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16 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2011/09/04(日) 10:37:16.57 ID:ZDwWVCKI0 - >>15
飼い犬
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19 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2011/09/04(日) 10:47:10.06 ID:ZDwWVCKI0 - それは二作くらい連投されたやつのことかな?
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32 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2011/09/04(日) 11:11:39.23 ID:ZDwWVCKI0 - 転載乙
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1 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2011/09/04(日) 11:42:37.71 ID:ZDwWVCKI0 - ここはお題をもらって小説を書き、筆力を向上させるスレです。
◆お題を貰い、作品を完成させてから「投下します」と宣言した後、投下する。 ◆投下の際、名前欄 に『タイトル(お題:○○) 現在レス数/総レス数』を記入。メール欄は無記入。 (例 :『BNSK(お題:文才) 1/5』) ※タイトルは無くても構いません。 ◆お題とタイトルを間違えないために、タイトルの有無に関わらず「お題:〜〜」という形式でお題を表記して下さい。 ※※※注意事項※※※ 容量は1レスは30行、1行は全角128文字まで(50字程度で改行してください) お題を貰っていない作品は、まとめサイトに掲載されない上に、基本スルーされます。 まとめサイト:各まとめ入口:http://www.bnsk.sakura.ne.jp/ まとめwiki:http://www.bnsk.sakura.ne.jp/wiki/ wiki内Q&A:http://www.bnsk.sakura.ne.jp/wiki/index.php?Q%A1%F5A
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2 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2011/09/04(日) 11:42:56.34 ID:ZDwWVCKI0 - ▽書き手の方へ
・品評会作品、通常作を問わず、自身の作品はしたらばのまとめスレに転載をお願いします スレが落ちやすいため、特に通常作はまとめスレへの転載がないと感想が付きづらいです http://yy46.60.kg/test/read.cgi/bnsk/1309692934/ 作業量の軽減にご協力ください 感想が付いていない作品のURLを貼れば誰かが書いてくれるかも ▽読み手の方へ ・感想は書き手側の意欲向上に繋がります。感想や批評はできれば書いてあげて下さい ▽保守について ・創作に役立つ雑談や、「お題:保守」の通常作投下は大歓迎です ・【!】お題:保守=ただ保守するのも何だから小説風に保守する=通常作扱いにはなりません ▽規制されている方へ ・>>1から辿って行けるまとめ板に、規制者スレがあります。 そちらの方に投下していただければ、心ある人が転載してくれます。 ▽その他 ・作品投下時にトリップを付けておくと、wikiで「単語検索」を行えば自分の作品がすぐ抽出できます ・ただし、作品投下時以外のトリップは嫌われる傾向にありますのでご注意を ▲週末品評会 ・毎週末に週末品評会なるものを開催しております。小説を書くのに慣れてきた方はどうぞご一読ください。 wiki内週末品評会:http://www.bnsk.sakura.ne.jp/wiki/index.php?%BD%B5%CB%F6%C9%CA%C9%BE%B2%F1
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3 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2011/09/04(日) 11:44:14.61 ID:ZDwWVCKI0 - 898 名前:お題 ◆oxQ.jXqnMY [] 投稿日:11/08/31(水) 00:22:46 ID:+6FoJVp6
こんな形でごめんね。 そろそろ期末でやばいの。 次回のお題は『パンツ』
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7 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2011/09/04(日) 12:03:02.94 ID:ZDwWVCKI0 - よしやってくるか
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8 :華麗なる黒ウサギ 1/6 ◇Mulb7NIk.Q[]:2011/09/04(日) 12:03:57.05 ID:ZDwWVCKI0 - 気持ちの良い朝だと思わず出かけたくなる。特に休みの日だったりすると。誰かに会う予定もないけれど無精髭を丹念に剃
り、朝食のフレンチトーストをコーヒーで流しこんで、愛車のミニクーパーに乗り込んだ。 どこへ行こう。とりあえず国道に出る。市街へ出ていって通勤する車の間を縫い、逆行し、疲れ気味のドライバー達の顔を フロントガラス越しに眺めるのは良い気分だったりする。でも今日は違う。じゃあ海か。海日和ってわけでもない。それなら 山だ。 僕は国道からまた別の国道へと移り、山並みが遠く重なるほうへハンドルを切った。 しばらく行くと信号は点滅式のものが多くなり、やがては信号機自体が少なくなってくる。自然とアクセルベタルにのせた 右足に力が入る。 道が山に入り、本格的な勾配を得る地点で二つに分かれていた。右は真っ直ぐ山の中へ突き進むルート、左は傾斜に沿うよ うにしてなだらかに登っていくルート。減速しながら二秒迷って、左のウインカーを点ける。 実はどちらとも走ったことがある。景色の優劣はつけがたい。こういう時には身体が無意識に反応した通りに道を選択する といい。 運転しながら窓を全開すると、重たい暑気が入りこんでくる。暦の上では既に夏の盛りをすぎていて、そろそろ秋の気配が しだしてもおかしくないはずだった。しかし、大波のように頭上に覆いかぶさる深い緑の葉々や、木陰から漏れいでてちらつ く陽の光、そして民家の屋根に反射して強く目を刺す輝きが、衰えるどころか、季節がますます力をつけていくような錯覚を 僕にひきおこした。そんな、白黒はっきり塗り分けられる温度差の中を僕のミニクーパーは駆けていく。 やがて山の頂に近づき、空港を脇に見た辺りで太い道から寂れた旧道に進路をとる。本当にいつお役所の手が回っているの か疑問なのだけれど、路面状態はきわめて良好だった。真昼間でさえ車の往来はほぼ〇に等しいというのに、こんなところま で本当にご苦労なことだと思う。 そんなことを考えながら山を下り始め、先が見えないほど道が弓なりに大きく曲がるポイントで車の速度を落とす。そして 中央線に沿ってしっかりと脱出した時だ。僕は道路脇を歩きにくそうに降りていく人影を目にした。髪の長い女が旅行鞄をひ きずっていた。そのまま通り過ぎようとしたのだけれど、ルームミラーに映った女が地面にへたりこんだのを見て僕は考えを 改めた。 女のいる地点から少し先にいったところにある、廃墟らしき目的不明の施設の駐車場で向きを変え、ちょうどそこにあった 自販機で飲み物を買った。 僕は引き返してさっきの女のところまで行き、車を降りて声を掛けた。 「麓まで乗ってく?」 俯いていた彼女がこちらを見上げ、豊かな髪のあいだから白い肌がのぞく。女の着ているフリルのついた漆黒のワンピース との対比に戸惑いのような感情を覚える。そして僕は息を呑んだ。それはあまりにも知りすぎている顔だった。
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9 :華麗なる黒ウサギ 2/6 ◇Mulb7NIk.Q[]:2011/09/04(日) 12:04:29.93 ID:ZDwWVCKI0 - 「お願いできる? 麓まで」
「もちろんいいよ」そしてつけ加えるように、「ゆかりん……」 だが彼女は聞こえなかったのか、そしらぬ顔で助手席に乗った。僕は黙って丁寧に車を発進させた。 「さっきそこで買ってきたんだけど、コーヒーとバヤリースのオレンジ、どっちがいい?」 「コーヒーがいいな」 実は僕が飲みたかったので買ったコーヒーなのだけれど、彼女がそう言うのなら仕方がないので、黒く冷たい缶を手渡す。 彼女はそれをありがとうと言って受け取った。 「勘違いかと思ったんだけど、君ってやっぱりゆかりんだよね?」 ちらと脇に目を振ると、ゆかりんは表舞台で決して見せることのないどんよりと曇り切った目をしていた。そして短く可愛 らしいため息をついて、「その“ゆかりん”っていうのやめてほしいな」と鋭く言い放った。 「“ゆかりん”やってるのがちょっと嫌になって飛び出してきたんだから」 「オーケー、それじゃゆかりさんと呼ばせてもらうよ」 どうやらコトは簡単なものでは決してなく、なんだか長丁場になりそうだ。僕は車のギアをシフトダウンし、エンジンブレ ーキを効かせてさらにゆっくりと山を下った。 「ところでゆかりさん、普段お仕事は何をなされている?」 「分かってるくせに」それからバッカじゃないの、と小さく。 不機嫌なゆかりんも可愛いよ、とよっぽど言いそうになったけれど、僕はあやういところでそれをこらえた。 「ゆかりさんがここにいる理由はなんとなく想像つくよ、僕は君自身じゃないから完璧な理解ではないけれど。そういえばこ んなこともあったよね。あれは確か2009年のライブ、ドリーミー・メイプル・クラウンのMCだったか。ファンの一人が叫ん だ『辞めないで』という囃したてに、君は『普通の女の子に戻りたい』とお約束どおりに返してみせた。もちろん会場にいた 多数の人間が、キャンディーズの解散時に伊藤蘭が残した件の台詞を思い浮かべて笑い飛ばしたのだけれど、よくよく考えて みれば意味深なところがあったような気がしないでもない。うん、いや、それはただの行き過ぎた推量だね」 「で、何が言いたいの?」 「ごめん、言いたいことにはまだ一つも触れていない。話が脱線しすぎたみたいだ、元に戻そう」 僕は慎重に次の言葉を選んだ。
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10 :華麗なる黒ウサギ 3/6 ◇Mulb7NIk.Q[]:2011/09/04(日) 12:05:15.34 ID:ZDwWVCKI0 - 「結局のところゆかりさんほどにもなれば、僕のような平凡な人間には想像も及ばないプレッシャーがあったのだと思う。積
み重ねてきたキャリアや、残してきた数々の作品にある意味で捉われたりしてね。思うところも千々万々、飛び出す決意にし ても相当な勇気を必要としたことだろう。今現在関わっているアニメ、ラジオ、CDなんかの収録、イベント、ライブ、それ に関わる人たちへの影響、マネージャーの津田さんへの配慮、事務所との関係、契約、君のことを心配するであろう多数のファ ンのこと。君がいないことで歯車が止まってしまう企画があり、損失があり、多大な努力と時間が水泡に帰すなんてこともあ るだろう。だから人間はどんなに厳しく辛い状況にあっても、社会を為していく上で義務やつきまとう責任を果たさなくては いけないと、学校では教えられる。少なくとも僕は教えられた」 そこでハンドルをきつく握っている両手の力を抜いた。 「でも、それでもどうしようもなく嫌になっちゃうことってあるよね。ここで説教して東京に送り返すのがある種の正しい行 動なのかもしれないけれど、僕はそんな立派な大人にはなれないからさ、ゆかりさんが今やってることにとても同調できるし、 止めようなんて思わないよ。少し酷な言い方になるけれど、どこまでいったって僕とゆかりさんは他人同士だからね、こうし て勝手なことを言わせてもらうんだ。君のしたいようにすればいい。僕は無条件で全面的に君の味方だ。他人なりに。したい ようにすればいいと思うよ、本心からそう思う」 「冷たいね、いやなひと」 「傷ついちゃうな」 そこで初めてゆかりんはフフッ、と笑ってくれた。『fancy baby doll』のコールで『世界一可愛いよ』と 叫ぶように、心の底から賞賛したくなる眩いばかりの笑顔だ。 「でもね、ゆかりは何かが転んで“ゆかりん”には戻りたくなったとしても、もう戻れないんだよ。業界から干されちゃうの は分かりきってるし、それを覚悟で飛び出してきたんだから。でもね、変なの。あれだけ思いつめてここまできたのに、絶対 揺るがないって思ってたのに、あなたの話を聞いていて、ゆかりんだった時のことをもう一度思い出してみて、じっと耳を澄 ませて目を凝らしてみると、心が揺れてる気がするの、それが分かるの。すごく不思議。ゆかり、もうちょっとだけゆかりん でいたいのかも、でも別にそうじゃないかもしれないの。もう、全然分かんなくなっちゃった」 「君自身について、単に分かりやすい解答を求めているなら哲学者に聞くといい。もしくは君自身が哲学者になるかだ。彼ら は何でも知っている。哲学というのは人間研究の最終処分場だから。答えのないものに解答を与える、つまり、大事なものも 要らないものも埋め立て処理しちゃうってことさ」 「そういう物言いって気持ち悪いからやめたほうがいいと思うの。普通の言葉で普通に喋って。ん……だけどね、ゆかりには もう道がないの。行く先が見えてても通るための道がないの」
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11 :華麗なる黒ウサギ 4/6 ◇Mulb7NIk.Q[]:2011/09/04(日) 12:05:55.63 ID:ZDwWVCKI0 - 「じゃあこうしよう。僕が君を誘拐したってことにしてしまう。事務所に連絡を入れるのさ、姫を取り戻したくばお菓子を山
にして、その上に砂糖の城を用意しろってね。これでゼロ。まったくの白紙。君はわけのわからない男にさらわれた憐れな被 害者だ。責任は一切生じない。お咎めも無し。そして君の未来は再び眺望絶佳! 行きたい場所に好きに行ける」 「バカね、あなたってほんとにバカ。何も分かってない」 「その『バカね』はとてもいいよ。心にぐっとくるものがある。太陽に向かってお前はいつも眩しいなと言ってのけるくらい 無意味な了解を繰り返すけど、ゆかりさんはとてもいい声をしているし、人を惹きつける語りを自然と心得ている」 「ふ、ふんっ、別にそんなこと言われたってちっとも嬉しくなんかないんだから!」 「お、ファンサービス? 健気なもんだね」 「今はゆかりんじゃない! ゆかりさんなの!」 そんなふうに話しているうち、僕らはついに麓まで降りてきた。自動車がちらほらと往来し、文明の匂いがかすかに漂って くる小さな町へ。その頃には少し空模様に翳りがみえ始め、暑熱は幾分遠のいた。淀んだ大気はさわやかな微風によって静か に洗い落とされ、額に浮き出ていたはずの汗もいつのまにか消え去っていた。夏の力は確実に弱まっているのだと僕は感じた。 「どうする、僕は今日は休みだからさ、ゆかりさんさえよかったらその辺をドライブしたり、車を停めて散歩するなりしない?」 「ん、少し歩きたい。あとおなか減った。たらこおにぎりが沢山食べたい。明太子じゃなくてたらこがいい」 やれやれ、とんだ荷物を拾ってしまったと苦笑しつつ、僕は車をコンビニにつけた。 ゆかりんのためのたらこおにぎりを店にありったけ、それからハムサンドとミルクカフェオレを二つ買って車に戻った。五 分ほどミニクーパーで走り、ちょうど視界に入った歴史公園の駐車場に車を置き、僕らはその中を二人で歩いた。歴史公園と いっても文化的に重要な城や遺跡があるのではなく、ただ美しくだだっ広い芝生と、蓮の咲き乱れる人口池と、扉を固く閉ざ した漆喰塗りの小さな資料館があるだけだった。僕らは適当なベンチに座り、それぞれに食べる物を食べ、飲む物を飲んだ。 本当にたらこおにぎりばっかりじゃない。気の効かない男、とゆかりんから小言を受け、食べきれないからあなた食べて、と 渡されたたらこおにぎりを齧る。そして無言のやわらかい時間が流れていく。 「おにに……おにぎりありがとう。ごちそうさま」 「どういたしまして」 僕はコンビニの袋に紙パックと包装フィルムを詰め込んで、近くにある空のくずかごに放り込んだ。 隣に座るゆかりんは地面を目で追っていたが、僕がベンチに深々と腰かけて空を見上げると、つられたように彼女も目線を 空に向けた。
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12 :華麗なる黒ウサギ 5/6 ◇Mulb7NIk.Q[]:2011/09/04(日) 12:07:26.23 ID:ZDwWVCKI0 - 「空はこんなにも遠いのに、ゆかりんがこんなにも近い」
「ゆー、かー、りー、んー」 「ごめん」 「やっぱり、ゆかりんでもいいよ」 「ん」 僕は無性に煙草が吸いたかったが我慢した。そして四六時中ゆかりんがそばにいてくれたら禁煙できるのに、と思った。 「半日分のお礼じゃないんだけれど、ゆかりに何かできることがあったら言って。例えばこの場でツインテールにしてほしい とか、僕のために一曲歌ってくれとか」 「ゆかりさんのパンツが見たい」 僕は何気なくそんなことを呟いた。深く考えたわけでもなく、呼吸をするついでに空気と一緒に言葉も吐き出してしまった というふうに。だがよくよく考えてみれば我ながら良い提案をしたものだと感心したりした。 教祖としてのゆかりんと、一部の狂信者的なファンの間では、時折宗教体験にも似た現象が起こる。僕の場合は去年のライ ブだった。それはゆかりんのパンツを通して巻き起こった。 はっきりと覚えている。曲は『惑星のランデブー』が流れていた。会場特有の音と光が激しく混ざり合った雰囲気に、否が 応でも僕の身体は昂っていた。そしてゆかりんが舞台上で激しくステップを踏み、衣装が舞った瞬間、僕は目撃者となった。 「見えた! 縞パンだ!」と心が叫び、脳が網膜に白き輝きを焼きつけようと膨大な熱量を発する。まず大歓声が消え去り、 数万人のファンも姿を隠し、ステージと客席も取っ払われて、純粋な二人だけの世界が訪れる。そして精神だけが肉体を大き く凌駕し、不可能性と物理的制約を軽く踏み飛ばしながらゆかりんの心に歩み寄っていく。僕の心には想像の翼が生えていて、 束の間、ゆかりんを片腕に抱いて天を翔け、次元の狭間に遊び交う無垢な鳳たちと共に、宇宙の地平線を横切るのだ。そして 地球に再び戻り、心が翼を失った時、全ては一瞬の出来事なのだと気づく。 旅はゆかりんのステップが始まりの合図であり、終わりの合図でもあった。なぜなら僕らは時よりも速く飛ぶことが出来る からだ。 僕はその時の強烈な体験をもう一度なぞりたい気分になった。ゆかりんのパンツによって。 「じゃあね、ほっぺにチュウとパンツだったらどっち?」 と困ったようにゆかりんは言った。 「もしゆかりさんが僕のために『恋歌姫』を歌ってくれたなら、僕はこれからの人生を温かい光の中で安らかに過ごしていけ るだろう。もしゆかりさんが『シュガー・チューン』みたくほっぺにチュッってしてくれたなら、僕は青春の中に失われたも のを再び取り出し、燃え盛る炎のような色合いを加えることができるだろう。だけど、そんな未来への保証も過去への変更も いらない。ぼくは今、現在、生きている瞬間に、ゆかりさんのパンツを見たいんだ」 しばらく思案したあと、ゆかりんは意を決したように頷いた。
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13 :華麗なる黒ウサギ 6/6 ◇Mulb7NIk.Q[]:2011/09/04(日) 12:08:02.95 ID:ZDwWVCKI0 - 「分かった、ちょっとだけ。ちょっとよ、ほんのちょびっとね。あなたに見せたいとか、見てもらいたいとか、そういう
のじゃなくて、本当に純粋な感謝の気持ちとして、お礼がわりに見せるだけだからね。そこは分かってほしいの。いい?」 彼女はしどろもどろになりながら説明した。まるで物心ついたばかりの少女のように。 「分かった」と力強く言うと、ゆかりんはベンチに坐ったまま、ワンピースの前の部分をたくし上げて僕のほうにそれを見せ た。 僕は真剣勝負に臨む前に何度も経験したとこのある、快い緊張感を覚えた。視界は実に明瞭で、物と物との境界がはっきり と判別できた。しかし、それだけだった。性的に興奮する要素はどこにも見受けられなかったし、ゆかりんのパンツはどこへ も導いてくれなかった。 僕はその理由について少し考えてみた。まず思い当たったのが、彼女は完全なるゆかりんではなく、田村由香里さんを含む ゆかりんだということだ。そしてもう一つ、結局我々が追い求めてやまないのは、偶然によってもたらされる幸運というもの なのだ。見せてもらったのではなく、あくまで見えたということが肝要なのだ。そういった不確実さの中だけに女神は息吹を 流し込んでいく……。 「あの、もういいかな、すっごく恥ずかしいんだけど」 「ごめんゆかりさん、君のパンツを眺めながらすっかり考え込んじゃった。もうしっかり拝めたよ、ありがとう」 ゆかりんは服をたくし上げていた手を離し、膝の上を二、三度払った。 僕はゆかりんの下着を見て全く興奮しなかったことは伏せておこうと思った。誰かが傷つくような気がしたからだ。彼女か もしれないし、僕かもしれない。 それからまたミニクーパーに乗って、彼女をJRの駅前まで送った。別れ際に僕は携帯の番号を一方的に渡した。君がどう しても困って、誰にも相談できない時には僕に電話してきてよ、そんな言葉を添えて。 ゆかりんは紙片を受け取って無言で笑いかけてくれた。そして少し駅のほうに走ってから大きく左手を振り、またどこかで 会おうね、と美しい声を夏空に響かせ、去って行った。 それから約半年の潜伏期間を経て、ゆかりんは再び声優として活動を再開した。表向きには急病とその静養と説明された。 きっと裏では各方面のお偉方からこっぴどく絞られたに違いない。そんなゆかりんの姿を想像すると少しだけ、胸が痛んだ。 あれから電話は一度も鳴っていない。彼女としては厳しい戦いを強いられたのだと思う、それでも弱音を吐かず、めげずに やり通したのだ。彼女自身の力で。僕はそれを嬉しく思う。一人のファンとして、胸を張って惚れこんだ甲斐があると大勢の 前で誇り高く演説したいくらいだ。今も昔も夢は夢のままで、人の心に生き続けてきたけれど、彼女はその担い手として多く の僕らを再び導いてくれることだろう。 だから今日も心でつぶやく。いつもありがとう、これからもよろしくね。ゆかりん! と。
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14 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2011/09/04(日) 12:12:40.05 ID:ZDwWVCKI0 - 転載終了ー
俺も通常作の感想つけなきゃ
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15 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2011/09/04(日) 12:23:10.06 ID:ZDwWVCKI0 - とっとと
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16 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2011/09/04(日) 12:26:29.08 ID:ZDwWVCKI0 - http://yy46.60.kg/test/read.cgi/bnsk/1309692934
>>52-53 読みました。 言葉のチョイスから雰囲気が出てて良かったと思う。でもちょっとくどすぎるかもしれない。 まあやりたいことは伝わる。 設定としてはありがちなもののように感じる。どこかで見たような、読んだようなって感じ。 正直あんまり面白くなかった。
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17 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2011/09/04(日) 12:36:11.25 ID:ZDwWVCKI0 - なかなか感想の付けづらい作品ってあるよね
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18 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2011/09/04(日) 12:44:31.70 ID:ZDwWVCKI0 - …ゴホン。
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20 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2011/09/04(日) 12:52:59.46 ID:ZDwWVCKI0 - その指摘が作者にとってクリティカルヒットだったらすごい
たまにそういうことがあるから困る
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21 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2011/09/04(日) 13:01:51.59 ID:ZDwWVCKI0 - シャワー浴びて感想書く人まだかな〜
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22 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2011/09/04(日) 13:11:32.60 ID:ZDwWVCKI0 - ふわー
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23 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2011/09/04(日) 13:21:00.66 ID:ZDwWVCKI0 - ダレモコナイ
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25 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2011/09/04(日) 13:28:33.85 ID:ZDwWVCKI0 - ちなみに作者的にはどんなとこが反省点?
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26 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2011/09/04(日) 13:37:25.59 ID:ZDwWVCKI0 - 返事が無い…ただの孤独のようだ
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- 文才ないけど小説書く秋
28 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2011/09/04(日) 13:46:57.92 ID:ZDwWVCKI0 - スレを立てたものとしてはこれが普通ですよ
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- 文才ないけど小説書く秋
29 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2011/09/04(日) 13:57:41.80 ID:ZDwWVCKI0 - しかし来ないな
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- 文才ないけど小説書く秋
32 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2011/09/04(日) 14:03:05.27 ID:ZDwWVCKI0 - よーしがんばるぞー
投下されたらどんどん感想つけちゃうぞー
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- 文才ないけど小説書く秋
34 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2011/09/04(日) 14:07:36.34 ID:ZDwWVCKI0 - ひひひ暇とちゃうわ!
でもどれのことだい?
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- 文才ないけど小説書く秋
38 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2011/09/04(日) 14:21:14.02 ID:ZDwWVCKI0 - >>36
なるほど確かに場面が羅列的だ。それは読者にも同じような思いを抱かせることだな。 でも、同じような言い回しの多用、という印象は受けなかった。無理してる感はあったけど。 作者が思ってるよりも、読者は言葉の一つ一つに注意して読んでるわけじゃないってことかな。 まずは大筋、ストーリー展開に魅力を持たせてから、ディテールを凝るべきということかもしれない。 コチラも参考になりました。ありがとう
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- 文才ないけど小説書く秋
39 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2011/09/04(日) 14:22:10.59 ID:ZDwWVCKI0 - >>35
あ、これなんか読んだことあるぞ 感想が無かったってことは、書きづらかったんだろうな、感想wwww まあ今からもういっぺん読んでくるよ
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- 文才ないけど小説書く秋
42 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2011/09/04(日) 14:39:44.52 ID:ZDwWVCKI0 - >>35
ヨンダー。 前半がくどい。3レス目からスタートしてた方が面白い。 無駄な情報が多いって言ってしまったら、じゃあ小説の面白さってなんだ!?って話になってしまうけど この小説における「無駄な情報」はわくわくもしないし読んでて面白くもなかった。 読んでる人がハッとするような表現も無いように思う。 端的に言うと魅力が感じられなかった。それならただ話の筋を追った方がましっていう。 あと、岸本の中では 休憩時間>覗き なんだよね? なんかその設定がこの小説では違和感あった。 覗きをするよりは休みたいっていうのが、ここで書かれている内容とズレてる感じがするんだよなあ… 作者がどんな点をリメイクしようとしてるのかが気になりました。以上。
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- 文才ないけど小説書く秋
44 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2011/09/04(日) 14:50:05.74 ID:ZDwWVCKI0 - 起承転結のバランスってのは、それぞれに割く分量のこと?
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- 文才ないけど小説書く秋
46 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2011/09/04(日) 14:54:06.55 ID:ZDwWVCKI0 - ほーなるほどな
がんばってくだしあ
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- 文才ないけど小説書く秋
48 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2011/09/04(日) 15:10:05.22 ID:ZDwWVCKI0 - 文才ないけど保守をする
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- 文才ないけど小説書く秋
49 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2011/09/04(日) 15:20:09.16 ID:ZDwWVCKI0 - そしてまた一人
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- 文才ないけど小説書く秋
51 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2011/09/04(日) 15:24:03.43 ID:ZDwWVCKI0 - もう品評会作はできたの?
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- 文才ないけど小説書く秋
53 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2011/09/04(日) 15:31:45.03 ID:ZDwWVCKI0 - 昔のを推敲し直すのか
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- 文才ないけど小説書く秋
55 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2011/09/04(日) 15:39:08.01 ID:ZDwWVCKI0 - じゃあどんどん通常作書けばいいね!
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- 文才ないけど小説書く秋
57 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2011/09/04(日) 15:40:29.55 ID:ZDwWVCKI0 - やあ久しぶり!
さあ感想書くよ!どんどん投下したまえ
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- 文才ないけど小説書く秋
59 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2011/09/04(日) 15:52:41.57 ID:ZDwWVCKI0 - おお、じゃあ小説大賞に応募する的な……
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- 文才ないけど小説書く秋
66 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2011/09/04(日) 16:01:46.04 ID:ZDwWVCKI0 - >>63
完全に趣味だね、俺の場合は というか、自分がBNSKで小説を書いてみて、世間で知られてる「小説家」がどれだけ一握りの、選ばれた人間なのかを 思い知ったからなあ
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- 文才ないけど小説書く秋
70 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2011/09/04(日) 16:15:22.66 ID:ZDwWVCKI0 - 世に出せるほどの才能もないんだけど、アイデアというか、
ふと思いついた言葉の組み合わせとか比喩とかがどんどん脳にたまっていって それをどうにか消化させたくてBNSKにお世話になってる感じ より上手く出来たら気持ちいし、褒められると嬉しいけど、そこから上に行くことは出来ねえや >>68 どれだけの評価かー 細かく批評くれる小説大賞とかあればいいのにね
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- 文才ないけど小説書く秋
72 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2011/09/04(日) 16:23:00.07 ID:ZDwWVCKI0 - これか。ワナビっぽくなるからこの話題控えたほうがいいのかもしれないけど、いいよね!過疎だもん!
☆小説現代ショートショートコンテスト・応募要綱☆ ・一人一編、自作未発表の作品に限る。 ・原稿は縦書き、四百字詰め原稿用紙五枚以内。 (ワープロの場合はA4版の無地の用紙にプリントアウトのこと) ・原稿の冒頭に、題名、筆名を明記すること。 ・別紙に、郵便番号・住所・氏名(本名)・年齢・職業(または在校名・学年)・電話番号を記入して添付すること。 (住所・氏名にはフリガナを。ある人はEメールアドレスも記入) ・選考委員は阿刀田高氏。毎月優秀作5編を選び、小説現代誌上に掲載。 ・掲載作品には二万円を贈呈。 ・原稿の送り先は、〒112-8001 東京都文京区音羽2−12−21 講談社 小説現代編集部 ショートショート・コンテスト係。 締切は毎月月末。 (要綱は変更されることがあります。 応募前に必ず小説現代最新号にて確認するようにして下さい)
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- 文才ないけど小説書く秋
73 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2011/09/04(日) 16:35:16.63 ID:ZDwWVCKI0 - あぶにゃ
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- 文才ないけど小説書く秋
78 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2011/09/04(日) 16:57:47.22 ID:ZDwWVCKI0 - けっこう短いよな原稿五枚って
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- 文才ないけど小説書く秋
79 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2011/09/04(日) 17:09:22.27 ID:ZDwWVCKI0 - 落ちるとこだった
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- 文才ないけど小説書く秋
80 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2011/09/04(日) 17:11:33.58 ID:ZDwWVCKI0 - 今から晩飯買ってくるから保守を頼むぞ
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- 文才ないけど小説書く秋
83 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2011/09/04(日) 17:25:42.80 ID:ZDwWVCKI0 - 我帰還せり
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- 文才ないけど小説書く秋
84 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2011/09/04(日) 17:33:47.37 ID:ZDwWVCKI0 - 今のとこ一作か
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- 文才ないけど小説書く秋
85 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2011/09/04(日) 17:44:09.09 ID:ZDwWVCKI0 - 少なかったら全感書こうかな
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