- 杏子「あぁ、生きてやるさ。私はさやかにそう誓ったんだ!」
1 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2011/04/16(土) 10:06:27.32 ID:xBrmxCUf0 -
<prologue> とあるマンションの一室。 ここはかつてある少女が使用していた部屋だ。 中央に置かれたベッド、その傍らには椅子、壁際には机、クローゼット、部屋の隅には鏡。 部屋の中にはほのかに漂う生活のにおい。 そこに、丁度机に向かうようにして一人の少女が立っていた。 黒い髪を背中まで伸ばし、その目はどこか物憂げで、しかし力強い目をした少女。 彼女の左手には一つの黄色い髪留めピンと一本の黒いリボン、右手には一枚の写真が握られていた。 コトッ 黒髪の少女はリボンとピンを重ねるように机の上に置いた。 そして右手で持った写真をゆっくり眺めた。 その写真には2人の少女が互いに寄り添うようにして笑顔で写っていた。 写真の左には長い髪を後ろで束ねてポニーテールにした赤い髪の少女。 目尻が少しつり上がっており、笑顔のこぼれた口元からは八重歯が覗いている。 その隣には髪を肩の少し上ぐらいまで伸ばしたショートボブの青髪の少女。 満面の笑みを浮かべながら赤髪の少女と腕を組んで写っている。 これはその2人の少女を中心とした、小さなひとつの物語。
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- 杏子「あぁ、生きてやるさ。私はさやかにそう誓ったんだ!」
6 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2011/04/16(土) 10:09:18.94 ID:xBrmxCUf0 -
さやか「……」パチッ さやか「ん……」ムクリ さやか「ふぁ〜ぁ」ノビー さやか「もう朝か……」 杏子「……」スー さやか「!?」
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- 杏子「あぁ、生きてやるさ。私はさやかにそう誓ったんだ!」
7 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2011/04/16(土) 10:11:57.40 ID:xBrmxCUf0 -
さやか(な、何でこいつが隣で寝てんのよ!?) 杏子「……」クー さやか(ここあたしの部屋だよね?えっ、まさか一緒に寝てたの?) 杏子「ん……」パチッ さやか「ねぇ……」 杏子「……おっ、起きてたのかさやか」 さやか「起きてたのか、じゃないわよ。何であんたがここにいんのよ」 杏子「え?」 さやか「えっ?」
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- 杏子「あぁ、生きてやるさ。私はさやかにそう誓ったんだ!」
8 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2011/04/16(土) 10:14:09.13 ID:xBrmxCUf0 -
杏子「何言ってんだよ。いつものことじゃねーか」 さやか「はぁ?」 杏子「どーした?」 さやか「いつも?」 杏子「うん……そーだけど?」 さやか「いや……なんでもない」 杏子「そっか」ゴロン さやか(……どういうこと?)
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- 杏子「あぁ、生きてやるさ。私はさやかにそう誓ったんだ!」
9 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2011/04/16(土) 10:17:09.28 ID:xBrmxCUf0 -
さやか(いったん落ち着こう。えーっと……)キョロキョロ さやか(うん、間違いなくあたしの部屋よね) 杏子「なーさやかー、どうしたんだよ」ゴロン さやか「ううん、なんでもないの」 杏子「ふーん」 さやか「……」
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- 杏子「あぁ、生きてやるさ。私はさやかにそう誓ったんだ!」
10 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2011/04/16(土) 10:20:24.82 ID:xBrmxCUf0 -
さやか(おかしい。杏子がいるなんておかしい) さやか(泊まってたのかな?) さやか(……聞いてみよっと) さやか「そーいえば杏子が泊まりに来てたんだっけ?」 杏子「何言ってんだよ。一緒に暮らしてるじゃねーか」 さやか「そっかそっか…………って、はぁ!?」 杏子「あん?」
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- 杏子「あぁ、生きてやるさ。私はさやかにそう誓ったんだ!」
11 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2011/04/16(土) 10:23:16.21 ID:xBrmxCUf0 -
さやか(えぇぇええぇぇえええええ!?今なんて言ったこいつ!?) さやか(暮らしてる?同居?冗談でしょ!?) さやか(……そ、そうよ、冗談よね。何焦ってんだろあたし) さやか「もー冗談はやめてよね」 杏子「いやほんとだって。ボケてんのか?」 さやか「」
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- 杏子「あぁ、生きてやるさ。私はさやかにそう誓ったんだ!」
13 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2011/04/16(土) 10:26:15.75 ID:xBrmxCUf0 -
さやか(おかしい!本格的におかしい!!) さやか(いや、冗談よね。きっとそうよね。うん、そうだわ。からかってるのよ) さやか(えーっと、昨日杏子が泊まりに……) さやか(ん?昨日?昨日あたし何してたっけ……) さやか(えっと……昨日は…………) さやか(あれ……?) さやか(思い出せない……?) 杏子「?」
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- 杏子「あぁ、生きてやるさ。私はさやかにそう誓ったんだ!」
14 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2011/04/16(土) 10:28:48.09 ID:xBrmxCUf0 -
さやか(うー、ダメだ……何も思い出せない) さやか「ねぇ杏子、昨日さ……」 杏子「それよりオメー学校は?」 さやか「えっ……い、今何時?」 杏子「ほい、時計」 さやか「やばっ!寝過ごしちゃった!」バッ
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- 杏子「あぁ、生きてやるさ。私はさやかにそう誓ったんだ!」
16 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2011/04/16(土) 10:31:12.82 ID:xBrmxCUf0 -
さやか「急がないと!」アタフタ 杏子「まぁ落ち着けよ」ポリポリ さやか「これが落ち着いてられっ……あんた何で制服着てんの?」 杏子「いやだって私も学校行くし」モグモグ さやか「はぁ?」 杏子「だから、私も学校行くんだよ」ゴクン
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- 杏子「あぁ、生きてやるさ。私はさやかにそう誓ったんだ!」
17 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2011/04/16(土) 10:34:18.20 ID:xBrmxCUf0 -
さやか「あんた学校なんか行ってないって……」 杏子「行ってるっての。この年で学校行かねーとかどんなだよ。私は不良か」 さやか「いやだって……」 杏子「いいからとっとと朝飯食って着替えろよ」 さやか「……あんた朝ごはんは?」 杏子「私はいつも朝はお菓子じゃん。マジでボケてんのか?」 さやか(いつもって……もうわけわかんない……)
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- 杏子「あぁ、生きてやるさ。私はさやかにそう誓ったんだ!」
19 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2011/04/16(土) 10:36:45.94 ID:xBrmxCUf0 -
・・・ 杏子「よしっ、準備OK。行こーぜ!」 さやか「うん……」 杏子「何だよ、元気ねーな」 さやか「え?ちょ、ちょっと寝不足なだけよ」 杏子「そっかー」アムアム さやか(おかしい……何かおかしい)
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- 杏子「あぁ、生きてやるさ。私はさやかにそう誓ったんだ!」
20 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2011/04/16(土) 10:39:18.48 ID:xBrmxCUf0 -
さやか(何がどうなってるのよ……) さやか(杏子って学校なんか行ってなかったわよね……) さやか(それになんかあたかも一緒に住んでるみたいな口ぶりするし……) さやか(てゆーか暮らしてるとか言ってたような……まさか冗談じゃないの?) さやか(……直接聞いてみよ) さやか「杏子」 杏子「ん?」 さやか「あたしたちって一緒に住んでたっけ?」 杏子「え?」 さやか「えっ?」
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- 杏子「あぁ、生きてやるさ。私はさやかにそう誓ったんだ!」
22 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2011/04/16(土) 10:42:25.42 ID:xBrmxCUf0 -
さやか「あたし何か変なこと言った?」 杏子「いや、言ってない。言ってねーな、うん」 さやか「? で、どうなの?」 杏子「住んでるよ。当たり前だろ?今さら何言ってんだよ」 さやか「はっ?」 杏子「へ?」 さやか「いやそんなわけないでしょ」 杏子「いやそんなわけあるから」 さやか(どうなってるの……?)
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- 杏子「あぁ、生きてやるさ。私はさやかにそう誓ったんだ!」
23 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2011/04/16(土) 10:45:25.53 ID:xBrmxCUf0 -
杏子「なーさやか、今日のオメー朝からなんか変だぞ?」 さやか「変?あたしが?」 杏子「うん。なんか私がいるのがダメみたいな話し方するし……」 さやか「そ、そんなんじゃなくてただあたしは……」 杏子「……」ジワッ さやか「え、何で泣くの?あたしのせい?えっ?」アセッ 杏子「だって……今までずっと一緒に暮らしてたのに、今日になって突然…………」グスッ さやか(やばい!どうにかしないと……)
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- 杏子「あぁ、生きてやるさ。私はさやかにそう誓ったんだ!」
24 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2011/04/16(土) 10:48:31.59 ID:xBrmxCUf0 -
さやか「な、なーんちゃって!」 杏子「え?」グシッ さやか「さやかちゃんのドッキリ大作戦でした!」 杏子「……」ポカーン さやか(は、外したかっ!?) 杏子「……何だよー騙されたじゃんかよー」チェー さやか「へへっ」 さやか(セーフ…………何かよくわかんないけど、とりあえず向こうに合わせて様子を見てみるか) 杏子「……」
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- 杏子「あぁ、生きてやるさ。私はさやかにそう誓ったんだ!」
25 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2011/04/16(土) 10:51:30.93 ID:xBrmxCUf0 -
まどか「おーい!杏子ちゃーん、さやかちゃーん」フリフリ さやか「まどか?」クルッ 杏子「おーす」 タッタッタ… まどか「ごめんね、遅くなっちゃって」 杏子「別に走んなくてもよかったんだぜ?」 まどか「えへへ……」 さやか「ねぇ、まどか」 まどか「うん?」 さやか「いや……なんでもない」 まどか「……」
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- 杏子「あぁ、生きてやるさ。私はさやかにそう誓ったんだ!」
27 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2011/04/16(土) 10:54:29.00 ID:xBrmxCUf0 -
杏子「早く行こーぜ、遅れちまうぞ?」 まどか「そうだね。行こっ、さやかちゃん」 さやか「ね、ねぇまどか。ひとついいかな?」 まどか「どうしたの?」 さやか「あたしたちっていつもこの3人でこうやって登校してたっけ?」 まどか「え?」 さやか「えっ?」
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- 杏子「あぁ、生きてやるさ。私はさやかにそう誓ったんだ!」
28 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2011/04/16(土) 10:57:44.21 ID:xBrmxCUf0 -
まどか「どういうこと?」 杏子「こいつ朝からこの調子なんだよ」 まどか「まさか……」 杏子「!」 さやか「まさか?」 杏子「おい……」 まどか「記憶喪失とか?」 さやか「へ?」
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- 杏子「あぁ、生きてやるさ。私はさやかにそう誓ったんだ!」
31 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2011/04/16(土) 11:00:22.36 ID:xBrmxCUf0 -
まどか「……」 さやか「……」 杏子「ぷっ……あっはっはっは!何だよそれ!」ケラケラ まどか「なーんてね、冗談だよー」 さやか「……?」 杏子「ほら、ふふっ……早く行こうぜ」ハハッ まどか「うん」 さやか(はぐらかされたような……)
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- 杏子「あぁ、生きてやるさ。私はさやかにそう誓ったんだ!」
33 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2011/04/16(土) 11:03:22.74 ID:xBrmxCUf0 -
さやか「そういえばさ、仁美は?」 まどか「え?」 杏子 「え?」 さやか「な、何よ……」 杏子「ったく……オメー本当に記憶飛んでんのか?」 まどか「仁美ちゃんは朝に委員の仕事があるから、しばらく早めの登校になるって言ってたじゃん」 さやか「そ、そっかー。そうだったね」 杏子「ほらっ、急がねーとマジで遅刻だぞ」ダッ まどか「ほんとだ!さやかちゃん、急いで」ギュッ さやか「え、うん……」タッ
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- 杏子「あぁ、生きてやるさ。私はさやかにそう誓ったんだ!」
35 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2011/04/16(土) 11:06:21.96 ID:xBrmxCUf0 -
学校 杏子「じゃーまどか、頼んだぞ」 まどか「うん、任せて。また後でねー」フリフリ さやか「どこ行くの?」 杏子「くっ……私だけ違うクラスだからって…………」ギリギリ まどか「あんまりいじめちゃかわいそうだよ!」 さやか(杏子は別のクラスなんだ……) さやか「ご、ごめんごめん。杏子って反応が可愛いからいじりたくなっちゃうんだよねー」 杏子「なっ……///も、もう行くからなっ///」クルッ まどか「もう、さやかちゃんてば……」クスッ さやか(何とかなったみたいね……)
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- 杏子「あぁ、生きてやるさ。私はさやかにそう誓ったんだ!」
36 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2011/04/16(土) 11:09:29.30 ID:xBrmxCUf0 -
ガラッ まどか「あ、おはようほむらちゃん!」 ほむら「おはよう」チラッ さやか「えっ、あ、えと……おはよう?」 ほむら「……おはよう」 ガラッ 早乙女「さぁみなさん、席について!」 まどか「あわわっ」 さやか「……」
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- 杏子「あぁ、生きてやるさ。私はさやかにそう誓ったんだ!」
37 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2011/04/16(土) 11:12:24.45 ID:xBrmxCUf0 -
授業中 さやか(……とりあえず今の状況を整理してみよう) さやか(あたしは杏子と同居している……らしい) さやか(杏子も学校に通ってるけど、別のクラス) さやか(まどかは……いつも通りか。仁美もいつも通りかな。そして転校生……)チラッ ほむら「……」カリカリ さやか(さっきは普通に挨拶したけど、そんな仲だっけ……) さやか(何これ……全く別の世界に来たみたいな感じ………パラレルワールド、だっけ……?) さやか(あぁっ、わかんない!……でも自分で何とかするしかないわよね) さやか(んー、とりあえず今は様子見に徹しよう……)フム… まどか「……」
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- 杏子「あぁ、生きてやるさ。私はさやかにそう誓ったんだ!」
39 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2011/04/16(土) 11:14:49.55 ID:xBrmxCUf0 -
屋上 杏子「涼しいなー」ポリポリ 杏子「うーん……」 杏子「さやか、あいつ大丈夫かな」 杏子「心配なってきた……」 杏子「まぁでも……鹿目まどかも暁美ほむらもいるし、大丈夫か」 杏子「……」
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- 杏子「あぁ、生きてやるさ。私はさやかにそう誓ったんだ!」
40 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2011/04/16(土) 11:17:21.04 ID:xBrmxCUf0 -
QB「やっぱりここかい?」 杏子「!?」 QB「驚かせてしまったかな」 杏子「キュゥべえか……」 QB「僕はお呼びじゃなかったかい?」 杏子「いや、そーゆーわけじゃねーけど」 QB「うん?」 杏子「で、何しに来たんだよ」
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- 杏子「あぁ、生きてやるさ。私はさやかにそう誓ったんだ!」
41 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2011/04/16(土) 11:20:54.13 ID:xBrmxCUf0 -
QB「最終確認、かな」 杏子「へぇ……」 QB「……続けるんだね?」 杏子「……」 QB「僕には君たち人間の考えてることなんてこれっぽっちもわからない」 杏子「……」 QB「でもこの状態がいつまでも続くなんて……」 杏子「わかってるよ!」 QB「わかってるならいいけどね」 杏子「……」
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- 杏子「あぁ、生きてやるさ。私はさやかにそう誓ったんだ!」
42 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2011/04/16(土) 11:23:18.87 ID:xBrmxCUf0 -
QB「それより、どうだい?念願の美樹さやかとの暮らしは」 杏子「念願のって………まぁ、悪くねーな」 QB「普通ってことかい?」 杏子「……幸せってことだよ。言わせんな恥ずかしい」 QB「ま、僕にとっては別にどうでもいいことだけどね」 杏子「おい……」 QB「わかってるよ。僕はしばらく傍観に徹すればいいんだろ?」 杏子「……わりーな」 QB「……全く、君たちは本当にわけがわからないな」シュタッ 杏子「これでいいんだ、これで」 杏子「……いいんだよな、きっと」
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- 杏子「あぁ、生きてやるさ。私はさやかにそう誓ったんだ!」
43 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2011/04/16(土) 11:26:39.90 ID:xBrmxCUf0 -
休み時間 さやか「あー疲れた」グデー まどか「もーさやかちゃん、だらしないよ」 仁美「まどかさん?」 まどか「えっ、何かな?」 さやか「?」 仁美「あの、さっきから……」 まどか「ねぇ仁美ちゃん!」 仁美「何ですの?」 まどか「今日も習い事なの?」 仁美「えぇ、今日はお茶のお稽古ですわ」 さやか「へー。いつも大変だね」
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- 杏子「あぁ、生きてやるさ。私はさやかにそう誓ったんだ!」
44 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2011/04/16(土) 11:29:00.65 ID:xBrmxCUf0 -
まどか「辛くなったりしないの?」 さやか「確かに」 仁美「時々ありますけれど、やりがいもありましてよ?」 まどか「そっか……すごいね、仁美ちゃんは」 さやか「尊敬するわ」 仁美「ありがとうですわ……じゃあ私、ちょっとお花を摘みに行ってまいります」スタスタ さやか「……」 まどか「……」
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- 杏子「あぁ、生きてやるさ。私はさやかにそう誓ったんだ!」
46 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2011/04/16(土) 11:32:42.02 ID:xBrmxCUf0 -
さやか「ねぇ、まどか」 まどか「な、何かな……」 ほむら「まどか」 まどか「!?」 さやか「!?」 まどか「何?ほむらちゃん」 ほむら「今日帰りうちに寄ってくれないかしら?」 さやか「?」 まどか「え……でも…………」チラッ さやか「あーいいっていいって。行ってきなよ」 ほむら「ごめんなさいね、美樹さやか。今日はこの子を借りるわね」 さやか「まぁあたしの所有物じゃないし」 ほむら「そうね」クスッ さやか(……?)
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- 杏子「あぁ、生きてやるさ。私はさやかにそう誓ったんだ!」
47 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2011/04/16(土) 11:36:07.81 ID:xBrmxCUf0 -
ほむら「もうすぐ授業が始まるわね。また後で」スタスタ さやか「……」 まどか「……」 さやか「ねぇ、まどか。あたしって転校生とこんなに仲良かったっけ?」 まどか「同じクラスだもん。当然だよ!」 さやか「……そっか。そうだよね」 まどか「そうだよ」 さやか(なるほどね……)
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- 杏子「あぁ、生きてやるさ。私はさやかにそう誓ったんだ!」
48 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2011/04/16(土) 11:39:19.24 ID:xBrmxCUf0 -
授業中 さやか(……朝はスルーしたけど) さやか(あたし、記憶喪失なのかな……) さやか(何も覚えてないし、何も思い出せないし……) さやか(なぜか同居しててしかも学校に通ってる杏子、とげとげしくない転校生) さやか(まさか本当に別世界に………って、ないない。どこの電波少女よ) さやか(大体、まどかは普通だし) さやか(うーん………あたし、どこかで頭でも打ったのかな?) さやか(まぁいいや。昼休みにでも聞いてみよ)
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- 杏子「あぁ、生きてやるさ。私はさやかにそう誓ったんだ!」
50 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2011/04/16(土) 11:42:56.49 ID:xBrmxCUf0 -
屋上 杏子「あー眠い」ファーア 杏子「ん……そろそろ昼か」 杏子「昼飯買ってこなくちゃ。さやかの分も」 杏子「ちゃんと2人分の弁当作ろうと思ってたんだけどなー」 杏子「……」 杏子「……心配だ」 杏子「あいつら、うまくやってっかな……」 杏子「……」 杏子「……」シュタッ
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- 杏子「あぁ、生きてやるさ。私はさやかにそう誓ったんだ!」
51 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2011/04/16(土) 11:45:55.18 ID:xBrmxCUf0 -
昼休み まどか「お昼だー!」 ほむら「お昼ね」 さやか「あ……」 まどか「どうしたの?」 さやか「急いでたから、お弁当忘れちゃった……」 まどか「えっ?いつも杏子ちゃんが用意してくれてるんじゃなかったっけ?」 さやか「え?」 まどか「?」 さやか(そうだったんだ……なるほどね) さやか「あ、あー、そうだったね!あはは、ボーっとしてたよ!」 まどか「んもぅ、さやかちゃんってば」クスッ
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- 杏子「あぁ、生きてやるさ。私はさやかにそう誓ったんだ!」
52 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2011/04/16(土) 11:48:23.09 ID:xBrmxCUf0 -
ほむら「じゃあ屋上へ行きましょう?」 さやか「屋上?」 まどか「だって杏子ちゃんが待ってるよ?」 さやか(……つまりこれは、お昼ごはんはいつも杏子が屋上で用意してくれてるって解釈でいいのかな) まどか「?」 さやか「いやいやー、行かなかったらあいつどんな顔するかなってね」ニヤ まどか「かわいそうだよー」クスクス さやか(ふー……) まどか「ほむらちゃんも、行こっ」 ほむら「えぇ」
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- 杏子「あぁ、生きてやるさ。私はさやかにそう誓ったんだ!」
53 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2011/04/16(土) 11:51:38.46 ID:xBrmxCUf0 -
屋上 まどか「いただきまーす」 杏子 「いっただっきまーす!」 ほむら「いただきます」 さやか「……いただきます」 さやか(この3人になら記憶がないこと打ち明けても大丈夫かな……) さやか(まぁ、まどかと杏子は大丈夫だろうけど……)チラッ ほむら「……」パクパク さやか(まどかの話だと転校生とは仲が良いはずよね) さやか(……どうしようかな)
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- 杏子「あぁ、生きてやるさ。私はさやかにそう誓ったんだ!」
54 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2011/04/16(土) 11:54:29.16 ID:xBrmxCUf0 -
まどか「さやかちゃん元気ないね。体調悪いの?」 杏子「そ、そうなのかさやか?」アセッ ほむら「ビオフェルミンならあるわよ?」スッ さやか「だ、大丈夫だよ!へーきへーき」 さやか(でもこの3人なら、あるいは……) まどか「ほんとに?」 さやか「……身体は大丈夫。だけど、ひとつ悩んでることがあるの」 まどか「!?」 杏子 「!?」 ほむら「!?」 さやか「……笑わないで聞いてね」
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- 杏子「あぁ、生きてやるさ。私はさやかにそう誓ったんだ!」
55 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2011/04/16(土) 11:58:21.05 ID:xBrmxCUf0 -
杏子「記憶が……ない…………!?」 まどか「うそ……」 ほむら「……」 さやか「うん。何か全然思い出せないんだ……」 杏子「そ、それマジかよ!?」 まどか「さやかちゃん……」 ほむら「……」
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- 杏子「あぁ、生きてやるさ。私はさやかにそう誓ったんだ!」
57 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2011/04/16(土) 12:01:54.01 ID:xBrmxCUf0 -
杏子「ってことは朝のアレは……」 さやか「うん、そういうこと」 まどか「そうだったんだ……」 ほむら「ふむ……」 さやか「……病院とか行った方がいいのかな」 まどか「!?」 杏子「行く必要なんかねぇ!」 さやか「え?」 杏子「あ、いや……その、ど、どこから覚えてねーんだよ?」 さやか「んーとね……」
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- 杏子「あぁ、生きてやるさ。私はさやかにそう誓ったんだ!」
59 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2011/04/16(土) 12:04:24.17 ID:xBrmxCUf0 -
ほむら「とりあえず、全部が全部失われたわけではないようね」 まどか「そうみたいだね。よかったぁ……」フラッ さやか「ま、まどか!?」ガシッ まどか「えへへ……安心したら気が抜けちゃった。ありがと、もう大丈夫だよ」 ほむら「まどか……」 まどか「ほんとに大丈夫。ありがとうほむらちゃん」 杏子「とにかく、私らのことは覚えてるみたいだな?」 さやか「そうみたい。でもあたしが杏子と同居してたなんて……」 杏子「覚えてないのかー」ガックリ ほむら「……」
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- 杏子「あぁ、生きてやるさ。私はさやかにそう誓ったんだ!」
60 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2011/04/16(土) 12:07:53.90 ID:xBrmxCUf0 -
さやか「そ、そんなに落ち込まなくても……」 杏子「ショックだー!」ウガー さやか「てゆーかあたし、転校生ともこんなに仲良かったっけ?」 ほむら「あら、心外ね」 さやか「あ、いや、そういうつもりじゃなくて……気を悪くしたなら謝るよ」 ほむら「冗談よ」フフッ まどか「……」
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- 杏子「あぁ、生きてやるさ。私はさやかにそう誓ったんだ!」
61 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2011/04/16(土) 12:10:23.19 ID:xBrmxCUf0 -
杏子「まぁいいじゃねーか。日常生活に支障をきたすわけでもなさそーだし。病院行くほどのことでもねーよ」 さやか「うん……」 杏子「普段の生活は私が全面的にサポートすっから!その、い、一緒に住んでるわけだし……///」 さやか「杏子……」 まどか「そうだね。何か困ったことがあったらいつでも頼ってね!親友なんだから!」 さやか「まどか……」 ほむら「私もできる限りのことはするつもりよ」 さやか「転校生……」 さやか「みんな……ありがとう」
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- 杏子「あぁ、生きてやるさ。私はさやかにそう誓ったんだ!」
63 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2011/04/16(土) 12:13:43.79 ID:xBrmxCUf0 -
キーンコーンカーンコーン まどか「あっ、予鈴だ!」 ほむら「そろそろ教室に行きましょう」 まどか「行こっ、さやかちゃん」 さやか「あ、うん……」 杏子「さやか!」 さやか「え、何?」 杏子「放課後迎えに行くから。一緒に帰ろうぜ」 さやか「……うん!」
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- 杏子「あぁ、生きてやるさ。私はさやかにそう誓ったんだ!」
64 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2011/04/16(土) 12:16:26.08 ID:xBrmxCUf0 -
ほむら「佐倉杏子」 杏子「あん?」 ほむら「ちょっと」 さやか「?」 ほむら「まどか、美樹さやかと先に教室に行っててくれないかしら」 まどか「おっけー。行こっ、さやかちゃん!」ギュ さやか「えっ、あ、うん……」 タタタタ… ほむら「……」
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- 杏子「あぁ、生きてやるさ。私はさやかにそう誓ったんだ!」
66 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2011/04/16(土) 12:19:42.85 ID:xBrmxCUf0 -
廊下 さやか「何だったんだろう、杏子と転校生……」 まどか「気になるの?」 さやか「え、あ、いや、そういうんじゃなくてただ単に……」 まどか「へ〜」ニヤニヤ さやか「違うってもー、まどかぁ!」ウリャー まどか「逃げろー」タタッ さやか「待てー!」ダッ
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- 杏子「あぁ、生きてやるさ。私はさやかにそう誓ったんだ!」
67 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2011/04/16(土) 12:22:23.37 ID:xBrmxCUf0 -
屋上 杏子「で、何だよ」 ほむら「あなた、このまま続ける気?」 杏子「…………あぁ」 ほむら「私はあの時反対したはずよ」 杏子「……そう、だったな」 ほむら「こんなこと、許されない」 杏子「わかってるよ……」 ほむら「わかってない。あなたは最愛の人を騙してるのよ?」 杏子「……」
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- 杏子「あぁ、生きてやるさ。私はさやかにそう誓ったんだ!」
69 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2011/04/16(土) 12:26:35.35 ID:xBrmxCUf0 -
ほむら「あなたの気持ちもわからなくもないわ。でも、やっぱりこれはやりすぎ……」 杏子「わかってるっつってんだろ!」バン ほむら「……まぁ、いいわ。くれぐれも言っておくけど、私はまどかが」 杏子「それもわかってる。お前はただ鹿目まどかに協力してるだけだろ?」 ほむら「そう、私にとってはまどかが全てなの。まどかがやるって言うからわざわざ演技してるのよ?」 杏子「演技……か」 ほむら「慣れないことをするのは難しいわ」 杏子「……恩に着るよ」
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- 杏子「あぁ、生きてやるさ。私はさやかにそう誓ったんだ!」
70 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2011/04/16(土) 12:33:28.45 ID:xBrmxCUf0 -
ほむら「私の言いたいことはそれぐらいよ。それじゃ」スタスタ 杏子「待てよ」 ほむら「何?」クルッ 杏子「……私にとってのさやかは、お前にとっての鹿目まどかみたいなもんなんだよ」 ほむら「……」 杏子「あいつがいないと……ダメなんだよ…………生きて……一緒に…………」ジワッ ほむら「……知ってるわ。じゃないとここまでするはずないじゃない」 杏子「お前……」 ほむら「ふふ……」
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- 杏子「あぁ、生きてやるさ。私はさやかにそう誓ったんだ!」
72 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2011/04/16(土) 12:38:39.70 ID:xBrmxCUf0 -
ほむら「でもこれだけは覚えておいて。物事には必ず終わりが来る」 杏子「キュゥべえにも同じこと言われたよ」 ほむら「そう?悔しいけれど、これは真理なの」 杏子「……そう、だな」 ほむら「美樹さやかがもし記憶を取り戻したとしたら、その時は……」 杏子「その覚悟はできてる。そう言っただろ?」 ほむら「ならいいわ。あぁ、あと」 杏子「まだあんのかよ」 ほむら「あなた、学校に通ってるなんて嘘、よくしゃあしゃあと言えたわね」
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