- 【WoT】World of Tanks 1476
799 :名も無き冒険者 (ワッチョイ 4292-pZv2 [221.241.229.58])[]:2019/06/14(金) 16:09:52.30 ID:QVvmQRpo0 - 何故こんなところに来てしまったのだろう。
プロホロフカ西方、遮蔽物のない平原で、仕方なく持ち込んだはずの双眼鏡で観測しながらB1は考えていた。 アテにしていたM5 Stuartがこちらに来る気配はない。支援する気など初めからなかったのだ。 こちらの戦力が東側に集中しているのを確認したLuchsが意気揚々と乗り込んでくる。後ろにHellcatが控えているのだろう。 まだ幼いAMX 40が恐怖で震えている。無理もない、この子はまだ履帯すら開発していないのだから。 迫り来るLuchsのエンジンは轟音をあげ、時速は40kmを超えた。 まだ距離はあるが皮膜レンズを装備している可能性も考えると時間がない。 「AMX 40、よく聞きなさい」 「ここから少し南西に行けば稜線に隠れられる。そうすればやり過ごせるかもしれないし、もし見つかっても東の戦力が支援してくれるだろう」 「まだ間に合う、早く行きなさい。なぁに、お前は父さんと違って丈夫な子だからなんとかなるさ」 AMX 40は頷き、車体を旋回させた。おどけてみせたB1に砲塔を向けることさえできなかった。 AMX 40の時速が10kmを超えたのを見届け、覚悟を決めたB1は車体を旋回させ、側面を曝け出した。 「アイツ…まさかAMX40を守るために囮になるつもりか?馬鹿なことを…」 一応レティクルを向けておいたM41 HMCがため息を漏らす。 はみ出た車体に気付いたLuchsがB1に砲塔を向ける。 ほどなくして、この世のものとは思えない砲撃音が鳴り響いた。 味方(B1)が敵車両(Hellcat)の攻撃により大破
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801 :名も無き冒険者 (ワッチョイ 4292-pZv2 [221.241.229.58])[]:2019/06/14(金) 16:12:53.35 ID:QVvmQRpo0 - >>800
過去スレからの拾い物
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825 :名も無き冒険者 (ワッチョイ 4292-pZv2 [221.241.229.58])[]:2019/06/14(金) 17:19:38.14 ID:QVvmQRpo0 - >>806
続編初めて知った…いつか読みたい
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838 :名も無き冒険者 (ワッチョイ 4292-pZv2 [221.241.229.58])[]:2019/06/14(金) 17:53:44.06 ID:QVvmQRpo0 - プロホロフカの丘の上、M44は絶望していた。
あれだけ居たはずの快速車両が全滅してしまったからだ。 「揃いも揃って無能どもめ」 無線で拾われないように小さく悪態をつく。もっともソ連の無線にその心配は無用だが。 残ったのは瀕死の重戦車が数台、自走砲がもう一台、それにAMX 40。 戦力はやや勝っているようだが、問題はそこではない。敵を発見できないのだ。 この広い草原を重戦車に行かせるのはどう考えても無理がある。最初に視認するのは天国だろう。 本人達もそれをわかっているようで進軍する気配は無い。 AMX 40も居るがとても無理だ、その鈍足ゆえに戦火を免れたようだが戦力にはならないだろう。 仕方なくAMX 40が先陣を切ったようだが軽戦車とは名ばかり、同じ結末を迎えることになる。 未来ある若者の死を想うと辛い。これが戦争なのだ、とM44はため息を漏らした。 じりじりと距離を詰めるAMX 40、そろそろ発見されるだろうか。M44は思わず目を逸らした。 3秒後、M44は目を疑うことになる。2台、3台…いや、まだ居る。 続々と敵がスポットされ、布陣が明らかになった。 すっかり諦めていたM44は慌ててレティクルを絞った。 AMX 40が瀕死のhellcatを仕留めた。虚を突かれた敵は混乱したようだ、明後日の方向に砲塔が向いている。 Leopardなど状況も忘れて逃走している。私を探しているのか? 続けざまにKV-2が一発、Grilleも当てたようだ。もちろん私もO-I相手に外すことはない。 M44ガレージでは無口な方だが、その日の夜はたまらず声をかけた。 「一体どうやった?」 「稜線と茂みを上手く使ったのさ。あの辺りの地形は頭に入ってるんでね」 その手には古ぼけた双眼鏡が握られていた。
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