- 男「妖怪だと・・・?」妖怪女「・・・」
1 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage]:2011/09/06(火) 08:47:20.67 ID:IlDro1/E0 -
少し高い山の中腹。 男「ひーっ、ひーっ、はっ、はっ」 一人の男が登山していた。 息は絶え絶えである。 男「もう駄目だ・・・ちょっと休憩しよう」 キョロキョロ 男「どっかに日陰ねーかな・・・あちい・・・」 キョロキョロ 暑さで意識が朦朧とし、注意力がなくなっていた男。 男「ん・・・?」グラッ その足は気づけば、地面を踏み外していた。 男「のあああああああああああ!!!!!!」 崖から真っ逆さまに落ちていく。
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- 男「妖怪だと・・・?」妖怪女「・・・」
2 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage]:2011/09/06(火) 08:54:42.23 ID:IlDro1/E0 -
男「痛ってええええええええ」 男「って、ん・・・? 俺、生きてるの・・・」 辺りを見回すと、崖の下の斜面になった岩肌から、舌のように突き出た地面に落ちたようだった。 男「こりゃあ運が良かったな。この狭い足場に偶然乗ったから下まで落ちずにすんだか」 男「しっかし、そういったところでどうやって降りたらいいんだこれ」 斜面から突き出した足場は狭く、麓までの距離はまだかなりあり、降りる手段は見つからない。 男「ちくしょー・・・。携帯電話の充電も切れたし、誰かが助けに来てくれるの待つしかないのか?」 キョロキョロ 男「ん? なんだこれ・・・洞窟?」 足場が出ている斜面を見ると、そこに穴が開いていた。 先は真っ暗で、何も見えない。 男「外は暑いし・・・とりあえず中に入ってみるか」 ト ←突き出た足場って言うのはこんな感じのイメージ
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- 男「妖怪だと・・・?」妖怪女「・・・」
4 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage]:2011/09/06(火) 08:58:56.75 ID:IlDro1/E0 -
洞窟は奥に行くほど日差しが差し込まなくなり、真っ暗だった。 男は携帯ランタンをつけて進んでいた。 男「なんなんだろ、この洞窟。生き物の気配がなんにもしねえ」 テクテク 男「っていうか物音が何にもしねえし。俺の足音しかしないとか不気味なんだけど」 テクテク 男「俺・・・かえれんのかな」 テクテク 男「この洞窟どっかにつながってんのかな・・・」 テクテク 男「はぁ・・・・・・ん!?」 どれくらい歩いたか、男がふと気づくと、目の前にわずかだが光が漏れていた。 男「お・・・おぉおお!! やっぱりこの洞窟はどっかに繋がっていたんだ。出口ktkr」 ダダダッ
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- 男「妖怪だと・・・?」妖怪女「・・・」
6 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage]:2011/09/06(火) 09:03:03.85 ID:IlDro1/E0 -
男「なんぞこれ・・・」 その場所は、出口ではなく洞窟に作られた狭い部屋だった。 天井の部分に穴が開いており、そこから差し込む光が部屋を照らしていた。 部屋の中心にある四角い物体の周りに、様々な物体が置かれている。 男「このでっかい四角は何だ・・・棺おけか? それにこの周りにある変なものは何なんだろう」 ガサゴソ 男「駄目だ・・・全然分からんね。とりあえず持って帰ってミス研で調べてみるか」 男が棺おけを取り囲む物体の一つ・・・埴輪のようなものに触れた瞬間。 バチィッ! 男「いって!! 何今の!? 電流走ったんだけど!!」 ・・・ 男「触っちゃまずかったのかな・・・俺祟られる?」
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- 男「妖怪だと・・・?」妖怪女「・・・」
7 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage]:2011/09/06(火) 09:06:37.59 ID:IlDro1/E0 -
男「しかし俺もミステリー研究会の一員として、何も持ち帰らずには行くまい」 ミステリー研究会とは男が大学で所属するサークルである。 男「持ち帰るのは無理そうだが・・・この棺おけだけなら開けられるんじゃないかね」 よく見ると、天井の穴は棺おけの真上に開いている。 まるで、棺おけに日の光を浴びさせるかのように。 男「ふむ・・・棺おけは触ってもバチッとこないな。やっぱこれあけるだけなら平気なのかな」 ギィィィッ バチイィィイッッッ!!! 男「ぬおあおおあおあおあ!!!!」 蓋を開ける瞬間だけ、男にまた電流が走った。 男「いつつ・・・さっきのより強かったが開けることに成功したぜ」 男「しかし・・・これは・・・」ゴクリ 棺おけの中には、女性が横たわっていた。 着物を着ており、その顔は安らかに死んでいるかのようだった。
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- 男「妖怪だと・・・?」妖怪女「・・・」
8 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage]:2011/09/06(火) 09:11:13.30 ID:IlDro1/E0 -
男「死んでるのか?」ペチペチ 頬を撫でてみると、氷のように冷たかった。 男「お墓か何かだったのか・・・。やっべ、俺祟られる?」 女性はまったく動く様子はなかった。 男「しかしこの女子・・・いい体をしておる」 男「おっぱい触ってもばれないかな」ムニュムニュ 男「うほっ・・・やわらけえ」 男「・・・・・・・・・・いいよな、ちょっとくらい」 男は女性の着物をはだけさせる。 カチャッ シコシコシコ 男「はぁ、俺って最低だな・・・」ドピュ 男「あ、やべ。俺の右手こえて顔にかかちゃった。拭かなきゃ」 女「・・・・・・んん?」 男「!?」
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- 男「妖怪だと・・・?」妖怪女「・・・」
9 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage]:2011/09/06(火) 09:15:38.88 ID:IlDro1/E0 -
棺おけの中の女性が体をむっくりと起こし、伸びをする。 女「ふああ・・・。なんじゃ私は・・・寝ておったのか」 男(なんぞあれ。やばいだろ。普通じゃない。俺のホワイトサンが顔にかかってるって知ったら祟られるだろ。逃げよう) 逃げ出そうとする男。 女「おい、そこの男よ」 男「ヒッ!」 振り返ると、女性が男のほうを物凄い形相で見ていた。 明らかに怒っている。 女「今は西暦何年のいつじゃ。教えろ」 男「い、今ですか? 今は西暦2011年9月16日でございますが・・・」 女「2011年じゃと!?」 ズカズカと棺おけを離れ、男に近づく女性。 そして男の胸倉をつかみ、簡単に持ち上げる。
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- 男「妖怪だと・・・?」妖怪女「・・・」
11 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage]:2011/09/06(火) 09:20:06.28 ID:IlDro1/E0 -
女「本当に今は2011年なのじゃな!? 間違いないのか!!」 その顔は男の体液つきである。 男「まままちがいありましぇん!! ゆるしてくだしあ!! 呪わないで!!」 女性は男を放り投げると、そのままブツブツ何か一人でつぶやきだした。 男(好機!!) 男はそれを見るとすばやくズボンを上げ、一物をしまい、洞窟の出口を目指して走り出そうとした。 しかし、体が動かなかった。 女「ふむ・・・。眠っている間に少しは回復したようじゃな」 男(なんだ・・・体が動かない) 男は一物をしまおうとする体制のまま固まってしまった。 女「ところでお主は何故そんなお粗末なものを露出しているのじゃ? ここで何をしておった? 答えてみい」 男の口が動くようになった。 男「え、いや、それは・・・」 女「正直に答えろよ。返答によってはお前を殺す」 男「すいません。あなたが美しかったので我慢できませんでした」
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- 男「妖怪だと・・・?」妖怪女「・・・」
12 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage]:2011/09/06(火) 09:27:01.07 ID:IlDro1/E0 -
その瞬間、男の体が見えない力で壁に放り投げられる。 女「よし、決めた。久々に目覚めた私の食事一号になってもらおう」 男「は、はぁ!? 食事!?」 女「そうじゃ。見れば中々お主、良い体つきをしておる。うまそうじゃの」ケタケタ 男「え、いや、え、食う? どういうこと? 俺、死ぬの?」 女「冥土の土産に教えてやろう。私は妖怪じゃ。あまりにも強大な力ゆえ、ここに封印されておった。 それをお主がわざわざ解いてくれたのじゃ。その礼と体液をかけた失礼をあわせ、お主を苦しめて殺し、食らってやろう」 男「妖怪!? なにそれ! そんなのいるわけないでしょ!! 都市伝説乙! 見逃してくだしあ;;」 妖怪女「往生際の悪いやつめが」 妖怪女の爪が伸び、男の両肩を刺し、壁に貼り付けにする。 男「ぐああああああああああああ」 男(え、俺死ぬの? 死ぬのか。ああ・・・母さん。俺も今そっちにいくわ・・・) 妖怪女「そうじゃな、まずはお主の目玉を抉り取ってやろうかの」 妖怪女の手が、男の顔に伸びる。
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- 男「妖怪だと・・・?」妖怪女「・・・」
13 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage]:2011/09/06(火) 09:33:57.37 ID:IlDro1/E0 -
妖怪女「むぅっ!?」 途端に、男の首が光る。 男「これは・・・」 それは男のしていたネックレスだった。 妖怪女「お主、それを一体どこで!?」 男「え、これ? これは俺の家に代々伝わるお守りで・・・」 妖怪女はしばらく考え込んだ顔をした後、男から離れた。 男の肩の痛みがすぐに消える。妖怪女が治療したようだ。 男「なに? 俺助かったの?」 妖怪女「助けたわけではない。その首飾りに私の妖力をほとんど吸い取られたのだ」 男「吸い取った?」 妖怪女「それは退魔具じゃ。そして私と相性が悪かった。 私はお主がその首飾りを通して妖力を供給してくれねば何も出来なくなった」 男「退魔具? 俺の先祖別に寺の人とかでもないのに?」 妖怪女「どうやら私はお前の先祖とも何か因縁があったのかもしれんな」
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- 男「妖怪だと・・・?」妖怪女「・・・」
15 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage]:2011/09/06(火) 09:38:44.61 ID:IlDro1/E0 -
妖怪女「まあよい。私はもう貴様に逆らうことが出来ん。どうする」 先ほどの強気な態度とはうってかわった態度。 男「そうだなぁ。それじゃあとりあえず俺を家に帰してほしいんだけど・・・」 妖怪女「ほう?」 先ほどの足場まで戻る二人。 妖怪女「なるほどのう。私が封印されたときとは随分地形が変わっておる。 この洞窟もこんな断崖絶壁になっておるとは」 男「どうにか降りられませんかね」 妖怪女「造作はない。その首飾りに念じ、私に妖力を送るがいい」 男「え、どうやんの?」 妖怪女「少し私に力を戻すイメージを持つだけで良い。 全て戻してくれてもかまわんぞ。そうしたら、お主を食らってやるのじゃがな」 男「」ビクッ 男がなんとなく念じてみると、薄緑の光が妖怪女に降り注いだ。 女「うむ、これくらいあれば十分じゃろ」
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- 男「妖怪だと・・・?」妖怪女「・・・」
18 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage]:2011/09/06(火) 09:44:14.20 ID:IlDro1/E0 -
妖怪女が目を閉じて念じると、男と妖怪女をシャボン玉のような幕が包んだ。 そのまま、ふわふわと二人は麓に降り立った。 男「すげえええ!!! 魔法使いなん?」 妖怪女「妖怪じゃ」 男「妖怪ってこんな魔法みたいなことも出来るんだな! すっげええええ」 妖怪女「ふん。私は妖怪の中でも大きな力を持っておったからな。 それに好きでやっておるわけではない。お主が退魔具で私の妖力を持っているので死なれると困るだけじゃ」 男(ツンデレ?) サー。 風が二人の頬を撫ぜる。 妖怪女「この山から全く妖気を感じんな。私が封印された頃は、多くの妖怪がいたものだが」 男「妖怪なんて都市伝説だろjk。今の科学世界にはそんなもんいませんよ」 妖怪女「お主の目の前におるじゃろが」 男「確かに。ミステリーだわ」
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- 男「妖怪だと・・・?」妖怪女「・・・」
19 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage]:2011/09/06(火) 09:46:14.93 ID:IlDro1/E0 - >>16
??? 何か他の作品と被ってた? >>17 なるほど ありがとう
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- 男「妖怪だと・・・?」妖怪女「・・・」
20 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage]:2011/09/06(火) 09:51:50.91 ID:IlDro1/E0 -
妖怪女「今は2011年じゃったな」 男「さいですね」 妖怪女「私が封印されたのは1700年くらいじゃった。 実にあれから300年たっておるわけじゃが・・・世の中はどう変わったのじゃ?」 男「ええと、そうですね。科学が発達して便利な物が増えましたよ」 妖怪女「さっきからそのかがくというのはなんじゃ」 男「見たほうが早いんじゃないかなあ。俺の家にきますか?」 妖怪女「不埒なことをする気ではなかろうな」 男「しt・・・しませんよ。それにそろそろお昼ですからね。ご飯食べないと」 妖怪女「私は妖怪じゃ。人しか食わんぞ」 男「え、人食うの」 妖怪女「妖怪とはそういうものじゃ。私も今まで何人食ろうたことか」 男「」ブルブルブル 妖怪女「しかし、もうどこからもほとんど妖気を感じぬ。妖怪が消えたというのは本当なのじゃろ。 安心せい、妖力もほとんど残ってはおらんし、何も人間の迷惑になるようなことはせんよ」
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- 男「妖怪だと・・・?」妖怪女「・・・」
21 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage]:2011/09/06(火) 09:56:21.88 ID:IlDro1/E0 -
――熊本県、とある町 妖怪女「こ、これは・・・」 男「そんなもの珍しそうに歩かないでくださいよ・・・恥ずかしい」 妖怪女「あれは、あれはなんじゃ!? 何故鉄が動いておる!!」 男「あれは車ですよ。車。早く移動できる乗り物」 妖怪女「ではあれはなんじゃ!? 鳥以外に空を飛ぶものなぞ・・・!」 男「あれは飛行機。人間は空を飛べるようにもなったんですよ」 妖怪女「これは凄いな・・・。なるほど、これでは妖怪は生きられぬわけだ・・・」 男「う〜ん、食材買うのも大変そう。俺の家にあるものだけで足りるかなあ」 妖怪女「キョロキョロキョロ」
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- 男「妖怪だと・・・?」妖怪女「・・・」
22 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage]:2011/09/06(火) 10:02:05.40 ID:IlDro1/E0 -
――男の家 男「カップメンでいいかな」 コンロに火をつける。 妖怪女「なんじゃ! 火がでおったぞ!? まさかお主私の妖力で・・・」 男「そういう機械なんですよ。便利でしょ。あ、テレビでも見ましょうか」 ピッ 妖怪女「な、なんじゃ!! 箱の中に人が!!」 男「テレビですよ。電波をキャッチして映像を受信してるの」 妖怪女「なんとも奇天烈な・・・人間は凄いのう」 テレビ「えーここで次のニュースです。 先ほど熊本県××市で通り魔事件が起きました」 男「うおー、これ隣町じゃん。近いなーこええ」 妖怪女「とおりま?」 男「まあ犯罪ですよ。噛まれたらしいですね。変な犯人だ」 妖怪女「ふーん」
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- 男「妖怪だと・・・?」妖怪女「・・・」
23 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage]:2011/09/06(火) 10:06:40.44 ID:IlDro1/E0 -
男「ズルルルル」 妖怪女「このカップメンというもの、美味しくないのう。私はもっと肉が食べたいんじゃが」 男「俺は金欠なんです」 妖怪女「ケチじゃの・・・」 男「はー食った食った。で、これからどうすんですか?」 妖怪女「どうすると言われてもな・・・。なんせ300年ぶりに目覚めたのじゃ。 どこかに残っておるかもしれん仲間を探し、山でひっそりと暮らすとするさ。 こんなに人間の力が発達しているのでは、私も適わないかもしれんし、大人しくするさ」 男「でも、妖力は俺が持ってるんですよ?」 妖怪女「むっ・・・何が言いたい」 男「俺と一緒に暮らしませんか?」(フヒヒ、おにゃのこと二人暮らしktkr) 妖怪女「寝ている私の顔に精液をつけた男と共に寝ろというのか」 男「あ、あれは出来心で・・・もうしません」 妖怪女「じーっ」 男「ドキッ」
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- 男「妖怪だと・・・?」妖怪女「・・・」
25 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage]:2011/09/06(火) 10:11:13.73 ID:IlDro1/E0 -
妖怪女「まあいいじゃろ。妖力がなくとも、人間には負ける気はせんしな。 私に夜這いしようとしたらその一物切り取ってやろう」 男「」ゾクゾクッ ピンポーン 男「ん? 誰かきたみたいだ」 ガチャ 女「やっほー男。遊びにきたよ」 男「女か。まああがれよ」 女「ういーっす」 男「ハッ・・・」 見詰め合う妖怪女と女。 女「男・・・誰この人」 妖怪女「ん? そういうお主こそたれぞ? 私は男の・・・いまは僕と言ったほうがいいのやもしれぬな」 女「しっ、しもべ・・・!?」 男「あああああ誤解をうむようなことをおおおおおお」
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- 男「妖怪だと・・・?」妖怪女「・・・」
26 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage]:2011/09/06(火) 10:14:39.16 ID:IlDro1/E0 -
男「女! とりあえず今日は来てもらってすぐ悪いけど帰れ! な!」 目に涙をためる女。 女「もう二度と来ない! あんた最低!! 死ね!!」 バタン!! ・・・・ 妖怪女「私は何かまずいことを言ったかの」 男「まずすぎるわ!!! あーもう、家にいて誰か来たら困るしこの辺ブラブラして誰かに見つかっても嫌だし・・・」 ピコーン 男「そうだ! 隣町に行こう!」 妖怪女「おお、外に出られるのか!」 男「ええ。でも、あんま不用意に発言しないでくださいよ。 あんまりはしゃいでると、俺が不審な目で見られるんですから・・・」 妖怪女「なんじゃ、心が狭いのう」
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- 男「妖怪だと・・・?」妖怪女「・・・」
27 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage]:2011/09/06(火) 10:19:11.02 ID:IlDro1/E0 -
――駅 男「これは電車といって、移動するための乗り物です」 妖怪女「すごいのう・・・。鉄の塊がこんなに早く動いておるし、人もいっぱいじゃ」 男「文明は発達したんですよ。凄いスピードでね」 ガタンゴトンガタンゴトン 妖怪女「町の風景もすっかり変わったのう・・・。あんな高い建物がいっぱいじゃ・・・」 男「東京に行くともっと凄いですよ」 妖怪女「とうきょう?」 男「日本の首都です。車とビルと人ばっかりらしいですよ」 妖怪女「私の性にはあわんな。妖怪は静かに暮らしたいものなんじゃ」 アナウンス「次は〜隣町。隣町〜」 男「お、つきましたよ」
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- 男「妖怪だと・・・?」妖怪女「・・・」
28 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage]:2011/09/06(火) 10:20:56.97 ID:IlDro1/E0 - 十数分席をはずします。
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- 男「妖怪だと・・・?」妖怪女「・・・」
30 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage]:2011/09/06(火) 10:31:13.85 ID:IlDro1/E0 -
妖怪女「先ほどのまちより大きいのう」 男「まあ熊本県じゃ一番大きいですからね」 妖怪女「ふむ。私も結構まちというものに慣れてきたぞ。 あれがくるまで、あるがびる、あれはひこうきで・・・」 男「おお、よく覚えましたね」 妖怪女「あの人間のもっているのがけいたいでんわ、そしてあれは・・・」 男「ん・・・? ああ、アレは電波塔ですよ」 妖怪女「でんぱとう?」 男「俺も詳しいことは知りませんが、電波を受信して飛ばす施設? なのかな? とにかく高くて、東京には東京タワーとかそういうのがあります」 妖怪女「でんぱとかたわーとかようわからんのう・・・。 しかし、人間は高くて大きいものを作りたがるんじゃな」 男「そうですね。最近ではスカイツリーっていう634メートルの云々かんぬん」 妖怪女「こいつの話はまったくわからんわ」
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- 男「妖怪だと・・・?」妖怪女「・・・」
31 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage]:2011/09/06(火) 10:35:39.65 ID:IlDro1/E0 -
妖怪女「むっ・・・」 男「あれがこーでこれがこーでペチャクチャ」 妖怪女「おい、男」 男「どうしました?」 妖怪女「さっきから言おうと思っておったんだが、その敬語やめんか。仮にも私の主ぞ」 男「あ、そう? じゃあ・・・どうした、女妖怪」 妖怪女「かすかじゃが・・・妖の気配を感じた。この近くに何かおるぞ」 男「鬼太郎乙。って、え!? 街中に妖怪がいるの?」 妖怪女「うむ・・・。しかし山に妖気が全くなかったというに、街中に妖気があるとは不思議なものよ。 どれ、ちょいと妖気を追ってみんか」 男「そうしたら、お前の仲間に会えるのかもしれないんだよな」 妖怪女「そうじゃな。しかし、妖怪は人といがみ合う生き物・・・襲ってくるかもしれん」 男「えー・・。でも、その割にはお前は俺を襲わないね」 妖怪女「その首飾りさえなければな」 男「おーこわい。まあ、とにかくいってみましょうか」
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- 男「妖怪だと・・・?」妖怪女「・・・」
32 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage]:2011/09/06(火) 10:39:16.80 ID:IlDro1/E0 -
タッタッタッタ 男「こんな裏路地はいるの?」 女「仕方なかろう。妖気はこちらの方向へ消えておるのじゃ。 しかしなんなんじゃ! びるが多すぎて追跡しにくいぞ!!」 男「んなこと言われても・・・。ってか、こんな裏路地入ったら何がいるかブツブツ」 男「あ」 男たちが路地を抜けると、そこは吹き溜まりになっていた。 そして3人のDQN。 DQN1「お? なんだおめー」 DQN2「ここが俺たちの溜り場だって知ってる?」 DQN3「ちょうどいいや。金置いてけよ」 男「イヤソノアノソノ・・・・すぐ帰りますんで・・・」 DQN1「あぁ!? ここに入ったんだから通行料くらいおいてけよなぁ!?」 DQN2「あんまなめてっと殺すぞテメェ・・・」
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- 男「妖怪だと・・・?」妖怪女「・・・」
33 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage]:2011/09/06(火) 10:44:37.24 ID:IlDro1/E0 -
男「ブッブヒッ!! やめて!! 」 DQN3「んぁ!? そっちの姉ちゃんはお前の連れか? 中々ベッピンじゃねえか・・・」ジュルリ 妖怪女「なんぞこいつらは。私らは急いでおるのじゃ。邪魔をするでない」 DQN1「急いでおるのじゃ。だっておwwwwいつの時代の人間だよwwww」 妖怪女「宝永じゃ」 DQN2「は?」 妖怪女「じゃから宝永といっておろうが」 DQN3「おいおい・・・宝永っつったら1704年じゃねーか。頭イカれてんじゃねえのか?」 DQN1「さ、さすがはDQN3! 博識だなwwwまあたまには不思議ちゃんを犯すのも楽しいんじゃね?ww」 DQN2「だなだなwww」 妖怪女「何じゃこいつらは。おい、男。行くぞ」 男「いやそのあのその・・・・」 DQN1「じゃあ俺はこの男シメるからwwwお前ら女ヨロシコwwww」 DQN23「ういういーwww」
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- 男「妖怪だと・・・?」妖怪女「・・・」
34 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage]:2011/09/06(火) 10:47:38.27 ID:IlDro1/E0 -
妖怪女「男よ、こいつらは・・・」 男「うう・・・DQNだよ。不良だよ。俺たちボコボコにされちゃうよ・・・」 DQN1「っるせーんだよ!!」 ドゴォ! 男「いてええええええ」 DQN1「へっ、弱ええwwww死ねやwww」 ガッシボカッ! デュクシ! 男は顔面ぐちゃぐちゃ。 男「わかったわかった!! 金なら出すよ! だから女妖怪には手を出さないでくれええええ!!!」 DQN1「だーめww」 DQN1が更に男を殴ろうと振りかぶったその右手は、何かにつかまれる。 振り返ると、女妖怪がその腕をがっちりつかんでいた。 DQN1「え・・・?」
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- 男「妖怪だと・・・?」妖怪女「・・・」
35 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage]:2011/09/06(火) 10:52:02.38 ID:IlDro1/E0 -
ゴキリ。 鈍い音がして、DQN1の腕が妙な方向に折れ曲がる。 DQN1「ぐあああああああああああ!!!!!!!!!!」 女妖怪「脆いのぉ・・・。それに全然反応もできんとは。昼寝していても勝ててしまうわ」フワァ 男「女・・・妖怪?」 見れば、DQN2も3も地に伏せっていた。 ・・・しかも、血だまりの中に。 女妖怪「運動にもなりゃせんわ。ここなら人目につかんし、食ってもええかえ?」 男「だ、駄目だ食うのは! ってか、殺しちゃったの?」 女妖怪「殺してはおらんよ。まあ、もう普通の生活は送れぬだろうがな」ケタケタ 男「」ゾクゾクッ 男(なんだよこいつ妖力なしでも強すぎじゃねえかうわいつか俺殺されるのかやばいやばいやばい) 女妖怪「まあ良い。さっさとゆくぞ。追っている妖気が薄いから、道草食ってると消えてしまう」 男「ま、まってくれよ!!」
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- 男「妖怪だと・・・?」妖怪女「・・・」
36 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage]:2011/09/06(火) 10:56:37.95 ID:IlDro1/E0 -
それからいくつも路地を抜けると、古いお屋敷に着いた。 ビル群の中には似合わないむき出しの木造建築物で、あちこちの木が腐っている。 男「路地裏にこんな建物があるとは・・・」 女妖怪「この中じゃな。入ってみるぞ」 男「大丈夫なの? なんか凄い物々しいけど・・・ それに人住んでるかもしれないよ? 法律で不法侵入が云々」 女妖怪「心配ないじゃろ。人間の気配は感じぬ。 まあお主はわしにいつでも妖力を供給できるようにしておけよ」 男「うん・・・」 女妖怪が屋敷のドアを開き、中に入る。 誇りっぽいにおいが舞い、男は咳き込んだ。 女妖怪「おい。誰かおるのか」 返事はない。屋敷の中は電気もなく、真っ暗だった。 静寂が続く。 女妖怪「奥へ行くぞ」 男「まじか・・・」
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- 男「妖怪だと・・・?」妖怪女「・・・」
38 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage]:2011/09/06(火) 11:06:22.59 ID:IlDro1/E0 -
玄関から大広間を抜ける。 たくさんのドアに目もくれず、女妖怪はそのうちの一つを開き、どんどん進んでいく。 男は携帯カンテラを手に持ち、その後をびくびくしながら進んでいった。 男「前見えるの?」 女妖怪「私は鳥ではないぞ。それに、気配だけあれば十分じゃ」 男「へえ・・・」 しばし、静寂。 女妖怪「なあ」 男「はい?」 女妖怪「お主、私が怖いか」 振り返らず、どんどん足を進めながら問いかける女妖怪。 男「そりゃあね・・・妖力なしでもあんなに強いし。 暗闇でもすいすい進んでいけるし、すげえけどちょっと怖いわ」 女妖怪「そうじゃな・・・。すまぬ、今のは忘れてくれ」 男「ん・・・?」
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- 男「妖怪だと・・・?」妖怪女「・・・」
40 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage]:2011/09/06(火) 11:11:24.15 ID:IlDro1/E0 -
やがて足を進めると、地下にたどり着いた。 階段からは一本の通路が伸びており、先は見えない。 女妖怪「ここに下りてから妖気が一段と強くなりおったな。 男よ、私に妖気を戻せ」 男「ど、どのくらい?」 女妖怪「全てじゃ」 男「え、全部!? それはちょっと・・・」 女妖怪「安心せい。お主の意思でいつでも私の妖力は首飾りに戻せる」 男「そうなの? っていうかそんな事わざわざ教えてくれるんだ」 女妖怪「仮にも私の主じゃからな」 男「仮なのね・・・」 女妖怪「私の言うことが信じられんか?」 男「いや・・・それは・・・。ってか、戻った瞬間俺殺したりしない? 大丈夫?」 女妖怪「ごちゃごちゃうるさい奴じゃ! そんなに不安なら4分の1程度でいいわ!! 男「そうしとく・・・」
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- 男「妖怪だと・・・?」妖怪女「・・・」
41 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage]:2011/09/06(火) 11:15:09.74 ID:IlDro1/E0 -
ホワァァァ。 女妖怪「うーむ。まあ、この時世に私の半分にも及ぶものもおらんだろうし、問題ないじゃろ。よし、行くぞ」 男「うん・・・」 男(ひょっとして俺、とんでもないものを復活させてしまったんじゃ。 これって下手したら人類滅亡の危機だよね・・・あーどうしよどうしよこれから先) タッタッタ。 足を進めると、やがて一つのドアがあった。 女妖怪は躊躇せずにそのドアに手を伸ばし、開く。 その向こうは電気のついた明るい部屋になっていた。 やはり腐った木がむき出しの部屋で、家具などはほとんどない。 ただ椅子が一つおいてあり、その上に猫がいた。 その尻尾は、二本。 男「普通の猫じゃない・・・」 空気がぴりぴりと張り詰めるのが、男にも分かった。
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- 男「妖怪だと・・・?」妖怪女「・・・」
42 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage]:2011/09/06(火) 11:21:12.46 ID:IlDro1/E0 - しばらく離れます。
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- 男「妖怪だと・・・?」妖怪女「・・・」
47 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage]:2011/09/06(火) 11:37:40.65 ID:IlDro1/E0 -
女妖怪「猫又か」 猫又とよばれた猫が女妖怪に近づいていく。 男「何が始まるんです?」 男が目を話した瞬間、猫又が人に化けていた。 その姿は、そこらへんにいそうな大学生みたいだった。 ちなみに女妖怪は着物きた長髪クーデレみたいな感じ。 猫又「あなたは・・・」 女妖怪「ほう、私を知っているのか。 どこかで会ったことがあったかの?」 猫又「会ったも何も・・・あなた、確か300年前に封印された女妖怪様じゃないですか・・・」 女妖怪「んん? 封印される前の私を知っておるのか? 今日目覚めたんじゃが記憶がおぼろげでの」 猫又「私はあなたの僕・・・っていうか、ここら一体にいた妖怪はみんな貴女の僕だったじゃないですか」 男「女妖怪ってそんなに凄かったんだ・・・」 猫又「ムッ・・・ところで女妖怪様、こやつは一体・・・」 女妖怪「ああ、私の主(仮)じゃ」
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- 男「妖怪だと・・・?」妖怪女「・・・」
49 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage]:2011/09/06(火) 11:41:51.87 ID:IlDro1/E0 -
猫又「冗談ですよね・・・? 人間が主・・・!?」 女妖怪「冗談ではない。私の力を奴の持つ退魔具に吸い取られた」 猫又「女妖怪様ほどの力を吸う退魔具!? そんなものが、まだこの世の中にあったとは・・・」 男(そんなにすげえんだ、この首飾り・・・。確かに先祖代々のものだったけどさ) 猫又が男の体をじろじろ見る。 男「な、なんすか?」 猫又「ふむ・・・。信じがたいが、お前が女妖怪様の主だというなら、私も貴様の僕となろう」 男「え」 猫又「ただし。私が従うのは貴様でなく女妖怪様だ。覚えておけ」 女妖怪「良いのか、猫又」 猫又「妖怪とはそういうものでしょう」 女妖怪「ふむ・・・。ならばよい。 ところで猫又よ、お主はこの300年ずっと生きて過ごしたのだな」 猫又「ええ。ずっと生きておりましたよ」 女妖怪「私が封印されてからのことを詳しく聞かせろ」
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- 男「妖怪だと・・・?」妖怪女「・・・」
51 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage]:2011/09/06(火) 11:48:09.29 ID:IlDro1/E0 -
猫又「300年も前のことですからね。私も詳しくは覚えていませんが」 女妖怪「覚えている範囲でよい」 猫又「では」 今から300年前、大きな飢饉があった。 飢饉は人里に近づくことを退けられ、山で木の実や獣を食らっていた妖怪にも影響があった。 妖怪は人里に下り、人間を食うことにした。 その途中、強力な退魔師との戦いになり、多くの妖怪が死に、敗れた女妖怪は封印された。 頭である女妖怪の封印は周囲の妖怪にも影響を与え、妖怪は日に日に姿を消した。 飢饉でのたれ死んだ者、自ら命を絶った者、人間に敗れた者、多くいた。 やがて飢饉は終わり、文明も発達し、山々は切り崩される。 山に隠れていた妖怪の多くも駆逐された。 猫又は女妖怪が封印された後、すぐに逃げ、各地を転々としていた。
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- 男「妖怪だと・・・?」妖怪女「・・・」
53 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage]:2011/09/06(火) 11:54:50.72 ID:IlDro1/E0 -
猫又「今では生き残っている妖怪なんてほとんどいませんよ。 退魔師の生き残りとか結構いますからね。そういうやつはまだ私たちを駆逐したがってます」 女妖怪「そういえばそんなこともあったな・・・。 しかし猫又よ、お主よく生き延びられたな」 猫又「私は見た目で得をしましたね。妖気を感じられない人間の下、猫の姿で長い月日を生きました。 その屈辱たるや・・・」 女妖怪「屈辱か・・・」 猫又「女妖怪様?」 女妖怪「猫又よ・・・。今でも人間が憎いか」 猫又「当然でしょう! 奴らは私たちを追いやりました。 今でも殺したいほど憎いですよ。まあ、変な事は出来ませんから、町に出てたまに思い切り人間に噛み付くくらいですけど」 男(もしかしてさっきテレビでやってた通り魔事件ってこいつ?) ギロリ。 猫又「おい人間。お前は何故女妖怪様の妖力を吸い取る退魔具を持っていた」 男「え、いや。これは先祖代々のお守りで・・・」 猫又「ふん。貴様からは全く力を感じんが、貴様の先祖が退魔師のようだな。今すぐ殺してやりたいぞ」 男「」ブルッ
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- 男「妖怪だと・・・?」妖怪女「・・・」
54 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage]:2011/09/06(火) 12:01:52.08 ID:IlDro1/E0 -
女妖怪「そう熱くなるな、猫又よ。とりあえず、色々聞くことが出来て助かった」 猫又「いえ、女妖怪様のためなら」 女妖怪「すまんな、私はお主を覚えていなかった」 猫又「多くの部下を抱えていたから当然ですよ。まあ、あの時代の生き残りはもう私くらいでしょうが」 女妖怪「しかし既に人化できるとなるとかなりの妖力だな。あまり目立つ行動はするなよ」 猫又「当然です。でもまあ、隠した私の妖気を追って来る事が出来るのも、女妖怪様くらいのものでしょう」 男「あの・・・」 猫又「なんだ人間」 男「結構力あるみたいだけど・・・悪さ・・・しないの?」 猫又「私一人で何が出来る。いくら妖気を隠そうとも、人間を殺せばすぐに退魔師に感づかれる。何もしないのではなく、できないのだ」 女妖怪「もはや人間は我らを遥かに超えたらしいな。ハハハ・・・妖怪も堕ちたものよの」 猫又「女妖怪様・・・」 女妖怪「男よ、帰るぞ」スクッ 男「え、ああ・・・いいの?」 女妖怪「まさか目覚めたその日に仲間と会えるとは思わんかった。今日は満足じゃ」
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- 男「妖怪だと・・・?」妖怪女「・・・」
55 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage]:2011/09/06(火) 12:06:08.09 ID:IlDro1/E0 -
女妖怪「猫又よ。お主も来るか?」 猫又「どこへです?」」 男「俺の家・・・だけど」 猫又「女妖怪様・・・人間と居住を共に?」 女妖怪「こんな世の中じゃ。人間のことを知るのも悪くなかろう」ケタケタ 猫又「女妖怪様・・・。私は、遠慮します。何かあればお呼び下さい」 女妖怪「そうか、わかった。では行くぞ、男」 男「あ、ああ・・・」 タゥタッタ・・・・ 猫又「女妖怪様」 女妖怪「なんじゃ」 振り返らずに答える。 猫又「貴女は、300年前・・・誰よりも人間を嫌っておりました。何かあったのですか?」 しばらく、間をおいて 女妖怪「・・・何もありゃせんよ。妖怪は弱くなった。だから、環境に順応するだけじゃ」
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- 男「妖怪だと・・・?」妖怪女「・・・」
58 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage]:2011/09/06(火) 12:12:27.47 ID:IlDro1/E0 -
――男の家 男「ふうー食った食った」 女妖怪「すごいのぉ。今はこんなに豪華な飯が食えるんじゃな」 男「豪華かな? お米に、タイムセールで買った牛肉に、お惣菜の野菜だよ?」 女妖怪「米を食うのも困難じゃった時代じゃ。人間はすごいのぅ・・・」 男「なあ女妖怪。お前は・・・人間をどう思ってるの?」 女妖怪「・・・わからん。目覚めたばかりで、あまり記憶がないもんでな。 だが何故か・・・そこまで憎くは感じんのじゃ。何故じゃろうなあ・・・」 男「そっか・・・」 女妖怪「では逆に、お前は妖怪をどう思う」 男「そりゃあ・・・そんなもん本当にいるとはおもわなかったから、ビックリ。 それに、人間を憎んでるのも多いみたいだし、お前も強いし・・・ちょっと怖い」 女妖怪「そりゃそうじゃな。やっぱり、怖いよなぁ・・・・」 男「・・・女妖怪?」
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- 男「妖怪だと・・・?」妖怪女「・・・」
60 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage]:2011/09/06(火) 12:16:16.68 ID:IlDro1/E0 -
女妖怪「それより、寝床はどこじゃ。眠いぞ」 男「あ、いや。でもその前に風呂に入らないと」 女妖怪「風呂? そんなもの、明日山で川にでも入ってくるわ」 男「いやいや、今はちゃんとした風呂が・・・。あ、でも俺と一緒に入るのはまずいよな・・・えっと・・・」 女妖怪「何がまずいのじゃ」 男「俺は男、お前は女だろ。その、裸になるのはまずいだろ・・・」 女妖怪「何じゃお前、恥ずかしがっておるのか?」 男「当たり前だろ!! それに服もないし・・・。あ、そうだ」 ピポパポ 男「あー、女か? 悪いんだけど、ちょっと服と下着もって来てくんね? え? いや、ちげえよ! 俺が欲しいわけじゃねえし!! ほら、今日家にいた・・・。 いや、恋人じゃねーから!! 誘拐もしてねえよ!! いいからはやくきてくれって!! んじゃ!」 女妖怪「けいたいでんわか。本当にそんな板に話しかけて人がやってくるのか?」 男「きますよ!! ってちょ、ここで服脱ぐなって!! おい!!」
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- 男「妖怪だと・・・?」妖怪女「・・・」
61 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage]:2011/09/06(火) 12:19:55.44 ID:IlDro1/E0 -
――風呂 女「えーと、女妖怪さんでしたっけ」 女妖怪「そうじゃが」 女「男とはどんな関係なんですか」 女妖怪「どうって・・・僕と言ったじゃろ」 女「だ・か・ら!! 僕とか意味不明なこと言ってないで本当のこと言ってください!」 女妖怪「何にも嘘いってないんじゃがな・・・」 ゴシゴシ ―――― 男『いいか、女にはお前が妖怪だってこと言うなよ!』 女妖怪『何故じゃ?』 男『怖がるだろうし、信じてくれないだろうし、面倒なことになるだろうからだよ!』 ―――― 女妖怪(めんどくさいのう・・・)
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- 男「妖怪だと・・・?」妖怪女「・・・」
62 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage]:2011/09/06(火) 12:24:32.82 ID:IlDro1/E0 -
女妖怪「しかしお主、ひんそーな体じゃのう」 女「なっ!!」 女妖怪「この時代は食べ物は豊富なのに、栄養が不足しておるのか?」サワサワ 女「どこ触ってんのよ!! 大体あんたみたいなスイカつけてる方がムカつくのよ!!」ゴシゴシ 女妖怪「スイカとな・・・。面白い表現じゃな」ケタケタ 女「なんなのよこいつ。ムカつく・・・私から男を寝取ろうとしてるのかしらブツブツ・・・・」 湯船につかる二人。 女妖怪「しかしのう。そのしゃわぁというものやしゃんぷぅというものは凄いのう」 女「はぁ?」 女妖怪「ん・・・ああ、いや。なんでもない。独り言じゃ。 では、そろそろあがるかのう」ザバァ 女「・・・変な人」
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- 男「妖怪だと・・・?」妖怪女「・・・」
65 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage]:2011/09/06(火) 12:28:57.92 ID:IlDro1/E0 -
その後、女の下着が女妖怪はきつくて入らないとかなんやかんやあった。 結局、男が近くのデパートに女妖怪を連れて色々買って来た。 ―――男の家 女妖怪「でぱぁとは凄いのう!! 見たことのないものがいっぱいじゃった!」 男「そうですか・・・。俺はもう疲れたよ・・・。女には散々怒鳴られるし、女性下着とか服とか買わされるし・・・」 女妖怪「しかしあの女とやら。何か私に対して怒っておったようだが・・・」 男「あんま気にしないで。普通男の家に女がいたらそういう反応するもんですから」 女妖怪「私はお前の家におらんほうがいいんじゃないのか?」 男「いや、そんなことは断じてない」 女妖怪「それは・・・下心か?」 男「え?」 女妖怪「お主が私を家におくのは、下心かと問うておるのじゃ」
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- 男「妖怪だと・・・?」妖怪女「・・・」
67 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage]:2011/09/06(火) 12:30:08.01 ID:IlDro1/E0 - SSって凄い時間くうのな。
なめてたわ。 今日中には終わらせたかったが無理かも。 昼飯食ってくる。 >>64 女妖怪は風呂の使い方分からないから。
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- 男「妖怪だと・・・?」妖怪女「・・・」
74 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage]:2011/09/06(火) 13:08:29.81 ID:IlDro1/E0 -
男「やだなぁ・・・下心なんてこれっぽっちも・・・」 女妖怪「寝ている私の顔に精液をかけていたではないか」 男「それは・・・シンジ君だってそうしてたし・・・」 女妖怪「・・・私が怖いのではなかったのか」 男「え?」 女妖怪「・・・」 男「そんなこと気にしてたのか・・・」 女妖怪に近づき、肩をポンと叩く。 男「今日一日お前といて分かったけど、お前悪い奴じゃないし。 猫又も何だかんだ人間と一緒に暮らしてきてたみたいじゃん? まあ確かに最初は怖かったけどさ、今ではそうでもないっつーか・・・。 はは、俺順応性高いからさ」 女妖怪「・・・単純なやつめ」ケタケタ 男「それに俺はお前の主(仮)なんだろ? なら、僕の面倒見るのが当然だろ?」(えっちなこともしたいです) 女妖怪「そうであったな。うむ、その仮をとれ。今日からお前は私の主じゃ」 男「へへ、了解しました」(猫又ちゃんの俺の僕、こいつも俺の僕、フヒヒwwww)
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- 男「妖怪だと・・・?」妖怪女「・・・」
76 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage]:2011/09/06(火) 13:11:53.06 ID:IlDro1/E0 -
その日は、それから深い眠りに落ちた。 なんとなく、首飾りをしたまま寝た。 不思議な夢を見た。 そこは昔の日本のようで。 俺は空の上からそこを眺めてるみたいだった。 「――まッ!!」 「――ぃ!!!」 誰かが言い争うような声が聞こえた。 姿は見えない。 家が燃えている。煙が立ち込めている。人々が逃げ戸惑っている。 何が起こっているのか。まったくわからない。わかるはずもない。 ただ何故か、凄く懐かしかった。 ――1、了
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- 男「妖怪だと・・・?」妖怪女「・・・」
77 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage]:2011/09/06(火) 13:16:19.82 ID:IlDro1/E0 -
2 男「ふわぁ・・・」 日がさんさんと部屋に差し込んでいた。 男「女妖怪ー・・・」 横の布団を見る。 そこには誰もいなかった。 男「えっ!?」 眠い目をこするまもなく、男は飛び上がった。 男「女妖怪!?」 慌てて家の中を探し回るが、女妖怪の姿はなかった。 男「おいおい冗談だろ・・・!? せっかくこれから俺のハーレm・・・じゃなくて・・・」 キョロキョロ 男「昨日女妖怪のこと怖いって言っちゃたこと・・・気にしてたのかなあ」
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- MARCHは2chではバカにされるが
13 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2011/09/06(火) 13:17:42.62 ID:IlDro1/E0 - 本当にMARCHを叩いてるのって誰なんだろう。まさか宮廷とか早慶の奴が叩くわけないし、滑り止めとして使わせてもらった奴らが叩いても虚しいだけ。運悪く落ちちゃってその下位校に甘んじてる人たちかな。
KKDRがライバルとして叩くのは分かるが実際ドングリだし
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- 男「妖怪だと・・・?」妖怪女「・・・」
78 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage]:2011/09/06(火) 13:20:52.64 ID:IlDro1/E0 -
男「どうすっかな・・・夏休みだし、探す時間はあるし・・・探すよな」 テレビのリモコンに手をやる。 ピッ。 テレビ「昨夜午後4時ごろ、熊本県××市で男性3人が重症で発見された模様です!! 内二人はわき腹を鋭利な刃物のようなもので刺され、一人は右腕を複雑骨折しているそうです。 警察はこの前の通り魔事件と何か関連があると見て云々・・・」 男「げーっ・・・、これ昨日の女妖怪がやったあれじゃねえか・・・」 テレビ「では現場と中継が繋がっています。現場のアナさーん?」 アナ「はい、現場のアナです。私は事件があった路地の手前にいます」 男「あー、そうそう。丁度ここで・・・・ん?」 現場中継のカメラ。 アナウンサーの後ろを通り過ぎる人々。 そこに、立ち入り禁止のテープで閉鎖された路地を超えて進入していく一人の女性の姿。 男「お・・・女妖怪!!?」 男は慌てて家を飛び出した。
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- 何で人を殺したら駄目なの?って言う奴って・・・
2 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2011/09/06(火) 13:21:33.17 ID:IlDro1/E0 - 喋るの苦手?
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