- 後期クイーン的問題とかってくだらない。
163 :名無しのオプ[]:2011/05/02(月) 22:42:39.37 ID:w97FdnF1 - * 笠井潔「探偵小説論II 虚空の螺旋」
8章のタイトルが「後期クイーン的問題」 おそらく後期クイーン的問題という言葉が使われた最初期の文章。 それが法月の「初期クイーン論」によって提出されたとしているけど、 具体的にどういう問題を指しているのかは書いていない。 偽の手がかりよりは犯人による探偵の操りに重点を置いていて、 クイーンの作品だと「十日間の不思議」を重視している。 いつもの笠井の評論と同じく時代的精神だとか現代社会とかに結びつけて論じている。
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- 後期クイーン的問題とかってくだらない。
164 :名無しのオプ[sage]:2011/05/02(月) 23:19:11.39 ID:w97FdnF1 - * 笠井潔「探偵小説と二〇世紀精神」
「シャム双子の謎」と「ギリシア棺の謎」を扱った部分が 法月の「初期クイーン論」と重なる。ただし法月に全面同意ではない。 この二作品には論理的不備があるとして、かなり細かく論じている。 もしかすると後期クイーン問題=偽の手がかりの問題 という印象の普及にかなり貢献した文章かもしれない。
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- 後期クイーン的問題とかってくだらない。
165 :名無しのオプ[sage]:2011/05/02(月) 23:41:10.48 ID:w97FdnF1 - * 飯城勇三「エラリー・クイーン論」
第二部の「ギリシア棺の謎」論は、法月・笠井の主張への反論。 おそらくクイーンが考えていたことを越えた論理を用いて 「ギリシア棺」の推理に不備がないことを論証しようとする。 (飯城の言うような複雑に入り組んだ論理をクイーンが実際に考えていたなら、 そのことを作中に書かず不備と誤解される書き方をするのは不自然だと思う)。 クイーンばりにアクロバティックな論理が楽しめるので 正しいかどうかと関係なしに面白い。 第三部は副題が、<後期クイーン問題>論。こちらは評論としては少し弱い。 法月や笠井の論がクイーンやミステリの歴史的変遷について (成功しているかはともかく)論じようとしているのに対して、 飯城はクイーン作品を賞揚する姿勢が出すぎている印象を受ける。
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