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以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
('A`)が入山したら案の定衆道だらけだったようです

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('A`)が入山したら案の定衆道だらけだったようです
54 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2011/02/06(日) 00:05:33.31 ID:I5ZkQb6J0
('A`)「なんかつかめてきたぞ」

('A`)「あれだ、二人は仲がよろしくないんだろ」

(*゚ー゚)「まさしくその通りでして……」

(*゚ー゚)「お互いの悟りに対する認識の相違が大きな障害となっているのです」

(*゚ー゚)「噂では、雲水内で派閥にも別れているとか」

('A`)「マジかよ……ドロドロしてんな」

ゴーンゴーン

('A`)「お、鐘が鳴った」

(*゚ー゚)「そろそろ食事の時間というわけです」

(,,゚Д゚)パチッ

(*゚ー゚)「擬古和尚が目を開けました。くれぐれも粗相のないよう」

('A`)「いっ、いきなりそんなことを言われてもだな、君ィ」
('A`)が入山したら案の定衆道だらけだったようです
57 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2011/02/06(日) 00:11:02.12 ID:I5ZkQb6J0
(,,゚Д゚)スタスタ

('A`)(や、や、やべぇ、近づいてきた。威圧感半端ない)

('A`)(しかしこの人もイケメンだな……譲留和尚とはタイプは違うが……)

('A`)(なんていうかワイルドだな……)

(,,゚Д゚)「おい」

('A`)「ひゃ、ひゃはあいっ!」ビクンッ

(,,゚Д゚)「そなたではない。椎伊よ」

(*゚ー゚)「なんでございましょうか?」

(,,゚Д゚)「伴っているのは誰だ」

(*゚ー゚)「今日から修行道に入られる毒念さんです」

('A`)「え、まあ、そういうことです……」

('A`)(そのぐらい俺に直接尋ねたらいいだろ……)
('A`)が入山したら案の定衆道だらけだったようです
58 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2011/02/06(日) 00:16:19.77 ID:I5ZkQb6J0
(,,゚Д゚)「そうか」

(*゚ー゚)「これからどちらへ?」

(,,゚Д゚)「決まっておる。薬石だ。昏鐘が聴こえたのでな」

(*゚ー゚)「左様ですか。では私も後で本堂に向かいます」

(,,゚Д゚)「うむ」スタスタ

(*゚ー゚)「……行きましたよ」

('A`)「あああああ緊張したああああああ」

('A`)「あの人絶対俺とかいうどうしようもないゴミクズを受け入れてないよ……」

(*゚ー゚)「そんなことはないと思いますが」

('A`)「いいやあの目は確実に畜生を見つめるような目だった」

(*゚ー゚)「そこまで卑下しなくても……」
('A`)が入山したら案の定衆道だらけだったようです
61 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2011/02/06(日) 00:22:37.11 ID:I5ZkQb6J0
(*゚ー゚)「あとは直歳と都寺ですね」

('A`)「その前に椎伊は飯食いに行かないでいいのか?」

(*゚ー゚)「少し時間をずらします。諸梵和尚の言い付けなので」

('A`)(ええ子や……)

('A`)(ケツがますます引き締まって見える……)

(*゚ー゚)「廊下で薬石を頂きにいく僧とすれ違うと思いますが、会釈程度はお願いします」

('A`)「会釈ね。そんぐらいなら……ん?」

( ^ω^)「あ」

('A`)「……」

('A`)「……どうも」

( ^ω^)「……どうも」
('A`)が入山したら案の定衆道だらけだったようです
62 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2011/02/06(日) 00:26:47.19 ID:I5ZkQb6J0
( ^ω^)スタコラ

('A`)サッサ

(*゚ー゚)「あの、蓬莱和尚となにか?」

('A`)「……いや、別に」

(*゚ー゚)「そうですか。あっ、それより」

(*゚ー゚)「正面から直歳の兄蛇和尚が来ましたよ! 行きましょう!」タッタッ

( ´_ゝ`)「んー? なんだ椎伊じゃないか」

(*゚ー゚)「お勤めご苦労様です、兄蛇和尚」

( ´_ゝ`)「いや大して仕事なんてなかったんだが……それよりそいつ誰よ?」

('A`)「ど、どうも、本日から厄介になります毒念です」
('A`)が入山したら案の定衆道だらけだったようです
64 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2011/02/06(日) 00:35:03.13 ID:I5ZkQb6J0
(*゚ー゚)「兄蛇和尚は弟蛇和尚の実の兄です」

('A`)「どうりで顔が似てると思ったら」

('A`)(しかし弟蛇さんと比べたら筋肉質じゃないな)

(*゚ー゚)「毘譜寺の直歳ですね」

(*゚ー゚)「直歳とは叢林、つまり僧たちが暮らすこの寺院の修理や整備を担当なさっています」

('A`)「しっすいって名前の雰囲気はダントツかっこいいな」

(*゚ー゚)「六知事の一人ですね」

( ´_ゝ`)「六知事といっても一番下だからな。そう他の雲水と変わらん」

(*゚ー゚)「それは自虐が過ぎます。兄蛇和尚のおかげで私たちは安心して暮らせてるんですから」

(*゚ー゚)「皆が皆感謝していますよ」

( ´_ゝ`)「んなこたないよ」
('A`)が入山したら案の定衆道だらけだったようです
67 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2011/02/06(日) 00:41:14.06 ID:I5ZkQb6J0
( ´_ゝ`)「それより飯だ。二人とも早いとこ本堂に行くぞ」

( ´_ゝ`)「せっかく弟がうまい料理を作ってやってるんだからな」

(*゚ー゚)「毒念さんは入山前に昼食と同時にお召し上がりになっているそうなので」

( ´_ゝ`)「じゃあ椎伊だけでいいや。行こ行こ」

(*゚ー゚)「いえ、まだ都寺の荒巻和尚に会っていませんから」

( ´_ゝ`)「荒巻のおっさんはもう寝ちゃったよ。起きてたのは三時の茶礼までだった」

(*゚ー゚)「うう……なんとなく、予測はできていた事態ですが……」

( ´_ゝ`)「んじゃ大人しく食事しとけ」

(*゚ー゚)「はあ……そうですね。そうさせていただきます」

(*゚ー゚)「それでは毒念様」

('A`)「えっ? このタイミングで俺?」
('A`)が入山したら案の定衆道だらけだったようです
70 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2011/02/06(日) 00:47:47.83 ID:I5ZkQb6J0
(*゚ー゚)「私たちは本堂で薬石を頂いてきますので」

(*゚ー゚)「あとは解定……ええと消灯までの間ご自由になさってください」

('A`)「急に言われても何すりゃいいのか」

(*゚ー゚)「せっかくですので単に上がってみてはいかがでしょう?」

('A`)「一切の知識なしでやっていいのかよ……」

(*゚ー゚)「あくまでもひとつの案ですよ。本気になさらずにしてくださいな」

(*゚ー゚)「では、また明日の朝に」

( ´_ゝ`)「あー今日は味噌汁の具がわかめだったらいいなー髪欲しいよなー」スタスタスタ

('A`)「……」

('A`)「一人になった……」

('A`)「さて……どうしようか」
('A`)が入山したら案の定衆道だらけだったようです
72 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2011/02/06(日) 00:52:16.71 ID:I5ZkQb6J0
('A`)「手荷物とかもねぇし……運ぶものとか何もないな」

('A`)「完全にゼロからのスタートなわけだ」

('A`)「……んん?」

( ^ω^)「!」ビクッ

('A`)「……」スタスタ

( ^ω^)「……」

('A`)「蓬莱和尚」

( ^ω^)「な、なんですかな? 毒念殿」

('A`)「……ブーンでいいよな」

( ^ω^)「そうしてくれお。そっちのほうが気が楽だお」
('A`)が入山したら案の定衆道だらけだったようです
74 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2011/02/06(日) 00:56:50.35 ID:I5ZkQb6J0
('A`)「中学以来か」

( ^ω^)「てかなんでドクオがこんなところにいるんだお」

('A`)「こっちのセリフだろそりゃあ」

('A`)「お前こそなんで寺なんかにいるんだ。頭丸めてよー」

( ^ω^)「……出家したんだお。中学校卒業後」

('A`)「そういやお前高校行かなかったんだよな」

( ^ω^)「元々母子家庭だったし……それに母ちゃんも中二の時に死んだから」

( ^ω^)「ハナから進学は諦めてたんだお」

('A`)「だとしても仏教徒になるかねぇ。普通に働いたんでいいだろ」

( ^ω^)「生活できるならどこでもよかったんだお」

( ^ω^)「変にブラックな企業に勤めるぐらいなら寺のほうが安寧できるお」
('A`)が入山したら案の定衆道だらけだったようです
77 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2011/02/06(日) 01:00:54.03 ID:I5ZkQb6J0
( ^ω^)「そっちこそどうなんだお」

( ^ω^)「剃髪してないってことは僧になったというわけじゃなさそうだし」

('A`)「いや、俺は……単に修行目的で」

( ^ω^)「修行?」

('A`)「俺高校出てから就職もせずブラブラしててさぁ」

('A`)「四、五年ぐらいそうしてたらさすがに親もぶちきれて」

('A`)「この腐った心身を叩き直すために寺に入れられたわけよ」

( ^ω^)「戸塚ヨットスクール感覚かお」

('A`)「みたいなもんだ」

( ^ω^)「あれのせいで横浜市戸塚区がいわれのない中傷を受けたお」

('A`)「まったくの無関係なのにな」
('A`)が入山したら案の定衆道だらけだったようです
79 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2011/02/06(日) 01:07:10.28 ID:I5ZkQb6J0
( ^ω^)「何年寺にいるつもりなんだお」

('A`)「一応、三年」

('A`)「でもま、多分三年後には俺も出家の道を選んでると思うわ」

( ^ω^)「なんでだお?」

('A`)「だって現実世界に戻ったところで……」

('A`)「学歴なし職歴なし資格なしの男にマトモな就職口なんてあるわけないだろ……」

( ^ω^)「気が滅入る話はやめろ」

( ^ω^)「まあ二十代半ばでの出家なら早いほうだお」

( ^ω^)「決断としちゃあ悪くないと思うお」

('A`)「本当か!」

( ^ω^)「動機はともかくとして」
('A`)が入山したら案の定衆道だらけだったようです
82 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2011/02/06(日) 01:15:44.42 ID:I5ZkQb6J0
( ^ω^)「十代で入山した人たちは僕始め数人いる」

( ^ω^)「というか現在進行形でまだ十代の雲水もいるお」

( ^ω^)「だけど大半は人生の途中でつまずいて最終手段として寺に来る人ばかりだお」

( ^ω^)「いろんな人たちがやってくる。駆け込み寺とはよく言ったもんだお」

('A`)「中卒のくせにずいぶんと客観的な視野を持ってんな」

( ^ω^)「うるせえ」

( ^ω^)「けど六知事の方々はさすがにエリート揃いだお」

( ^ω^)「擬古和尚なんかはもっとも大悟に近い僧だと寺内じゃ評判だお」

('A`)「諸梵和尚じゃないのか?」

( ^ω^)「うちの管主は一番悟りから遠くにいる人だお」

( ^ω^)「あの人はもう通り過ぎちゃったんだお」
('A`)が入山したら案の定衆道だらけだったようです
84 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2011/02/06(日) 01:21:17.12 ID:I5ZkQb6J0
( ^ω^)「……とまあ、世間話はここまでにして」

( ^ω^)「夕ごはん食べてくるお」

('A`)「もう言っちゃうのか?」

('A`)(久々に会えてちょっと嬉しかったんだけどな……)

( ^ω^)「腹は減るんだおこっちだって」

( ^ω^)「大体お前口からニンニクの臭いがするんだお。挑発してんのかお」

('A`)「シメに食べたガーリックステーキは最高でした」

( ^ω^)「その想像だけで飯が食えそうだお」

('A`)「でもよ、お前、中学時代より大分ガタイよくなってんじゃん」

('A`)「肉や魚食ってないのになんでそんな筋肉付くんだよ」

( ^ω^)「畑の肉を甘く見るなお」
('A`)が入山したら案の定衆道だらけだったようです
86 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2011/02/06(日) 01:25:44.65 ID:I5ZkQb6J0
( ^ω^)「じゃっ、そういうことで」ピューッ

('A`)「行っちまった」

('A`)「さーてと……」

('A`)「ぶっちゃけ……寝るまでやることねぇよな……」

('A`)「消灯は九時だったか……小学校三年生みたいなライフスタイルだ」

('A`)「……」

('A`)「……少し体でも動かすか」

('A`)「せっかくの山なんだし斜面を上り下りしよう」

('A`)「……」ザッザッ

('A`)「二往復でばてた……俺どんだけ足腰弱いんだよ……」

('A`)「やめやめ。寝るまで時間を無駄遣いしてやる」
('A`)が入山したら案の定衆道だらけだったようです
87 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2011/02/06(日) 01:33:02.42 ID:I5ZkQb6J0
〜消灯後〜


('A`)「なんとなく流れで椎伊とブーンの間に布団を敷いてしまった」

( ^ω^)「ぐごおおおおおおおおおがぎおおおおおあああああ」

('A`)「こいつはもう寝てるし……」

('A`)「しかし九時か……下の世界じゃまだまだガンガン目が覚めてる時間だぜ」

(*゚ー゚)「私たちは三時に起きてますから、もう眠くて仕方ありません……」

('A`)「でもまだ袈裟を着たままの人がいるんだが」

(*゚ー゚)「あれは……ふわあ、夜座ですね。明かりを消した後も座禅を行うのです……」

('A`)「殊勝な連中だな……」

(*゚ー゚)「私などはまだ不徳ですから……ふみゅ……そこまではできません……」

(*゚ー゚)「おやすみなさい……」Zzz...

('A`)「寝つき早っ! まあそんだけ疲れてるってことなんだろうけど」
('A`)が入山したら案の定衆道だらけだったようです
91 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2011/02/06(日) 01:44:50.72 ID:I5ZkQb6J0
('A`)「俺もさっさと眠っちまおう」

('A`)「三時起床なんてめざましテレビの大塚さんクラスの大業だ」

('A`)「羊がいっぴーき羊がにひーき……ん?」

('A`)「なんか……禅堂のほうから声がしてる?」


「伊陽よ、なぜ手を解かない。なぜ今更になって拒む必要がある」

「なりませぬ、和尚様。今宵は――いけませぬ」

「五濁悪世いかにして過ぐべき。暗い世に陽の光が不可欠なのだ。さあ」

「あっ……」


('A`)(おっ、おい)

('A`)(これってあれじゃん)

('A`)(あれじゃん!)
('A`)が入山したら案の定衆道だらけだったようです
94 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2011/02/06(日) 01:51:47.74 ID:I5ZkQb6J0
「和尚様――」

「綺麗だ。もう何度触れたか知れぬ。しかし未だ飽くことを覚えず」

「いけません、いけません」

「だがこの身体の震えは拒絶ゆえではない……歓喜にむせび泣いておる。
 声を――聴かせてほしい。拙僧の耳に届かせてくれ」

「ああっ」


('A`)(やられてるのは……若い、いやむしろ、少年みたいな声だ)

('A`)(なんで甘美な嬌声……じゃなくて)

('A`)(え、なに、普通にホモがいるの、ここ?)


「これもっと肛門を気張らぬか!」

「ぬふうぬふう」


('A`)(もう一組だと!?)
('A`)が入山したら案の定衆道だらけだったようです
100 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2011/02/06(日) 02:00:32.52 ID:I5ZkQb6J0
('A`)(声だけならまだ我慢できる……)

('A`)(しかし……ぐちゅぐちゅとかぬぷぬぷとかいう……)

('A`)(水気を含んだ効果音はやめろっ……!)

('A`)「くっ……」キョロキョロ

('A`)(……周りにいる奴は……気付いてるのか……狸寝入りか……)

('A`)(いずれにせよ……)


「ああ! 和尚様っ、そこは、なりません!」

「拙僧は、否拙僧とそなたは、今まさに流連の狭間に活命の息吹を実感しておるぞ――」


「おおこれはよい! 格段と圧が増した!」

「うほおおおおお!!」


('A`)(この状況で……寝るのは無理……つーか怖い……)
('A`)が入山したら案の定衆道だらけだったようです
102 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2011/02/06(日) 02:07:23.64 ID:I5ZkQb6J0
〜翌日、午前三時〜


ゴーンゴーン

('A`)「うふふ……鐘が鳴ってますわ……」

(*゚ー゚)「ふわ〜……むにゃん……あっ、毒念様、お早いですね」

(*゚ー゚)「つい先ほど暁鐘が鳴ったばかりですのに」

('A`)「起きたというか寝てないというか……」

('A`)「君のような純粋な少年には実に伝えにくい理由がありましてね」

(*゚ー゚)「はあ……ともかく、朝の粥まで少し時間があります」

(*゚ー゚)「私は朝課で少し用事がありますので」

(*゚ー゚)「粥座の後で荒巻和尚の元に参りましょう。あのお方は朝はお元気ですよ」

('A`)「あ、ああ、了解」
('A`)が入山したら案の定衆道だらけだったようです
103 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2011/02/06(日) 02:12:58.27 ID:I5ZkQb6J0
('A`)「……」

('A`)「さて……約一名を除き全員起床して朝の務めに向かったようだが」

('A`)「おい」

( ^ω^)「ぐーすかー」

('A`)「とっくに分かってんだぞ。ブーン起きてんだろ、おい」

( ^ω^)「……なんだお」

('A`)「ちょいとばかり質問がある」

('A`)「昨夜……禅堂の方向から怪しげな声がしていてだな……」

( ^ω^)「正直僕もあの気持ち悪い声で軽く目が覚めたお」

('A`)「あれは完全に男同士……ホモセックスを行っていたんだが……」

( ^ω^)「……まさかこんなに早くこの寺の暗部を知られるとは……」
('A`)が入山したら案の定衆道だらけだったようです
108 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2011/02/06(日) 02:18:34.01 ID:I5ZkQb6J0
('A`)「待て、聞き捨てならんぞ。暗部とはどういうことだ」

( ^ω^)「ドクオ」

('A`)「なんだよ話遮りやがって」

( ^ω^)「衆道って聞いたことあるかお」

('A`)「んー、完全無知」

( ^ω^)「>>1に目を通してみ」

('A`)「ほほーうなるほどな……ん?」

('A`)「ってことはつまり……」

( ^ω^)「そう、ドクオが今考えている通りだお」

( ^ω^)「この寺は昔の様式が保存されたままでいる……」

( ^ω^)「衆道文化も残ってるんだお」
('A`)が入山したら案の定衆道だらけだったようです
109 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2011/02/06(日) 02:22:29.35 ID:I5ZkQb6J0
('A`)「……ここの仏僧たちは全員知ってるのか?」

( ^ω^)「おそらくは、ほとんどが」

( ^ω^)「そして知っててみんなスルーしてるんだお」

( ^ω^)「関わりたくないから」

('A`)「まあ自分に矛先が向いた時の恐怖は計り知れないからな」

( ^ω^)「そもそも衆道自体が禅宗とは切っても切れぬ関係……」

( ^ω^)「禁欲生活において一番困難を極めるのが性欲の抑制だお」

('A`)「確かにな」

('A`)「私もそれが最大にして最強の壁であると認識しております」

( ^ω^)「寺院で稚児を飼っていたのは少年を女の代替品にするためだったとも言われてるお」

('A`)「うへあ」
('A`)が入山したら案の定衆道だらけだったようです
110 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2011/02/06(日) 02:27:04.42 ID:I5ZkQb6J0
( ^ω^)「精進料理で腥が禁じられてる理由を知ってるかお?」

('A`)「そりゃあれだろ、殺生はダメとかそういう」

( ^ω^)「表向きはそうだお」

('A`)「違うのか?」

( ^ω^)「仮にそんな所以ならニラやニンニクまで禁止にしないお」

( ^ω^)「そもそも植物にも生命は宿ってるお」

('A`)「やけにもったいぶるな」

('A`)「じゃあなんなんだよ。納得のいく答えじゃないと二度寝しちゃうぞ」

( ^ω^)「一番の目的は性欲を抑えつけるためだという説があるお」

('A`)「ああ……香りの強い食い物もアウトなのはそういうことか」

( ^ω^)「あの手の野菜は精力が無駄についてしまうお」
('A`)が入山したら案の定衆道だらけだったようです
111 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2011/02/06(日) 02:31:49.78 ID:I5ZkQb6J0
( ^ω^)「おかげで僕はここ数年射精どころか勃起すらしたことないお」

('A`)「それはそれで勃起不全を疑えよ」

( ^ω^)「これが悟りの境地なら開眼なんかしなくていいお」

('A`)「だとしたら変だな。性欲が削がれてるはずなのにあいつら盛ってたぞ」

( ^ω^)「元々の性欲が凄まじいか、隠れて肉食ってるかのどっちかだお」

('A`)「肉とかどこで……あ」

( ^ω^)「山を下りればいくらでも」

('A`)「だよな」

('A`)「頻繁に山を下りて町に出てる人といえば……」

( ^ω^)「副寺の譲留和尚だお」

( ^ω^)「ただあの人は女好きで有名だお」
('A`)が入山したら案の定衆道だらけだったようです
113 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2011/02/06(日) 02:40:25.17 ID:I5ZkQb6J0
('A`)「坊主なのに女好きって……それはそれで嫌だな」

( ^ω^)「俗世間に女を囲ってるという噂が流れてるお」

( ^ω^)「これも余談になるけど」

( ^ω^)「わざわざ下山して衆道にはまる雲水もいたそうだお」

('A`)「なんじゃそりゃ」

('A`)「町に出たら女を抱けよ……」

( ^ω^)「女犯を常時気にかけてたのかただの少年性愛かは分からんお」

( ^ω^)「江戸時代には陰間茶屋という売春施設があったらしくて」

( ^ω^)「分かりやすく説明するとショタ専門の風俗」

('A`)「凄まじくニッチな商売だな」

( ^ω^)「とりわけ芳町という色街で流行ったらしいお」
('A`)が入山したら案の定衆道だらけだったようです
114 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2011/02/06(日) 02:46:35.03 ID:I5ZkQb6J0
('A`)「しかしやたらと知識があるな……まさかお前も」

( ^ω^)「なわけねーお」

('A`)「しかしその鍛え上げられた肉体。俺の目からだとホモ受けしそうに思える」

( ^ω^)「勘弁してくれお……」

(´<_` )「おお、まだこんなところにおられたか」ガララッ

('A`)「弟蛇和尚」

(´<_` )「さっさと布団を上げとくれ。朝粥の準備が出来たんだ」

(´<_` )「二人とも両手が空いてるようなら運搬を手伝ってくれるか?」

( ^ω^)「承りましたお……」

('A`)「ブーン、さっきまでの話は」

( ^ω^)「僕から話せることは他にないお」
('A`)が入山したら案の定衆道だらけだったようです
116 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2011/02/06(日) 02:47:46.30 ID:I5ZkQb6J0
眠いので一旦休止して寝る
残ってたら続き書きます
zzz
('A`)が入山したら案の定衆道だらけだったようです
133 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2011/02/06(日) 09:00:33.29 ID:I5ZkQb6J0
おはよっ!(かわいく)
再開
('A`)が入山したら案の定衆道だらけだったようです
135 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2011/02/06(日) 09:08:50.37 ID:I5ZkQb6J0
('A`)ガチャガチャ

('A`)「膳を運ぶのも大変ですね……」

(´<_` )「この寺には百名近くの雲水がおるからな」

(´<_` )「一人逃げ、二人逃げ、三人墨染に袖を通す」

(´<_` )「それの繰り返しだ」

( ^ω^)「全員分並べましたお」

('A`)「おお続々とやってきた。なんか壮観だな」

(*゚ー゚)「粥座は僧全員が一堂に会する貴重な機会です」

('A`)「椎伊」

(*゚ー゚)「ご覧下さい。諸梵和尚が最奥の上座にお座りなさっています」

(*゚ー゚)「その左隣が監寺の茂羅様。そして右隣が…都寺の荒巻様です」
('A`)が入山したら案の定衆道だらけだったようです
137 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2011/02/06(日) 09:16:04.09 ID:I5ZkQb6J0
/ ,' 3「あー食べたい早く食べたい」チャンチャン

/ ,' 3「昨日は薬石食べずに寝ちゃったもんなー」チンチリリン

('A`)「あの匙をひっきりなしにチンチン鳴らしてるじいさんがそうなの?」

(*゚ー゚)「はい」

('A`)「偉そうに見えない……」

ザワザワ

/ ,' 3「管主殿、もう全員集結しておりますぞ。早く号令を」

(´・ω・`)「そうですな。では」

(´・ω・`)「皆の者!」

シン……
('A`)が入山したら案の定衆道だらけだったようです
138 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2011/02/06(日) 09:22:21.96 ID:I5ZkQb6J0
(´・ω・`)「これより朝粥を頂かせてもらいますが」

(´・ω・`)「食事も修行の一環であること、そして食に対する敬意を忘れるでないぞ」

(´・ω・`)「それではいつものように私の後についてきてください」

(´・ω・`)「ひとつ、功の多少を計り彼の来処を量る!」

「功の多少を計り彼の来処を量る」

(´・ω・`)「ふたつ、己が徳行の全欠を忖って供に応ず!」

「ふたつ、己が徳行の全欠を忖って供に応ず」

(´・ω・`)「みっつ、心を防ぎ過を離るることは貪等を宗とす!」

「心を防ぎ過を離るることは貪等を宗とす」

('A`)(……なあ、これ何?)

(*゚ー゚)(五観の偈と申します。食前に唱える偈文ですね)
('A`)が入山したら案の定衆道だらけだったようです
140 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2011/02/06(日) 09:27:55.82 ID:I5ZkQb6J0
(´・ω・`)「よっつ、正に良薬を事とするは形枯を療ぜんが為なり!」

「正に良薬を事とするは形枯を療ぜんが為なり」

(´・ω・`)「いつつ、成道の為の故に今此の食を受く!」

「成道の為の故に今此の食を受く」

(´・ω・`)「それでは――いただきます」

「わーいいただきまーす」

('A`)「最後だけ小学生の給食みたいだったな」

(*゚ー゚)「朝は全ての礎です。しっかり食べて今日一日に備えましょう」

('A`)「でもこの粥……味が薄い……」

( ^ω^)「ほぐした梅干しが小皿にあるからそれ入れとけお」

('A`)「梅干し苦手なんだよな」

( ^ω^)「この期に及んで好き嫌いとか舐めてんのかお」
('A`)が入山したら案の定衆道だらけだったようです
143 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2011/02/06(日) 09:34:02.55 ID:I5ZkQb6J0
/ ,' 3「ふいー食った食った」

(*゚ー゚)「荒巻和尚」

/ ,' 3「おん?」

(*゚ー゚)「少し挨拶が遅れましたが、こちら、修行に参られた毒念さんです」

/ ,' 3「おお、あんたが噂の」

('A`)「ど……ども、よろしく頼みます」

/ ,' 3「ま、慌てず気張らずごゆるりとな」

('A`)「は、はいっ!」

('A`)(近くで見ると凄い威光だ……かなりの高徳を積んでいるに違いない)

/ ,' 3「わし茶礼の時間まで掃除してくるから、時間きたら呼んでね」

(*゚ー゚)「承知いたしました」
('A`)が入山したら案の定衆道だらけだったようです
144 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2011/02/06(日) 09:41:29.65 ID:I5ZkQb6J0
(*゚ー゚)「荒巻和尚もほとんど単には上がりません」

('A`)「譲留和尚と同じような感じか?」

(*゚ー゚)「いえ、そうではなく、既に座禅を極めてしまったためではないかと」

(*゚ー゚)「私たちはまだまだ未熟ですから禅堂に向かいましょう」

(*゚ー゚)「今日は僧堂での一日の解説、というより紹介をしたいと思います」

(*゚ー゚)「先程の粥座が四時、それを終えた者から座禅に取り組みます」

('A`)「何十分ぐらいやるの?」

(*゚ー゚)「六時までですね」

(*゚ー゚)「人によっては作務と茶礼を飛ばして昼まで続ける雲水もおります」

('A`)「うわ、だったらもうちょいゆっくり飯食えばよかった。なげぇ……」

(*゚ー゚)「何を言うんですか。己を見つめることこそが修行なのですよ」
('A`)が入山したら案の定衆道だらけだったようです
145 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2011/02/06(日) 09:48:52.38 ID:I5ZkQb6J0
(*゚ー゚)テケテケ

(*゚ー゚)「到着しました」

('A`)「既に先客が幾人もいるな」

('A`)「ずらっと整列して一心不乱に瞑想してる……凄い絵面だ」

(,,-Д-)「……」

(*゚ー゚)「擬古和尚もおられます。せっかくですので直々に作法を教えていただきましょう」

('A`)「ちょっ、ま、あんな集中してるとこ邪魔していいのかよ」

('A`)「めちゃくちゃ怖いんだけど」

(*゚ー゚)「維那なのですからそのくらいは許してくださりますよ」

(*゚ー゚)「擬古和尚! 些事ですがよろしいでしょうか!」

(,,-Д゚)「……何用だ」
('A`)が入山したら案の定衆道だらけだったようです
147 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2011/02/06(日) 09:57:24.52 ID:I5ZkQb6J0
(*゚ー゚)「毒念さんに座禅の作法を授けていただきたいのですが」

(,,゚Д゚)「承知。では毒念殿」

('A`)「ひゃ、ひゃい」

(,,゚Д゚)「まずは叉手を覚えてもらいたい」

(,,゚Д゚)「叉手とはこのように、左手で作った拳を胸のあたりに当て」

(,,゚Д゚)「そこに右掌を覆うように添える」

(,,゚Д゚)「左手の拳は親指を握り込むようにして作る。よろしいか」

('A`)「こ……こんな感じですかね」

(,,゚Д゚)「うむ。この姿勢が禅堂に足を入れて歩く際の作法である」

(,,゚Д゚)「基礎中の基礎であるがゆえ、まずはこれを覚えてもらわぬことには始まらない」
('A`)が入山したら案の定衆道だらけだったようです
148 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2011/02/06(日) 10:05:40.88 ID:I5ZkQb6J0
(,,゚Д゚)「次は単に上がるに際した時の礼法である」

(,,゚Д゚)「隣位問訊と対座問訊を識っていただく」

('A`)「なんですかそれ?」

(,,゚Д゚)「隣位問訊とは自分が座る場所に合掌し平頭することである」

(,,゚Д゚)「対座問訊とは背が合う雲水に行う同様の礼である」

(,,゚Д゚)「端的に言ってしまえば軽い挨拶だ」

(,,゚Д゚)「これを受けた僧……両隣と向かいの者だな」

(,,゚Д゚)「この者も合掌をする。ゆめゆめ忘れぬよう」

('A`)「はっ、はい」

(,,゚Д゚)「毒念殿の座蒲……座禅用の座布団だな、堂内右奥に空きがあるので」

(,,゚Д゚)「それをお使いなさい」
('A`)が入山したら案の定衆道だらけだったようです
150 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2011/02/06(日) 10:14:40.36 ID:I5ZkQb6J0
('A`)(それにしても男前だなこの人)

(,,゚Д゚)「続いて座り方の作法だな」

(,,゚Д゚)「結跏趺座と半跏趺座があるが、前者は負担が大きく長時間の座禅には向かぬ」

(,,゚Д゚)「ゆえに半跏趺座を推奨する」

('A`)「どのようにして座るのですか?」

(,,゚Д゚)「片方の足をもう片方の腿に乗せて座るのだ」

(,,゚Д゚)「重要なのは両膝を床に着けること。そして顎を引き背筋を伸ばす」

(*゚ー゚)「まさしく擬古和尚が今しがたやっておられた姿勢です」

(,,゚Д゚)「現実にやってみればすぐに理解できるであろう」

(,,゚Д゚)「更に足を組んでから法界定印を結んで瞑想に入る」

(,,゚Д゚)「乗せた足の裏に、両手を掌を上にして重ねるように置き、親指同士を合わせる」

(,,゚Д゚)「これが法界定印である」
('A`)が入山したら案の定衆道だらけだったようです
154 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2011/02/06(日) 10:20:40.49 ID:I5ZkQb6J0
(,,゚Д゚)「瞼は開けていても閉じていてもよい」

('A`)「目開けててもいいんですか?」

(,,゚Д゚)「むしろ最初期はそちらのほうがよい。暗闇の中では睡魔に襲われるのでな」

(,,゚Д゚)「壁向かいに座るので正面の壁でも見つめておけばよい」

('A`)「いや……一応つむっときます」

('A`)(なんか気まずいし……)

(,,゚Д゚)「ただ口は開いてはならぬ。唇を一文字に結んでおくよう」

('A`)「わかりました」

(*゚ー゚)「それから……擬古和尚」

(,,゚Д゚)「分かっておる」

(,,゚Д゚)「毒念殿、最後に一つ注意点がありましてな」
('A`)が入山したら案の定衆道だらけだったようです
157 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2011/02/06(日) 10:26:17.07 ID:I5ZkQb6J0
('A`)「な、なんでしょうか」

('A`)「あなたにそんなふうに言われるととてつもなく恐ろしいんですが……」

(,,゚Д゚)「座禅を行う間直堂が堂内を巡回しながら監守する」

(,,゚Д゚)「少しでも心の乱れを察すればその雲水の肩を警策で打つ」

('A`)「警策って、もしかしてバシーンバシーンってやるあれですか?」

(,,゚Д゚)「いかにも」

(,,゚Д゚)「直堂当番は寺の者が位の順に交代で勤める」

('A`)「今日は誰が……」

(,,゚Д゚)「あの僧だ」

( ^ω^)ニコッ

('A`)(野郎……)
('A`)が入山したら案の定衆道だらけだったようです
160 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2011/02/06(日) 10:31:08.27 ID:I5ZkQb6J0
(,,゚Д゚)「以上だ。これより拙僧は瞑想に復帰させていただく」

(*゚ー゚)「ご教授誠にありがとうございました」

(*゚ー゚)「毒念様も」ボソッ

('A`)「あ、どうも、わざわざご丁寧にありがとうございました」

(,,-Д-)「……」

('A`)(すげえ、もう自己世界に閉じこもってる)

(*゚ー゚)「私たちも単に向かいましょう。私の座蒲はあちらですので……」

('A`)「行ってしまった……俺もいっちょやってみるか」

( ^ω^)「ふっふっふ」

('A`)「てめぇ……やる気だな。俺は決して負けんぞ……」

( ^ω^)「洗礼を浴びせてやるお」
('A`)が入山したら案の定衆道だらけだったようです
164 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2011/02/06(日) 10:36:51.74 ID:I5ZkQb6J0
ゴーン

(*゚ー゚)「鐘が鳴りました。ということは六時ですね」

(*゚ー゚)「毒念様、終わりましたよ。朝の作務に向かいましょう」

('A`)「お、おお……おうお……」

(*゚ー゚)「……どうなされましたか? 今にも息絶えそうですが……」

('A`)「通算百四十七発打たれた……」

(*゚ー゚)「一分間に一発以上の頻度じゃないですか」

('A`)「確かにちょっとぐらぐらしてたかも知れんが……完全に私怨だろあれは……」

( ^ω^)「ストレス解消に最適だったお」ニコヤカ

('A`)「クソが……! 必ず復讐してやるからな……!」

(*゚ー゚)「揉め事は回避願います……」
('A`)が入山したら案の定衆道だらけだったようです
168 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2011/02/06(日) 10:43:37.80 ID:I5ZkQb6J0
( ^ω^)「じゃあ僕は残って座禅する人たちの監督があるんで」

( ^ω^)「さっさと作務に行ってこいお」

('A`)「俺が正式に坊主になった暁にはお前の肩を完膚なきまでに崩壊させてやるからな」

('A`)「ところで椎伊よ」

(*゚ー゚)「なんでしょうか?」

('A`)「作務ってなにすんだ?」

(*゚ー゚)「基本的には掃除や畑仕事、補修作業……いわば労働ですね」

(*゚ー゚)「日々の仕事こそが最大の修行とも呼ばれています」

('A`)「なるほどな……寺の中とはいえ働かなきゃならんのだな……」

(*゚ー゚)「頑張りましょう。すべては己の身になることですから」

('A`)「俺の人生でやってきた仕事なんて文化祭で新聞紙の輪っか作ったことぐらいだよ……」
('A`)が入山したら案の定衆道だらけだったようです
169 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2011/02/06(日) 10:49:50.75 ID:I5ZkQb6J0
( ´_ゝ`)「手が空いてるなら床板の修繕を手伝ってくれよ」

(*゚ー゚)「兄蛇和尚」

( ´_ゝ`)「雑巾がけとか土いじりよりはちったあやりがいがあるぞ」

(*゚ー゚)「そうですね、では私と毒念さんで協力いたします」

('A`)「直歳の仕事じゃないですか……僕が働かないことで誰かが職に就けるんですよ……」

('A`)「席の数は決まってるんです」

( ´_ゝ`)「どこまで無職体質なんだおまいは」

( ´_ゝ`)「大体一人で全部やるわけないだろ。俺は現場監督みたいなもんだ」

('A`)「まあ当然ですよね」

( ´_ゝ`)「その日その日で暇な雲水を雇ってんだよ」

('A`)「はあ。んじゃ手伝います。何していいかも分かりませんでしたし……」

( ´_ゝ`)「おう。頼りにしてるぞーお前ら」
('A`)が入山したら案の定衆道だらけだったようです
171 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2011/02/06(日) 10:56:13.38 ID:I5ZkQb6J0
(*゚ー゚)「して、壊れた床板というのは?」

( ´_ゝ`)「ここだここ」

('A`)「廊下じゃないですか」

( ´_ゝ`)「本堂と給仕場を結ぶな」

( ´_ゝ`)「この廊下は人の行き来が激しいからすぐにささくれ立つんだよ」

(*゚ー゚)「それはいけませんね。刺さったら大変です」

( ´_ゝ`)「痛いぞー足の指の爪の間に挟まった時なんか」

('A`)「やめてください柔肉がうずきます」

( ´_ゝ`)「それじゃ板材渡しとくから、先行隊と合流して貼り変え作業頼むわ」

( ´_ゝ`)「俺は適宜支持出すんで」

(*゚ー゚)「承りました!」
('A`)が入山したら案の定衆道だらけだったようです
172 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2011/02/06(日) 11:01:44.53 ID:I5ZkQb6J0
('A`)「貼り変えて……ニス塗って……床磨きも終わった」

('A`)「腰がいてぇ……」

( ´_ゝ`)「お疲れさん。ちょうど作務の時間も終わったぞ」

('A`)(下の世界なら時給八百六十円ってところだな……)

(´<_` )「作務を終えたら茶礼だぞ」

( ´_ゝ`)「なんだ弟蛇じゃないか。出し抜けにどうした。てかいつからいたのよ」

(´<_` )「給仕場が俺の仕事場なんだからここにいるのは至極当たり前の話ではないか」

( ´_ゝ`)「息継ぎして喋れよ聞きづらい。お前も僧になってすっかり念仏口調になったな」

(´<_` )「そんなことより茶礼の準備だ」

('A`)「茶礼とは?」

(´<_` )「坊主のおやつだよ」
('A`)が入山したら案の定衆道だらけだったようです
174 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2011/02/06(日) 11:06:58.35 ID:I5ZkQb6J0
('A`)「おやつ? そんなものがあるんですか?」

(*゚ー゚)「お茶とお茶菓子を頂くのです」

(*゚ー゚)「一時の休息ですね」

(´<_` )「妙か?」

('A`)「いえいえ素晴らしい習慣だと思います」

(*゚ー゚)「ですよね。私もこれを一番の楽しみにしてるんですよ!」

('A`)「実に少年らしい無邪気な意見だな」

( ´_ゝ`)「私もなんですよ!」

(´<_` )「兄蛇和尚よ、もうじき五十だろ」

( ´_ゝ`)「かわいくなかった?」

('A`)「残念ながら……」
('A`)が入山したら案の定衆道だらけだったようです
178 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2011/02/06(日) 11:13:21.61 ID:I5ZkQb6J0
(*゚ー゚)「やかんが次々運ばれてきました。今日のお茶受けは?」

(´<_` )「栗まんじゅうだ。一人二個まで」

('A`)(ブーンの奴まだ来てないな……ひとつ奪っとくか……)

(*゚ー゚)「あっ、毒念様それは駄目ですよ!」

(*゚ー゚)「寺内の遺失物の管理も直堂が勤めていますから……」

(*゚ー゚)「蓬莱和尚に知られたら大事ですよ」

('A`)「……具体的にどう大事なのですかね」

(*゚ー゚)「今日は常に警策を携えていますから……おそらく……」

('A`)「それは職権乱用だ! 越権行為だ!」

(*゚ー゚)「絶対なのです。なにとぞ辛抱のほどを」

('A`)「クソが……俺は黙って涙を飲むことしか出来ないのか…・…!」
('A`)が入山したら案の定衆道だらけだったようです
180 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2011/02/06(日) 11:19:22.39 ID:I5ZkQb6J0
('A`)「集まってきたけど……朝より減ってるな」

(*゚ー゚)「まだ座禅を続けている僧、下山して作務に臨んでいる僧もいますから」

(*゚ー゚)「あっ、直日の方がやかんを持ちました。碗を掲げておいてください」

('A`)「直日ってなんだべ」

(*゚ー゚)「日直制の幹事です。作務の一日監督も兼任してますね」

('A`)「ほう」

('A`)「……なあ、今茶が注がれたんだけど……薄くないこれ? ケチってない?」

(*゚ー゚)「なにせ大所帯ですから」

(*゚ー゚)「それにしても栗まんじゅうはおいしいですね」

('A`)「その点に関しては同意見」

(*゚ー゚)「至福の瞬間です……」
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