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書斎魔神 ◆AhysOwpt/w
『読みました』報告・海外編Part.6

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『読みました』報告・海外編Part.6
300 :書斎魔神 ◆AhysOwpt/w []:2011/06/12(日) 10:49:06.61 ID:D43R039N
アーサー・ポージス「八一三号車室にて」を読む。
少し前の刊行だが、ミスオタの間でもほとんど話題にならなかったのが
不思議な感がある、なかなかに面白い作品集であった。
ただし、前半に収録された「第一部 ミステリ編」は、そこそこ楽しめる程度のものが多く、
あえて偶然性を利用した面白さを狙った作が目立つという感あり。
まあ、内容の多彩さ(クライム・ノベルあり、SF仕立てあり、
ファンタジーあり等々)を見ると、ミステリ編(解説によれが「広義」の
意とのことだが)と称するよりはスリラー編とした方が妥当だったかも。
個人的には,真面目なねらーちゅーか、毒男の皮肉な顛末を描いた
「運命の分岐点」が一押し。
この作家の本領が発揮されているのは「第二部 パズラー編」でしょ。
理科系出身(数学専攻)のミステリ作家らしい、破天荒な理系トリック作品が
次々と連発される面白さは格別や。
やや偶然性が絡むのが惜しいが、ねらー風な武器オタのトンデモ犯罪を描く
「横断不可能な湾」が、犯人キャラへの興趣もあって一番印象に残った。
以下にひとくちコメント、逝ってみようか!!!
『読みました』報告・海外編Part.6
301 :書斎魔神 ◆AhysOwpt/w []:2011/06/12(日) 10:49:59.16 ID:D43R039N
「八一三号車室にて」
事件は地味、意表は突くもののトリックも小技なのだが、
老人の正体が、まさかAとは・・・だからこの数字入りタイトル。
このインパクトゆえ、表題作に持って来た意図はわかる。
「誕生日の殺人」
アンチ・マープルもの。ミステリずれしていると、
真相が見えてしまうのが残念。
「平和を愛する放火魔」
「八一三・・・」と同様な動物ネタなのだが、こちらはよりダイナミックで
楽しめる。
「ひ弱な巨人」
この凶器作りネタは、きちん説明してあるだけに、かえって笑えるものあり。
「消えたダイヤ」
「平和を・・」とこの後に収録されている「横断不可能・・」の併せ技的
テーストと言えば、読んだ者ならわかるはず。
「横断不可能な湾」
前記したとおり、俺は好きな作だが、米(当時)なら2〜3年の服役で済む
程度の犯罪なのだろうか?
「ある聖職者の死」
不可能暗殺ちゅーか謀殺ものという異色作。
殺人トリックの着眼点がさすがとしか言い様がない。
『読みました』報告・海外編Part.6
302 :書斎魔神 ◆AhysOwpt/w []:2011/06/12(日) 10:51:55.19 ID:D43R039N
「賭け」
エネジー保存の法則ネタをメーンに置き、この作者十八番な動物ネタを絡めた理科系トンデモぶりが炸裂した傑作やと思うね。
「消えた六十マイル」
アリバイ工作の小道具(というかポイントを成すものだが)が、
多くの日本人にその存在は知られていても、その一般的な居住環境ゆえか、
馴染が薄いものなのは残念。だが、かなり意表を突いた面白さではある。
「悪魔はきっと来る」
ダークなタッチの時代ミステリ。主人公のスキルを利用したトリックは面白い。
「迷宮入り事件」
「共犯者がいっぱい」というタイトルもOKかと思わせる奇抜な動物ならぬ
生物(この範疇には入る)ネタ。面白し。
「静かなる死」
地形を利用した化学ネタだが、大胆な殺人トリックの面白さに魅せられた。
勧善懲悪に拘泥しない姿勢も良し。
「愛と死を見つめて」
なんか、往年の本邦のベストセラーにしてヒット映画を想起させるような
タイトル(マコかお)だが、
作品集フィナーレを飾るにしては出来は今ひとつである。
読んでいて展開が見えてしまう(登場キャラの正体等)のが残念だし、
トリックも「ひ弱・・・」と同工異曲な感を否めない。

ホック無き今、未訳作品も多いポージスだ!
という感があるが、もう出ないのだろうか?


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