トップページ > ミステリー > 2011年09月22日 > KaW0zy9f

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名無しのオプ
新・面白い叙述トリック考えた 4

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新・面白い叙述トリック考えた 4
695 :名無しのオプ[sage]:2011/09/22(木) 04:42:27.59 ID:KaW0zy9f
132:面白文太郎:2011/01/03(月) 19:43:38 ID:CQ2Kpu4k
懲りずに投稿

レムと私ティムの二人はジムの家の二階の一室にいた。
 全員武器を持っていた。ジムはピストル、レムはショットガン、私は一本のナイフだった。
 ジムは椅子に腰掛けて毛布に包まり、冷や汗を流しながら震えていた。
 陰気なムードに加えて、この暗くて狭い場所が私の息を詰まらせた。
 ジムは必要以上に相手を恐れているのだ。
 出所後の間もない男ができることなどたかが知れているではないか。
 レムはまさに私が言いたかったことをジムに言ってくれた。
「三日も家から出ないだなんてビビリ過ぎだぜ。
 俺たち二人がボディーガードなんだ。大船に乗った気でいろ」
「そうだジム。頼むからもう少し肩の力を抜いてくれよ」私もボソリとそう言った。
 しかし、ジムは持っているピストルを今にもぶっ放しそうなほどヒステリックになっていた。
「あの男は普通じゃないんだ。いつも恐ろしいことを言って、必ず実行に移す。
 奴は、俺が証言台に立ったら必ず出所後すぐに殺すと言っていた」
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696 :名無しのオプ[sage]:2011/09/22(木) 04:43:07.94 ID:KaW0zy9f
133:面白文太郎:2011/01/03(月) 19:44:27 ID:CQ2Kpu4k
 ジムは自分が見た殺人の光景を忘れられないようだった。
 テレビドラマや映画では殺人が溢れている昨今、
 今更な気がしないではないが、きっと彼の目を通してみれば私も同じ気持ちになるのだろう。
「ちょっと待って。まずい。俺、ベランダの鍵をかけ忘れてるかも知れない」
 ジムはあわてて立ち上がると、私の視界から消え再び部屋に戻ってきた。
ジムの発言に私の顔からさっと血の気が引いた。
 もし、元囚人がこの家に既に侵入して隠れているということにでもなれば、下手すれば殺されるかもしれない。
 しかし、再びジムがこの部屋に戻ったときにはその表情は落ち着いていた。
「大丈夫だった。しっかり鍵はかかっていたよ。俺も落ち着かなくちゃな」
 私もほっと胸をなでおろした。鍵というのは面倒くさくてもきちんと閉めるものなのだ。
「取り越し苦労だったな。まあ大丈夫さ、仮にこの家に侵入したとしても奴のドタマをぶち抜いてやるよ」
 レムは大声で笑った。縁起でもないことをいう奴だと思いながらも、私もつられて笑った。ジムも苦笑いを浮かべていた。
 ピンポーン。
 チャイムの音が鳴った。全員が身構えたが、レムはすっくと立ち上がった。
「きっと、アッシュの奴だ。野郎、ぶち殺してやる」
 レムはジムのピストルをむんずと取り上げると、代わりに彼にショットガンを手渡した。
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697 :名無しのオプ[sage]:2011/09/22(木) 04:43:37.51 ID:KaW0zy9f
134:面白文太郎:2011/01/03(月) 19:45:25 ID:CQ2Kpu4k
「俺が出よう。何かあったら俺の相棒が助けてくれる」
 レムは私たち二人を部屋に残して、すたすたと一階の玄関に駆けていった。
「やっと私の出番かな」そう言いながら、私は背伸びをした。
 しばらくして、レムの張り裂けんばかりの怒号が家中に響いた。
 
「アッシュ。てめえ、ジムがあんなに怯えているってのに遅刻してきやがったな」


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