- 唯「タイムトラベル」紬「Look for」梓「memoriesです!」
59 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2011/06/14(火) 00:00:20.40 ID:ZVr/9DDXO - ────
先生「一時間目は図工になります。みんな彫刻刀は持って来ましたか?」 幼律「は〜い忘れました〜!」 先生「あらあら」 梓「律先輩は相変わらず……ん? 元がこの場合なんて言うんでしょう?」 紬「タイムトラベル専用の用語はないから難しいわね〜。元々変わってないから元変わらず、かしら?」 梓「なるほど」 唯「ああん私もちっちゃいりっちゃんと澪ちゃん見たいよ〜!」 梓「遊びでやってるんじゃないんですから。我慢してください唯先輩」 唯「ぶぅ〜」 先生「じゃあ友達に借りてくださいね」 幼律「は〜い!」 梓「お、これは面白いことになりましたね」 唯「なになに!? あ〜んもうやっぱり見たい〜!」
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62 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2011/06/14(火) 00:06:48.82 ID:ZVr/9DDXO - 梓「これでこの時間の澪先輩と律先輩の仲良さがわかりますね」
紬「きっとりっちゃんは澪ちゃんに借りに行くわ」 唯「私なら迷わず和ちゃんに借りに行くよ! 違う教室でもね!」フンス! 梓「この時間の和先輩が不憫でなりませんよ……あ、動きました」 幼律「ちょーこくとー貸して!」 友達A「いいよ〜」 幼律「ありがとう〜」 梓「あれ? 澪先輩じゃありませんね……」 紬「なん……ですって?」 唯「喧嘩してるとか?」 幼澪「……」 幼律「〜〜〜」 梓「そんな感じには見えませんでしたね。何と言うかまだあんまり仲良くないって感じかな」 紬「そうなの……何だか悲しいわね」 唯「ふふ、私と和ちゃんの圧勝だねっ!」
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65 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2011/06/14(火) 00:17:39.51 ID:ZVr/9DDXO - ────
梓「それにしても一時間目から移動教室なんてついてますね」 紬「これで筆箱を澪ちゃんのランドセルに入れたら任務完了ね!」 唯「何かゲームみたいで面白いね!」 梓「さっきまでの緊張感はどこに行ったんですか唯先輩……あ、この教室ですよ」 ガラララ── 唯「わぁ〜机ちいさ〜い」 紬「ほんとね〜」 梓「え〜と澪先輩のランドセルは……っと」 紬「これじゃない?」 唯「ロッカーの上に秋山みおって書いてるよ!」 紬「字まで可愛いなんて」ぼわわ〜ん 梓「この秋山、は漢字でみおが平仮名な辺り小学四年生って感じしますよね」 唯「私は中学上がるまで平以外平仮名だったよ!」
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66 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2011/06/14(火) 00:23:20.08 ID:ZVr/9DDXO - 梓「それはどうでもいいです。 じゃあさっさとこれを入れて帰りましょう」
唯「あずにゃん冷たいよ〜。暖かい頃のあずにゃんにタイムトラベルしてよ〜」 梓「はいはい行きますよ〜」 紬「一時間図工、二時間目国語、三時間目道徳、四時間社会……ふふ、りっちゃんが寝ちゃいそうな時間割」 唯「せっかくだからここに『放課後ティータイム参上!』ってかいとこっか!」 梓「そんなことしたらタイムパラドックスってレベルじゃなくなりますよっ! 誰かにバレる前に急いで学校から出ましょう!」 紬「唯ちゃん早く〜」 唯「わかったよぉ〜」
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68 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2011/06/14(火) 00:27:29.66 ID:ZVr/9DDXO - 紬の家前──
梓「戻って来ましたね」 紬「ええ。後は元の時間に合わせて飛べばいいのね」 梓「はい。この時間で起きて反映されたことは、『澪先輩が筆箱をなくさなかった』って云うことだけです」 唯「りっちゃんに見られちゃったのは大丈夫なの?」 梓「子供の頃の記憶なんて曖昧にしか覚えてない筈ですから。私達を見てあの時の! なんて言う出す確率は低いです。 それに律先輩ですしね」プッ 唯「りっちゃんだもんね」 紬「りっちゃんですものね」 梓「じゃあ帰りましょう! 私達の時間に!」 紬「ええ」 唯「おぉ〜」
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70 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2011/06/14(火) 00:35:59.43 ID:ZVr/9DDXO - 紬「じゃあセットするわね」
唯「あ、そうだ」 梓「何やってるんですか唯先輩?」 唯「ここに来た記念に一枚、と思って」 梓「そう言えば携帯電話の時計ってどうなってます? その機種新しいですからこの時代だとまだ出来てない筈ですけど」 唯「普通に動いてるよ〜?」 梓「日付は……2011ですね。あの懐中時計は効果範囲があってその中のものは一緒に時を越えてく……って感じですかね」 唯「??」 梓「まあこの事実を知ってる本人の携帯で撮る写真なら問題ないかな。 三人の記念、そして他の人には明かされることのない秘密記念に、一枚撮りますか」 唯「やった〜! またパラちゃんがどうとかでダメとか言われると思ったよ〜」 梓「タイムパラドックスですよ、唯先輩。私だってここに来た証を一つぐらい持って帰りたいですから。 後で添付して送ってくださいね」
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71 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2011/06/14(火) 00:38:24.54 ID:ZVr/9DDXO - >>69
見てないですね 内容が被ってたりしましたかね
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72 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2011/06/14(火) 00:45:44.74 ID:ZVr/9DDXO - 紬「セット出来たわよ〜」
唯「こっちも出来たよ!」 梓「じゃあ行きますよ〜?」 紬「??」 唯「ムギちゃん笑って〜」 梓「はいっ! 押しましたよ!」スタタタ 紬「? 写真撮るの?」 唯「うんっ! あずにゃん学士から許しが出たからね!」 梓「真ん中はムギ先輩で。一番の功労者なんですから!(いつか琴吹グループがタイムマシンを公表した時、私達が一番最初のタイムトラベラーだった! なんてことになったら……ふふふ)」 紬「ふふ、わかったわ」 唯「ではタイムトラベルの記念を祝して!」 梓「はいチーズ、です!」 梓紬唯 カシャッ── ────
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74 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2011/06/14(火) 00:52:10.60 ID:ZVr/9DDXO - ────
グニャアアアアアアア──── 唯「わっ」紬「っと」梓「に゛ゃっ」 唯「この感覚だけはなれないね〜」 紬「ちゃんと戻って来れたのかしら?」 梓「ちゃんと夜ですし……多分、戻って来れたと思います。年のために帰りに新聞見ときます」 紬「ありがとう梓ちゃん」 梓「いえ、これぐらいは」 紬「そうじゃないの。今回のこと全部よ。梓ちゃんがいなかったらきっと私達とんでもないことを引き起こしてたかもしれないわ」 唯「うんうん。過去に戻るってことがそんなに危ないことなんて思わなかったよ」 梓「そんな……感謝されるようなことしてないですよ」
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76 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2011/06/14(火) 00:58:37.00 ID:ZVr/9DDXO - 紬「それでもありがとう。これで澪ちゃんが明日から少しでも笑顔でいてくれるなら、私も嬉しいから」
梓「ムギ先輩……」 唯「私も嬉しいよ!」 梓「唯先輩……」 梓「(ああ、この人達はなんていい人なんだろう。こんな何でも出来る力を目の当たりにしても歪まない……友達の為にだけに使うなんて)」 梓「(私が嫌な子なだけなのかな……だとしても、私の役目は)」 梓「もうこんな危ないことしちゃ駄目ですよ?(ここでタイムマシンの誘惑を絶つこと。二人がタイムマシンの恐ろしさに気づく前に、自分を見失わないように)」 紬「は〜い」 唯「は〜い」 こうして一度目のタイムトラベルは無事終わったかに見えました。 けど、それは私達をバラバラに引き裂く始まりだったんです……。
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78 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2011/06/14(火) 01:01:50.77 ID:ZVr/9DDXO - これで第一部は終わりになります
三部構成の予定ですけど何分あんまり考えてやってないので四部とかになるかもです 伏線はなるべく回収するですが忘れたらすいません 後書きためないんで遅いです では続き書きます
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80 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2011/06/14(火) 01:13:12.81 ID:ZVr/9DDXO - 次の日──
梓「(あの後確認したらちゃんと2011年に戻ってた……こうやって普通に戻って来ると昨日の出来事が嘘みたい)」 純「オーッス梓」 梓「おはよ、純」 純「今日も練習頑張ろね〜お互い」 梓「うん。……ふふ、純はいつも平和そうでいいな〜」 純「なによその意味深な笑い方〜」 梓「別に〜」 純「コラ〜言いなさいよ〜!」 憂「おはよう二人とも。どうしたの?」 純「梓が私のことバカにするんだよ憂〜」メソメソ 梓「してないしてない」 梓「(ああ、平和だなぁ〜……)」 梓「(何か足りないぐらいに、平和だ)」
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81 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2011/06/14(火) 01:19:12.03 ID:ZVr/9DDXO - 放課後──
梓「じゃあ私部室行くから」 純「ん〜わかった。掃除終わったら後から行くよ」 梓「?」 憂「行ってらっしゃ〜い。また明日ね梓ちゃん」 梓「え、あ、うん」 梓「(そんなことより澪先輩の筆箱がどうなったか確認しないと!)」 ???──── 部室前に行くと、その扉の前に誰かが居ました。 梓「ん? 誰だろ……」 唯「あ、あずにゃん……」 梓「え? えっと……どちら様でしたっけ?」 唯「あ、あずにゃあああああああああん」ぎゅっ 梓「わっ、あ、あの」 そう言えば、私、何しにここに来たんだっけ? 澪先輩って……誰?
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83 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2011/06/14(火) 01:24:59.27 ID:ZVr/9DDXO - 唯「部室がないのです」
梓「はあ……」 音楽準備室は確か使われてなかったはず。 ここに部室なんて存在するわけもないのに何を言ってるんだろうこの人は。 三年かな? おっとりとした可愛らしい人だな〜。 唯「ムギちゃんも変なんだよあずにゃん! それに澪ちゃんも!」 梓「そのあずにゃんって……もしかして私のことですか?」 唯「……あずにゃんまでおかしくなっちゃったの?」 梓「その変な呼び方やめてください。第一私はあなたのこと知りませんよ」 唯「あずにゃん……これを見てもそんなこと言える?」 おっとりした先輩が見せて来たのは、三人が写った携帯の写真だった。 右にこの人、真ん中に誰か知らない人、左に……。 梓「私……」 とても、仲が良さそうに。 梓「あぐっ……頭がっ……」
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85 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2011/06/14(火) 01:30:57.55 ID:ZVr/9DDXO - フラッシュバック──
まさにその言葉が似合う出来事だった。 頭の中の偽の情報を押し退けて、唯先輩達との記憶が蘇る。 梓「わ、私は……軽音部で……唯先輩の……後輩」 唯「そうだよあずにゃん! 良かったぁ……あずにゃんがこのまま戻って来なかったらどうしようかと思ったよぉ」 梓「ごめんなさい……唯先輩。私もなんでこんなこと忘れてたのか……唯先輩のこと……知らない人だなんて……こんな時に嘘でも言っちゃ駄目ですよね、ごめんなさい」 唯「泣かないで、あずにゃん。大丈夫だから……」 梓「はい……」 何が、どうなっているんだろう。 ただ、とんでもないことが起きているという予感だけは、外れていない気がする。
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87 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2011/06/14(火) 01:36:11.02 ID:ZVr/9DDXO - ──
唯「それでクラスに入ったら澪ちゃんもムギちゃんもりっちゃんもいなくてね〜! あ、和ちゃんはいたよ! 前の席!」 梓「(考えられることは昨日のタイムトラベル以外考えられない……)」 唯「でね、さわちゃんが担任じゃないの! それで変だな〜って色々なクラス回ってみたりしたらムギちゃんと澪ちゃんがいて〜」 梓「(でも筆箱を入れたぐらいでこんな変化が現れるものだろうか……)」 唯「そしたらさっきのあずにゃんみたいに私のこと知らない〜って言うから……怖くなって……ここに走って来たら……部室が、ぶしゅつがああ〜」 梓「よしよしです、泣かないでください」 唯「グスン……あずにゃん……これからどうしよう?」
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90 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2011/06/14(火) 01:44:11.60 ID:ZVr/9DDXO - 梓「とりあえずムギ先輩のところに行きましょう」
唯「でも……さっきは私のこと知らないって」 梓「その写真見せてないですよね?」 唯「うん……」 梓「なら大丈夫です。私と同じようにフラッシュバックさせてやりましょう! 今回ばかりは唯先輩の行動が生きましたよ。グッジョブ唯先輩ですっ!」ビシッ こんな時ぐらい、私が励まさないと! 唯「ん……ふへへ。やっぱりあずにゃんは頼もしいね」ニコッ 梓「(そんなことないですよ。唯先輩がいるから頑張らなきゃって思えるんですから……」 唯「ん? 何か言った?」 梓「何でもないです。さ、行きましょう」
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92 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2011/06/14(火) 01:49:41.13 ID:ZVr/9DDXO - ────
紬「あら、あなたはさっきの……」 唯「これを見るのです!」グイッ 梓「さあ! さあさあさあさあっ!」グイグイッ 紬「ひゃあああああああああああっ」 紬「ゆ、唯ちゃん? 梓ちゃんも。こ、ここは?」 唯「戻って来れたんだねムギちゃん!」 梓「その前に……」ピポパピポ サァティンノニンキナンテ〜カンケイナイ〜─── 紬「あら、メール」 梓「あの写真を添付しときました。待ち受けにしといてください」 紬「わかったわ」 梓「じゃあ状況を整理するためにゆっくり話せる場所に移動しましょう。ここじゃ目立ちますから……」 唯「なんかエージェントみたいだね、私達!」ニンニンッ! 紬「それは忍者よ唯ちゃん」フフ
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94 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2011/06/14(火) 01:55:29.32 ID:ZVr/9DDXO - 梓「とりあえず近くのファミレスにでも行き」
純「あれ? まだ行ってなかったんだ梓……って誰?」 梓「(唯先輩達のことを覚えてない……ってことはやっぱり……)」 ・・・・ 梓「ごめん純、私今日はちょっとジャズ研休むから」 純「ん、別にいいけどさ。じゃあ先輩達に言っとくね」 梓「ごめんね」 紬「(梓ちゃん、ジャズ研って……」 梓「(詳しくは後で話します」 唯「あずにゃんがジャズ研にとられたぁ〜!」 純「?」 梓「いいから早く来てください唯先輩っ!」
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96 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2011/06/14(火) 02:02:31.74 ID:ZVr/9DDXO - ファミレス────
唯「一体何がどうなってるのか……パフェでも食べないとやってらんないよ! あずにゃんはジャズ研に取られてるし〜」ブツブツ 紬「梓ちゃん……これってもしかして」 梓「はい……間違いなく私達がタイムトラベルした影響で未来が変わってます……」 紬「そんな……じゃあ……もう私達は」 梓「落ち着いてくださいムギ先輩。ここで一番怖いのはこの記憶を忘れることなんです」 紬「記憶を忘れる……?」 梓「はい。色々な学説があるのですが……簡単に言うとこの世界は私達が澪先輩に筆箱を入れた世界なんです」 紬「どういうこと?」 梓「あの筆箱を入れた瞬間から分岐したんです……この世界に。塗り替えられた、って言っても相違ないでしょう」
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98 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2011/06/14(火) 02:07:46.46 ID:ZVr/9DDXO - 紬「じゃあまた筆箱を元に戻せば……!」
梓「……その話は次のステップになります。まずは記憶を忘れないこと、について説明します」 紬「わかったわ」 梓「この世界はさっきも言った通り澪先輩が筆箱をなくさなかった世界なんですがその無くさなかった世界と私達が元いた世界は大きく違っています」 紬「うん……」 唯「軽音部がなかったりあずにゃんがジャズ研だったりってこと?」 梓「そうです。唯先輩に写真を見せられるまで私達はこの世界の住人として当たり前に暮らしていましたよね?」 紬「そうね」 唯「びっくりしたんだから」 梓「つまり、私達の記憶がこの世界のものに入れ替わりつつあるってことですっ……!」
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100 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2011/06/14(火) 02:12:13.84 ID:ZVr/9DDXO - 紬「それって……」
梓「はい。このまま行けば私達のこの記憶は消え、そのまま知り合うこともなく別々の道を行くでしょう」 紬「そんな……」 唯「そんなの駄目だよっ! 絶対!」 梓「唯先輩の言う通りです。こんな世界は間違ってます」 紬「じゃあどうしたらいいの……?」 梓「この状況を打開するための作戦……それは」 紬唯「それは!?」 梓「その前に喉が渇いたのでドリンクバーおかわりして来ます」 紬「」むぎゅっ! 唯「あ、あずにゃん私も行く〜」 紬「ほんとに大丈夫かしら……」
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103 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2011/06/14(火) 02:20:32.13 ID:ZVr/9DDXO - 梓「お待たせしました」チューチュー
唯「で、あずにゃんその作戦とは?」チューチュー 紬「」ムギュムギュ 梓「カムバック軽音部!!!」グッ 梓「作戦です」 唯「おおっ! なんかすごそう!」 紬「具体的にはどうすればいいのかしら?」 梓「まずはどうしてこうなったかを突き止めます。澪先輩の所に行って筆箱の有無を確かめるのが一番ですかね」 紬「ふむふむ」 唯「でもなんで軽音部がなくなったんだろう……」 梓「確か軽音部の創設者って……」 紬「りっちゃんよ。りっちゃんが澪ちゃんを誘って無理やり軽音部に入れた……って澪ちゃんからは聞いてるけど」 梓「なるほど、大体わかって来ましたよ。この世界のカラクリが、ね」ニヤリッ
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104 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2011/06/14(火) 02:28:49.09 ID:ZVr/9DDXO - 学校────
唯「軽音部がないとしたら澪ちゃんって何部なのかな?」 紬「私は合唱部だったわ」 梓「私はジャズ研ですから……みんな軽音部に入る前に決めてた部活に入ってるみたいですね」 唯「じゃあ私は……」 梓「軽音部以前にどこに入ろうとかって決めてなかったんですか?」 唯「全く決めてなかったよ!」 梓「じゃあ帰宅部ですね。間違いありません」 唯「えぇ〜」 紬「あ、あれってもしかして」 和「」 唯「和ちゃんだっ! 時を越えても幼馴染みであり続けてくれる私の永遠の友達和ちゃんだよっ!」 梓「飛躍させすぎですよ」 和「あら、唯。今日は顔出さなかったのね」 唯「んん〜和ちゃ〜ん」ぎゅいぎゅい 和「こうやって枝にしがみつく生き物いたわね……確かなまけものだっけ」
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106 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2011/06/14(火) 02:34:57.22 ID:ZVr/9DDXO - 和「ムギ、唯と知り合いだったのね」
紬「えっ、あの……」 梓「(ムギ先輩合わせて合わせて。私達がこの世界の人間じゃないと疑われたら後々面倒になりますから」 紬「(わかったわ」 紬「そうなの。たまに合唱部に遊びに来てくれたりしてるの」 和「そう。ごめんなさいね、迷惑かけてない?」 紬「ううん、迷惑だなんて」 和「唯。あなたも一応生徒会なんだから他の部に迷惑かけちゃ駄目よ?」 梓「ぶっ」 紬「ぶふっ」 唯「? 生徒会? 私が?」 梓「(ゆ、唯先輩合わせて合わせて」 唯「(む〜笑うことないじゃん!」 梓「(すいません、唯先輩が生徒会とか……合わなすぎて……まるで焼きそばにどんべいのあげが乗ってるぐらいあってな……ププッ」
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108 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2011/06/14(火) 02:41:55.30 ID:ZVr/9DDXO - 和「忘れちゃったの? 一年の時に私が生徒会入るって言ったらあなたも入るって言ったじゃない」
唯「ごめんなさ〜い」 梓「ち、ちなみに役職は?」 和「書記補佐よ。書記の子がしっかりしてるから唯の出番はなくて……幽霊部員みたいなものよ。 その癖お茶やお菓子が出るときはふら〜っと顔出すんだから。まあみんなそんな唯がいてこその生徒会だって言ってくれてるんだけどね」 梓「やってること全く変わってませんね! 唯先輩!」 唯「なんでそんな嬉しそうに言うのあずにゃん!?」 和「そう言えばこの子は……」 紬「二年でジャズ研の梓ちゃん。合唱部と合同練習の時に知り合った子で、唯ちゃんとも仲良しなの」 梓「中野梓です!」 和「真鍋和よ。そう、唯にこんなしっかりした後輩が出来たのね。いいことだわ」
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110 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2011/06/14(火) 02:46:47.18 ID:ZVr/9DDXO - 和「じゃあ私は生徒会行くけど、唯は?」
唯「今日はお菓子の匂いがしないからやめとく〜」 和「鋭いわね……確かに今日はないわね。まあいいわ。後輩に変な背中見せないでね」 唯「もう和ちゃんまで! 失礼だなぁ!」 ひらりと後ろ手に手を振る和先輩は、やっぱり世界が変わっても和先輩でした。 唯先輩のこと、大切に思ってるんだろうな……。 紬「さ、澪ちゃんのところに行きましょう」 梓「はいっ!」 唯「で、澪ちゃんって何部なの?」 梓「まずはそこからでしたね……」 紬「とりあえず澪ちゃんっぽいところから回ってみましょう」
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112 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2011/06/14(火) 02:54:17.17 ID:ZVr/9DDXO - 文芸部────
梓「いきなりビンゴですよムギ先輩!」 紬「小学生の頃の澪ちゃん見たらピンと来たの。でも……」 梓「はい……文芸部にいるってことはこの澪先輩は律先輩とそんなに仲良くない可能性がありますね……」 唯「そう言えばりっちゃん顔……もうずっと見てない気がする」 梓「体感時間だとかなり時間が経ってますしね……」 紬「りっちゃん……風邪大丈夫かしら」 唯「……」 梓「それより先に澪先輩です! 二人とも自分のクラスはわかりますか?」 唯「私は和ちゃんと一緒で」 紬「私は唯ちゃんとは違うクラスね。でも和ちゃんとは知り合いみたい」 梓「……ということは澪先輩の性格からしてボッチの可能性が高いですね……」 紬「ボッチ?」
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114 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2011/06/14(火) 03:01:43.74 ID:ZVr/9DDXO - 梓「澪先輩がムギ先輩の知り合いと言う可能性に賭けて……いざっ!」
ガラララ── 澪「ん?」 梓「こんにちは〜」 紬「お邪魔しま〜す」 唯「でもほんとにはお邪魔はしませんよ〜」 澪「あっ、あっゎのっ、どちらさまでしかっ?」 梓「(予想以上キター! このドモりよう半端じゃないボッチですよ……!」 紬「(この様子だと私の知り合いでもないみたいね」 唯「(というかこの澪ちゃん眼鏡かけてるよ!」 梓「(きっと友達がいなくて本が友達、な子だったんですね……それで視力を代価に」ウンウン 紬「(澪ちゃん……澪ちゃんっ! もう一人じゃないからねっ!」ウルウル 澪「あ、あの〜……」
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115 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2011/06/14(火) 03:07:10.10 ID:ZVr/9DDXO - 紬「(この感じだといきなり言ったら驚かれそう……」
梓「(ここは任せてください。この世界のカラクリは熟知しましたから」 唯「(あずにゃん先生かっくい〜っ!」 梓「えっと、ここって文芸部ですよね?」 澪「うん……そうだけど」 梓「私達仮入部しようと思って来たんです。面白かったら入ろうかなって。掛け持ちになるんですけど」 澪「ほんとにっ!?」パァ〜 紬「(凄い笑顔になったわ」 唯「(あれは澪ちゃんがベースを語るときの顔だよ!」 梓「(世界が変わっても人の根本は変わってないみたいです。和先輩然り、唯先輩然り。この世界だと本がベース代わりみたいですね」
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117 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2011/06/14(火) 03:18:48.24 ID:ZVr/9DDXO - 澪「ここには凄いいっぱい面白い本があってね〜……(云々」
梓「へ〜」 紬「面白そうね〜」 唯「ふあ〜」 ──── 澪「貸し出したこのカードを作ってくれたら出来るからいつでも借りてってね(云々」 梓「はい……」ウトウト 紬「早速作ったわ! 貸出しカード〜♪」 唯「ぐぅ〜……」 ──── 澪「でね、この本棚は私が作ったんだ〜(云々」 梓「Zzz……っとそうなんですか!」 紬「凄いわっ! 手作りだなんて! 私にも作れるかしら……」 唯「ずぅ〜ぴぃ〜……」 ──── 澪「あ、もうこんな時間。そろそろ帰らないと」 梓「(長かった……まさか三時間も話続けるなんて……元の澪先輩もこうなのかな)」 紬「絶対入部するわね!」 唯「ふぁ〜……」
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118 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2011/06/14(火) 03:19:53.66 ID:ZVr/9DDXO - 片方の(だけは小声
閉じてると心の声って感じです わかりにくくてすみません
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121 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2011/06/14(火) 03:27:24.32 ID:ZVr/9DDXO - 澪「ありがとう。文芸部も先輩達がいなくなって今は私一人なんだ……実は今月中に部員が入らないと廃部だって言われてて……。
今日知り合ったばかりの人にこんなこと言うのは間違ってると思う。けど、私は本が好きだから……だから、文芸部に入ってくださいっ!」ペコリッ 梓「……」 紬「……」 唯「……」 胸が、苦しい。 この澪先輩のお願いを、叶えてあげたいのに……そうしたら、何もかも忘れてしまいそうで……体が震えてしまう。 紬「わかったわ。ちゃんと入部するから、ね? 頭上げて澪ちゃん」 ムギ先輩……駄目ですよ。 唯「お菓子が出るならいいよ!」 唯先輩まで……。 澪「ありがとう、二人とも」 いなくなっちゃう……このままじゃ、二人とも。 ううん、軽音部みんなが……!
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- 唯「タイムトラベル」紬「Look for」梓「memoriesです!」
123 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2011/06/14(火) 03:36:22.63 ID:ZVr/9DDXO - だから────
梓「っ!」 紬「あっ」 唯「えっ?」 気が付けば、二人の手を取り、走り出していた。 驚いたムギ先輩顔も、 呆気に取られてる唯先輩の顔も、 悲しそうに顔を歪める、澪先輩の顔も…… 全部無視して……私は二人を連れて無我夢中で外に出た。 途中二人に何回も話しかけられても、絶対に止まれなかった。 後ろから何かが追いかけて来てて……それが私達を飲み込んで行く気がしたから。 怖かった……忘れてしまいそうで。 あの楽しかった日々を、何もかも……。
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- 唯「タイムトラベル」紬「Look for」梓「memoriesです!」
124 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2011/06/14(火) 03:41:51.44 ID:ZVr/9DDXO - ──
梓「はぁ……はあ……」 紬「梓ちゃん……どうしたの?」 梓「駄目ですっ! あのまま流されたら……きっと私達戻って来れなくなりますよ!?」 唯「でも……澪ちゃん……泣いてたよ」 梓「それは……」 紬「どんな世界でも澪ちゃんは澪ちゃんだもの。それなのに……」 梓「ち、ちが……」 唯「謝りに行こうよ、あずにゃん」 紬「そうね。それがいいわ」 梓「違う……違う違うっ!」 三人一緒だと思ってたのが、いつの間にか私一人切り離されている間隔に陥る。 唯「あずにゃん、いこ?」 紬「梓ちゃん」 私は……、 不意に目を落とした携帯の待ち受けが、呼び覚ます……!
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125 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2011/06/14(火) 03:46:39.54 ID:ZVr/9DDXO - 梓「はっ!」
梓「唯先輩! ムギ先輩! これをっ!」ババッ 唯「ほぇ?」 紬「これは……」 唯「ふんぎょおおおおおおお」 紬「むぎゅうううううううう」 梓「戻りましたか……?」 唯「うん……」 紬「危なかったわ……。何だか元に戻ることなんてどうでも良くなってた……」 梓「目的を見失わないでください。確かにこの世界の澪先輩も澪先輩ですけど……私達の知ってる澪先輩じゃないです!」 梓「このまま今の澪先輩と一緒文芸部をやったら……きっとそれはそれで楽しいです。 でも、じゃあ軽音部はどうなるんですか? 律先輩は?」 梓「私はそんなの嫌です……このまま全部忘れて……違う楽しいことやってる自分なんて許せません!」
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126 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2011/06/14(火) 03:51:45.16 ID:ZVr/9DDXO - 唯「うん……そうだね。私達が間違ってたよ、あずにゃん」
紬「私達が知ってる澪ちゃんはベースが大好きだもんね。本が好きなのも本当かもしれないけど……だからってベースを知らない世界のままにするなんて酷いわよね」 梓「気をつけてください……こうやって私達の記憶を塗り替える機会を伺ってます」 唯「誰が……?」 梓「言うなればこの世界が……ですかね。異分子である私達を取り込もうとしてるのかもしれません」 紬「目に見えない敵ってことね……」 梓「はい。記憶を失う前に手がかりを見つけて、私達はもう一度タイムトラベルしなきゃ行けないんです。 それまでこの画像をしっかりと見てください」 梓「これが、今の私達を唯一繋ぐ絆ですから」
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129 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2011/06/14(火) 04:02:17.78 ID:ZVr/9DDXO - 翌日────
違う時間で過ごす夜は、同じ場所なのによく眠れなかった。 寝たら忘れてしまうんじゃないかと、私はただ一生懸命画像を見て……気付いたら眠ってしまっていたという、唯先輩も呆れるバカさ加減だ。 梓「ふぁ〜……ぉはようございますムギ先輩」 紬「おはよう梓ちゃん。唯ちゃんは?」 梓「まだみたいですね」 私達はこれから少しでも一緒にいられるようにと、学校の登校、下校は常に一緒に行うことにした。 私は学校なんて行かなければいいと言ったけれど、ムギ先輩が駄目と言うのでこうなった。 確かに、いきなりそんな態度を取れば回りから不思議がられる……。 敵は目に見えない世界だ、いつ襲ってくるかもわからないなら、気付かれないよう毎日を過ごすしがない。
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134 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2011/06/14(火) 04:08:50.70 ID:ZVr/9DDXO - 唯「おはよ〜」
梓「遅いですよ唯先輩!」 紬「まあまあ」 唯「んじゃいこっか〜」 こうして三人並んでいれば絶対に忘れない。 私達が軽音部で、一緒に過ごしてきた仲間だってことを。 唯「違う世界でもちゃんと授業聞かなきゃだめなのかな?」 紬「勉強はいつだってやっておいた方がいいわよ唯ちゃん」 梓「来年受験なんですから。しっかり勉強してくださいよ」 この三人で登校すると言うこと自体が、あっちの世界では一回もない異質なことだとしても、もう、私達がこの世界に足を取られているのだとしても……。 唯「わかってるよぅ」 紬「うふふ」 梓「ふふっ」 こうやって笑っていられる限り、大丈夫だと信じたい。
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136 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2011/06/14(火) 04:15:19.52 ID:ZVr/9DDXO - 授業中──
梓「(唯先輩にはああ言ったけど……今は真面目に授業してる場所じゃないよね)」 色々やることが多すぎて、紙に書いてまとめないと頭がパンクしそう。 梓「(まず私達がタイムトラベルをしてこの世界に変わったことは間違いないはず……)」 \/と線を二本書き、そこに私達の世界、筆箱がある世界と書き分ける。 梓「(私達のしたことと言えば他に……」 その下にあの時やったことを書き連ねて行く。 ・新聞を買う ・律先輩に会う ・筆箱を戻す ・写真を撮る 梓「(ざっとこんなもんかな……やっぱり怪しいのはどう考えても筆箱と律先輩かなぁ)」
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138 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2011/06/14(火) 04:23:29.05 ID:ZVr/9DDXO - 梓「(普通に考えればこのままあの時間以降に飛んで私達が取った筆箱を取って戻せばいいだけなんだけど……何か引っかかるなぁ)」
シャーペンを鼻と口元の間で摘まむと、フイフイと動かして遊んでみる。 何か思いつくかもしれない。 梓「……」 思い付かなかった! 梓「(とにかく今は澪先輩が筆箱を持ってるかどうかの確認が最優先かな。もし持ってないとしたら逆に律先輩に会ったっていうのがキーになってるかもだし……)」 梓「(まあ律先輩に限ってそんな細かいこと覚えてないと思うけどね)」 先生「ここ、中野〜答えてみろ」 梓「はいっ!わかりませんっ!」 先生「そ、そうか……じゃあ平沢〜」 梓「(なんかこっちと違う世界から来たからふわふわするって言うかやりたい放題出来ちゃうって気持ちがヤバいかも! って純みたいなこと思ってたり)」 純「へっくしっ」 何と言うか、この状況にワクワクしてる、私!
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141 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2011/06/14(火) 04:32:59.06 ID:ZVr/9DDXO - そんな不安半分ワクワク半分のまま、放課後。
唯「とりあえず、昨日のことは謝ろうね」 梓「はい。もう大丈夫です。ちゃんと割り切ってますから」 紬「うん。私も大丈夫。この世界の澪ちゃんとして話すわ」 唯「うん、じゃあ行くよ!」 ガラララ── 澪「あっ」 梓「昨日はごめんなさいっ! いきなりあんなことして……あの……怒ってますよね?」 澪「」ポロポロ 梓「あっ、えと、ほんとにごめんなさいっ!」 澪「よかった……」 梓「えっ」 澪「もう二度と来てくれないんじゃないかと思って……こっちから謝りに行こうとしたんだけど……他の教室で誰かを呼んでもらうのって恥ずかしくて……」 唯「間違いなく澪ちゃんだよこの子は〜」ウルウル 紬「二人とも、ハンカチよ」ウルウル 梓「確かに、澪先輩ですね……」
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142 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2011/06/14(火) 04:41:12.22 ID:ZVr/9DDXO - 澪「改めて自己紹介するよ。秋山澪です。三年一組だから二人とは違うクラスかな」
紬「私は琴吹紬。三年二組よ。よろしくね、澪ちゃん」 唯「平沢唯だよ! ムギちゃんと同じ三年二組だよ! よろしく澪ちゃん!」 梓「中野梓です……二年一組です。よろしくお願いします」 澪「中野さんは二年生なのか〜じゃあ来年は部長だな」ニコッ 梓「(何かもう入ってる前提で話が進んでる!? それより……)」 梓「あの、梓でいいです。その方が落ち着きます……」 澪「そ、そっか。下級生にさん付けなんてちょっとカッコ悪いもんな。じ、じゃあ……梓って呼ぶよ」 梓「はい!」
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144 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2011/06/14(火) 04:46:05.60 ID:ZVr/9DDXO - 唯「私も唯でいいよ!」
紬「私はムギね」 澪「う、うんっ! よろしくね、唯! ムギ!」キラキラ 梓「(澪先輩凄い嬉しそう……こっちじゃよっぽど友達がいなかったんですね……)」 梓「(さて、ここからどうやって聞き出そう)」 紬「とりあえず最初は仮入部ってことでいいかしら? 実際やってみないとわからないことも多いだろうし。掛け持ちだと続けるのが難しくなるかもしれないから」 澪「うん、わかった。掛け持ちだもんね……しょうがないよね……」 梓「(ムギ先輩上手いですっ! これなら後々断っても嫌な感じはしませんしね! 澪先輩はちょっとかわいそうですけど)」
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145 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2011/06/14(火) 04:52:56.18 ID:ZVr/9DDXO - 梓「(筆箱筆箱……ないなぁ。かばんの中かな)」
紬「」チラッ 梓「」チラッチラッ 紬「」コクリ 紬「澪ちゃんの眼鏡って可愛いわね〜」 澪「そ、そうかな?」 紬「度は入ってるの?」 澪「うん。あんまり視力が良くなくて」 紬「本は離して読まなきゃ駄目よ?」パチッ 梓「(ふふ、時を越えた私達に取ってアイコンタクトなんて造作もないです! 今のうちに本を見るふりして澪先輩のかばんの中を失敬して……っと)」 唯「」パチクリパチクリ 梓「……」 唯「(大好きだよあずにゃん!)」パチクリパチクリ 梓「(さ、早くかばんの中を失敬して……)」 唯「(私のは通じてないの!?)」
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148 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2011/06/14(火) 05:00:02.39 ID:ZVr/9DDXO - ガサゴソガサゴソ。
梓「(なになに? トイプードルの大行進? クマさんとキツネの冬眠生活? ペンギンは空を夢見る? パンダさんとコアラの灰色ラブロマンス? メルヘンチックな本ばっかり……澪先輩らしい。筆箱は……ないなぁ)」 梓「(まあ高校生にもなってさすがにキティちゃんの筆箱は持ち歩かないか……家にあるのかな?)」 梓「(こうなったら直接聞くしかないですよね……)」 梓「あ、あの……」 澪「ん? 何か気に入った本あった?」 梓「いえ、その……(どうキティちゃんの筆箱に話を持って行く私っ! 頑張れ私っ!)」 紬「(がんばって梓ちゃん!)」 唯「(ファイトだよあずにゃん!)」
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- 唯「タイムトラベル」紬「Look for」梓「memoriesです!」
150 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2011/06/14(火) 05:09:27.31 ID:ZVr/9DDXO - 梓「わ、わたし〜キティちゃん大好きなんですよ〜」
澪「えっ?」 唯「(声が上ずってるよあずにゃん!)」 梓「とくに〜筆箱に目がなくてですね……(もうどうにでもなれですっ!」 澪「キティちゃんの筆箱……?」 梓「澪先輩……持ってたりしませんか?」 紬「(豪快なセンタリングね! 梓ちゃん!)」 澪「う〜ん……昔持ってたような」 梓「い、今は!?」 澪「どっかに無くしちゃったのかな。覚えてないや」 梓「そう……ですか」 澪「売ってる場所探そうか?」 梓「いえっ! 結構です!」 紬「(……おかしいわね」 唯「(おかしいと言えば……なんであずにゃんに私のアイコンタクトが届かないんだろう……」
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- 唯「タイムトラベル」紬「Look for」梓「memoriesです!」
151 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2011/06/14(火) 05:12:40.26 ID:ZVr/9DDXO - 短編で気軽に読めるタイムトラベルものを書こうとしてたら朝になってたでござる
限界まで書くつもりですが応答しなくなったらすいませんがちょっとだけ保守してやってください
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- 唯「タイムトラベル」紬「Look for」梓「memoriesです!」
153 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2011/06/14(火) 05:24:31.93 ID:ZVr/9DDXO - その日は四人でマクナルに行き、華の女子高生らしく談笑した後解散、に見せかけてまたマクナルに来て私はシェイクを注文しているところです。
店員「……?」 梓「(言いたいことは痛いほどわかります……。いっそのこと……)」 __________ 梓「さっき私が来なかったですか!?」 店員「え、あ、はあ……」 梓「何してるです! そいつがあずにゃんですよ! 追え〜!」 _ ________ 0o。 梓「(とでもやった方が店員さん的には面白いだろうけど……)」 梓「(いくら違う世界から来てもそんな大それたことできな」 唯「さっき私が来なかったっ!?」 店員「えっ?」 紬「私も私も!」 店員「来ましたよ!!! ま、まさか!!?」 唯「そいつはル○ンだ〜追え〜!」 紬「追え〜」 店員「はいいいいっ!」 梓「(店員さんめちゃくちゃノリいいしっ!)というか何やってるんですか二人ともっ!」
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- 唯「タイムトラベル」紬「Look for」梓「memoriesです!」
155 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2011/06/14(火) 05:33:13.26 ID:ZVr/9DDXO - ────
梓「目立つ行動は控えてくださいよ……全くぅ」 唯「ごめんごめん。ついやりたくなっちゃって」 紬「誰しもが憧れる名シーンよね〜」 唯「こんな機会でもないと出来ないもんね!」 梓「(……そっか、二人とも私と同じ気分だったんだ。不安だけど……ワクワクする。 時間を越えて世界を越えて、今私達三人だけが知ってるんだ。そんな状況にワクワクするなと言う方が無理なんだ)」 梓「(そう、私達は唯一のタイムトラベラーなんだから!)」 でも、ちゃんと帰るためには……。 梓「じゃあ、作戦会議を始めます」 真面目さも、必要だよね。 それを読み取ったかのように二人とも真面目な顔にシフトした。
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