以上のことからも分かるように、このような二重否定は、無学な人々やアウトサイダーの間でよく使われす。 よって、レイ・チャールズのように、「どん底の黒人の暮らし」を歌うのを常としていた歌手や、ローリング・ス トーンズのように「型にはまらない若者の主張」を歌うのを常としているバンドの間では、そういう「立場」を 際立たせるために敢えて使ったりします(例:I Can't Get No Satisfaction)。
つまり、「I don't need a doctor.」が「私は医者など要らない」だとしたら、「I don't need no doctor.」は「俺は、 医者なんて要らねえよ」でしょうか。「I don't need no doctor, sir.」なら「お医者は要らねえっすよ」といったと ころですね。二重否定が強調だとは限りません。