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以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
ぬわーーっひとつ抜けた
女騎士「私は女であることなど捨てたのだ」
神IDキタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━!!
1時までに300いったらパイパンうp
【+  】ゞ゚)棺桶死オサムのようです
メイド「前略、世界規模の不景気ですがお元気ですか?」
レスが50までいったら姉か妹の下着に精子かける
全 巻 揃 え て い る マ ン ガ 書 き 込 ん で け
ニヤニヤとショボ−ンの顔文字が混ざったような顔文字ムカつくやめろ
ポケモン図鑑の鳴き声クイズが出来なくい、助けて!

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女騎士「私は女であることなど捨てたのだ」
193 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/10/03(土) 00:00:55.88 ID:qlrRizS70
兵士B「あー、あの指輪見たことあんな。 前嫁さんにねだられた」

兵士A「なんだ、じゃあ姫様とおそろいか? 幸せじゃねえか」

兵士B「馬鹿言うな、買ってない。 ……あれが、俺が見たものと同じだとしたら、だ」

兵士B「……金貨10枚は下らんぞ」

兵士A「じゅっ…!?」

兵士B「バッカお前、声がでかい」

兵士A「待て、金だぞ、銀じゃないんだぞ。 …そこまで価値があるようには見えんが」

兵士B「……話によれば、あれは隣国から流れてきたもんなんだそうだ」

兵士B「あと俺の嫁さんは魔法は使えんが、魔力を感じることができる、らしい」

兵士B「曰く、守護の魔法は本物だし魔力もすさまじい、と……」

兵士A「……」
女騎士「私は女であることなど捨てたのだ」
195 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/10/03(土) 00:02:16.19 ID:qlrRizS70
兵士A「…よく分からんが、とにかく金貨10枚以上の価値がある、と」

兵士A「……お前の嫁さんはそんな物をねだったのか。 恐ろしいな」

兵士B「“貴方が居なかったら誰が私を守ってくれるのっ!”」

兵士A「のろけかよクソが」

兵士A「……しかしまぁ、それを惜しげなくポンと渡す隊長も恐ろしいな」

兵士B「値段じゃないんだろ。 それだけ姫様を愛しているってこった」

兵士A「叶わぬものと分かっているのにな。 …辛いな」


 カァーン カァーン!   カァーン カァーン!

兵士A「!」

兵士B「またか…!」
女騎士「私は女であることなど捨てたのだ」
197 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/10/03(土) 00:03:34.70 ID:qlrRizS70
兵士A「隊長! 魔物です!」

騎士「ああ、分かっている」

兵士B「すぐに避難所へ――」

騎士「待て!」

騎士「避難所は恐らく危険……このまま、この部屋にいた方がいい」

姫「えっ」

兵士A「隊長、何を――」

騎士「いいから! お前たちは姫から離れるな!」

姫「騎士は! 騎士はどこに行くの!?」

騎士「離れたところでおびき寄せます。 では」

姫「あっ――」

 バタンッ
女騎士「私は女であることなど捨てたのだ」
198 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/10/03(土) 00:05:29.38 ID:qlrRizS70
兵士A「どういうことだ…」

兵士B「分からん。 分からんが、隊長の命令だ。 姫様はここでお守りする」

兵士A「……ああ」


姫「……っ」

姫「騎士……」 ギュッ

姫(…主よ――)

姫(どうか、騎士をお守りください――)
女騎士「私は女であることなど捨てたのだ」
199 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/10/03(土) 00:06:41.02 ID:qlrRizS70


魔物「ガアァァアアアアア!!」

騎士「フッ!」 ビュオッ

 ギチギチギチッ ブバァッ

魔物「 」 どしゃ

騎士「―――ふぅ」

騎士「……」


「魔物が撤退したぞォォ!!」

「「ウオオォォオオオオオッ!!」」


騎士「……チッ」

騎士「……戻るか」 グイッ
女騎士「私は女であることなど捨てたのだ」
201 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/10/03(土) 00:09:08.68 ID:qlrRizS70

 ガチャ

騎士「姫」

姫「…! 騎士!」

騎士「魔物は撤退しました。 お怪我はありませんか」

姫「平気。 …騎士は?」

騎士「いえ、大丈夫です」

姫「……兜をはずして」

騎士「え、いや…」

姫「はずして」

騎士「……」 カパ

姫「…ばか。 血が出てる。 ばか」

騎士「……」
女騎士「私は女であることなど捨てたのだ」
202 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/10/03(土) 00:11:44.23 ID:qlrRizS70
王妃「! 姫」

姫「お母様! ご無事でしたか」

王妃「ええ。 貴女も無事みたいで良かった」

王妃「それより…」

王妃「近衛に貴女からの荷物を受け取りました」

王妃「けど……開ける前に、魔物に焼かれてしまいましてね」

姫「…! そんな…」

王妃「…何か、大切なものでしたかしら?」

姫「……っ、…いえ、……」

姫「大した物でもなかったので。 それより、お母様が無事で安心しました」

王妃「そう……ごめんなさいね」

王妃「では、私はまたお客様がいらっしゃるので、これで」
女騎士「私は女であることなど捨てたのだ」
203 :ぬわーーっひとつ抜けた[sage]:2009/10/03(土) 00:12:49.10 ID:qlrRizS70

 カツ カツ カツ カツ

兵士A「部屋に魔物は現れませんでした」

騎士「そうか」

兵士B「…今回は姫様がご無事であったから良かったものの、
     万が一部屋に魔物が現れていたら……」

騎士「分かっている。 私だけの責任だ、咎めは受ける」

兵士B「……」 チラ

兵士B(…避難所の入り口付近、かなり荒らされていたな)

兵士B(避難所に行っていたとしたら、また遭遇していたかもしれない)

兵士A「……」
女騎士「私は女であることなど捨てたのだ」
204 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/10/03(土) 00:13:55.44 ID:qlrRizS70
王妃「! 姫」

姫「お母様! ご無事でしたか」

王妃「ええ。 貴女も無事みたいで良かった」

王妃「それより…」

王妃「近衛に貴女からの荷物を受け取りました」

王妃「けど……開ける前に、魔物に焼かれてしまいましてね」

姫「…! そんな…」

王妃「…何か、大切なものでしたかしら?」

姫「……っ、…いえ、……」

姫「大した物でもなかったので。 それより、お母様が無事で安心しました」

王妃「そう……ごめんなさいね」

王妃「では、私はまたお客様がいらっしゃるので、これで」
女騎士「私は女であることなど捨てたのだ」
206 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[>>202はなしで]:2009/10/03(土) 00:17:33.18 ID:qlrRizS70

姫「…………」

騎士「姫…」

姫「……魔物だから…仕方ないよ」

姫「お母様が無事だったんだから、それだけでっ…」

騎士「姫…」

姫「ほら、それに。 タピストリーはまた作れるし」

騎士「姫」

姫「大丈夫だよ」

騎士「姫…っ」 ぎゅ

姫「……あ」 ぽろぽろ

姫「…ぅ…」 ぎゅっ
神IDキタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━!!
292 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/10/03(土) 00:18:14.20 ID:qlrRizS70
ほっちゃーん!
1時までに300いったらパイパンうp
82 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/10/03(土) 00:20:00.28 ID:qlrRizS70
ksk
1時までに300いったらパイパンうp
93 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/10/03(土) 00:20:43.64 ID:qlrRizS70
ksk
1時までに300いったらパイパンうp
293 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/10/03(土) 00:32:02.51 ID:qlrRizS70
300
女騎士「私は女であることなど捨てたのだ」
214 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[五輪で落ちるとか何この鰯]:2009/10/03(土) 00:43:07.89 ID:qlrRizS70

兵士A「…隊長、姫は」

騎士「あのままお休みになられた」

騎士「…兵士C、兵士D。 少し早いが、代わってくれるか」

兵士C「ええ、構いませんよ」

兵士D「今から始めるのも大差ありませんし。 どうぞお休みください」

騎士「ありがとう」


騎士「…兵士A、兵士B」

兵士A「はい」

兵士B「うい」

騎士「…話がある。 少し付き合え」
女騎士「私は女であることなど捨てたのだ」
217 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/10/03(土) 00:48:13.74 ID:qlrRizS70

姫「…うーん…」 パチ

姫「……あれ、朝…」

姫(…昨日は、騎士に抱きついたまま…寝てしまった)

姫(これで2回目。 ああ、恥ずかしい……)

侍女「あら、姫様。 おはようございます、今ちょうど起こそうと」

姫「うん、おはよ…」

侍女「お着替えはこちらに。 ミサが始まります」

姫「うん。 ……眠い…」
女騎士「私は女であることなど捨てたのだ」
220 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/10/03(土) 00:50:35.81 ID:qlrRizS70
侍女「…? 姫様、ベッドに指輪があるのですが」

姫「え、あ…それ、私の。 抜けちゃったみたい」

侍女「素敵な指輪ですね」

姫「騎士がくれたの」

侍女「騎士様が? へぇ…」

侍女「でも、姫様には少し大きいようですね。
    どうでしょう、紐を通して首から掛けてみては」

姫「あ、それいいね」

侍女「では、用意しておきます」

侍女「姫、こちらに。 髪を整えます」
女騎士「私は女であることなど捨てたのだ」
221 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/10/03(土) 00:52:36.11 ID:qlrRizS70

神父「――、――――」

神父「――――、――――!」

神父「―――――――――――」

神父「―――、――」

姫(眠い……)



侍女「ミルクをお持ちしました」

姫「ありがとう」

姫「ん……」

姫「今日のミルクは濃厚で美味しい。 パンにつけるには最適」
女騎士「私は女であることなど捨てたのだ」
222 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/10/03(土) 00:55:11.19 ID:qlrRizS70

姫「――― ―――――」

教師「声は喉からでなく、腹部の底から」

姫「――――― ――――」

教師「“が”ではありません。 “か゚”ですよ」

姫「―――…うぇぇ、喉が渇いた…」

教師「こちらにお飲物を」



姫「……はぁ。 疲れた」

姫(騎士が来るまで……あと半刻程度)

姫(…少し、寝ようかな…)
女騎士「私は女であることなど捨てたのだ」
225 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/10/03(土) 00:59:00.98 ID:qlrRizS70

姫「…スー…スー……」

姫「……ん」 パチ

騎士「あ、ひ、姫」

姫「あ。 騎士! おはよう」

騎士「ふふ、もうお昼ですよ。 おはようございます」

姫「あ、あれ? 寝すぎちゃったかな」

姫「起こしてくれればよかったのに」

騎士「姫があまりにも気持ちよさそうに眠っていらっしゃったので」

姫「もう」

騎士「今日は小春日和です。 無理もありません」
女騎士「私は女であることなど捨てたのだ」
226 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/10/03(土) 01:00:13.02 ID:qlrRizS70

姫「騎士はさ。 どうして騎士になったの?」

騎士「騎士になった理由ですか? …特別な理由なんかはありませんよ」

騎士「物心ついたときには既に剣を握っていましたね。 ただの棒きれでしたが」

騎士「働ける年になってから下働きをしたり傭兵をしたり」

騎士「それで、現団長殿にお誘いいただき、今に至ります」

姫「今の団長さんが? へー」

姫「でも、そこから騎士階級に成り上がるなんて。 すごい」

騎士「ただ闘うことが好きなだけです」

騎士(……ですが、今は)

騎士(…貴女を守るために――)
女騎士「私は女であることなど捨てたのだ」
228 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/10/03(土) 01:02:46.03 ID:qlrRizS70


姫「騎士、おやすみー」

騎士「はい、おやすみなさい」

騎士「……」

騎士「……姫」

姫「? どうしたの?」

騎士「……いえ」

騎士「……私はもう行きます」

姫「うん。 お疲れ様」

騎士「……」


騎士「…さようなら」
女騎士「私は女であることなど捨てたのだ」
229 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/10/03(土) 01:04:35.75 ID:qlrRizS70
兵士A「隊長」

騎士「ああ」

騎士「……私は王妃様に謁見することになっている」

兵士C「このような時間にですか?」

騎士「昼間はなかなか時間がとれないからな」

騎士「…お前たち」

騎士「後は任せたぞ」

兵士CD「「はっ」」

兵士B「……」

兵士A「……」
女騎士「私は女であることなど捨てたのだ」
232 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/10/03(土) 01:05:47.55 ID:qlrRizS70

姫「……」

姫(眠れない)

姫(お昼寝しちゃったから当然なんだけど)

姫「……」

――さようなら

姫「……」

姫(騎士、いつもあんなこと言わないのに)

姫「……」

姫(……なんだか胸騒ぎがする)
女騎士「私は女であることなど捨てたのだ」
234 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/10/03(土) 01:06:54.22 ID:qlrRizS70

 カツン コツン カツン コツン

騎士「……王妃様」

王妃「騎士ね。 頭を上げて」

騎士「……」 スッ

騎士「…夜分に時間をとらせてしまい申し訳ございません」

王妃「構いませんよ。 ……それで、話というのは」

騎士「はい」







騎士「貴女を、殺しに」

女騎士「私は女であることなど捨てたのだ」
236 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/10/03(土) 01:08:37.63 ID:qlrRizS70
兵士C「? 姫様どこへ」

姫「うん、ちょっと」

兵士D「明かりも無しだと危険ですよ、今用意…」

 タタタッ

兵士D「ああ! お待ちください!」

兵士C「しかも裸足で…! 追いかけるぞ!」


 ペタペタペタペタ

姫「ハァ、ハァ、ハァ、ハァ……」

姫(すごく悪い予感がする)

姫「……お母様……、騎士…!」
女騎士「私は女であることなど捨てたのだ」
237 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/10/03(土) 01:10:01.96 ID:qlrRizS70

姫「ハァ、ハァ…………!」

姫「…人が倒れて……」

姫「……扉があいている」

姫「…………」 ギィ

姫「…衛兵さんたち、皆……ひどい、誰がこんな…っ」

姫「!!」

姫「……騎士…?」

騎士「!」

女騎士「私は女であることなど捨てたのだ」
238 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/10/03(土) 01:12:39.58 ID:qlrRizS70
 ズルッ… ドシャッ

姫「…!! お母様…!?」

騎士「姫……」

姫「なに…、…なんなの……」

姫「騎士が、やったの……?」

騎士「……」

姫「騎士が、お母様を、その剣で……!?」

騎士「……」

姫「……否定、しないの……?」

姫「どうしてッ……どうしてお母様を!!」

騎士「……」

騎士「…何を言っても……言い訳にしかならないでしょう」
女騎士「私は女であることなど捨てたのだ」
239 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/10/03(土) 01:15:30.18 ID:qlrRizS70
姫「何で、何で、何で……!! 答えてよ、騎士!!!」

騎士「……」

兵士C「姫様どう……うわ!? 何だこの有様ッ」

兵士D「!! 王妃様!!」

騎士「……チッ」 ダッ

 パリー―――ン

兵士C「隊ty…ッ、窓から逃げた…!! 兵士D、外の者に連絡を!」

兵士D「ああ!」

兵士C「姫様、お怪我は!」

姫「うゥ、う、あぁあああ…お母様っ…お母様ぁ…」

姫「お母様ッ……」

姫「お母様ぁあああぁぁあああああッ!!」
女騎士「私は女であることなど捨てたのだ」
242 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/10/03(土) 01:17:29.55 ID:qlrRizS70



 
女騎士「私は女であることなど捨てたのだ」
248 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[つまり俺も馬鹿だと]:2009/10/03(土) 01:22:33.33 ID:qlrRizS70
――

「……姫様、あれからずっと部屋に閉じこもって……」

「…無理もないさ、最愛の王妃様が亡くなられたんだ」

「しかも、まさか騎士殿が……」

「…殿、なんかつけたら駄目だろ、もう」

兵士A「……」

「殺してすぐに逃げたんだろう? 結構経つがまだ捕まってないのか」

「どこに隠れているのやら、有名だから町中で見かけたらすぐ知らせがあると思うが」
【+  】ゞ゚)棺桶死オサムのようです
21 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/10/03(土) 01:24:17.67 ID:qlrRizS70
しえー
女騎士「私は女であることなど捨てたのだ」
250 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/10/03(土) 01:25:00.84 ID:qlrRizS70
「何で騎士様、いや騎士は王妃様を」

「ほらあれだ…騎士殿…騎士は姫様を好いてて、王妃様に妬いていたとか」

「なっ……そんな事でか!?」

「独占欲ってやつかね」

兵士B「……」

「はっ…おっそろしいねぇ…」



「女の嫉妬」
女騎士「私は女であることなど捨てたのだ」
252 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[ねむい]:2009/10/03(土) 01:26:22.18 ID:qlrRizS70

侍女「姫様」

侍女「夕食のお時間ですが……」

姫「いらない」

侍女「……はい」

姫「……」

姫「……ッ」

姫「……こんな指輪っ」 ブチィッ

姫「……ぅ…っ」

姫「お母様…っ」
女騎士「私は女であることなど捨てたのだ」
254 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/10/03(土) 01:31:39.80 ID:qlrRizS70


兵士a「ここか、魔物があふれ出した洞窟ってのは」

兵士b「ああ。 地図にあるとおりだな」

兵士a「…この地図どこで見つけたんだろうな、やけに正確じゃないか」

兵士b「知らん。 魔物の住処の場所なんてな……
    こんなのがあったなら、もっと早く魔物対策できたんじゃないのか」

兵士a「この地図発見も最近だし、魔物は危ないからと王妃様が止めていたんだろう。
    亡くなってからは国王様が解禁した、と……」

兵士b「おいおい、大丈夫なのか俺らで」

兵士a「任せられたんだ、やるしかあるめぇよ」

兵士b「かーっ…これからこんな任務増えるのか。 嫌になるよ」
女騎士「私は女であることなど捨てたのだ」
256 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/10/03(土) 01:33:28.78 ID:qlrRizS70
兵士b「……ここ本当に魔物の住処なのか? 全く現れんが」

兵士a「うーむ、地図通り…なんだがな。 確かに、おかしいな」

兵士b「ありがたいと言えばありがたいんだけどな、魔物がいなけりゃ」

兵士a「あふれ出して、ここに何もいないってのは……逃げ出したってことか?」

兵士b「知らね……うわ! 魔物!!」

兵士a「ビビりすぎだ馬鹿、死体だ死体」

兵士b「なんだ死体か……うへ、こっちにもある。 進むにつれて増えてるな」

兵士a「うーむ……本当に逃げ出したのかもしれんな」
女騎士「私は女であることなど捨てたのだ」
257 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/10/03(土) 01:35:16.50 ID:qlrRizS70
兵士a「…行き止まり……最深部、か」

兵士b「げぇ、でっけぇ魔物…これも死んでんのか」

兵士a「…! おい、あれ……人間じゃないか」 タタッ

兵士b「死んでるのか?」

兵士a「……いや、呼吸はある、が……瀕死だぞ、もう」

兵士a「ん? …おい、これ…騎士殿、じゃないか…?」

兵士b「!? 騎士って……王妃様を殺した、か!?」

兵士a「……とにかく城に連れて行くぞ」
女騎士「私は女であることなど捨てたのだ」
259 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/10/03(土) 01:37:46.44 ID:qlrRizS70

兵士A「姫様」 コンコン

姫「……」

兵士A「隊…、騎士が、発見されたようです」

姫「…!」

 ガチャ

兵士A(……随分とやつれてしまわれている)

姫「どこに」

兵士A「はっ …ご案内致します」
女騎士「私は女であることなど捨てたのだ」
261 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/10/03(土) 01:39:02.26 ID:qlrRizS70
姫「……」

姫「……生きているの?」

医師「はい。 なんとか、一命は……」

姫「……どうして生きているの」

姫「どうしてっ…どうして、お母様を殺したくせに…!」

姫「よくもよくも!!」

姫「よくもお母様をぉぉおおおお!!」

兵士B「姫様ッ!」 ガシッ

姫「っ、放してっ!!」

兵士B「姫様、落ち着いて下さいっ」

姫「私は! 騎士を、騎士を――」
女騎士「私は女であることなど捨てたのだ」
262 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/10/03(土) 01:40:45.97 ID:qlrRizS70
国王「騎士を、どうするというのだ」

姫「っ!」

兵士AB「「国王様ッ!」」 ビシッ

国王「姫。 騎士をどうすのだ。 殺すか? その手で」

姫「だって、騎士は、お母様を」

国王「だから何だという。
    相手が何人であろうと殺人に手を染めたならその騎士と同じであろう
    ましてや一国の王妃となるであろう人間がそのような事」

姫「…っ」

国王「…気持ちは分からんでもない」

国王「…この者はかなり腕が立つ。 本来なら隣国へ魔王討伐に向かわせるのだがな。
    ……処置は公開処刑とする。 罪人の処刑は執行人の仕事だ。 異議はないだろう」

姫「……はい」
女騎士「私は女であることなど捨てたのだ」
264 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/10/03(土) 01:42:03.60 ID:qlrRizS70

姫「……」

姫(私は……騎士を信じていた)

姫(信じていた、のに)

姫(お母様を)

姫(信じていたのに)

姫「……裏切り者」

姫「裏切者裏切者裏切者っ」
【+  】ゞ゚)棺桶死オサムのようです
35 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/10/03(土) 01:43:26.74 ID:qlrRizS70
おれもまぜろ しえ
女騎士「私は女であることなど捨てたのだ」
269 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/10/03(土) 01:50:40.89 ID:qlrRizS70
――

「おい! 騎士の処刑今日だってよ!」

「あの騎士様がねぇ……信じられないわ」

「ふん、王妃様を殺したんだ。 当然の報いだ」


『これより――大罪人 王立兵士団 王女身辺警護隊隊長 騎士の公開処刑を行う』

『この女、騎士は――騎士という身分でありながら、自らの騎士道から背き――』

『主 王妃陛下に刃を向け死に至らしめた。 また、同胞であったその衛兵らをも死傷させた』

『我が国への反逆であるこの罪は万死に値する』

『よって大罪人 騎士を斬首の刑に処する』
女騎士「私は女であることなど捨てたのだ」
272 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/10/03(土) 01:58:47.76 ID:qlrRizS70
騎士「……」

死刑執行人「どうよォ、テメェが昔必死こいて守ってた庶民どもは」

騎士「……」

執行人「恩も知らずにテメェの処刑を楽しんでやがる」

騎士「……」

 ゴッ

騎士「ぅ、……」


「うは!見ろ! オレの投げた石、左目に当たったぞ!」

「左目なんか無いみたいだけどな」
女騎士「私は女であることなど捨てたのだ」
273 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/10/03(土) 01:59:52.11 ID:qlrRizS70
騎士「……」

執行人「まったく、クズみてぇな人間どもだ」

執行人「……ま、王妃殺したお前はもっとクズだがな」

執行人「それを殺す俺も」

騎士「……」

騎士「……姫は…来ておられるのか」

執行人「来てるわけねぇだろ。 国王は来てるが」

騎士「…そうか」

執行人「あ、姫といえば、言伝。 “裏切り者”だとさ」

騎士「……そう、か」
女騎士「私は女であることなど捨てたのだ」
275 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/10/03(土) 02:01:27.95 ID:qlrRizS70
執行人「さて、と。 クズ共ももう待ちきれんような顔してやがる」

執行人「……そろそろ終わりにしようや」

執行人「…最後に言いたいことは」

騎士「……」

騎士「……私は」

騎士「…反省も、後悔もしていない」

執行人「……」

執行人「はっ」

執行人「命乞いじゃない点は評価してやる」
女騎士「私は女であることなど捨てたのだ」
277 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/10/03(土) 02:03:17.67 ID:qlrRizS70
執行人「そんじゃ」

騎士「……」

執行人(……笑ってやがる)


騎士(―――姫)



騎士(私は、貴女を―――)



 ザンッ
 

女騎士「私は女であることなど捨てたのだ」
280 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/10/03(土) 02:04:47.96 ID:qlrRizS70


姫「…お母様のお部屋」

姫「お母様のベッド」

姫「……」

姫(お母様の香り)

姫(…お母様は……普段どんなお気持で過ごしてきたのだろう)

姫「……」

姫(これは……)
女騎士「私は女であることなど捨てたのだ」
281 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[ねむい]:2009/10/03(土) 02:05:38.52 ID:qlrRizS70
姫「…お母様の日記」 ペラ

--年--月--日
ついに我が子が産まれた
元気に泣く可愛い子を、姫と名付ける
抱き上げると、小さな手で指を力強く握った
生まれてきてくれてありがとう

姫「……」 ペラ

--年--月--日
ついに言葉を話した
確かに、"ママ"と言った!
悔しがる夫を尻目に、何度も何度も言ってくれた
ああ、なんと喜ばしい事だろうか!

姫「…ふふ、お母様……」
女騎士「私は女であることなど捨てたのだ」
287 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/10/03(土) 02:07:21.58 ID:qlrRizS70
 コンコン

医師「…姫様」

姫「医師さん」

姫「…何の用?」

医師「…手紙を、届けに。 …騎士からです」

姫「いらない。 帰って」

医師「しかし」

姫「そんな名前耳にしたくもない!! 帰って!!」

医師「…ここに置いておきます」

医師「…それは、王妃様の日記でしょうか。 ……あまり読まれない方が良いかと」

医師「では、失礼します」

姫「……」
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