- アガサ・クリスティ 21
138 :名無しのオプ[sage]:2011/06/13(月) 12:52:57.48 ID:GjEXt0wx - まあ日本人は昔からデーモン(ダイモン=巨人)とデモン、サターン(土星)と
サタンの区別がつかない民族だという自虐ジョークが語られてますからね。 バブルも弾けた頃になってF1のスーパースター、デーモン・ヒルに 「何でお父さんは悪魔なんて名前をつけたんです?」と聞いたマスコミが いたのには同じ日本人として頭を抱えたものですが、ずっと後になって 戸田奈津子が「オペラ座の怪人」の字幕で「パッション・プレイ」(受難劇 =キリストの生涯を描いた宗教劇)を「情熱のプレイ」と訳している 国なので、こういう伝統も引き継がれるのかもしれませんねw
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145 :名無しのオプ[sage]:2011/06/13(月) 19:30:50.32 ID:GjEXt0wx - 「横溝正史は日本の話しかないから飽きる。フランスやエジプトが舞台の
話くらい書け」と言われても困るでしょうw 江戸前のすし屋とわかって入るなら寿司を食べましょう、有名なすし屋だと 気づかずに入ったのなら今度から気をつけましょう、という程度のことで。 ホームズの時代はイギリスが世界を膝下におき、庶民がそのまだ見ぬ世界を 小説・演劇・絵画などによって知りたいという好奇心の時代ですからね。 そりゃ野蛮人の毒矢やラテンの熱い血やアメリカのギャングや、ついでに 奇怪な生物なんかが題材として要求されていたわけで。「恐怖の谷」の アメリカが「いつの時代の話だよ!」と言われたりしますけど、勘弁して あげようよという感じで。戦前のニューヨークのミュージカルに出てくる 「異国情緒に満ち満ちた外国」みたいなものですからw かたやクリスティの作品は、ダールと食事の話題の時も語られていたように、 「滅び行く大英帝国古来の伝統」に哀惜の念を持つような人々のために書かれ それをよしとする人々が支えてきたシリーズです、ものすごくザックリ言えば。 わざわざ古めかしい屋敷を建てて古めかしい生活をしている人の家に行って 「もっと電化した今風の生活空間はないのか」と言ってもせんないでしょう。 その頑固な作風が世界一のベストセラーになってしまったのが凄いんですけどね。
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148 :名無しのオプ[sage]:2011/06/13(月) 20:31:16.96 ID:GjEXt0wx - 横溝正史が乗り越えるべき不合理の象徴として描き出したはずの因習世界が
四半世紀たって郷愁の対象にされてしまった、とはよく言われていますけど、 横溝も古風な因習で完結している世界は問題ない、そこに都会的な近代が 中途半端な形で入ってきた時に人の心が歪む、なんていう話も書いていますし、 本質的な部分を押さえられる作家だから、パブリックな部分で人々を癒しつつ その時代性を突き抜けたものをつかんでチラリと描き出すこともできるという ことなのでしょうか。…橋本治も以前そんなことを書いていたような気も。 しかし「Japp」って言葉、ロックアーティストとかもいましたけど、今や 世間ではすっかり「面白CMのお菓子メーカー」になってしまいましたねw
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