- 川 ゚ -゚)狼は赤頭巾を想っているようです
78 : ◆pGlVEGQMPE []:2008/11/02(日) 04:57:49.15 ID:8cBSk8Mx0 - ドクオはあ然として立ち尽くし、ヒートは恐怖で縄に縛られながらも後ずさりをする。
川;゚ -゚)「……チッ」 急いで『扇』を実行。 風で炎を消そうとする。 が、なかなか消えてくれない。 Compound Operation On List System、起動! マニュアルS1ダブルロック、『扇』、2重展開確認! 複合項目…………急造だから名前なんてない!! 項目を合わせて『扇』の風を強化しただけだ。 だが、そのかいあって炎は消えてくれた。 急いでショボンに駆けつける。
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80 : ◆pGlVEGQMPE []:2008/11/02(日) 05:02:26.87 ID:8cBSk8Mx0 - 川;゚ -゚)「おい、ショボン!しっかりしろ!!」
(´ ω...「……ハハ……結局……めだったよ…」 ひどい火傷だ。 今すぐ病院に連れて行かないとまずい。 川;゚ -゚)「おい!!」 意識を保たせるために必死で呼びかける。 が、おそらくこれは無駄な行為だろう。 だってショボンを切り捨てなければいけないのだから。 私はここで暴れ回らねばならない。 ジョルジュとハインの命のために派手にピエロをかまさなければならない。 1人の命と2人の命なら、迷わず2人の命をとる。 私はそういう奴なのだ。 そもそもここは罠を仕掛けられた地。 電話が使えるか分からないし、電話して本当に救急車が来てくれることやら……。 (´ ω...「……ィトを助けt………なかっt」 川;゚ -゚)「……」 (´ ω...「………ぼくは……当に……屑だった…よ」 川;゚ -゚)「……」
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82 : ◆pGlVEGQMPE []:2008/11/02(日) 05:06:08.87 ID:8cBSk8Mx0 - (´ ω...「ごめん……めん………ごめ……n…」
川;゚ -゚) 川 - ) ……フゥ 川 - )「ショボン。楽に、してあげようか?」 (´ ω...「…君には……世話……けるね」 川 - )「慣れてるから」 (´ ω...「……ねが…」 川 - )「分かった」 彼の赤黒い胸に掌を当てて……
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84 : ◆pGlVEGQMPE []:2008/11/02(日) 05:09:44.30 ID:8cBSk8Mx0 - ……ショボンは物言わぬ物体と化した。
('∴`;)「……」 ノハ;;)「あ……あ、あ、……ショ、ボン……あああ…」 彼の友人はどちらもそれらしいリアクションを示している。 生憎、私には悲しむ権利すらないので少し羨ましいと思う。 彼の背を押し、崖から落としたのは間違えなく私なのだから。 それでも笑う権利くらいはあるだろ?なあショボン? 川 ー )「おいおい、それは何のジョークだ?」 ('∴`;)ノハ;;)「……え?」 2人の声がハモる。
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85 : ◆pGlVEGQMPE []:2008/11/02(日) 05:13:23.76 ID:8cBSk8Mx0 - 川 ー )「ショボンはな、『こいつの射程距離に』って言って私を助けたんだぞ?
“あいつ”ではない、“こいつ”にだ。 言ってる意味は分かるよな?」 つまりここにいる誰かが攻撃してきたということだ。 ここには3人しかいない。 ドクオはベルトの金具と銃くらいしか金属を持ってない。 戦力を分析するために道中調べ上げてる。 つまりだ。 ショボンは誰を指して“こいつ”と言ったのか? 川 ー )「なあヒート? 最終的に殺したのは私だが、キミに涙する権利があるのか?」 ('∴`;)「!!」 ノハ )「……」
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86 : ◆pGlVEGQMPE []:2008/11/02(日) 05:17:25.54 ID:8cBSk8Mx0 - 川 ゚ ー゚)「ショボンから聞いたんだが、キミは脳以外の全ての臓器を売ったんだよな。
そして人工臓器の性能を確かめるための実験体になった。 ところで1つ聞きたいんだが……」 川 ゚ -゚)「キミの中身は本当に生活するためだけのものなのか?」 ヒートは俯いて私の質問に答えない。 ただ、場の空気が入れ替わった気がした。 そして何の前触れもなく、ヒートの体を縛る縄がほどけた。 彼女は立ち上がり口を開く。 ノハ )「ショボンには抹殺命令が出てた。 姐さんを助けているからって理由でさ」 ('∴`;)「……ひー、と?」 川 ゚ -゚)「さっきまで隙があったのに攻撃してこなかったな?」 ノハ )「殺さなければならないのなら……せめて私の手で殺してやろうと考えてた。 でもね、私だって悲しいんだよ姐さん。 だからあいつの最期をゆっくり看取ってやりたかったんだよ」 なるほど。 だからショボンにトドメを刺したとき、何もしなかったわけか。
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87 : ◆pGlVEGQMPE []:2008/11/02(日) 05:21:36.93 ID:8cBSk8Mx0 - 川 ゚ -゚)「……キミは何者だ?」
ノハ )「ただのサイボーグだよ。 もっとも戦力は『KURUU』や『SURREAL』より上らしいよ?」 そうか。 つまりヒートが罠だったわけか。 川 ゚ -゚)「狙いはCOOLのメインユニットか?」 ノハ )「半分正解だよ。 もう半分はVIPに仇なす不届き者の成敗だね」 川 ゚ -゚)「……オーケー。 そこまで話してくれれば十分だ」 ならばキミも私の餌となれ。 飯にありつけるのなら何でもするぞ、私は。 川 ゚ -゚)「ドクオ、聞いたか。 こいつは私たちの敵だ。 排除するぞ」 ……。 返事がないな?
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88 : ◆pGlVEGQMPE []:2008/11/02(日) 05:25:15.24 ID:8cBSk8Mx0 - 川 ゚ -゚)「ドクオ?」
('∴`;)「あ、う……嘘だ………うそだ…」 川;゚ -゚) 状態異常、混乱ですね。 ノパ听)「とりあえず死んでくれない? 元はといえば姐さんのせいでショボンを殺さなければならなかったんでね。 ちゃんと聞いてる?くそサイボーグさん?」 ヒートもヒートで待ってくれない。 仕方がない。 『衝撃』……実行。
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90 : ◆pGlVEGQMPE []:2008/11/02(日) 05:28:53.71 ID:8cBSk8Mx0 - 川;゚ -゚)「サイボーグっていうな!!」
('∴`;)「うおっ!!」 ドクオを引っ張ってその場から離れる。 嗚呼、ジョルジュがここにいたら思いっきりぶん殴ってやりたいです。 ドクオはただ今、無能につき、私は大分無茶をしてます。 捨て台詞を吐いて、敵に背中を見せなければならないという無茶をな。
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91 : ◆pGlVEGQMPE []:2008/11/02(日) 05:32:41.28 ID:8cBSk8Mx0 - 川 ゚ -゚)の性能
C0.『金属探知』……これで動く金属(弾丸や武装した者)を感知。射程は50m。 『COOL』実行中なら最大500mまで射程を伸ばすことができる。 C1.『対遠距離射撃・砲撃』……電磁場を用いて飛来する金属の軌道を逸らす。『COOL』実行中なら電撃で迎撃することも。 C2.『COOL』……体内にあるCOOL本体の稼働率を80%ほどにする項目(普段は20%以下) 100%にできなくもないが、すぐに熱で脳がやられてしまうため少し抑えている。 80%でも熱で影響が出るが10分程度なら内蔵冷却装置で何とかやっていける。
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92 : ◆pGlVEGQMPE []:2008/11/02(日) 05:36:51.78 ID:8cBSk8Mx0 - 川 ゚ -゚)の性能2
K0.『音響』……ソナーのようなもの。 空気中の振動で対象を感知。 射程は特に存在しないが、長距離、遮蔽物のある地形などで確度が低下する。 K1.『衝撃』……局所的に空気を振動させて衝撃波を放つ。 攻撃対象との距離があればあるほど威力は落ちるが、近距離での破壊力は車体を浮かすほど。 地面に衝撃波を放って加速するという使い道もある。 S0.『見』……空気の流れを読み、物体の形を認識する項目。 射程は5km。 S1.『扇』……空気の流れを操る項目。
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94 : ◆pGlVEGQMPE []:2008/11/02(日) 06:13:38.93 ID:8cBSk8Mx0 - 川 ゚ -゚)複合項目
0.『神罰』……バージョンアップ。 『対遠距離射撃・砲撃』×3、『扇』×1で高圧電流を周囲に撒き散らす。 1.『波動』……『衝撃』の強化版。 『衝撃』『扇』で使用可能。 2.『三陣』……『金属探知』『音響』『見』で使用可能。 感知系項目を総動員して物体を認識する。 射程は5kmで、その圏内なら金属も音も感知できる。 3.『真空放電』……『対遠距離射撃・砲撃』『扇』で使用可能。 竜巻の要領で低圧の道を作り、そこに電気を流し込むことによって電撃を与える。 電気が流れやすいため、複合項目の中では比較的低コスト。 4.『弾丸補正』……『対遠距離射撃・砲撃』『衝撃』『扇』で使用できる。 弾丸の軌道をを逸らすだけじゃなく、捻じ曲げて相手に被弾させる。 狭いところでは軌道を変える前に壁に当たるので、効果的に使える場所は限られる。
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95 : ◆pGlVEGQMPE []:2008/11/02(日) 06:18:10.12 ID:8cBSk8Mx0 - まだまだいっちゃうよ
次いきます
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96 : ◆pGlVEGQMPE []:2008/11/02(日) 06:24:26.99 ID:8cBSk8Mx0 -
泉に行く途中でブリキの兵隊が襲ってきました 狼は兵隊を蹴散らし追い払いました 水のお化けが襲ってきました 狼は水ごとお化けを食らいました ('A`) 〜赤頭巾12〜
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97 : ◆pGlVEGQMPE []:2008/11/02(日) 06:28:25.69 ID:8cBSk8Mx0 - なんで?
なんで俺はここにいるんだ? なんで俺はクーに引っ張られて建物の中に入ってるんだ? なんでショボンは黒焦げになって死んだんだ? なんでヒートに追われてるんだ? なんでヒートがショボンを? なんで? なんでなんでなんでなんで? なんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんで なんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんで なんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんで なんでなんでなんでなんでなんd バチンッ ! …… ………………? 川 ゚ -゚)「目、覚めたか?」
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98 : ◆pGlVEGQMPE []:2008/11/02(日) 06:31:55.82 ID:8cBSk8Mx0 - ('A`;)「?」
頬がヒリヒリする。 おそらくビンタを食らったのだろう。 でもなんで変装が解かれてるんだ? 川 ゚ -゚)「……ああ、ビンタしやすいようにいったん変装解かせてもらった。 そのほうが直に肌に叩き込めるからな」 なるほど。 納得したところで改めて今立っている場所を確認する。 どうやらどこかの建物の男子便所のご様子。 川 ゚ -゚)「ひとまず逃げ切れた。 とりあえず顔を洗ってスッキリしとけ」 ('A`;)「あ、ああ」 言われたとおり、蛇口から水を出して顔を洗う。 幾分か気分を落ち着けることができた。 だからだろうか、この建物全体に立ち込める違和感を認識できた。 ……あまりに静か過ぎる。 ('A`;)「この建物に人はいないのか?」 川 ゚ -゚)「ああ、どうやらいないみたいだな」
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99 : ◆pGlVEGQMPE []:2008/11/02(日) 06:35:51.38 ID:8cBSk8Mx0 - ('A`;)「一体全体、どうなってやがるんだ?」
クーは少し考えるそぶりを見せてから、口を開く。 川 ゚ -゚)「この建物には気配がしなかったから入ったが、おそらく他の建物も同じだろうな。 しかも研究資材や機器なんかもあらかた持ち運ばれている。 まあ、大体察しはついてるんだがな」 ('A`;)「どういうこと?」 川 ゚ -゚)「ヒートだ」 ('A`;)「っ!!」 心臓が跳ね上がった気がした。 クーは一旦言葉を区切って俺を見た後、ゆっくりと語り始めた。 川 ゚ -゚)「私は混乱してるキミを連れて、必死にここまで逃げてきた。 キミは頭がフットーしてたから気づいてないかもしれんが、途中でヒートが何回か私たち目掛けて攻撃してきた。 ただ、その攻撃方法が、な」 ('A`;)「……」 川 ゚ -゚)「……急に風が木々を揺らしたと思ったら、いきなり燃えた。 建物の壁に砂埃が舞ったと思ったら、そこでも火の手が上がった。 おそらくは、高温のガスでも使ってるんじゃないかと思うんだ」
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100 : ◆pGlVEGQMPE []:2008/11/02(日) 06:39:58.72 ID:8cBSk8Mx0 - ('A`;)「……それとこの建物のがらんどう具合とどう関係があるんだよ?」
川 ゚ -゚)「火は広がるものだからな。 場合によってはここの敷地にある建物全てが炎に飲まれるかもしれない。 可能性の話だが、人と研究資材等を隠すには十分な理由だと思わないか?」 ('A`;)「つまり、それほどまでにヒートはやばいのか?」 川 ゚ -゚)「やばいな。 できれば彼女の視界には入りたくない」 ('A`;)「……」 川 ゚ -゚)「まあ、視界に入らなければどうとでもなりそうだがな」 ('A`;)「……」 どうしても戦わなければいけないのか? あのヒートと? どうして?なんで? 川 ゚ -゚)「さて、そこでだ……って聞いてるのかドクオ?」 ('A`;)「あ、ああ。なんだ?」 川 ゚ -゚)「キミに道を提示してやる。 “私と共にヒートを倒す”か“私と別れて逃げ帰る”か……どちらか選べ」 ('A`;)「え?」
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101 : ◆pGlVEGQMPE []:2008/11/02(日) 06:44:05.51 ID:8cBSk8Mx0 - 川 ゚ -゚)「ヒートと戦う覚悟があるなら私の背中を任せよう。
覚悟がないなら邪魔だからとっとと消えてくれ」 ('A`;)「……」 ( A )「……どうしてもどちらか選ばなければいけないのか?」 川 ゚ -゚)「どうしてもだ。 さっきみたいに混乱されては堪ったものじゃないからな」 おれは、 川 ゚ -゚)「……1つ、聞いていいか?」 ( A )「……」 川 ゚ -゚)「私に銃口を向けても無意味だと知っているか?」
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102 : ◆pGlVEGQMPE []:2008/11/02(日) 06:49:30.94 ID:8cBSk8Mx0 - ああ、知ってるよ。
でもこうする以外思いつかねえんだ。 俺にできる抵抗なんてこんなもんなんだからよ。 ( A )「ヒートの敵になりたくない。 俺の知らないところで殺されるのもいやだ。 ……なら、こうするしかないじゃないか」 川 ゚ -゚)「それならキミを敵としてみるがいいのか?」 ( A )「いいよ」 川 ゚ -゚)「勝てないと分かってても?」 ( A )「勝てないと分かってても、だ」 川 ゚ ー゚)「なるほど」 川 ー )「だがな、例え私を屠ったとしてもヒートはキミを殺すぞ?」 ( A )「……」
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103 : ◆pGlVEGQMPE []:2008/11/02(日) 06:53:42.86 ID:8cBSk8Mx0 - 川 ー )「目を閉じて、風を嗅ぎ、音を聞いてみろよ。
トイレの外に出れば、うっすらとだが空気が濁ってる様が見て取れるぞ。 ヒートが1階に火を放ったんだ。 2人とも死ねばいいと思ってるんだよ」 ( A )「……」 川 ゚ ー゚)「友達だからヒートを殺したくないんだろ? でもな、そんなのにこだわってたらキミは死ぬぞ。 キミは実に馬鹿だな、クク」 (# A )「だったら」 (#'A`)「だったらどうすりゃいいんだよ! 親は死んだ、ショボンも死んだ!! その上ヒートまで死なせなきゃならないのかよ?!」 銃口をクーに向けながら怒鳴ってしまった。 普通ならひるんでもおかしくないが、そこはさすがクーというべきか、眉一つ動かさなかった。 こいつは気持ち悪い笑みを浮かべながら言った。
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105 : ◆pGlVEGQMPE []:2008/11/02(日) 07:16:59.99 ID:8cBSk8Mx0 -
川 ゚ ー゚)「ならキミが私を止めればいい。 私とヒートはどのみち戦うだろう。 ちゃんと私を止めることができればヒートを潰すのは見送ってやるよ」 ('A`;)「え?」 耳を疑った。
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106 : ◆pGlVEGQMPE []:2008/11/02(日) 07:21:23.44 ID:8cBSk8Mx0 - ('A`;)「どういう、意味だよ、それは?」
川 ゚ ー゚)「いやなに、そのままの意味だ。理由なんかないよ。 しいて理由を挙げるとするなら“興が乗った”ってところか? たまには青臭い正義感に乗るのも悪くないと思ってな」 ('A`;)「え?いや?あの?」 川 ゚ ー゚)「ただし止めるタイミングを間違えるなよ? キミの銃だけで今の私を止めることはできない。 タイミングを間違えると、逆にすぐにキミの息の根を止めるから注意しろよ。 それまではキミに背中を任せよう」 ('A`;)「……」 こいつが何を考えているのか理解できない。 それでも言ってる意味は少しだけ理解できた気がするが。 つまり今はそのタイミングじゃないってことだろ? 銃を持つ手を下げる。
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108 : ◆pGlVEGQMPE []:2008/11/02(日) 07:26:32.88 ID:8cBSk8Mx0 - それを見たクーは、話を戻すが……と前置きして、
川 ゚ -゚)「さて、ここは4階の男子トイレなわけだが……正直そろそろやばいと思う。 煙がひどくなってきてる。 とりあえず窓から飛び降りるぞ」 ('A`;)「……4階だよな?」 川 ゚ ー゚)「なあに、私に任せろ。 とりあえず捕まれ、手を離すなよ」 ('A`;)「お、おう!」 覚悟を決め、クーの手を握る。 そして俺たちは便所の窓から飛び降りた。 浮遊感が気持ち悪く、体中の毛穴から汗が噴出した。 って、おい、ちょ、地面にぶつか…… 「―――――――複合項目『波動』実行」
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109 : ◆pGlVEGQMPE []:2008/11/02(日) 07:31:04.96 ID:8cBSk8Mx0 - 寸でのところで、空中で急ブレーキがかかった。
そして無事に着地。 ( A )「……オウフ」 訂正。 全然無事じゃないです。 とても気持ち悪いです、ママン。 あれだ、目が回ってるときに思いっきりボディブロー食らったみたいな……。 川 ゚ -゚)「コラ、立て」 ( A )「……鬼かよ」 川 ゚ -゚)「ヒートがこっち見てる」 ('A`;)「!」 その言葉に反応して垂れてた頭を上げると……いた。 あいつは燃え盛る建物を背景にして、こちらに掌を見せ、 川;゚ -゚)「しっかりしろよ。 ちょっと走るぞ」 ('A`)「え?あ?」 間抜けな反応をしてる俺の手をクーが引っ張った。
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110 : ◆pGlVEGQMPE []:2008/11/02(日) 07:35:12.92 ID:8cBSk8Mx0 - しばらく逃避行をして、ある建物の物陰に隠れる。
そして休憩がてら作戦タイム。 ('A`;)「ハァ……ハァ……、で、どうすんだよ?」 川 ゚ -゚)「近づければ戦闘不能に陥れれるが……さて困った。 ヒートが掌を見せるとその対象が燃える。 掌を向けられずに近づけるかどうか……」 ('A`;)「銃を撃って戦闘不能にするとかは?」 川 ゚ ー゚)「ん?それは殺せってことか?」 (#'A`)「ちげーよ!手とか足とか撃って、殺さずに止める方法とかあるだろうが!!」 川 ゚ -゚)「まあ、それはキミがテンパってた時にもう試した。 肉体に弾がめり込みはしたが、弾は貫通しなかった。 流石はサイボーグというだけあって、肉体とは別の、機械部分の頑丈さは折り紙つきだ。 手足だけでなく頭や胴体も狙ったが……頭は腕でガードしてたし胴体に弾が当たっても問題なく動いている」 ('A`;)「……なんか手があるか?」 川 ゚ -゚)「ヒートを壊すか、ヒートの戦闘システムを消すしかないだろうな」 ('A`;)「前者は却下だが、後者はどうやるんだ?」 川 ゚ -゚)「COOLでヒートと繋がる。 そこでデータを吸い出し、ヒートに残っている戦闘データを消す」
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111 : ◆pGlVEGQMPE []:2008/11/02(日) 07:39:22.96 ID:8cBSk8Mx0 - ('A`;)「すいだす?」
川 ゚ ー゚)「何か使えるデータがあるかもしれんだろ?」 ('A`)「あー」 川 ゚ -゚)「ヒートの戦闘パターンは“遠くから燃やす”ことにある。 高温のガスで燃やしてるんだろうと考えるとすると、掌に何らかのギミックがあると思われる。 だから掌を向けられずに近づけたらいいんだが」 ('A`)「ヒートもそれを許可しないだろうな」 川 ゚ ー゚)「そうだ。 だからキミがヒートを引きつけてくれ」 ('A`;)「俺が?」 川 ゚ ー゚)「なあに、ちょっと注意を逸らすだけでいい。 こういう手はどうだろう?」 ('A`)「うん?」 クーが耳打ちしてきた。 いずれ俺たちがここに隠れてることがバレるので、簡単な説明だけ聞いた。 ふむ、ふむふむ。 ('A`)「……分かった、ちょいキツいがそれでいこう」 川 ゚ -゚)「よし、んじゃヒートの前に出るとするか」
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112 : ◆pGlVEGQMPE []:2008/11/02(日) 07:44:24.24 ID:8cBSk8Mx0 - どうやらクーはヒートの現在地を知ってるご様子。
それもそうだろうな。 マニュアルを使えば一発だしな。 クーは歩く。 その後に続き、俺も歩く。 やがて、広い道に出たときに再び彼女と顔を合わせた。 ノパ听)「やっと出てきたね」 ('A`)「……」 川 ゚ -゚)「そりゃあ、ここら辺一帯火の海にされては遅いからな。 私たちも死んでしまうし」 ノパ听)「でも、この距離だと私に狙い撃ちされるとしか考えられなくない?」 ('A`)「……」 俺たちとヒートの距離は大体50m。 クーが接触する前に火だるまにされそうな距離だ。 でも俺たちにだって考えがあるんだ。 川 ゚ -゚)「……ドクオ、パーティショット3発」 ('A`)「うぃ」
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113 : ◆pGlVEGQMPE []:2008/11/02(日) 07:48:24.43 ID:8cBSk8Mx0 - 銃を持つ手を天に向け、言われたとおり3発撃った。
川 ゚ -゚)「――――――複合項目『弾丸補正』、実行」 空に向かってた弾丸がどうなったのか、俺にはわからない。 が、これでクーはその弾丸の軌道を操れるのだと言った。 なら信じよう。 クーがヒートに向かって走り出した。 ヒートはそれを見て手を上げる。 俺はそれを見て狙いを定める。 俺の銃が火を噴いた。 ノハ;゚听)「っ……ドクオ!!」 狙いは掌。 2発撃って、2発とも命中。 ヒートの指は2、3本吹っ飛んだ……すまん、あとで謝るから。 失敗は許されないので内心ヒヤヒヤだったが、当たって少しだけ安心した。 間違って頭にでも当たったらどうしようと思ってたからな。
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114 : ◆pGlVEGQMPE []:2008/11/02(日) 07:52:39.38 ID:8cBSk8Mx0 - 川 ゚ -゚)「『衝撃』実行」
クーが急加速する。 これで一気に近づくようだ。 ノハ;゚听)「くっ!」 ヒートが距離をとろうと足に力を込めて……先に放っておいた弾丸が、その足に穴を開けるのを見た。 倒れはしなかったが、それでもこの弾丸のおかげで一瞬だけ判断が遅れてしまうだろう。 そしてその一瞬でクーはヒートに接触するだろう。 果たして2人の距離は殆どなくなって、 クーはその速度を維持したまま、盛大に転んだ。
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115 : ◆pGlVEGQMPE []:2008/11/02(日) 07:56:47.40 ID:8cBSk8Mx0 - ('A`;)「え?」
何が起こった? ヒートは何事もなかったかの様に立っていて、クーは何が起こったか分からず倒れていた。 勢いを殺さずに転んだのでヒートの少し後方までアスファルトを滑っていったみたいだ。 まさかあの女、こんな状況で『足がつった』とか言い出すんじゃないだろうな? ノハ )「残念だったね、姐さん」 川;゚ -゚)「……ぐ、く」 ヒートがクーに歩み寄る……まずい! 数発、弾丸を発射させる。 しかし、その弾丸はあるものによって止められた。 ('A`;)「……氷?」 空中に突如出現した氷は役割を終えたようで、自由落下して砕け散った。 それを見たクーが口を開く。 川;゚ -゚)「どういうことだ? キミの発火能力の正体は高温ガスじゃないのか? 普通に考えても、そのサイズの体に高温ガスを詰め込むだけでいっぱいいっぱいのはずだ。 どうして……」 ノハ )「低温ガス、それも空気を凍らせるほどのガスも使えるかって? まあ、そう思うのも無理はないね。 高温ガスだけ溜め込むのだって断熱素材がいくらあっても足りないもんね、この体の大きさじゃ」
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117 : ◆pGlVEGQMPE []:2008/11/02(日) 08:01:22.78 ID:8cBSk8Mx0 - よく見るとクーの両足……膝から下が凍っていた。
どうなってやがる? ノハ )「戦闘支援AIが使うマニュアル……あれはとても強いよね。 戦闘支援というより戦闘兵器並だ。 それをAIで制御するのは、一個人が強大な力を持つのを防ぐため。 効率よくマニュアルを使えるようにするっていうのも理由に入るね」 ノハ )「つまり人間にマニュアルを使わせてはならないんだ。 でもね、人間の好奇心っていうのはとどまる事を知らないものなんだよ。 駄目だからやっちゃおう、いけない事だから作っちゃおう。 ……そんな具合でマニュアルを持つ人間が作られた」 川;゚ -゚)「……」 ノパ听)「それがあたし。 散々いじられて、体を機械仕掛けにされて手に入れたものは『熱の操作』。 熱をエネルギー変換して自身に取り込み、また熱を放出することによって対象を燃やす」 川;゚ ー゚)「低級な熱エネルギーを使う、か。 熱力学第二法則を否定するなんて……科学者もやるじゃないか」 ノパ听)「あんたがそれをいうか」 ('A`;)「……」
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119 : ◆pGlVEGQMPE []:2008/11/02(日) 08:05:44.08 ID:8cBSk8Mx0 - ノパ听)「至近では熱を奪えるし、熱を奪ってやれば姐さんみたいに足を奪うことができる。
さて、姐さん。 あんたはどんな手でこの状況を打開する?」 川;゚ -゚)「……」 ヒートが倒れているクーを見下ろす。 場に緊迫した空気が流れた。 川;゚ -゚)「く……『衝撃』実k「死ね」ノハ ) 川;゚ -゚)「なっ?!」 クーの反応する前に、ヒートが攻撃を仕掛けた。 その場から動けないクーは驚いてる。 当たり前だ、なんつったってクーの体が少しずつ氷付けにされているんだから。 川;゚ -゚)「が……ぁ…」 ノパ听)「マニュアル『EFB』実行完了」 川; - )「……ぁ……………………」 悪夢のようだった。 人1人が何もない空間から湧く氷にどんどん飲み込まれていった。 そしてクーが動かなくなったころには、巨大な岩のような氷がそこにあった。
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120 : ◆pGlVEGQMPE []:2008/11/02(日) 08:10:20.44 ID:8cBSk8Mx0 - 川 - )
ノパ听)「ま、超低温の氷なんて常温の外気に触れていればすぐ溶けるんだけどね。 そのあとにメインユニット回収するかな? …………っとその前に」 ノパ听)「次はドクオの番だね」 ('A`;)「!!」
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- 川 ゚ -゚)狼は赤頭巾を想っているようです
122 : ◆pGlVEGQMPE []:2008/11/02(日) 08:12:49.68 ID:8cBSk8Mx0 - 12話終わり
アルファが面白いと思ってる全俺泣 告ぎ生きます
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125 : ◆pGlVEGQMPE []:2008/11/02(日) 08:17:04.66 ID:8cBSk8Mx0 -
悪霊にも出会いました ボロボロになりながらもなんとか倒しました 炎の魔人にも出会いました 水を吐き出して撃退しました 〜赤頭巾13〜
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126 : ◆pGlVEGQMPE []:2008/11/02(日) 08:21:29.15 ID:8cBSk8Mx0 - 从 ゚∀从「……」
_ ( ゚∀゚)「……」 从 ゚∀从「なあ?」 _ ( ゚∀゚)「ん?」 从 ゚∀从「静かすぎねえか?」 _ ( ゚∀゚)「そうだな」 从 ゚∀从「クーのやつ、本当に陽動やってんのか?」 _ ( ゚∀゚)「これだけ人がいなければ、陽動のやりようもないんじゃねえの?」 从 ゚∀从「しっかし、ものの見事にすっからかんだな。 本当にターゲットはここにいるのか?」 _ ( ゚∀゚)「会ってみないことには分からないな」 从 ゚∀从「ひょっとして罠にかけられた?」 _ ( ゚∀゚)「かもな」
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127 : ◆pGlVEGQMPE []:2008/11/02(日) 08:25:11.22 ID:8cBSk8Mx0 - 从;゚∀从「ちょ……大丈夫なのかよ?」
_ ( ゚∀゚)「少なくともここに入るのは確認した。 逃げていったように見えなかったから、多分まだここにいるんだろうよ」 从;゚∀从「普通、もっと確実に仕留める方法を選ぶんじゃねえのか? 多分って何だよ、多分って!?」 _ ( ゚∀゚)「確実な方法なんて存在しないって。 だから俺らは最善を尽くすしかないんだよ。 そもそも、俺らが罠にかけられたと決まったわけじゃねえんだ。 慎重にことを運べば何とかなるさ」 从;゚∀从「昼行灯め」 _ (*゚∀゚)「ポジティブシンキングっていってほしいな」 _ ( ゚∀゚)「それに大抵の罠はクーが引っかかってくれるさ」 从 ゚∀从「……恋人の分際でずいぶんひどいね」 _ (;゚∀゚)「いや、俺とクーは付き合ってないから」
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129 : ◆pGlVEGQMPE []:2008/11/02(日) 08:29:26.70 ID:8cBSk8Mx0 - _
( ゚∀゚)「まあ、でも……」 从 ゚∀从「?」 _ ( ゚∀゚)「できることなら死なないでほしいとは思うね。 これも惚れた弱みなのかねー?」 从 ゚∀从「知るかボケ……っと、おい。ここから下にいけそうだぞ」 _ ( ゚∀゚)「お?よくやった。 どの階調べても人影が見当たらなかったから、たぶんそこだろ。 んじゃ、もうひとがんばりしますか」 从 ゚∀从「ヤー」 ………… …………………………
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130 : ◆pGlVEGQMPE []:2008/11/02(日) 08:33:40.81 ID:8cBSk8Mx0 - …………………………
………… ノパ听)「さて、ドクオ。 あんたを殺さなきゃならない。 遺言とかある?」 ('A`;)「……ない。 ないけど、聞いていいか?」 ノパ听)「まあそうだよね。 聞きたいことは山ほどあるよね」 ノパ听)「簡単に言っちゃうとさ、あんたの考えてるヒートは死んだってことだよ。 死にたくなくて臓器を売って、モルモットにされて、自分を殺しちゃったんだよね」 ('A`;)「自分を殺したから……ショボンを殺してもいいと考えたのか?」 ノパ听)「……」 ノハ )「そう考えられたらどんなに楽だったろうね」
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132 : ◆pGlVEGQMPE []:2008/11/02(日) 08:37:33.18 ID:8cBSk8Mx0 - ノハ )「生憎、脳みそは生前のままなんだ。
だからね、本当はショボンも殺したくなかったしドクオも殺したくない。 でも駄目なんだ。今のあたしはVIPに逆らえない。 逆らったら殺される。解体される」 ('A`;)「……」 ノハ )「あたしは死にたくないんよ。 死にたくないから殺すんよ。 殺したくなくても殺さなきゃ、私が殺される」 ノハ )「……ショボンはクーに協力してしてたから殺すよう命令された。 だから殺した。 そしてあたしはあんたも殺さなければいけない。 悲しいことだね」 ('A`;)「そんなに強いのに、どうして」 ノハ )「あたしは……ん?」 川 - )「ぐ……ぐ、ぅ…」
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135 : ◆pGlVEGQMPE []:2008/11/02(日) 09:16:00.06 ID:8cBSk8Mx0 - ノハ )「氷が解けたみたいだね。
にしてもまだ生きてるだなんて驚きだね。 あれか?COOLに延命機能とか蘇生機能とかついてんのかね?」 川 - )「うぁ……ぁ」 ('A`;)「クー!!」 川 - )「たす……けて………しに、たくない…」 ノパ听)「へえ、死にたくないの?」 川 - )「しに、たく、ない」 ノパ听)「分かった。 COOLのメインユニットをくれれば助けてあげないこともないよ?」 川 - )「わかった……あ、lu、、、げる」 ノパ听)「商談成立、だね」 ('A`;)「……クー」 ノパ听)「ドクオ、覚えておくといいよ。 人間は単体でどんなに強くても、結局は大きな群れに飲み込まれる。 今のクーがそれだ」
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137 : ◆pGlVEGQMPE []:2008/11/02(日) 09:20:16.09 ID:8cBSk8Mx0 - ノパ听)「だから死なないためには群れるしかないんだよ。
あたしは死にたくない。 その一心で臓器を売って、モルモットにもなって、VIPの駒となった。 ……それだけなんだよ」 ('A`;)「……」 ノハ )「ごめんな、ドクオ」 川 - )「ん……ぉ」 ノパ听)「さて、クーを助けてやるか」 川 - )「た、lu、、すけて」 ノパ听)「メインユニットを体の外に出してもらおう。 あまり傷つけたくないからね」 川 - )「う……あぁぁ」 ('A`;)「ま、まて!!」 ノパ听)「黙ってみてろ」
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138 : ◆pGlVEGQMPE []:2008/11/02(日) 09:24:34.26 ID:8cBSk8Mx0 - ノパ听)「さあ、外に出すんだ」
川 - )「あ、ぁあ……メインユニット…あげる、、、、から」 川 - )「だから……もっと……近くに」 ノハ;゚听)「っ」
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141 : ◆pGlVEGQMPE []:2008/11/02(日) 09:28:41.96 ID:8cBSk8Mx0 - 何かを感じ取ったのかヒートが離れていった。
ノハ;゚听)「マニュアル『ヒートスポット』実行!!」 川 - ) チッ 掌をこちらに向けてきたので、地面に『衝撃』を放って回避する。 そして私は立ち上がり警戒したのだが、いつまでたっても次の攻撃がこなかった。 ノハ;゚听)「……なんで生きてる」 川 - )「んー?なんで、だと?」 川 - )「く、くくくく、ははははひ」 ノハ#゚听)「何がおかしい!!」 電気を体中に巡らせ、体温を上げる / ダメージ解析開始……ソフトの一部破損を確認 氷付けにされたため、筋肉はまだ硬直している / ソフトの破損……修復不可、擬似性格の異常確認 まあ動かせなくもないが、いつもより鈍い / 筋肉 ・ 臓器 ・ 神経、肉体の大部分の破損確認 完全なサイボーグボディだったらもっと楽に動かせるのだろうが、生憎、この体はあまりに半端だ / ……骨格の無事を確認 何か粘性の高い水のようなものが頭から垂れてきたのを感じた / 肉体修復……不可 川 - )「キミは私が生きているように見luえるのか?」
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142 : ◆pGlVEGQMPE []:2008/11/02(日) 09:33:23.90 ID:8cBSk8Mx0 - ヒートの息を飲む気配が容易に感じ取れた。
ドクオにも同じ気配を感じ取ることができた。 川 - )「体が凍らされ、温度差による圧力で、体の内外関lu係なく傷がついた。 体温を上げているからキミにも目視luできるだろ?私の体から血が湧luき出している様をな。 臓器にいたっては深刻なダメージを受けた。 おかげで心臓が破裂しluてしまったぞ」 ノハ;゚听)「……」 川 - )「ああ、なんだかヌルヌルするなぁ。 目が見えないかluらよく分からんが、ひょっとして今の私って血染め状態? すっごく汗をかいたような不快luなヌルヌル感なんだが」 ノハ;゚听)「……全身真っ赤だよ。 もう顔全体が血で上塗りされて、表情もわかんないくらい」 川 - )「ああ、そうか。 で、改めて聞くが……」 川 - )「今の私が、生きているように、見えるか?くくく」 ノハ )「……ああ、そういうことね」
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143 : ◆pGlVEGQMPE []:2008/11/02(日) 09:37:37.43 ID:8cBSk8Mx0 - 川 - )「くひっ、ふひひひいひひひひひい」
ああ、笑いが止まらないや。 私の中の歓喜と憤怒と憎悪が混ざり合う。 混ざって混ざってよく分からないものになる。 ソフトの1部が壊れたせいだろう……感情が暴走する。 川 - )「いひひひひひひひはひひluひあははははははぁっ!! 嗚呼、今日はなんてすluばらしい日なのだろうな! キミのおluかげで私が何者か、やっと理解できたよ!!ヒートにはよく礼をしないとなあ?!」 だけど機械に感情があってはいけない。 もとよりこの世界は人間のための世界なのだ。 環境問題を例にすれば分かるだろう?あれは『人間が過ごしやすい』環境にしろといってるのだからな。 つまり人間の過ごしやすい世界に、心を持つ機械など必要ない。 人間の敵になったら対処できないからだ。 だから不要。道具に心なんて余分は危険なだけ。そんなもの、存在してはいけない。 なら何故? 川 - )「ああ、ちくしょう……首から上も改造luしてしまえばよかったなぁ。 おかげで笑みをlu作るのも大変だ。よくも私を氷付けにしてくれたな。 あ、でも筋肉が硬直luしてくれたから死にグソを垂れずにすんだのはありがたいかな?」
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144 : ◆pGlVEGQMPE []:2008/11/02(日) 09:41:52.12 ID:8cBSk8Mx0 - ('A`;)「ク、ぅ……?」
ノパ听)「壊れたの?」 川 )「壊れた?そんなの当たり前だよ。 私は元からlu壊れてる。じゃなきゃわたしが心を持つことはありえないんだ。 ……くそ、首に力が入らないな。頭luが下がってくる。 まったく気が滅入るな。これじゃあゾンビと変わらないじゃないか。 キミが憎いよ。……アレ、礼もいわなluきゃいけないんだっけ? あああ、どうすればいいんだろう??」 ノパ听)「……」 川 )「お?戦うのか? メインユニットを回収しなきゃいけないんだろ? キミの戦い方は熱するか冷やすかの二択だろ? 冷やすのが効luかなかったんだから熱するしかないが、それで壊れないと保障できないよ?」 ノパ听)「回収できそうにないなら壊せ。 そう言われたからね」 川 )「ほう?壊すと?餌の分際でよく吠えるものだな」 ……COOL全ユニット展開開始。 死体の背中からどんどん私が広がっていく。 服の後ろ側が破れてブラも落ちる……服はエプロンのように前だけを隠してる状態になる。 / 展開率8,8372% ノハ )「誰が動くことを許可した?『ヒートスポット』」
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145 : ◆pGlVEGQMPE []:2008/11/02(日) 09:46:16.81 ID:8cBSk8Mx0 - 『衝撃』を地面に放ち、突っ立っていた場所から十数メートル離れる。
自身を吹っ飛ばしたあとの着地が上手くいかず、アスファルトにスライディングする。 さっきまで私の下にあったアスファルトは白く変色していた。 それでも展開をやめない。 / 展開率19,3000% ノパ听)「死体は死体らしくしてなよ」 川 )「宗教上の理由でね、死んだら土葬luと決めてるんだ」 立ち上がろうとして……今、上手く立てないことに気づいた。 当たり前だな。背骨やら肋骨やらの代わりをしてた自分を展開させてるんだから。 バランスなんて取れるはずもない。 立ったら立ったで、頭が地面に激突するだろうな。 / 展開率30,5005% ノパ听)「機械の分際で宗教とな? 笑わせないでよ、姐さん」 川 )「精神構造はクーが模したからな。 科学者は神luを信じる輩が多い。 連中は科学の全てを知ってて、それでいて未知の技術を確立させようとしてるんだからな。 科学ではたどり着けない境地を目指luしてるから神を信じるんだ。 ちなみに、科学系で賞luを貰ってる連中の殆どは、神の意思たる“偶然”をものにしてるだけと知ってたか?」
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146 : ◆pGlVEGQMPE []:2008/11/02(日) 09:50:34.14 ID:8cBSk8Mx0 - ノハ )「つまり科学者の心を模したから神を信じるってこと?
クソムカつく事実を教えてくれてありがとね。 だったら姐さんやあたしみたいなのは、その神の意思とやらで偶発的に生まれたわけ?」 川 )「人の意志も関luわってくるがそうみるべきだろうな」 ノハ )「ふざけるのも大概にしてくんない?」 川 )「ふざけてるつもりはないぞ」 ノハ )「それがっ、その態度がふざけてるって言ってんだよ!!」 あー、ヒートの何かに触れたみたいだな。 いまだ寝転んだままだが、再び地面に『衝撃』を実行。 吹っ飛ぶ私。燃える地面。 それを見ながらまたもや地面に激突。 うつ伏せに倒れるように計算して行動したので、私自身に影響はなかった。 ……訂正。地面に倒れた衝撃で一瞬、ブレた。 ノハ#゚听)「神がいるならなんで友達殺しという残酷なことをさせるんだよ!! なんで……なんで……!」 ノハ#;;)「なんであたしを救ってくれなかったんだよおおおっ!!!」 川 )「救うに値しなかったからだろ?」 ノハ#;;)「っ」
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