- アガサ・クリスティ 21
203 :書斎魔神 ◆AhysOwpt/w []:2011/06/19(日) 17:23:02.29 ID:Q+pd7ov5 - >>195
舞台はアウェイ(とは言うてもベルギー人のエルキュールのとっては英国も アウェイのひとつとも言えるが)な、おフランス。 だけんど、最初期だし、後の国内、中近東、カリブ海等のリゾート小説の 先駆けというよりは、終盤の展開から見て、ルパン的怪盗ものの面白さを 意図したような感もある。 ゆえに、緻密な推理という面白さは減退。 鳩の中の世界に一番フィットするのは、やはりセント・メアリ・ミード村の あの婆ちゃんでしょ。 確かに、ありきたり・はまり過ぎをあえて避けエルキュールって感もある。
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- 江戸川乱歩
316 :書斎魔神 ◆AhysOwpt/w []:2011/06/19(日) 17:27:59.57 ID:Q+pd7ov5 - 後に原作を読んで思うたが、
ポプラ社の吸血鬼ジュブナイル版は意外に原作のドロドロした雰囲気が良く 再現されていた。 冒頭の対決からして子供向きではない状況が堂々の展開。
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- 『読みました』報告・国内編(書斎厳禁)Part.7
136 :書斎魔神 ◆AhysOwpt/w []:2011/06/19(日) 17:35:28.64 ID:Q+pd7ov5 - 久々に鮎川哲也「ペトロフ事件」を再読。
メーントリックに変りはないものの、初読の角川版とはかなり異なる読後感 あり。これはひとえにヒロインのロシア娘のキャラ展開ゆえかと思う。 俺はもっか入手容易なこのバージョンの方が後味良く、好みではある。 とにかく、後に時刻表トリックを書きまくるマエストロ鮎が、 何と長編第1作(長めの中編という見解もあろうが)において、 既にアンチ時刻表トリック的作を著しているのが、たまらなく面白いのだ。 土地鑑のある読者は、いまでは殆ど皆無であろうが、無味乾燥な推理ゲーム に止まらぬ満州情緒満載も読物としては良し。
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- 『読みました』報告・海外編Part.6
320 :書斎魔神 ◆AhysOwpt/w []:2011/06/19(日) 17:35:58.86 ID:Q+pd7ov5 - カーター・ディクスン「パンチとジュディ」を読む。
十八番のオカルト、不可思議な謎はあるにはあるが、中盤であっさりと 謎解きされてまう。 日本人にはタイトルもピンと来ず、内容面の評価も低い作だが、 偶然性に頼った展開(最後の笑いを狙った神父ねたは御愛敬としても)が 多過ぎなのが気にかかるものの、 全体を通してみると、意外や、フーダニット部分は、 この犯人しかいないという必然性が手がかりの呈示を含めて、エル作品並みに しっかりと書けているのはさすがという感あり。 おなじみ禿人の解説によれば、「魔法燈の殺人」(英国版タイトルの邦訳)と する手もあったようだが、確かにこの方がジョン作品らしくて良しとは思う ものの、作中登場の魔法燈がメーンストーリー的には小道具程度にも ウエートを占めない点が気にかからぬでもない。
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