- 恒川光太郎
63 :名無しのオプ[sage]:2018/07/18(水) 16:24:29.13 ID:GtwkG1AC - 『滅びの園』は言語感覚が実に繊細で丁寧だと感じた。
ひとつ取り上げると、プニ対に所属してプーニー駆除で茨城に向かった私=相川聖子から見た物。 宿所でラブホテルがあてがわれ「なんとその宿泊所は、(中略)いわゆる「ラブホテル」だった。」「目を向けると地デジ以前のテレビ(薄くないやつ。しかも映らない)」 ラブホテルなんて知っている、十三歳が行くところでないのも知っている。しかし、少し後で父親が亡くなってこうだ。 「ピザをもって帰ってくる男だった。古いレコードをかけてぼんやりしているのが好きな男だった。」 レコードは父が愛用していたから知っている(あくまで知っているだけ)。 父の世代なら同じテレビも「今時ブラウン管なんやて」と呟いたかも知れない。 ところが初見で興味がない物には「地デジ以前のテレビ(薄くないやつ)」と来たもんだ。まだ子供だからムラなく知ってる訳じゃないんだ。 同じく事象や兵器武器も、レクチャーを受けたものは仔細に書いて、そうでないものは大ざっぱ。 後部の三十九を迎える“セーコ“の方が簡単な言い回しで、前半ほど小難しい単語を使いたがるのは多感な時期だからなのか。 そして、父の死に興味がわかないのも、山田夫妻の死に様と後追いを多感な時期に見たせいだからなのか。 プロの作家でもこの当たりは勢いに任せて筆を滑らせる人も多いと思う。 しかし野夏が鈴上を引っかける手練手管もごくごく簡単だけど、確かにその筋の作家らしい見事な仕掛けになってる。 五十を過ぎた甘ったれ、事が済んでから「金は?元ヨメは?」(テメーあっちでセクロスしてたやんけw)と聞き、なぜか尊大で悪態をつきまくる鈴上も決して憎めない。 全体を通すとブヨブヨで捉えどころがないのも惜しいが、これを『幽』なんてどマイナー誌面に載せたKADOKAWAの編集が最大のミステリーだ。
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- 恒川光太郎
64 :名無しのオプ[sage]:2018/07/18(水) 16:53:12.92 ID:GtwkG1AC - >>60
いやー、『スタープレイヤー』も『ヘブンメイカー』も細かな所作や機微まで本当に丁寧に書くなと感心しきりですよ。 憶測だけれど、大きなお話の粗筋を書いて、脚本を起こして、マンガや絵コンテ寸前まで描いて、それを見ながら文章にしてるのでは?と思ってしまったくらいで。 だから連作も多作も出来ないのではないか?と 解説で大森望が宮部の『ブレイブ・ストーリー』を取り上げているけれども『十二国記』はあえて取り上げなかったか? 小野不由美は過去「年表の下書きがある、年表を元に挿話を書き、十二国全ての話は出てこない」といった事を書いてる。 小野は(私個人が見聞きした限りでは)恐らく天帝を物理シミュレータ、常世をシミュレーション世界として書き始めたが、80年代当時ならともかく今ではオチにすらならずに、結末を書きあぐねている。 恒川はそこの反省は踏まえたか、フルムメアを議論の価値がない存在に貶めてしまっている。 ただその仮想世界で死後の人、下手したら思念だけかも知れないのに、やはりこの人の筆致で強烈な実在感を覚えます。
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- 恒川光太郎
65 :名無しのオプ[sage]:2018/07/18(水) 17:03:07.46 ID:GtwkG1AC - >>61
某エルフ「んもーパクマンさんたら隙あらばいやらしいですね!」 某エルフ「んもー恒川さんたら隙あらば異世界連れ込みますね!」
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