- ダンテ「学園都市か」
202 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2010/02/28(日) 00:01:21.23 ID:05pn8HxA0 - エリザード女王「ステイル、騎士団長。こちらが送れる兵力は?」
ステイル「必要悪の教会から即展開可能な戦闘要員は310名です。三日ほどお時間を下されば1200名程揃いますが…」 騎士団長「即展開可能な騎士は900名…ですが先日の件によって皆疲労がピークに達しています」 この部屋にいる、トリッシュを省く全員は先日のクーデター勃発時からほとんど一睡もしていない。 エリザード女王「むう…」 エリザード女王「迎撃はダンテに任す。我らは禁書目録の守備に徹する」 エリザード女王「神裂火織、ステイル=マグヌス」 エリザード女王「人選はそなたらに任す。強者のみを率いて少数精鋭で学園都市へゆけ」 ステイル&神裂「はっ」
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- ダンテ「学園都市か」
205 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2010/02/28(日) 00:03:10.23 ID:05pn8HxA0 - エリザード女王「騎士団長。騎士は派遣せぬ。国防と治安維持を継続させろ」
エリザード女王「今の状況、ローマ正教がどう動くかわからぬからな」 騎士団長「はっ」 エリザード女王「それでトリッシュとやら、先の話の限りでは、フォルトゥナからの増援は確実ではないように聞こえたが?」 エリザード女王「そのネロとやらはフォルトゥナの誇る最大戦力なのであろう?」 トリッシュ「あ〜その件なんだけどね」
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- ダンテ「学園都市か」
206 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2010/02/28(日) 00:05:42.10 ID:05pn8HxA0 - トリッシュ「三週間前に魔帝の手下に襲撃されたの」
ステイル「な…!?」 神裂「…?!」 トリッシュ「恋人が拉致されたりとか、かなり不利な状況だったんだけどなんとか撃退したみたい」 トリッシュ「それに相手も結構な奴よ。『ボルヴェルク』。聞いたことぐらいあるでしょ?※」 神裂「…確か、太古の神の一人が転生した悪魔ですよね?」 騎士団長「そうだ。それでムンドゥス配下の魔界の騎士になったと聞いたことがある」 ステイル「伝説級の存在だな…」 トリッシュ「そうそいつ」 ※デビルメイクライ2に登場するボス。ダンテの好敵手として登場。 ※高難易度だと下手するとラスボスより厄介 ※wiki見てみると、実はオーディーンが悪魔に転生したというとんでもない奴。
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- ダンテ「学園都市か」
207 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2010/02/28(日) 00:07:18.64 ID:05pn8HxA0 - 神裂「それで、ネロさんにケガとかは?」
トリッシュ「私は見てないけど、聞くところによるとほぼ無傷だって」 ステイル「なぜ魔帝軍は彼を狙ったんだ?」 トリッシュ「仇敵の血を絶つため」 神裂「…」 ステイル「…」 トリッシュ「その襲撃であの子ブチギレちゃってね、今はその『ボルヴェルク』を追っかけてるらしいの」 ステイル「つまり、その件が終わるまでは増援として学園都市には来れないということか?」 トリッシュ「そうね。その『ボルヴェルク』が学園都市に来る魔帝軍に加わってれば別だけど」 神裂「そういうことですか…」
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- ダンテ「学園都市か」
209 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2010/02/28(日) 00:09:15.37 ID:05pn8HxA0 - ―――
各々が自分のやるべき事を再確認し、それぞれが席を立ち部屋から出て行く。 神裂「私は天草式を率いていきます。」 ステイル「大丈夫なのかい?彼らは特に疲労が積もってると思うが?」 神裂「私の『部下』にそんな軟弱者はいません。それに…また私だけ勝手に行ったら皆に怒られそうですし…」 ステイル「ふふ。なら良いな。君との相乗効果でかなりの戦力にもなるしね。」 ステイル「僕はシェリーを連れて行こう。彼女、先日の自分の不甲斐無さですごく不機嫌だしね。」 ステイル「あの鬱憤を晴らしてあげないとその内暴れだしそうだ。」 その時、彼らに後ろから声がかかる。
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211 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2010/02/28(日) 00:10:20.56 ID:05pn8HxA0 - トリッシュ「ちょっといいかしら?赤毛君」
ステイル「?(もしかして僕の事か?)」 トリッシュ「あなたに渡したい物があるの」 ステイルと神裂は小さな一室へ案内された。 バッキンガム宮殿内の、トリッシュの滞在の為に用意された部屋。 無造作に脱ぎ捨てた衣服やら過激な下着。 目のやり場に困っている二人の未成年を気にすることも無く、 トリッシュはどこからか身長ほどもある大きなバッグを運び出してきた。
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- ダンテ「学園都市か」
212 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2010/02/28(日) 00:11:35.93 ID:05pn8HxA0 - トリッシュ「よっ」
ガチャンッ!!とテーブルに置かれたバッグが大きな音を立てる。 そのバッグについているいくつもの拘束具を乱暴に外していき、ガチャガチャと中を漁りはじめた。 神裂とステイルは一目見て分かった。 その拘束具一つ一つにとんでもない術式と恐ろしい程の魔力が込められていると。 このバッグの中身はきっととてつもない代物だと。 トリッシュ「あったあった」 トリッシュはお目当ての物を取り出し、ゴドンッとテーブルの上にそれを置く。 「こ、これは…?!」 不気味な光沢を放つ、赤と黒の恐らく金属製の巨大な『篭手』。 その一品を目の当たりにした二人の魔術師の体を形容し難い戦慄が走る。 トリッシュ「『イフリート』よ」
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215 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2010/02/28(日) 00:12:48.26 ID:05pn8HxA0 - 『イフリート』。
地獄の業火の番人にして魔界最高位に属する伝説級の大悪魔。 ステイルら炎使いの魔術師にとって神とも呼べる存在。 ステイル「こ、これを…ぼ、僕に…!?」 トリッシュ「あげるわけじゃないわよ。レンタル。事が終わったら請求するからね。」 ステイル「おお…おぉぉお!!おおおぉおおおお!!!」 神裂「これが『イフリート』…一体どんな術式を組めばここまでの霊装を作れるんでしょうかね…」 神裂が独り言の様に呟くと イフリート『我を人間共の小細工と並べる気か?小娘』 神裂「」 トリッシュ「霊装じゃないわよ」 神裂「しゃ…しゃしゃしゃ…!!!しゃべべべべった!!?」 トリッシュ「本物よ。本物の悪魔の『イフリート』。」
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- ダンテ「学園都市か」
219 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2010/02/28(日) 00:15:54.59 ID:05pn8HxA0 - トリッシュ「太古の昔にどっかの誰かがイフリートを篭手にしちゃって封印したのよ。」
トリッシュ「それで10年前にダンテが封印を解いて契約の儀を行って使役、今はアイツの使い魔よ。」 神裂「は…はあ 契約の儀…使い魔…?」 トリッシュ「そう、地獄の業火で『魂』ごと焼かれて、それを耐えたら合格。」 トリッシュ「まっ人間なら一瞬で蒸発ね」 ステイル「…僕も…焼かれなきゃダメなのかい?」 トリッシュ「その心配は無いわよ。この子はアイツの命を受けてるから」 トリッシュ「代理使役のね」
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- ダンテ「学園都市か」
223 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2010/02/28(日) 00:16:57.13 ID:05pn8HxA0 - トリッシュ「『イフリート』を装備すれば聖人並の体になるし、魔術の力も爆発的にあがるわ」
ステイル「おおお!!早速使用の為の術式を組まねば!!」 トリッシュ「でも気をつけなさい。」 ステイル「…?」 トリッシュ「ちょっと気を緩めれば『喰われる』わよ」 トリッシュ「もともと人間には到底扱えない存在なんだし」 トリッシュ「というか、半々の確率で死ぬわよ」 ステイル「…」 トリッシュ「できれば使わないでね」 トリッシュ「もうどうにもならないって場合の時だけにして」 トリッシュ「それと聖人のサムライガール、あなたにはこれ」ッス
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- ダンテ「学園都市か」
226 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2010/02/28(日) 00:18:31.28 ID:05pn8HxA0 - 神裂「これは…?」
それはおぞましいほどの苦悶の顔が刻まれている紫色の水晶のような物。 トリッシュ「『パープルオーブ』よ。悪魔の力が結晶化した物。」 神裂「ぱーぷるおーぶ?」 トリッシュ「使いたい時に肌に当てれば自然に溶け込んでいくわ」 トリッシュ「あなたはもうある程度完成されてるし、あとは全体的な力の底上げって事で」 トリッシュ「それを使えば一時的にネロくらいの強さになれるかもね」 神裂「!!!」 トリッシュ「ただ、いわばドーピングだからそれなりに負担は大きいし、莫大な魔力の塊だからこれも油断すると『喰われる』わよ」 神裂「は、はい!!」 トリッシュ「大事に使うのよ。私ですらそんなに持ってない希少な物なんだから」
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- ダンテ「学園都市か」
229 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2010/02/28(日) 00:21:03.16 ID:05pn8HxA0 - トリッシュ「あ〜あとこれ」
トリッシュは黒い石のようなものをステイルに手渡してきた。 トリッシュ「学園都市に着いてからは私と別行動だから、なんかあればこれで連絡して」 ステイル「連絡?霊装か?」 トリッシュ「いいえ。魔界の念話する虫の一種を固めたものよ」 トリッシュ「握って私を呼べば繋がるから」 神裂「む…む…ッ!」 ステイル「…虫…」 神裂「ス、ステイル、あなたが持っててください!」 ステイル「…虫…ね」 ―――
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- ダンテ「学園都市か」
232 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2010/02/28(日) 00:24:31.21 ID:05pn8HxA0 - ―――
学園都市 窓の無いビル 土御門「…さすがのお前でも今回はプランとやらにねじ込む余裕は無いだろう」 アレイスター「利用できる部分は全て使わせてもらうつもりだよ」 土御門「それ、俺からしてみれば、大勢の命を賭けたギャンブルに聞こえるぜよ」 アレイスター「あながち間違ってはいないな」 土御門「チッ …で、今回はこっちも全力でやるんだろう?」 土御門「悪魔相手じゃ通常兵器は全く役に立たない」 アレイスター「うむ」 土御門「ということは能力者が主戦力だな」 アレイスター「当然だ。レベル5を筆頭に、あらゆる戦力を使う。もちろん君らもだ。準備して指示を待て」
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- ダンテ「学園都市か」
234 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2010/02/28(日) 00:26:19.36 ID:05pn8HxA0 - どこからとも無く現れたテレポーターの腕に掴まりながら呟く。
土御門「はあ…さすがの俺でもここ最近色々ありすぎて疲労度MAXだにゃー…」 アレイスター「ふむ、この件が終わったら君の休暇について検討してみよう」 土御門「一ヶ月くらい欲しいにゃー」 アレイスター「却下する 最大で2日だ」 サングラスをかけた金髪の少年はうな垂れたままテレポーターと共にどこかへ『飛んで』いった。 prrrr 「お呼びでしょうか?」 アレイスター「第一級警報( コードレッド)発令準備、そのまま待機だ。」 「!!?」 アレイスター「状態はデフコン2、市民のシェルター避難の準備もしておけ。」 アレイスター「命令があり次第即行動できる様にだ。」 「りょ、了解」ブツッ
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- ダンテ「学園都市か」
236 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2010/02/28(日) 00:28:01.65 ID:05pn8HxA0 - アレイスター「(さて…)」
アレイスター「(ヒューズ=カザキリ…確かに力は強大だが…)」 アレイスター「(それだけだな。彼らからするとただの愚鈍な的だ)」 ――― アレイスター「(エイワスは…万が一にでも倒されたら1000年は現出できぬかもしれん)」 アレイスター「(魔帝の復活となれば大悪魔達が集う。エイワスも倒されるかも知れぬしな)」 ――― アレイスター「(となるとやはり能力者でゆくべきか…)」 アレイスター「(レベル5の直接動かせる戦闘要員は第一位、第四位、第七位の三人)」 アレイスター「(第三位はゲコ太で誘導して、幻想殺しに『偶然』遭遇させれば後は勝手に戦列に加わるだろう)」 アレイスター「(やはり第二位の損失が響くな…強引に出撃させるか?)」 アレイスター「(いやあの体たらくだ。まともな戦いにすらならん)」 ――― アレイスター「(とはいえ魔術サイドは頼りない。)」 アレイスター「(やはり何か手を打たねばな)」
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- ダンテ「学園都市か」
239 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2010/02/28(日) 00:30:13.67 ID:05pn8HxA0 - アレイスター「(ふむ…第一位を…。)」
――― アレイスター「(…埋め込んで…いやちがうな…そこに第二位の…いやむしろ…そしてミサカネットワークで…)」 ――― アレイスター「(これ…だな)」 アレイスター「(少々強引だがプランも短縮できる)」 アレイスター「(ふふ…この高ぶり…恐怖の裏返しか、それとも歓喜か…)」 アレイスター「(私もまだまだ人間だという事だな…ふふ…)」 アレイスター「(面白くなりそうだ)」 ―――
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- ダンテ「学園都市か」
241 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2010/02/28(日) 00:32:44.59 ID:05pn8HxA0 - ―――
学園都市 第七区 「(はあーあたしとしたことが)」 「(まさかこんな重要な情報を見過ごしていたなんて…まだまだ甘いわね)」 「(でもちゃんと手に入れたし結果オーライね♪)」 少女の手にはとある店で先ほど購入したゲコ太の限定ストラップ。 彼女が察知できなかったのは当然だ。 なぜならつい10分前に発表、そして5分後に発売開始された品なのだから。 「あれ…?」
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- ダンテ「学園都市か」
243 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2010/02/28(日) 00:34:52.89 ID:05pn8HxA0 - ふと目を向けると、50m程離れた場所に見慣れた人影が。
特徴的なツンツン頭、レベル0でありながらレベル5の彼女の攻撃をことごとく退ける少年。 「(あ、あいつ…な、なんでこんな所にいるの!?)」 特に必要性が無いのに無駄に慌てる。 「(…連れがいるみたいね…?)」 少年の右側にはまたあの修道服を来た少女。 そして左側には巨大なギターケースを担いだ銀髪の大男。 「(…い、いや!連れがいても関係ないんだからね!!)」 「(よ…よし!!)」 ―――
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- ダンテ「学園都市か」
245 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2010/02/28(日) 00:37:26.91 ID:05pn8HxA0 - ―――
上条「そうか…正に人類の危機ってやつだなこれは…」 上条「(いままで色々あったけど、今回が一番ヤバイ気がする…)」 ダンテ「…ところで、後ろのお嬢ちゃんは知り合いか?」 上条「?」 上条「ビ、ビリビリ!!?」 禁書「短髪!!?」 御坂「ビリビリゆーなぁ! 御坂美琴って名前がちゃんとあるのよ!!」 ダンテ「へえ…」ジー 御坂「な、なんですか?(というか誰?)」 ダンテ「…学園都市ってのは随分と上玉ぞろいだな」 ダンテ「今はまだノンヘアーだろうが、このお嬢ちゃんも10年後には最高にホットな女になるぜ」 上条「…ちょ…な、何をおっしゃってるんですか!!?」 御坂「な、なぁぁぁああぁ!?(す、少しくらいはあるわよ…!!!)」パリパリッ ダンテ「(電気…?)」 禁書「?」
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- ダンテ「学園都市か」
247 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2010/02/28(日) 00:38:44.22 ID:05pn8HxA0 - 御坂「ちょ、ちょっと!!何なのよこの人!?」
上条「あ…お、おー…」 上条「お、おじさん!インデックスの!」 禁書「ちgフガモガッ」 ダンテ「…」 ダンテ「ダンテだ。よろしく お嬢ちゃん」
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- ダンテ「学園都市か」
250 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2010/02/28(日) 00:40:11.05 ID:05pn8HxA0 - 御坂「そ、そうなの?(変人の親族は同じく変人ね…)」
上条「御坂はなにしてんだ?」 御坂「よよよ、用事は終わったし、これから帰るところよ!」 上条「どうしたお前?なんか顔が赤いぞ?体調でも悪いのか?」ズイ 御坂「ちちちちちかかぁあちかっっ!!!!」パリパリパリッ 禁書「…」ジトー 上条「ちょちょちょ!放電するな!」 ダンテ「ほぉう…へぇ…」
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- ダンテ「学園都市か」
251 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2010/02/28(日) 00:41:29.54 ID:05pn8HxA0 - ダンテ「ちょっといいか? それ、思い浮かべただけで出るのか?」
御坂「?」パリッ ダンテ「電気」 御坂「ん〜まあイメージすればね。他にも演算とかやんなきゃいけないことあるけど」 ダンテ「へえ…(悪魔のやり方に似てるな)」 上条「御坂はレベル5の第三位なんだぜ!通称レールガン!」 ダンテ「…それすごいのか?」 上条「あ〜っと、つまり学園都市第三位の実力者ってことだ!」 御坂「ま、まあね。そーなんだけど」 ダンテ「へえ…そいつはすげぇな…最高に痺れるじゃねえか」ニヤァ 禁書「とうま、猛獣の前にエサをちらつかすのはあぶないかも」 上条「ダ、ダンテさん?!なんですかその危険なオーラは!!?」 御坂「な、何!?や、やるっていうの?!(なんなのよこの威圧感はッッ!!)」
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- 麦野「・・・浜面が入院?」
556 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2010/02/28(日) 00:43:16.23 ID:05pn8HxA0 - 支援
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- ダンテ「学園都市か」
256 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2010/02/28(日) 00:46:18.03 ID:05pn8HxA0 - 御坂「い、言っとくけどね!そいつの方が強いのよ!私の攻撃一切効かないし!」
ダンテ「…へえ…お前強いのか…?」ジロッ 上条「こっちに振らないで下さい御坂サン!!いやぁ!!?そそその目で見ないで下さいダンテさん!!」 ダンテ「―――」ピクッ 上条&御坂&禁書「?」 ダンテ「悪い。用事だ」 上条「へ?」 ダンテ「また後でな」 上条「ま、待て!なんかあったのか?!まさかもう―――」 ダンテ「心配ねえ。パーティの開演はまだだ」 ダンテ「ちょっとしたつまみ食いさ」 そう言うと銀髪の大男は、上条達が返答する間もなく足早に路地裏へ入り消えた。
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- ダンテ「学園都市か」
258 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2010/02/28(日) 00:47:42.18 ID:05pn8HxA0 - 上条「つまみ食い…?」
禁書「とうま、任せといても心配ないんだよ」 上条「…」 御坂「…ちょっといい?」 上条「なんだ?」 御坂「あの人って一体何者なの?」 御坂「まさかあんたまた厄介事に首突っ込んでるの?」 上条「…いやっパーティだよ」 上条「しょ、食事会があるんだ」 上条「ほら、背中にギター背負ってただろ?」 上条「パーティの時に弾くんだ。その準備だよッ」 御坂「…そう…」 怪しい。 そして別にも引っかかる点がある。 彼女のレーダーが反応したのだ。 あの男は三人の視界から外れた途端とんでもない速度で移動し、 一瞬にして彼女の索敵範囲外へ離脱していったのである。 明らかに普通ではない。
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- ダンテ「学園都市か」
260 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2010/02/28(日) 00:50:40.11 ID:05pn8HxA0 - 御坂「本当?」
上条「…ああ」 上条は誰かが危険に晒されるのを極端に嫌う。 例えその誰かが赤の他人だろうと。 絶対に問題の外部の人間を自ら招き入れることは無い。 危険に晒されるのは自分だけでいい。 戦うのは自分だけでいい。 それがこの少年の絶対譲れないけじめ。 とある日に御坂美琴はそれを嫌と言うほどに突きつけられた。 今ここでどれだけ粘っても上条は彼女を招き入れないだろう。 御坂「…そう…あっ そろそろ帰らなくちゃ」 上条「?そうか、じゃあまたな」 御坂「うん、またね」 禁書「ばいばい短髪」 二人から離れ彼女は思う。 あんたが入れてくれないってんのなら―――。 こっちから無理やり飛び込むまでよ―――。 ―――
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- ダンテ「学園都市か」
263 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2010/02/28(日) 00:52:40.55 ID:05pn8HxA0 - ―――
ダンテは暗い路地にいた。 足元には切断された黒い左腕。 赤い毛が生え、指先には鋭い爪。 先ほどダンテが切り落とした、『ゴートリング』と呼ばれる高等悪魔の左腕である。 その悪魔自体は逃がしてしまった。 逃げられる事自体は特に珍しくない。 ダンテ自身が結構うっかり者なのでその隙を付けられることがあるし、 それに逃げる悪魔は別に追おうとは思わない。 だがこの時は少し違っていた。 戦闘中に突然別の感覚が彼の体を走ったのである。 その瞬間彼の体が反応し、無意識のうちに一瞬魔人化した。 ダンテ「…まさかな…」 その感覚には覚えがある。 スパーダの血の叫び。 魂の共鳴。 同じ血族の者の気配がどこからかする。
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- ダンテ「学園都市か」
266 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2010/02/28(日) 00:54:00.22 ID:05pn8HxA0 - ダンテ「ネロか…?」
この感覚を引き起こす原因の者は三人知っている。 その内二人はもういない。 そして残るはネロ。 そうネロしかありえない。 ネロは今ボルヴェルクを追っている。 そのボルヴェルクも学園都市に来る魔帝軍に加わっていればネロが来てる可能性もある。 それしかない。 ―――と、半年前のダンテならこう納得しただろう。 今は違う。 思い当たる人物がもう一人いる。
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- ダンテ「学園都市か」
268 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2010/02/28(日) 00:55:23.47 ID:05pn8HxA0 - 半年ほど前のある日、ネロが突然事務所に電話をしてきた。
『閻魔刀』が突然『出てこなくなった』と。 その時は無くしたのかと思いネロをぶっ飛ばしてやろうかと思ったが、 詳しく話を聞くとどうやら普通に無くした訳ではなかったらしい。 『閻魔刀』が無いのにもかかわらずその力自体は失っていない。 なんかおかしい。 存在を感じるのに引き出せない。とネロは困惑していた。 ダンテにはわかった。 ネロに教える。 それは『閻魔刀』が別の者に召還された。と。 たまにダンテも『リベリオン』を召還することがあるからわかる。 魔剣は主に呼ばれると、どれ程距離があろうと一瞬で手元にやってくる。 そして続けて説明する。 存在を感じるのはお前がその召還した者と魂が繋がっているからだ。 いま残っている力は『閻魔刀』のじゃなく、もともとのお前の力だ。と。
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- ダンテ「学園都市か」
271 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2010/02/28(日) 00:57:26.56 ID:05pn8HxA0 - ネロは聞き返す。
『閻魔刀』を俺よりも強く呼んで召還できるやつなんているのかと。 ダンテは返す。 ああ、いる。 真の持ち主だ。バージル。 俺の兄貴だ。と。 ネロは再び困惑する。 死んだんじゃなかったのか?と。 ダンテは返す。 現にお前の話を聞くかぎりじゃあ復活したのは確実だろ。と そう言いながらダンテ自身も己の言葉を反芻する。 復活。 今、バージルが生きている。 ニヤリと薄く笑う。 ネロは魂が繋がっているという点には特に疑問を持たなかったらしい。 それがスパーダの血族特有の物だと思っている。 ダンテは、 魂が繋がるなんて兄弟ですらおこらない。 もっと近しい関係じゃないとおこらない事 というのは伝えなかった。
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- ダンテ「学園都市か」
275 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2010/02/28(日) 00:58:58.75 ID:05pn8HxA0 - ネロは どうすればいい?探して取り戻したほうが良いのか?と聞く。
ダンテは ひとまず様子見だ と返す。 バージルを探し出し『閻魔刀』を奪いネロの手に戻すのは非常に難しい。 バージルははっきり言うとダンテより強い。 バージルを最終的に殺したのはダンテだ。 だがその時のバージルは自我を失っていたし、力も不完全で『閻魔刀』も無かった。 その状態であるにも関らずダンテを追い込んだ。 ダンテはギリギリ勝てたのである。 そんなバージルが復活し今『閻魔刀』を持っている。 困難極まりない。 ネロどころかダンテでさえ返り討ちに合う可能性がある。 それにバージルはそれほど危険人物ではない。 過去に一度人間界を危機に陥れたが、それは間接的な結果だった。 バージルは人間を根絶やしとか征服とかには全く興味が無い男だ。 そしてもう一つ。ダンテが気が進まない点がある。 家族と殺し合いするのはもうごめんだ。と。
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- ダンテ「学園都市か」
280 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2010/02/28(日) 01:00:59.63 ID:05pn8HxA0 - ダンテ「…」
路地裏で一人考える。 ダンテ「バージル…」 どこからか気配を感じる。 向こうもダンテを感じている。 既に学園都市にいるのか、 それともどこか別の場所にいるのかはわからない。 だが確実にこちらを意識している。 ダンテ「お前もこのパーティに混ざりたいのか?」 ムンドゥスの復活。 多くの世界・次元を巻き込んだ大イベントだ。 ダンテ「…」 最悪の事態を考える。 それは魔帝の復活ではない。 ダンテ「三度も殺り合うのはカンベンだぜ。バージル」 ポツリと呟き、路地裏をあとにする。
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- ダンテ「学園都市か」
282 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2010/02/28(日) 01:02:17.23 ID:05pn8HxA0 - ―――
暗い路地裏を人間離れした速度で移動する人影があった。 グレーのスーツに黒い髪の壮年の男。 それだけなら特におかしい点は無い。 事実、先ほどまで普通に路上を歩き、人の流れに身を任せていた。 だが『変装』が解けはじめている今は違う。 大きく開かれた目からは赤い光が漏れている。 そして左腕が無かった。 一歩が20mを越える程の歩幅で、行き先も考えずにただひたすら走る。 先ほどの出来事を思い出す。 突如眼前に現れた赤いコートを羽織った悪魔。
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- ダンテ「学園都市か」
284 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2010/02/28(日) 01:03:33.53 ID:05pn8HxA0 - 魔界では高名な武人である、高等悪魔の彼ですら恐怖を覚えた。
『悪魔すら泣き出す( DEVIL MAY CRY)』と称される怪物。 スパーダの息子にしてムンドゥスを封印した、紛れも無く神クラスの悪魔。 無論、即座に逃亡した訳ではない。 全ての力を解き放ち、そして挑んだ。 が、次の瞬間には左腕が肩から切り落とされていた。 そのまま死を覚悟したが、突然ピタリと止まったためなんとか逃げることができた。
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- ダンテ「学園都市か」
285 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2010/02/28(日) 01:04:56.04 ID:05pn8HxA0 - 「(とにかく…今は逃げねば)」
あの強烈な一撃でほとんどの力を削ぎとられ、最早左腕さえ再生できない。 男は走り続ける。 「…」 何かを察知した男は急停止する。 路地の先には仁王立ちする小さな影が二つ。 匂いからして人間。 高等悪魔の彼にしてみれば道端の小石程度の小さな存在だが。 鋭い悪魔の勘が反応する。 男は油断せずにその二つの影を見据える。 ―――
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- 佐天「これが……学園都市第一位の力!?」
514 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2010/02/28(日) 01:06:21.00 ID:05pn8HxA0 - しえん
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- ダンテ「学園都市か」
288 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2010/02/28(日) 01:08:27.39 ID:05pn8HxA0 - ―――
上条達と離れた後、御坂美琴はあの銀髪の『ダンテ』という男を探した。 後輩の白井黒子もなにやら心当たりがあるらしく、協力を快諾した。 二人は各地へテレポートしてはレーダー捜査を繰り返した。 そしてテレポート12回目にして遂に高速で移動する反応を捉え、 先回りしたのである。 御坂「…あの人…じゃない?」 黒子「…お、お姉さまッ!!」 御坂「…ッ!!?」 よく見ると男の左腕が無い。 しかしそれ以上に二人を驚かせたのはその男の顔である。 赤く光る瞳。 御坂「どうみても普通じゃないわね…」 黒子「一体何者なんですの…?」 男「人間の娘か…?」 御坂「(雰囲気的に…平和的にいかなさそうね…見るからに敵意むき出しだし)」 御坂の体が緊張する。 すぐにでも電撃を放てるように神経を研ぎ澄ます。 それを察知し、黒子も太ももにある釘を意識する。
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- ダンテ「学園都市か」
289 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2010/02/28(日) 01:09:47.05 ID:05pn8HxA0 - 御坂は考える。
こんな人間離れした速度で移動する人物が二人同時に現れるか? 学園の能力者ならおかしくない。 だがあの『ダンテ』という男もこの目の前の男も、 どう見ても学園都市の能力開発を受けた世代ではない。 とすると外部の能力者か? そんなのが二人同時に偶然にも現れるか? 怪しすぎる。 御坂「聞きたいんだけど」 男「…」 御坂「『ダンテ』って銀髪の人知ってる?」 その言葉を聴いた途端男の表情が大きく歪む。 男「貴様…」 御坂「(…なんかキレたっぽい…)」 御坂「黒子」
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- ダンテ「学園都市か」
291 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2010/02/28(日) 01:11:38.47 ID:05pn8HxA0 - 返事をする間も無く黒子は男を拘束するべく、
黒子は男の真後ろ上の死角へ飛ぶ。 男の後頭部へドロップキックを、渾身の一撃を放つべく。 しかし黒子がテレポート先で見た光景は、予想とは異なっていた。 男の真後ろ上の死角へ飛んだはず。 なのになぜ――― なぜ男はこちらを見据えて右腕を振り上げている? ドンッ!!っと巨大な破壊音。 少女の体が大きく後方へ吹き飛ばされた。
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- ダンテ「学園都市か」
292 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2010/02/28(日) 01:13:10.22 ID:05pn8HxA0 - 目を開けると粉塵が舞っている。
パラパラと周りから何かの欠片が落ちる音が聞こえる。 黒子「…ッ!!」 起き上がろうとすると激痛が体を駆け巡った。 しかし痛みの他にもう一つ。 彼女が慣れ親しんだ―――電撃による痺れ。 御坂「黒子ッ!!大丈夫!!?」 黒子「だ、大丈夫ですの…!」 御坂美琴が放った電撃によって彼女の体は弾かれ、男が振り上げた右腕の直撃をすんでの所で免れたのだ。 その痺れの原因を放った少女の声の方へ目をやると、間に立つあの男、そしてその周りの惨状も目に入った。 男の足元のアスファルトがまるで砲弾が炸裂したかのように 直径5m程、深さ1mほど抉れていた。 大穴は両脇のビルへも食い込んでおり、壁が大きく崩れて屋内が見えていた。 あれが直撃していたら――― 黒子の脳裏に僅かな一瞬で枝分かれした別の未来が浮かぶ。 小さな体は原型を留めていなかっただろう。 しかし粉塵が晴れ男の姿が露になった時、その妄想は跡形も無く吹き飛んだ。
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- ダンテ「学園都市か」
293 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2010/02/28(日) 01:15:00.34 ID:05pn8HxA0 - 粉塵の中から現れた、人型の『何か』。
体の表面はゴツゴツしており、筋肉らしきものが大きく浮き出ており、 首から胸元と肘から先が赤い毛で覆われている。 指先には鋭い爪。 山羊の頭に巨大な角。 目から溢れている赤い光。 体の回りを黒い霧のような物がまとわり付いており、 そこから透かして見える奥の風景は絶えず揺らいでいる。 さっきの男と結びつくのは左腕が無いという点のみだった。 異形の化物は数刻前にも見た。 だが目の前の『それ』は明らかに異質だ。 ズゥ!!!っと凄まじい威圧感と恐怖が黒子の体に圧し掛かる。 『それ』を見た黒子は何も考えられず、体も完全に硬直した。 『逃げる』という事すら考え付かなかった。
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- ダンテ「学園都市か」
296 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2010/02/28(日) 01:16:34.81 ID:05pn8HxA0 - 『ゴートリング』。
十字教では『バフォメット』と呼ばれる大悪魔の種族。 高等悪魔の中でもさらに上位の存在。 黒子の体を固く縛る。 生命としての本能よりもさらに深淵―――魂の恐怖が。 が、突如聞こえた叫びが彼女を深淵の闇から呼び戻す。 「あぁぁあああぁあぁあああぁあああ!!!」 僅かに意識が戻る。 テレポートをしようと思う程の余裕は無かった。 地面を思いっきり蹴り、無我夢中でその場を離れる。 と同時に バキンッ!!と大気を切り裂く音が響く。
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- 佐天「これが……学園都市第一位の力!?」
525 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2010/02/28(日) 01:21:56.59 ID:05pn8HxA0 - 支援するぜェ
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- ダンテ「学園都市か」
303 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2010/02/28(日) 01:26:21.10 ID:05pn8HxA0 - 『アレ』はヤバイ
何なのかわからないけどとにかくヤバイ 殺らなきゃ 殺られる 魂の叫びが御坂を突き動かし、防衛本能が爆発する。 「あぁぁあああぁあぁあああぁあああ!!!」 雄叫びを上げながら、 『化物』へ特大の電撃の槍をフルパワーで叩き込む。 「らぁぁあああああああ!!!」 とてつもない威力の電撃を立て続けに何発も叩き込んでいく。 辺りのアスファルトやコンクリートの壁がみるみる形を変えていく。 『化物』はその中を臆することなく猛烈な速度で正面から突進してくる。 真正面。外すことは無い。全弾当たり続ける。 当たるたびに僅かにひるみ、速度が落ちてる事からして効いているようだった。 だが『化物』は止まらなかった。 そして御坂の目の前まで接近してきた。 瞬間、御坂は電磁力を使って後方へ15m程飛ぶ。 とそれと同時に一瞬前まで彼女が居た場所に『化物』の拳が振り下ろされ、 ドンッ!!とアスファルトの地面を大きくめくり上げた。
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- ダンテ「学園都市か」
305 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2010/02/28(日) 01:28:26.68 ID:05pn8HxA0 - 「(近距離はヤバイ!!!!)」
飛び散った破片が彼女の電気シールドに遮られ、 バチンッバチンッと火花を散らす。 御坂は電撃を放ちながら、 そのまま後ろへ高速で下がり30m程距離をあける。 離れる御坂を追わずに、『化物』はその場で腕を畳み姿勢を低し 空手の中段突きのようにグッと構えた。 御坂にもわかる。 恐らく何らかの遠距離攻撃を放つつもりだ。 彼女の予想は当たっていたが、その攻撃の仕方は予想を遥かに超えていた。 『化物』は空へ拳を放つ。 爆発的な衝撃波を伴いながら、黒い『何か』が御坂へ突き進む。
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- ダンテ「学園都市か」
309 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2010/02/28(日) 01:30:09.05 ID:05pn8HxA0 - 『化物』と御坂の距離は30m。
目では確認できない程の速度で何かが接近してくる。 放たれた黒い『何か』を御坂はレーダーで感知し、 体を右に飛ばしてギリギリの所でかわす。 先ほどまで御坂の体があった空間を黒い棒のような物が貫いた。 衝撃波に耐えながら御坂はようやくその黒い棒を目で確認する。 それは『化物』から30m以上も延びている。 「(なッ!!?腕!!?)」 『化物』は腕を伸ばしたのである。 そしてその腕は更なる攻撃を加える為、 ギュンッっと鞭のようにしなりはじめた。
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- ダンテ「学園都市か」
310 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2010/02/28(日) 01:31:06.76 ID:05pn8HxA0 - 長さ30mもの腕が、
まるで怒り狂った大蛇が筒の中で暴れるかのように、狭い路地の中を左右上下に激しくうねる。 ガンッ!!ズンッ!!ドンッ!!っと両脇の壁・地面をえぐり、 巨大な溝を次々と刻んでいく。 一撃でも当たれば即死。 御坂はレーダーと電磁力による移動を駆使してギリギリの所をよけていく。 電撃で応戦する余裕は無い。 地形は縦に伸びる、幅が狭い路地。 『化物』は肉体を駆使して近距離で戦うタイプ。 ならば遠中距離戦を得意とする御坂は一定の距離を保ちつつ、 一つの面のみに弾幕を張れば一方的に攻撃を加えられる。 だがその地形による優勢はいまや崩壊し、逆に仇となっていた。 いつまでもよけてはいられない。 回避の限界点がもう目の前にまで迫っている。 だが彼女はレベル5。 この程度では追い詰められることは無い。 足元の地面が軋み盛り上がる。 それは彼女が仕込んだ、とある策の準備が整った合図。
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- ダンテ「学園都市か」
313 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2010/02/28(日) 01:32:56.71 ID:05pn8HxA0 - 「(もう良いわね)」
「(もうちょっと集めたいけど、そろそろこっちが限界だわ)」 御坂の次の手が発動した。 御坂の足元が大きく盛り上がり、そこから黒い砂のような物が一気に噴出す。 それは彼女が時間をかけ、広範囲の地中から集めた砂鉄。 どこからとも無くマンホールの蓋や、鉄製のガラクタも飛んでくる。 大量に集められた鉄がベキベキベキッと音を立てながら圧縮され、長さ5m太さ60cmはある二本の巨大な柱を形成した。 通常の剣サイズなら彼女は一瞬で精製できる。 だがその程度では、アスファルトをクッキーのように簡単に叩き割る『化物』に 傷をつける事は心もとない。 かといっていつかの時のようにレールがあるわけでもないし、ビルの重量を支える鉄骨を抜き取るわけにも行かない。 だから彼女は時間をかけ、広範囲の地中から大量の砂鉄を集めた。 御坂「(電撃で決定打を与えられないのなら!!)」 御坂「(物理的に叩き潰すまでよ!!)」
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- ダンテ「学園都市か」
315 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2010/02/28(日) 01:34:15.50 ID:05pn8HxA0 - 能力によって爆発的に加速された二本の鉄槌が、
学園都市のシェルターすらブチ抜く程の破壊力を持って、 うねる『化物』の腕と正面から激突した。 ゴッキィィィインッ!!と金属の衝突音。 衝撃で二本の鉄槌の先端が潰れるが、 『化物』の腕も大きく弾かれ、壁へめり込んだ。 すぐさまその黒い鞭は再び攻撃にうつるもことごとく二本の鉄槌が防ぐ。 激突により二本の鉄槌は潰れ破片が飛び散るも、 能力によって一瞬にして再生する。 そして鞭を避ける必要の無くなった御坂は再び『化物』の本体へ 連続して牽制の電撃を放つ。 御坂が10数回、鉄槌で鞭による攻撃を防いだところで、 『化物』は無駄と判断したのか、腕を縮め元の長さに戻した。 御坂も体制を立て直すため一旦電撃を辞め少し後ろに下がる。
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- ダンテ「学園都市か」
319 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2010/02/28(日) 01:37:14.66 ID:05pn8HxA0 - 数秒間の沈黙。
お互いが睨み合う。 御坂はその間にレーダー・シールド・鉄槌等の演算を最適化し、 再チェックしバグを排除して整える。 「(…いけるッ!!)」 御坂の心には幾分か余裕が生まれていた。 その御坂に呼応するかのように、 『化物』のまわりにまとわりつく黒い揺らぎが濃くなり、 禍々しい威圧感がよりいっそう強くなった。 「(さて…どう切り崩すか…)」
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