- ディクスン・カー(カーター・ディクスン) Part12
129 :名無しのオプ[sage 被害者自身 ]:2011/09/06(火) 22:50:00.82 ID:RUS89wL+ - おお、このスレに舞台が移っていたのですね。宜しくお願いします。
>偶然と犯人の意図、さらには他の人物の意図との重なり合い、あるいは >ぶつかり合いによって謎を生じさせるのかカーの基本的手法 ネタバレになる部分の多い話題ですが、カーを数冊読めば誰でも分かることなので 参加させていただくと、カーの世界の中で「世界の異物である犯人がひとりで緻密な 犯罪計画を立て、それを予定通り実行した結果不可能状況が成立する」という作品は た作家に比べると少なく感じられ、そうでないものの方が(戦後の横溝正史に影響を 与えたように)印象に残ることが多いのではないかと。 そういう作品では、事件の中で一番策を弄し不可能状況を作っているのは大抵(メ欄)で、 そこから犯行の瞬間までの流れがどうかという点で、たとえば A組…魔女の隠れ家 黒死荘 ユダの窓 緑のカプセル 貴婦人として B組…帽子収集狂 白い僧院 囁く影 猫と鼠 三つの棺もこちらに入るか という感じに分けることが可能じゃないのかな、と。
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130 :名無しのオプ[sage B]:2011/09/06(火) 22:51:01.75 ID:RUS89wL+ - で、このうち(メ欄)組に当たるものについては、犯人の犯行に「偶然に頼る要素」や
「第三者の誤解や誤認」が結果として含まれていてもいい。(と言うか仕方ない。 むしろあって当然と言えるわけで) しかしもうひとつの組について同じことがあって、それが犯人の意図するものとされていたら、 それはただの「出来の悪い低レベルなミステリ」でしかなくなる、と。 昔からよく言われている「作者が読者を騙す仕掛け」としては正しくても、「犯人が 探偵ら作品世界の住人を騙す仕掛け」に使ったらアウト、という奴ですね。
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131 :名無しのオプ[sage]:2011/09/06(火) 23:04:22.44 ID:RUS89wL+ - これが前スレのラストの書き込みで
「犯人がその○○が絶対に起こり得るものとして△△的にトリックを仕掛けている」ものと 「○○によって犯人の△△とは別の謎が生じてしまった作品」との区別…と言われていた もののことと考えてよいでしょうか。 横溝は戦中に読んだカーのさるトリックを、戦後これでもかこれでもかと手を変え品を変えて 多用していましたが、それともう一つ、ここで話題になっているようなことも自分の作品に 生かしているなあと感じられてしまいます。 それが横溝が大好きだった歌舞伎における悲劇を生む元(例の「忠臣蔵とカー」に書かれていた ような○○)ともリンクして、人々の人生のドラマが事件という形に収束していく展開に 生かせると考えても不思議はなかったと思えます。
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