- 唯「さばいばる!」
30 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2010/08/29(日) 00:03:11.97 ID:gKiOI2t80 - 唯はともかく、律と紬の二人はSOSの石が慰みにもならないものだと気づいていた。
あれだけの大津波が起きたのだ。おそらくは全国的に津波災害が発生したに違いない。 そのなかで得体のしれない無人島に漂流した女子高生をさがすことなど誰も思いつかないだろう。 浜からの道はずっと砂利続きで、アスファルトと違いサンダルでの歩きにくさが目立つ。 看板の年数からでは推測しがたいが、この島は一体何年前から人が踏み入ってないのだろうか。 そこらに伸び放題の雑草はなぜか砂利道を邪魔することなく生えていたが、 相当な年数この島が人から見向きされていないであろうことを如実に物語る。
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- 親友を好きになってしまったのだが・・
10 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2010/08/29(日) 00:04:22.43 ID:gKiOI2t80 - >>9
アッーー!? Vipに立てたんだもんな じゃあ>>17送る 頼んだぞお前ら
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- 唯「さばいばる!」
32 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2010/08/29(日) 00:10:17.87 ID:gKiOI2t80 - 砂利道をてくてく歩きながらも唯の頭にはずっとひとつのことが気になっていた。
唯の下腹部の熱はますます強くなる。これは腎臓や肝臓のあたりだろうか。 唯には理由もよくわからないが熱はますます上がっていくばかりだ。 唯「なんか、お腹が熱い……」 律「お前もか……!」 紬「実は私も……」 三人は全員が同じ症状を持ったことに奇妙な不安を覚えた。 紬「そしてのどがすごく渇くんでしょう?」 唯「う、うん!」 律「海水の飲みすぎか……!!」 紬「ええ、多分……」 本能だろうか、医学的知識を持ち合わせない三人には根拠をもちだせなかったが、 潮水の飲みすぎをすぐに察知することができた。 律「急ごう……」 危機感が三人の足取りを速めていく。
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- 唯「さばいばる!」
34 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2010/08/29(日) 00:14:39.70 ID:gKiOI2t80 - 十分ほどすると商店一軒と家が十軒ほどのちょっとした集落についた。
通りの退廃具合からして人はすっかり何年も前からいないのだろう。家々の庭は雑草パラダイスになっている。 示し合わせたように三人は散り散りになって集落を歩き回り何かないかを捜し歩いた。 何かとは、さっくりいえば水を飲む蛇口の類のモノである。 すでに三人ののどの渇きは口にこそ出さないものの相当ひどくなっていた。 そして三人それぞれがそれぞれの渇きを思って何かを必死に探す。 通り以外は雑草だらけで思うように探索も進まない。
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- 唯「さばいばる!」
35 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2010/08/29(日) 00:16:08.53 ID:gKiOI2t80 - 律「おーい!二人ともー!こっちにこいよー」
家々の庭を観察していた唯たちに先駆け、律が何かを発見したようだ。 律「おいおい井戸があるぜ!!」 ついに水を発見した唯たち!果たして澪と梓は生きているのか!唯たちは生き残れるのか!唯たちのサバイバルは始まったばかりだ!! 完!!!!!!!!!!!!!
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- 親友を好きになってしまったのだが・・
20 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2010/08/29(日) 00:16:26.95 ID:gKiOI2t80 - 再安価でいいのか・・?
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- 唯「さばいばる!」
36 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2010/08/29(日) 00:19:35.12 ID:gKiOI2t80 - 第二部
井戸があっても水がきれいかわからない。いや、井戸などそもそもかれてるかもわからないのだ。 しかし、唯の腹部の熱がますます強くなる。水が飲みたい。三人の本能は理性的な嫌疑をどこかに置き去りにして井戸に向かわせた。 この渇きのまえでは水が安全かどうかなどどうでもよかった。真水ならなんでもいい。 井戸は手押しポンプ式で少々錆び付いていたが、律が手でポンプを動かすと、水がでてきた。 唯「うう……」 律「はあ……?」 真っ赤に錆びた色をした水が
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- 親友を好きになってしまったのだが・・
22 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2010/08/29(日) 00:20:46.83 ID:gKiOI2t80 - >>26を送る
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- 唯「さばいばる!」
38 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2010/08/29(日) 00:24:34.46 ID:gKiOI2t80 - ポンプが錆びついていたからだろう。しばらくは赤い水がで続けた。
しばらくして真水がでてくると律は何も考えずにポンプの下に口をやり水を飲み始めた。 きれいな水と夕焼けの光が空中でキラキラとぶつかって、唯は思わず生唾を飲む。 律「うまい、めちゃくちゃうまいぞ!」 そんな言葉を聞かされては紬も唯も黙ってはいられない。律に習って二人もポンプからの水を浴びるように飲んだ。 唯「おいひいよっ!」 紬「おいひい!」 どことなく鉄くさい味もしたが、のどの渇きの前では大した問題ではない。 浴びるように水を飲み乾きを癒した三人は急にもじもじし始め、お互いの下腹部を意味ありげにチラチラ見る。 紬「みんな……、いきたくない……?」 律「だよな、ずっと我慢してたしな……」 みなが恥じらいの目で自分の股に目をやる。 唯「うん、おしっこしたい……」
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- 唯「さばいばる!」
40 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2010/08/29(日) 00:30:40.55 ID:gKiOI2t80 - 気づけば三人の尿意はクライマックスに達していた。本当は最初からクライマックスだったが、
三人の緊張が解けて、水をのんだことでそれは思い出したように強さを増して三人を襲うのだ。 尿意からすれば、俺の必殺技パート2といったところだろうか。 唯「おしっこしようか……」 律「まて、紙がないし、そもそもトイレがないぞ……」 紬「それはねえ……、仕方のないことだし……」 律「野外か!野外なのか!」 唯「どうせだれもいないよ」 律「そういう問題じゃねえ!」 紬「じゃあ、どうするの?」 律「みっ民家のなかのトイレを!」 唯「民家のことはよくわからないし、危ないよ」 紬「じゃあ野外しかないわね」
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- 親友を好きになってしまったのだが・・
31 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2010/08/29(日) 00:31:33.19 ID:gKiOI2t80 - >>27
よし意味不明だ 送った 相手は黒髪ロングだぜ
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- 親友を好きになってしまったのだが・・
33 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2010/08/29(日) 00:35:22.58 ID:gKiOI2t80 - >>32
誰だよそいつww 返事こねぇええ
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- 唯「さばいばる!」
42 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2010/08/29(日) 00:36:57.59 ID:gKiOI2t80 - 唯「うん、もう我慢できないし」
紬「非常時だし」 律「ううっ……お嫁にいけない……」 唯が待ってましたとばかりに短パンを脱ぎ、肌にまとわりついた水着を全力で脱ぎだす。 それを見て紬も勢いよく短パンと水着を同時脱ぎし、二人は秘所をあらわにかがみこんだ。 紬「ツーピースで良かったあ!」 唯「うん、すばやく脱げるよ!」 律「ちょっとまて……お前ら二人で一緒にやるのか……!!」 唯「まっさかー」 律「だよなー」 紬「三人だもの!!」 律「ですよねー」
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- 親友を好きになってしまったのだが・・
36 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2010/08/29(日) 00:38:50.92 ID:gKiOI2t80 - 女だよ
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- 唯「さばいばる!」
43 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2010/08/29(日) 00:40:19.88 ID:gKiOI2t80 - 律「まっ待てよ!」
唯「したいの!?したくないの!?」 律「ううっ!やるっきゃない!」 紬「待ってましたあ!」 意を決したのか律も服を脱ぎ、三人は輪になってかがみ、標的をその輪の中心に定め、 放尿を開始した。
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- 親友を好きになってしまったのだが・・
39 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2010/08/29(日) 00:41:54.81 ID:gKiOI2t80 - >>37
ああ、ありきたりなんだけど好きんなったもん仕方ない
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- 親友を好きになってしまったのだが・・
41 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2010/08/29(日) 00:45:48.55 ID:gKiOI2t80 - >>40
百合でもないです
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- 唯「さばいばる!」
48 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2010/08/29(日) 00:46:41.21 ID:gKiOI2t80 - ブシャアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!
クライマックスなどっとっくに通り越した膀胱がうなりをあげる!! 唯「はっ、はぁ、うっあああああああああああああ!!」 内在的な水分量にすでに三人の膀胱は破裂寸前! つまりはこの排尿も大変なエネルギーをもつのだ!! 律「いやあああっ!!お、おなかがああああ!!」 まさしく苦行!まさしく試練!三人は襲い来る水分の暴力に必死に抗う。 紬「音、音がすごいの!!消せなくてっ!!ああ!!」 そう、静音の仕様がない野外放尿は流れ落ちる滝のように激しくうなる!! ブッシャアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!!!!!!!!!!1
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- 唯「さばいばる!」
52 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2010/08/29(日) 00:50:34.90 ID:gKiOI2t80 - 律「見られてる!見られちゃってるう!!!」
唯「ふえっ、見られてするの!!!」 ぶっしゃあああああああああああああああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!! 紬「すっごく!!!!!!!!!!!」 ぶしゃあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!111 律「……気持ちいい!!」 三人はしばらく全力を出し切り、お互いの放尿をしっかりとみつめながら、最後にはちょろちょろとそれを終えた!
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- 唯「さばいばる!」
53 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2010/08/29(日) 00:53:38.47 ID:gKiOI2t80 - さて、放尿を終えた三人の顔は勝利と悦楽に輝いていた。
紙がないこの状況では、清潔さを保つのに一つの方法しかなかった。 このあと、嫌がる律のまたを二人で丹念に井戸で水洗いしたり、 仕返しとばかりに律が二人のまたをきれいに洗ったりしたのだが、 さすがにその話は本編に関係ないうえ、狙いすぎなのでやめておこう。
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- 唯「さばいばる!」
54 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2010/08/29(日) 00:59:13.01 ID:gKiOI2t80 - 落ち着いたころには太陽はほとんど沈みかけて、島を黄昏が支配しようとしていた。
まだ明かりのあるうちに探索を進めなければなるまい。 三人は井戸から離れて井戸に一番近い民家の探索にかかる 一軒目は古泉という立派な表札の平屋だ。 割りと保存状態がよかったのか畳はともかく、縁側や板の間は埃を被っていたが使えそうだ。 庭が広く、日当たりの問題か雑草もそこまで多くはなかった。 今夜はおそらくここの板の間あたりで寝ることになるのではないだろうか。
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- 唯「さばいばる!」
56 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2010/08/29(日) 01:04:41.66 ID:gKiOI2t80 - 室内を探すと食料品は乾パンが台所にたんまりあったが他は全滅。
布団などは非常に状態が悪く使えそうなものはなかった。 あとはいくらかの調理器具と小説や聖書のような本があるくらいでほとんど何もない。 何十年も前に人がいなくなったようだったが、 缶詰の賞味期限はここ二三年前に切れたものばかり このことに三人とも気がついたが、気にせずに缶切りを探しだした。 律「にしても、湿気た家だなあ、ったく」 紬「食料品と調理器具があるだけいいわ」 唯「とりあえず、当面の水と食料はなんとかなりそうだね!」 安堵に唯の顔がほころぶ。 が、 紬「どうかしら……」 紬が土間にあった古泉家のかまどを睨みながら、不安そうな表情をつくる。
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- 唯「さばいばる!」
58 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2010/08/29(日) 01:10:35.26 ID:gKiOI2t80 - 唯「へ?」
唯が間抜けな声を出すと、律が紬の横に歩いていき相談を始めた。 紬「まず、私たちには調理器具はあっても火がない」 律「ああ、火を通さずに食材をとるのはなるべく避けたいところだ」 食中毒のリスクを下げるため、胃に優しい食事をつくるために 火は欠かすことのできないファクターである。 律「火はほかのことにも使えるしな」 唯はほかの事が何かはわからなかったが、二人の会話をじっと聞く。
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- 唯「さばいばる!」
59 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2010/08/29(日) 01:11:55.99 ID:gKiOI2t80 - 紬「あとは靴ね、ビーチサンダルで畳が抜けたりしたら大怪我よ」
足を持ち上げ不満げにぶらぶらさせて、紬は律を見る。 律「だったら短パンに布だって改善したいとこだぜ」 対して律は大げさに布と短パンを強調してみせた。 唯「うーん、そういえば怪我しても医薬品もないし、じつは全然なんにもないんだね……」 律「ナイフやスコップもあってもいいだろう」 紬「うん、とにかく身の安全と健康を考えたら今すぐにでも欲しいものはたくさんあるの」 三人は水を手に入れた幸運になかなか気づいていないが、水こそ彼女たちの最大の発見、功績である。 水だけあれば三日は生き残れるのだから、なにもないなどとはサバイバル知識のある人間なら口にしなかっただろう。
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- 唯「さばいばる!」
60 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2010/08/29(日) 01:14:53.57 ID:gKiOI2t80 - 三人は窓の外を見る。この家の窓には一応ガラスと網戸がかかっていた。
目を凝らすと夜が近いのが空の色でわかった。 律「まずは火だな……」 紬「ええ、いきましょう」 唯「ファイトー!」 紬「いっぱーつ!」
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- 唯「さばいばる!」
61 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2010/08/29(日) 01:16:30.72 ID:gKiOI2t80 - 唯「マッチマッチー」
律「チャッカマーン」 紬「ガスバーナー」 三人は日が沈む前に火をつけるのが先決と各々集落内を駆け回り、火の元を探す。 唯「あっマッチあったよー!」 キョンと壁にペンキで書かれた、集落内でも一番ぼろぼろの家の仏壇からマッチを探し出した唯。 早速、紬と律は枯れ木を集めて、家のかまどに火をくべようとする。 長年の湿気のせいか、なかなか火をつけられなかったが、何とか日が沈む前にマッチをかまどに投げ込む。 かまどのなかでは徐々に徐々に火が燃え、燃え広がり、暖かな光が古泉邸をつつむ。 何本かの薪のストックを用意するまもなく、火がついて数分で 唯たち三人は睡魔にまけた。 玄関でくたくたになって横になる三人は、その瞬間だけは苦しさを忘れて安らかな表情を浮かべるのだった。 一日目終
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- 唯「さばいばる!」
62 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2010/08/29(日) 01:17:24.24 ID:gKiOI2t80 - とりあえずいったんお休み、今ちょっと澪とあずにゃん生かすか殺すか迷ってる。
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- 唯「さばいばる!」
65 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2010/08/29(日) 01:41:57.82 ID:gKiOI2t80 - 遭難1日目!Bパートの予告!
こいつははずれをひいたなあと最初にわかったのは 水の中でおぼれかけながら意識を取り戻したら、、 砂浜に力なく座ってただ泣くだけの澪先輩が見えたときからだ。 必死に砂浜に向かって泳ぎながら、他の先輩と漂着したかったものだと思った。 ムギ先輩は案外クールだけど、みんな優しくて決断力がある。 この決断力のない女を引き当ててしまったのは不幸だ。 砂浜にたどりつく頃にはこんな気持ちはすっかり消えていた。 このときは、こんな暗い感情をさらけ出した自分が正直怖かった。 でも、この感情がまちがったものじゃないという確信がどこかでささやいていた気もする。 寝ます。残ってたら頑張らせていただきます。
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- 唯「さばいばる!」
74 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2010/08/29(日) 09:09:53.36 ID:gKiOI2t80 - 熱した砂の上、梓があんなに遠くに見える。
とにかく混乱していた。澪は溺れている梓を助けようとしたが、 助けようにも声の出し方と歩き方がとっさにわからなくなってしまった。 こんなことが実際にあるのである。 後輩の命の窮地にも情けない自分が恥ずかしい。 恥ずかしいけど泣くことしかできない。それが恥ずかしい。堂々巡りだ。 「うわ、うあああああああ」 そんな自家撞着をよそに梓はなんとか砂浜までたどりついた。 体力を限界ギリギリまで浸かって何とか浜辺にたどりつく。 梓の眼に非難するような色はなかったが、失望はありありと描かれていた。 まあ、実際のところ助けに来ても二人とも溺れてしまう可能性だってあるのだから、 非難の仕様はないし、失望を抱いたのも自分勝手な気がして、 梓はとりあえずのところ澪をどうにかしてあげたいと思うようになった。
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- 唯「さばいばる!」
75 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2010/08/29(日) 09:11:54.90 ID:gKiOI2t80 - 澪はそんな逡巡にも気付かずに泣きながら、やっと声の出し方を思い出したのか。
「梓、大丈夫か!?大丈夫だったか!?」 などと今更になって言い出し、梓の失望を少しよみがえらせる。 いい人だけど使えない。梓は無意識化で澪に対してそう判断を下した。 それは半分事実だったが、サバイバル化ではストレスはたまりやすいものだ。 否定的になりやすいし、それはいくらかの危険もはらむ。 この否定的判断が吉と出るか凶と出るかは、いずれわかるだろう。
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- 唯「さばいばる!」
77 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2010/08/29(日) 09:30:36.61 ID:gKiOI2t80 - 澪「良かった、本当によかった!!」
澪は馬鹿みたいにその文句を繰り返すばかりでなにも考えられない様子だ。 梓はわかったわかったと手でその動きを制し、いきなり切り出す。 梓「三人を探しに行きましょう。」 その言葉を聞いて初めて、澪は三人の不在に気づいたようだ。 急にあたふたし始めて、なにやら二三ぼそぼそつぶやくと、 にっこりと笑顔を浮かべて、そのまま微動だにしなくなった。 面倒だなあ、と梓は口には出さないけれど、強く思った。
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- 唯「さばいばる!」
78 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2010/08/29(日) 09:37:40.96 ID:gKiOI2t80 - おそらく、意識を失うなりなんなりで潮水をあまり飲まなかったのだろう。
梓と澪は漂着してすぐに行動が開始できた。もっとも澪は再起動にずいぶんかかったが。 同じ浜に流されるなら同時に近い時間で着くはず、 という梓の意見でSOSの置き石を残して二人はビーチから早々に立ち去ることとした。 浜に流れ着いたゴミからサンダルを拾ってきれいに洗って履く。 澪は拾ったものを使うのが嫌そうだったが、後輩の前なので頑張った。 澪「どこをどう探すんだ?」 自分で考えてください、などと意地悪を言おうか迷ったが、正直に伝えた。 梓「とりあえず真水を探しましょう。」
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- 唯「さばいばる!」
81 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2010/08/29(日) 10:00:33.23 ID:gKiOI2t80 - 澪「どうして水なんて探すんだ?」
梓「生存には水は不可欠ですよね?」 澪「水さえあれば、三日半は生きられるなんて言うよな」 梓「私たちには絶対必要です。つまり、」 澪「みんなにも必要か!」 梓の推理は非常に、論理的には正しいものだった。 生存に必要な水、それを得ると同時に仲間と再会する。 だが実際には唯たち三人にはそれでは会えない。 無人島であろうことは二人とも理解していたが、二人とも家を見ていなかった。 その二人がまさか井戸が生きている集落があろうなどと予測できるはずもない。 小さな間違えを抱えつつ二人は浜辺に沿って歩き、河口を探すこととした。
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- 唯「さばいばる!」
82 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2010/08/29(日) 10:08:03.08 ID:gKiOI2t80 - 河口を探すと一口にいっても簡単なものではない。
梓の思惑に反して、すぐには河口にはたどりつけない。 浜の熱さにやられそうになりながら、二人はせっせと歩く。 この間、二人は一言も言葉を発することはなかったが、それは正しい。 熱と徒歩による疲労以外は最小限に抑えて行動することが本能的にできていた。 40分ほどわき目も振らずに歩くと、海にちょっとした川が流れているのが見えてきた。 澪「なんだか結構細い河だな……」 梓「支流ってやつなんでしょうか……」 二人は少しばかりのどが渇いていたが、下流の水はどうにも信用できず、 火照った皮膚を湿らせる程度で口には含めず、上流に向かって歩き出す。
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- 唯「さばいばる!」
83 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2010/08/29(日) 10:15:30.43 ID:gKiOI2t80 - 上流に行くにはどうにも道が歩きにくく、サイズの合わないサンダルでは難行だった。
梓と澪はたがいに怪我のないように注意して、ゆっくりとだが確実に登っていく。 梓「上流に向かえば、この川がどういう構造か少しはわかりますね」 澪「ああ、唯たちも水のきれいな上流近くに向かうだろうし」 残念ながら井戸を手に入れた三人にはその考えでは外れである。 しかし上流を目指すという志向はサバイバルにおいて決して間違いではない。 きれいな水を手に入れるのは最優先の命題なのだ。 山に入って沢を探そうとするようなことは素人には無理だが、 上流をめざし比較的きれいな湧水を探すのは難しくない。
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- 唯「さばいばる!」
84 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2010/08/29(日) 10:22:18.13 ID:gKiOI2t80 - 道なき道をかき分けていくと、水がたまっている地点へたどりついた。
ここから水がわいているわけではないが、見たところきれいな水が蓄えられている。 湿った川沿いを歩いてきた二人はそこまでのどが渇いていたわけではないが、 それでもやはり水を飲まないわけにはいかない。 澪「ここの水、きれいかな……」 梓「なんとも言えないですね」 見た目がきれいでも雑菌が繁殖している水など多々ある。 水溜りの近くに作業小屋のようなものがあるのに澪が気付き、 視線で梓を促し、とりあえずは小屋の中をみてみることにした。
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- 唯「さばいばる!」
85 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2010/08/29(日) 10:31:30.12 ID:gKiOI2t80 - 作業小屋は八畳もない掘立小屋だったが、所狭しと道具が並べてある。
漁や採集に使うのか釣り具やナイフやマッチや薬缶など役立ちそうなものは多い。 安全靴や作業着のつなぎ、ブルーシートに蚊取り線香、石鹸まである。 澪「すごいな……」 どの道具も少々ふるいがつかいようはありそうだ。 澪は無人島でこのような道具と出会えたことが不思議でならかった。 どうしてこうも使える道具が都合よく並ぶのだろうか。 神秘を感じる澪に対し、梓は早々と道具の中から薬缶とマッチを取り出す。 澪「どうした、梓?」 梓「そうですよ、水が飲みたきゃ沸かせばいいじゃないですか!」 そういうと梓は枯れ木を探しに出ていった。 ワンテンポ遅れて澪も石を探しに出て行った
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- 唯「さばいばる!」
89 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2010/08/29(日) 10:46:08.12 ID:gKiOI2t80 - かまどは、熱効率を高めるために三方を石の壁で囲った「コの字形」がもっとも一般的なタイプである。
その際には、「空気が供給されやすいように、かまどの焚き口を風が吹き込んでくる側へ向ける事が鉄則」 そのような基本事項を知っていた澪はせっせとかまどを組み上げていく。 梓もそれにはくちだしせずにさまざまな太さの枝を拾ってきた。 なんだかんだで二人のコンビネーションは良好だった。 お互いが規則的に自分のやることを理解していたので、 問題もなくかまどと薪の用意はできた。 水溜り近くにあったのでマッチは湿っていた。 なかなかつかなかったが、しばらくしてどうにか弱弱しい火がついた。 それをダメにしたマッチにつけて、かまどの中で木々が徐々にが燃え上がる。
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- 唯「さばいばる!」
90 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2010/08/29(日) 10:50:57.74 ID:gKiOI2t80 - 澪「や、やったあ!」
梓「ヤッテヤッタデス!」 澪と梓は手を取り合って我を忘れて喜んだ。 共同作業の達成は人間に喜びの感情を与える。 それは原初の人間が狩をしていたころからの本能である。 作業の中で梓は澪への否定的判断を払拭し、尊敬する澪先輩は帰ってきた。 澪の弱さと強さの両方を受け入れることができるようになったのだ。 共同作業は心の結びつきを強める。 ましてや、二人で生存のために作業するなど、最高の好機だ。
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- 唯「さばいばる!」
91 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2010/08/29(日) 10:54:05.10 ID:gKiOI2t80 - 書きだめしといたテキストファイルが開けない……
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- 唯「さばいばる!」
107 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2010/08/29(日) 15:10:52.85 ID:gKiOI2t80 - やりゃあいいんだろ、やりゃあ
知恵袋先生ありがとうございました!
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- 唯「さばいばる!」
108 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2010/08/29(日) 15:16:45.80 ID:gKiOI2t80 - 火は楽しみである。そう火遊びは楽しい。
それは少年少女はもちろん大人にも言えることだ。 ろうそくに火をつけたり、枯れ木を燃やすのに人は言い切れぬ高揚感をえる。 本能が火の慰みをもとめるのだ。 さっそく水溜りの水を薬缶に入れて煮沸を始める。 二人は作業着やら何やらをやや下流の水で洗って火干しを始めた。 梓も澪も火にまきをくべる作業が楽しくて仕方がないようで、 服を乾かす間にかまどをもうひとつつくり、予備の火として保存することとした。 梓と澪は火の楽しさを十二分に堪能し、薬缶の中身が沸騰すると、 かまどから薬缶をはずして、じぶんたちは食べられそうなものを探しに歩いた。
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- 唯「さばいばる!」
109 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2010/08/29(日) 15:25:41.54 ID:gKiOI2t80 - 梓「たんぽぽがたくさんありますね」
二人があたりを散策すると、タンポポが群生しているのを見つけた。 梓が葉を何枚かつむと、虫食いもなく鮮度もいい。 梓「晩御飯はきまりましたね」 澪「ちょっと待て、たったんぽぽなんて食えるのか?」 梓「食べたことはないですけど、大丈夫らしいですよ」 中東などではタンポポは食用にされる。 日本でも揚げて食べるケースは多い。 澪「わざわざ食べなくても……」 梓「私は食べます。この暑さでお腹に物を入れてなきゃ、最悪死にます」 澪「そんな、大げさな……、第一おなかこわしたらどうするんだ?」
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- 唯「さばいばる!」
110 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2010/08/29(日) 15:33:17.45 ID:gKiOI2t80 - グウゥーと何とも間抜けな音が澪の腹から響く。
梓「とりあえず、二人分作りますから。食べたくなったら言って下さい」 澪「ううっ、私も一緒に作ってたべるよー」 素人にとって野草は簡単に取れる栄養源の最たるものだ。 獣や魚などをとれるなら、野草はサブの食糧だが。 大の大人でもそうかんたんに狩猟はできない。 ましてや女子高生の彼女たちには土台無理な話だ。 食糧に富んだ唯たち三人に対し、不利なように見える二人だが、 このタンポポ食は思わぬ点で唯たちよりも有利な状況を生み出した。
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- 唯「さばいばる!」
113 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2010/08/29(日) 15:40:10.06 ID:gKiOI2t80 - みおみおとあずにゃんの拾いものリョウリショー!!!
澪「というわけで、このタンポポをどう調理するんだ?」 梓「まずはきれいな葉っぱを選び、それを水を入れたなべにぶち込みます」 澪「豪快だな」 梓「いえ、決して豪快じゃないですよ。あく抜きですから、五分ごとに水を入れかえて苦みを抜きます」 澪「何回変えるんだ?」 梓「最低五回くらいです。多分」 筆者はあく抜きを怠ったがために苦い思いをしたのをここに付記する。 ドレッシングなどの調味料がない場合はあく抜きは必須だ。 タンポポは十分にあくをぬいても苦みがはっきり残るため、この作業は大事である。 水溶性ビタミンが溶け出してしまうことなど気にせず、 ひたすら水にさらしてえぐみをぬくことに専念すべきだといえよう。
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- 唯「さばいばる!」
114 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2010/08/29(日) 15:47:15.44 ID:gKiOI2t80 - 澪「あく抜き終了!」
梓「ずいぶん早いですがまあ気にしませんよ。その間にわかしておいたお湯に葉っぱをさっとくぐらせます」 澪「葉がくたくたになるまでやってもいいぞ」 梓「今回はお腹に優しくなるようにくたくたになるまで火に通しました」 澪「で、次はどうするんだ?」 梓「終了です」 澪「へ?」 梓「だから終了です」 澪「味付けとかは?」 梓「醤油はおろか塩もないです。ですからこれで完成です」 澪「……」 料理名 たんぽぽのはっぱのあくをぬいてゆでたの
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- 唯「さばいばる!」
115 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2010/08/29(日) 15:54:57.58 ID:gKiOI2t80 - 澪「じゃ食べてみるか……」
梓「見た目はいまいちですけど多分味もいまいちですよ」 澪「テンション下がるなあ……」 気づけば日もだいぶ下がり、昼の三時くらいだろうか、 とりあえずはおやつという名目でいいのだろうか。 かけた茶碗に入ったくたくたの葉っぱと湯呑には煮沸した水。 貧しい食卓ではあったが、とりあえずは食べられるものがそろった。 澪梓「いただきまーす」 澪「苦いし青臭いな、これ……」 梓「そうですか?思ったよりいけますよコレ」 くたくたの葉っぱは得体の知れぬ青臭さがあったが苦みはそこまでくつうではない。 山菜的な苦さで、好きな人は好きだろう。 長いあく抜きが功を奏したのか残るような苦さはない。 舌触りはしょうしょうざらついたが、奥歯でしっかり噛んで飲む。
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- 唯「さばいばる!」
117 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2010/08/29(日) 16:03:42.94 ID:gKiOI2t80 - 当初抱いたほどの野草への嫌悪感もなく、案外食べ切れた。
なかなかの量をたべたことで腹も膨れて気分もよくなる。 水は生ぬるかったが渇いたのどは潤せたし、 冷たすぎる水はお腹によくないのでよしとすべきだろう。 澪「結構、食べたな」 梓「ええ、少なくとも飢餓の心配はなさそうですね」 タンポポには様々な薬効がある。調理法のせいでビタミンはあまりとれないが、 ありあまって十分の利尿作用と胃腸の調整の効果がある。 つまりは海水をのんだ腹からの排泄がよりスムーズにいき、 なれないストレスで極端に荒れるであろう胃腸の保護にもなるのだ。 筆者は三日間タンポポをたべて生活していたが、 胃腸がだいぶ強くなり、べ塗りやすくなったような気さえもする。
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- 唯「さばいばる!」
119 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2010/08/29(日) 16:14:42.69 ID:gKiOI2t80 - 素人判断で野草を食すのは本来は危険である。
タンポポのようなよく知ってる草でも注意が必要だが、 知らない草を通ぶって食草とするべきではない。 梓「どうしますか?まだ太陽から昼ぐらいですが上流に向かって探索を続けますか?」 澪「いや、このさきどれだけあるのかも分からないし、靴や服が乾いてからでも行動は遅くない」 梓「ですね、暗闇をむやみやたらと歩き回っても探しようがないです」 澪「それよりも、小屋の中を探索して、周囲の食べられそうなものを探すのが先だろう」 梓「あと肌着もほしいですね、さすがに水着のままじゃあちょっと」 火でだいぶ乾いてはいたものの、水着は動きにくい。 食事が終わって、今後の予定を話した後、 二人はともに恥ずかしそうに川の下流で用を足し、 顔を真っ赤にしながら帰ってきた。 爆音は川の音にかき消され、ほとんど聞こえなかった。
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- 唯「さばいばる!」
120 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2010/08/29(日) 16:24:33.41 ID:gKiOI2t80 - 川沿いは八月だろうと夜は冷えるものだ。
それを見越して二人は薪を用意し、 小屋の床を濡れたぼろ布できれいに拭いて寝場所をつくった。 スコップやナイフなどの便利そうな道具を部屋の隅に集めて、 自分たちは部屋の真ん中でビニールシートを掛け布団に寝ることとした。 あらったあとで針金で木と小屋の間に縛り付けて服と一緒に乾かしたもので、 ふたりはそれなりにきれいだろうとふんで寝床の調整をおえた。 澪「あいつら大丈夫かな?」 梓「大丈夫ですよ、きっと」 胃袋が満たされると心が落ち着く、二人の間の不安は一応おさまり、 寝る前に鍋にたっぷりの水をいれてかまどの近くに置き、 保存用にタンポポの根を天日干ししようと外の針金に吊るし終えると、 すでに日は沈んでいた。 明りもないなかで火だけが煌々とあたりを照らす。 二人は寝床でぐっすり眠った。澪もあっさり寝付いてしまった。 けいおんぶの長い一日目はこうしておわった。
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