- さくら「魔法少女?」ほむら「カードキャプター?」
149 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2011/07/27(水) 04:17:35.07 ID:X5EfqF5S0 - ケロ「そんで願いを叶えてもろたらその有様か」
杏子「あぁ。ぶっちゃけ、こんな身体になったって知ったのもつい最近だ」 杏子「アイツは怪我ですぐに動けなくなる身体より、魔力で修復できるこっちの方が便利だろうなんて言ってたが」フン さくら「そんな、ひどい……。元の身体には戻れないの?」 杏子「ああ。実際アイツが言ってることが正しいかどうかはわからねえけどな」 さくら「……」 ケロ「……」 杏子(そんな顔すんなよ……) 杏子(こっちは割り切ってんのに、これじゃアタシが『不幸』みたいじゃないか……)
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- さくら「魔法少女?」ほむら「カードキャプター?」
150 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2011/07/27(水) 04:20:29.16 ID:X5EfqF5S0 - 杏子「もう他に聞きたいことはないか?」
ケロ「ならわいから一つ」 杏子「なんだ?」 ケロ「グリーフシードってのはなんや?」 杏子「グリーフシードは魔女を倒せば手に入る魔女の卵みたいなもんだって聞かされてる」 杏子「アタシら魔法少女は魔法を使うとソウルジェムに穢れが溜まる」 杏子「で、ソウルジェムが完全に濁りきる前にその穢れをグリーフシードに移さなきゃならない」
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- !ninja
733 : 忍法帖【Lv=13,xxxPT】 []:2011/07/27(水) 04:22:53.39 ID:X5EfqF5S0 - death
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- さくら「魔法少女?」ほむら「カードキャプター?」
151 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2011/07/27(水) 04:24:16.10 ID:X5EfqF5S0 - 杏子「けど、アンタらは魔法少女じゃないんだろ? グリーフシードは必要ないんじゃないか?」
さくら「昨日、魔女を倒した時にもらったの。あなたが倒した魔女のものだからって」 さくら「ケロちゃんと何に使うんだろうね、って話してたの」 杏子「魔女を倒した、ってことはさくらはそれなりに結構強いのか」 さくら「強い、のかな? 私の力って言うかカードさんのおかげだから」 杏子「カード……? 今度はさくらたちの話し聞かせなよ」 杏子「たしかカードキャプター、だっけ?」
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- さくら「魔法少女?」ほむら「カードキャプター?」
153 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2011/07/27(水) 04:28:09.10 ID:X5EfqF5S0 - さくら「うん。カードキャプター、カードの捕縛者って意味なんだけど」
さくら「わたしの魔法はこのカードさんたちを使うの」ズラッ 杏子「ただのカードじゃねえな、魔力がこもってるみたいだが」ペラ さくら「1枚1枚が生きててちゃんと意志があるの」 さくら「火(ファイアリー)なら炎が、水(ウォーティ)なら水が操れるの」 杏子「それが19枚。結構……いや、かなり万能じゃねえか?」 さくら「えへへ、そうかな?」テレテレ ケロ「こう見えてさくらはわいらのおった世界でいっちゃん強い力持っとる魔術師やからな」エヘン! 杏子「はぁっ!? マジかよ!」 さくら「う、うん。一応」 杏子(もし、あのままやりあってたらアタシの方がヤバかったんじゃねえか?) 杏子「人は見かけによらないもんだな」 さくら「ほえ?」ポヤヤン
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- さくら「魔法少女?」ほむら「カードキャプター?」
155 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2011/07/27(水) 04:32:15.39 ID:X5EfqF5S0 - 杏子「じゃあ、次はアンタ。ケロすけ?」
ケロ「け、ケロすけ?! 封印の獣ケルベロス様に向かってケロすけやとぉぉぉ!?」 杏子「馬鹿! 声がでけえ!」 店員「」ジロリ 客「」チラッ さくら「あ、あははは。杏子ちゃん、わたしの腹話術どうかな〜」アセアセ さくら「なんでやねん、なんでやねん」 ケロ「」パクパク 杏子「お、おお。うめえなさくら!」 杏子「あ、店員さん? テイクアウトでクレープ一つ頼むよ!」 店員「……かしこまりました」
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- さくら「魔法少女?」ほむら「カードキャプター?」
156 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2011/07/27(水) 04:36:24.52 ID:X5EfqF5S0 - ――川原。
ケロ「もぐもぐ、うまいなぁこれ」ホクホク 杏子「ったくこいつは……」 さくら「あはは……」
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- !ninja
747 : 忍法帖【Lv=13,xxxPT】 []:2011/07/27(水) 04:40:36.29 ID:X5EfqF5S0 - えー?
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- さくら「魔法少女?」ほむら「カードキャプター?」
161 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2011/07/27(水) 05:00:36.55 ID:X5EfqF5S0 - 杏子「で、ケルベロスはさくらの使い魔ってことでいいのか?」
ケロ「位置づけとしてはそんなとこや。さくらは『なかよし』言うてくれるけどな」 杏子「アタシらの世界の使い魔とはずいぶんと違うんだな」 さくら「わたしの世界だと魔女って言うと魔術に長けた女の人って意味だから」 さくら「広い意味だとわたしも魔女だし、魔法少女だと思うよ」 杏子「とりあえず、アタシらの世界だとさくらは魔女でも魔法少女でもないわけだ」 杏子「じゃあ、やっぱりアイツの言ってた通り何もする必要なかったってことかよ」チッ
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- さくら「魔法少女?」ほむら「カードキャプター?」
162 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2011/07/27(水) 05:05:53.36 ID:X5EfqF5S0 - さくら「そういえば、杏子ちゃんはどうしてわたしに会いにきたの?」
さくら「ほむらちゃんに聞いてきたんだよね?」 杏子「アタシら魔法少女は魔女と戦うためにもグリーフシードが必要って話しただろ?」 さくら「うん。グリーフシードを手に入れるためには魔女と戦わなきゃいけないんだよね?」 杏子「魔女ってのはどこにでも現れるもんじゃないんだよ」 杏子「現れやすい場所に陣取ってそこで狩りをする、その方が効率がいいだろ?」 杏子「それでちょうど今、ここら辺の縄張りをかけて他の魔法少女と争ってるんだけど、そんなときにさくらが現れた」 ケロ「ほうほう、ライバルが現れたと思って顔見にきたっちゅうわけか」 杏子「ああ、その通り」 杏子「ほむらは相手にするなって言ってたけどな」
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- さくら「魔法少女?」ほむら「カードキャプター?」
164 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2011/07/27(水) 05:11:09.12 ID:X5EfqF5S0 - 杏子「そういや、さくらは人を助けにアタシらの世界にきたって言ってたよな」
杏子「誰を助けにきたんだ?」 さくら「それがそのー……」 杏子「ん?」 ケロ「誰かわからんくてなー」ハハハー 杏子「はい?」 さくら「壱原さんって人に頼まれてこの世界きたんだけど」 杏子「誰を助ければいいかは聞かずきたと?」 さくら「うん……」ショボン 杏子「抜けてるというか、天然というか……」ククク
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- さくら「魔法少女?」ほむら「カードキャプター?」
165 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2011/07/27(水) 05:17:20.83 ID:X5EfqF5S0 - さくら「たぶん、わたしに頼んだってことはわたしにしかできないことだと思うから」
さくら「きっと魔法が関係してる人だと思って」 杏子「それであたしにあんなこと言ったのか」 さくら『困ってたり助けて欲しいことってありませんか!?』 杏子「困ってるっちゃあ困ってるけど……」 杏子「アタシは人の手を借りたいと思うほど困ってないかな」 さくら「そっかぁ……」 さくら「でもそれはいいことだよね、困ってないに越したことはないよ」ウン
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- さくら「魔法少女?」ほむら「カードキャプター?」
166 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2011/07/27(水) 05:24:10.61 ID:X5EfqF5S0 - 杏子「そうだ、魔女を倒してグリーフシードを手に入れたって言ってたよな?」
杏子「なら、アタシにそれくれないか? さくらには必要ないもんなんだろ?」 さくら「うん。でも他の人にあげちゃって」 杏子「人に? そいつは魔法少女なのか!?」エ!? さくら「どうだろう? 変身してなかったからわからない、かな」 さくら「杏子ちゃんも魔法少女の姿に変身してる時しか魔力の気配がしないし」 さくら「その子の名前、さやかさんって言ってたよ」 杏子「さやかだって!?」ザッ さくら「え、知り合いなの?」 杏子「あぁ、……まぁな」
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- さくら「魔法少女?」ほむら「カードキャプター?」
169 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2011/07/27(水) 05:31:13.14 ID:X5EfqF5S0 - 杏子「おそらくこの街の魔法少女の中じゃ、今一番助けが必要な奴だよ」
さくら「えぇっ!!」 ケロ「なんやて!!」 杏子「グリーフシードも必要なくて、魔女も倒せる……」 杏子「確かに適任かもな、さくらは」
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- さくら「魔法少女?」ほむら「カードキャプター?」
171 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2011/07/27(水) 05:35:22.97 ID:X5EfqF5S0 - さくら「どういうことなの?」
杏子「めんどくさい話だよ……」 杏子「魔女を倒せばグリーフシードが手に入るって言ったけど」 杏子「魔女の使い魔を倒してもグリーフシードは手に入らない」 杏子「けど、魔女だけじゃなく使い魔も人間を襲うんだ。さやかはそれを見過ごせないんだよ」 さくら「けどそれは……」 杏子「さくらはグリーフシードがなくても魔法が使えるからわからないだろうけど」 杏子「アタシらにとってグリーフシードの有無は死活問題なんだ」 杏子「魔法を使えばソウルジェムに穢れが溜まり、穢れが強くなると魔法が弱くなっていく」 杏子「そうしたら魔女にも勝てなくなっちまう……」 杏子「使い魔が人を襲うのは見逃して数人食って魔女になってから倒す」 杏子「そうしなきゃ魔法少女としてやっていけないって言ってるのにあの馬鹿ときたら」ブツブツ さくら(そっか……。それでさやかさん、わたしに『使い魔』を倒すか質問したんだ)
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- さくら「魔法少女?」ほむら「カードキャプター?」
172 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2011/07/27(水) 05:42:40.50 ID:X5EfqF5S0 - 杏子「けど、それならさくらはもうさやかを助けたことになるんじゃないのか?」
杏子「グリーフシード、さやかにあげたんだろ?」 さくら「うん、でも怒らせちゃって……」 さくら「一度渡したんだけど受け取れないって言われて」 杏子「はぁ? なんだよそりゃ」 さくら「一応、押し付けるみたいな形で置いてきたんだけど」 杏子「アイツも頑固だからなぁ」 杏子「今度さくらに会った時に返そうとか考えて使ってないだろうな」 さくら「うー、じゃあまず誤解を解かないといけないよね」
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- さくら「魔法少女?」ほむら「カードキャプター?」
174 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2011/07/27(水) 05:48:02.85 ID:X5EfqF5S0 - 杏子「今夜、さやかに会えると思うから伝えてやるよ。さくらが会いたがってたって」
さくら「ならわたしも一緒に!」 杏子「やめときなよ。さやかってばすぐ頭に血が上るから直接顔を合わせたら話も聞かずに駆け出しかねない」 杏子「それにアタシ、今はほむらと一緒に行動してるからな」 杏子「アイツの言ったこと無視してさくらと会ったことばれたくないんだよ」 さくら「そうなんだ……」
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- さくら「魔法少女?」ほむら「カードキャプター?」
176 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2011/07/27(水) 05:54:27.18 ID:X5EfqF5S0 - 杏子「さくらはこっちにきたばかりって言ってたけど、泊まるあてとかはあるのか?」
さくら「ううん、お金もないし昨日はさやかさんがホテルに泊めてくれたけど」 杏子「ならアタシが泊まってるホテルにきなよ」 さくら「いいの? すごく助かるよ〜」 ケロ「よかったなぁ、さくら」 さくら「うん、ありがとう杏子ちゃん」 杏子「おう。さやかは今夜ホテルに連れていくか、明日どこかで待ち合わせさせるからさ」 さくら「わかった」 杏子「ちょっと早いけど、これからホテルに向かうか。道とかホテルの場所、わからないだろうしね」 さくら(はにゃーん、杏子ちゃんってほんといい子だなー)
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- さくら「魔法少女?」ほむら「カードキャプター?」
177 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage]:2011/07/27(水) 06:00:40.15 ID:X5EfqF5S0 - ――――――――
―――― ―― ――杏子の宿泊ホテル。 ケロ「杏子もでかけてったし留守番してんの暇やー」ジタバタ さくら「……」 ケロ「なぁさくらー、なんかして遊ぼうやー」パタパタ さくら「……」ウーン ケロ「さーくーらー?」 さくら「ほえ?」 ケロ「どないしたんや? ずいぶん考えこんどるみたいやけど」
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- さくら「魔法少女?」ほむら「カードキャプター?」
178 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2011/07/27(水) 06:07:11.47 ID:X5EfqF5S0 - さくら「うん、さやかさんがグリーフシードを使ってくれたとしてさ」
さくら「それで本当にわたしの人助けはおしまいなのかなって」 ケロ「というと?」 さくら「なんて言えばいいのかな……」 さくら「さやかさんがわたしがあげたグリーフシードを使ってくれても、魔女がいなくなるわけじゃないっていうか」 さくら「これからも戦っていくんだろうし、それなら助けられたっていえるのかな、って」 さくら「他にもソウルジェムのことも気になるし」 ケロ「うーん。せやなー」
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- さくら「魔法少女?」ほむら「カードキャプター?」
179 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2011/07/27(水) 06:12:36.18 ID:X5EfqF5S0 - ケロ「さやかがグリーフシードをつこてこれからも戦い続けたら、またいつかグリーフシードが足りんくなる」
ケロ「使い魔を倒さんかったら誰かが被害に遭うてまう」 ケロ「仮にさくらが、さやかに当分平気なようにぎょーさん魔女を倒してグリーフシードやったとしたら」 ケロ「それはそれで他の魔法少女がグリーフシードを手に入れれんことになる」 ケロ「だからってさくらが一生この街で魔女と使い魔狩って過ごすわけにもいかへんやろ?」 さくら「うん、それはいやだよ……」 さくら「お父さんやお兄ちゃん、知世ちゃんや学校の友達に月(ユエ)さん……」 ケロ「それに小僧にも会えへんようなるしな」 さくら「小狼くん……」
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- さくら「魔法少女?」ほむら「カードキャプター?」
181 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2011/07/27(水) 06:18:18.47 ID:X5EfqF5S0 - ケロ「正直、わいはこの世界のことはこの世界で解決するしかないと思うで?」
ケロ「本来、こうやってわいらがここにおること自体がおかしいんや」 ケロ「さくらは薄情やと思うかも知れへんけども……」 さくら「ううん、ケロちゃんのことそんな風に思ったりしないよ」 さくら「ケロちゃんはわたしのこと、心配してくれてるんだよね」 さくら「何か、気なること全部解決できそうなすごい案とか見つからないかな……」 ケロ「うーん……」 さくら「うーん……」
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- さくら「魔法少女?」ほむら「カードキャプター?」
182 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2011/07/27(水) 06:23:32.22 ID:X5EfqF5S0 - ――――――――
その少女は使い魔を狩っていた。 さやか「うああああああ!!」 誰かを守るためでもなく、自分のためでもなく、 ただ、ていよく怒りをぶつける対象が見つかったから。 さやか「はぁ……はぁ……」 さやか「仁美……、恭介……」ギリリ カツン 不意に聞こえた足音にはっとなり、音がした方向へと目を向ける。
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- さくら「魔法少女?」ほむら「カードキャプター?」
183 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2011/07/27(水) 06:29:39.44 ID:X5EfqF5S0 - ほむら「どうしてわからないの?」
ほむら「余裕がないのなら魔女だけを狙いなさい」 さやか「転校生か……」 現れたのは紫の魔法少女。 ほむら「使いなさい。ソウルジェムはもう限界のはずよ」カラン ほむらが投げたのはグリーフシードと呼ばれるもの。 それは2度ほどバウンドした後転がりさやかの足元で停止する。 さやか「……いならいわよ。あんたの施しなんか受けない」カン さやかは僅かに一瞥した後、転がってきたグリーフシードを蹴り返す。 さやか「あいにくと、まだストックは残ってるからね」
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- さくら「魔法少女?」ほむら「カードキャプター?」
184 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2011/07/27(水) 06:36:25.93 ID:X5EfqF5S0 - ほむら「そんな強がりに何の意味があると言うの?」
ほむら「あなたこのままだいけば……」 さやか「これ。見える?」スッ ほむら「それは、グリーフシード……。あなたいつの間に」 さやか「これでわかったでしょ、強がりでも何でもないって」 さやか「あんたの施しなんか受けなくても大丈夫だって」 ほむら「ならそれを早く使いなさい。ソウルジェムが限界なことは変わらないでしょう」 さやか「グリーフシードをあたしがいつ使おうと勝手、転校生は黙っててくれる?」
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- さくら「魔法少女?」ほむら「カードキャプター?」
185 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2011/07/27(水) 06:41:28.07 ID:X5EfqF5S0 - さやか「あたしはさ、あんたたちとは違う魔法少女になるって決めたんだ」
さやか「誰も見捨てない、利用しない、見返りも求めない」 さやか「それであたしが魔女を殺せなくなったら、あたしは用済み」 さやか「魔女に勝てないあたしなんて、この世界に必要ないのよ」 ほむら「……」 ほむら「私はただ……、あなたを助けたいだけなのに」 ほむら「どうして信じてくれないの?」
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- さくら「魔法少女?」ほむら「カードキャプター?」
186 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2011/07/27(水) 06:48:52.74 ID:X5EfqF5S0 - さやか「あんたが嘘つきだからだよ」
ほむら「っ……」 さやか「あんた、何もかも諦めた目をしている」 さやか「いつも空っぽの言葉を喋ってる」 さやか「本当はあたしのためとか言いながら全然別のこと考えてるでしょ?」 さやか「誤魔化しきれるもんじゃないよ、そういうのって」 ほむら「……」
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- さくら「魔法少女?」ほむら「カードキャプター?」
188 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2011/07/27(水) 06:54:02.61 ID:X5EfqF5S0 - ほむら「……そう」
ほむら「あたなって、鋭いわ」 さやか「!」 ほむら「ええ、図星よ」 ほむら「私はあなたを助けたいわけじゃない」 ほむら「あなたが破滅していく姿をまどかに見せたくないだけ」 ほむら「全てはあの子の為なのよ?」
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- さくら「魔法少女?」ほむら「カードキャプター?」
190 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2011/07/27(水) 07:00:16.48 ID:X5EfqF5S0 - ほむら「ここで私の言葉を拒むならどうせあなたは死ぬしかない」
さやか「ッ!?」ゾク ほむら「これ以上まどかを悲しませるくらいなら……」 ほむら「いっそこの場で私が殺してあげるわ」 ほむら「美樹さやか!」 放たれる殺気。 ほむらの手が左手に装着されている盾の内側へと伸びていく。 ガシッ。 ほむら「!?」
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- さくら「魔法少女?」ほむら「カードキャプター?」
192 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage]:2011/07/27(水) 07:05:21.87 ID:X5EfqF5S0 - 杏子「何やってる! さっさと逃げろ!」
さやか「……!」タッ 咄嗟に走り出すさやか。 杏子「正気かテメェは! アイツを助けるんじゃなかったのかよ!」 ほむら「くっ……、離して!」 杏子「どうやらこの状態だとあの妙な技も使えないみたいだな?」フン ほむら「この……」ピィン 杏子「うぇ!? ば、ばくだっ」
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- さくら「魔法少女?」ほむら「カードキャプター?」
194 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2011/07/27(水) 07:12:08.07 ID:X5EfqF5S0 - 杏子はほむらが盾の裏側から取り出した手榴弾を目にし、
ほむらを押さえる手を離すと咄嗟に伏せて頭を抱える。 カッ!! 辺りは激しい閃光と爆音に包まれる。 しかし、それ以上の被害はなく杏子はそっと頭を上げてみると、 辺りには誰一人おらず、スタングレネードの残骸が残っているだけだった。 杏子「くそっ、逃げられたか……」 杏子「いや、今はほむらよりさやかを追わねぇと」
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- さくら「魔法少女?」ほむら「カードキャプター?」
196 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2011/07/27(水) 07:17:34.15 ID:X5EfqF5S0 - ――――――――
さくら「杏子ちゃん戻ってこないね、ケロちゃん……」 ケロ「子どもが外歩くには遅すぎるわ」 さくら「魔女に襲われたりしてないといいんだけど」 さくら「わたしなんだか心配になってきちゃった。探しに行ってくるよ!」 ケロ「探しに行く言うたかてどこ向かう気や」 ケロ「わいらはここの地理にも詳しくないし、もしかしたら行き違いになるかも知れん」 ケロ「心配なんはわかるけど……」 『……ぃ! おい! 聞こえるか、さくら! ケルベロス!』 さくら「ほえ!? この声、杏子ちゃん?」 杏子『ラッキー、さくらたちとはテレパシーで会話できるみたいだな』 ケロ「念話か? 無事やったんやなぁ。帰りが遅いから心配しとったとこや」
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- さくら「魔法少女?」ほむら「カードキャプター?」
198 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2011/07/27(水) 07:24:38.60 ID:X5EfqF5S0 - 杏子『アタシが魔女にやられたとでも思ったか? これでもベテランだぜ』フン
杏子『そんなことより、二人とも出てきてくれねえか?』 さくら「どうかしたの?」 杏子『すまねえ、さやかの説得に失敗した』 ケロ「あちゃあ」 杏子『何かあったみたいで精神的にまいってるらしいんだ』 杏子『それで走って逃げちまってよ』 さくら「わかった。すぐそっちに行くよ、今どこにいるの?」 杏子『外まで出てきてくれればいい。こっちも、もうすぐホテルの前に着く』 さくら「了解」タッ
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- さくら「魔法少女?」ほむら「カードキャプター?」
199 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2011/07/27(水) 07:30:54.77 ID:X5EfqF5S0 - ――――――――
――ほぼ同時刻、噴水のある公園。 「どこにいるの? さやかちゃん……」 「今日も見つからなかった……」フラ… トッ 「君も僕のことを恨んでいるのかな、まどか」 まどか「キュゥべえ……」 まどか「あなたを恨んだらさやかちゃんを元に戻してくれるの?」 キュゥべえ「無理だ。それは僕の力の及ぶことじゃない」
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- さくら「魔法少女?」ほむら「カードキャプター?」
200 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2011/07/27(水) 07:37:31.29 ID:X5EfqF5S0 - まどか「……ねぇ、前に話してた私がすごい魔法少女になれるって話、本当なの?」
キュゥべえ「すごいなんていうのはひかえめな表現だ」 キュゥべえ「おそらく世界で最強の魔法少女になるだろう」 キュゥべえ「望めば万能の神にだってなれるかもしれない」 キュゥべえ「なぜ君がそれほどまでの素質を持っているのか、理由は僕にもわからないけどね」 まどか「キュゥべえにできないことでもわたしならできるのかな……」 キュゥべえ「?」
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- さくら「魔法少女?」ほむら「カードキャプター?」
201 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2011/07/27(水) 07:41:22.01 ID:X5EfqF5S0 - まどか「わたしがキュゥべえと契約したら、さやかちゃんの身体を元に戻せるのかな」
キュゥべえ「造作もないことだよ」 キュゥべえ「君にとってそれは魂を差し出すに足るものなのかい?」 まどか「……うん。さやかちゃんのためなら、いいよ」 まどか「わたし、魔法少女に」 パァン! 気付けばキュゥべえと呼ばれていた人形のような愛玩動物のようなそれは、 音ともに弾け無残な姿へと成り果てていた。 まどか「ひっ――!」 まどかと呼ばれた少女は思わず口元を押さえ無残な破片から目をそむける。
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- さくら「魔法少女?」ほむら「カードキャプター?」
202 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2011/07/27(水) 07:49:27.61 ID:X5EfqF5S0 - ほむら「鹿目、まどか……」カシャン
まどか「ほむらちゃん……?」 まどか「その銃……、ほむらちゃんがやったの?」 まどか「ひどいよ、なにも殺さなくたって」ガタッ ほむら「あなたは……ッ!」 ほむら「いい加減にしてよ! 勝手に自分を粗末にしないで!!」 ほむら「あなたを失えば悲しむ人がいるってどうして気付かないの?」 ほむら「あなたを守ろうとしてた人はどうなるの!?」
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- さくら「魔法少女?」ほむら「カードキャプター?」
203 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2011/07/27(水) 07:51:33.83 ID:X5EfqF5S0 - まどか「……」
まどか「それって……、ほむらちゃんのことなの?」 ほむら「!」 まどか「わたしたちって、どこかで会ったこと……、あるの?」 まどか「ここじゃない、どこかで」 ほむら「そ……、それは……っ」
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- さくら「魔法少女?」ほむら「カードキャプター?」
204 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2011/07/27(水) 08:00:33.87 ID:X5EfqF5S0 - まどか「……」
まどか「ごめんね、わたしさやかちゃんを探さないと」タッ ほむら「待って! 美樹さやかはもう……!」 ほむら「あ……」ガクッ トトッ…… 「……無駄なことだとわかってるくせに。懲りないんだなぁ君も」 ―――――――― ―――― ――
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- さくら「魔法少女?」ほむら「カードキャプター?」
205 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2011/07/27(水) 08:04:12.03 ID:X5EfqF5S0 - とある電車の中で二人の男たちが会話をしていた。
話の内容は聞くに堪えないようなことばかり。 もし、あなたに世界を守る魔法みたいな力があるとして、 この会話を聞いた直後にこの世界に守る価値が『ある』と、断言できるだろうか? 彼女は……、美樹さやかは――。 さやか「ねぇ、この世界って守る価値あるの?」 さやか「あたし何のために戦ってたの?」 さやか「教えてよ……」 さやか「今すぐあんたが教えてよ」 さやか「でないとあたし、どうにかなっちゃうよ?」 ガタンガタン、ガタンガタン……
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- さくら「魔法少女?」ほむら「カードキャプター?」
206 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2011/07/27(水) 08:07:25.19 ID:X5EfqF5S0 - ――――――――
さくら「翔(フライ)! わたしは空から探すから、杏子ちゃんは下からお願い」ピューン 杏子「了解。つーか、さくらは羽生やして空も飛べるのかよ……」 ケロ「さくらー、そのままやったら下から丸見えや。騒ぎになるで!」 さくら「それじゃあ……」 さくら「我が姿を星々の幻影で隠せ、幻(イリュージョン)!」 キラキラ…… さくら「これでわたしの姿は見えないはず……」 さくら「ねぇケロちゃん、わたしなんだか胸騒ぎがするの」 ケロ「さくら?」
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- さくら「魔法少女?」ほむら「カードキャプター?」
207 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage]:2011/07/27(水) 08:10:14.84 ID:X5EfqF5S0 - さくら「ソウルジェムの穢れが限界だったって杏子ちゃんは言ってたけど……」
さくら「ソウルジェムってその人の魂なんだよね?」 さくら「それに穢れが溜まるってよくないことだと思うの」 ケロ「杏子は魔法が使えんくなるくらいにしか考えてなかったみたいやけど、相当まずいはずやわ」 ケロ「意地かなんか知らんけど、さくらのやったグリーフシードつこてくれてると助かるんやが……」 さくら「さやかさん。お願い、無事でいて……」 ―――――――― ―――― ――
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- さくら「魔法少女?」ほむら「カードキャプター?」
208 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2011/07/27(水) 08:12:25.52 ID:X5EfqF5S0 - ――さやか捜索からおよそ30分。
杏子『いたぞ!』 さくら「ほんと、杏子ちゃん?」 杏子『ああ、駅のホームだ』 さくら「えっと……、見つけた!」 さくら「待ってて、すぐ降りるから」
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- さくら「魔法少女?」ほむら「カードキャプター?」
209 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2011/07/27(水) 08:16:48.88 ID:X5EfqF5S0 - さやか「……」
さくら「……さやかさん」 杏子「……やっと見つけた」 さやか「さくらちゃんに、杏子……」 さやか「そっか、さくらちゃんは杏子の仲間だったんだ……」 杏子「ばっか、ちげえよ。そもそもさくらは……」 さやか「いいよ、別に言い訳なんかしなくても」 さやか「もう、どうでもよくなっちゃったし」 杏子「!?」ゾクッ さくら「!?」ゾクッ ケロ(なんやこの気配は……!)
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- さくら「魔法少女?」ほむら「カードキャプター?」
210 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2011/07/27(水) 08:21:18.68 ID:X5EfqF5S0 - さやか「結局あたしは一体何が大切で、何を守ろうとしてたのか」
さやか「なにもかも、わけわかんなくなっちゃった」スッ 杏子「ソウルジェム……、真っ黒じゃねえか」ゴクッ さやか「そういえばさくらちゃん、グリーフシード忘れてったよね」 さやか「私にはもう必要ないし、返すね」ポン さくら「違うの、わたしは……」 杏子「貸せッ! いいんだよ、こいつは魔法少女じゃないんどころか」バシッ 杏子「そもそも魔法少女が何かもわかってなかったんだから……」 杏子「これはアンタが使えばいいんだよ。ほら……」 杏子はさくらが手渡されたグリーフシードをひったくると力付くでさやかのソウルジェムにくっつける。 本来ならこれでソウルジェムに溜まった穢れを移すことができるのだが……。 杏子「どういうことだ……、穢れが祓えねえだと?」 さやか「言ったでしょ、『もう必要ない』って」
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- さくら「魔法少女?」ほむら「カードキャプター?」
211 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2011/07/27(水) 08:23:48.38 ID:X5EfqF5S0 - さやか「希望と絶望のバランスは差し引きゼロだって話、今ならよくわかるよ」
さやか「確かにあたしは何人か救いもしたけど、その分心には恨みや妬みが溜まって」 さやか「一番大切な友達さえ傷つけて……」 杏子「アンタ……」 さやか「誰かの幸せを祈った分、誰かを呪わずにはいられない」 さやか「あたしたち魔法少女ってそういう仕組みだったんだね」 さくら「……」 さやか「あたしって、ほんとバカ」 ピシッ! パキン ゴオオオオオオォォォ さくら「きゃっ、さやかさん!」 杏子「なっ!? さやかああああああ」
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- さくら「魔法少女?」ほむら「カードキャプター?」
212 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2011/07/27(水) 08:25:58.20 ID:X5EfqF5S0 - キュゥべえ「この国では成長途中の女性のことを、『少女』って呼ぶんだろ?」
キュゥべえ「だったら、やがて『魔女』になる君たちのことは……」 キュゥべえ「『魔法少女』と呼ぶべきだよね」
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- 韓国で土砂崩れ9人死亡www
82 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage]:2011/07/27(水) 12:06:22.54 ID:X5EfqF5S0 - >>78
最後までがんばれよwwww
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- 幼女が道で転んだとするじゃん?泣くじゃん?俺慰めたいじゃん?
11 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage]:2011/07/27(水) 12:18:21.70 ID:X5EfqF5S0 - >>8
通報されるじゃん?捕まるじゃん?
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- RPGで主人公の名前を自分の名前にする奴
50 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage]:2011/07/27(水) 13:21:48.95 ID:X5EfqF5S0 - VIPPERだな
ドラクエならビッパー デフォルト名があるならそれ使うけど
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