- 梓「おしっこ我慢大会ですか……」
561 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2011/05/10(火) 00:01:06.30 ID:GnS3XZev0 -
澪「じゃあ優勝賞金ってのは……嘘?」 さわ子「大丈夫よ。総額をみんなで山分けしなさい」 律「……そっか」ホッ 唯「じゃあみんな優勝!? やったー!」 さわ子「と、浮かれる前に」 梓「?」 さわ子「賞金はまだだせないわ。その前にやってほしいことがあるの」 唯「ほえ?」 さわ子「これからあなたたち8人はヘリに乗ってとある島へ移動してもらうわ」 純「島!?」 唯「なにするの? バカンス?」 さわ子「ま、そんなところね」 紬「……」 さわ子「校庭までもう迎えにきてるはずよ」 紬「質問があります」
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- 梓「おしっこ我慢大会ですか……」
564 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2011/05/10(火) 00:09:31.96 ID:GnS3XZev0 -
さわ子「なに?」 紬「私たちが倒しちゃった人たちは……」 さわ子「大丈夫よ。ちゃんと治療班がいるから」 紬「良かった……」 律「自分が一番めちゃくちゃやっといてそれかよ」 澪「まぁ参加者も危険は承知できてるんだ。しかたないだろ」 純「実力の世界ですもんね。弱い方がわるい!」 唯「そゆこと〜」 さわ子「さぁヘリに乗りに行くわよ」 梓「私ヘリコプターはじめてです」 唯「すっごく高いとこ飛ぶんだよ! 怖くておしっこ漏らしちゃだめだよ?」 梓「もらしませんし」
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- 梓「おしっこ我慢大会ですか……」
568 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2011/05/10(火) 00:19:07.37 ID:GnS3XZev0 -
二日間における戦いは意外にもあっけない形で終わった。 こんなあっというまに大会が終わるとは思ってなかったので、すこし拍子抜けだ。 それでもかなり疲れがでたのか、何人かは座席でうとうとしている。 唯先輩と私は律先輩の事情をきいて、優勝賞金の一部を手術のお金として提供することを決めた。 感謝しきれない、と何度も頭をさげられてしまった。 これから私たちはどんな島へ連れていかれるのだろうか。 やってほしいこととはなんだろうか。 期待と不安を胸に、私はそっとまぶたを閉じた。 唯「んみゅ……あずにゃ……zzz」 梓「……zzzz」 第20話『大会終了』
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- 梓「おしっこ我慢大会ですか……」
574 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2011/05/10(火) 00:36:05.86 ID:GnS3XZev0 -
【とある島】 律「おお! 唯! ビーチがあるぞ!!」 唯「わぁ〜! 綺麗な海〜!」 梓「に不釣合いな建物が……」 ヘリで上空から見た感じだと島は直径3kmも無いだろう。 海に囲まれ、自然の多いのどかな島だ。 しかし、その中央にはどう考えてもそぐわない巨大な灰色の建物が群居している。 梓「あの……ここは?」 さわ子「とりあえずヘリポートに降りるわね」 一行をのせたヘリはポートのある建物を目指して飛ぶ。 あれが別荘で、ここで季節外れの合宿をする……というわけではなさそうだ。 不安が胸をよぎる。まわりは海や森の美しさに魅せられ、完全に浮かれきっているようだ
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- 梓「おしっこ我慢大会ですか……」
580 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2011/05/10(火) 00:42:38.77 ID:GnS3XZev0 -
さわ子「さぁ降りて! 私についてきなさい!」 澪「先生、ここは……」 さわ子「質問はあとあと!」 唯「アイスたべたい」 梓「しりませんよ」 純「うひょー! なんかセレブになった気分」 憂「このおっきな建物はなんなんだろうね」 律「とにかく中はいろーぜぃ!」 紬「……」キョロキョロ 和「どうしたの?キョロキョロして。落し物でもした?」 紬「え、ううん……ただ、豊かな自然を眺めてただけ」 和「そ。ならいいけど」 憂「なんか眠気がとれないな……」 唯「私も〜、早くベッドで寝たいよー」
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- 梓「おしっこ我慢大会ですか……」
582 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2011/05/10(火) 00:50:14.48 ID:GnS3XZev0 -
【F号棟内】 ホール 梓「中も広いんですね」 唯「たくさんテレビがあるね」 律「テレビじゃなくてパソコンだろー?」 澪「先生。いい加減話してくれませんか?」 さわ子「……そうね。じゃあ話さしてもらおうかしら」 唯「ほえー」 さわ子「あなたたちをココに連れてきた理由。それはね」 さわ子「みんなシューターをだしてくれる?」 澪「えっ」 さわ子「ここは、シューターをはじめとするありとあらゆるおもちゃを研究する巨大施設なの」 さわ子「と、これはタカラ◯ミー社の秘密なんだけど」 さわ子「実はあなたたちのシューターにはそれぞれ小さなメモリーカードが入っているのよ」
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- 梓「おしっこ我慢大会ですか……」
584 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2011/05/10(火) 00:58:29.10 ID:GnS3XZev0 -
梓「メモリーカード?」 さわ子「そう。すべてのシューターに入っているわ」 律「なんのために?」 さわ子「シューターをシューターたらしめるため。情報を記憶してるの」 さわ子「そして使用者のおしっこの質とかを一瞬で解析して反映するのよ。読み取り機っていったほうがいいかしら」 唯「わぁ! 高性能なんだね!」 憂「でもそんなの全然しりませんでした」 さわ子「言ったでしょ。企業秘密だって」 梓「で、それを回収するんですね。私たちの個人情報がたんまりつまったカードを」 さわ子「正解! 強いガンマンのデータを集めて次の商品開発の参考にするってわけ」 さわ子「わざわざこんなところまで連れてきてごめんね。ここでしかそのメモリーカードは開発してないの」 さわ子「けど学校でシューターだけ回収なんていってもあなたたちは納得しないでしょ?」 さわ子「だってあなたたちが手に持つそれはもはや体の一部も同然だものね?」 唯「だね!」
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- 梓「おしっこ我慢大会ですか……」
586 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2011/05/10(火) 01:04:59.75 ID:GnS3XZev0 -
さわ子「渡してくれる?」 律「まぁ私の情報を渡すだけで賞金がもらえるなら全然かまわないけど」 澪「そうだな」 純「いいですよー」 さわ子「それじゃあこの箱にシューターをいれてくれる? 取り外すにも特殊な装置がいるからシューターごと持って行くわ」 憂「後で戻ってくるんですよね?」 さわ子「それはもちろん。解析が終わりしだい解散よ。それまではここでバケーションでも楽しみなさい」 憂「そういうことなら。どうぞ」ガコン 律「ういっと!」ガコン 唯「ほいほい。また後でねシュー太」ガコン 純「最強ガンマンの私の情報をよりよい商品開発に役立ててください!」ガコン 和「私のデータなんて役に立つのかしら」ガコン 澪「エリザべス……しばしのお別れだ」ガコン 梓「……どうぞ」ガコン
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- 梓「おしっこ我慢大会ですか……」
592 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2011/05/10(火) 01:10:35.04 ID:GnS3XZev0 -
紬「……あの、私は」 さわ子「ムギちゃんは……そうねぇ」 紬「これ全部外せばいいですか……?」 さわ子「じゃあ特別についてきてもらおっか」 紬「……」 唯「えー、ムギちゃんいいなー」 律「それより遊びにいこうぜ!」 さわ子「今日はもう遅いから明日にしなさい」 澪「そうだぞ」 梓「あの、寝るところはあるんですか?」 さわ子「ちゃんと個室を用意しているわ。ご飯もすぐもっていくわね」 純「やった! お腹ぺこぺこ!」 梓「はぁ、これでやっとゆっくりできる〜」 唯「何をいってるあずにゃん! 今夜はトランプ大会だよ!」 梓「えー……さっき眠いっていってたじゃないですか……」
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- 梓「おしっこ我慢大会ですか……」
598 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2011/05/10(火) 01:22:41.28 ID:GnS3XZev0 -
夜 律「よっしゃあ! いちぬけた!」 唯「えーりっちゃん今私の手札みてたでしょー!」 律「んなわけねー」 澪「やれやれ、ババ抜きごときでムキになるなんて」 憂「お姉ちゃんは負けず嫌いだから」 梓「それより、ムギ先輩おそくないですか?」 純「そういえば晩ご飯もきませんでしたね」 唯「きっとあの金ピカのを全部外すのに手こずってるんだよ」 律「なーんか改造しまくってたっぽいしな。」 澪「そもそもアレってシューターなのか?」 梓「シューターらしいですよ。全部でいくつ使ってるかはしりませんけど」 唯「いまごろムギちゃんはさわちゃんに脱がせ脱がせいやーんな感じになってるの!?」 梓「装甲外すプレイってどんなんですか」
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- 梓「おしっこ我慢大会ですか……」
601 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2011/05/10(火) 01:28:34.76 ID:GnS3XZev0 -
律「まってても仕方ないしもう寝るか」 憂「そうですね。なんだかんだで10時まわってますし」 澪「明日は早起きして海いきたいな」 律「でも水着もってねー」 純「この時期もう寒くないですか?」 澪「いや泳ぐんじゃなくてその……な!」 唯「作詞だね! かっこいー!」 梓「てか最近練習全然してませんし、ギターの存在すら忘れてました」 律「あの音楽狂の梓ですら虜になるおしっこシューター……バカ売れして当然だな」 梓「ですね……もっと早く知りたかったです」 唯「学校には持ってきちゃだめって決まりだったからねー」 梓「あの日は持ってきてたじゃないですか」 唯「いやー、学校帰りにおばあちゃんとこでメンテしてもらったほうが楽だからさー」 和「もうみんな寝なさい。疲れてるでしょ。特に唯と梓ちゃん」 梓「はい。じゃあ私部屋もどります」
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- 梓「おしっこ我慢大会ですか……」
603 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2011/05/10(火) 01:34:13.51 ID:GnS3XZev0 -
唯「あずにゃん一緒に寝ようよ〜〜」 梓「えぇ……」 憂「お姉ちゃん私じゃだめなの!?」 唯「いやー、あずにゃんとちょっとおしっこシューターについて色々語りあいたいからね」 唯「なんせ私とあずにゃんはいわば師弟関係にあるから!」 梓「まぁ……いいですけど。夜更かしはヤですよ?」 律「ああ〜ん、じゃあ澪たんは私とぉ〜」 澪「うるさい」ゴチン 律「ひどい゙っ」 純「あはは、みなさん浮かれすぎですよ。ガンマンたるものいかなる場面でも冷静に振舞わなくては」 憂「そういえば純ちゃんってほぼ何もしてないのにたくさんお金手にはいるんだよね」 純「えへっ! 役得だね! も、もちろん律先輩にいくらか渡しますけど!!」 和「それじゃあみんなおやすみ。お疲れさま」 唯「おやすみ〜〜!」 梓「おやすみなさいです」
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- 梓「おしっこ我慢大会ですか……」
607 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2011/05/10(火) 01:41:52.56 ID:GnS3XZev0 -
【梓の使用する部屋】 唯「ねぇあずにゃん。電気消すよ?」 梓「はい」 唯「それではお隣りお邪魔しま〜す」モゾモゾ 梓「むぐ……もっとそっと寄ってください」 唯「ここからは私とあずにゃんだけの秘密の時間!」 梓「そういうのいいんで」 唯「えー。冷たいなぁ」 梓「唯先輩はどうしてシューターに興味をもったんですか?」 唯「んー、おばあちゃんにすすめられた。流行ってるから唯ちゃんもやってみない?って」 梓「おばあちゃんってあのホビーショップの?」 唯「うん! どうも私才能があるみたいで〜でへへ」 梓「そうですね。唯先輩は正直強いと思いますよ」 唯「あずにゃんの師匠だもん! 当然当然!」
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- 梓「おしっこ我慢大会ですか……」
608 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2011/05/10(火) 01:47:09.23 ID:GnS3XZev0 -
梓「もし本戦があったとしたら、私唯先輩と戦ってたんですかね」 唯「どうかなー、トーナメントならあずにゃん勝ち上がってこれる?」 梓「うーん……純にしか勝てそうにないです」 唯「だよねぇ……やっぱ経験の差っておおきいよ」 梓「でもほんとにシューターに出会えてよかったです」 唯「たのしい?」 梓「やみつきですね。とくにトリガーを引く瞬間とか、的に当てたときの興奮とか」 唯「人を撃つのは?」 梓「それはちょっと……うーん」 唯「あずにゃんはいい子だね」ナデナデ 梓「もうっ。やめてください……子供じゃないんだから」 唯「はいはい。ごめんね、さぁ寝ようか」 梓「はい……おやすみなさい……唯先輩」 唯「おやすみ……」
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- 梓「おしっこ我慢大会ですか……」
610 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2011/05/10(火) 01:54:41.82 ID:GnS3XZev0 -
モゾモゾ ガサガサ んっ。なんだろう……。 唯「……」 あ、唯先輩……こんな時間にトイレかな? 唯「……」 どうしたんだろう。なんだか歩き方が変だ。 妙にキリっとしてるというか。らしくない。 唯「……」 ガチャン でていっちゃった……。まぁいいかすぐ戻ってくるでしょ。寝よ。 そう思い再び目を瞑ろうとしたした瞬間、夜の闇を破るけたたましいサイレンの音が建物中に響き渡った。
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- 梓「おしっこ我慢大会ですか……」
616 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2011/05/10(火) 02:01:57.44 ID:GnS3XZev0 -
梓「なに!? なんなの!」 すぐに飛び起きる。 背汗がすごい。 ここ最近ずっと感じていた言い表わせない嫌な感じ。 予感が現実となったような、そんな恐怖が体中を駆け巡る。 梓「唯先輩……もどってこない!?」 梓「唯先輩!」 着の身着のままドアを開け外へでる。 そしてすぐさま窓越しに飛び込んできた景色に私は思わず肝を冷やした。 真夜中を照らす赤い光、火事だ。 隣の棟から火の手が上がっている。それも尋常じゃない勢いで。 隣の棟……そう、そこはF号棟。私たちがシューターを預けた場所だった。 どうしよう、どうしよう。頭がうまく働かない。そういえば、唯先輩は!?
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- 梓「おしっこ我慢大会ですか……」
620 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2011/05/10(火) 02:07:33.75 ID:GnS3XZev0 -
梓「唯先輩! どこ行ったんですか!」 唯先輩のすぐ後に飛び出したはずなのにもう姿が見えない。 どこ……どこへ行ったの? とにかく私も避難しなくては、あの火の勢いだ、ここも直に……そういえば澪先輩達は……。 梓「澪先輩! 律先輩! 火事です! 起きてください!」ドンドン しかし中から返事はない。 こんなに大きな音でカンカンとサイレンが鳴り響いているのにまだ寝ているとは考えにくい。 一体何が起きているの。 どうして私はひとりなの。 梓「あ……ムギ先輩とさわ子先生は……もしかして隣の建物にいるのかも……」 想像しただけで血の気がひいた。
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- 梓「おしっこ我慢大会ですか……」
626 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2011/05/10(火) 02:12:20.88 ID:GnS3XZev0 -
梓「助けに……いかなきゃ」 逃げ遅れているかもしれない。 危険かもしれないが、ここは絶海の孤島。外から消防隊が助けがくることはない。 それに、シューターも気がかりであった。 あれは短い間とはいえ、私と苦楽を共にした大事な大事なものなのだ。 梓「いこう……確か連絡橋は二階だったよね……」 小走りで真っ暗な廊下を駆けていく。 相変わらず唯先輩どころか人の気配すらしない。 なんとも不気味な建物だ。 梓「唯先輩……ムギ先輩……!!」
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- 梓「おしっこ我慢大会ですか……」
629 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2011/05/10(火) 02:17:34.39 ID:GnS3XZev0 -
梓「……ハァ、はぁ」 非常時にエレベーターは動かないようになっているらしい。 階段を駆け下り、二階連絡橋に到達。 すでにこちらまで少し煙がかかっているが、向こう側へと一気に走って渡り切る。 梓「けほっ……大丈夫。まだ火はここまで来てない」 たどりついたF号棟のホールで、 私はここ数日ですっかり見慣れた、金色の悪魔と再開した。
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- 梓「おしっこ我慢大会ですか……」
634 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2011/05/10(火) 02:25:44.86 ID:GnS3XZev0 -
梓「ム、ムギ先輩……?」 信じたくはなかったが、この火災の原因は彼女だった。 狂ったように四方八方にフルバーストで尿弾をばらまき続けている。 火力も尋常ではない。 パソコンのモニターや、よくわからない機械達を容赦なく撃ちぬき、爆発炎上。 煙ごしに破壊の限りをつくす彼女の姿は、高校でやり合ったときとは比べものにならないくらい恐ろしく、凶悪に映った。 梓「ムギ先輩……何、やってるんですか……?」 私が呼びかけてもまるで気にすることなく砲撃を続ける。 梓「ムギ先輩!! 火事なんです! わからないんですか!!」 ようやく声が届いたのか、彼女は視線だけをこちらに送ってきた。 怒りと憎悪にまみれた鋭い視線。 それだけで背筋が凍りついた。
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- 梓「おしっこ我慢大会ですか……」
637 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2011/05/10(火) 02:33:23.65 ID:GnS3XZev0 -
紬「梓ちゃん……」 梓「ムギ先輩! どうしてこんなことを!」 紬「梓ちゃん……平気?」 梓「はっ?」 紬「よかった……」 梓「な、なんのことですか!」 紬「いまは詳しく説明してる時間はないの! 早くここを破壊して!!」 梓「えっ、えっ!」 紬「あ! 梓ちゃん後ろ!!!」 とっさに振り向いた。 煙で良く見えないが連絡橋の真ん中に人の影がある。しかしシルエットだけでわかる。 それは間違いなく、私が探していたあの人。 手になにか持っている。なんだろう。シューターみたいな……。 突然小さくフラッシュ。直後、腹部にとても熱いものを感じた。
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- 梓「おしっこ我慢大会ですか……」
640 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2011/05/10(火) 02:39:36.70 ID:GnS3XZev0 -
梓「うっ……なっ」 紬「梓ちゃん!!」 梓「ど、どうして……」 唯「少し外しちゃった」 梓「唯先輩!! なんで!」 唯「あずにゃんは失敗作だからね」 梓「失敗作!? なんのことです!」 和「完璧なガンマンにはなれなかったってこと」 梓「和先輩!」 唯先輩のさらに後ろから現れた和先輩。 もちろん手にはシューターを構えている。 しかし唯先輩のも和先輩のも見慣れた型とはちがい、フレームからバレルまで全ておかしな形をしている。 梓「どういう……ことです」
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- 梓「おしっこ我慢大会ですか……」
645 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2011/05/10(火) 02:45:50.68 ID:GnS3XZev0 -
たずねる以外、何も言葉がでてこない。 お腹の横をかすめた怪我の痛みが全身を駆け登ってくる。 しまった。今私、丸腰だ……。 このまま二人に撃たれたらひとたまりもない。頭ではわかっていても恐怖で足が動かない。 和「ふふ、ムギ! もう無駄な抵抗はやめなさい」 紬「……ッ!」 和「マスターデータはすでにあの方がお持ちよ。そこのパソコンを破壊してもなにも意味はないわ」 紬「なんですって!」 唯「あずにゃん。私ね。ガンマンになるんだ」 梓「ガンマン……?」 唯「ガンマンになっていっぱいいっぱい人を殺すの!」 梓「はっ?」 和「ちょっと唯! あんた何勝手にべらべらと」 唯「いっぱいいっぱいだよ! それが私たちの幸せ、野望! 生きる意味!」
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- 梓「おしっこ我慢大会ですか……」
647 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2011/05/10(火) 02:51:27.86 ID:GnS3XZev0 -
和「チッ……まだ完全な洗脳とはいかないようね」 梓「洗脳!?」 紬「シューターにはメモリーカードが入ってるって言ってたでしょ?」 梓「は、はい」 紬「それは依存性を誘致して、使用者を洗脳する特殊な電波を発していたの」 梓「えっ」 紬「それは微々たるものだけど、少しずつ少しずつ人の心を蝕んでいく」 梓「じゃ、じゃあムギ先輩は!」 紬「その前にうけとって梓ちゃん」 ムギ先輩が何かを放ってくる。 受け取った瞬間になにかすぐわかった。シューターだ。 紬「琴吹ホビーで開発したシューターよ。もちろん、人体には無害」 梓「琴吹ホビー……?」
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- 梓「おしっこ我慢大会ですか……」
652 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2011/05/10(火) 02:59:40.23 ID:GnS3XZev0 -
紬「タカラ◯ミーのライバル会社よ。うちの系列でもあるの。シューターにおけるシェアは極わずかだけどね」 梓「じゃあムギ先輩がシューターを破壊してまわってたわけって……」 紬「裏からの情報で、タカラ◯ミーの陰謀を知ったの」 和「やめなさいムギ。陰謀だなんて、これは国家レベルでの機密軍事作戦よ」 梓「ど、どういうことです」 紬「シューターをつかった軍事産業」 梓「!」 唯「そ! たくさん流行らせて、競わせて、優秀なガンマンを育ててみんなみんな兵隊さんにしちゃうの! 私みたいに!」 紬「去年の大会の優勝者はいまはどこかの戦地に送られたと聞いているわ」 和「……あら、情報通なのね」 紬「なめないでよ」
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- 梓「おしっこ我慢大会ですか……」
654 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2011/05/10(火) 03:03:59.33 ID:GnS3XZev0 -
梓「どうしてもっと早く教えてくれなかったんです!」 紬「ごめんねでも」 唯「もうおしゃべりは飽きたよ」 梓「!」 唯「ねぇあずにゃん。それ、試してみたくてうずうずしてない?」 梓「えっ」 唯「洗脳とかさー、依存とかそんなの関係なしに、人って撃ってみたくなるもんなんだよ」 唯「新しいおもちゃって遊んでみたくなるもんなんだよ」 梓「……」 唯「かっこいいねあずにゃんのシューター。いったいどんな弾がでるんだろうね」 梓「……だめですよ」 唯「撃ってみたい。ねぇ撃ってみたいよね?」 梓「そんなことないです」 唯「じゃあ無理やり撃たせてあげる。ばーん!」
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- 梓「おしっこ我慢大会ですか……」
657 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2011/05/10(火) 03:11:45.88 ID:GnS3XZev0 -
再び唯先輩の銃口がフラッシュ。 無邪気な掛け声とは裏腹に、飛来してくる弾には狂気と明確な殺意がこもっているように感じた。 直撃するとまずい……。 打撲や擦り傷ではすまないかもしれない。 私はほぼ無意識的に、体をおもいきり横に逸らし回避行動をとっていた。 梓「くっ、危な……ッ!」 唯「あははっ! うまく避けたね! さっすがぁ!」 和「ちょっと唯。失敗作とはいえ、殺しちゃだめよ。いろいろ使い道はあるんだから」 唯「わかってるわかってる〜」 梓「やめてください……やめましょうよこんなこと!!」 和「ダメよ。もう引き返すことはできないの」 和「おしっこの力は偉大でしょ? とくにおしっこテクノロジーの分野では日本は世界のトップを走っているのよ」 和「完璧なおしっこシューターと、完璧なおしっこガンマンがたくさんいれば……戦争の歴史が変わるわ」
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- 梓「おしっこ我慢大会ですか……」
661 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2011/05/10(火) 03:18:46.03 ID:GnS3XZev0 -
梓「そんな……子どもじみた理想で!」 和「しかたないじゃない。大人っていつまでたっても子供心は忘れないもの」 和「世界征服って。誰もが一度は夢見ることじゃない?」 梓「……何をいっても無駄なようです」 紬「梓ちゃん。私が二人の相手をするからここは逃げて!」 梓「でも……」 唯「逃さないよ〜あずにゃ〜ん」 梓「唯先輩……」 唯「いまおもいっきり撃ったんだけどさ。すごいよこれ!」 唯「いままのシューターなんて比べものにならないよ!」 唯「電気? 火薬かな? 私馬鹿だからどんな仕組みかわからないけど初速から火力まで段違い!」 和「ふふ、気に入ってくれたようね。それがタカラ◯ミーの次世代おしっこシューターよ」
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- 梓「おしっこ我慢大会ですか……」
666 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2011/05/10(火) 03:23:36.55 ID:GnS3XZev0 -
梓「あ、あんなイカレた性能のシューターにどう対抗すれば……」 紬「大丈夫。梓ちゃんのそれも負けず劣らずの性能だから」 梓「でもこんなので撃ったら傷つけちゃいます!」 紬「梓ちゃんならできるわ」 梓「セーブして……戦えってことですか、あの唯先輩相手に」 唯「えへへへ〜♪」 紬「お願いよ。唯ちゃんはただシューターに操られているだけ」 紬「シューターを破壊して、しばらく電波から遠ざければ元にもどる可能性はあるの」 梓「ほんとですか!」 紬「和ちゃんは私が救って見せる。約束するから」 和「ふふ……私を救うですって? バカげてるわ」 紬「……大丈夫。信じて。あなたを、あなたの先輩たちを」 梓「……ムギ先輩」 紬「唯ちゃんを信じて。あの子は必ず元に戻る」 梓「わかりました……私、やってみます!!」
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- 梓「おしっこ我慢大会ですか……」
669 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2011/05/10(火) 03:29:47.72 ID:GnS3XZev0 -
その頃 【A号棟屋上】 さわ子「やるじゃない。洗脳されたフリをしてシューターを奪いかえしにくるなんて」 澪「……先生」 さわ子「でもだめよ澪ちゃん。先生に銃口をむけちゃ」 律「……」 さわ子「りっちゃんも! 学校で習わなかった?」 澪「ふざけるのはいい加減にしてください」 さわ子「うーん、でも私はどうしたらいいの?」 澪「ここから私たちを逃がして、みんなを元に戻してください」 さわ子「それは私一人じゃ無理ね、だいたいもうデータは私の手元にないもの」 律「じゃあどこにある!」 さわ子「んーっとねぇ……内緒!」
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- 梓「おしっこ我慢大会ですか……」
674 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2011/05/10(火) 03:38:45.11 ID:GnS3XZev0 -
澪「私は気は長くない」 さわ子「あら怖いわぁ。澪ちゃんって兵隊になったら絶対大活躍してたのにもったいない!」 澪「私たちは戦う兵器じゃない。人間だ」 さわ子「だからこっそり兵器に仕立てあげようかとおもったのにぃ」 律「ムギが手当たり次第にシューターを壊しまわってたのにはやっぱり意味があったのか」 さわ子「あの子はほんと厄介だったわ」 さわ子「私たちの居場所をつきとめるためにあなた達にも素性を隠して暗躍してたんだもの」 澪「なるほどな。カードには発信機、盗聴器的な機能も備わってるとみた」 律「それでムギは何も言えなかった……? バレたらそこで終わってしまうから?」 さわ子「せいか〜い♪ まぁこっちは泳がせてあげてたんだけどね」 さわ子「私たちとしても琴吹ホビーの技術の結晶とも言えるムギちゃんのアレは生で調べたかったし」 さわ子「そしたらやっぱり反撃されちゃった……クスン」 律「おい、いい加減にしろよさわちゃん。だいたいあんたは何者なんだ」 さわ子「え〜私? それはねぇ……」
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- 梓「おしっこ我慢大会ですか……」
676 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2011/05/10(火) 03:46:08.57 ID:GnS3XZev0 -
「おやおや山中技術顧問。こんなとこで油を売ってるんですか」 澪「!」 律「後ろ! いつの間に!」バッ さわ子「あ、ど〜も〜」 「全く、派手にやってくれたねぇあの子は。せっかく巨額の私財をなげうって作った施設が台なしだよ」 「唯ちゃんの素直さを見習ってほしいもんだねぇ」 さわ子「といってもムギちゃんのシューターにはそもそも洗脳カードが入ってなかったので……」 「おや、そりゃそうだねぇ。おほほ。年をとるとなんでもすぐ忘れるから困るわぁ」 律「なんだこのばあさん」 澪「……この人……どこかで」
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- 梓「おしっこ我慢大会ですか……」
679 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2011/05/10(火) 03:53:33.54 ID:GnS3XZev0 -
さわ子「もう島を出発なされたかと」 「いいえぇ。孫同然の可愛い子たちを放って一人島をでるなんてできませんよぉ」 「それにあの子の成長もまだ生で見てないしねぇ」 さわ子「そういえば唯ちゃんとは長い付き合いでしたね」 律「さわちゃん、ちゃんと理解できるように教えてくれ」 さわ子「……」 律「こちとらセーフティはとうに外してある。まずはこのばあさんから撃ってもいいんだぞ?」 「近頃のもんは気が短いもんだねぇ。あたしらがもっと若いころは」ブツブツ 澪「あなたが、全て仕組んだ人ですか?」 「そうだねぇ。あんまり気はすすまないんだけど」 律「なにをいまさら! 詫びる気があるなら最初からするな! いますぐ全て元に戻せ!!」
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- 梓「おしっこ我慢大会ですか……」
682 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2011/05/10(火) 04:00:00.42 ID:GnS3XZev0 -
「それは……無理よ」 ヒュっという風を切る音と同時に、突然老女が律の視界から消えた。 おどろいた律は左右をキョロキョロと見渡す。しかしどこにもその姿は見当たらない。 澪「律! 上だ!!」 律「えっ」 澪の声で見上げた遥か上空にはただ一つ満月。そしてその黄金の輝きの中にある黒い影。 それはまごう事無き、先ほど目の前にいた老女のもの。 律「嘘……だろ?」 その影は空中でシューターを引きぬく。そして刹那、砲撃。 その放たれたあまりに強大な弾丸を見て、律は一瞬月が落ちてきたのかと錯覚した。 澪「でかい! よけろ!!」 さわ子「ちょ、会長! 本気だしすぎ!! わたしまで巻き込まれちゃいますよ!」
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- 梓「おしっこ我慢大会ですか……」
687 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2011/05/10(火) 04:07:27.97 ID:GnS3XZev0 -
巨大なエネルギーの塊がA号棟の屋上部を吹き飛ばす。 間一髪で隣の屋上へと逃げ延びる律とさわ子。 しかしそこに澪の姿はなかった。 律「澪!! 無事か!!」 返事はない。律たちがいた場所は土煙と瓦礫に覆われている さわ子「あなたは人の心配してる余裕はないわよ〜?」 律「ッ!」 さわ子「私もガンマンの端くれ。いまは教師の裏で、タカラ◯ミーの軍事開発部門技術顧問って役職についてるけどね」 律「さわちゃん!!」 さわ子「怒ったってダメよ。さて会長、この後どうします?」 律「会長……そうだ! ばあさん! あんたは何もんなんだ! 一体いまの攻撃はなんだ!!」 「……あたしかい? あたしはタカラ◯ミーの創業者……。シューターの生みの親にして、自称世界最強のガンマン」 とみ「一文字とみっていうんだよりっちゃんさん」
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- 梓「おしっこ我慢大会ですか……」
689 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2011/05/10(火) 04:16:09.45 ID:GnS3XZev0 -
…… 【F号棟】 ホール 和「あきらめて降伏しなさいムギ! もう弾も残ってないんでしょ」コツコツ 紬「ハァ……はぁ」 和「にしても大したもんねその装甲。新型のショット10発浴びてようやく壊れるくらいの強度なんて」 紬「く……なんて威力」 和「このシューター。やっぱり最高よ。使いやすさ、威力、反動、連射性能、どれをとっても従来の2倍のスペックをたたき出しているわ」 紬「そういうの……ずるいと思う」 和「そうかしら? 戦争はいつの時代を見ても飛躍的に技術の進歩を促してきたものよ?」 和「もちろんこんな危険な物一般には流通なんてしないわ。あくまで局所的に、戦地で使うくらいね」 紬「……そんなこと、させないんだから……」 和「そのボロボロの装甲でまだ戦う気?」 紬「く……もう、体力が」
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- 梓「おしっこ我慢大会ですか……」
693 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2011/05/10(火) 04:24:59.54 ID:GnS3XZev0 -
和「あなたはよくやったわ。一人で頑張りすぎよ」 紬「結果がでなきゃ……意味ないじゃない」 和「そう? ここを壊しただけで私たちの計画は向こう数ヶ月は停滞するんだから、それだけでも大きな成果だとおもうけど」 紬「でもそれじゃ意味ないじゃない!!」 和「……むきにならないで」 和「それに私たちを倒したところで、結局あなたの会社がとってかわるだけでしょ?」 紬「そんなことない」 和「いいえ、一企業が世界の波に逆らうなんてできっこないわ」 紬「琴吹ホビーは、裏表なにもない健全な経営を目指します」 和「理想よ。シューターは玩具ではなく殺人兵器。これは言い逃れもできない事実」 和「力という底なし沼にはまった人間は、自力では決して這い上がることはできないわ」 紬「そのために私が、梓ちゃんがいる!!」 和「やってみなさい。ちっぽけな二人で世界を救い上げることができるならね」 和「ま、あなたはここで終わるわけだけど」チャキ
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- 梓「おしっこ我慢大会ですか……」
696 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2011/05/10(火) 04:34:49.94 ID:GnS3XZev0 -
紬「まだよ……琴吹ホビーの技術は並じゃないの!!」 和「えっ」 カチャリという乾いた音とともに紬のまとっていた装甲がパージを開始した。 ガコンガコンと激しい音をたてて紬を抑えつけていた重金属が床へと落下する。 そして最後に紬は右腕を隠すように装着した大型ガトリングも取り去り、 その中で貯尿シリンダー、装填の中継役となっていた琴吹製純正シューターを強く手に握り、 身軽となった体で和のもとへ一直線に走っていった。 和「パージ……! 速い!! くそっ」 和が迫り来る紬めがけて何度も砲撃を繰り返す。 しかし、紬は圧倒的速度をもってそれをぎりぎりのラインで回避し、さらに距離を詰める。 紬「いくらそれの威力が高くても! あたらなければどうということはないわ!!」 和「!」
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- 梓「おしっこ我慢大会ですか……」
698 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2011/05/10(火) 04:42:48.82 ID:GnS3XZev0 -
和「ならっ! モード変換! 拡散!」 バレルを右向きに回す。 次に銃口から出てきた弾は視界を埋め尽くすほどに細かく拡散し、無防備な紬に降り注いだ。 紬「きゃああああっ」 和「あはははははは! そういうの猪突猛進っていうのよムギ!」 してやったりと思っているのだろうか。 涙が浮かぶほどに高笑いする和。 和「さぁて止めにもう一発……」 しかし和の視界に映ったのは倒れこむ紬の姿ではなく、ただひたすらに金の髪をなびかせ突撃してくる彼女の姿だった。 和「な、そんな……なぜ倒れないの!」 紬「和ちゃん! 覚悟!!」
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- 梓「おしっこ我慢大会ですか……」
700 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2011/05/10(火) 04:52:56.05 ID:GnS3XZev0 -
大きく床を蹴り、一気に紬は距離をつめる。 そして狼狽している和のシューターの先に自らの銃口をぶつけ、発砲。 べキャリという嫌な音とともに和のシューターのバレルからフレーム部が吹き飛んだ。 そのまま弾は勢いをやや弱め、和の胸部に直撃。 和「……ッ!」 いくら弱まったとはいえ、いまだボクサーの渾身のストレートほどの威力をとどめる尿弾をモロに受けた和は、 何かを発することもできずに血反吐とともにその場に倒れこんだ。 紬「……和ちゃん……シューターは壊したよ。あとは、もうゆっくりしていいんだよ」 紬「斉藤……あとは、よろしく……むかえに……き」 和の拡散砲をもろにうけ、紬の全身からはおびただしい赤い液体が滴り落ちる。 しかし紬は自身の体の奥底からくる全能感に満たされ、その表情はどこか満足気であった。 やがてふらつくひざを折り、紬はぼやけた闇へと堕ちていった。
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- 梓「おしっこ我慢大会ですか……」
703 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2011/05/10(火) 05:02:53.16 ID:GnS3XZev0 -
【B号棟屋上】 ばあさん。どこ行きやがった。 律はこちらにむかって発砲を繰り返すさわ子を視界の端に捉えながらも、行方をくらましたとみを執拗に捜索していた。 律「あのばあさんはヤバイ……なんとか、私がひきつけねーと」 さわ子「おい、てめぇなんであたしのこと無視すんだコラ」 律「さわちゃんはシューター構えたら性格変わっちまうし、ほんとどうなってんだ」 律「澪は無事なのか!? 他のメンバーはどうなってる」 さわ子「おいデコっぱち!」 律「うるせぇ! あんたなんてほとんど相手にならねぇって!」 さわ子「っていうのはこれ受けてからにしやがれええ!」 さわ子の暴力的な尿弾が律の体の横を通り抜ける。 やはり性能はかなり高いようだ。 律「っぶねー。さすがに当たったら耐えれないな。おいさわちゃん! 生徒相手になにしてくれんだ」
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- 梓「おしっこ我慢大会ですか……」
705 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2011/05/10(火) 05:14:03.52 ID:GnS3XZev0 -
さわ子「しるかああ! もう生徒でもなんでもねー! 操り人形にならないならここで死にやがれええ!!」 律「本気かよ! っと、危ね!」 さわ子は容赦なく教え子へ殺意のこもった弾を撃ちこむ。 彼女の放つぼわりとした尿弾はみためとは裏腹にかなりの火力で、それた弾は森に着弾し木々の枝葉を吹き飛ばし地面をえぐる。 律「こりゃあやられる前にやるしかないか!」 律「へへ、相変わらずドラムスティックよりしっくりくるや」 律は両手に構えたシューターでまずはさわ子に小火力の牽制攻撃をしかける。 しかしどれもこれもかわされ、または撃ち落される。 律「腕はそれなりか……あとは……!」 律「さわちゃん! 私に勝てても迫る年波にゃ勝てないぜ」 さわ子「あ゙ーー? ぬぁ〜〜〜んだとーー!!」バビュンバビュン 律「へへ、ガンマンはいつでも冷静沈着に。それが絶対の条件だ」 さわ子「うるせー! てめぇはさっさと澪ちゃんとおんなじ所逝きやがれ!!」
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- 梓「おしっこ我慢大会ですか……」
706 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2011/05/10(火) 05:19:12.23 ID:GnS3XZev0 -
澪…… ピクッ 律「やめろ……いまは考えるな……私」 さわ子「残念だったなぁ! てめえの幼なじみは一撃でおだぶつだ! 塵になったんだよ!!」 律「う、うるせぇ……澪が簡単に死ぬもんか」 さわ子「会長のフルムーンシュートをモロにくらったんだ! 生きてるはずがねぇええ!!」 律「黙れ!!」 さわ子「どうしたぁ! 動きが鈍ってるぞ!!」 律「くっ」 激昂した一瞬の隙をつかれた。 右肩に直撃をうけ、思わず手放してしまったシューターが宙を舞う。 さわ子「くっくっく。いてぇだろ。打撲じゃすまねぇよなぁ!!?」 律「うが……いっつ……」
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- 梓「おしっこ我慢大会ですか……」
709 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2011/05/10(火) 05:34:37.17 ID:GnS3XZev0 -
なんだこの痛みは……まるで砲丸でもぶつけられたみたいだ。ちくしょうめ。 律はいままで経験したことのない痛みと恐怖で内心毒づく。 どうやらさわ子の方が一枚上手だったようだ。 彼女は激昂することで力を高めるタイプのガンマンで、 表面上では熱く燃え上がっているが、頭ではいたって冷静に大局を見つめることができる。 律「……なんだよ、折れてんのかこれ!?」 さわ子「あっはっはっは。二丁拳銃のてめぇが一丁になるってことは、もう戦力は半減以下だな」 律「かもな」 さわ子「なーに笑ってやがる」 律「いや……なんか、私やばくなると笑っちゃうタイプで」 さわ子「そういえば説教してるときもよく笑ってたな」 律「なぁさわちゃん。生徒と教師の間柄じゃん。そのよしみということでここは一つ」 さわ子「答えはノーだ」 律「じゃあハンデくれよハンデ! ほら、私もう左手しかシューターもってないし」
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- 梓「おしっこ我慢大会ですか……」
710 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2011/05/10(火) 05:45:17.76 ID:GnS3XZev0 -
さわ子「んー?」 律「な? な? 10秒だけ10秒だけでいいから!」 さわ子「まぁ少しくらい遊んでやっても」 律「ほらもう右手とかぷらぷら。ぶら〜ん」 さわ子「そりゃ可愛そうに。じゃあ次は左手な」 律「んでさぁもうこれ全然動かな……いわけねぇだろ」 さわ子が律の左手に狙いをつけた瞬間に、律は右手で腰の後ろに装着したシューターを手に取り、 さわ子の腹部めがけて発砲。 その尿弾はまっすぐ綺麗に飛び、容赦なくみぞおちをえぐる。 さわ子「ぐぉへっ……」 律「へへ」 さわ子「でんめぇ……」 律「スティックでもシューターでも、予備は持っておくもんだぜ。とくに私みたいなバトルスタイルの人間はな」 さわ子「……やる、じゃねぇか……げほっ」ガクッ
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- 梓「おしっこ我慢大会ですか……」
712 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2011/05/10(火) 05:48:57.38 ID:GnS3XZev0 - すごく頭回らないんでちょっと寝ます!
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- 【ショタ】ダメ…僕…男の子だよぉ…あ…んっ…【五月晴】
416 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2011/05/10(火) 07:43:48.46 ID:GnS3XZev0 - おはショタ
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- 梓「おしっこ我慢大会ですか……」
737 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2011/05/10(火) 11:42:25.67 ID:GnS3XZev0 -
律「……さわちゃん、自首するんだ。頼む、してくれ」 さわ子「なんだと……」 律「まだやりなおせる」 さわ子「知った風な口を!!」 律「お願いだよさわちゃん……さわ子先生!」 さわ子「……」 律「愉快で、優しかった先生に戻ってくれねーか……」 さわ子「教師は……世を忍ぶ仮の姿……」 律「じゃあ私らとすごしたあの学校生活は偽物だったっていうのかよ!」 さわ子「……」 律「ッ……!」 さわ子「りっちゃん、見事よ。あなたはいつもいつもチャラけたふりして冷静だった……ゲフ、ゲホ」 さわ子「私の見立てが甘かったようね。まぁここまで勝ち残ってるんだもの、強くて当然か……」 律「……」 さわ子「前線を退いたらあっという間に弱くなるものなのね……たったこんだけのダメージで、もう体が動かないもの」
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- 梓「おしっこ我慢大会ですか……」
744 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2011/05/10(火) 11:53:59.66 ID:GnS3XZev0 -
さわ子「さぁとどめをさしなさい。私だってガンマン。ガンマンシップに則った戦いをしたつもりよ」 律「……」 さわ子「お願い、最後は人殺しの兵器をつくる研究者ではなく、誇り高きガンマンとして死なせて」 律「……何いってんだ、こうなりゃどっちも救えねぇ人殺しだぜ」 さわ子「りっちゃん、かっこ良くなったわね。去年と比べると、顔が引き締まったというか、垢抜けたというか」 律「経験ってのは、人を加速度的に成長させる、それがよくわかったよ」 律「でもさぁ、これはいくらなんでもあんまりじゃねぇか。こんなことをしてガンマンの高みへ駆け上がるなんて私はごめんだ」 さわ子「優しいのね」 律「いいや、澪以上に根は臆病なだけさ」 さわ子「そう……ならもう言うことはないわ」 そうつぶやくとさわ子は自身のこめかみにシューターをあてる。 コツリという軽い音がする。 引き金を絞ったら間違いなく致命傷を負うだろう。 律「バッ!さわちゃん!! 死ぬ必要がどこにあんだよ!!」
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- 梓「おしっこ我慢大会ですか……」
746 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2011/05/10(火) 12:03:05.59 ID:GnS3XZev0 -
律はほとんど反射に近い恐ろしい速さで射撃した。 もちろん狙いはさわ子のシューターだ。 パワーをおさえて放たれた尿弾は正確に的中し、さわ子の手からシューターが吹き飛ぶ。 さわ子「……なぜ」 律「忘れんなって。私が早撃ちカチューシャ様だぞ」 さわ子「すごいわね……どっちみち私なんかじゃ、はなから敵わなかったのかも」 律「自責……あんた、悩んでたんだろ。ほんとにこれでいいのかって!」 さわ子「……」 律「だったら自殺なんて馬鹿げたことする前にやることがあんだろ!!」 さわ子「……」 律「生徒に説教させるなよ!」 さわ子「……」 律「自殺するくらい自分を責める前に! まずはみんなの未来に貢献してみせろ! あんたはそれができる人間だろ!!」 さわ子「……かもね」
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