから、それでじゃないかな///」

詢子「ははーん」
まどか「がんばれ、泣き虫ほむらちゃん」
146 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2011/12/18(日) 03:20:05.83 ID:Pv+IlQptP
まどか「な、何?」

詢子「その転校生はズバリ男の子だった。で、あんたはそいつに惚れちまった、と」

知久「」

まどか「そそそ、そんなんじゃないよ!///」

タツヤ「ほちれまったー」

詢子「顔を赤くして言っても説得力はないね」

知久「」

まどか「大体、ほむらちゃんは女の子だよ。そんなこと考えたら迷惑かけちゃうんだから」

詢子「なんだ、そうかい」

知久「ははは。名探偵の推理も外れることがあるんだね」ニコニコ

まどか「そりゃ、ほむらちゃんは美人だしカッコイイし、私のこと大切にしてくれるけどさ///」

まどか(そうだよ……ほむらちゃんは女の子なのに……何でこんな気持ちになるんだろ……///)

詢子(いやいやいや。恋する女の顔してるじゃないか……こりゃあ覚悟を決めなきゃなんないのかね……)
まどか「がんばれ、泣き虫ほむらちゃん」
150 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2011/12/18(日) 03:23:06.06 ID:Pv+IlQptP
―朝の通学路―

まどか「ほむらちゃん、おはよう!」

ほむら「おはよう、まどか」ニコ

まどか「ティヒヒヒ///」

まどか(ほむらちゃんの笑顔、やっぱり綺麗だな///)

さやか「おはよう、2人とも……」

ほむら「おはよう」

まどか「おはよう(何だろ? 元気ないような……)」



―休み時間、屋上―

さやか「ほむら、ごめん!」

ほむら「何?」

さやか「私……私……魔法少女になりたいんだ」

ほむら「!?」

まどか「さやかちゃん!?」
まどか「がんばれ、泣き虫ほむらちゃん」
151 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2011/12/18(日) 03:26:08.32 ID:Pv+IlQptP
ほむら「ど、どういうことなの……? 魔法少女がどんなものなのか、わかってるはずでしょ?」

さやか「わかってる! わかってるけどさあ!」

ほむら「なら、なんで!?」

さやか「……もう、恭介の腕は治らないんだって。今の医学じゃ無理なんだって!」

まどか「そんな……」

ほむら(そう言えば、美樹さんが以前に契約したのも今頃だった……。上条恭介の検査結果を受けてのことだったのね……)

さやか「助けられる方法があって、私にはそれができるのに、ただ見てるだけなんて無理だよ……知らないふりとかできないんだもん!」

ほむら(どうしよう……美樹さんが上条恭介にこだわっているのは知っていたのに……どうすれば彼女を説得できるの?)

まどか「さやかちゃん、本当にわかってるの……? さやかちゃん、ほむらちゃんの知ってる未来で失恋しちゃったんだよ?(そんな人のために、命をかけるの?)」

さやか「それもわかってる……。確かに私は恭介のことが好きだけど……それだけじゃないんだ。やっぱり私、恭介のバイオリンをもう1度聴きたいの。たくさんの人に聴いて欲しいの」

ほむら「自己犠牲が過ぎるわ」

さやか「うん……でも、それはほむらも一緒でしょ?」

ほむら「っ!」

まどか「そうだ。マミさんも言ってたでしょ? 上条君の夢を叶えたいのか、上条君の夢を叶えた恩人になりたいのか、はっきりしなさい、って」

さやか「!」グッ
まどか「がんばれ、泣き虫ほむらちゃん」
156 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2011/12/18(日) 03:29:31.09 ID:Pv+IlQptP
ほむら「巴さんがそんなことを?」

まどか「うん。他人の夢を叶えるなら、なおのこと自分の望みをはっきりさせなさい、って」

まどか「最初、ちょっと冷たい言い方だな、って思ったけど、今ならわかる気がする」

まどか「命懸けで上条君の手を治したのに、上条君が他の女の子と仲良くしてても、さやかちゃんは耐えられるの?」

さやか「それは……っ」

ほむら「……巴さん、本当に大人なのね」

ほむら「私からももうひとつ……これは推測にしか過ぎないことだけど」

さやか「……何?」

ほむら「私達は大人になれないかもしれない」

さやか「へ?」

まどか「!? な、何を言ってるの、ほむらちゃん!」

ほむら「……私は何度か過去に戻ったけど、まどかにこだわってた私は見滝原を出たことがなかった」

ほむら「それでも、他の街の魔法少女と出会ったこともあるし、噂なんかも色々耳にしたこともある」

ほむら「でも……大人になった魔法少女の話は聞いたことがないわ」

さやか「!!」
まどか「がんばれ、泣き虫ほむらちゃん」
157 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2011/12/18(日) 03:32:06.58 ID:Pv+IlQptP
まどか「嘘!? 嘘だよね、大人になれない、って……それって……!」

ほむら「キュゥべえが狙っているのは、二次性徴期の少女感情エネルギーよ。大人には用はないはず。このシステムの中で、魔法少女は大人になるまで生き延びられるのかしら?」

まどか(何で? 何でそんなこと淡々と言えるの? おかしいよ、こんなの)ジワッ

さやか「ほむら……」

ほむら「お願い、美樹さん。もう1度、冷静になって考え直して」

さやか「でも……あたし……」

まどか「ねぇ……さやかちゃんもほむらちゃんをいじめるの?」

さやか「っっっ!!」

まどか「ほむらちゃんはあんなに傷だらけになりながら、私達のために……」

さやか「わかってる! そんなことわかってるよ! でもどうしようもないじゃん。あたしだってどうしたらいいのかわかんないんだもん!」

ほむら「美樹さん……」

さやか「ごめん、まどか、ほむら。今日は1人にしておいて。ほむらが言った通り、もう1度考え直してみる」

まどか「うん……」

ほむら「……」
まどか「がんばれ、泣き虫ほむらちゃん」
162 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2011/12/18(日) 03:35:05.63 ID:Pv+IlQptP
―帰り道―

まどか(私、どうしちゃったんだろ)

まどか(さやかちゃんのこと、憎らしい、って思っちゃった……)

まどか(さやかちゃんだって大切な友達なのに……子供の頃からたくさん助けてもらったのに……こんなの最低だよ、私)

まどか(さやかちゃんの大変なときだって言うのに、ほむらちゃんとずっと一緒にいられないかもしれないことばっかり考えちゃうし……)

ほむら「……」

まどか(ほむらちゃん……)

マミ「あら?」

まどか「マミさん」

ほむら「巴さん……」

マミ「……何かあったのかな? 2人とも元気がないけど……」

まどか「あの、ちょっとさやかちゃんのことで……」

マミ「美樹さんのことで?」

ほむら(巴さんなら……もしかしたら……)
まどか「がんばれ、泣き虫ほむらちゃん」
165 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2011/12/18(日) 03:38:17.26 ID:Pv+IlQptP
ほむら「巴さん……あなたは今、好きな人はいる?」

マミ「えっ!?///」ドキン

まどか「」ムカ

まどか「だ、駄目だよ、ほむらちゃん。いきなりそんなこと訊いたら、マミさん誤解しちゃうよ」

ほむら「え?」

まどか「私達、さやかちゃんの恋についてちょっと悩んでまして……」

マミ「……もしかして、美樹さんが願いを叶えてあげたい、って言ってた相手のこと?」

まどか「はい」

マミ「そうだったの……(友達想いじゃない。私はこの子の何を見てたのかしら……)」

ほむら「恋って、そんなに苦しいものなのかしら……?」

マミ「え?」

ほむら「いえ。私、恋ってよくわからなくて……」

マミ「そうね。きっと自分の想いが相手に伝わらなかったら、とても苦しいでしょうね」

まどか「はい……」

ほむら「……」
まどか「がんばれ、泣き虫ほむらちゃん」
169 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2011/12/18(日) 03:41:39.32 ID:Pv+IlQptP
マミ「でもね、それだけじゃないの。恋をすると、相手に対して独占欲が芽生えて、嫉妬の感情が芽生えて、相手を思い通りにしたいと言う想いが芽生えて」

マミ「自分の中にたくさんの醜い自分を見つけてしまうのよ。だから、恋って苦しいんだわ」

ほむら「そんな……(もしかして、魔法少女が魔女になってしまう理由って……)」

まどか(まるでほむらちゃんを好きになってからの私だ……)ズキン

マミ(と、少女漫画に描いてあったわ)

ほむら「巴さんも、そんな恋を?」

マミ「そうね、まったく恋をしたことがない、って言ったら嘘になっちゃうかもね……(風早君とか……)」※

まどか(!? 今、私……何を考えたの……?)

ほむら(信じられない……本当に巴さんと私はひとつしか歳が離れてないの? 何だかずっと大人に感じる……)


※「君に届け」の男の子
まどか「がんばれ、泣き虫ほむらちゃん」
170 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2011/12/18(日) 03:44:05.37 ID:Pv+IlQptP
まどか(ほむらちゃん……)ジー

まどか(やっぱり綺麗だな……ずっと見ていたい、って思っちゃう///)

まどか(この気持ちって、そうなのかな?)

まどか(でも女の子同士だよ。ほむらちゃんだってきっと迷惑だよ……)ズキン

ほむら「ふぅ」

まどか「ど、どうしたの?」ビク

ほむら「私は美樹さんを説得できないかもしれない」

まどか「ほむらちゃん……」

ほむら「もし今、美樹さんを諦めさせることができたとしても、きっと彼女は後悔し続けるでしょうね」

ほむら「そして上条恭介を助けられるのに助けなかったと、自分を責めるようになる……」

まどか「うん……」

ほむら「私が話した魔法少女の運命を、美樹さんがすべて受け入れると言うのなら、私はそれ以上、何を持って説得すればいいの?」ウル

まどか「……」

ほむら「彼女の上条恭介への想いをわかってあげるなら、契約を阻むのはいけないことなの?」

まどか「私もどうしたらいいのか……」
まどか「がんばれ、泣き虫ほむらちゃん」
176 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2011/12/18(日) 03:47:45.30 ID:Pv+IlQptP
ほむら「でも契約を認めるのは、私が美樹さんを諦めるみたいで、それも嫌なの!」ウルウル

まどか「さやかちゃん、もう1度考えてくれるって言ったよ? 明日もう1回話してみようよ」

ほむら「ええ……」

ほむら「……まどか」

まどか「何?」

ほむら「気を悪くしないで聞いて欲しいの。私はあなたを信じていないわけじゃない。でも、もう1度魔法少女にならないよう念を押させて」

まどか「だ、大丈夫だよ。ほむらちゃんは心配性だなぁ」

まどか(私がほむらちゃんの嫌がることをするわけないじゃん)

ほむら「でもあなたは、とても優しい子だから。私や美樹さんや巴さんが苦しむのを見て、勢いで契約してしまうのでは、と思ってしまうの」

まどか「ほむらちゃん……(私、そんないい子じゃないよ……ごめんなさい)」

ほむら「今からあなたに辛い話をするわ」

まどか「う、うん」

ほむら「あなたが魔女になったときの話よ」

まどか「!」

ほむら「あなたは魔法少女として、とてつもない才能を持ってるの」
まどか「がんばれ、泣き虫ほむらちゃん」
178 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2011/12/18(日) 03:50:27.76 ID:Pv+IlQptP
まどか「あ、キュゥべえも同じこと言ってた」

ほむら「そう。でもそれは、最高の魔法少女になれると言うことは、最悪の魔女になってしまうと言うことよ」

まどか「! そっか……」

ほむら「あなたが魔女になったとき、私は地平線を見たわ。キュゥべえによると、10日も掛からずにこの世界を滅ぼすだろう、と言うことだった」

まどか「!! う、嘘……」

ほむら「もしこの先、誰かのために力が欲しくなったとしても、今のことを思い出して考え直して欲しいの」

まどか「うん、わかった……」

ほむら「よかった……」ホッ

まどか「……ねぇ、ほむらちゃん」

ほむら「何?」

まどか「ほむらちゃんはそんなの見たのに、私が怖くないの?」

ほむら「えっ!?」

まどか「え?」

ほむら(そんなこと……考えたこともなかった……)

まどか「私は怖いよ……」
まどか「がんばれ、泣き虫ほむらちゃん」
180 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2011/12/18(日) 03:53:10.75 ID:Pv+IlQptP
ほむら(!! 私は何をやってるの! 目的ばかりに気をとられて、まどかを傷つけてる!!)

ほむら「私が守るから!!」グイッ

まどか「!!」

ほむら「あなたのことは、私が何があっても守ってみせる!」

まどか(わわわ、ほむらちゃんの顔がこんな近くに……やっぱりカッコイイよ、ほむらちゃんって……///)

ほむら「だからまどか、私を信じて……!」

まどか「う、うん(こうやってほむらちゃんと、ずっと見つめ合っていたいな)///」

ほむら「ありがとう、まどか」ニコ

まどか(きゃー、きゃー///)

ほむら「それじゃ、帰りましょう?」

まどか「ま、待って!」

ほむら「え?」
まどか「がんばれ、泣き虫ほむらちゃん」
181 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2011/12/18(日) 03:56:08.80 ID:Pv+IlQptP
まどか「あの、えと……ま、まだちょっと怖いから……ぎゅってして欲しいな、って……」

ほむら「わかったわ。まどか……怖がらせてごめんなさい」ギュッ

まどか「ほむらちゃん……///」

まどか(どうしよう……ドキドキしちゃう……ほむらちゃんに聞こえてないかな……)

ほむら(なんて小さい体……まどかを脅して言うことをきかせようだなんて、私はどこまで愚かなの……)

まどか(いい匂い…………ほむらちゃんの匂い///)

ほむら(絶対、絶対まどかを守ってみせる!)ギュッ

まどか(ほむらちゃん……///)
まどか「がんばれ、泣き虫ほむらちゃん」
188 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2011/12/18(日) 03:59:05.40 ID:Pv+IlQptP
―夜、まどかのベッド―

まどか「う〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜///」ゴロゴロ

まどか(やっぱり、この気持ちってそうだよ。あのとき……ほむらちゃんとキスしたいって思ってたもん///)ゴロゴロ

まどか(ううん、キスの先だって……抱きしめられながら、ほむらちゃんの裸を想像してた、私……///)

まどか(んも〜〜〜、ほむらちゃんは純粋に私を守ってくれてるのに、こんなのバレたら嫌われちゃうよ〜〜)ゴロゴロ

かたん。

まどか「!」

まどか「ママ、こんな時間に帰って来たんだ……」

―ダイニング―

詢子「おや、起きてたのかい」

まどか「ママ、ちょっといいかな?」

詢子「んー?」
まどか「がんばれ、泣き虫ほむらちゃん」
190 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2011/12/18(日) 04:02:04.74 ID:Pv+IlQptP
まどか「友達がね、好きな人の夢を叶えてあげたい、って思ってるの」

まどか「でもその子は、そのせいで酷い目に遭うってわかるから、別の友達は止めたい、って思ってるの」

詢子「よくある話さ」

まどか「うん。でも、その止めようとしてる子も迷ってるの。酷い目に遭う覚悟までしてる子を止められないんじゃないか、って」

詢子「まどかはどうしたい?」

まどか「……わかんない。どっちにしても、きっちり割り切れる話じゃないんだもん」

詢子「世の中ね、きっちり割り切れる話の方が少ないのさ。みんなが幸せになれるような答えなんて、神様は用意しちゃくれないんだよ」

まどか「……そうだよね。でも、それなら私はどうしたらいいのかなぁ?」

詢子「そうだね、最後は自分の心のままに行くしかないと思うね」

まどか「心のままに?」

詢子「そう。正しい道は1つじゃない。もしかすると目の前の道はどれも間違ってるかもしれない」

まどか「うん」

詢子「でもね、どれを選んでも、結局そのツケは自分に返ってくるんだよ」

まどか「……うん」

詢子「だったら、後悔しないような道を選ぶしかない。それは自分の心のままに選ぶことじゃないのかねぇ」
まどか「がんばれ、泣き虫ほむらちゃん」
192 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2011/12/18(日) 04:05:03.55 ID:Pv+IlQptP
まどか「そっか……」

詢子「まどか、あんたはいい子に育った。嘘もつかないし悪いこともしない。いつも正しくあろうと頑張ってるのは子供としちゃ出来過ぎなくらい合格だ」

詢子「だから大人になる前に、上手な転び方を練習しておきな」

まどか「転び方?」

詢子「そう。大人になるとね、プライドとか責任とか、どんどん間違えるのが難しくなっちゃうんだから」

まどか「……私、そんなにいい子じゃないみたいなんだ」

詢子「え?」

まどか「ある友達のことを考えると、普通じゃいられなくなるの……」

詢子「ふーん」

まどか「その子を自分だけのものにしたい、とか思っちゃうし、その子の言うことを聞いてくれない友達を憎らしく思っちゃったりするし……」

詢子「なるほどね(それが『ほむらちゃん』か……)」

まどか「あのね!」

詢子「おお、どうしたい?」

まどか「あのね、話は変わっちゃうんだけど、恋って何なのかな?」

詢子「そりゃあまた、いきなりだね」
まどか「がんばれ、泣き虫ほむらちゃん」
193 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2011/12/18(日) 04:08:06.99 ID:Pv+IlQptP
まどか「先輩が言ってたの。恋って独占欲とか嫉妬とか、自分の醜い心が見えるから辛いんだ、って」

詢子「……で、まどかにも心当たりがある、と」

まどか「ちっ、違うよ!/// だからほむらちゃんをそんな目で見てないってば! 一般論! あくまで一般論だよ!」

詢子(誰も『ほむらちゃん』の話とは言ってないって……)

詢子「でもね、まどか。恋は辛いことも多いけど、楽しいこともいっぱいあるんだよ」

まどか「……そうなの?」

詢子「そうさ。だからみんな恋をするんじゃないか」

まどか「そっか」

詢子「好きな人のことを考えるだけでわくわくしたり、その人といるだけで自分は何でもできるようなポジティブな気分になれたり、優しい気持ちになれたりね」

まどか「ママにとって、それがパパだったんだね」

詢子「そうさ。じゃなきゃ、結婚なんてしてないよ」

まどか「ふふっ」

詢子「でもね、もちろん相手選びも大切だけど、相手とどんな関係を築くか、ってこともとても大事なんだよ」

まどか「どんな関係を築くか?」

詢子「そう。2人の努力次第でね、いつまでも付き合ったときのときめきを持続できるようになるもんさ」
まどか「がんばれ、泣き虫ほむらちゃん」
195 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2011/12/18(日) 04:11:05.35 ID:Pv+IlQptP
まどか「パパとママも、努力してるんだ?」

詢子「もちろん。だからまどかも、そんな相手を見つけて素敵な恋を早くするんだね」

まどか「だ、だからほむらちゃんはそう言うんじゃないってば///」

……………………
………………
…………

まどか「それじゃ、おやすみ、ママ」

詢子「ああ、おやすみ」

詢子「…………」

詢子「こりゃあ、たっくんに頑張ってもらわないと、孫の顔が見れないかもね……」クス

まどか「がんばれ、泣き虫ほむらちゃん」
198 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2011/12/18(日) 04:14:01.23 ID:Pv+IlQptP
―まどかのベッド―

まどか(どんな関係を築くか……ほむらちゃんと私はどんな関係になれるんだろう……///)

まどか(って、何で恋人になるのが前提で考えちゃうの〜〜〜〜?///)ゴロゴロ

まどか(ほむらちゃんにこの気持ちがバレたら、それどころじゃないよね……)

まどか(……)

――――――


ほむら『私達は大人になれないかもしれない』


――――――

まどか「!!」ガバッ

まどか(そうだよ……何で忘れてたんだろ……都合のいいことばっかり考えて……)

まどか(ほむらちゃん……嘘だよね……ほむらちゃんとずっと一緒にいれないなんて……)

まどか(やだよ……こんな恋、実らなくてもいいから、ほむらちゃんとずっといたいよ……)ジワッ

まどか(なんで……なんでこんなに残酷なルールを作ったの……)ポロポロ

まどか(……キュゥべえ……)ギュッ
まどか「がんばれ、泣き虫ほむらちゃん」
200 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2011/12/18(日) 04:17:02.57 ID:Pv+IlQptP
―朝の通学路―

さやか「……おはよう」

まどか「……おはよ……」

ほむら「……おはよう……」

さやか「な、なんか悪いね、2人とも。昨日はあんまり寝れなかった? あ、あははは」

まどか「え、えと」

ほむら「正直に言うけど、確かに寝不足よ」

さやか「ごめん! 私のせいだよね」ペコリ

ほむら「(なんて力強い目……)もう、決意をしてしまったのね……」

まどか(どうしよう……ほむらちゃんのことばっかり考えてたなんて言えない……)

さやか「私さ、やっぱり正義の味方に憧れてるんだ、今でも。恭介のことだけじゃなくてさ、マミさんやほむらを手伝いたいんだ」

ほむら「そう……」

まどか「さやかちゃん……」
まどか「がんばれ、泣き虫ほむらちゃん」
202 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2011/12/18(日) 04:20:07.01 ID:Pv+IlQptP
さやか「だから私は魔法少女になる! 本当にごめん!」

ほむら「それじゃ私から、1つだけお願いをさせて」

さやか「何?」

ほむら「あなたは正義感が強いけれど、その分、思い込みで突っ走ってしまうところがある」

さやか「ぐっ。さすが未来人。見透かされちゃってますね、たははは……」

ほむら「だから、私や巴さんの忠告には、なるべく耳を傾けて欲しいの」

さやか「……わかった。魔法少女の先輩だもんね。素直に話を聞くよ」

ほむら「ありがとう」

さやか「まどか……裏切っちゃってごめん。あんたは、あんただけはほむらとの約束を守ってやって欲しいんだ。自分勝手で悪いけど」

まどか「大丈夫、わかってるよ。私は魔法少女にならない」

さやか「ありがとう。って、私が言えた義理じゃないけどね」タハハ

ほむら「……契約はいつ?」

さやか「できれば、今日の放課後にでも」

ほむら「そう。なら、その後巴さんのところへ行きましょう。巴さんに事情を話して、3人で魔女退治をすれば、危ない目に遭わずに戦い方を覚えられるかもしれないわ」

さやか「うん、何から何まで悪いね」
まどか「がんばれ、泣き虫ほむらちゃん」
203 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2011/12/18(日) 04:23:09.40 ID:Pv+IlQptP
まどか「わ、私もついてっちゃ駄目かな?」

ほむら「巴さんのところへは連れていけるけど、魔女退治には……」

まどか「うん、わかってる……」

―放課後、マミのマンション―

ほむら「と言うわけで、美樹さんを1人前の魔法少女にしてあげて欲しいの」

さやか「よろしくお願いします!」ペコ

マミ「そう。美樹さん、決めたのね」

さやか「はい。やっぱりやらないで後悔するより、やって後悔する方がいいと思って」

QB「お願いをきいてあげてもいいんじゃないかな、マミ。君もまどかが魔法少女ならないと聞いてがっかりしていただろう?」

まどか「ごめんなさい、私……」

マミ「い、いやねぇ、キュゥべえったら大げさなんだから/// もう気にしてないから大丈夫よ!」

まどか「マミさん……」

マミ「美樹さんのことはわかったわ。でも、暁美さんは手伝ってくれないのかしら?」

ほむら「もちろん、私も手伝うつもりよ。でも、私の師匠でもあるあなたに、このことをお願いしたいの」

マミ「し、ししょー!?///」
まどか「がんばれ、泣き虫ほむらちゃん」
205 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2011/12/18(日) 04:26:03.72 ID:Pv+IlQptP
ほむら「別の時間軸のことだから、あなたは覚えてないでしょうけど」

マミ「あー、うん、そうだったんだ……(師匠……いい響きね)」

まどか(でも、ほむらちゃんが魔法少女になったのは私のためだもん……)

まどか(って、何焼きもち妬いていやらしいこと考えてるの、私!)

マミ「じゃあ早速、3人で魔女退治に行きましょうか」

さやか「よろしくお願いします!」

まどか「私はお留守番かぁ」

ほむら「まどか……」

マミ「鹿目さんには悪いけど、やっぱりあんなことがあった後じゃ、ね……」

まどか「平気です、気にしないでください」

マミ「ごめんね。以前は考えなしだったね」

まどか「ほむらちゃんも心配しないで」

ほむら「ええ、ありがとう」

QB「まどかはもう、魔法少女になる気はないのかい? さやかみたいに心変わりをしてくれるとありがたいんだけど」
まどか「がんばれ、泣き虫ほむらちゃん」
207 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2011/12/18(日) 04:29:16.44 ID:Pv+IlQptP
ほむら「」ギロ

さやか「」ギロ

まどか「ごめんね、キュゥべえ。私には無理ってわかったから」

QB「そうかい、残念だよ」

まどか(偉そうに喋らないでよ……マミさんを騙してる癖に……)

マミ「……」

QB(まどかの素質は惜しいけど、あの件で契約の機会はだいぶ遠のいてしまったようだ)

QB(かつてない程の莫大なエネルギーを得られるチャンスだったのに、タイミングが悪かったとしか言いようがない)

QB(このまままどかが第二次性徴期を終えても、感情のない僕には『ああ、そうか』としか思えないが……)

QB(暁美ほむらの予言通りワルプルギスの夜が現れるなら、状況の変化も起こりえるだろう)

QB(とにかく今は待つしかなさそうだ)
まどか「がんばれ、泣き虫ほむらちゃん」
208 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2011/12/18(日) 04:32:21.40 ID:Pv+IlQptP
―夜の街―

ほむら「繁華街の向こう、工場が並んでる辺りにいる魔女がそろそろ活動を始めるころなの」

マミ「なるほど、未来がわかるって便利ね。それじゃ、早速美樹さんに魔女の居場所を探索してもらいましょうか」

さやか「はいはい。ソウルジェムで反応を見るんでしたよね」

ほむら「それじゃ、私はまどかを送っていくから」

マミ「ええ。もし魔女を見つけたらテレパシーで教えるわね」

まどか「ほむらちゃん、1人でも大丈夫だよ?」

ほむら「私が送りたいの。駄目?」

まどか「ううん、嬉しいけどさ///」
まどか「がんばれ、泣き虫ほむらちゃん」
209 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2011/12/18(日) 04:35:07.92 ID:Pv+IlQptP
マミ「ふふ、すっかり仲良くなったのね、あの2人」

さやか「あはは、嫁を獲られちゃいましたよ」

マミ「鹿目さんの家は遠いの?」

さやか「いや、それほどでも」

マミ「それじゃ、暁美さんが戻ってくるまでに魔女を見つける、って言うのは厳しすぎるかな?」

さやか「マミさぁ〜〜ん」

マミ「ふふ、冗談よ」

さやか「もう……ん?」

マミ「?」

さやか「あれ、仁美だ。お稽古の帰りかな?」

マミ「お友達?」

さやか「はい。お〜〜〜〜い、仁美〜〜〜〜!」
まどか「がんばれ、泣き虫ほむらちゃん」
210 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2011/12/18(日) 04:38:18.29 ID:Pv+IlQptP
―帰り道―

まどか「……って言うわけだったんだ」

ほむら「そうなの。ふふ」

まどか「ティヒヒ///(あ〜〜、もうずっとこうして2人で歩いていられたらいいのに)」

??「あれ? まどかじゃないか」

まどか「へ?」

詢子「帰るところかい?」

まどか「ママ! 今日は早いんだね」

詢子「たまにはね。お友達かい?」

まどか「うん! えっと……」

ほむら「初めまして。まどかさんのクラスメイトの暁美ほむらです。まどかさんにはいつもお世話になっています」ペコリ

詢子(この子が噂の『ほむらちゃん』か!)

詢子「話には聞いてるよ。転校して来たばっかりなんだろ? 学校にはもう慣れたかい?」

ほむら「はい。まどかさんに良くしてもらっていますから」

まどか「ティヒヒ/// 照れちゃうよ」
まどか「がんばれ、泣き虫ほむらちゃん」
212 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2011/12/18(日) 04:41:13.27 ID:Pv+IlQptP
詢子(いやぁ、確かに美人だわ、こりゃ。しかも礼儀正しいし、根性のありそうな目付きをしてるわ)

詢子(まいったね。同性ってのを除けば、娘の相手にゃ申し分ないじゃないか……)

詢子「うちの娘はすっかりあんたが気に入ったみたいだ。口を開けば『ほむらちゃんはカッコイイ』だの『ほむらちゃんは優しい』だの、そればっかりさ」

ほむら「えっ!?///」

まどか「も、もう、ママったら!(ほむらちゃんに私の気持ちがバレちゃう)」

詢子「どうかこれからも、うちの娘と仲良くしておくれ」

ほむら「はい、こちらこそ」ペコリ

ほむら「それじゃまどか、私はここで」

まどか「うん、送ってくれてありがとう。ほむらちゃんも気をつけてね」

ほむら「ええ、それじゃ明日学校で」

詢子「気をつけて帰るんだよ」

ほむら「はい、おやすみなさい」
まどか「がんばれ、泣き虫ほむらちゃん」
215 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2011/12/18(日) 04:44:04.14 ID:Pv+IlQptP
―ほむらが去った後―

詢子「あれが噂の『ほむらちゃん』か。確かにまどかがメロメロになるのもわかる気がするね」

まどか「うん、ほむらちゃん、凄くカッコイイんだ///」

詢子(もう私の前じゃ、気持ちを隠す気もない、と……)ハハ…

―夜道を1人走るほむら―

ほむら(まどかが私のことをそんな風に……)

ほむら(…………)

ほむら(どうしよう……凄く嬉しい///)
まどか「がんばれ、泣き虫ほむらちゃん」
219 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2011/12/18(日) 04:47:02.17 ID:Pv+IlQptP
―夜の街―

さやか「仁美! お稽古の帰り?」

仁美「あら、さやかさん、ご機嫌よう」フラフラ

さやか「?(なんか変だな)どうしたの? あんたん家はこっちじゃないじゃん」

仁美「ええ。今からとても素敵なところへ行くのですわ。もしよかったらさやかさんも一緒にどうです?」

さやか「はぁ?」

マミ「美樹さん! この子、魔女の口づけを受けてるわ!」

さやか「!!」

ざわざわ。ざわざわ。

さやか「ちょっ、この人達もまさかみんな……?」

マミ「そうね、どうやらあの町工場へ入っていくみたい」

さやか「ほむらの奴、こんなこと教えてくれなかったじゃん!」
まどか「がんばれ、泣き虫ほむらちゃん」
221 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2011/12/18(日) 04:50:05.08 ID:Pv+IlQptP
さやか『ほむらぁ!!』

ほむら『美樹さん!?』

さやか『なんか魔女の口づけを受けた人が大量にいるんだけど、どうなってんのよ、これ!?』

ほむら『なんですって!?』

さやか『何で肝心なこと教えてくれないのさ!?』

ほむら『ごめんなさい、その魔女は本格的に活動を始める前に狩ったから、どんなことをするか知らなかったの』

さやか『ほむらのあほ〜〜〜〜!!』

ほむら『待ってて! すぐに行くわ!!』

―町工場の中―

工場主「俺は駄目なんだ……こんな町工場ひとつ、満足に切り盛りできなかったんだ……」

さやか「ちょっ!? あれって混ぜるな危険なんじゃ!?」

マミ「まずい! この人達、集団自殺するつもりよ!」

さやか「ちょっと待った――――――――――!!」ダダダダ

仁美「あっ、さやかさん! 邪魔をしてはいけませんわ!」
まどか「がんばれ、泣き虫ほむらちゃん」
222 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2011/12/18(日) 04:53:05.35 ID:Pv+IlQptP
さやか「おりゃ――――――――――!!」

がしゃーん。

マミ「よくやったわ、美樹さん! これでひと安心ね」ホッ

ざわざわ。ざわざわ。

マミ「……じゃない?」タラー

男「よくも……」

女「よくも……」

仁美「よくも……」

マミさやか「ひえ〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!」

マミ「ど、どうしたらいいの? 一般人を攻撃なんてできないしっ!」

さやか「そうだ、マミさん、あれやってよ! 首筋に手刀を叩き込んで気絶させるヤツ!」

マミ「そんなのできないわよ、漫画じゃないんだから!(憧れてるけど!)」

さやか「そんな〜〜〜〜!」

仁美「よくも……」

さやか「そ、そうだ! マミさん、威嚇射撃は!?」
まどか「がんばれ、泣き虫ほむらちゃん」
225 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2011/12/18(日) 04:56:04.36 ID:Pv+IlQptP
マミ「! そ、そうね、やってみる!」

ばん! ちゅいーん、ちゅいーん。

マミさやか「きゃあああああぁぁぁあああ!!」

マミ「跳弾!? こんな狭いトコで撃ったことなかったから!」

さやか「頬かすった! 今かすったよ!?」

マミ「何よ、美樹さんがやれって言ったんじゃない!」

ざわざわ。ざわざわ。

さやか「逃げなきゃ!」

マミ「!! 美樹さん、あの部屋に逃げましょう!」

さやか「はい!」

がちゃ。ばたん!

マミ「ふぅ」

さやか「助かった〜」

魔女「」ゴゴゴゴゴ
まどか「がんばれ、泣き虫ほむらちゃん」
228 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2011/12/18(日) 04:59:04.90 ID:Pv+IlQptP
マミ「あら?」

さやか「おや?」

マミ「こんなところに遠慮せず攻撃できる相手がいたじゃない」ニヤリ

さやか「ついに私の魔法少女デビューかぁ」ニヤリ

さやか「うおりゃああぁぁぁああああああああああっっっ!!」ズバッ

マミ「使い魔は任せてもらうわね!」ダン!

さやか「これでトドメだ――――――――――!!」ザンッ

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