- アガサ・クリスティ 21
744 :とんまで節穴[sage]:2011/07/26(火) 18:57:49.97 ID:WvgmGObs - >>743
まず最初に、age ないでくれて有難う。真面目な反論であることは理解した。 次に、これはお願いだが、お互い作品の急所に触れる際は、今後、メ欄を利用して いこう。削除されてしまっては、もったいないよ。 貴方の主張は、 1.「そして誰も」は、作中トリックを見抜けば自動的に「犯人」が限定される。 (単純に普通に考えれば、わかる) 2.犯人がわかれば、セリフも絞り込め当てはめられる。 で間違いないかな。 とりあえずそれで良いことにして、次に私見を述べたい。
|
- アガサ・クリスティ 21
747 :とんまで節穴[sage]:2011/07/26(火) 19:18:47.11 ID:WvgmGObs - (続き)2.犯人がわかれば、セリフも絞り込め当てはめられる。
この部分に関しては、とくに異議は無い(厳密にいえば、「セリフ」ではなく 内面描写)。きちんと辻褄が合うように計算されている。 その過程で、一か所、清水訳の不適切な表現が浮上するのも、事実(清水俊二 氏の「誤訳」は、つまるところその一点ではないかな。第十四章の、最初のセン テンスのあの単語にかんしては、新訳版の訳者も、清水訳と同様の訳語をあてている)。 問題は、貴方の指摘の1のほう。
|
- アガサ・クリスティ 21
748 :とんまで節穴[sage]:2011/07/26(火) 19:59:44.65 ID:WvgmGObs - (続き)1.作中トリックを見抜けば自動的に「犯人」が限定される。
(普通に考えれば、わかる) う〜ん、正直に言って、俺はわからなかった。 でもねえ、若島氏の「明るい館の秘密」には、次のような文章がある。 「その読み終わってからの疑問とは何か? それはすでに述べたように、 登場人物全員の心理が明かされていたにもかかわらず、なぜ犯人が犯人 だと見破れなかったのかという疑問である」 若島氏も、犯人を見破れないで結末に突入する、多くの読者を想定している のは間違いないよ。 もし氏の論旨が、作中トリックの仕掛け方が(今となっては)イージーで、 犯人がミエミエ、せっかくの叙述トリックもそこから逆算して解読できる、 という貴方のようなものだったら、うへえ、参りました、で済ませてた。 そうではなく、おそらく氏自身も、結末でアツと言わされて、「読み終わっ てからの疑問」をつぶさに検証した成果があのスリリングな技法分析になった んでしゃないか。 最初はサスペンスで一気に持っていき、再読してくれるような奇特な読者には、 ミスリードと伏線の微妙な綱渡りを堪能してもらう、そういうタイプの変化球 だと、俺は「そして誰も」を評価している。
|
- アガサ・クリスティ 21
749 :とんまで節穴[sage]:2011/07/26(火) 20:21:28.43 ID:WvgmGObs - 訂正
>>748 結末でアツと× → 結末でアッと○ 技法分析になったんでしゃないか× → 技法分析になったんじゃないか
|