トップページ > ニュー速VIP > 2011年03月10日 > bVYojDJZO

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以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
唯「ムーンライトシンドローム」

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唯「ムーンライトシンドローム」
21 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2011/03/10(木) 00:00:02.99 ID:bVYojDJZO
唯「!!」

律「なんだよそれ、こえぇな〜……」ブルッ

梓「……私も噂で聞いたくらいですから。本当に頭が見つかってないのかは知りません」

梓「噂好きな誰かが、話を大きく怖くして楽しんでいるだけの可能性もあります」

唯「……」

澪「ま、ま……まったく、く」ガタガタ

梓「まあ、この話はあまり気にしない方がいいと思いますよ」

唯「そう……だね、うん」

唯(頭が……見つかっていない?)
唯「ムーンライトシンドローム」
22 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2011/03/10(木) 00:04:37.21 ID:bVYojDJZO
律「……あ〜。止めた止めた。今日は部活中止にしようぜ」

紬「そうね、なんだかちょっと不気味だわ……」

澪「う、うん……」

律「帰ろうぜ。なんか……な」

ヒソヒソ

ヒソヒソ

唯(学校の空気が、なんだか重い……)

唯「ムーンライトシンドローム」
23 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2011/03/10(木) 00:08:06.28 ID:bVYojDJZO
唯「……ただいま」ガチャ

シ-ン

唯「憂はどうしたんだろ。買い物かな……」

唯「ふぅ、なんか疲れちゃった」

唯「首から上が……ね」

……。

『危険が迫っているんですよ……』

唯「っ!」

唯「……あの変な人の仕業なのかなぁ」


唯「ムーンライトシンドローム」
24 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2011/03/10(木) 00:10:00.35 ID:bVYojDJZO
唯「……」

唯「あ、そうだ。憂から受け取った名刺……」

ピラッ

唯「もしかしたらこれが、あの人の電話かな?」

唯「……どうしよう」

電話をかけようか。

それともかけないか……。

唯「どうしよう……」
唯「ムーンライトシンドローム」
26 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2011/03/10(木) 00:16:39.27 ID:bVYojDJZO
唯(よしっ、思いきって電話してみよう)

唯(携帯で……っと)

ピッピッピッ

プルルルル プルルルル プルルルル

唯「出ないなぁ……」

プルル……ガチャッ

唯「あ、も、もしも……」

『ぁぁ……』

唯「……?」

唯「ムーンライトシンドローム」
27 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2011/03/10(木) 00:17:58.59 ID:bVYojDJZO
『……入場料は二千円は二千円』

唯『あ、あの、すいませんけど……』

『夜からイベントやってるよイベントやってるよ』

『地下で待ってるよ待ってるよ』

唯『あ、あの……』

『うへへへへぇ……』

プツッ

ツーツー

唯「……」

唯「今の……なに?」
唯「ムーンライトシンドローム」
28 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2011/03/10(木) 00:23:48.87 ID:bVYojDJZO
唯「よく聞こえなかったけど、地下ってどういう事だろう……」

唯「イベント? よくわかんないや……」

唯「ああ、もう」

憂「どうしたのお姉ちゃん」ヒョコッ

唯「わあああっ!」

憂「あははっ、そんなに驚かないでよ。お買い物袋落としそうになったじゃん」クシャッ

唯「ご、ごめん。ちょっとボーッとしてたから……」

憂「すぐご飯にするからね〜」クシャッ

唯(お買い物……紙袋なんて珍しいな。ビニールじゃないんだ)

憂「今日はカレーだよ、お姉ちゃん」

唯「う、うん……」
唯「ムーンライトシンドローム」
29 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2011/03/10(木) 00:30:09.75 ID:bVYojDJZO
次の日

唯「ねえみんな。地下ってお店知らない?」

律「はぁ、どうしたんだよいきなり」

梓「新しいゲーセンとかですか?」

唯「ううん、そんなんじゃなくてさ……何かイベントのあるお店なんだけど」

唯「ムギちゃんとか、何か知らない?」

紬「さあ? 私にもさっぱり……」

唯「う〜ん……」

バタン

さわ子「……」

唯「ムーンライトシンドローム」
30 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2011/03/10(木) 00:32:48.60 ID:bVYojDJZO
唯「あ、さわちゃんだ」

紬「あら先生。今お茶をいれ……」

さわ子「お茶はいらないわ。平沢さん、ちょっといいかしら?」

唯「へ? 私?」

律「あのさわちゃんがお茶を断るなんて……」

唯「あの、私何かしましたっけ?」

さわ子「いいから来なさい。さあっ」グイッ

唯「い、いたいよさわちゃん。手引っ張らな……」

バタン

律「……」

澪「何か、あったのかな?」

梓「さあ……」

紬「でもただ事じゃなかったわね。あの表情は」

律「お説教かな?」


唯「ムーンライトシンドローム」
31 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2011/03/10(木) 00:36:45.52 ID:bVYojDJZO
さわ子「平沢さん」

唯「は、はい……(ううっ、なんかすごい怒ってる?)」

さわ子「さっきの話、どこで聞いたの?」

唯「え……え?」

さわ子「とぼけないで。さっき言ってたでしょ、地下って」

唯「先生、知ってるの!?」

さわ子「質問してるのは私よ。どこで聞いたの?」

唯(いつもの先生と違う……)

唯「ムーンライトシンドローム」
32 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2011/03/10(木) 00:40:20.30 ID:bVYojDJZO
さわ子「平沢さん」

唯「……えっと、この電話番号です」

さわ子「……やっぱり」

唯「え? やっぱりって知ってるの?」

さわ子「……」

唯「お願い先生、教えて! 私、知りたいんだよ!」

さわ子「……このお店はね」

さわ子「クラブよ。音楽を流して、踊ってお酒を飲む……そういうお店よ」

唯「なあんだ、未成年の私には関係ないお店だっ……」

さわ子「表向きは、ね」

唯「えっ……」
唯「ムーンライトシンドローム」
34 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2011/03/10(木) 00:44:53.56 ID:bVYojDJZO
さわ子「裏では覚醒剤や大麻が蔓延る……危険が集まるお店なの」

さわ子「あなたがお店の事を話してたのが聞こえて……もしかしたらって思ったの」

さわ子「でも何もないみたいでよかったわ」

唯「そんなお店だったんだ……」

唯「……どうして先生がその事を?」

さわ子「昔ね、よくそこに通っていたの。あ、もちろん薬には手を出してないわよ?」

さわ子「あの頃は私も迷走しててね……ついフラッとあの地下へ吸い寄せられちゃうの」
唯「ムーンライトシンドローム」
35 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2011/03/10(木) 00:48:33.61 ID:bVYojDJZO
唯「そうだったんだ……」

さわ子「でも、どうしてお店の番号を知っていたの?」

唯「いつの間にか、名刺を持っていたみたいで……全然わかんないんです」

唯「変な人に、私には危機が迫ってるとか言われて、事故で私そっくりな人が死んだり……」

唯「私、なんだか怖くて……」

さわ子「……」

唯「何か些細な事でも安心が欲しくて……」

さわ子「そう。理由はわかったわ」
唯「ムーンライトシンドローム」
36 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2011/03/10(木) 00:51:19.94 ID:bVYojDJZO
さわ子「でもね、このお店は危険過ぎるの。だからね、もうこの話は忘れて、ね?」

唯「でも……」

さわ子「代わりに、私がそのお店をしらべてきてあげるから」

唯「えっ、先生が?」

さわ子「ええ、唯ちゃんは未成年だし……何かあったら危ないでしょ?」

さわ子「大人の私なら、大丈夫よ」

唯「でも……」
唯「ムーンライトシンドローム」
38 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2011/03/10(木) 00:55:21.09 ID:bVYojDJZO
さわ子「心配しないで。何度も通ったお店だから大丈夫よ」

唯「……はい」

さわ子「ふふっ、わかればよろしい。何かわかったらちゃんと教えるからね」

さわ子「あ、一応その通り魔っぽい人の顔とか教えておいて……あとはね……」

唯「……」

この数日の出来事と、しらべて欲しい事を全て伝えた。

さわ子「うんっ。じゃあ早速今夜行ってみるわね」

さわ子「安心して、待ってなさい」
唯「ムーンライトシンドローム」
39 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2011/03/10(木) 00:56:10.25 ID:bVYojDJZO
>>37
とりあえず眠気が限界になるまでは
唯「ムーンライトシンドローム」
43 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2011/03/10(木) 01:03:39.87 ID:bVYojDJZO
唯(そういった、先生の顔は笑顔でした)

唯(私はその笑顔を見送って……学校を後にしました)

唯(先生が地下に潜った事を知っているのは、私だけ)

唯(もっとその笑顔を記憶に焼きつけておけばよかったな)

唯(なぜか?)

唯(……だって、今夜は満月だから)

唯(月の光に魅せられて)

唯(人の心は狂気に満ちる)

唯(ムーンライトシンドロームだからです)

……。
唯「ムーンライトシンドローム」
45 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2011/03/10(木) 01:11:42.46 ID:bVYojDJZO
さわ子「……」

立ち番「……チケット」

さわ子「『買いに来た』だけなの。チケットは無いわ」

立ち番「あ? もしかしてサツ?」

さわ子「サツがボンテージなんて着て潜っかよ」ボソッ

立ち番「……それもそっか」

ピッ

立ち番『客。ああ、大丈夫。頼むよ』

……ガタン(エレベーター)

立ち番「あんた、初めてじゃないよね? にじみ出てるよ」

さわ子「ファック」

立ち番「ヒュー」

……ガタン
唯「ムーンライトシンドローム」
47 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2011/03/10(木) 01:16:36.04 ID:bVYojDJZO
さわ子(この格好も久しぶりね……)

さわ子(地下から響くこの重低音……懐かしいわぁ)ゾクゾク

さわ子(……と。いけない、唯ちゃんに関係する情報を探すのよね)

……チン

さわ子「さて……」

受付の男「……入場二千円。再入場とドリンクは別だ」

さわ子(変わってないわ、ね)

スッ

受付の男「……どーぞ」

さわ子「サンキュー」

隣の男「……」ドロッ

さわ子(ああ、やってる目してる)
唯「ムーンライトシンドローム」
48 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2011/03/10(木) 01:20:47.41 ID:bVYojDJZO
さわ子(……)ツカツカ

隣の男「……俺さぁ」

隣の男「こんな汚ねえコンクリートに囲まれたままで一生終えるのかなあ」ドロッ

受付の男「おい、またその話かよ……」

隣の男「だってよぉ……いくらここに逃げて来たってよ。俺の借金は消えないんだぜ」

受付の男「お前……また借りたのかよ。もうキッパリ止めたって言ったじゃねえか!」

隣の男「ダメだよなぁ。ダメなんだよなぁ……ああ」ドロッ

受付の男「……」
唯「ムーンライトシンドローム」
49 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2011/03/10(木) 01:24:58.64 ID:bVYojDJZO
隣の男「そ、そうだ。そ、お、お前が金を貸してくれないから、俺は仕方なく借金してるんだぞ……」ブルブル

受付の男「おいおい。お前切れる時間早くねえか? もしかして、量を増やして……」

隣の男「う、ううっ」ゴクゴク

受付の男「やめろよ! お前、ソレを買うためにまた借金してるんだろ……いい加減やめろって……」

隣の男「い、いいんだよ。俺なんて、俺なんて」

隣の男「ああっ。落ち着くなあ、やっぱりコレは最高だ」ゴクゴク

隣の男「……」

さわ子(変わってないわ……ね)ツカツカ
唯「ムーンライトシンドローム」
50 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2011/03/10(木) 01:29:57.30 ID:bVYojDJZO
寝ている男「天使が見える……」グタァ

寝ている男「ああっ、最高だ……」

寝ている男「俺を踏んでくれよ、ボンテージの女神様」

寝ている男「……いや、天使だっけ」

寝ている男「ああっ、ヤバい。いいな、あんた」

寝ている男「でも人と話す時には寝そべってちゃいけねえよ。失礼ってもんだ」

寝ている男「いや、俺は女神と話してるんだったよな……」

寝ている男「……」

話しても反応が無い。

どうやら気を失ったようだ。

さわ子「……」

さわ子(ダンスフロアにでも行ってみるかな)
唯「ムーンライトシンドローム」
53 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2011/03/10(木) 01:35:04.82 ID:bVYojDJZO
フロア移動

さわ子「……」

地味な女性「ねえ、一人?」

地味な女性「お姉さん。私に夜遊び教えてよ……」

地味な女性「今なら誰でもいい気分なんだ。男でも女でも……小学生でも」

地味な女性「ねえ、好きにしていいから……お願い、寂しいの」

さわ子(依存されても困るのよ)

地味な女性「お願い……」

さわ子「……」ツカツカ
唯「ムーンライトシンドローム」
54 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2011/03/10(木) 01:36:43.31 ID:bVYojDJZO
>>52
ムーンライトシンドローム、ってタイトルのPSソフト>元ネタ
唯「ムーンライトシンドローム」
56 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2011/03/10(木) 01:41:35.01 ID:bVYojDJZO
若い男「ねえお姉さん。俺らと一緒に遊ぼうよ」

若い女「三人で〜、楽しんじゃう、みたいな〜あはっ」

さわ子「ケツの青い餓鬼は腰振って踊ってな」ジロッ

若い女「ええ〜、マジデ〜、おこっちゃった〜みたいな〜きゃはっ」

若い男「フッ、心配すんな俺は最初からお前一筋だぜ」

若い女「きゃはっ」

さわ子「……」ツカツカ

さわ子(やっぱり、なかなか普通に話は聞けないみたいね)

……。
唯「ムーンライトシンドローム」
57 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2011/03/10(木) 01:48:00.42 ID:bVYojDJZO
さわ子「ふぅ……ちょっと休憩」スッ

「……ねえあなた」

さわ子「?」

「何か探し物かしら?」

さわ子「……別に」

「くすっ、嘘が下手なんだ。必死に探してるくせに」

さわ子「あぁ?」

「怖くないよ。それも嘘の顔だもの。その辺の餓鬼は騙せても、私は違うわ」

さわ子「……」

「そんなに怖い顔しないで。私、あなたとお友達になりたくて声をかけたの」

「ふふっ、まずは自己紹介ね。私、ヤヨイ。逸島ヤヨイ」

ヤヨイ「あなたは?」
唯「ムーンライトシンドローム」
58 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2011/03/10(木) 01:54:25.24 ID:bVYojDJZO
さわ子「……山中さわ子」

ヤヨイ「へえ、地味な名前。そんな格好からは想像出来ないわね」クスッ

さわ子「あんた一体、何者?」

ヤヨイ「別に、普通の人間。ふふっ、こういう場所にはよく来るの?」

さわ子「誤魔化さないでちょうだい。私の質問に答えて」

ヤヨイ「はぁ……ちょっと思い通りにならないと、すぐに怒る。人間て勝手よね」

ヤヨイ「……ここじゃあ話にくいわね。上で話しましょう」

ヤヨイ「バーで待ってる。またね、さわ子」スタスタ

さわ子「あ、ちょっと……!」
唯「ムーンライトシンドローム」
60 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2011/03/10(木) 01:57:04.79 ID:bVYojDJZO
さわ子「……なんなのよ、もう」

さわ子(バー……ね)

さわ子「……」スタスタ

さわ子(あ、携帯、電波ないんだ)

さわ子(地下だから当然か……)

さわ子(とにかく、バーへ行かなきゃ。あのヤヨイって言う子……なんか危ない匂いがするのよね)

さわ子(用心しないと……)
唯「ムーンライトシンドローム」
61 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2011/03/10(木) 02:03:02.82 ID:bVYojDJZO
バー

さわ子「……」スタスタ

痩せ細った女「ねえねえ聞いた? 例の事故の噂」

太った女「ああ〜、あの首がちょん切れちゃった事故ね。ちょ〜怖い〜」クスクス

痩せ細った女「しかも頭が見つかってないんだってね」

太った女「ニュースで写真見たけど、可愛い顔してたのにねえ。私たちには負けるけど〜」クスクス

痩せ細った女「大方、誰かが持って帰ったんじゃないの? ほら、口は使えるわけだから……」ニヤニヤ

太った女「ぎゃはははっ、それありえる〜」

痩せ細った女「でしょ〜。あ、口と言えばこの前ね……彼がマッサージ店に行った時〜……」

……。
唯「ムーンライトシンドローム」
62 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2011/03/10(木) 02:07:03.99 ID:bVYojDJZO
さわ子「……なによ、あの子いないじゃない」キョロキョロ

さわ子「そう言えば、もう一つフロアがあったわよね……そこかしら」

バタン

……バタン

さわ子「……あ」

ヤヨイ「遅かったのね。あんまり遅いんで逃げたのかと思ってた」

さわ子「あら、指定した場所と違うんじゃないの?」

ヤヨイ「遅いんだもん。さわ子はどんくさいわね、よく言われるでしょ?」

さわ子「……ええ、そりゃあもう」

ヤヨイ「ふふっ、やっぱりね」クスッ

さわ子(本当に何よ、この子)
唯「ムーンライトシンドローム」
65 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2011/03/10(木) 02:12:06.63 ID:bVYojDJZO
ヤヨイ「それで。見つかった?」

さわ子「……何がよ?」

ヤヨイ「決まってるじゃない。平沢唯に頼まれた事よ」

さわ子「えっ!」

さわ子(今、平沢唯って言った……どうして?)

ヤヨイ「何を驚いているの? 変なさわ子」クスッ

さわ子「どうしてあなたが、唯ちゃんの事を知っているのかしら……?」

さわ子「まさか、あなたが犯人?」

ヤヨイ「くすっ。そそっかしいんだね、さわ子は」
唯「ムーンライトシンドローム」
67 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2011/03/10(木) 02:19:27.11 ID:bVYojDJZO
ヤヨイ「犯人て、なんの?」

さわ子「それは……」

さわ子(つい勢いで言っちゃったけど……)

ヤヨイ「ふふっ、いいんだよ。私は気にしないから、さわ子とはもう友達だもん」

さわ子「……ねえ。あなたは何を知っているの?」

ヤヨイ「ふふっ、私は全てを知ってるよ。うん、知ってる」

さわ子「……?」

ヤヨイ「でも、私が平沢唯に直接手を下してるわけじゃないのよ。これは全て決まっている事」

ヤヨイ「だから、私たちは何もする必要ないの。ただ黙って運命を受け入れるしかないのよ」

ヤヨイ「私の言ってる事、わかるよね?」
唯「ムーンライトシンドローム」
68 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2011/03/10(木) 02:25:03.05 ID:bVYojDJZO
さわ子「一体何を言って……」

ヤヨイ「いいのよ、わからなくても。無理もない、当たり前の事よ」

さわ子「……もうお喋りも疲れたから単刀直入に聞くわね。唯ちゃんに何をしたのか、これだけ答えなさい!」

ヤヨイ「だから、頭が悪いんだねさわ子は。私は何もしていないってば」

さわ子「減らず口ばっかり……!」

ヤヨイ「怖い顔。いいじゃない、さわ子だって全てを知る人間なんだから」

さわ子「……何ですって?」

ヤヨイ「さわ子だって知っているでしょ。今回の事故の事、平沢唯に今起こっている事の正体が」

さわ子「何を言って……」
唯「ムーンライトシンドローム」
69 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2011/03/10(木) 02:29:32.41 ID:bVYojDJZO
ヤヨイ「例えばほら、これ」ガサッ

さわ子「何よそれ……紙袋?」

ヤヨイ「ふふっ、これさわ子にあげる。きっと気に入ると思うよ」ガサッ

さわ子「重い……それに、なんだか手触りが気持ち悪い……」ベチャッ

さわ子「一体これは……?」カサッ

ヤヨイ「ふふっ、わかるでしょ?」

さわ子(暗くて、よくわからないわね)

ヤヨイ「ほら、今持っているのが耳の辺り。綺麗な髪の毛してるでしょ?」クスッ

さわ子(まさか……)

人の頭?
唯「ムーンライトシンドローム」
70 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2011/03/10(木) 02:34:25.05 ID:bVYojDJZO
さわ子「ひ、ひいいいっ!」バッ

……ゴロンゴロン

ガサッ

ヤヨイ「あ〜あ、中身がはみ出ちゃった。全く、さわ子は乱暴なんだから」ガサッ

ヤヨイ「よしよし」ナデナデ

さわ子「な、な、生首を撫でて……お、おかしいわよアンタ!」

ヤヨイ「さわ子なら知ってるでしょ。この袋の中が首だって事、忘れたの?」ナデナデ

さわ子「……もしかしてその首は。唯ちゃんにそっくりなあの……」

ヤヨイ「ほら知ってた。それを投げるなんてひどいよ。こんなに可愛い顔してるのに」ポンポン

さわ子「……アンタおかしい。確実に変よ」

唯「ムーンライトシンドローム」
72 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2011/03/10(木) 02:39:04.00 ID:bVYojDJZO
さわ子「その首……唯ちゃんと何か関係があるの!?」

ヤヨイ「……」ナデナデ

さわ子「答えなさい!」

ヤヨイ「もう、知ってるくせに」

さわ子「またそれ……私は何も知らないの。それが唯ちゃんと関係がある事だったら、私は……」

さわ子「私は一刻も早くそれを唯ちゃんに教えてあげないと」

ヤヨイ「唯ちゃんに? それは無理よ。だってあなた、ここで死んじゃうんですもの」

さわ子「……は?」

ヤヨイ「あなたは全てを知りながら。唯ちゃんは何も知らないままに」

死ぬの
唯「ムーンライトシンドローム」
73 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2011/03/10(木) 02:44:33.59 ID:bVYojDJZO
さわ子「死ぬって……ちょっと!」

ヤヨイ「残念、もう時間みたい」

?「……」カチッ

さわ子「えっ」

ヤヨイ「さよなら、さわ子」

ボオオォォ!

ぎゃあああああぁぁぁ

ヤヨイ「ふふっ綺麗な炎」

ヤヨイ「でも、やっぱりスミオが一番綺麗に燃えた……」クスクス

……ーポー ピーポー ピーポー

ヤヨイ「唯……」

……。
唯「ムーンライトシンドローム」
74 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2011/03/10(木) 02:51:49.70 ID:bVYojDJZO
『……こちら現場です。身元の確認が終わっております……』

『焼死したのは冬葉スミオさん、今回のイベントを主催していたとの情報がはいっておりますが、詳しい事はまだわかっていません』

『また、イベントに参加していた他一名も死亡が確認されていますが、まだ身元はわかっておりません』

『証言によると、女性のようですが……詳しい事がわかり次第お知らせします。以上、中継現場からでした』

憂「……ボヤ騒ぎで死んじゃったなんて、怖いね」

唯「結構近くだもんね。夜の繁華街の辺りだからあまり馴染みはないけど……」

唯(さわちゃん大丈夫かな。なんだか不安だよ……)

憂「お姉ちゃん?」
唯「ムーンライトシンドローム」
75 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2011/03/10(木) 02:58:08.60 ID:bVYojDJZO
唯(ううん、さわちゃんならきっと大丈夫だよ)

唯(大丈夫……だよね)

憂「……」

次の日、さわちゃんが死んだというニュースを学校で聞きました。

死因は焼死。

昨日のニュースの中継現場で死んでいたのが、さわちゃんでした。

そして、ニュースと同時にこんな噂も聞きました。

証言をしていた人は『生首が袋に入っているのを見た』とも証言していたみたいですが……。

いくら現場を探しても、そんな物は見つからなかったという事です。

ああ、怖いなあ。

帰りの空には、満月がちょっと欠けた月が浮かんでいました。

月の狂気は、まだ終わらないのでしょうか?

私には、まだ何もわかりません。

……。
唯「ムーンライトシンドローム」
76 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2011/03/10(木) 03:02:19.39 ID:bVYojDJZO
変嫉 HENSHITU
唯「ムーンライトシンドローム」
77 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2011/03/10(木) 03:05:20.76 ID:bVYojDJZO
唯「あ、あずにゃ〜ん!」ギュッ

梓「にゃあ」


律「相変わらず仲がいいな〜お二人さんは」

唯「えへへ〜、あずにゃんあずにゃん」ギュッギュッ

梓「にゃあにゃあ」

律「もう将来は結婚だな結婚」

梓「にゃあ」

唯「えへへ〜、ありがとう……あれ、名前なんだっけ」

梓「にゃあ」

唯「でもあずにゃんがいればいいや!」ギュッ

梓「にゃあ〜」

〜〜〜〜

唯「ムーンライトシンドローム」
79 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2011/03/10(木) 03:09:13.11 ID:bVYojDJZO
澪「唯!」

唯「わっ、いきなりどうしたの澪ちゃん?」

澪「唯のために詩を作ったんだ! 聞いてくれ」

唯「えっ、本当に!?」

澪「ああっ。これを書いている途中、窓から火吹きドラゴンの群れに襲われてな」

唯「え……」

澪「燃えないパピルス印が施された紙だったからよかったものの、危うく詩が灰になるとこだったよ」

唯「あ、あの〜……澪ちゃん?」
唯「ムーンライトシンドローム」
81 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2011/03/10(木) 03:13:20.66 ID:bVYojDJZO
澪「あ、でも安心しろ! 使ったインクは大悪魔会でも評判の虹色インクなんだ!」

唯「……はぁ。それはすごいねぇ……」キョトン

澪「ふふっ、愛しい愛しい唯のために、498年間眠らずに作った甲斐があったというものだ」

唯(澪ちゃん、今日は寝てないのかな? それとも、言葉は詩の影響かな?)

澪「じゃあ読むぞ、聞いて下さい!」

澪「еЙφΡΓゐゐゐΦλАА」

〜〜〜〜〜〜
唯「ムーンライトシンドローム」
85 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2011/03/10(木) 03:18:26.91 ID:bVYojDJZO
純「あっ、お姉ちゃんおかえりなさい!」

唯「ただいま純。今日のご飯はな〜に?」

純「ふふっ、お姉ちゃんの大好きなカレーとチーズケーキの甘辛焼きだよ」

唯「やったあ!」

純「早く手を洗って来てね。お料理冷めちゃうからさ」

唯「は〜い」

憂「お姉ちゃん、アイス食べる?」

唯「うん、食べる食べる〜」

憂「えへへ、やっぱりお姉ちゃんはアイスだよねはい」

憂「美味しい?」

唯「美味しい〜」モグモグ

純「よかったぁ、お姉ちゃんのために朝から頑張って料理してたんだよ!」

唯「えへへ〜、私は幸せ者だな〜」
唯「ムーンライトシンドローム」
86 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2011/03/10(木) 03:22:23.26 ID:bVYojDJZO
唯「ねえ純」

憂「違うよ、私は憂だよ?」

唯「あ、ごめんね憂……」

純「は? なに言ってるのお姉ちゃん。憂ちゃんはクラスメートでしょ」

唯「ああ、そうだったね……あれ、そうだっけ?」

純「そうだよ」

憂「そうだよ」

純「お姉ちゃんに近付くあんな奴なんて」

憂「死んじゃえばいいんだよ」

唯「う〜ん……あ、ねえ」

「な〜に、お姉ちゃん」

唯「妹の名前って……何て言ったっけ?」

「ふふっ、それはね」

〜〜〜〜〜〜
唯「ムーンライトシンドローム」
88 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2011/03/10(木) 03:29:43.18 ID:bVYojDJZO
唯「……あれ。ここ、どこ?」

唯「……そっか。家に私帰る途中だっけ」スタスタ

唯「ん、あれ〜。あずにゃん、こんな所で何してるの」

梓「あ、あはははっ。唯先輩、今お帰りですか、あははっおかえりなさい」

唯「ん〜……あずにゃんどうしたのその格好。なんか赤黒い液体みたいなのが付着してるげと」

梓「何でもない、何でもないですよ。あはははははっ」

唯「ずいぶん楽しそうだね〜」

梓「あはははっ、そりゃあもう」
唯「ムーンライトシンドローム」
90 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2011/03/10(木) 03:35:06.24 ID:bVYojDJZO
唯「でもあずにゃん、私の家の方から来たよね?」

梓「あははっ、それがどうかしましたか? しましたか?」ケラケラ

唯「えっと……あ、もしかして憂と遊んでた?」

梓「遊んでたわけじゃないですよ、あはははっ。むしろ、助けてあげたんですよ」

唯「? どういう事?」

梓「唯先輩自分で言ってたじゃないですか。妹にばっかり頼ってちゃ自立出来ない〜って。あははっ」ケラケラ

唯「う、うん。確かに言ってたけど……」

梓「あははっ、だからね。そんな唯先輩の手助けですよ。あははっ、いやあ大変でしたよ」

梓「とにかく抵抗が激しくてね、私もちょっと傷になっちゃいましたよ。あはははっ」ケラケラ
唯「ムーンライトシンドローム」
91 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2011/03/10(木) 03:39:27.31 ID:bVYojDJZO
唯「傷に……?」

梓「ええっ。ほら、ここ。引っ掻かれちゃいましたよ、痛い痛い痛いあはははっ」ケラケラ

梓「まあ、三、四回刺したら大人しくなりましたけどね。あははは」

唯「え……」

梓「いやあ、意外と奥まで刺さんないもんですね。憂の奴、痛い痛いって叫んでましたよ」ケラケラ

唯「あずにゃん、もしかして……」

梓「あはははっ。まあ、これで唯先輩も晴れて一人暮らしですよ。よかったですね〜あはははっ」ケラケラ

唯「あず……さ……」
唯「ムーンライトシンドローム」
93 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2011/03/10(木) 03:43:03.14 ID:bVYojDJZO
梓「あ、ついでにね。隣のおばあちゃん……なんて言いましたっけか、あはははっ」

唯「ま、まさか……」

梓「まさに骨と皮でしたからね、あははっ。干物に包丁いれてるみたいで、アレはアレで楽しかったですよ」ケラケラ

唯「……」

唯「よくも私の大切なモノを……」

梓「あはははっ、言ったじゃないですか。手助けだって」

梓「これで唯先輩は立派な大人になったんですよ〜」ケラケラ
唯「ムーンライトシンドローム」
94 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2011/03/10(木) 03:46:31.28 ID:bVYojDJZO
→殺す
 殺さない

唯「……殺してやる」スッ

梓「あはははっ、あははははっ」ケラケラ

唯「お前なんか……こうして……!」ザクッ

梓「痛い、痛いですょぉ……唯先輩ぃ……」ケラケラ

唯「うるさい! 死ね! 私の大切なモノ……返せっ!」ドスッ

梓「うっ……」ガクッ

唯「……」

〜〜〜〜〜〜
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