- 【向田邦子】久世光彦総合スレッド【ホームドラマ】
161 :名無しさん@お腹いっぱい。[sage]:2011/01/20(木) 11:15:11 ID:qyXASOP8 - http://www.nikkansports.com/entertainment/news/p-et-tp0-20110119-726204.html
久世さんと同じく向田さんとお仕事されてた和田勉さんが先日お亡くなりになりましたね 和田勉著「テレビ自叙伝 ―― さらば,わが愛」(2004年6月3日 岩波書店刊)より文字起こししました(P167〜168) 昭和五四年。土曜ドラマに初めて「向田邦子シリーズ」を投下した。 青山のマンションで「ワダさんちょっと字を書いてみて」と彼女は言って、筆と和紙を用意した。 「[阿修羅のごとく]と書いてみてください」 タイトルは、「阿修羅のごとく」で決まり。奈良・興福寺の阿修羅像に基づく。 向田 ワダさん、ホームドラマをやってみよう。 僕 どんなふうに? 向田 ホームドラマという以上、セックスというものがど真ん中になくてはならない。 小津(安二郎)さんの作品は皆そうでしょう。セックスの結果、冠婚葬祭というモノがついてまわる・・・・・・ね。 キャスティングがまた意表をついていた。佐分利信、大路三千緒を両親に長女加藤治子とその愛人菅原謙次、その妻に三條美紀。 二女八千草薫と亭主緒形拳、娘に荻野目慶子。三女いしだあゆみ、そのボーイフレンドはうだつのあがらぬ私立探偵の宇崎竜童。 四女風吹ジュン。 このキャスティングはまさに向田邦子的といってよく、当時わが社のキンキンギラギラの「大河ドラマ」では 絶対に起用されない役者の集まりで、目元パッチリ歯は真っ白鼻高々の高度経済成長の顔とは逆である。 「阿修羅のごとく」というタイトルそのものが僕の在り方に合わせていただいており、 向田さんは作家であると同時に名プロデューサーでもあったのだ。 このシリーズは翌年もつづけられるんだが(パートT、Uで計七本)、ともかく「家」の中で男はペシャンコという形は 男優陣に大いなる不満をかもし、緒形拳さんはパートTで降板、佐分利さんは毎回不満を僕に爆発させた。 しかしこの「女」主体のドラマは、いまも強烈な印象を視聴者に残している。
|