- 1957〜1987年あたりの本格ミステリ作家達 4
145 :初代スレの>>3[sage]:2011/08/19(金) 12:50:56.00 ID:DjBNWD71 - 雑誌「幻影城」(1976年5月号)★★☆
「新人賞作家競作」特集では、何と言っても泡坂「右腕山上空」◎。他の作品とレベルが違いすぎます。 説明不要ですね。 筑波孔一郎「懸賞小説」△、作者自身と「幻影城」新人賞そのものを題材にした作品ですが、凝った割 に謎の設定が唐突で粗い。 宮田亜佐「白い釣瓶」△、土地買収に携わる不動産会社社員の死。古臭く、やっつけ仕事も良いところ。 滝原満「旅立ち」△、母親が臨終を迎えようとしている娘が出会った男は・・・。幻想的なホラーの味を 狙ったのでしょうが、素人レベル。 村岡圭三「風紋」○、砂丘で写真のモデルとなった謎の女は、同時刻に起きた殺人事件の容疑者だった が、アリバイが・・・。ごく単純なトリックですが、前2作に比べればマシ。 あと、書き下ろし中編の、飛鳥高「とられた鏡」○、内ゲバの殺人犯が工事現場の飯場に潜り込むが、 その秘密を知る男に脅迫され、人を殺してしまう。だが死体が消失して・・・。さすがに文章はシッカリ しており、消失トリックも単純ですが、コンパクトにまとまった良作。 メインの「女流作家傑作集」には、四季桂子「胎児」(1957年)、藤木靖子「女と子供」があるが、ど ちらも大した出来ではないです。泡坂を除けば、村岡圭三と飛鳥高の作品以外に見るべきものは無い です。
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