- さくら「魔法少女?」ほむら「カードキャプター?」
58 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2011/07/27(水) 00:04:59.06 ID:X5EfqF5S0 - さくら「自動販売機はあったけど私が持ってるお金、全部使えないなんて……」
ケロ「まぁ、別の世界やししゃーないっちゃあしゃーないんやろうけど」 ケロ「やっぱここは水(ウォーティ)のカードで」 さくら「今はそれでいいかもだけど、ご飯とか泊まるところとかお金が使えないんじゃ何もできないよう……」 ケロ「飯は花(フラワー)のカードで食べられそうな花でも出して、夜は樹(ウッド)のカードでこの辺に家でも」 さくら「ケロちゃんむちゃくちゃだよー!」ワーン!
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- さくら「魔法少女?」ほむら「カードキャプター?」
59 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2011/07/27(水) 00:07:57.31 ID:X5EfqF5S0 - 「お嬢ちゃん、お困りかな〜?」
さくら「ほえぇ!?(け、ケロちゃん、人形のふり!)ヒソヒソ」 ケロ「」ピタッ 「あはは、ごめんごめん、突然後ろから声をかけられたら誰だって驚くよね」 さくら「えっと」 「いやいや、私はまったくもって怪しいものじゃありませんよ?」 ケロ(自分で自分こと怪しい者ですなんていう奴おらへんわ!)
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- さくら「魔法少女?」ほむら「カードキャプター?」
61 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2011/07/27(水) 00:13:37.38 ID:X5EfqF5S0 - 「私、さやかって言うんだ。趣味は人助けの可愛い可愛い女の子だよ!」
さくら「わたしは木之本 桜です」ペコ さやか「困ってることとかあったら相談に乗るよ? 私なんかでよかったらだけど」 さくら「えっと、でも、その……」 ぐ〜…… さくら「」/// さやか「もしかして、お腹が空いてるの?」 さくら「うぅ、はい……」
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- さくら「魔法少女?」ほむら「カードキャプター?」
62 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2011/07/27(水) 00:17:52.81 ID:X5EfqF5S0 - >>47>>60
原作準拠の19枚です。 アニメは53+αで手に負えない。 ―――――――― ―――― ―― ――バーガーショップ。 さくら「あの、ありがとうございます!」 さやか「いいよいいよこのぐらい。困ったときはお互い様ってね」 さやか「でも災難って言うか天然って言うか、他所の国からきたばっかりで日本のお金持ってないなんて」プププ さくら「ずいぶんと急だったので……」モグモグ さくら(こっちの世界でも日本って言うんだ……。そういえば別の世界なのに日本語で通じてるよね) さくら(でもお金だけは使えないんだね……ぐすん)
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- さくら「魔法少女?」ほむら「カードキャプター?」
63 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2011/07/27(水) 00:21:09.88 ID:X5EfqF5S0 - さやか「さくらちゃんって何年生なの?」
さくら「私は中学一年生です」モグモグ さやか「じゃあ私の一つ下だね。今着てるのは前の学校の制服? もしかして見滝原中に転校してくるの?」 さくら「ええっと、それは……んぐっ!」 さやか「うわっ、喉詰まった!? はいジュース!」 さくら「ごくごく……、ぷは。ありがとうございます」ホッ さやか「こっちこそごめんね、こんなにいっぱい話しかけられたら食べにくいよね」 さやか「最近、他人(ヒト)とお喋りなんかしてなかったから、ついね」 さくら「ほえ? ヒトとって家族ともですか?」 さやか「あー……、あたしってば今絶賛家出中だったりなんかしたりしてー」 さくら「えぇー!?」 さやか「声大きいって!」 さくら「あ、ごめんなさい……」シュン
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- さくら「魔法少女?」ほむら「カードキャプター?」
64 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2011/07/27(水) 00:25:21.87 ID:X5EfqF5S0 - さくら「喧嘩、しちゃったんですか?」オソルオソル
さやか「そういうわけでもないんだけどねー」アハハ さやか「世間のしがらみとかそういうのが嫌になったいうか、まぁ中学二年生にはありがちな話なのよ」 さくら「ほえー、私はまだ一年生なので……」 さやか「ごめんね、しんみりした話しちゃって……」 さくら「いえ、そんなこと……。でもおうちには帰ったほうがいいと思います」 さやか「さくらちゃんはいい子だねぇ、私の嫁になって欲しいわ」 さくら「わわわたしは、そういうのは! それにわたしには小狼君が」ゴニョゴニョ
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- さくら「魔法少女?」ほむら「カードキャプター?」
65 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage]:2011/07/27(水) 00:29:28.11 ID:X5EfqF5S0 - さやか「冗談だってば。っていうか、さくらちゃん好きな人いるんだ?」
さくら「えっとえーっと……」カオマッカ さやか「あははは、わかりやすいなー、ほんと」 さやか「その人のこと、ほんとに好きなんだったら早めに告白したほうがいいぞ。コレお姉さんの経験則!」 さくら「ぁ、はい」 さやか「……」 さくら「……」 さやか「食べ終わったみたいだし、出よっか」 さくら「はい」
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- さくら「魔法少女?」ほむら「カードキャプター?」
66 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2011/07/27(水) 00:32:12.17 ID:X5EfqF5S0 - ――――――――
さくら「初対面なのにご馳走してもらって……。ありがとうございました」 さやか「いいよ、このくらい。それじゃ私はこれで」バイバイ さくら「……あの」 さやか「ん?」 さくら「何か困ってることとか、助けて欲しいこととかありませんか?」 さやか「……へ?」ポカーン さくら「いや、その、ハンバーガーご馳走してもらいましたし、そのお礼って言うかなんていうか」 さやか「あー、ほんと気にしないでいいから。その気持ちだけで私はお腹いっぱいです」
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- さくら「魔法少女?」ほむら「カードキャプター?」
68 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2011/07/27(水) 00:36:47.92 ID:X5EfqF5S0 - さやか「ありがとね、実はちょっと落ち込んでたんだけどさ」
さやか「この街にあなたみたいな子がいるなら私はもう少しがんばれる気がするよ」 さやか「私、これから行かなきゃいけないとこあるから、今度こそバイバイ」フリフリ さくら「……はい、さようなら」フリフリ さくら「……」 さくら「行っちゃった」 ケロ「さくらだけうまそうなもん食うてずるい〜……」ドヨーン さくら「け、ケロちゃん?!」 ケロ「まぁ、わいは腹減ったりとかせぇへんしー、道楽で食っとんのやで別にええねんけどなー」メソメソ
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- さくら「魔法少女?」ほむら「カードキャプター?」
69 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2011/07/27(水) 00:39:47.96 ID:X5EfqF5S0 - ケロ「それにしてもさっきの嬢ちゃん、ええ子やったなぁ」
ケロ「見ず知らずのさくらに飯おごってくれるやなんて」 さくら「だね。何かお礼とかしたかったんだけど」 ケロ「礼ができるくらいなら空腹で困ってへんわなぁ」 さくら「あはは……。あれ?」ピクッ さくら「ケロちゃん、これって」 ケロ「こっちの世界にきてすぐに感じた変な魔力と似とる」 さくら「それにこの反応、さやかさんが走っていった方角だよ!」 ケロ「あの嬢ちゃんが化物に襲われるかもしれへん。さくら!」 さくら「わかってる、助けなくちゃ!」タタッ
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- さくら「魔法少女?」ほむら「カードキャプター?」
70 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2011/07/27(水) 00:44:02.10 ID:X5EfqF5S0 - >>67
まだ誤字脱字の修正、言い回しを少し変えたくらい。 大きい差分は五日目だけだから今夜はもう寝た方がいいと思う。 さるさん怖がって4分間隔で書きこんでるからまだ大分かかりそう。 ケロ「反応はこの路地裏の先や!」 さくら「ここまで走ってきたけどさやかさんいなかった……、もしかして」 ケロ「大丈夫や、そんなに時間は経ってない。もしおったとしても間に合うはずや」 さくら「お願い、無事でいて……」
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- さくら「魔法少女?」ほむら「カードキャプター?」
72 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage]:2011/07/27(水) 00:48:22.70 ID:X5EfqF5S0 - さくらたちは背の高い建物に囲まれて薄暗い路地裏を駆けていく。
ケロ「近いで、さくら!」 さくら「わかってる!」 封印の鍵はすでに封印解除され杖の形に変えてある。 魔力の強さからもうすぐまたあの化物が現れるのだと考えると思わず杖を握る手に力がこもるのを感じた。 ケロ「そこを右や! その先に敵が……」 T字路を右へ曲がる。 そしてその先でさくらたちが目にしたもの、それは。 さくら「さやかさん!?」 意識を失い倒れているさやかの姿だった。
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- さくら「魔法少女?」ほむら「カードキャプター?」
74 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage]:2011/07/27(水) 00:52:15.51 ID:X5EfqF5S0 - ケロ「どういうことや、さっきまでは反応があったのに何も感じへん……」
さくらたちは嫌な魔力の反応を追ってここまできたのだ。 だというのにここには何もない、何の反応も感じなくなっていた。 さくら「さやかさん! さやかさん!」 さやか「……ん、ぁ」 さやかが気がついたため、ケルベロスはさくらのポケットへと隠れる。 さやか「あれ? さくらちゃんどうしてここに……」ヨロヨロ さくら「さやかさんこそ、どうしてこんなところで倒れて」 さやか「あたしはー。その、ちょっと無茶しちゃって……」 さやか「痛いとかそういうことはないんだけど、一人じゃ立てそうにないんだ。肩貸してもらえないかな?」 さくら「わかりました。掴って下さい」 さくらはさやかの頼みを聞いて肩を貸すと、路地裏を後にした。
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- さくら「魔法少女?」ほむら「カードキャプター?」
75 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2011/07/27(水) 00:56:12.38 ID:X5EfqF5S0 - ――――――――
―――― ―― ――??? さやか「ごめんね、ここまで運んでもらっちゃって」 さくら「いえ、ハンバーガーをご馳走になったお礼です」 さやか「ところでさ、さくらちゃんって天然とか世間知らずとか言われない?」 さくら「え? ……たまに、言われますけど」 さやか「くすくす、やっぱり。私はふらふらだし、女同士だしって思うけどさ」 さくら「?」
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- さくら「魔法少女?」ほむら「カードキャプター?」
76 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2011/07/27(水) 01:00:14.19 ID:X5EfqF5S0 - さやか「頼まれたとはいえ平然とラブホテルに人を運ぶなんてさ」アハハハ
さくら「らぶほてる?」 さやか「えっ?」 さくら「ほえ?」 さやか(まさか、ラブホテルを知らないだと……?) さやか「いや、なんでもないよ。ここまで運んでくれてありがとう」ニコリ さくら「どういたしまして」ニコリ
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- さくら「魔法少女?」ほむら「カードキャプター?」
77 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2011/07/27(水) 01:04:42.23 ID:X5EfqF5S0 - さくら「その、立ち入ったことを聞きますけど、持病か何かあるんですか?」
さやか「へ? なんで?」 さくら「なんでって……。さやかさん、何もないところで意識を失って倒れてたから」 さやか「あー、そりゃそうだよね、そう思うのが普通だよ」 さくら「……」 さやか「ちょっと悪い奴を見つけたもんだから懲らしめてたんだよね」 さくら(でも、あそこには誰も……) さやか「やっつけたはいいんだけど、力尽きちゃったみたいで」 さやか「気付いたらさくらちゃんの可愛い顔が目の前にあったってわけですよ」アハハー
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- さくら「魔法少女?」ほむら「カードキャプター?」
78 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage]:2011/07/27(水) 01:07:50.78 ID:X5EfqF5S0 - さくら「……あの、病院とかには」
さやか「平気平気、ちょっと疲れただけだから(病院じゃ魔力の輸血はやってくれないしね)ボソボソ」 さくら「そう、ですか」 さやか「さくらちゃんはもう帰りなよ。おうちの人が心配してるでしょ」 さくら「……その」 さやか「ん?」 さくら「私も一緒に泊まっちゃダメですか?」 さやか「はいぃ!?」ドキッ
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- さくら「魔法少女?」ほむら「カードキャプター?」
79 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage]:2011/07/27(水) 01:12:38.22 ID:X5EfqF5S0 - さくら「実は私も家出してきたんです!」
さやか「え、ほ、ほんとに?」パチクリ さくら「はい、だからその一緒に泊めてもらえないかな、と」 さやか「私のことほっとけないから嘘ついてるとかないよね?」 さくら「えっと、そういう気持ちもありますけど、家に帰れないのも、……ほんとです」シュン さくら「あ、でも、二人で泊まったらお金が多くかかっちゃうから」 さやか「ああ、それは大丈夫だから。元々二人で泊まる施設だからここ」 さくら「そうなんですか?」ホエー
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- さくら「魔法少女?」ほむら「カードキャプター?」
81 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2011/07/27(水) 01:16:56.51 ID:X5EfqF5S0 - さやか「そういうことなら……、いいよ。泊まっても」
さくら「ほんとですか!」 さやか「けど。早めに家に帰ったほうがいいと思うよ、私が言えた義理じゃないけどさ」 さくら「……はぃ、ありがとうございます」 さやか「はぁ、グリーフシードさえあればなぁ」 さくら「ほえ? グリーフシード?」 さやか「ううん、なんでもないよ。ただのひとりご、」 さくら「グリーフシードならありますよ。これですよね?」ハイ さやか「……ええっ!?」
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- さくら「魔法少女?」ほむら「カードキャプター?」
82 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2011/07/27(水) 01:20:11.39 ID:X5EfqF5S0 - さくら「……」
さやか「……」 さくら「あの、」 さやか「さくらちゃんって魔法少女なの?」 さくら「あ、はい。そうです」ビク さくら(はうー、なんだか急に空気が重く……) さやか「じゃあ、一つだけ教えてくれる? さくらちゃんは『使い魔』がいたら倒す人? それとも……」ゴクリ さくら「え、えっと、その、……使い魔による、かな?」チラッ さやか「……それってどういう意味?」
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- さくら「魔法少女?」ほむら「カードキャプター?」
83 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2011/07/27(水) 01:24:11.87 ID:X5EfqF5S0 - さくら「悪い使い魔さんなら倒さないといけないけど、良い使い魔さんなら」
さやか「いるわけないじゃない、そんなの」キッパリ さくら「で、でも」 さやか「『使い魔』も『魔女』も、私は全部やっつける。マミさんなら絶対にそうするから」 さやか「私、このグリーフシードは受け取れないわ。気持ちだけ受け取っとくよ」 さくら「……」 さくら(さやかさんはそれっきり口を聞いてくれなくなり、気まずい状態で同じベッドで眠りました)
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- さくら「魔法少女?」ほむら「カードキャプター?」
84 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2011/07/27(水) 01:29:20.71 ID:X5EfqF5S0 - ――次の日。
チュンチュン…… さやか「んー……」ノビ さやか「朝か。そういやラブホに泊まったんだっけ……」 さやか(さすがに身体動かないのに野宿なんてできなかったしなあ) さやか(普通のホテルにフラフラの中学生が一人じゃ泊まれないしね) さやか「あれ、さくらちゃんは……?」 くしゃり さやか「紙……、置き手紙か」
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- さくら「魔法少女?」ほむら「カードキャプター?」
86 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2011/07/27(水) 01:31:57.11 ID:X5EfqF5S0 - 「
さやかさんへ 泊めてくれてありがとうございました。 正直、昨日はさやかさんがなぜ怒ってしまったのかわかりません。 今度会ったときに理由を教えてください。 そしたらごめんなさいって言って仲直りできたらいいなと思います。 追伸、グリーフシードは置いていきます。さやかさんが使ってください。 さくらより 」 さやか「さくらちゃんもキュゥべえに騙されてるんだよね」 さやか「ちゃんと話せばわかってくれたかもしれないのに……」 さやか(あたしってほんと馬鹿だ)
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- さくら「魔法少女?」ほむら「カードキャプター?」
87 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2011/07/27(水) 01:34:30.61 ID:X5EfqF5S0 - お風呂入りたいから保守お願いします。
遅くとも1時間以内には再開するから。
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- さくら「魔法少女?」ほむら「カードキャプター?」
94 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2011/07/27(水) 02:00:05.48 ID:X5EfqF5S0 - ――――――――
さくら「封印解除(レリーズ)! 我が空腹を満たせ、樹(ウッド)!」 みしみし、ずもももももも…… さくら「跳(ジャンプ)! えーい!」モギッ! さくら「やった、取れたよケロちゃん」 ケロ「バナナの樹か、考えたなさくらー」 さくら「こういうことにカード使うのってすごく抵抗あるけどね……」 さくら「公園にバナナの樹があったら変だよね、消(イレイズ)!」 しゅぅーん…… さくら「ベンチで食べよ」 ケロ「なかなかうまいなぁ、このバナナ」モグモグ さくら「だね。樹(ウッド)さんありがとう」モグモグ ケロ・さくら「「ごちそうさまでした」」
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- さくら「魔法少女?」ほむら「カードキャプター?」
98 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2011/07/27(水) 02:04:01.11 ID:X5EfqF5S0 - >>91
おやすみなさい。 ケロ「さて、腹ごしらえも終わったし、これからどうしょうなぁ」 さくら「闇雲に歩き回ってもダメっぽいよね」 ケロ「今んとこ怪しいんはここきて初めに会うた嬢ちゃんやな」 ケロ「さやかもグリーフシードとか魔法少女とかいろいろ知っとるみたいやったし、その辺聞いてみたかったんやけどなぁ」 さくら「喧嘩別れみたいになっちゃったもんね……」 さくら「やっぱりさやかさんの質問に対する答えがまずかったんだよね」 さくら「この世界の使い魔はみんな悪い使い魔なのかな?」 ケロ「どやろなぁ。とりあえず、さやかが使い魔に対して敵対心剥き出しっちゅーんはよぉわかったわ」
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- さくら「魔法少女?」ほむら「カードキャプター?」
100 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2011/07/27(水) 02:08:18.37 ID:X5EfqF5S0 - さくら「今度会ったらな仲直りできるよね?」
ケロ「おう、きっとな」 さくら「よーし、頑張るぞー!」オー! ケロ「その意気やでさくら」 さくら「そうだ! カードの占いで何かわからないかな?」 ケロ「せやなぁ、なんか手がかりとか掴めるかもしれへん。やってみよか」 さくら「うん」
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- さくら「魔法少女?」ほむら「カードキャプター?」
101 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2011/07/27(水) 02:11:19.62 ID:X5EfqF5S0 - さくら「よーく混ぜて、っと」
さくら「左手で四つに分けて、また左手で元に戻す、だったよね」 ケロ「そやで。じゃあ並べて……」 『さくらカードよ、我が問いに答えよ』 『我が救うべき者の手がかりを示せ』 フワアァァァ……
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- さくら「魔法少女?」ほむら「カードキャプター?」
103 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2011/07/27(水) 02:15:33.00 ID:X5EfqF5S0 - ケロ「ほならここめくって」
さくら「闇(ダーク)……」ペラ ケロ「次はこっちや」 さくら「影(シャドウ)……」ペラ ケロ「この端のカード」 さくら「迷(メイズ)……」ペラ ケロ「闇、影、迷か。どれも不安を掻き立てるカードばっかやなぁ」 ケロ「暗くて迷いそうな場所、そういうとこに行けってことやわ」 さくら「路地裏とか?」 ケロ「そんな感じや」
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- さくら「魔法少女?」ほむら「カードキャプター?」
105 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2011/07/27(水) 02:20:53.59 ID:X5EfqF5S0 - ケロ「さくら、最後にこっちの2枚めくってみぃ」
さくら「うん。えっと、炎(ファイアリー)に剣(ソード)だよ」ペラ、ペラ ケロ「炎に剣、今度は攻撃的なカードやなぁ」 さくら「これはどういう意味なの?」 ケロ「まぁなんや……。襲われるから気ぃつけえってことやわ」 さくら「ほえええ!? わ、わたし襲われるの?」 ケロ「けどまぁ、始めから襲われるってわかっとったらちっとはましやろ」ナ? さくら「それはそうだけど……」ウゥ ケロ「ほれ、張り切っていくでー!」オー! さくら「おー……」ショボーン
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- さくら「魔法少女?」ほむら「カードキャプター?」
106 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2011/07/27(水) 02:23:42.00 ID:X5EfqF5S0 - ――――――――
―――― ―― テクテクテク…… さくら「知らない場所で暗そうな場所や迷いそうな場所を歩くのってすっごく不安だよ……」 ケロ「安心せい、わいがついとるでー」ファイトー さくら「おっきい時のケロちゃんは頼もしいんだけどなー」ハァ さくら「それにあの占いも気になるし」 ケロ「火と剣、か。さくらが襲われそうになったらそれこそわいが守ったる!」 ケロ「守護者の名にかけて、な」 さくら「ケロちゃん……」ジーン… ケロ「まぁ、今は魔力節約でこのまんまやけどな」 さくら「むぅ」
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- さくら「魔法少女?」ほむら「カードキャプター?」
107 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2011/07/27(水) 02:28:21.63 ID:X5EfqF5S0 - ケロ「……分かれ道やでさくら、今度はどっち行くんや?」
さくら「うーん、じゃあ今度は右にしようかな」 ケロ「いや。待つんやさくら」 さくら「ほえ? どうして?」 ケロ「左からかすかにやが魔力の気配を感じる……。昨日の化物に近い感じや」 さくら「じゃ、じゃあやっぱり右に……」コワイシ ケロ「なんでやねん! 魔法少女とか言うんはあの化物と敵対しとるんやで」 ケロ「あの嬢ちゃんもおるかもしれん。情報を得るためにも当然左やろ」 さくら「あぁ、やっぱり……」
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- さくら「魔法少女?」ほむら「カードキャプター?」
108 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2011/07/27(水) 02:31:59.67 ID:X5EfqF5S0 - ――――――――
さくら「魔力の気配、強くなってきたね……」 ケロ「それだけ近付いとるっちゅうことや。気ぃ引き締めや」 さくら「わかってる……。ぁ、あれは?」 さくらが指を差したのは前方およそ10m。 ボーリングの玉のような物体がゆっくりゴロゴロと転がっている。 ケロ「この魔力の気配はあれやな。化物の子どもみたいなもんか」 さくら「た、倒した方がいいのかな?」 ケロ「なんとなくやけど、あれが人にとって悪いもんってことはわかる」
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- さくら「魔法少女?」ほむら「カードキャプター?」
110 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2011/07/27(水) 02:36:29.06 ID:X5EfqF5S0 - ケロ「それに魂もないみたいやし、生き物って感じはせえへんな」
さくら「それで?」 ケロ「さくらに任す。この世界であれがどういう働きしとるんかわからんからな」 ケロ「さっきも言うたけど生き物ちゃうから倒しても罪悪感はあらへんやろ」 さくら「う、うーん……。それじゃあ」 「そこのアンタ。あれ使い魔だよ? わかってる?」 ケロ「!? さくら、後ろや!」 さくら「ほえ? だ、誰なの?」 「アタシ? アタシはアンタと同じ、魔法少女だよ」チャキ
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- さくら「魔法少女?」ほむら「カードキャプター?」
111 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2011/07/27(水) 02:41:20.20 ID:X5EfqF5S0 - 突然後ろから話しかけてきた少女は自身を『魔法少女』と名乗ると
手に持っていた槍をさくらに向けて構える。 パァァァ! ケルベロス「やめろ、さくらに手ぇ出すんやったらわいが許さへんぞ!」 「ふーん、ケルベロスってのはテメェか。これがアンタの魔法なのか?」 さくら「ケロちゃんのことを知ってる!?」 ケルベロス「お前、わいのことを誰に聞いたんや」ガルル 「さって、誰だったかな。忘れちまったよ」 ケルベロス「答えろ!」 「アタシは他人に命令されるのが大嫌いなんだ」 ケルベロス「なんやとっ!」 「なんだよっ!」 さくら「ほええ……、えっと、えっと」
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- さくら「魔法少女?」ほむら「カードキャプター?」
120 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2011/07/27(水) 03:00:42.92 ID:X5EfqF5S0 - さくら「あのっ!」
「あん?」 さくら「困ってたり助けて欲しいことってありませんか!?」 「はぁ……?」 ケルベロス「さ、さくらぁ……」 さくら「」ジィー…
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- さくら「魔法少女?」ほむら「カードキャプター?」
123 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2011/07/27(水) 03:05:38.89 ID:X5EfqF5S0 - 「とりあえず、コイツに睨まれて困ってる」
ケルベロス「こいつ!」 さくら「ケロちゃん」 ケルベロス「なんや、さくら」 さくら「元の姿に戻って」 ケルベロス「なっ! ……ほんまにええんか?」 さくら「うん」 ケルベロス「さくらが言うんならしゃーないわ……」
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- さくら「魔法少女?」ほむら「カードキャプター?」
124 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2011/07/27(水) 03:10:35.68 ID:X5EfqF5S0 - ケルベロス「お前、さくらに変なことしたら許さへんからな」
「……」 パァァァ! ケロ「これでええか?」 さくら「ありがとう、ケロちゃん」 「……なんだ、話せばわかる相手じゃねえか」スチャ さくら(よかった。槍、しまってくれた)ホッ ケロ(わいの『元の姿』はあっちの方なんやけどなぁ)トホホ
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- さくら「魔法少女?」ほむら「カードキャプター?」
125 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2011/07/27(水) 03:15:24.60 ID:X5EfqF5S0 - さくら「ケロちゃんのこと、黒っぽい魔法少女の子に聞いたの?」
「なんでそう思う?」 さくら「こっちの人でケロちゃんのおっきい姿はあの子しか見てないから」 「正解。アイツはアンタのことをイレギュラーだとか呼んで関わらないようにアタシに釘刺してきたけど」 「アタシにとってイレギュラーなのはアイツも同じだからね」 「どういう奴かはアタシが自分の目で見て判断するっての」 「で。アンタはどこから何しにきたんだ?」 さくら「その前に」 「ん?」 さくら「自己紹介。わたしは木之本 桜、友枝中学に通う一年生です」 「ぉ、おう。アタシは杏子ってんだ」 さくら「ケロちゃんも」 ケロ「……知っとるやろうけど。ケルベロスや」
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- さくら「魔法少女?」ほむら「カードキャプター?」
128 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2011/07/27(水) 03:20:01.23 ID:X5EfqF5S0 - さくら「わたしはね、別の世界からきたの」
杏子「別の世界? 海外ってことか?」 さくら「ううん。壱原さんは多重世界って言ってたかな?」 さくら「漫画とかテレビのSFなイメージって言ったらわかる?」 杏子「どっちもあんま見ねえよ」 ケロ「わからんかったらとりあえず他所からきた人やと思っとき」 杏子「……で、その他所から何しに来たんだ?」 さくら「えっと、……人助け?」カナ? 杏子「なんでアタシに聞いてんだよ!?」
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- さくら「魔法少女?」ほむら「カードキャプター?」
130 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2011/07/27(水) 03:24:48.26 ID:X5EfqF5S0 - さくら「壱原さんって人に頼まれて、苦しんでる人がいるから助けてあげてって言われて」
杏子「ここにきたと? 別の世界から? 眉唾じゃねえか」 さくら「はうー、でもでも、ほんとなんです!」 さくら「こっちの世界にも昨日きたばっかりでよくわからないし」 さくら「魔法少女とか、魔女とか使い魔とか、いろいろ教えて欲しいんですけど……」チラッ 杏子「あん? ちょっと待て、アンタは魔法少女じゃないのか?」 さくら「魔法は使えるけど、わたしは魔法少女じゃないよ」 さくら「カードキャプターなの」 杏子「かーど、きゃぷたー?」
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- さくら「魔法少女?」ほむら「カードキャプター?」
133 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2011/07/27(水) 03:29:42.82 ID:X5EfqF5S0 - 杏子「……アンタ、ソウルジェムは?」
さくら「?」 杏子「これだよ、これ」パァァ さくら「わー、きれい……」 ケロ「っ!? お前これ……」 さくら「どうしたの、ケロちゃん?」 杏子「へぇ、アンタわかるんだ」 ケロ「さくら、これは人間の魂そのものや」 さくら「え?」
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- さくら「魔法少女?」ほむら「カードキャプター?」
137 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2011/07/27(水) 03:35:41.55 ID:X5EfqF5S0 - 杏子「アタシら魔法少女はもう人間じゃない」
杏子「身体から抜き出されたこのソウルジェムで操縦するロボットみたいなもんさ」 さくら「ほ、ほえええ!?」 ケロ「お前、なんでこんなことしたんや」 杏子「アタシだって望んでこんな身体になったわけじゃない。騙されたんだよ、キュゥべえに」 ケロ「キュゥべえ、あの黒い嬢ちゃんが言うとった……」
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- さくら「魔法少女?」ほむら「カードキャプター?」
138 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2011/07/27(水) 03:40:03.63 ID:X5EfqF5S0 - ケロ「なにもんや、そいつ」
杏子「ふぅ、ほんとに何も知らねえんだな」 杏子「こんな場所で立ち話ってのもなんだ、ついてこいよ」クイ さくら「けど、アレが……。ぁ、いなくなってる」 杏子「使い魔のことか? とっくに逃げ出したよ」 杏子「てか、その話もしないといけねえのか……。チッ、めんどくせえ」 杏子「ほら、いくぞ」 さくら「あ、うん」 ケロ「(さくら、一応油断するんやないで)ヒソヒソ」 さくら「(わかった)ヒソ」
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- さくら「魔法少女?」ほむら「カードキャプター?」
139 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2011/07/27(水) 03:44:38.81 ID:X5EfqF5S0 - ――――――――
―――― ―― 杏子「ここで飯でも食いながら話そうぜ」 さくら「ファミレス?」 さくら「けど、わたしお金持ってなくて……」 杏子「なら、アタシがおごってやるよ」 さくら「いいの?」 杏子「ああ」 さくら「ありがとう、杏子ちゃん」
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- さくら「魔法少女?」ほむら「カードキャプター?」
144 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2011/07/27(水) 04:02:03.08 ID:X5EfqF5S0 - 店員「いらっしゃいませー」
店員「ご注文をお伺いします」 杏子「アタシはこの、『包み焼きハンバーグ』で付け合せはパンとスープ」 さくら「わたしは『ナポリタン』をお願いします」 店員「ご注文を繰り返します。――――以上でよろしいでしょうか?」 杏子「ああ」
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- さくら「魔法少女?」ほむら「カードキャプター?」
145 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2011/07/27(水) 04:04:21.84 ID:X5EfqF5S0 - ――――――――
――食後。 ケロ「うー、わいもなんか食べたいー!」ジタバタ 杏子「人形が飯食ってたら騒ぎになるだろ。っていうかお前も腹減ったりするのか?」ジットシテロ ケロ「わいはなんも食わんでも平気やけど、うまいもんは食いたいねん」 杏子「ずいぶんと食い意地張ってやがんな」 杏子「いいぜ。クレープのテイクアウトがあるから帰りに買ってやるよ」 ケロ「ほんまか!? 最初会うた時はけったいな嬢ちゃんや思たけどなかなかええ子やないか」ニコニコ さくら「ケロちゃんったら」クス
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- !ninja
725 : 忍法帖【Lv=13,xxxPT】 []:2011/07/27(水) 04:05:58.09 ID:X5EfqF5S0 - tes
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- さくら「魔法少女?」ほむら「カードキャプター?」
146 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2011/07/27(水) 04:08:35.10 ID:X5EfqF5S0 - 杏子「ったく、現金な奴だな」
杏子「さて、飯も食ったし。何から話したもんかな」 さくら「まず杏子ちゃんの、魔法少女のことを教えて欲しいな」 杏子「そうだな。アタシら魔法少女ってのは一言でいうと『魔女を狩る者』だ」 さくら「魔女を……」 杏子「魔女や使い魔ってのはこの世界に干渉して不可解な事故や自殺を引き起こす、天災みたいなもんだ」 杏子「アタシら魔法少女は願いを叶えてもらった代償としてそいつらを倒さなきゃならない」 さくら「願いを叶えてもらったって、誰に?」 杏子「キュゥべえって奴さ」
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- さくら「魔法少女?」ほむら「カードキャプター?」
148 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2011/07/27(水) 04:12:53.85 ID:X5EfqF5S0 - 杏子「キュゥべえってのはこんな感じの奴なんだが」
∧_∧ //(・ー・)ヽ /ノ ( uu ) ヽ) さくら「わぁ、可愛いね」 杏子「見た目に騙されんじゃねえぞ、アタシや他の魔法少女をこんな……」パァァ 杏子「ソウルジェムなんてもんにしたのはこいつだ」 さくら「こんなに可愛いのに……」ショボン 杏子「願いを叶える。その代わりに魔法少女として魔女と戦って欲しい」 杏子「そう言ってアイツはアタシらに近づいてくる」
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