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叙述好き
マジで「やられた!」ミステリ 第三十一巻 [無断転載禁止]©2ch.net

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マジで「やられた!」ミステリ 第三十一巻 [無断転載禁止]©2ch.net
482 :叙述好き[【叙述トリック】【叙述トリック】【叙述トリック】]:2017/02/16(木) 14:07:26.78 ID:lnb6cVf/
『過ぎ行く風はみどり色』1995年、倉知淳
邪険な扱いしかしなかった亡き妻に謝罪したい。一代で財を成した傑物・方城兵馬の願いを
叶えるため、長男の直嗣が連れてきたのはなんと霊媒師。自宅で降霊会を開いて亡妻の霊魂
を呼び寄せようというのだ。霊媒のインチキを暴こうとする超常現象の研究者までもが
やって来て、方城家に騒然とした空気が広がる中、兵馬が密室状態の離れで撲殺されてしまう。霊媒は方城家に悪霊が立ち籠めていると主張、かくて調伏のための降霊会が開かれるが、その席上で第二の惨劇が起きた。方城家を襲う奇怪な連続不可能殺人に挑むのは、飄々とし
た名探偵・猫丸先輩!本格探偵小説の雄編。

これは素直にやられた
見事な【目欄】だね
【目欄】のお手本のような作品だ
まったく読めなかったわ
著者の『星降り山荘の殺人』がつまらなかったので期待してなかったがこれは当たり
ネットでもトリックが読めたという人をあまり見ない

兵馬の孫で、いとこ同士の成一と左枝子
成一の一人称視点と、左枝子のモノローグが交互に語られる構成
この二人は内心の描写があるので犯人ではないということがわかる
以前にも書いたが、視点交代は【目欄】によく使われる構成
視点間の何らかのずれを利用してトリックを仕掛ける
左枝子のモノローグに何か違和感があるとは誰でも感じるだろう
猫丸先輩は、成一の大学時代の先輩で、事件に絡んでくる

最初の兵馬殺しは密室トリック
殺された時間帯に、現場の離れは監視下に置かれていた
関係者全員にアリバイがあるという不可能殺人
二番目は真っ暗な降霊会の部屋の中での殺人で、犯人は参加者に限定されるが
全員が輪になって互いの小指を接しておりこれも不可能殺人
マジで「やられた!」ミステリ 第三十一巻 [無断転載禁止]©2ch.net
483 :叙述好き[【慈雲斎と神代の足技の応酬】]:2017/02/16(木) 14:08:07.92 ID:lnb6cVf/
物語は、穴山慈雲斎という霊媒による降霊会を軸にして展開される
殺人のトリックとは別に、霊媒師が、いかにも霊が降りてきているかのように
参加者を欺くトリックの解明が盛り込まれていてサービス満点
海外ミステリだと、降霊会の席上で殺人が起きるというのは、不気味な雰囲気で格調高くなるが、
著者は何を書いても俗っぽくなって格調高くならない
特に、霊媒のトリックと第二の殺人の方法である【目欄】はバカミスと言えるくらいアホらしくて笑えるw

恋愛要素があるのはプラス評価
左枝子が恋をして、ハッピーエンドになるのでさらに評価上がる

英語の表題が"GONE WITH THE GREEN WIND"となっているが
『風と共に去りぬ』とは特に関係が無い
だいたい誰も風と共に去ってない
風が吹き去っているだけ

20年以上前の作品だが古びていない
『星降り山荘』でもそうだが、著者の作るキャラからは日本的な香りが薄い
海外ミステリのキャラのような印象を受ける
探偵含め、キャラが類型的で、日本的な生活感が希薄なのだ
舞台装置も、高級住宅地に広い敷地を持つ邸宅での降霊会などという欧州の中産以上階級っぽい
そのあたりが、作品が古びない原因の一つだと思うが
舞台装置やキャラ設定が海外作品っぽい一方で、文体や台詞回しが日本的で俗っぽく隙だらけなのがミスマッチ
この点が、著者の作品から受けるもっさり感につながっている
文章が格調高くて隙がないのは殊能将之だが

『星降り山荘』でもUFO研究家が出てきた
著者はオカルトに興味があるのだろうか

成一の妹の美亜に関して、長い脚という描写が何回も出てくる
著者はロリコンで脚フェチなのだろうか
マジで「やられた!」ミステリ 第三十一巻 [無断転載禁止]©2ch.net
484 :叙述好き[【左枝子が盲目のため、神代と大内山の名前を逆に勘違い】]:2017/02/16(木) 14:08:45.93 ID:lnb6cVf/
文庫で587ページとかなり長い
最初の殺人が起きるのが20%くらい進んだところなので決して遅くはない
長くなっているのは、60%くらい進んだところで降霊会の描写が入るため
降霊会関係や、心霊科学関係の描写にページが割かれているためで、冗長というほどではない
しかし文章力があまり高くないので中盤までは読むのにストレスがある
降霊会の描写は迫力があり、そこからは猫丸先輩が登場してとんとん拍子に解明まで進むのは良い

一応メイントリックを書いておくと、【目欄】していることにより、
マジで「やられた!」ミステリ 第三十一巻 [無断転載禁止]©2ch.net
485 :叙述好き[【大内山からの電話を声で神代からの電話と勘違いし】]:2017/02/16(木) 14:09:23.22 ID:lnb6cVf/
左枝子が【目欄】、
マジで「やられた!」ミステリ 第三十一巻 [無断転載禁止]©2ch.net
486 :叙述好き[【神代のアリバイが左枝子の証言により成立し、一見不可能殺人】]:2017/02/16(木) 14:09:48.32 ID:lnb6cVf/
その結果、【目欄】になる、というものだ
マジで「やられた!」ミステリ 第三十一巻 [無断転載禁止]©2ch.net
487 :叙述好き[【左枝子が盲目であるということは叙述トリックにより隠され】]:2017/02/16(木) 14:10:14.56 ID:lnb6cVf/
そして【目欄】ているのが秀逸だ
(おわり)
マジで「やられた!」ミステリ 第三十一巻 [無断転載禁止]©2ch.net
488 :叙述好き[sage]:2017/02/16(木) 14:19:20.83 ID:lnb6cVf/
>>482で惹句に改行2つ入れ忘れた


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