トップページ > 懐かしドラマ > 2017年03月19日 > YSczrx6Y

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名無しさん@お腹いっぱい。
NHK土曜ドラマ ちゃんぽん食べたか [無断転載禁止]©2ch.net

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NHK土曜ドラマ ちゃんぽん食べたか [無断転載禁止]©2ch.net
195 :名無しさん@お腹いっぱい。[sage]:2017/03/19(日) 22:56:53.17 ID:YSczrx6Y
―― 文哉が徹底的に理解できない人間として描かれていることについて、むしろ私はすごいなと思いました。
手を取り合えない他者として描き切る、しかし他者だからといって排除しない。
理解の及ばない文哉を、洋貴は助けますよね。
長年引きずっていた復讐したいという欲望を抑えて、理解できないままにただ受け入れてゆく、そこに心を動かされました。
坂元 ある時点で、「ああ、これは、俺は文哉のことわからないよ」って思ったんですよね。
どうしたら理解できるんだろうということはずっと考えていて、このままじゃこのドラマを終われない、文哉の幕を下ろすことができないと思って、すごく不安だったんです。
そしてわからないまま終わったという、自分の中ではすごく悔しい、課題の残るドラマでしたけどね。
坂元 さきほど岡室さんが『それでも、生きてゆく』は「テレビの枠を外れている」と言って下さったんですが、本当に外れたと思ったのはやはりその10話のラストでしたね。
テレビドラマというのは、犯人がこっちに歩み寄って、説得に応じて初めてドラマの形として成立するんですよ。
自分でそれを選んだわけですけど、ついにテレビドラマじゃないものを書いてしまったなという反省はあるんですよ。
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196 :名無しさん@お腹いっぱい。[sage]:2017/03/19(日) 23:04:04.28 ID:YSczrx6Y
坂元 (中略)僕はその頃ずっと大多亮さんと一緒にトレンディドラマをやっていて、プロデューサーとしては「大多さん育ち」だし、脚本家としては大多さんともよく組んでいた松原敏晴さんが好きだったんです。
そんなところに、アメリカドラマをベースとしたドラマが増えはじめました。
その時から「あ、今までの全然違う!」と僕は漠然と思ったんですけど、その流れが今もずっと続いていると感じています。
―― それは具体的にどういうことですか?
坂元 例えば、『あなたの隣に誰かいる』で鈴木さん(フジテレビプロデューサー)と仕事をした時の話です。
ユースケ・サンタマリアさん演じる主人公が、自分の子どもだと思っていた人間がそうではなかった、父親が違っていたということがわかって、その次のシーンというのがあったんですよ。
そこで僕は当然悩んでいるシーンを書いたんですね。
そうしたら鈴木さんは、「このシーンはどういう意味ですか?」って聞いてくるんです。
「いや、これは悩んでるんです」と答えると、
「悩むっておかしいじゃないですか? この人は今どっちを向いているんですか? 自分の子どもとして受け入れたんですか? それとも、その子どもを捨てようとしているんですか? どこを向いているかハッキリしてください!」て言うんですよ。
「いや、さっきわかったことなのにハッキリするわけないじゃん!」って僕はそこですごく揉めたんですね。
最初は何を言ってるんだろうこの人はって思ったんですけど、その時に初めて、ああ、今主流になってるドラマって全部これだったんだ、だからこの人もこういうことを言ってるんだ、アメリカドラマってみんなこうなんだっていうことに気いたんです。
職業的には素直に感動しました
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197 :名無しさん@お腹いっぱい。[sage]:2017/03/19(日) 23:06:40.87 ID:YSczrx6Y
それまで大多さんや松原さんが何をしていたかというと、ドラマの中でずっと「落語」をやっていたんですよ。
でもこれからは落語の世界じゃなくて、こういう流れになっていくんだなって感じたんですね。だからなんとかこれを身に付けないといけないと思って、
『西遊記』(2006年)や『トップキャスター』(2006年)では、できるだけ登場人物がどこに向いているかを明確にして動かして、それがお客さんに伝わるように作ろうと努めたんです。
自分には向いてないんですが、そうやって何本も作ったんです。視聴率はまあとれる。そうするとまあ、疲れるんです(笑)。
トレンディドラマの頃は、多くは落語の世界で、痴話ゲンカでドラマをワンクール作っていたようなところがあるんですけれど、今ではそれがすっかりなくなってしまいましたよね。
主流が刑事ものやアメリカン・タイプのドラマになっている。
その中で昔のようなドラマも作りたいなあという気持ちで、僕は『Mother』や『それでも、生きてゆく』みたいなのを作ってるんですよ
ドラマというのは対立する考えをもった二人の人間が会話をすることだと思っているので、その対立する様々な要素の中に「虐待」や「少年犯罪」というものもあるだろうということなんです。
書きたいのは、「相容れない人間たちが何を話すのか」ということに尽きるんですよね。
僕の仕事は会話を書くことで、会話は他者とするから面白い。
答えは僕にもわからないんです。その二人が仲良くなる姿を書きたいというわけでもないし、破滅する姿を描きたいわけでもない。
(中略)僕自身はテーマにも興味がなくて、その二人が何をしゃべるのかが見たいという、ただそれだけなんです。
僕は黒沢清さんが大好きなんですけど、黒沢さんの映画の敵というのは「得たいのしれないもの」ですよね。
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198 :名無しさん@お腹いっぱい。[sage]:2017/03/19(日) 23:17:10.21 ID:YSczrx6Y
11時間もかけて、「結局この人のことはわかりませんでした」というのはテレビドラマの作劇としてはおかしいと思うんです。だからテレビ屋としては敗北感でいっぱいで、
本当にこの一年間ずっと心残りなんですよね。

坂元祐二という脚本家は、シド・フィールドの脚本術に代表される“目的を持った主人公が、葛藤しながらも行動、結末に至る”三幕構成で考えるドラマを書くことに抵抗があり、
“落語のような会話劇”であり、黒沢清の映画のように“あいまいな要素”を含んだ作品を志向している
といってもよいのではないかと思う。
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199 :名無しさん@お腹いっぱい。[sage]:2017/03/19(日) 23:20:49.68 ID:YSczrx6Y
―― 最初からわからない人間として造形するのではなくて、わかろうとして書くからこそ、わからないことがリアルに伝わるのかもしれませんね。
因島の食堂のシーンで、洋貴が文哉に語る言葉を一生懸命探すじゃないですか。
洋貴は文哉の心に響くような物語を語ろうとするんだけど、彼には一切届かない。
前のシーンで文哉は洋貴に命を救われているわけだし、普通のドラマだったらわかり合って涙を流すシーンなんですけど、あそこで文哉に「ごはんまだかな」って言わせたというのが衝撃的でした。
洋貴がなんとか文哉に届く言葉を見つけようと探して、探して……という姿は坂元さんご自身にも重なりますね。


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