- ハルヒ「ファイアーエムブレムって面白いわね!」
41 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/05/17(日) 09:04:30.31 ID:tPTlxybP0 - ハルヒ「本当に!?」
喜緑「間違いありません。ベルンの兵士が城の中に連れていくのを見ました」 キョン「喜緑さん、城の内部の状況は分かりますか」 喜緑「はい。・・・助けに行くつもりならやめておいた方がいいですよ。 主力部隊は撤退したようですが、それでも城内にはまだ結構な数の軍が残っています。 この少数の兵では死にに行くようなものですよ」 ハルヒ「それは分かってるわ。だけど、今オスティア侯を失う訳にはいかないの。 大国との戦争では、軍の支柱となる人が必要なのよ。ベルンに比べたら烏合の衆同然の、リキア同盟なら尚更ね。 それに主力部隊は撤退したんでしょ?それなら勝ち目は有るわよ」 喜緑「そうですか・・・なら、私も付いていきます」 キョン「いいんですか、喜緑さん?」 喜緑「はい、ちょうど会いに行きたい人もいましたし。扉や宝箱の鍵開けは任せてください」 ハルヒ「それじゃあ、みんな行くわよ!出来うる限りの最大速度で進撃!」
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- ハルヒ「ファイアーエムブレムって面白いわね!」
44 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/05/17(日) 09:05:24.83 ID:tPTlxybP0 - キョン「さて、恒例となった、古泉の解説タイムだ。ほら、古泉」
古泉「喜緑さんの位置は盗賊の『チャド』です。戦闘能力は低いですが、鍵開けやアイテムを盗むなどの補助行動に長けています。 けっして後半咬ませ犬になることはありませんよ」 キョン「チャド違いだな」 古泉「ちなみに『チャド』は少年ですが、そこは気になさらないでください」 キョン「三竜将ってのは?」 古泉「四天王や五虎将と同じようなものです。正式な官職の名ですけどね」
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46 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/05/17(日) 09:06:46.11 ID:tPTlxybP0 - 喜緑「今この城の中にいるのは、ナーシェン将軍。三竜将の一角にして天下一のナルシストです」
ハルヒ「それはどうでもいいわよ」 喜緑「城内に残っているのは騎兵部隊が多いようです。傭兵団の斧使いを中心に進むべきですね」 キョン「でも、三竜将の一角ってことは相当手強いんでしょう?勝てますか?」 喜緑「多分大丈夫です」 ナーシェン「スレーター!スレーターはいるか!」 スレーター「はい、ここに。お出かけですか?」 ナーシェン「ああ、リキア諸侯の裏切りものどもが私におもしろい土産を用意したらしい。 なんでも エトルリア貴族の娘だとか・・・まだ幼さを残しているがかなりの美形らしい」 スレーター「それは楽しみでございますね。道中、くれぐれもご用心を」 ナーシェン「スレーターもリキアの残党どもに足元をすくわれないように。 そんなことになったらこの私が八つ裂きにしてしまうよ」 スレーター「せめて石抱きか海老反り責めで止めてください」 喜緑「ナーシェンはサボり癖が有るようですから」
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49 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/05/17(日) 09:08:15.17 ID:tPTlxybP0 - 喜緑「城の外に孤児院があるんです。ちょっと様子を見てきたいのですが、護衛を頼めますか?」
谷口「はい、俺が!」 ハルヒ「国木田よろしく」 国木田「OK」 谷口「おーい・・・」 ハルヒ「あんたは城攻めの主戦力なのよ。力あるし結構体力あるし。 私とキョンと一緒に城の南の方で頑張って」 古泉「僕はどうしましょうか?」 ハルヒ「中央に陣取って少しづつ進んで。傭兵団の人たちも一緒に向かわせるわ」
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51 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/05/17(日) 09:10:20.64 ID:tPTlxybP0 - >>48ロードの男二人女一人という比率が難しい 逆なら書いてたが
あと烈火だとキョンがハルヒか佐々木を切って半狂乱のイベントがある 喜緑「大丈夫でした?ほかの子たちは怪我してませんよね?」 長門「無事。エリミーヌ教団に預かってもらう事になった」 喜緑「よかった。それで、あなたは何でここに残ってたんです?」 長門「あなたと同じ理由。私も闘う」 喜緑「・・・無理はしないで下さいよ。ところで、もう一人は?」 長門「わからない。でも、どこかで必ず生きている」 喜緑「そうですね。あのあまのじゃくさんにも早く会いたいです」
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52 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/05/17(日) 09:12:12.14 ID:tPTlxybP0 - >>50多分間に合わない
城内戦なのに騎兵が左右に駆け回っている。なんともカオスな戦場だ。 あんまり槍が長いのでたまに味方同士で絡まっている奴までいる。 こいつらが本当に正規兵なのか? とりあえず俺は極めて冷静に、壁に引っ掛かっている敵兵を矢で打ち抜いている。 キョン「なんか・・・意外に楽だな」 ハルヒ「そうね。なんだか拍子抜けしちゃうわ」 古泉「伝令からの報告によると、主将ナーシェンはどこかへ移動。 現在の主将はその部下のスレーターという男、兵士はその手勢のようです」 キョン「つまり、残ってるのは大したことのない部隊だけってことだな」 ハルヒ「なら急いで片付けるわよ!ディークさんよろしく!」 ディーク「おう!アーマーキラーは借りてくぜ!」 スレーター「ま 負けはせんぞ!も、もし負けたら・・・ 蝋燭責めか逆さ吊りかそれとも鉄の処女か・・・」 キョン「ベルンの将軍ってのはこんなのばっかりなのか?」
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54 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/05/17(日) 09:14:23.53 ID:tPTlxybP0 - スレーター「お、おゆるしをナーシェンさまぁ・・・!」
キョン「オスティア侯はどうだった?」 ハルヒ「・・・」フルフル キョン「そうか・・・」 古泉「架空の世界とは言え、自分の主君。いささか辛いですね・・・」 ハルヒ「・・・オスティアに行くわよ」 キョン「えっ?」 ハルヒ「理由は道中で話すわ。全軍、オスティアに転進!この城は放棄して構わないわ!」 キョン「お、おいちょっとハルヒ!」 古泉「・・・ここは何も言わないでおきましょう。 この世界では、涼宮さんの父とオスティア侯は無二の親友。両家は家族のような間柄でした。 いまの涼宮さんにとってのオスティア侯の死は、家族の死とほぼ同様なのでしょう」 キョン「そうか・・・」
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55 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/05/17(日) 09:16:20.31 ID:tPTlxybP0 - キョン「長門!お前も仲間に入ったのか」
長門「この世界の情勢は把握した。私の能力は制限されているが、魔道書を媒介に発動が可能」 古泉「これでSOS団は揃いましたね。暫くすれば涼宮さんも落ち着くでしょう。 それまでは傍にいてあげて下さい」 キョン「分かった」 古泉「あなたが『ウォルト』である意味、よく考えて下さいね」 キョン「ああ、よく分かってるよ」
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57 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/05/17(日) 09:18:08.20 ID:tPTlxybP0 - ハルヒ「もう大丈夫よ。心配かけたわね」
キョン「ああ、無理はするな。それで、俺たちは何でオスティアに向かってるんだ?」 ハルヒ「オスティア侯が言い残したの。ベルンは『竜』を復活させているって」 キョン「竜・・・!?」 ハルヒ「そうよ。ドラゴンナイトが乗ってるような飛竜じゃなく、本物の『竜』」 キョン「どうやったらそんなことが出来るんだよ?」 ハルヒ「分からないわよ。ただ、ベルンは昔、竜達が栄えた土地。 ベルンの王家は八神将の一人ハルトムートの末裔、関係があるかもしれないと言っていたわ」 キョン「どうするんだ?そんな化け物」 ハルヒ「『オスティアには竜に通用する武器もある』そう言っていたわ。今はそれを信じましょう」 キョン「ああ」
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59 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/05/17(日) 09:20:36.05 ID:tPTlxybP0 - ナーシェン「エリック卿か。ベルンへの帰順、なにより。して、手土産はどこだ?」
エリック「そう焦らずに。別室に用意してありますとも。ただ、多少幼いのが難点ですが」 ナーシェン「馬鹿者っ!お前は何も分かっていないな!成熟し切っていないからこそいいんだ! いいか、もう未来のない初老共に何の価値がある?まだ細い手足や膨らみ切っていない胸・・・」 エリック「も、申し訳ございません・・・」 本格的な軍隊との、初めての大規模な戦闘だった。 ラウスの主戦力は俺達と同じ騎馬隊、質ではこちらが上だが数では負けている。 一度に複数を相手にしないよう、ひたすら動き回っての戦闘が続いた。 谷口「おい国木田、そっちを頼む!」 国木田「僕だって手が一杯だよ」 新川「私にお任せ下さい」 ハルヒ「計算外ね。まさか新川さんまで動員しなきゃならなくなるなんて」 ハルヒ「・・・あら?何かしら。城から誰か出てきたわ・・・」
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61 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/05/17(日) 09:22:12.19 ID:tPTlxybP0 - >>60ニニアンの 主人公がキョンなら正ヒロインはどっちかだろうなと
でもハルヒはリンだろうから佐々木だな キョン「ふう、矢を補給しなきゃな。いったん輸送隊の所まで戻って・・・」 クラリーネ「ちょっと、そこのあなた!」 キョン「ん、俺か?」 クラリーネ「ほかに誰がいますの?リキア同盟の方ですわね?」 キョン「ああ、そうだが・・・」 クラリーネ「ちょうどいいですわ。あなた、私を護衛しなさい」 キョン「はぁ?」 クラリーネ「聞こえませんでしたの?私を護衛しなさいと言ったのです」 どこかで見たような奴だな。 キョン「要は、城の連中に追われてるから助けてくれと、そういう事だろ?」 クラリーネ「ま、まあ、そういうことですわね」 キョン「んじゃ、この軍のリーダーの所まで連れていくから、後はそっちで交渉してくれ」 正直こいつとハルヒを対面させるのはどうかとも思うが仕方ないだろう。 見たところ回復の杖も持ってるし、役に立たないという事は無いだろうからな。
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63 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/05/17(日) 09:24:05.38 ID:tPTlxybP0 - みくる「キョンく〜ん」
キョン「朝比奈さん、どうしたんですか?」 みくる「さっき涼宮さんの所にきた人が、涼宮さんと喧嘩を始めちゃったんです」 キョン「あー・・・」 みくる「古泉君がどうにかなだめてるんですけど・・・」 キョン「・・・まあ、古泉なら大丈夫でしょう」 新川さんと赤緑のおかげで、だいぶ戦況は好転してきた。 だが、そんな戦場にふらりと一人の男が現れた。 遠くから見ると不健康なほどに細く見えるのは服のせいだろうか。 数人の兵が男を取り囲んだ、その瞬間、兵士たちは地面に倒れこんだ。 キョン「なんだあいつ・・・」 ディーク「あー、ルトガーだな。俺と同じ傭兵なんだが・・・あいつと殺り合いたくはなかったぜ。まあ、仕方ねえな」 キョン「あんたがいくのか?」 ディーク「俺じゃなきゃ無理だ。あのお嬢ちゃんでも無理だな」
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65 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/05/17(日) 09:26:26.96 ID:tPTlxybP0 - ハルヒ「キョン!クラリーネとかいう女が来なかった!?」
キョン「いや、さっきお前の方に行ったろ?」 ハルヒ「来たわよ!仲間になってやるだの護衛しろだの偉そうに・・・ しかも、城のほうを見たと思ったら何も言わずに走って行ったわ!」 キョン「あん?よく分からないな」 ハルヒ「私だって分からないわよ!」 俺とハルヒは最前線へと出た。ラウスの騎馬隊はもう半壊状態だった。 遠くを見れば傭兵が二人、にらみ合いを続けている。 そこに近づいていく一つの影。 ハルヒ「あの女、見つけたわ!キョン、文句を言ってやるわよ!」 キョン「え?っておい、俺を最前線に引きずり出すな、聞いてるのか!?」
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69 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/05/17(日) 09:28:06.98 ID:tPTlxybP0 - ハルヒ「あれ?」
ルトガー「この軍は、ベルンと敵対しているのか?」 クラリーネ「ええ、ハルヒというリーダーからそう聞きましたわ」 ルトガー「・・・よし、分かった。お前たちと共に闘ってやる。それで文句はないだろう」 クラリーネ「大事なのは『ベルンと戦う』ことではなく『私を守る』ということですわ!」 ハルヒ「何があったの?」 ディーク「そこのお嬢さんが、そっちの無愛想野郎を仲間にしちまったんだよ」 ルトガー「いくぞ、ディーク。もう場内は手薄のはずだ」 ディーク「おう、さっさとケリを付けるぞ」 ハルヒ「ふん、なかなかやるじゃない」 クラリーネ「私の力が分かりましたわね?ならばこれからは私の護衛に回りなさい」 ハルヒ「あなたの力は関係ないじゃない。でも、そうね。キョンより上の立場になら、してあげてもいいわ」 キョン「おい、俺の立場は?」 ハルヒ「知らないわよ、そんなの」 クラリーネ「知りませんわ、そんなこと」
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71 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/05/17(日) 09:30:26.58 ID:tPTlxybP0 - 古泉「では、城にはナーシェンがいたのですね?」
クラリーネ「そうですわ。あの男、私を地下牢に閉じ込めましたの」 古泉「ですが、城内に残っていたのはエリック卿のみだったと」 ディーク「ああ、そいつを打ちとったら、他の兵士は抵抗を止めちまった」 古泉「ふむ、どこかで城を抜け出していたんですね。アラフェンが落ちたという情報が届いたんでしょうか」 キョン「意外に早いな。俺達も全速力でここまで来たのに」 古泉「アラフェンを落とした後、その場で悲嘆に暮れていれば、 おそらく僕たちはナーシェンの部隊に蹂躙されていたでしょう。 涼宮さんの迅速な決断のおかげです」 キョン「あいつは本当に乱世向けの人材だな・・・」 俺たちはベルンに悟られないよう、山間の旧街道をオスティアに向かっていた。 途中、山賊に襲われた村を助けたり、谷口と気の合う神父が仲間に加入したりしたが、 特に語るほどの事も無かったので省略する。
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- ハルヒ「ファイアーエムブレムって面白いわね!」
74 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/05/17(日) 09:32:26.65 ID:tPTlxybP0 - そして俺たちはトリア侯オルンの居城に到着した。
オルンはオスティア侯の従兄弟であり、温厚な性格で知られる人物だ。 ここなら枕を高くして眠れるに違いない・・・ 俺たちは久しぶりに温かい夕食を食べていた。 ハルヒ「ちょっと、ワグナーさん。聞きたいことがあるんだけど」 ワグナー「はい、何ですかな?」 ハルヒ「オルン様に会いたいんだけど、どうして駄目なの?」 ワグナー「ですから先ほども申しあげましたとおり、主は病でお会いできず・・・」 ハルヒ「なら、私達は帰るわ!こんなとこにいつまでもいても仕方ないもの」 みくる「ふえ?涼宮さん、何でですか?」 ワグナー「・・・どうあっても?」 ハルヒ「どうあってもよ」 ワグナー「ならば ここで死んでいただこう!みなの者!であえっ、であえい!」 ハルヒ「やっぱりね!キョン、みくるちゃん!扉まで走って!」 キョン「お、おう!」
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76 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/05/17(日) 09:34:24.26 ID:tPTlxybP0 - >>75俺はマクシムさんを頂こう
飛んでくる矢をよけながら扉まで走る。ドアノブに手をかけるが、開かない。 キョン「だめだ、鍵がかかってる!」 ハルヒ「何秒か耐えて!」 朝比奈さんを庇いながら矢を払い落す。数秒間がとても長く感じた。 次の瞬間、扉に何かがぶつかる音が。そして、扉が吹き飛んだ。 古泉「無事でしたか?早く部屋の外へ!」 長門「・・・サンダー」 長門の魔法で弓兵が吹き飛び、流れ弾も古泉の鎧に弾かれる。 心を落ち着けた俺は、左手の弓を引き絞った。 ワグナー「ぐあっ・・・」 キョン「やったか!?」 俺の矢は僅かに狙いを外し、ワグナーの左肩を貫いた。ふらつきながら逃げるワグナー。 それと同時に、館のあちこちで怒号や悲鳴が上がる。どうやら俺たちの軍が攻撃を開始したようだ。
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- ハルヒ「ファイアーエムブレムって面白いわね!」
77 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/05/17(日) 09:36:18.92 ID:tPTlxybP0 - ワグナー「わ、私の・・・完ぺきな計画が・・・」
キョン「甘い、もう少し演技を磨いてくるんだったな」 十歩の距離まで近づく。今度は外さなかった。 ハルヒ「ありがとう、よく知らせてくれたわね」 キャス「いいのいいの。戦場ではお互いさまよ。それに、色々な物もあるし・・・」 ハルヒ「あなたは盗賊だったわね。まあいいわ、今回は目を瞑ってあげる」 キャス「あなたは太っ腹ね!バイバーイ」 キョン「いいのか?この館、けっこう宝は多いはずだぞ」 ハルヒ「問題ないわよ。ねえ、喜緑さん?」 喜緑「はい。これを見て下さい」 キョン「これは・・・とうぞくのかぎですか?」 喜緑「さっきあの子のポケットから頂いておきました」 キョン「酷っ」 キャス「やられたー!!」
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80 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/05/17(日) 09:39:26.76 ID:tPTlxybP0 - 喜緑「途中でこんな子を拾いましたよ。サカの人らしいです」
スー「わたしも共に戦わせて。ベルンと戦うことは、じじたちを助けることになるわ」 長門「私たちが向かっているのはオスティア。サカとは逆方向・・・」 スー「構わないわ。たとえ何処にいたとしても、母なる大地が無くなるわけでもなく、父なる天が消えるわけでもないから」 キョン「何か独特の空間が出来てるな、あそこは」 古泉「大変です!オスティアで内乱が発生したとの報告が入りました!」 ハルヒ「何ですって!」 古泉「親ベルン派がオスティア城を占拠、城を取り戻そうとする勢力と、激しい戦いを繰り返しているようです」 キョン「佐々木は無事か!?」 古泉「反乱軍の捕虜になっているようですね・・・」 ハルヒ「こうしてはいられないわ。オスティアへ急ぐわよ!みくるちゃん、クラリーネ、アホ神父は負傷者の治療、行軍しながらね!」 みくる「はっ、はい!」 クラリーネ「わかりましたわ」 サウル「できれば女性兵士を多く回していただけますか?」 キョン「阿呆」
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83 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/05/17(日) 09:41:09.03 ID:tPTlxybP0 - キョン「しっかし強行軍ばかりだな」
古泉「原作をプレイした時も、そのことが気になりました」 キョン「ハルヒは戦術家としては優秀だが、戦略家には向いてないな」 ハルヒ「古泉君、敵将と兵の規模!」 古泉「大将はレイガンス、オスティア重騎士でおそらく一番のつわものでしょう。 副将はデビアス、こっちは僕と同等かそれ以下です。 敵の規模は重騎士が50前後に騎兵、魔道士、弓兵、軽装歩兵あわせて200! また、ベルン竜騎士が数機目撃されています!」 ハルヒ「私達の現在の兵力は!?」 古泉「騎馬兵30、傭兵部隊が30、重騎士15、魔道師5、弓兵10、軽装歩兵20で合計110!」 ハルヒ「OK,把握したわ!」 進軍中の騒音は尋常では無いから叫び合いになるのは分かるが、古泉が叫んでいるのは違和感があるな。 しかし、とんでもないことを聞いたな。敵の規模はこっちの二倍だと? しかも相手は城に籠っている。どうやって勝てと言うんだ?
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85 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/05/17(日) 09:43:28.37 ID:tPTlxybP0 - ん、伝令兵か。ああ、向うは忙しそうだから俺に渡せ。
ふんふん・・・おっ? キョン「ハルヒ、イリアの傭兵騎士団からの手紙だ!俺たちの攻撃に合わせて、反乱部隊を攻撃するってよ!」 ハルヒ「数は!?」 キョン「騎馬兵20、歩兵40、破城槌五機!」 ハルヒ「分かった、今作戦を立て直すわ!」
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87 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/05/17(日) 09:44:56.33 ID:tPTlxybP0 - >>86全く経験してないものは書けないのだよ 架空の物ならともかく
古泉「戦場まであと約五分、隊列を整えましょう!」 ハルヒ「行軍速度落とせーっ!」 ハルヒの号令で、100を超える兵の足並みが揃う。俺は弓の弦を締めなおす。 古泉は馬に積んであった鎧を装着している(流石にあれを着たままの行軍は無理だ)。 ハルヒ「キョン!今回はあんたの部隊が鍵を握るわよ!しっかり仕事をしなさい!」 ああ、言われなくても分かってる。そう答えようとしたが声が出ない。 みくる「キョンくん、大丈夫ですか?頑張って下さいね」 古泉「あなたならきっと成功します、自信をもって下さい」 長門「あなたなら大丈夫。頑張って」 キョン「・・・おう!」
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89 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/05/17(日) 09:47:42.67 ID:tPTlxybP0 - リキア一の大都市オスティアは、もはや見る影もないほどに荒廃していた。
ほんの数日の戦闘でここまで荒れるものなのか。 長門と魔道士五人は、街のがれきの中へと潜んでいる。薄い書物一冊で戦えるのは強みだな。 古泉と重騎士部隊は、敵の主力部隊と正面から衝突している。 ハルヒ「50メートル後退!」 兵の練度はほぼ互角、それなら、当然のことだが数で劣る俺たちが押し負ける。 だが、俺たちには勝算があった。 ハルヒ「キョン、そろそろ準備。古泉君、合図を」 キョン「分かった」 古泉「分かりました」 俺は十人の弓兵を連れて戦場から離れる。
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91 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/05/17(日) 09:49:14.79 ID:tPTlxybP0 - >>88展開先読みしないでくれw俺の単純な脳みそだと大体当たっちゃうから
古泉「重騎士部隊、中央に集合せよ!」 古泉の号令で一か所に集まり槍を構える重騎士たち。反乱軍がそれを取り囲む。 デビアス「少数の兵を無理に固めたのは失敗だったな。横一列に構えていれば取り囲まれることもなかったろうに」 古泉「いえいえ、これも策のうちですよ」 デビアス「何・・・?」 反乱軍兵士「デビアス様、敵集です!」
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95 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/05/17(日) 09:51:48.66 ID:tPTlxybP0 - 古泉達を取り囲む形になったデビアスの部隊は、先ほどまでの密集隊形よりは各部署が薄くなる。
そこを街に潜んでいたイリア傭兵騎士団と長門の部隊が奇襲をかけた。 奇襲を受け混乱し、真っ二つになるデビアスの部隊。 長門の魔法は重騎士の鎧も意に介さず、次々と灰に還していく。 デビアス「おのれ・・・竜騎士だ!ベルンの竜騎士を投入しろ!」 程なくして場内から上がる歓声と、この世のものとは思えない鳴き声。
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96 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/05/17(日) 09:53:44.74 ID:tPTlxybP0 - 翼が空気を叩く音が城壁の外まで聞こえてくる。
俺達弓兵部隊は、オスティア城の城壁の影に潜んでいた。 竜騎士と正面から戦っては勝てない。なら、出撃前に潰す。それがハルヒの策だ。 俺達弓兵ははっきり言って攻撃力が低い。だが、他の職の誰も出来ないことが一つある。 城の上を輪を描くように、五機の竜騎士が飛び回る。もうそろそろ上昇を終え、ハルヒ達に攻撃を仕掛けるだろう。 キョン「弓、番え」 手に汗がにじむ。飛竜の雄叫びと台風のような翼の音が鼓膜を震わせる。 暴力的な音に負けないよう、俺は腹の底から力を限りに叫んだ。 「撃てえーっ!!」
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98 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/05/17(日) 09:56:09.40 ID:tPTlxybP0 - 俺の矢が先頭の飛竜の翼を貫く。苦痛の咆哮。飛竜が傾く。
腰の矢筒から矢を抜き取りもう一発、今度は翼の付け根だ。 飛竜撃退のための作戦、それは、翼を打ち抜いて地面にたたき落とすという、至って単純な物だった。 キョン「まだだ、まだ終わらんよ!」 三発、四発、五発、翼をずたずたに引き裂かれた飛竜は、真っ逆さまに城内に墜落していった。 ズズゥン!! 五つの墜落音と城内からの悲鳴。高空から落とされた飛竜の巨体は、巨大な岩石の如く反乱軍を押しつぶしていた。 デビアス「馬鹿な・・・!ベルン竜騎士が、我々の軍が敗れるだと!?」 古泉「あなた方不義不忠の輩では分からないでしょうが、忠誠心は時として鋭い剣にもなるのです。彼の忠誠心は、並の人間とは比になりませんよ」 デビアス「くそっ、何を綺麗事を!」 逆上したデビアスの鎧の隙間を、正確に古泉の槍が貫いた。 古泉「僕も、この世界ではオスティアの忠臣ですからね。これくらいはやらなくては。 いや、こちらでも現実でも、僕の主君はもしかしたら・・・」 ハルヒ「古泉君凄いじゃない!城内も混乱してるし、あとは一気に蹴散らすわよ!」 古泉「はい、お褒めに与り光栄です、涼宮さん」
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- ハルヒ「ファイアーエムブレムって面白いわね!」
99 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/05/17(日) 09:58:22.93 ID:tPTlxybP0 - 俺たちが飛竜を、古泉が敵の副将を討ち取ったことによって、反乱軍の戦意は激減した。
戦場から逃亡する者、武器を捨てて投稿する者、数分でオスティア市街は制圧された。 ハルヒ「城門を破るわよ。破城槌、用意!」 キョン「複雑な顔だな、ハルヒ」 ハルヒ「・・・この城はね、リキア一の名城と呼ばれているの。理由を知ってる?」 キョン「いや、知らんが・・・」 ハルヒ「オスティア城はね、リキアが一つの国だった時代から数百年、敵の侵入を許したことが無いのよ」 キョン「へえ、それは凄いな」 ハルヒ「オスティアを守るためとはいえ、不落の伝説を私が破ることになるとはね・・・」 キョン「仕方ないだろう。それより長門、敵の数は?」 長門「喜緑の報告から推算するに、80前後。ほとんどが重騎士で弓兵も数名」 ハルヒ「随分少ないわね?」 長門「飛竜が何もできず撃退されたことによって戦意を喪失、逃亡した者が多いと考えられる」 古泉「城門突破しました。負傷兵は下げますが、それでも100以上兵は残っています」 ハルヒ「分かったわ。目標は玉座よ!突撃!」
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- ハルヒ「ファイアーエムブレムって面白いわね!」
100 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/05/17(日) 10:00:18.03 ID:tPTlxybP0 - レイガンス「城内に敵の侵入を許しただと!?ええいっ、デビアスは何をしておったのだ!
これからわしの物になるこの城の歴史に傷を付けおって! と、とにかくさわぎの鎮圧を・・・おい!よく聞くのだ」 兵士「はい」 レイガンス「敵に城内で好き勝手なことはさせん。なんとしてでもくい止めるのだ! 城の各所に兵士を配置しろ、とくにこの玉座のまわりは徹底してな」 兵士「ははっ(おいおい、あんたオスティア最強とか言ってたんじゃねーのかよ)」 レイガンス「それからあの小娘は戦いに紛れて密かに始末してしまえ!」 兵士「はあ!?ちょ、待って?」 レイガンス「落ち着け。奴等への牽制に使うつもりだったが、こちらの部下どもにもまだあの小娘を慕っている者が多い。 おおやけに盾などにすると反感を買い敵にまわる危険があるのだ・・・」 兵士「で、ですが、手にかけてしまってはそれこそ非難の的に・・・」 レイガンス「だから 密かにと申しておるではないか!アーチャーの流れ矢にあたった事にしその罪は敵になすりつければよい!! ちょうど敵にあの冴えないアーチャーがいるだろう」 兵士「・・・」
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- ハルヒ「ファイアーエムブレムって面白いわね!」
102 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/05/17(日) 10:02:17.36 ID:tPTlxybP0 - 佐々木「やあ、獄卒君。今日は何の要件だい?もしや処刑の日取りが決まったのかな?」
兵士「・・・これを」 佐々木「これは・・・魔道書だね。ファイアー、サンダー、エルファイアー・・・こんなにどこから?」 兵士「レイガンスの本棚から盗んできました。お望みならエイルカリバーも持ってきますよ?」 佐々木「いや、それはいいよ。まだ使いこなせないからね」 兵士「レイガンスはあなたを殺し、その罪を同盟軍のアーチャーに被せるつもりです。 鍵は持ってこれませんでしたが、その魔道書があれば脱出は出来るでしょう。お気をつけて」 佐々木「感謝するよ。では、久しぶりの散歩といこう」
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104 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/05/17(日) 10:03:50.79 ID:tPTlxybP0 - キョン「朝比奈さん、回復お願いします!」
みくる「はっ、はいい!」 狭い城内では敵を倒してもすぐに敵が来る。のんびり座り込んで応急手当てをしている暇など無い。 だから、朝比奈さんのような回復役は非常に重宝する。 キョン「朝比奈さんは怪我はありませんね?もうすぐ大広間です。気を付けて下さいよ」 みくる「はい、キョンくんも頑張ってください」 谷口「なんで俺はあんたと組んでるんだろうな・・・」 サウル「ああ、神よ。どうかこの哀れな子羊に美しい女性の救いの手を!」
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105 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/05/17(日) 10:06:19.52 ID:tPTlxybP0 - 城攻めではいろいろな事があった。オスティア侯に仕えていた盗賊とやらが仲間になったり、古泉の同僚であるものすごい巨漢のアーマーナイトが仲間になったり。
しかし、俺が一番驚いたのは、 森「どうも、通りすがりのアーマーナイトです」 キョン「嘘だー!?」 古泉「おやおや、森さんがまさかこのタイミングで出てくるとは」 森「機関の意向で」 キョン「それはもう分かりましたから。で、古泉。森さんはどういうキャラの位置だ?」 古泉「アーマーナイトの『ウェンディ』。ボールスの妹です」 キョン「ボールス?それは確か・・・」 古泉「僕の位置ですね。これは困りました」 森「では、何と呼んだらいいかしら。お兄様?兄上?お兄ちゃん?」 古泉「お兄様でお願いします」 森「お兄様、はがねのやりを貸して頂戴」 古泉「はい、少々お待ちを」 キョン「いつの世も、兄は妹に振り回されるのが常か」
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109 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/05/17(日) 10:08:57.84 ID:tPTlxybP0 - >>107 お前は古泉に何を求めているんだ
ハルヒ「レイガンスの情報は?」 古泉「アーマーナイトの上位クラス、ジェネラルです。圧倒的な装甲は、生半可な攻撃はすべて跳ね返します」 ハルヒ「どれくらいの力ならいける?」 古泉「谷口君でかろうじて傷が付くかどうか。アーマーキラーを使えば戦えない事も無いでしょうが・・・ 相手は槍の達人。剣では分が悪いですね」 ハルヒ「分かった。私が行くわ。キョン、レイピアを持ってきて!」 キョン「おい、本気か?」 ハルヒ「本気よ。私のレイピアなら、いくら装甲が厚くても問題じゃないわ」 キョン「だからって、お前一人じゃ無理だ。俺も付いていく」 ハルヒ「それこそ無理よ。あんたの弓が通用すると思う?石をぶつけるのと変わらないわよ」 キョン「でも・・・」 ハルヒ「いいから。私一人で行かせて。あいつもオスティア候の仇みたいなものよ」
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111 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/05/17(日) 10:10:58.37 ID:tPTlxybP0 - >>108 フィルは俺の嫁 異論は認めない
古泉「涼宮さんを一人で行かせたんですか?」 キョン「あそこで俺がなんて言ったらよかったんだ?」 古泉「・・・無理ですよね。ですが、涼宮さん一人ではやはり」 佐々木「それなら、僕が行こう。君達は僕の護衛をしてくれたまえ」 キョン「佐々木!無事だったのか!」 佐々木「ああ、親切な兵士に助けてもらってね。それよりも、早く行くよ。 僕ならレイガンスに一矢報いる権利は有る。涼宮さんも納得するだろう」
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115 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/05/17(日) 10:13:09.56 ID:tPTlxybP0 - レイガンス「筋はいいな、小娘。だが非力だ!あまりにも非力だ!
わしの鎧をその細腕で貫けると思うなぁ!」 ハルヒ「くっ!せめて三秒狙いをつけられれば・・・!」 レイガンス「小物をいたぶるのもそろそろ飽きた。とどめを刺させてもらうぞ!」 二メートル近い巨体のレイガンスが、三メートルはあろうかという槍を振り上げる。 五メートルの高さから振り下ろされる槍の穂先、直撃すれば死は免れない。 ハルヒ(かわせないっ・・・!ならば防御、いや、レイピアじゃ無理!) ハルヒ(殺られる!?) ガキィン! 新川「御自重ください涼宮さん。あなたはこの軍の総大将、命を粗末になされては困ります」 ハルヒ「新川さん!?」 レイガンス「誰だ、貴様は!?」 新川「どうも、通りすがりのパラディンです」
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117 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/05/17(日) 10:15:07.21 ID:tPTlxybP0 - 新川「力は有りますが、今一つ正確さに欠ける攻撃ですね。鎧に頼っていてはいけませんよ」
レイガンス「くそ、何故あたらん!ぬあああああ!」 新川「ほら、また隙が出来た」 レイガンス「貴様、何故攻撃してこない!わしを愚弄しているのか!」 新川「あなたを倒すのは私の役目ではありません。ほら、そこにいる人物の仕事ですよ」 レイガンス「・・・?」 振り向いた瞬間、レイガンスの顔面が炎上した。エルファイアーの直撃だ。 佐々木「レイガンス、よくもやってくれたね。まだ気は収まらないが、僕の分はここまでにしておこう」 キョン「うわー・・・佐々木、お前結構酷いな」 佐々木「涼宮さん、とどめを刺して!」 レイガンス「眼が!眼があっ!」 ハルヒ「・・・!」 ハルヒ(鎧の薄い部分から心臓にかけての直線・・・見えた!) ハルヒ「はぁっ!!」
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119 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/05/17(日) 10:17:12.67 ID:tPTlxybP0 - レイガンス「何故だ?ベルンに踏みつぶされるだけのお前たちが・・・何故、ここまで戦える・・・?」
ハルヒ「潰されたくないから闘うのよ。分からないの?」 佐々木「ありがとう、おかげで無事に城を取り戻せた」 ハルヒ「いいのよ、フェレとオスティアの仲じゃない!」 佐々木「ふふっ。そういえば、お父様はどうしたかな?まだあちらの戦いは長引きそう?」 ハルヒ「何も・・・知らされていないの?」 佐々木「?」 ハルヒ「ヘクトル様は・・・亡くなられたわ」 佐々木「!」
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121 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/05/17(日) 10:19:12.82 ID:tPTlxybP0 - >>120 お前は俺か シャニーごめんよorz
ハルヒ「ごめんなさい。私達がアラフェン城に着いた時は、もう城はベルンの支配下で・・・」 佐々木「涼宮さん、あやまらないで。あなたのせいじゃないわ」 ハルヒ「佐々木さん・・・」 佐々木「ごめん、ちょっと一人にさせて」 ハルヒ「キョン、ちょっと佐々木さんのところへ行ってあげて」 キョン「え、いいのか?」 ハルヒ「私だってそこまで我儘じゃないわよ。早くいってあげなさい」 キョン「すまんな、ハルヒ」
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124 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/05/17(日) 10:22:06.08 ID:tPTlxybP0 - キョン「佐々木」
佐々木「キョンか。大丈夫、この世界の事は知ってるよ。彼女の力の産物だろ?」 キョン「ああ」 佐々木「この世界での人間関係や記憶は仮のもの、そうは分かってるんだけどね。この感覚は何だろう。 自分に境遇のよく似た映画の主人公が、耐えがたい悲劇に遭っている。そういったものかな?」
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127 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/05/17(日) 10:24:22.28 ID:tPTlxybP0 - 佐々木「大丈夫、僕はそんなに弱くない。こういう時こそ取り乱さないようにとお父様に教えられているからね」
キョン「・・・佐々木」 佐々木「だから皆も隠したりせずにすぐに伝えてくれればいいのに。皆気を使い過ぎだよ。 僕は結構、強いん・・・だから・・・さ・・・」 キョン「無理をするな、佐々木。泣きたいなら泣け。しばらく傍にいてやるから」 佐々木「涼宮さんはいいのかい?」 キョン「あいつにも許可は貰ってある」 佐々木「・・・なら、甘えさせてもらうよ」 古泉「涼宮さん、ご立派です」 ハルヒ「・・・仕方がないわよ」
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129 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/05/17(日) 10:26:39.09 ID:tPTlxybP0 - オスティアを奪還、連合諸侯の兵で守りを固めた俺たちは、佐々木の案内でオスティア郊外の洞窟へと向かった。
なんでもそこには『神将器』とかいう武器があるらしい。 佐々木「ここにあるのは『烈火の剣』デュランダル。オスティア初代領主のローランが使った剣だ」 キョン「へー、お前のご先祖様か」 佐々木「そういう事になっている人だね」 キョン「佐々木、設定を割るような事は言うなよ。よくできたごっこ遊びだと思え」 佐々木「すまないね。皆があまりに涼宮さんに協力的なので、多少嫉妬してしまったかもしれない」 キョン「で?もう盗まれているなんてのはないよな?」 佐々木「オスティア家の者以外は取り出す方法は知らないはずだ。心配ないさ」 キョン「ハクナ・マタタ」
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131 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/05/17(日) 10:28:30.23 ID:tPTlxybP0 - >>130 ここにいるぞ!
古泉「暑いです、いや、もはや熱いです」 森「あちこちでマグマが噴き出してるからかしらね」 古泉「森さんは暑くないんですか?」 森「ダイエットの一環だと思って我慢してるわ」 古泉「僕はそろそろ意識が飛びそうです」 森「お兄様、気をしっかり持ちなさい」
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134 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/05/17(日) 10:30:15.95 ID:tPTlxybP0 - ハルヒ「あーっ!もう、暑いったらないわね!キョン、水持ってきて水!」
キョン「ぬるま湯になってるが、それでもいいならあるぞ?」 ハルヒ「もうそれでもいいわ!」 俺達弓兵や魔道士などの軽装の連中はいいとして、鎧を着けているのはみんなへばっている。 とくにゼロットさんは北国の生まれで暑さに慣れていないからか、もう瀕死状態だ。 あ、ゼロットさんっていうのは、イリア傭兵騎士団の団長だ。 実力はあるんだがどうも影が薄いんだよな・・・ 長門・佐々木「ファイアー!」 山賊「熱、熱!熱いいいいいい!!」 溶岩の熱気のおかげで、ファイアーの威力は五割増しのようだ。 絶好調なのはあいつ等くらいか。
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137 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/05/17(日) 10:32:27.29 ID:tPTlxybP0 - キョン「我慢大会を耐え抜いて、どうにかデュランダルをゲットしたぜ」
ハルヒ「ばんざーい・・・」 キョン「誰に持たせる?というか、使える奴がいたか?」 ハルヒ「いないわねー・・・谷口ーちょっと来なさーい」 谷口「WA?」 ハルヒ「口あけてー」 谷口「あ」 ハルヒ「えいっ!」 ハルヒは きしのくんしょうを たにぐちの くちの なかに たたきこんだ!
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139 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/05/17(日) 10:34:04.68 ID:tPTlxybP0 - 谷口「涼宮何をする!?・・・うお・・・?あっがっむあっ!?」
キョン「何だ?何が起こってる・・・?」 たにぐちは おおかみおとこに すがたをかえた! 国木田「毛深ーっ!てかキモいよ谷口!」 ハルヒ「クラスチェンジしたわねー?それじゃ、デュランダルもついでに持ってて」 キョン「CC?これCCなの!?ただの狼男だろこれ!?」 ハルヒ「私水のんでくるからー・・・」 谷口「・・・」 キョン「とりあえず、毛は剃り落そうな」
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143 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/05/17(日) 10:36:04.99 ID:tPTlxybP0 - >>140 赤の方
今、俺たちは、とてもまずい状態です。 オスティアを取り戻し、神将器を手に入れ、野営のため市街に陣を敷いていました。 それが・・・ キョン「なんでこうなる?」 古泉「なんででしょうね?」 ナーシェン「ご苦労だったね。あのレイガンスとかいうバカどもを倒してくれて。手間が省けたよ。 さあ、おとなしくオスティアとオスティア公女を渡してもらおうか」 ハルヒ「前者はともかく後者は何?」 ナーシェン「私の趣味だ」 ハルヒ「冗談じゃないわ!」 ベルンの精鋭部隊にぐるりと取り囲まれ、一触即発の状態です。たすけてお母さん。
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147 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/05/17(日) 10:38:25.75 ID:tPTlxybP0 - キョン「さて、現実逃避はほどほどにして、この状態をどうするかだ」
長門「・・・帰ってきた?」 古泉「おかえりなさい。あなたが正常でなくては、話がうまく進まないのですよ」 キョン「すまんすまん。どうするんだ、ハルヒ?」 ハルヒ「何もしないわよ」 ナーシェン「くっくっく・・・諦めたようだな」 ハルヒ「勘違いしないでくれる?」 ハルヒ「私達は何もしない、そういってるのよ」 ナーシェン「!?」 ベルンの竜騎士を100以上の弓兵が取り囲んだ。その後ろには魔道士が、これも100人近く待機している。 兵士「ナ、ナーシェン様!エトルリア王国の大部隊がっ!」 ナーシェン「ええいっ、そんなこと見ればわかる!一体なぜ・・・」 ???「その質問は、私が答えよう」 現れたのは、金髪の長身、黒い鎧に紫のマントと、美形という概念を絵にかいたような男だった。
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151 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/05/17(日) 10:40:16.44 ID:tPTlxybP0 - パーシバル「私はエトルリア王国騎士軍将パーシバル。先日、魔道軍将セシリアを通してオスティアから我が国に保護要請がなされた。
遵って、オスティアは今よりエトルリア王国の保護下に入る」 ナーシェン「な、なにぃ・・・」 セシリア「私は、エトルリア王国魔道軍将セシリア。ご不満なら一戦交えてもよろしくてよ もっとも、そのいかめしい竜騎士だけでこの数を相手にできるのかしら?」 ナーシェン「ぐっ・・・おのれ・・・おのれっ!」 兵士A「ナーシェン様、短気はなりません!パーシバル将軍はエトルリア王国きっての名将。 それに魔道軍が加わっているとなれば、われら竜騎士だけで戦うのは分が悪・・・」 ナーシェン「うるさいっ!私は三竜将の一角だぞ!あの程度の敵に負けるはずが」 兵士B「・・・引き上げるぞっ!!」 ズリズリズリ・・・ ナーシェン「こら待てっ!私を誰だと思っている!放せ、放せってば・・・」 兵士A「どうもっ、お騒がせしましたー!」
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153 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/05/17(日) 10:42:26.80 ID:tPTlxybP0 - パーシバル「フェレの公女、ハルヒ殿か?」
ハルヒ「はい、亡き盟主、オスティア侯より軍を任されています」 おお、ハルヒが敬語を使っている。なかなか見られない光景だな。 俺のところにはセシリアさんがやってきた。 あれだな、えーと・・・なんでこの人は南斗最後の将みたいな兜を被ってるんだ? セシリア「ちょっと来てくれますか?他の人がいないところがいいな」 何?俺殺される?うっかりそんなことを考えてしまった。 だって怖すぎるだろうこの兜。フルフェイスタイプだからコーホー呼吸音もしてるし。 セシリア「あんまり怖がらないでくださいキョンくん。あ、この辺ならいいかな」 キョンくん?俺名乗ったっけ? セシリア「私ですよ、私。お久しぶりですね、キョンくん」 兜を外して出てきた顔は・・・ キョン「朝比奈(大)さん!?」 みくる大「なぜか私も巻き込まれちゃいまして。でも、おもしろそうだからいいかなあって」
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156 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/05/17(日) 10:44:08.78 ID:tPTlxybP0 - キョン「顔を隠すにしても、もっといい方法は無かったんですか?」
みくる大「多分あったと思うけど・・・近くにあったのがこれだったから」 キョン「仕方が無いですね。やっぱり正体はばれちゃまずいんですか?」 みくる大「まあ、ゲームの中の事ですんで、ごまかせない事も無いと思うんですけどね」 キョン「で、何か用ですか?」 みくる大「そうそう、これから西方三島っていう所に進軍することになるんだけど、もう聞いた?」 キョン「いいえ、まだ聞いてませんけど」 みくる大「その話はそのうち涼宮さんから聞いてね。えっと、それで、この軍がちょっと困ったことになるかもしれないの。 キョンくん達は途中でエキドナって人に会うはずなのね。その人にこの紙を渡してほしいの」 キョン「これですか?何も書いていないような気がしますけど・・・」 みくる大「紙自体が意味をなす暗号になってるの。よろしくおねがいね そういうと朝比奈(大)さんは、またあの兜を装備してコーホーいいながら歩いて行った。 キョン(怖えー・・・)
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