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三毛猫 ◆58jPV91aG.
ジンオウガ 「ほう……未来を見通せるお守りか……」

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ジンオウガ 「ほう……未来を見通せるお守りか……」
1 :三毛猫 ◆58jPV91aG. []:2011/01/14(金) 20:08:09.05 ID:HW5PfGrU0
オトモアイルーA 「こ……これで旦那さんの命だけは勘弁して欲しいニャ……」
ジンオウガ 「…………」
オトモアイルーB 「ウチらが今差し出せるものはこれくらいしかないニャ。どうか怒りを静めて欲しいニャ……」
ジンオウガ (スゥ)
ジンオウガ 「ふむ……先に攻撃してきたのはそちら側だが……謝罪とは見上げた猫共だ」
ジンオウガ 「俺は、モンスターでありながら人間に組する、貴様らのような猫は嫌いだが……その気持ちは汲んでやっても良い」
オトモアイルーA (ごくり)
オトモアイルーB (ごくり)
ジンオウガ 「そのお守りとやらを置いて、とっとと消えるがいい」
オトモアイルーA 「わ、分かったニャ……」
オトモアイルーB 「旦那さんの家宝のお守り、お渡しするニャ……」
ジンオウガ 「確かに受け取った……俺は巣に帰るとしよう」
 >ズシン、ズシン……
ジンオウガ 「ほう……未来を見通せるお守りか……」
3 :三毛猫 ◆58jPV91aG. []:2011/01/14(金) 20:10:20.68 ID:HW5PfGrU0
オトモアイルーA 「む……無念ニャ……」
オトモアイルーB 「ウチらがもっとしっかりしていれば、こんなことには……」
オトモアイルーB (ぽろぽろ)
オトモアイルーA 「…………」
オトモアイルーA 「……そ、そんなことより旦那さんの治療が先ニャ!」
オトモアイルーB 「酷い怪我と火傷ニャ! だからこんな装備で大丈夫か? と何回も言ったのに!」
オトモアイルーA 「大丈夫だ、問題ないって旦那さんは言ってたのに……!!」
オトモアイルーB 「と……とにかく、救助猫を呼ぶニャ。早くユクモ村に戻るニャー!!」
ハンター 「…………」
ジンオウガ 「ほう……未来を見通せるお守りか……」
5 :三毛猫 ◆58jPV91aG. []:2011/01/14(金) 20:11:18.88 ID:HW5PfGrU0
―渓流<夜>―

ジンオウガ 「…………」
ジンオウガ (全く、人間共にも困ったものだ)
ジンオウガ (最近、開拓と称して、俺達モンスターの縄張りに、ハンターが入り込むことが多くなった)
ジンオウガ (俺なら大丈夫だが、他のモンスター達の被害が目立つようになっている……)
ジンオウガ (今日も、フロギィの奴らがやられたと聞く)
ジンオウガ (俺は……)
ジンオウガ (俺は、あのまま、あのハンターを帰して良かったのだろうか……)
ジンオウガ (人間共は、こぞって俺に復讐をしに来るだろう……)
ジンオウガ (見せしめのためにも、ここは殺しておいた方が良かったのでは……)
ジンオウガ (殺しておいた方が……)
ジンオウガ (うぅむ……)
ジンオウガ 「ほう……未来を見通せるお守りか……」
6 :三毛猫 ◆58jPV91aG. []:2011/01/14(金) 20:12:29.62 ID:HW5PfGrU0
ジンオウガ妻 「あなた、いつ帰ったの?」
ジンオウガ 「うむ。先ほどだ。水没林で人間のハンターと遭遇してな。かなり手ごわい奴だったが、撃退した」
ジンオウガ妻 「撃退したって……殺したの?」
ジンオウガ 「…………」
ジンオウガ 「……いや、俺はただ、痛めつけて帰しただけだ。深手は負わせたが、死んではいないだろう」
ジンオウガ妻 (ホッ)
ジンオウガ妻 「あなた……ここを離れましょう?」
ジンオウガ妻 「もう少し奥に行けば、人間達も、そこまでは追いかけてこないと思うわ」
ジンオウガ妻 「ドボルベルク様の所に行けば、良い知恵を授けてくださるかもしれないわ」
ジンオウガ 「ほう……未来を見通せるお守りか……」
8 :三毛猫 ◆58jPV91aG. []:2011/01/14(金) 20:13:49.25 ID:HW5PfGrU0
ジンオウガ 「しかし、ここを俺が離れては、渓流に住む全てのモンスターが危険にさらされることになる」
ジンオウガ 「ハンター達の攻撃の手は、日に日に強くなっている気がする……」
ジンオウガ 「ドスフロギィが、報復をすると不穏なことを言っているのも耳にした」
ジンオウガ妻 「まぁ……」
ジンオウガ妻 「あの子の気持ちも、分からないではないですが……」
ジンオウガ 「ドスバギィに相談するようにと言ってはおいたが、ドスフロギィも、ドスジャギィも、もう我慢の限界だ」
ジンオウガ 「いつ人間の里に大挙して報復に行くか、分かったものではない」
ジンオウガ妻 「そんなことになったら……」
ジンオウガ 「ああ。今のハンターの力は侮れん……彼奴らでは……」
ジンオウガ妻 「…………」
ジンオウガ 「ほう……未来を見通せるお守りか……」
9 :三毛猫 ◆58jPV91aG. []:2011/01/14(金) 20:15:02.75 ID:HW5PfGrU0
ジンオウガ 「それに、身重のお前を連れて、孤島まで行くわけにはいかぬ……」
ジンオウガ 「お前はここで、静かに子供を産むんだ」
ジンオウガ妻 「私なら大丈夫よ。だから……」
ジンオウガ 「ならん」
ジンオウガ妻 「…………」
ジンオウガ 「前にも、そう言って人間に襲われ、子供を産む機会を逸したではないか」
ジンオウガ 「俺は、お前が無事に子供を産むためなら何でもしよう」
ジンオウガ 「だからお前は、ここで静かにしていれば良い」
ジンオウガ妻 「…………ええ、そうね…………」
ジンオウガ 「……今少し、外の空気を吸ってこよう。お前はもう休むのだ」
ジンオウガ 「ほう……未来を見通せるお守りか……」
10 :三毛猫 ◆58jPV91aG. []:2011/01/14(金) 20:16:14.05 ID:HW5PfGrU0
ジンオウガ (ズシン、ズシン……)
 >キラッ
ジンオウガ 「……?」
ジンオウガ (……あぁ、昼間の猫から受け取った、お守りとやらか……)
ジンオウガ (未来を見通せるお守りと、奴らは言っていたが……)
ジンオウガ (……透き通った宝石のようにしか見えぬ……)
ジンオウガ (こんな形状のお守りがあっただろうか……?)
ジンオウガ (かざしてみても何も起こらぬ……)
ジンオウガ (……担がれたか……?)
ジンオウガ (まぁ……それもまたいいだろう。奴らなりの、精一杯の嘘だったのだろう……)
ジンオウガ (しかし、未来を見通せる力とは……また大層な嘘だ)
ジンオウガ (まるで、古龍の力のようではないか)
ジンオウガ (そんなたいしたものには見えないが……)
ジンオウガ (一応、ウラガンキンにでも聞いてみるか……)
ジンオウガ 「ほう……未来を見通せるお守りか……」
13 :三毛猫 ◆58jPV91aG. []:2011/01/14(金) 20:18:02.37 ID:HW5PfGrU0
ジンオウガ (…………?)
 >ピカッ
ジンオウガ (な……何だ!?)
ジンオウガ (頭の中に……何か映像が流れ込んでくる……!!)
ジンオウガ (これは……)
ジンオウガ 「ほう……未来を見通せるお守りか……」
14 :三毛猫 ◆58jPV91aG. []:2011/01/14(金) 20:19:13.16 ID:HW5PfGrU0
 ドスジャギィ 「人間共めェェ!! 俺を……俺を誰だと思ってやがる!! ぐぅおおお!!」

ジンオウガ 「……ッハァ……! ハァ……!!」
ジンオウガ 「今のは…………」
ジンオウガ (何だ……頭の中に、いきなり別の景色が流れ込んできたぞ……)
ジンオウガ (それに、今のはドスジャギィ……)
ジンオウガ (ハンター達に……捕まっていた!!)
ジンオウガ (周りにはジャギィ組の者達が転がっていた……)
ジンオウガ (これはもしかして……この、お守りのせいなのか……)
ジンオウガ (太陽は中天……昼か……)
ジンオウガ 「ほう……未来を見通せるお守りか……」
18 :三毛猫 ◆58jPV91aG. []:2011/01/14(金) 20:21:10.07 ID:HW5PfGrU0
>>16
そうです。前回は大変お世話になりました
新しいお話を書けましたので、投稿をさせていただきます
今回も、どうぞよしなにお願いしますm(_ _)m
ジンオウガ 「ほう……未来を見通せるお守りか……」
25 :三毛猫 ◆58jPV91aG. []:2011/01/14(金) 20:23:06.75 ID:HW5PfGrU0
ジンオウガ (もしこれが本当だとしたら……近いうちにドスジャギィが人間に捕まることになる……)
ジンオウガ (そんなことになれば、ドスフロギィ組も、ドスジャギィ組も、黙ってはいないぞ……)
ジンオウガ (渓流と水没林に住むモンスターと人間の、全面戦争になるかもしれぬ……)
ジンオウガ (このお守りとやらの効果を、完全に信じたわけでは訳ではないが……)
ジンオウガ (これは、俺一人で抱えるには少しばかり大きな問題だ……)
ジンオウガ (今の妻には、心配をかけるわけにはいかぬ……)
ジンオウガ (……彼奴のところに行くか……)
ジンオウガ 「ほう……未来を見通せるお守りか……」
31 :三毛猫 ◆58jPV91aG. []:2011/01/14(金) 20:25:33.48 ID:HW5PfGrU0
―水没林<夜>―

クルペッコ 「ン、マァァ〜〜、ァ♪!!」
クルペッコ 「マァァ〜〜ンッ♪!」
クルペッコ 「……ッ、ゲフン! ゴホン!」
クルペッコ 「ぬ……ぬう……」
クルペッコ亜種 「はぁ……お父さん、風邪を引いてる時くらい、歌の練習はやめたらどうですか?」
クルペッコ 「しかし、私の美声が、風邪ごときに負けるとは、この歌王のプライドが許さないのだ」
ジンオウガ 「ほう……未来を見通せるお守りか……」
32 :三毛猫 ◆58jPV91aG. []:2011/01/14(金) 20:26:43.80 ID:HW5PfGrU0
クルペッコ 「ンマァァ〜〜♪ ァァ〜〜〜、ゲフッ! ゴフッ!」
クルペッコ亜種 「あぁもう、お父さん、今日は歌のお稽古は中止ですって」
クルペッコ 「しかしお母さん、いざという時のために……」
クルペッコ亜種 「いざという時に肝心の美声が出なかったらどうするつもりなんですか?」
クルペッコ 「むう……」
クルペッコ 「……?」
 >ズゥゥゥゥンッ!!
クルペッコ亜種 「きゃぁ!」
ジンオウガ 「ほう……未来を見通せるお守りか……」
35 :三毛猫 ◆58jPV91aG. []:2011/01/14(金) 20:28:14.04 ID:HW5PfGrU0
クルペッコ 「むむ!?」
ジンオウガ 「すまない先生。夜分邪魔をする」
クルペッコ 「これはこれは、ジンオウ組の若頭ではないか。こんな夜遅くにどうしたんだい?」
ジンオウガ 「組だなんてやめてくれ。今では、俺と妻二人だけの組織だ」
クルペッコ 「それでも、渓流と水没林に住む者たちは、君達を慕っているよ。私も同様だがね」
ジンオウガ 「そうか。そう言ってもらえると助かる」
ジンオウガ 「ほう……未来を見通せるお守りか……」
42 :三毛猫 ◆58jPV91aG. []:2011/01/14(金) 20:31:42.00 ID:HW5PfGrU0
クルペッコ亜種 「そんなところでは冷えますから、どうぞ巣の中に入ってください」
ジンオウガ 「奥様、夜分失礼する。すぐ話は済む故、お構いなく」
クルペッコ亜種 「お父さんが風邪気味なのよ。まぁまぁ遠慮せず、ヨロイシダイのスープでも飲んでいってくださいまし」
クルペッコ亜種 「お父さん、火を起こしてくださいな」
クルペッコ 「うむ(ガチン、ガチン)」
ジンオウガ 「それでは失礼するとしよう」
ジンオウガ 「ほう……未来を見通せるお守りか……」
46 :三毛猫 ◆58jPV91aG. []:2011/01/14(金) 20:35:36.18 ID:HW5PfGrU0
―クルペッコの巣―

ジンオウガ 「しかし先生が風邪とは……火山に行って、アグナコトルに診てもらったほうがいいのではないか?」
クルペッコ 「それには及ばないよ。この前ドスバギィに会いに凍土に行ってきたのがまずかったらしいね」
クルペッコ 「暖かくしていれば、すぐ良くなるさ」
ジンオウガ 「そうか。それならいいのだが……」
クルペッコ亜種 「どうぞ。ヨロイシダイのスープよ。温まるわ」
ジンオウガ 「ありがたい。頂戴します(ズズーッ)」
ジンオウガ 「うむ。美味い」
ジンオウガ 「ほう……未来を見通せるお守りか……」
47 :三毛猫 ◆58jPV91aG. []:2011/01/14(金) 20:36:58.48 ID:HW5PfGrU0
クルペッコ亜種 「それは良かったわ。まだ沢山あるから、どんどん召し上がって」
クルペッコ 「お母さん、ツチハチノコの酒もまだ残っていただろう。空けておくれ」
クルペッコ亜種 「はいはい、今持ってきますよ」
ジンオウガ 「ほう、ツチハチノコとは」
クルペッコ 「この前リオレウスが持ってきたのだよ。これがどうして、なかなかイケるものでね」
クルペッコ亜種 「どうぞ」
クルペッコ 「さ、まずは一献」
ジンオウガ 「ほう……未来を見通せるお守りか……」
48 :三毛猫 ◆58jPV91aG. []:2011/01/14(金) 20:38:08.88 ID:HW5PfGrU0
ジンオウガ 「いただくとしようか」
ジンオウガ 「(クイッ)……うむ」
クルペッコ 「イケるだろう?」
ジンオウガ 「ああ。これはいい酒だ」
クルペッコ 「して、こんな夜分に何用だね?」
ジンオウガ 「ほう……未来を見通せるお守りか……」
49 :三毛猫 ◆58jPV91aG. []:2011/01/14(金) 20:39:17.52 ID:HW5PfGrU0
ジンオウガ 「先生にこれを見てもらいたくてな(ポイッ)」
クルペッコ 「(パシッ)……これは……お守りか? 人間が加工しているようだが……」
ジンオウガ 「昼間、撃退したハンターが持っていたものを、猫が命乞いでよこしたのだ」
ジンオウガ 「何でも、未来を見通せる力があるらしい」
クルペッコ 「未来を? そんなヨタ話を本気にしたのかい?」
ジンオウガ 「正直そんなもの、どうでもよかったのだが、先ほど気になることが起きてな……」
ジンオウガ 「ほう……未来を見通せるお守りか……」
51 :三毛猫 ◆58jPV91aG. []:2011/01/14(金) 20:42:31.88 ID:HW5PfGrU0
>>50
そうです。投稿スピードが遅くて申し訳ありません
気長にお付き合いくださいm(_ _)m

>>37
前作までのURLはhttp://plaza.rakuten.co.jp/MikenekoMilk/です
お時間がありましたら、ご一読いただけますと幸いです
ジンオウガ 「ほう……未来を見通せるお守りか……」
52 :三毛猫 ◆58jPV91aG. []:2011/01/14(金) 20:43:12.44 ID:HW5PfGrU0
クルペッコ 「…………ほう。そんなことが」
ジンオウガ 「それきり、ウンともスンとも言わぬ」
クルペッコ 「これがもし、猫の言うとおりに、未来を見通せるお守りなのだとしたら……」
クルペッコ 「それは、意思に関係なく発動するものなのだろう」
ジンオウガ 「と、言うと?」
ジンオウガ 「ほう……未来を見通せるお守りか……」
54 :三毛猫 ◆58jPV91aG. []:2011/01/14(金) 20:45:02.39 ID:HW5PfGrU0
クルペッコ 「普通のお守りというものは、持っているだけで力を与えてくれるものだが……」
クルペッコ 「古代のお守りに関しては、その限りではないと言った話を、私は先代から聞いたことがある」
ジンオウガ 「古代のお守り……」
クルペッコ 「それは古龍の力に近いものを持つが、持ち主に不運をもたらすとも聞く」
クルペッコ 「いずれにしても、あまり良いものではないだろう」
クルペッコ 「ウラガンキン様に頼んで、破壊してもらうといい」
ジンオウガ 「ほう……未来を見通せるお守りか……」
56 :三毛猫 ◆58jPV91aG. []:2011/01/14(金) 20:46:25.01 ID:HW5PfGrU0
ジンオウガ 「…………」
ジンオウガ 「いや、これは今しばらく俺が持っておこう」
クルペッコ 「そうか……いずれにせよ、出所不明のモノだ。お勧めはしないが……」
ジンオウガ 「それよりも、俺が見たビジョンが気になる」
ジンオウガ 「その中では、太陽が中天に差し掛かるころ、ドスジャギィが人間に捕獲されていた」
ジンオウガ 「ほう……未来を見通せるお守りか……」
57 :三毛猫 ◆58jPV91aG. []:2011/01/14(金) 20:47:10.16 ID:HW5PfGrU0
ジンオウガ 「それがいつのことかは分からないが、もし本当ならば、何とかして阻止しなければならぬ」
ジンオウガ 「幸い今は夜。中天まで時間はある」
ジンオウガ 「俺はドス組とは仲がよろしくない」
ジンオウガ 「それで先生、貴方の所に来たというわけだ」
クルペッコ 「…………」
クルペッコ 「残念だが若頭、ドスジャギィを止めることは、もはや適わん」
ジンオウガ 「ほう……未来を見通せるお守りか……」
59 :三毛猫 ◆58jPV91aG. []:2011/01/14(金) 20:47:52.91 ID:HW5PfGrU0
ジンオウガ 「どういうことだ?」
クルペッコ 「昼に、ドスフロギィが、人間のハンターに、落とし穴に落とされた末、毒袋を壊されるという大怪我を負った」
ジンオウガ 「!!」
クルペッコ 「ドスフロギィは、ドスジャギィの婚約者だ。ドスバギィもそれを認めている」
クルペッコ 「その意味が分かるな?」
ジンオウガ 「…………ぬう……」
ジンオウガ 「ほう……未来を見通せるお守りか……」
61 :三毛猫 ◆58jPV91aG. []:2011/01/14(金) 20:48:52.50 ID:HW5PfGrU0
クルペッコ 「ドス組は何より仁義を大事にするが……」
クルペッコ 「何より、血の気が多い集団だ」
クルペッコ 「それに仲間意識も高い。いや、高すぎると言っても過言ではない」
クルペッコ 「それ故、私ももはや、口出しができる領分ではないのだよ」
ジンオウガ 「昼にそんなことが起こっていたのか……」
ジンオウガ 「やけにハンターの数が多いと思っていたが……」
ジンオウガ 「ほう……未来を見通せるお守りか……」
62 :三毛猫 ◆58jPV91aG. []:2011/01/14(金) 20:49:33.99 ID:HW5PfGrU0
クルペッコ 「渓流は広い。気づかなかったのも無理はないだろう」
クルペッコ 「若頭よ、ドスの争いに巻き込まれるな」
ジンオウガ 「…………」
クルペッコ 「ドスにはドスの掟がある。あ奴らが通す義理は、通させてやるのが筋というものだよ」
クルペッコ 「それに、お前さんには妻が……」
ジンオウガ 「…………」
クルペッコ亜種 「そうよ、ジンオウガさん。あなたは、今は奥様のことを第一に考えるべきだわ」
ジンオウガ 「ほう……未来を見通せるお守りか……」
64 :三毛猫 ◆58jPV91aG. []:2011/01/14(金) 20:50:42.06 ID:HW5PfGrU0
クルペッコ 「私もそう思う。何なら、私達と、ジョーがお前さんたちを孤島に送ってもいい」
クルペッコ 「ジョーも、お前さんたちのことなら喜んで協力してくれるだろう」
ジンオウガ 「ダメだ」
クルペッコ 「……うぅむ……」
ジンオウガ 「今のこの緊迫した状況に、イビルジョーなどを火山から呼んだら、更に人間達を煽ることになってしまう」
ジンオウガ 「…………俺は、人間を逃すべきではなかった」
ジンオウガ 「あの時に殺し、モンスターの脅威を見せ付けておくべきだったのだ……」
ジンオウガ 「それを、中途半端に煽ってしまったのが悔やまれる……」
ジンオウガ 「ほう……未来を見通せるお守りか……」
65 :三毛猫 ◆58jPV91aG. []:2011/01/14(金) 20:51:42.30 ID:HW5PfGrU0
クルペッコ 「気に病むことはない。もしドスジャギィが、未来予知の結果どおりに、人間に捕まったとしても……」
クルペッコ 「それは、彼の、彼自身の天命だったのだろう」
クルペッコ 「ドスの社会ではそう考える。お前さんたちの組でも、そうだろう?」
クルペッコ 「どこの組にも、口出し無用の領域というものがあるのだよ、違うかい」
ジンオウガ 「その通りだ。だが」
ジンオウガ 「ほう……未来を見通せるお守りか……」
67 :三毛猫 ◆58jPV91aG. []:2011/01/14(金) 20:52:43.03 ID:HW5PfGrU0
ジンオウガ 「俺は、わかっていることをみすみす見逃せるほど、気が穏やかではないものでな」
 >ズシン、ズシン
ジンオウガ 「馳走になった。先生、奥様、俺は帰るとする」
クルペッコ 「…………そうか。そのお守りは、何だったら私が預かってもいいが……」
ジンオウガ 「いや。それこそ、口出し無用の領分だ」
クルペッコ 「分かった。だが……くれぐれも気をつけるんだ。お前さんに言うべきことではないのかもしれないが……」
ジンオウガ 「ほう……未来を見通せるお守りか……」
69 :三毛猫 ◆58jPV91aG. []:2011/01/14(金) 20:53:31.08 ID:HW5PfGrU0
クルペッコ 「最近の人間達は、何か不穏なものを持っている」
クルペッコ 「私は、嫌な予感がしてならないのだよ」
クルペッコ 「この渓流の、水没林の暮らしが、大きく変わってしまうのではないかという懸念をね……」
クルペッコ亜種 「お父さん……」
クルペッコ 「若頭、悪いことは言わない」
クルペッコ 「時期を見て、奥様を連れて、孤島のドボルベルク様のところに身を寄せるのだ」
ジンオウガ 「ほう……未来を見通せるお守りか……」
71 :三毛猫 ◆58jPV91aG. []:2011/01/14(金) 20:54:33.07 ID:HW5PfGrU0
クルペッコ 「お前さんが、人間のハンターに対して過剰な気持ちを抱くのは分かる」
クルペッコ 「だが、抑えるのもまた強さだよ」
ジンオウガ 「…………」
ジンオウガ 「ご忠告、感謝する。それでは」
 >シュバッ!!
クルペッコ亜種 「…………お父さん、彼は行くわ」
クルペッコ 「うぅむ……彼の力なら懸念を抱くことはないのかもしれないが……」
クルペッコ 「何か、嫌な予感がする。私も、明日はドスジャギィの行動に注意するとしよう」
ジンオウガ 「ほう……未来を見通せるお守りか……」
72 :三毛猫 ◆58jPV91aG. []:2011/01/14(金) 20:55:51.27 ID:HW5PfGrU0
―ユクモ村<朝>―

太刀 「ふあぁぁ……ここの温泉は格別ねぇ」
太刀 「ポッケ村には温泉なんてなかったから、新感覚よ」
ハンマー 「まったく、朝っぱらから元気なことだな。こんなに早くから温泉に入らなくてもいいだろうに……」
太刀 「早くだから良いのよ。遅れれば遅れるほど、汗臭い男達に汚されちゃうじゃない」
太刀 「うーん……ゆっくりできていいわー」
ハンマー 「それはそうと、何故お前は温泉の中でも下着をつけているんだ?」
太刀 「混浴だからに決まってるじゃない! 何? ハンマーはあたしの裸を見たいの?」
ハンマー 「そんなつもりは毛頭ない」
ジンオウガ 「ほう……未来を見通せるお守りか……」
74 :三毛猫 ◆58jPV91aG. []:2011/01/14(金) 20:57:12.13 ID:HW5PfGrU0
太刀 「それはそれで何かイラつくなぁ……」
ドリンクアイルー 「ささ、旦那さん方、あっしの自慢のドリンクをご賞味くだせぇニャ」
太刀 「わぁ、いろんな種類があるのね!」
太刀 「どれにしようかなー」
ドリンクアイルー 「このラッキーヨーグルトなどが、自慢の一品ですニャ」
太刀 「ヨーグルト? ハンマー、ヨーグルトってなんだか知ってる?」
ジンオウガ 「ほう……未来を見通せるお守りか……」
78 :三毛猫 ◆58jPV91aG. []:2011/01/14(金) 20:58:17.18 ID:HW5PfGrU0
ハンマー 「…………」
太刀 「ハンマー! ちょっと、聞いてるの?」
ハンマー 「? あぁすまん、何の話だったか」
太刀 「もういいわよ。じゃあそれを二個」
ドリンクアイルー 「へい、かしこまりやしたニャ」
 >ゴソゴソ
ドリンクアイルー 「お代は締めて1000zになりやすニャ」
太刀 「お金取るの!?」
ジンオウガ 「ほう……未来を見通せるお守りか……」
80 :三毛猫 ◆58jPV91aG. []:2011/01/14(金) 20:59:25.59 ID:HW5PfGrU0
ドリンクアイルー 「へい。一応商売なんで」
ハンマー 「仕方ないな……ほら。これでいいだろう」
ドリンクアイルー 「確かに受け取りやしたニャ。どうぞどうぞ」
太刀 「(ゴクゴク……プハァー!!)うん、美味い!!」
ハンマー 「礼もなしか……」
太刀 「何か言った?」
ハンマー 「いや、いい」
ジンオウガ 「ほう……未来を見通せるお守りか……」
81 :三毛猫 ◆58jPV91aG. []:2011/01/14(金) 21:00:13.92 ID:HW5PfGrU0
ハンマー 「それはそうと、ドリンク屋」
ドリンクアイルー 「へい? 何ですかい?」
ハンマー 「昨日の昼間、随分と騒がしかったが、何かあったのか?」
ドリンクアイルー 「あぁ、昨日ですかい」
ドリンクアイルー 「聞いて驚くなかれ、渓流に、またジンオウガが現れたんですニャ」
ハンマー 「……ジンオウガ?」
太刀 「あぁ、あたし知ってる。あたしらがここに来た直後あたりから、渓流に住み着いた、化け物みたいなモンスターでしょ?」
ジンオウガ 「ほう……未来を見通せるお守りか……」
82 :三毛猫 ◆58jPV91aG. []:2011/01/14(金) 21:01:16.43 ID:HW5PfGrU0
ドリンクアイルー 「へいへい。その通りで」
ドリンクアイルー 「一体どこから流れてきたのやら、あれのせいでガーヴァ便は欠航せざるを得なくなるわ……」
ドリンクアイルー 「ドリンクの材料は、モンジロウ殿にお頼みするしかなくなるわで、散々なんですニャ」
ハンマー 「そんなに強いのか?」
ドリンクアイルー 「少なくとも、このユクモ村には太刀打ちできるハンターはいねぇかと……」
ドリンクアイルー 「昨日も挑んだハンターが、黒こげになって帰ってきましたしねぇ」
太刀 (ごくり)
ジンオウガ 「ほう……未来を見通せるお守りか……」
84 :三毛猫 ◆58jPV91aG. []:2011/01/14(金) 21:03:11.32 ID:HW5PfGrU0
ハンマー (俺の持つ武器の、古龍の大宝玉が、昨日の昼に反応していた……)
ハンマー (そのジンオウガとやらのせいだろうか……)
ハンマー (龍とは、刃を交えたりしたこともあったが……)
ハンマー (いずれも高い知性を持っているモンスターだった)
ハンマー (黒こげにしても殺さなかったとは……)
ハンマー (何か訳があるんじゃないだろうか……)
ジンオウガ 「ほう……未来を見通せるお守りか……」
86 :三毛猫 ◆58jPV91aG. []:2011/01/14(金) 21:04:09.94 ID:HW5PfGrU0
太刀 「そんな危険なモンスター、放っておくわけにはいかないわ!」
ドリンクアイルー 「! お客さん、無茶はしない方がいいですニャ。何せあいつは……」
太刀 「ね、ハンマー。そうでしょ?」
ハンマー 「俺に振るのか……」
太刀 「このハンマーはね、ポッケ村やシュレイド地方では知らないハンターがいないほどの、有名なG級ハンターなのよ」
太刀 「こいつにかかれば、ジンオウガなんて二捻り半よ」
ドリンクアイルー 「ニャニャ! そいつはすげぇや! 早速村長さんに報告してきますぜ!(ダダダッ)」
ハンマー 「おい待……」
ハンマー 「行ってしまったか……余計なことを言うな。俺は、ここにはただの地形調査のために来ただけだ」
ジンオウガ 「ほう……未来を見通せるお守りか……」
87 :三毛猫 ◆58jPV91aG. []:2011/01/14(金) 21:05:14.69 ID:HW5PfGrU0
ハンマー 「お前がそれに勝手についてきたんだろう。戦うならお前一人で戦うんだな」
太刀 「えぇぇー、つれないこと言うなよダーリン」
ハンマー 「やめろくっつくな……」
太刀 「路銀もなくなってきたしさ。ここらでガッポリ稼いで、ここでも尊敬を集めておこうよ」
ハンマー 「お前がやれば良いだろう」
太刀 「あたしに出来ると思ってんの!?」
ハンマー 「まぁ無理だな」
太刀 「何だとぅ!?」
ジンオウガ 「ほう……未来を見通せるお守りか……」
90 :三毛猫 ◆58jPV91aG. []:2011/01/14(金) 21:06:39.75 ID:HW5PfGrU0
村長 「オホホホホ。仲がお宜しいことで」
太刀 「そ……村長さん!」
番台猫 「話はドリンク屋から聞かせていただきましたニャ。すぐ近くで村長さんと、丁度ジンオウガについての話をしておりましたニャ」
番台猫 「ジンオウガの退治を、是非ともご依頼したいですニャ」
番台猫 「あのモンスターのせいで、交易や通行の便が殆ど封鎖されてしまっているのですニャ」
村長 「……全面的にジンオウガのせいということもないのですが……」
ジンオウガ 「ほう……未来を見通せるお守りか……」
91 :三毛猫 ◆58jPV91aG. []:2011/01/14(金) 21:08:08.28 ID:HW5PfGrU0
村長 「渓流は比較的に村に近いために、新米ハンターが、無謀にも戦いを挑みに行き易い場所なのです」
村長 「昨今は、渓流のモンスターも様変わりしまして……」
村長 「この村のハンターでは、たち打ちが出来ないモンスターも多数出ております」
ハンマー 「しかし、昨日はモンスターを撃退したと、大きな騒ぎがあったではないですか」
ハンマー 「偶然通りかかったのですが、そんなに弱いハンターばかりとは思えない」
太刀 「ちょっとハンマー。折角村長さんから直々の依頼なんだから、受けておこうよ」
ハンマー 「それとこれとは話が別だ。だから、俺はここに地形調査に来ただけだと……」
ジンオウガ 「ほう……未来を見通せるお守りか……」
92 :三毛猫 ◆58jPV91aG. []:2011/01/14(金) 21:08:58.25 ID:HW5PfGrU0
村長 「…………ドスフロギィは、比較的弱いモンスターです。ですが……本当は、安易に倒してはいけないモンスターだったのです」
ハンマー 「? ……どういうことですか?」
村長 「渓流に住むモンスターは、何故かものすごく連帯感が強いのです」
村長 「例えば、クルペッコと呼ばれるモンスターは、他のモンスターの鳴き声を使うことにより、呼び寄せたりもします」
ハンマー (クルペッコ……あの彩鳥のことか。ここにも生息していたのか……)
ジンオウガ 「ほう……未来を見通せるお守りか……」
94 :三毛猫 ◆58jPV91aG. []:2011/01/14(金) 21:10:37.10 ID:HW5PfGrU0
村長 「それでなくとも、異種間であるにも拘らず、一緒に行動していることが多いのです」
村長 「それゆえに、不必要にモンスターに手出しをすることは禁止しているのですが……」
村長 「禁を破ったハンターが、昨日ドスフロギィに深手を負わせてしまいました」
村長 「そのせいで、昨日の夜分から、渓流に不穏な空気が流れています」
村長 「私は、それが不安でならないのです……」
ジンオウガ 「ほう……未来を見通せるお守りか……」
97 :三毛猫 ◆58jPV91aG. []:2011/01/14(金) 21:12:11.73 ID:HW5PfGrU0
ハンマー 「…………」
太刀 「どうするのハンマー? 村長さん困ってるよ?」
村長 「近く、確実にジンオウガは出てきます。ハンマーさん、太刀さん、よろしければ、警戒にだけでも参加していただけないでしょうか?」
ハンマー 「それなら構いませんが……」
太刀 「決まりだね。それじゃ村長さん、報酬の件だけど……」
ハンマー 「お前は本当に意地汚いな。村長さん、討伐でもないのに報酬はいただきませんよ」
太刀 「何で!? いいじゃんもらったって。どうせハンマーが倒して終わりでしょ」
ジンオウガ 「ほう……未来を見通せるお守りか……」
98 :三毛猫 ◆58jPV91aG. []:2011/01/14(金) 21:13:39.77 ID:HW5PfGrU0
ハンマー 「物騒なことを言うな……」
村長 「オホホホホ。きちんと謝礼は用意させていただきますわ」
村長 「警戒には、今日の昼から熟練ハンター組を行かせる予定です。貴方達には、村近くの渓流を担当していただきたいのです」
ハンマー 「確かに……村にまで危害が及んだら大変だ。戦えない女子供も、ここには多い」
ハンマー 「引き受けましょう」
太刀 「あたしも行くよ!」
ジンオウガ 「ほう……未来を見通せるお守りか……」
100 :三毛猫 ◆58jPV91aG. []:2011/01/14(金) 21:14:49.20 ID:HW5PfGrU0
番台猫 「狩場はとても不安定な状態になっておりますニャ。十二分に気をつけてくださいニャ」
太刀 「(ガチャガチャ)大丈夫よ。ハンマーがいれば。何とかしてくれると思う」
ハンマー 「それはいいが、自分の身は自分で守るんだな(ガチャガチャ)」
太刀 「もう、ダーリンは冗談がうまいなぁ」
ハンマー 「…………」
村長 「もう少しで先発隊が出発します。貴方達は、ご自分のペースで出撃されてください」
ジンオウガ 「ほう……未来を見通せるお守りか……」
101 :三毛猫 ◆58jPV91aG. []:2011/01/14(金) 21:15:43.91 ID:HW5PfGrU0
村長 「これは、支給用の秘薬です。お一人ひとつずつお渡ししておきます」
村長 「それに、これを」
 >キラッ
ハンマー 「これは……」
村長 「太刀さんは残念ながら装備できないかと思いますが、ハンマーさん、貴方の防具には装備が可能なようです」
ハンマー 「宝石ですか?」
ジンオウガ 「ほう……未来を見通せるお守りか……」
103 :三毛猫 ◆58jPV91aG. []:2011/01/14(金) 21:16:34.33 ID:HW5PfGrU0
村長 「いえ、『古いお守り』です」
ハンマー 「古いお守り……」
村長 「その中でも、龍の護石と呼ばれるものです。今までは使える者が誰もいなかったので、わたくしが持っていましたが……」
ハンマー 「ふむ……」
太刀 「綺麗。宝石みたいね」
村長 「このお守りには、武器の一撃を重くする、龍の力が宿っています。貴方の武器に相性がいいのではないでしょうか」
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