- 短編推理 あなたは解けるか？ Part6
889 ：解答編[]：2020/12/24(木) 13:28:05.66 ID:y6eTznJG - 実は遺書を読む前から何となく前兆めいた、不思議な胸騒ぎを感じていた。
「叔父に隠し子がいたのよ。」
叔母の言葉を聞いた瞬間、その原因に繋がった。
「一五(イチゴ)」+「百(モモ)」+「八七五(ハナコ)」＝９９０＝「九十九(ツクモ)」「零(レイ)」
自然と叔父が叔母のために遺していった「家族」達のコードネームを足し算していた。
「やはり、私は叔父の子供だったのか。」
あの特別な年賀状のやり取りは、よくある父子のキャッチボールのような繋がりの手段。
そして、私は激情に身を震わせる叔母の隣で、出来得る限りの平静を保ちながら遺書を読んだ。
瞬時に頭の中で「絶対」を付けて「２進法」に変換した。
「２２２……？これは、何の数字だ？」
分からない。んっ？私は遺言を思い返した。
「一五の世話込みで遺産を？何か変だな。うーん……あっ、そうか。そういう事か。」
私は「２２２」に「１５」を加えた。その瞬間、私は場を離れたくてタバコを吸いに外へ出た。
「やっぱり叔父さんにはバレてたか。私が『二三七(フミナ)』だって。出来るなら私の胸に止めておきたい。だけど、黙ってた所であの店を徹底的に調べられたら叔母さんにバレるのも時間の問題だし。さて、どうしようかな……。」
私は意を決して再び玄関の扉を開けた。
今度は実の娘として……。
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- 短編推理 あなたは解けるか？ Part6
890 ：まとめ[]：2020/12/24(木) 13:45:41.86 ID:y6eTznJG - 答１ 頭に「絶対(体)」が付く
答２ 二三七(フミナ)
答３ 私(津雲玲)が隠し子二三七(フミナ)だから
以上となります。
今回は女性を男性だとミスリードさせるという要素にこだわりました。
最初に女性にしては高めな身長、ボサボサ頭、ちゃん付けへの恥じらい。
ただ、それだけでは途中で女性ではないか？と気付かれそうな気がしたので、最後にタバコを吸わせ、ガチガチの理系出身であるという設定でダメ押ししました。
というわけで挑戦された皆様、お疲れ様でした。
また、思い付いたら出題させていただきます。
それでは、皆様よいお年を。
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- 短編推理 あなたは解けるか？ Part6
896 ：出題者所感[]：2020/12/24(木) 23:45:18.63 ID:y6eTznJG - 貴重なご意見ご感想ありがとうございます。
実は当初は津雲玲は私立探偵で、「女スパイ居酒屋」の従業員のフミナをトラップにして、実際は玲が隠し子だったという、フミナと玲を別人設定に考えておりました。
しかし書き込む直前、不意に「この二人を同一人物にしちゃおう」というアイデアが浮かび、告知していた月曜日の０時より２時間遅れでの出題となりました。
「園部家」の背景や「女スパイ居酒屋」の詳細については、だらだら書いてもただ長くなるだけで、今回の問題の答にさして影響も無いだろうと思い、必要最小限でキュッとまとめた次第です。
「女スパイ居酒屋」と聞いたら何となく女スパイのコスプレをしたガールズバーだと容易にイメージアップ可能かなと思いましたので。
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