- 村上春樹
98 :名無しのオプ[sage]:2012/07/04(水) 08:42:12.62 ID:ZLCsf9fd - 確かに畳系は、初め100ページとラスト50ページだけ読めば済むので楽だね。
フォトリーディングに適している。どの作品も決められた一つのルールを順守するから、 秩序化されている。要するに汎用性がある。一般的なので一般の人と相性が良い。 春樹の持論に「9割に受けなくていい。その代わり残りの1割には徹底的に受ける必要がある」というのがあるけど、 小説でもそのスタイルは貫かれている。修辞法がてんこ盛りで料理や音楽の描写が多く、 プロットを決めずに書きながら考えるから、話がどんどんと派生していく。 言うなら自然的なんだよな。 アンチが好む小説は人工的なんだよ。ドラマの登場人物が絶対に噛まない、二人以上が同時に話さない、 心理描写が皆無で思っている事は必ず口頭で伝える(これは例外作品もあるが)。 1時間のドラマならラスト15分から急展開して一気に解決する。 初めは主人公が一本取られたり、仲間が死ぬのもお約束。 初っ端から主人公の快進撃して仲間も全員無事だとルール違反()になる。
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- 村上春樹
99 :名無しのオプ[sage]:2012/07/04(水) 08:44:20.62 ID:ZLCsf9fd - ハリウッドなら黒人の仲間が死ぬ役を担当する。最後は白人カップルが抱き合ってキスして終わり。
この類に一般的な人工物語には汎用性がある。初めはそれが面白かったりするのだけど、 飽きちゃうんだよなあ。「ページが減ってきたな。そろそろ伏線回収タイムですか」って。 俯瞰してしまう。物語でなくて作家や編集者や出版社を読んでしまう。 その世界に入っていけない。「大丈夫だよ。初めはアメリカ人レスラーが優勢なのはいつものことだから心配ない」、 「ほら!力道山が空手チョップをし始めたから、そろそろ逆転勝ちするよw」、こんな感じ。 このような汎用性のある一般的な作品を好む一般人がいるのは知っている。 そもそも一般人に受ける為(9割に受ける為)に、絶対的なルールを課して一般的な作品を生産しているのである。 そうしないと市売上利益が上がらずに所得が得られなくなるから。 こんなふうに冷めた感じで、覚めた感じか?見ちゃうから入っていけないのだよね。 ハラハラしない。「まだページは真ん中か。これは解決できずにやられるな」、「そろそろ残りページが少ないな。 もう新しい事件も登場人物も心理描写も出てこないな。回収説明で行が埋まるから物理的に無理だ」。 その世界の人間でなく本を読んでいるこっちの世界の人間として読んでしまう。 世界にはそんな1割の一般人ではない人たちも少数ながらいるのですね。 そして、そんなマニアックな1割に受けるとずっと支持してくれるので、 結果として9割の薄いファンを囲い込む人よりも売れることもある。 9割のファンはネットやゲームに簡単に逃げちゃうけど、1割のファンは数十年支持してくれるから。
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- 村上春樹
101 :名無しのオプ[sage]:2012/07/04(水) 09:04:13.86 ID:ZLCsf9fd - 春樹の小説は自然的なので人間の思惑を相手にしない。雑草が茂るように派生していく。
ゴルフ場の人工芝じゃないのだよ。 僕は人工的なミニチュアは、マスの世界であるテレビだけで十分だ。 古畑任三郎がワンパターンでも良い。そもそもあれは人工的なミニチュア世界を前提にしている。 だから登場人物が「視聴者の皆さん。解決編はこの後です」とテレビの前の人間に話かけてくるw 力道山でもそうなんだけれど、こういうのは敢えてやっているのである。 「こんなのが好きなんでしょ?」と。 テレビはそれでいいと思うけど、小説でまでそれは勘弁願いたい。 小説は小学生の子供と親が一緒に読む類の物じゃない。テレビとは決定的な差異がある。 そんな世界で主人公に「は〜い♪読者のみなさん。残りページが少なくなってきました。そろそろ伏線回収タイムの 始まりです。お楽しみに♪」と言われると萎えちゃう。 こういうのはテレビだから娯楽として楽しめるのである。子供たちと一緒に見る世界の話だ。 僕は小説を読者としてでなく、その世界に存在する人間として読みたいのだよね。 だから一般的で汎用性がある人工世界に魅力を感じないのである。 マイノリティとして。
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